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赤桐操君 新道路五計での高齢者
対策についての
考え方の問題に入りますが、昨年六月に出された
道路審議会建議がございます。この中では、既にもう車中心の社会、車社会から人中心の道路づくりへとシフトすべきだということが
指摘されております。これはもう強く出ておるところであります。あるいは高齢社会への備え、歩行者の視点からのバリアフリー化などの
道路整備を進めること、こういったことが具体的に出ておるわけであります。しかし、高齢者
対策についてどのような課題があって、新しい道路五計ではどのような
施策を具体的に講じていくのか明確でないように思うんです。これは見ておってもわからない。
特に、道路沿いに高齢者が歩行する場合の
施策に比べて、高齢者が安心して、安全快適に道路を横断するための
施策、これについては明確になっておらないのではないか。全国の歩道橋や地下横断歩道は大部分が階段式でございまして、今申し上げたとおりでありまして、高齢者
対策の視点からするならば、どんなふうにこういった問題について取り組んでいくのかということは既に明示されるべきだと思うんです。
例えば、思いつくままに
考えただけでもエレベーターというのはすぐ頭に浮かんでくる。エスカレーターはどうだろうか、あるいはスロープの緩い傾斜などをつくっておいてはどんなものだろうかということは大体常識的に出てくる
考え方だと思うのでありますが、これらのいろんな
考え方が具体的に高齢者というものにどう当てはまるものだろうかということを
検討してみると、これは絞られてくると思うんです。
〔
理事山崎正昭君退席、
委員長着席〕
エスカレーターというのは、実際には高齢者の方々は足が弱っていますから余り好まないです。これは危険なものだと
考えています。若い人たちは余り感じませんが、大体高齢者はみんなそれは感ずるんです。さらにスロープについても、これはなかなかやはり大変でございます。そうするとどうしてもエレベーターになってくる。
そこで私は、エレベーターについて若干私の身近なところで工事されたところが現実にありますのでそれを調べてみたんです。私の
千葉の状態で申しわけないんですが、全国はわからないから私は
千葉の例で申し上げるんですが、これは
千葉駅前の地下道でのエレベーター設置工事でございますが、
平成六年度から八年度にかけて行われたものであります。これで見るというと、エレベーターの本体工事だけで約五千九百万円の経費がかかっているんです、これは二つありますから。それで、また
千葉市役所前の国道十六号線の歩道橋、これは高くなっているものでありますが、この横断している歩道橋、これは
平成六、七年度の工事でつくられたものでありますが、エレベーター二基を設置しておりまして、外構・本体工事合わせて四千七百万円ということになっておるようであります。こういう報告を聞いております。いずれもこのうちの半分は国の補助で出ているんです。これで大分地元は助かっているわけです。それでやっているんです。
千葉市というのは、
千葉県下の各市町村から見たら一番懐ぐあいのいい市なんです。これでもこの程度なんです、率直に申し上げて。これはもう約百万人に近くなるわけでありますし、港はあるし、人の集中するところですから、これは懐ぐあいがいいんです。それでも現実にはこの程度しかできていないんです。
いずれにいたしましても、二分の一の補助金というのがかなり
効果を与えた、影響を与えたと思いますが、こういうような結果になっている。コスト的に見るとかなり金のかかるものであるということだけはこれで理解できたわけであります。
横断歩道というのは老朽化していくものでありますから、震災時に落橋したり、あるいは復旧時の道路
交通に著しい支障を及ぼすおそれが大変ございます。阪神のことは余りよく私も聞いておりませんけれ
ども、高齢者
対策の
観点によらなくても、今後の一般的な
施策としては横断的な歩道というのは余りいいものではないんじゃないか、一朝有事の場合などはこれが障害になるんじゃないか、こういうように私は最近
考えております。
したがって、これはよいものではないと思うけれ
ども、当面の問題として
考えていくというと、高齢者が横断する場合においては、
施策としては例えばエレベーターをつけるとか車道の地下化を図るとかバイパスをつくるとか、こういったこともどうしても出てくると思いますけれ
ども、こういうものを含めて
交通量の抑制や信号機の調整、いろいろ
考えてみてもこの程度です。それ以上はちょっと出てこない。これらをケース・バイ・ケースでもっていろいろ組み合わせながらやらざるを得ないと思います。
いずれにしても、高齢者社会というものはこれは避けて通れないんです。みんなここにいらっしゃる方々はやがてそういう立場になるんです。私が一番だろうと思うんですけれ
ども、皆そこまで行くんです。そうなると真剣にこれは
考えてくるようになる。そのときでは遅いんです。
私は、幸いにして今この席上におりますので、自分の実感を込めて申し上げておるわけでありますが、こういう
状況はえてして弱い人の立場でありますから、景気のいい強い方に
予算の編成にしても
施策にしても持って行かれるのはわかります。わかりますが、二十一世紀、これから迎える五十年は、この前の
委員会から申し上げているとおり。これは今までの五十年とは違いますよ、
日本の人口構成が根本から変わってきますよ、すべての社会構成全体を変えていかなきゃなりませんよと。こういう
状況の中で
考えでみるというと、道路問題に対する今のこの問題については、これはどうしても高齢者
対策は
考えなきゃならない問題ではないんでしょうか、このように私は
考えておるところであります。
時間を節約するようにと言われていますのでこの辺でとどめたいと思いますが、言い足りないところがまだたくさんありますが、大体おわかりになっていると思いますから、心を込めてひとつ御答弁願いたいと思います。