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国務大臣(
島村宜伸君) お答えいたします。
全く同感であります。実は、規制緩和の問題がいろいろ叫ばれたときに、私は商店街の皆さんの集まりに行きまして、あなた方は何か違った絵に酔っていませんかと、規制緩和がもたらすことによって、今まであなた方を支えてきたいろいろな社会や
法律上の仕組みというものが取り払われると、結局は大型店が大きく進出してきて皆さんの商圏が侵されるということになるおそれが多分にありますよと。
同様に、総合病院という話が各地に起きまして、東京には特に多いわけであります。この総合病院についても
地域を挙げて大騒ぎをするわけでございますが、総合病院ができてその面の利便は得られるにしても、一方で周辺におけるいわば小さなお医者さん、小回りのきいた主治医の方々が周辺から姿を消すということもあり得ますよと。同時に、大型化が
意味するものは、決まった時間、決まった休みの日にはもう全く人がいないと、そういう面のいわば利便も得られなくなりますよということを申してかなり警告をしたところですが、最近になると、なるほど、あなたの言うとおりだったというような
意見もありますし、総合病院問題については、たまたま風間
委員と顔がいましたので申し上げますと、要は専門病院にいたしまして、
地域のお医者さんの手に負えないものだけを専門的に施療するという、お互いの分野をきちっと決めたことでどうやら問題が避けられたという面が実はございます。
今、谷本
先生御
指摘のことは非常に大事なことでございまして、私は、特に
日本の
農業というのは中
山間地域が四割を占めているわけですから、こんな効率の悪い
地域に
株式会社が出張って、大型
農業を考えようにも考え得ないわけですし、もともと
地域に対する密着といいましょうか郷土愛といいましょうか、あるいは社会的連帯といいましょうか、そういうものの希薄な大型の
株式会社がどんどん出ていくことを野方図に認めたら
我が国農業はまさに崩壊の危機を迎えるだろう。だから、それらとの兼ね合いというものをどこで時代の要請にこたえながら認めていくかということがこれから私たちの取り組まなきゃならない非常に大きな課題だろうと
思います。
ただ、一方におきましては、
農村は非常に高齢化すると同時に担い手が非常に減少しておりますので、これらについては、私もサラリーマン経験のある人間ですが、むしろ企業が効率のいい大型な
農業をやり、そこへ勤務しながらいわば福利厚生面その他の恩恵にも浴し、また退職金その他にも
保障を得る、こういう面の要請もまた無視できないだろうと
思いますので、これらについては相当真剣に時代の流れをとらえながらまさに将来的な視野で方向づけをしていくことが必要なんだろうと、こう考えております。