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西山登紀子君 ちょっとそれはいただけないと思います。防止をするためにその
エイズの
感染経路も非常にはっきりしているし、そして非常に弱いし、通常の生活では
感染しないという認識については当時も今も同じ認識を持っている。当時、今と同じような認識を既に
厚生省は持っていた。大臣も持っていたし国会の
答弁でもちゃんとしておられたというふうに思うわけです。
しかし、その認識を持っていたにもかかわらず、なぜ
エイズ予防法という
感染者の
人権を非常に拘束する、練る、あるいは差別、迫害、血友病
患者さんでHIVに
感染していらっしゃる
方々、それから血友病
患者さん全体をこの社会から本当に迫害させるようなこういう
エイズ予防法を制定したのかということが一番今問われる問題だと思う。私は、それははっきりと誤りであったということをお認めになるべきだと思います。誤りであった、何がどう誤っていたのか、だれが誤ったのかということをやはりこれは歴史の検証として、この新しい
感染症法をつくる上では今度のこの国会がやっぱりそれをきちっとする使命を持っているだろうというふうに思うわけですね。事実の検証というのが非常に求められているし、その事実の検証に基づいたきちっとした反省、それから
人権を迫害された被害者に対してどうやって報いるのかということをはっきりしないと、教訓化しないと、今度もまた過ちが起こることになるのではないかなというふうに思います。
それで、ちょっと時間のあれがありますので先に質問いたしますが、この事実の検証という点で、この
エイズ予防法制定当時の
厚生省の資料、九六年の
エイズ国会のときに
厚生省はたくさんの資料をお出しになりましたよね。ないないと言っていた資料までたくさん出した。ところが、出した資料の中で、墨塗りにして事実を明らかにしないということを私たちは随分この
委員会でも問題にしたんです。それは、時代的には一九八三年から八五年とか、その当時の出てきた資料についてやっぱり墨塗りがあったということで問題にしてまいりました。
私がきょう問題にしたいのは、業務局ファイルの二十四、八六年から八七年にかけてとった血液学会のファイルというのがここにあるわけですけれども、そのいただいたファイルの中に、三十六番、「
エイズ対策の法制化について(案)」、八七年一月二十八日、百四十七ページ。それから三十七番、「
後天性免疫不全症候群についての法的
措置の概要(素案)等」、百四十九ページ。四十一番、「
エイズ対策の法制化について(案)」、八七年一月二十七日、百六十ページ。四十二番、「メモ・
エイズ法案素案と問題点」、八七年一月二十七日、百六十三ページ。こういうのがこんなふうに全部真っ黒なんですよ。
こういう真っ黒なまま資料をいただいても、当時何があったかわかりません。それはやっぱり国会に明らかにするべきです、何を考えていらっしゃったのか。ましてや正しいとおっしゃるのであれば、何も隠す必要はないんじゃないですか、
エイズ予防法の制定が正しいと言うのであれば。どうしてそんなに克明に真っ黒にするのでしょうか。私は、この資料の公表、提出はされているんですけれども、墨が塗られて中身がわからないわけですから、この中身を明らかにしていただいて、そうでなければ、新しい
法律をつくってもやはり多くの被害者は報われないし信頼は回復しないというふうに思うわけです。ぜひこれを、資料を公表していただきたいと思います。