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国務大臣(
上杉光弘君) ナイフでの殺傷事件問題というのはさまざまな
議論があることは事実でございますし、決め手を欠いておることも事実でございます。
ただいま
委員から御提案がありました生徒同士で話をさせよというのも私は
一つの御提案だと思います。
ただ、大変根が深く広うございまして、やっぱり家庭の
教育、しつけの問題もあるだろうと。家庭生活上の子供に対する親の愛情でありますとか、あるいはそれが
不足しているとか甘やかし過ぎるとか、あるいは帰っても親がいないとか、そういう何というか放任された状態というのも
一つあるだろうと。
それから、学校で生徒の人権とかそういうものも言われますけれ
ども、学校という
教育の現場で身体生命というものが危うい状態があればそういう人の人権というものをどうするのかという、それはやっぱり厳粛な
意味でのやられる側の立場というものもあるだろうと、こう思うんです。
私は、警察は学校現場と連携をとって、あるいは
関係省庁と連携をとり、あるいは社会のいろいろな
関係団体と連携をとってやることは、これは一向やぶさかではありませんが、しかし学校現場には校長先生を中心にした学校現場としての果たすべき
責任と
役割があるような気がいたします。警察は要請があればそれに相談に乗り、あるいは
対応することは一向にやぶさかではありませんが、警察の
責任と
役割、学校の現場としての
責任と
役割、そういうものがおのずとあるのではないか。十分そういうものを踏まえて、警察権が学校
教育現場に介入するなどということは、一昔前は絶対にそういうことの要請に対してもいかぬという、あるいは大変な問題があったことも御承知だと思いますが、こういう時代になり、こういう事犯が激増しておる社会を迎えて警察もまた極めて弾力的に
対応をしていかなければならないのではないか、そのように考えておるわけでございます。
私は、直ちにこの問題については
事務方に警察庁としてどういうふうに文部省や
関係省庁とやるのか、すぐテーブルをつくるように指示しまして、これが今機能いたしておるわけでございます。
関係省庁との
事務方ベースにおけるテーブルはできて今動いております。連携を保っておるわけでございます。
それから、私は閣僚懇談会の場において
内閣を挙げて取り組む姿勢をきちっと示すことも必要だということを申し上げました。これが今回御
案内のとおり、知識層、各階層を含めた
一つの
対応のための二十一世紀を担う青少年問題の対策
会議というのができたわけでございます。
また、私は警察庁内に刃物対策の
推進検討委員会の設置を指示いたしました。これは、国際的な問題もこれあり、我が国がどういう立場でどうするかというのは当然国際的なものも視野に入れていかなければなりません。
また、国内的にも、例えば銃刀法というのは銃と刀剣、刃物と分かれておるわけであります。それらのことも、当初できた銃刀法の社会的な背景、つくられたそういう目的とは随分私は変わってきておると思うわけでございまして、今日の社会情勢に
対応した銃刀法でなければならないと思うし、そういうものも視野に入れて刃物対策
推進検討委員会というのが三月六日にできまして、これも数回の
会議を開いておるわけでございます。
このようなこと等を警察としても挙げて取り組んでおり、また対外的には刃物の製造業界あるいは販売業界、警察が独自にやったって知れたものでありますから、国民の理解、協力もお願いをし、また、そのような既存の組織があるとすれば
関係組織とも連携をとってやるように私の方からも言いまして、これらについては警察は十分連携をとりながらその成果を上げつつあるところでございます。
また、今日では、後で
事務方、生安
局長来ていますから
説明があると思いますが、ポスター等も全体的には十一万枚ですか、これを作成いたしまして、刃物に対する啓蒙啓発、また意識づけに取り組みますと同時に、この春休み期間中はそういう
意味での指導並びにまたそういう啓発啓蒙、補導、そういうものも含めまして、週間としてこの春休み中とり行うことにもいたしておるわけでございまして、今後気を緩めることなく、またそういうものに対する体制をさらに充実強化いたしまして、民主警察としての
基本線を踏み外さないように国民の皆さんとの信頼
関係を保ちながら、これらのことに
対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。