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国務大臣(
松永光君) この問題は、まず第一に平成七年八月に兵庫
銀行が実質破綻
状態に入った、それに対してどう対応すべきかということがあったわけだと思います。
その場合に、受け皿
銀行があれば受け皿
銀行に吸収させて、そして兵庫
銀行は消滅させる、こういう選択肢が
一つあったと思うんです。しかし、受け皿
銀行がなかったと。その場合に、そのまま消滅させていいだろうかと。もし、そのまま消滅させるならば、その当時は預金保険法の改正がなされてない
状態でございましたから、兵庫
銀行の
預金者は一千万しか預金の払い出しが受けられない。それはそれから七カ月前の阪神・淡路大震災の被災者もたくさん
預金者の中にいたと思われますね。その
預金者が兵庫
銀行に預金をしておるのに一千万しか預金の払い戻しが受けられないということに理屈の上ではなります。それは
余りにも太るな問題になるなど。
もう
一つは、震災から復興をしつつあるときでありましたから、資金の供給を受けたい、貸し出しを受けたいという中小企業その他たくさんあったと思われますが、破綻のままだというと兵庫
銀行のそういう融資行為はとまったままになります。それはその地域の復興のために非常なマイナスになる、こういった等の判断のもとに急遽地元の企業、それから全国の
金融機関の
人たちに応援をしてもらってみどり
銀行という新しい
銀行を創設して、そこに兵庫
銀行の言うなればすべての預金あるいは
不良債権も含めた
債権の引き取りをさせて、そしてみどり
銀行としてスタートしたという経過が
一つあるわけですね。
したがって、問題の
一つは平成七年八月の時点で
預金者の保護、それから震災復興ということの必要性に基づく貸し出しが引き続いてなされるようにするということ、それが
預金者保護とあの地域の社会不安を未然に防止する、
経済不安を未然に防止する、そのことのための
措置としてあの時点で破綻させてしまった方がいいんだろうか、あるいは、今申したように、みどり
銀行という
銀行を地元その他から応援をしてもらってつくって、そしてそこに引き継がせるという形でみどり
銀行というのをスタートさせた、そっちの方の判断が正しかったのか、どちらかという点が
一つ判断すべき事柄だろうと思うんです。
私は、いろいろ説明を聞いていますというと、なるほど震災による被災者がおって、それが兵庫
銀行から一千万だけしか預金の払い出しを受けられないという
状態はこれは絶対避けなきゃならぬ。それからまた、復興していかなきゃならぬわけでありますから、復興のための資金供給をしてくれる
銀行というものは必要だと、そういうことで地元の企業の応援とか全国の金融
関係者等の支援のもとに急いでみどり
銀行をつくって、そして今申したような不幸な事態が起こらぬようにいわば緊急避難的に新しいみどり
銀行をつくった、そして
経済的な不安、社会的な不安、そして災害に遭った
預金者の大変なマイナス、それを防止する、こういった
措置をしたことは選択としては結論においては正しかったんじゃないかと私は判断をしたわけであります。
問題は、それから幾らもたたないのに今度は実質債務超過という
状態になったと。それには理由はあるわけでありますけれ
ども、要するにスタートのときから、普通ならば
不良債権は預金保険機構に時価で買い取ってもらうということをした上で引き取るのでありますけれ
ども、新しい預金保険機構がなかった当時でありますから預金保険機構からの支援を受けることができなかった、したがって多くの
不良債権をそのままみどり
銀行は引き継いだという
一つの特徴があるわけですね。
そこで、みどり
銀行の経営者の責任を論ずる場合には、私が思いますのに、みどり
銀行がスタートした後の貸し出しの中にどれだけ審査不十分で貸し出したのがあるか、またみどり
銀行がスタートした後の貸国
債権がどれだけ
不良債権になってしまったか、そういった点はきちっと審査をして、そしてそれなりの経営責任が論じられるのが筋だろうというふうに私は思います。
したがいまして、
委員会の方にも今申したみどり
銀行設立の経過、またその意図、スタートした後今日までの間にどういうわけで短期間の間に債務超過という
状態に陥ったのか、そのいきさつ等々は明らかにして、阪神
銀行に実質吸収させるにしても、そして預金保険機構の支援を受けるにしても、そのいきさつというものは透明にして、そして対応するのがいろいろの批判にこたえる道だろうというふうに私は考えておるのでございます。