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政府委員(三輪睿太郎君)
お尋ねの
育種の水準というものを端的にあらわす物差しというものはないわけでございますが、常識的に言えば、まずその国が高い
育種技術を持っていること、それから今、農産
園芸局長が申し上げたように、多くの優良な
種苗が国内で生産されていること、そしてその
種苗が国内でよく利用されていること、さらに言えば
種苗が輸出されて海外でも利用される、こういったようなことがその水準をあらわす指標ではな
いかというふうに
考えております。
そういった見方でいいますと、ただいま言った登録数の
関係で、要するに国内でいい
種苗ができているかどうかということでいえば、世界で第一位はオランダであります。
日本はフランスと並んで第二位の位置づけになっておりまして、お話にございましたアメリカは四位でございますから、優良な
種苗の生産が多いという点ではアメリカに負けてはいないというふうに思っております。
それから、利用されているかどうかという点でございますが、
我が国では稲、麦、大豆、こういった主要
農産物の種はほぼ全量
我が国で生産された
種子を使っておりますので、そういった意味ではすぐれているというふうに思います。また一方で、民間の
育種が中心となっております園芸の部門がございますが、こちらの部門では
野菜とか花の種は輸出をされております。かなりのシェアを占めております。しかし、球根の方は輸入が多いという
状況にありまして、こういったように園芸の部門では作物の種類によりまして競争力に差があるかなというふうに把握しております。
お尋ねのバイオテクノロジーのことでございますが、バイオテクノロジーの中で組織培養とかあるいは細胞融合といった細胞操作にかかわる部分については、
我が国はウイルスフリーの菌とか白菜とカンランのハクランとか、そういった新しいものを世界に先駆けてつくっておりますので程度が高いんですが、一番バイオの中でこれから有力になっていくだろうという遺伝子組みかえ、こちらの方は基礎研究のレベルは高いんですが、残念ながら実用
品種への応用という面ではアメリカにおくれをとっているというふうに認識をしております。
こういうこともございますので、イネのゲノムの研究とか新しいDNAの導入技術の
開発、こういった基礎的な面について研究
開発を急いでいるということであります。