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阿曽田清君
大臣の大変前向きな姿勢、心から感謝を申し上げます。ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
そこで、どれだけの減り方がここ二、三年あるのかなということで、これは我が農協の
実態だけちょっと御披露いたしたいと思いますが、米におきまして
平成七年度から
平成九年度のそれぞれの農協の取扱高、約三〇・一%減っております。四十八億三千八百万ありましたのが三十三億八千万というのが
平成九年度の米の取扱高であります。そして、ミカンにおきましては三十八億八千万ありましたのが三十四億九千万ということで、これは約一〇%の落ち込みであります。そして、イグサにおいてはもっとひどいところで九億二千二百万ありましたのが四億九千三百万ということで、
平成七年産に比べて四六%の落ち込みであります。もちろん、生産数量も落ち込みましたが、農協が取り扱っている、これはすなわち
農家の
方々に入っていく収入であるわけであります。
したがいまして、こういう
実態の中でどうやって
農家の
方々にこれから元気を取り戻してもらうかという点についで、私なりに感じておりますところを述べさせていただきたいと思いますが、米につきましては昨年、二カ年にわたりましての経営安定
対策等の新しい取り組みをいただきました。それで、これは二年間ということでありますから、三年後はこういう路線でいかれるのか、新しい
制度をつくってやっていかれるのか、もう既に準備、検討なされていると思いますけれ
ども、これについてはこの場ではあえて触れないとしたいと思います。
次に、ミカンの問題について。通常ならば、ことしはミカンの品質もまずまずのできでありました。本来ならば、需要と供給の相関関係で価格が決まっていくんですけれ
ども、
平成九年産についてはその相関関係ではなくて、まさに想像以上の暴落であったわけであります。
京浜市場の
実態をちょっと申し上げたいと思いますが、
平成八年産と
平成九年産の販売数量は、十一万五千八百二十四トン、これが八年産であります。九年産が十四万六千四百三十八トンで前年比の一二六%、京浜市場に出ているのが二六%ふえたわけでありますが、販売単価におきましては、八年産が三百七円であったのが九年産が百五十二円、これは市場の値段であります。五〇%、
平成八年産に比して半値というところであります。したがって、販売金額というものは前年に比べて六三%ということになっております。通常でしたら多くても、一割多くしたら一割安い、しかしトータルですると前年とそう変わらないという大体今までの相関関係で来ていたのが、その相関関係が崩れてしまったのが昨年のミカンの市場の
状況であります。
これはまさに私が思いますのは、今次の政策不況ということも言われますし、また経済がこのような状態であるからこそ
消費者の
方々の買い控えがあっていたということに大きく起因するのでありましょうが、もう一方、今私が
考えておりますのに、例えばもがくときはそう問題はないんですが、悩みのときは、量販店が非常に今は価格決定権を持っておりまして、量販店の意向を仲買の
方々が受けて市場で競りをする。ところが、量販店の値ごろ感というものを安く仲買に出していきますと、仲買は急遽、市場の価格を下げる競りの仕方をせざるを得ない。そうしないと、いわゆる高く買おうとしたときには量販店に自分のところが出血しなきゃならないというようなことで、今非常に仲卸の
方々がお泣きになっておる。そのことがいわゆる正しい相場を出し切れないでおるという面もあると思うんですけれ
ども、その点を
農林省はどうお
考えになっておられますか。