○和田洋子君
乳価について
お尋ねをいたします。
私は、生活者というか主婦の視点で、いつも
牛乳はすごく安いなという
思いがいたしています。ここに御了解を得て水と
牛乳を持ってきました。水と空気はただだと昔から私たちは思っていたんですが、そういうことを言うつもりはないんです。
酪
農家の
生乳の販売
価格は、飲料向け
乳価と
加工原料向け
乳価で異なっていますけれ
ども、昨年の飲料向け
乳価、
生乳の
生産者価格は
地域によって若干の違いはありますけれ
ども、報道によりますと、一キログラム当たり九十四円ということであります。これが
牛乳という製品になりますと、ここにも持ってまいりましたけれ
ども、一リットル百九十円とか、これは二百八円、きのう麹町の宿舎の近くのスーパーは目玉で百五十八円という値段がついています。(「安過ぎる」と呼ぶ者あり)これは目玉商品ですから。
牛乳と卵という商品はスーパーなどでは客寄せの目玉商品として使われているのが大変多いわけであります。この値段が高いと思うか安いと思うかについては一様ではないと
思いますけれ
ども、那須高原にも水があるわけですが、そういう
牛乳の値段と水の値段がほぼ同じであるというのには大変な私は疑問を持っているところであります。
申し上げるまでもなく、
日本の
酪農経営は、世界で最も高い
土地に悪
条件の中で粗
飼料の基盤を
確保せざるを得ないほか、サイロとか大型の
農業機械とか畜舎とか、外国なんかは外で飼っているんですけれ
ども、
日本は畜舎が要る。そして、搾乳システム等多額の投資を必要といたしております。
動物の管理を行っている
関係から十分な休養もないまま女性の方たちも大変苦労をしています。このような経営によって生産される
生乳の生産コストは、
平成八年度の全産乳生産費によれば、
生乳百キログラム当たり七千三百八十四円、一キロ当たりに換算すると七十四円であります。
ところで、ここに持ってきたミネラルウオーターは近くのコンビニで買ってまいりましたが、(「目玉じゃないのか」と呼ぶ者あり)目玉じゃなくて二百二十円です。一リットルに換算しますと百十円ということになります。ミネラルウオーターにもいろいろありますが、こっちはフランスのブランドの商品でボルビックというのは〇・五リットルで百三十円、一リットルで換算しますと二百六十円です。ここにもあります成分無調製の
北海道の
牛乳は二百八円、さっきも申しましたように百五十八円というのもあります。このほかにも水はエビアンの一リットルが二百十円、また那須高原の自然の水は一リットル九十六円、これは同
地域で生産された飲用の
乳価とほぼ同じです。
さっきも申し上げましたように、私は水と空気はただだと思っているつもりはないんですけれ
ども、水と
牛乳が大体似たような値段で売られているのが実は
現状であります。確かに、東京の
牛乳小売
価格はニューヨークやロンドンやパリに比べれば四倍程度になっているそうですけれ
ども、
国内物価で比較してみればミネラルウオーターと同程度であり、酪
農家の血と汗の結晶として生産されたものとしては決して高いものではないというふうに私は思っています。
牛乳の
農家販売
価格の総合
乳価全国平均は
平成五年度以降もう全部下がって推移しています。水の値段よりも安くなって当然というような風潮に無理があるのではないでしょうか。
それから、
乳価について
指摘したいのは、その国の事情によってかなり違うとこちもあります。大量に牛を飼っているとか外で飼えるとか、そういうこともありますけれ
ども、例えば中央
畜産会が発行した雑誌で、「ニュージーランドを旅して」という大成清さんがニュージーランドの
乳価を書いていますが、「ニュージーランドにおける酪農、
乳製品の動向」という表によりますと、九六年度における
乳価は一キログラム当たり三・一八ニュージーランド・ドル。ここで邦貨に換算してみますと、現在一ニュージーランド・ドルはおよそ七十五円ですから、
乳価は二百三十九円ということになります。
日本の
飲用乳価でさえ九十四円というのに、これはいかにも高過ぎるのではないかというふうに思ってちょっと調べてみました。
ニュージーランドにはジャージー種というすごく脂肪の高い
牛乳があるそうですけれ
ども、ニュージーランドの牛の平均を見ますと、ホルスタインが一番多くて五七%で、ジャージー種は一七%しかない。あとホルスタインとジャージーの交雑種という混血なんですが、一七%ということで、決してジャージー種だけの
乳価ではないはずであります。
世界一の酪農王国の
乳価が
日本の約二・五倍というのはどのように
理解したらいいのか、私は今でも半信半疑です。もしこれに御
説明があればお願いいたします。