○有働正治君 有効であるという側面があることをお認めになったと。議論はいろいろ、政策展開の上でどうするかとか、それは議論はあり得る問題だと私も承知しています。
県政や町づくりとのかかわりに話を進めたいと思うのであります。
この点、
地方財政危機と言われる中でそれぞれの
自治体は大変苦慮しながら対応しているところであります。特に二十一世紀は高齢化
社会ということで、極めて切実、緊要な
課題になっているわけであります。しかも、これは
個々人の、単なる特定の方々だけの問題ではなくて、介護保険が導入される中にあって、とりわけ全
国民的な
課題となってきていると思うのであります。
さきに
全国的規模の試算結果を申し述べましたが、各
都道府県当局及び政令市当局におきましてもこうした試算がやられているわけであります。各
自治体の産業連関表に基づいて同様の形での試算が行われているわけであります。私は
国会質疑で活用したいということで
関係自治体から資料をいただきまして、結論部分を整理しましたのが二枚目の資料Ⅱでございます。各
関係自治体の御協力にここで改めて感謝申し上げる次第です。
それによりますと、県の場合に、一千億円の需要、投資があった場合ということで試算されたものであります。一千億円の投資というのは、例えば茨城県当局は新ゴールドプランで今後
平成八年度以降向こう数年間で投資、需要が一千数百億円あると見込んでおられるわけで、一千億円の需要というのは低過ぎる需要でありますが、仮に一千億円の需要があった場合の生産誘発効果を見ますと、若干の差はあります。これは私は
社会保障の整備の
状況の違い等々の差が
一つにはあるんではないかなと考えるわけでありますが、大方
社会保障が一千六、七百億円から一千九百億円程度の間、医療・保健部門が一千五百億から一千七百億円程度の間、公共
事業が一千六百億から一千九百億円程度の間、公共
事業の波及効果が高いところはその県での公共
事業の受注率がいわば高いということではないかと推測するわけであります。
資料をいただきました二十県の中で、
社会保障の生産波及効果が
一つの目安としての公共
事業と比べて上回っているのに米印的につけておきました。二十道府県の中で十二府県は
社会保障の生産波及効果が公共
事業を上回っているわけであります。
大臣御出身の宮崎もこの中に含まれて、私の出身の熊本は下回って、落差があるということが初めてわかりまして、熊本はその点で相対的におくれているかなと推察しているところであります。政令市も、五つの政令市のうち四つが
社会保障の方が上回っているわけであります。
一方、雇用効果は県及び政令市ともすべての
自治体で公共
事業を上回っています。大半が二倍、二・五倍、三倍あるいは三倍以上となっているわけであります。しかも、雇用階層の違いを見ますと、例えば大阪の場合には、公共
事業は七が男性、三が女性に対して、
社会保障の場合にはこの比率が全く逆転し、大方の県が大体共通しているわけであります。
国民所得、GDPへの貢献度も
社会保障がはるかに上回っているわけであります。
時間のかかわりで次に話を進めて、その次の一番最後の表も御参照いただければと思います。これは産業連関表に基づく試算ではないわけでありますけれ
ども、
福祉や医療の
充実というのでその町で現実に生まれている経済効果がどれだけあるのかというのをあえて数量的に試算したものであります。
町立の病院、あるいは特養ホーム、老健
施設、デイサービス、ショートステイなど
福祉・医療
関係機関に勤めておられる方々の職員の給与、それからそこで使います食材費、燃料費、紙おむつ代等々、
地元から購入している物品等々の金額を合計したらどうなるか、そういう点での
地元に落ちる経済効果というのをそれぞれの町当局にはじいていただいた数字がそれであります。その金額を比較する目安として、その地域が米どころであれば米の販売金額、それからそこに落ちている年金がどれくらいかということを参考までに示しました。
鳥取日南町は
福祉、医療の経済効果が九億六千二百万円、米販売額が約八億円。町長さんは、戦後うちの町は米と林業の町と宣伝してきました、しかしこれほど大きな
福祉の経済効果がある、米の販売額を上回っている、これからは宣伝文句を変えなくちゃいかぬということをおっしゃって、
福祉と医療の町に変えて、そのために一層頑張りますと抱負を述べておられました。山形最上町は十三億六千八百万円、米、年金とそう変わらない。新潟大和町は三十三億七千六百万円、米が約二十億円、
国民年金十八億一千四百万円。これらの町はあえて言えば最大の産業と言ってもいいという
お話でございました。宮城県の涌谷町は十二億八千九百万円、広島の御調町は二十四億七千百万円と出たわけであります。
そこで、
大臣、まとめてお尋ねするわけでありますが、先ほどの県、政令市の試算結果、経済波及効果、それから町でのあえて試算した場合の
効果等々から見まして、本当にこれからの高齢化
社会に向けて
社会保障、
福祉、医療等々の拡充に国としても積極的に支援していく、大きな
役割があるということ等、感想を含めまして簡潔に御所見をいただければと思います。最後ですから
大臣に。