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西山登紀子君 これは財革法を論議するときに、
法律でこの予算の編成をもともと決めるのは間違っているというような
議論も、むしろ与党の議員の中からも出てきたようなことなんですが、財革法というのは、
大臣がおっしゃるように
法律に
関係なくというのではなくて、
法律でこれだけにしなさいということを義務づけているという点では非常にこれは問題のある
法律であったわけです。ですから、当
委員会では
大臣も、無理をして削減の努力をしているんだということを何回となく言われたと思います。
法律に
関係なく予算の削減という仁とではなくて、財革法の立場からやらなければならなくて、無理なこともやっているんだということを何度も
大臣は言われたと思います。私は率直にお認めになった方がいいと思います。
四月三日の衆議院厚生
委員会の中で、与党の
委員の中からも率直にこういうような御
質問がありました。「どうも
財政構造
改革法の実施のためのものであるという性格が否定しがたいというか、極めて強いという印象は否めないところだろうと思います。もっと言いますと、
財政構造
改革法の縛りに合わせるためのものであって、もっと言うと、
医療制度あるいは
医療保険制度の改善というためというよりも、
財政上の必要に合わせた予算の数字合わせというために行われるものではないかということも心配をされるわけであります。」、これは与党の厚生
委員の方の
質問なんです。
そして、こういうことも言っています。「仮にこの
財政構造
改革法というものがなかりせば、本改正というものは
医療制度の改善という意味で必要なものであったのかどうかということも
議論になる、このように思います。」ということで、衆議院厚生
委員会で与党の議員がこういう問題提起をしているわけで、私はそういうことに同じような
意見を持つわけでございます。
さらに、
医療福祉審議会の
審議を見ておりましても、やはり財革法との
関係で五百六十億削減先にありきというような
審議が行われたということは、メモをいただいているわけですけれ
ども、ありますね。
ある
委員なんかは、退職者の問題については
拠出金の
関係でこれまで
議論したことがなく、十一月になって突然持ち出してくるのはおかしいというふうな御
議論だとか、五百六十億円の国庫負担の減を前提で
議論を行わなければならないのか、まずきょう
議論する必要があるか否かについて
議論してほしいというような
意見などなど、
審議会の中でも非常に唐突だというふうなことが出ております。退職者の
拠出金負担を被用者保険に転嫁する際に国庫負担を廃止しようとしているが、
年金受給者の
老人医療費拠出金に国庫負担をつけることにも意味があるのではないかというような
議論があったり、いろいろ
議論がされているわけでございます。
やはり私は、こういう
議論からも財革法との
関係で今回の法案が出されてきているということは明らかだというふうに思います。
次の
質問に移りたいと思います。
来年度に限って財革法の
キャップを外すという問題なんですけれ
ども、
大臣は、当
委員会でも
社会保障だけマイナスでは
国民の
理解が得られないということを何度か御
答弁なさっているわけです。この点は財革法が制定された以降の四カ月の中で既に起こっている矛盾であります。しかし、もともと
社会保障予算というのはほかが減らせば同時に減らしてもいいという性格のものではないと考えます。それは、
社会保障というのは
国民の命と健康を保ち日々の生活を直接支えていくためにもどうしても必要なものであります。この点については橋本総理も、例えば四月十三日の予算
委員会で、一番
国民に身近な問題を抱えるところだ、
社会保障は、というふうな御
答弁もされているし、
大臣自身が、これも四月十七日の衆議院厚生
委員会での御
答弁ですけれ
ども、好況不況に
関係なく必要なものがあるというふうに答えているわけです。
自然増というのが八千億円あるわけですけれ
ども、それを無理に抑え込むということを予算の
関係でやりました。私は、やはりこの
キャップを外す場合には、九九年度一年ということではなくてすべて
キャップを外すということでないと、
大臣の言われる意味の
国民の
理解を得るという点でも得られないのじゃないかと思うんです。