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福本潤一君 これは、
心配が広がらないようにという話とは違うと思うんです。
心配なことはやはりきちっと
心配したいというのが家庭の奥さん方です。
心配でないと本当に保証してくれるだけの実績がないにもかかわらず、とにかく
心配するなというだけの話だと、いろいろな御
意見、私もさまざまな方から聞きます。
水俣病のときには、有害物質じゃないから人体に与える影響はまだまだ安心ですよ、動物では実験でこれだけの大変なことですからということはありましたけれ
ども、ダイオキシンに関してはもう化学式もわかっている。そして、なおかつ危険な、要するに一グラムで一万人を殺すだけの猛毒なんだと。ピコとかナノとかいう話になるからわかりにくいだけで、最も毒性のある分では一グラム当たり一万人は亡くなる猛毒なんだということは、毒性としてはわかっているわけです。自然界に本来ないものが発生している。それが、大きなプラントをつくらないといけないものじゃなくて、日常的に塩化ビニール等を不完全燃焼すればダイオキシンが発生するというのはわかっているわけです。
そうしますと、そこらから本格的にこれは
対応しないと、恐らく奇形児や何かもこれだけの数値になっていると生まれているはずです。生まれているけれ
ども厚生省は知らないという形で、認知しなければわからないままで、生まれて育っている
人たちは隠しますから。ベトナムでどういうことが起こったかというと、四千人以上の奇形児が生まれたときに、親はうちの子がこんな子であるはずないという形でかなり放置しておるんです、現実に。
日本ではそういう状態にならないです、隔離して育てますね。お医者さんに聞いても、そういう奇形児になるときはほとんど流産すると言うんです。だから、流産発生率みたいなところから追っていけば、本来出産すると奇形児になるけれ
ども流産のような形で済んだということが起こっている中で、ベトナムと同じぐらいのダイオキシン量ということになれば、しかも血液中にこれだけの量を蓄えているということになれば、水俣病のときはまだ毒性が確かにわかりにくかった、因果
関係も人間ではわからないというのも言えるんですけれ
ども、動物実験で大変危険な毒物が、国際的に見てもきちっと
対応した
基準を設けているにもかかわらず設けていないということになれば、きちっとした
対応をしないと今度はちょっと言いわけができない段階に来ると思います。
だから、薬害エイズと同じように、もしこれを認知したら責任をとらなきゃいけぬという形で、人体実験はまだですよまだですよと言って、これが二十年続いたら、因果
関係を人体で究明するには、例えば所沢の今後の死者とかそういう形でやるしかなくなるわけです。じゃ、あそこで人体実験をやっているんじゃないかという話になるのであって、人体実験ができないから、動物実験のところで原因はきちっとダイオキシンの毒性というのでこれだけ効くと。
また、最近は
環境ホルモンという
意味でも影響があるんだから、死ぬ量のもっともっと薄い量で
環境ホルモンとして作用するわけです。そうすると、死者の量という形で考えないで、女性ホルモンとして働いたり、ほとんどが女性ホルモンで働きますけれ
ども、二%ぐらい男性ホルモンとして働いたりするようなものもあるようです。
今生命の、死とかそういうもので話していますけれ
ども、化学物質なんですから、そういう微量でも影響するという形で
環境ホルモンのきちっとした環境
基準を、きょう即座にお答えを要求いたしませんので、国際的にもWHOは十ピコグラムから、一から四に変えた、これが現実です。この十ピコグラムというのは
日本から比べたらはるかに小さい量です。
今度は、空気中の煤煙の八十ナノグラムの話も、二〇〇二年まではというのがあって、その甘い
基準のためにそれまで産廃をばんばん所沢で焼いてしまって、とにかく空気を汚しても自分の産業として成り立って生きていく
人たちがそういう
仕事に入って、二〇〇二年になったらやめる、ほかに転職するが、それまではという形で、割と無責任
体制のまま焼却炉が進んでいますので、そういう
意味では国際的な
基準に本当に合わせていかぬと、合わす以上に、むしろ本来リーダーシップをとってやらなきゃいけぬぐらいの
状況が
日本では生まれているということを強く強く腹に据えていただきたい。
確かに、環境庁は、予算
委員会で我々の
質問に対して誠実に答えていただきましたし、かなり予算も補正予算でつけておるようでございます。厚生省もかなり予算をつけておるようでございます。ですので、ぜひとも
基準というものをダイオキシンに対してはもっと厳しく、自然界にない、ゼロであっていい有害物質なんですから、
対応していただきたいと思います。
もう
一つ、環境庁は、コプラナーPCBも入れるというのを書いておりました。
要するに、ダイオキシンと似たような働きをしておるコプラナーPCBをのけて二百数種類のダイオキシン類という形でデータを
日本は出して、最も毒性の強いものに合わせてデータを出しているから、コプラナーPCBも結構の量なのにそれが入っていない、
基準値も甘い。アメリカのデータ、ドイツのデータに比べて低いデータで出しておるわけですから、それも入れたらもっと本来は高い値だという中で許容されている世界でデータが出ている。学者のデータを私は信用しますけれ
ども、市の焼却炉から出てきたとか、そういうのはかなりずさんにやっているだろうなというのが、この前の
質疑でやった後、大阪のデータとかという形で出てきておるわけですから、ぜひとも
基準値を、これは厚生省も含めてよくよく見直していただきたい、
答弁を求めないできょうは
対応したいと思いますので、よろしくお願いします。
続きまして、厚生省の方に、先ほ
ども出ていました
環境ホルモンの方に若干
質問を変えて投げたいと思います。
ポリカーボネート容器がかなりの割合で普及していますが、神奈川県にちょうど違う
対応をした三都市がありますので、その
関係の話をお
伺いしたいと思います。
一つは、横浜市は、ポリカーボネート容器、PC容器と略しますが、非常にいいということで早めに取り入れて、横浜市の三分の二ぐらいはPC容器になっている。そういう段階のときにビフェニールA、要するに
環境ホルモンが溶出して出るという、まだはっきりした
状況でないときに横浜市は
対応せざるを得なかった。
川崎市は、取り入れるのがおくれたと言っては失礼ですから、まだ取り入れていなかったときにそういう
情報が出てきている。
環境ホルモン自体
日本では一年前から使われた用語ですから、まだまだこれからダイオキシンとは違って研究を進めていかれると思います。
そして相模原は、もう既にこれはいかぬということで、二、三日前に、使っていたPC容器を廃止する、かえるという決断を下した。
確かに「メス化する自然」や何かを読みますと、物すごく危険が迫っているなという形に
感じます。要するに、世の中全体が女性化した自然という形で雌化している。これは人体で言うたら、アメリカのようにそれこそ男性はホモ化して中性化し、女性は早熟になって、その組み合わせから子供が生まれないわけですから、それがだんだん続いていく。
だから、出だしが、動物の世界でワニが絶滅しかかっているような話を人間に当てはめて書いています。今は子供がだんだん少なくなっている、少子化と言っていますけれ
ども、出だしが最近子供が生まれなくなったねという話で話が始まるわけです。どうしてだろうねという話から、だんだん二十年ぐらいたったときに、いや本当に生まれる子がいなくなったね、ゼロになったね、これは大変だ、男性の精子が減っているというので
対応策を必死で頑張ろうとしたら、精子が二千万以下になったときには生殖しないと言われていますから、今ですら、データによっては五十歳以上の元気な方の一cc当たり一億三千ぐらいある精子が二十歳以下の人は六千万以下になっていると。何らかの影響を受けているのは間違いないわけでしょう。瀬戸内海でもカキが減っているとかそういうような話はいっぱい聞きますから、聞いている話が何か世相と合っているし、自分でも実感されるというような話が出ているんです。かなり深刻な影響を与えておるわけです。
そういうときに、このPC容器に対して、具体的にそれが出ているとなったら、それはお母さん方は不安がります。おばあさんや何かとは、うちは子孫が絶えるんじゃなかろうかという話まで言い始めていますし、お母さん方は、うちの子供は子供が生まれぬようになるんじゃないかという話まで会話に出てきています。
ある
意味では過剰な報道という
感じもあるのかもしれませんけれ
ども、ダイオキシンのときは逆に全然報道してくれなかった。立川
先生がNHKと組んで三カ月に一回ぐらいぽつりとNHKでダイオキシンをやっていた。ぽつりとやっていてもかなり頻繁にやっていたなと思うんですけれ
ども、それでも認知されなかったのが、ここに来て国会でも非常に取り上げられることも含めて、きちっとした
対応をしてきてくれたということになりますと、このポリカーボネート容器に不安を
感じておられるお母さん方に対して、やはり厚生省としては、文部省の話だというふうに逃げることもできるかもわかりませんが、生命、生存にかかわる話ですので、どういう形で持っていこうとされているか、ほかの
委員もやりましたけれ
ども、再度これきちっとお
伺いしたいと思います。