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上田耕一郎君
会長から過分のお
言葉をいただきまして、恐縮しています。
私、この前身の
外交・
総合安全保障調査会時代からちょうど十二年、この
調査会のメンバ一で
仕事をさせていただきました。勝手なことをいつも申し上げていまして、大変
感謝しております。
私、最近、
参議院の
役割について
二つの
新聞社から取材をされまして、
審議の空洞化問題がいろいろ言われている中で、この
調査会の話をすると、
新聞記者は大変驚きまして、今度のこの
ODAに関する小
委員会の
報告書なんかを見せたら、そういうことをやっているところは衆議院にはありませんねと大変驚いておりまして、私も改めてこの
調査会の
仕事の
意義を感じたんですが、若干PRが不足しているんじゃないかなと思った次第です。
それで、この
調査会の非常に積極的な
意義として私、
三つ申し上げたいんですけれ
ども、
一つは、非常に自由な
討議、自由な
審議をしておりまして、ほかの
常任委員会では大体、
会派の人数に応じて
質問の割り振りがあるでしょう。ここは、
参考人に対しても平等で、それぞれ自主的に自由に
参考人に対する
質問あるいは
意見発表をやっておりまして、これは非常にいい伝統だと思うんですね。それがこの
調査会がいい積極的な
仕事ができている
一つの大事な条件なんじゃないかと思います。
それから
二つ目に、この十二年間で、まとまった
仕事として
調査会がやった
仕事として、
ODAに関する八九年の七
項目合意、それから今回の
報告書、これは特筆に値する
成果で、各
会派一致してこういう提言ができたということは大変よかったと思うんです。最初の七
項目合意は、
政府の
ODA大綱にも影響を与えていますし、いい
仕事ができたと思うんです。そういう点では、各
会派の
いろいろ違いはありますけれ
ども、
日本にとって大事な
問題点をここで
テーマとして取り上げてやっていくというのは、今後ともぜひ生かしていただきたいというふうに思います。
それから
三つ目に、
板垣さんも申されましたけれ
ども、国際問題について国際的な現場に行く
調査、これが非常に大きな
役割を果たしたと思うんです。私、三回参加していまして、八七年には
加藤会長と一緒に、カナダ、
アメリカの
調査をいたしました、一日に
三つぐらいの訪問で、大変そのスケジュールはきつかったんですけれ
ども。私、
アメリカの
政府の大体次官や
次官補クラスにずっと会ったんですけれ
ども、どういう
人たちが、どのくらいのレベルの
人たちが
仕事をしているのかがよくわかりまして、大変役に立ったんです。
それから、九二年には
佐々木会長の
もとで中東五カ国を訪問しまして、このときも三人の
外務大臣にも会いましたし、いろいろ
討議をやって大変よかったです。僕はキッシンジャーの
回顧録の
シャトル外交についての本を読んでいったのが役に立ったんですが、思わぬ副産物は、
遠藤周作氏の「イエスの生涯」という本を読んでいって、エルサレムへ行って、
キリスト教が持っているあれだけのエネルギーがどこから生まれたのかということが
一つ感じでわかったことなんかもあります。
三回目は、
林田会長の
もとで
ASEAN五カ国へ参りまして、これはこの間
理事会でもちょっと述べたんですが、私
どもの党の
政策を前向きに前進させることにも役立たせていただきまして、うれしい思いをいたしました。
国際問題はこれからいよいよ重要になりますし、
日本が
世界の中で果たす
役割は注目される時期になります。さまざまな
問題点はありますけれ
ども、ぜひ今後この
調査会が大きな
積極的役割を果たされるよう心から期待させていただきます。
どうも長い間ありがとうございました。(
拍手)