○北岡秀二君 私は、自由民主党及び社会民主党・護憲連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております両修正案及び三
法律案につきまして賛成の討論を行います。
まず、
平成四年以来足
かけ七年にわたり、我が国におけるスポーツ振興策及びスポーツ振興のための財源確保策について
検討され、法案として提出されました発議者初めスポーツ議員連盟の
方々の御苦労に対し敬意を表させていただくものであります。
さて、生活に潤いと豊かさを与え、充実した毎日を過ごすために、また社会に明るさと活力をもたらすために、スポーツは欠かせないものの
一つであります。とりわけ、都市化が進み、生活が便利になったために、日常的に身体を動かす機会が減少している現代社会においては、スポーツの果たす役割はますます重要になってきております。
ヨーロッパの国々では、整備された環境で老人から子供まで手軽にスポーツを楽しんでいるのを目にします。しかし、我が国のスポーツ環境は、欧米に比べますと残念ながら十分であるとは申せません。そのため、
地域に根差したスポーツの普及、振興の面で大きくおくれをとっているのが現状であります。
また、競技スポーツにつきましても、長野オリンピックにおける
日本選手の活躍がどれだけ私
どもに深い感動を与え、勇気、誇りを呼び起こしたかここで申すまでもありませんが、一方で選手の養成、支援体制などの面で、個々の選手の
努力、犠牲に寄りかかってきたことは否定できません。
国民が真の豊かさを実感するために、スポーツの振興はこれからの大きな政策課題であり、
スポーツ振興投票制度の創設は二十一世紀のスポーツ振興に大きな役割を果たすものであると言えます。
以下、法案に即して基本的な賛成の理由を申し述べます。
まず第一に、
スポーツ振興投票制度の導入の趣旨であります。
本制度は、新たなスポーツ振興財源を創設することによって
日本のスポーツ環境全般の整備充実を図り、二十一世紀の
国民生活に不可欠なスポーツの振興に大きく寄与しようとするものであります。一般会計
予算から支出をすべきであるとの声もあることは承知いたしておりますが、昨年十一月に財政構造改革法が成立いたしましたように、国の財政は大変厳しい現状にあり、スポーツ振興
予算を大幅に増額していくことが現実的に困難であることは御承知のとおりであります。
第二に、七年にわたり
検討された制度であり、多くの工夫が凝らされている点があります。
具体的には、青少年への悪
影響に対する危惧の声に配慮し、十八歳以下の者に対しては
スポーツ振興投票券の購入を禁止していること。新たな法人の新設は行わず、既設の特殊法人
日本体育・学校健康センターを実施機関とし、役員の増員も行わないなど、行政改革の流れに沿ったものであること。収益の使途について
国民に対する情報提供を義務づけるなど、
国民の
信頼の確保に特段の配慮がなされていること。また、各
地域におけるスポーツ活動がスポーツの振興のために重要な役割を果たしていることを考慮し、収益の一部が
地域のスポーツの振興に充てられるように配慮されていることなどがあります。
その他、実施に際しては、いたずらに射幸心をあおることのないように、当せん確率や当せん金額を宝くじ並みとすることや、販売は対面販売で行うこと、試合当日や試合会場での販売は行わないことなどについては
審議を通じて明らかにされているところであります。
スポーツ振興投票はヨーロッパを中心に諸外国では既に定着した制度となっております。今回導入しようとする制度は、それらの制度を十分に
調査検討の上提出されたものであり、我が国においても、スポーツ振興のための資金の獲得方策として、また、夢を買ってスポーツ振興のために寄附する知的ゲームとして、今後広く定着するものと考えます。
また、自由民主党及び社会民主党・護憲連合提出の両修正案は、地方公共団体等の行うスポーツ振興事業に対する支援の
強化、一定の場合の
スポーツ振興投票の実施の停止、収益の使途に関する
国会への
報告、指定試合の公正を確保するための罰則の追加などを内容とするものであり、
スポーツ振興投票制度の一層適切な運営を担保しようとするものであります。まことに当を得たものであり、適切な修正であることを申し述べ、私の賛成討論を終わります。