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1998-02-03 第142回国会 参議院 行政監視委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十年二月三日(火曜日) 午前十時開会 ――
―――――――――――
委員
の
異動
二月二日 辞任
補欠選任
峰崎
直樹
君
小川
勝也
君
橋本
敦君
山下
芳生
君 ――
―――――――――――
出席者
は左のとおり。
委員長
竹山
裕君 理 事 太田 豊秋君
上吉原一天
君
中曽根弘文
君 竹村 泰子君
赤桐
操君 都築 譲君 委 員 井上 吉夫君 岡 利定君 久世
公堯君
坂野 重信君
須藤良太郎
君 鈴木 正孝君 田村 公平君 長尾 立子君 村上 正邦君
小川
勝也
君 千葉 景子君 平田
健二
君 大森 礼子君 松 あきら君 山本 保君 清水 澄子君
山下
芳生
君 泉 信也君 水野 誠一君 菅川
健二
君
国務大臣
国 務 大 臣 (
総務庁長官
)
小里
貞利
君
政府委員
総務庁長官官房
審議官
西村 正紀君
総務庁人事局長
中川 良一君
総務庁行政監察
局長
土屋
勲君
事務局側
常任委員会専門
員 田中 久雄君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件 ○
行政監視
、
行政監察
及び
行政
に対する
苦情
に関 する
調査
(
行政監察制度
の
現状
について) ――
―――――――――――
竹山裕
1
○
委員長
(
竹山裕
君) ただいまから
行政監視委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 昨二日、
峰崎直樹
君及び
橋本敦
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
小川勝也
君及び
山下芳生
君が選任されました。 ――
―――――――――――
竹山裕
2
○
委員長
(
竹山裕
君)
行政監視
、
行政監察
及び
行政
に対する
苦情
に関する
調査
を議題といたします。 本日は、
行政監察制度
の
現状
について
総務庁
から
説明
を聴取した後、
質疑
を行うことといたします。 議事の進め方でありますが、まず、
総務庁長官
及び
政府委員
から
説明
を聴取した後、各会派を代表する
委員
が五分
程度
順次
質疑
を行い、その後、各
委員
が自由に
質疑
を行うことといたします。
速記
をとめてください。 〔
速記中止
〕
竹山裕
3
○
委員長
(
竹山裕
君)
速記
を起こしてください。 それでは、まず
総務庁長官
から
説明
を聴取いたします。
小里総務庁長官
。
小里貞利
4
○
国務大臣
(
小里貞利
君)
総務庁長官
の
小里
でございます。 初めに一言ごあいさつ申し上げます。
財政状況
の危機的な
悪化
、少子・
高齢化
の急速な進展、経済の
グローバル化等
に伴う大
競争時代
への突入、さらにはたび重なる
不祥事
の
発生
などにより、
行政
を取り巻く環境が極めて厳しくなっております昨今、
行政
の
機能
、
あり方
を問い直し、二十一世紀にふさわしいこの国の形を再構築していくことが喫緊の
課題
となっております。 こうした
状況
の中、
行政
の
監視
を任務とされる本
委員会
が
参議院
に設置されましたことはまことに時宜を得た
大変意義
の深いことと存じます。本
委員会
がその力を遺憾なく
発揮
されることを心から祈念申し上げます。 次に、
総務庁
の
行政監察制度
につきまして、その概要を御
説明
申し上げます。
行政監察機能
は、大きく分けて
行政監察
と
行政相談
の
二つ
の柱から構成されております。第一に
行政監察
は、
行政部
内の
自己改善機能
として
行政
の
制度
、
運営
について
実態
を
調査
分析し、その結果に基づき
改善方策
を
関係行政機関
に
勧告
するものであります。第二に
行政相談
は、
国民
の
行政
に関する
苦情
や
意見
、
要望
を
受け付け
、
関係行政機関
に
あっせん
を行うことにより、
苦情
の
解決
や
意見
、
要望
の
実現
を促進するものであります。詳細につきましては後ほど
行政監察局長
から補足的に御
説明
させます。 このような
総務庁
の
行政監察制度
は、これまでも少なからざる
実績
を上げてきたものと自負しておりますが、先般の
行政改革会議
の
最終報告
におきましても、
評価機能
の一層の
充実強化
が求められておりますように、
皆様
から
行政監察
に寄せられる期待にはまことに大きいものがあります。 昨今の
行政
をめぐる大変厳しい
状況
を真摯に受けとめ、これまでにも増してその
機能
の
発揮
に努めてまいる
所存
であります。
国会
における
行政監視機能
と
政府
における
行政監察機能
がそれぞれの
役割
を十分に果たし、相携えて
行政
の
改善
に邁進することが求められていると存じます。私に与えられました使命の重大さを改めてかみしめ、
粉骨砕身職務
に精励する
所存
であります。
委員長
を初め、理事、
委員
の
皆様方
の格段の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
竹山裕
5
○
委員長
(
竹山裕
君) 次に、
行政監察局長
より
補足説明
を聴取いたします。
土屋総務庁行政監察局長
。
土屋勲
6
○
政府委員
(
土屋勲
君)
行政監察
及び
行政相談制度
につきまして、お手元の資料に即して御
説明
させていただきたいと存じます。 「
行政監察制度
の現状について」と表題を書いております
説明資料
のほかに、別冊で
参考資料
を配付いたしております。
説明資料
に沿って御
説明
申し上げ、必要に応じ
参考資料
をごらんいただくということにしたいと存じます。 まず、
行政監察
でありますが、
説明資料
の一ページにありますように、これは
政府部
内の
自己改善機能
として、
行政
の
制度
、
運営等
の実態を
調査
分析し、その結果に基づき
改善方策
を
関係行政機関
に
勧告
するものであります。国会や会計検査院が外部から
行政
を
監視
されるのに対し、私
ども行政監察局
は
行政
みずからがまず
自己反省
、
自己改善
を行うことが必要であるという観点から、その
専門機関
として設けられております。そのため、
行政監察
は
政府部
内にありますが、各
省庁
からは独立した立場、第三者的な立場にあります。それから、
行政
の実態を
調査
分析するというアプローチをとっているわけでございます。いわゆる
実証主義
ということでありまして、
行政
の現場における実態をベースに具体的な事実、
問題点
を積み重ねて各
省庁
に
改善方策
を
勧告
しております。
行政監察
は、その
実施形態
から
中央計画監察
と
地方監察
に大別をされます。
中央計画監察
は、
総務庁本庁
が
監察テーマ
、
調査
時期、
調査対象
、
調査方法
などを決めまして、
出先機関
である
管区行政監察局
、
行政監察事務所
を動員しまして
実地調査
を
実施
するものでして、年間二十本程度の
テーマ
についてやっているところでございます。
機能
といたしましては、
総務庁長官
から
関係省庁
の大臣に
改善方策
を
勧告
しまして、これに基づく措置の
報告
を求めることにより、
行政
の
制度
、運営の
改善
を推進するということであります。対象となる業務は、各
省庁
の業務、
特殊法人
の業務、
地方公共団体
が国から委任、補助を受けて行う業務、いわゆる
機関委任事務
、それから
補助金
の関係であります。対象となる事項は、
行政
の
制度
、施策、組織、運営と
行政全般
にわたっておりまして、
重要行政課題
の解決の促進、
行政改革
の推進という観点から
実施
をしております。 次に、
中央計画監察
を実際にどのように行っているかについて御
説明
申し上げます。 まず、
監察テーマ
の選定でありますが、平成八年十一月に閣議決定されました
行政改革プログラム
に基づきまして、現業、
特殊法人等
の事業の
見直し
、
経営合理化
、並びに
歳出削減
、経費の
効率的使用
ということに重点を置きまして、向こう三年間に
実施
する予定の
監察テーマ
を定めました
行政監察プログラム
というものを策定しております。平成九年度から十一年度までの三年間を対象とする現行の
プログラム
は、昨年度末に策定し、公表もいたしているところであります。
参考資料
の五ページをごらんいただきますと
一覧表
がございます。平成九年度から十一年度の間の
実施予定テーマ
であります。この
行政監察プログラム
につきましては、
行政
を取り巻く情勢の変化を踏まえ、毎年度新たな三年間について策定する
ローリング方式
により
見直し
を行うこととしております。また、
政府
の
重要施策
にかかわる緊急の諸課題については機動的に対応する方針でございます。 次に、このように決定されました
テーマ
について、
監察
の
具体的実施手順
について御
説明
申し上げます。
参考資料
の六ページでございます。
中央計画監察
の
テーマ選定
から
調査
の
実施
、
勧告
、
報告徴収
まで一連の流れを整理させていただいております。
個別監察
の
実施手順
でございますが、まず
調査事項
や
調査
の
視点等
を定めた
監察計画
を策定するために
準備研究
、
事前調査
を行います。具体的には、関連する
制度
、施策について各
省庁
からヒアリングを行ったり、現地に出向いての
テスト調査
を行ったりします。 そして、
監察計画
、いわば
調査
の
設計図
というものでありますが、それに従って
実地調査
を行います。その期間はおおむね四カ月。この
実地調査
は本庁がみずから行うとともに、地方の
管区局
、
事務所
を動員して行っております。
実地調査
の結果が本庁に
報告
され、これを整理、分析し、その結果に基づいて具体的な
問題点
及びその
改善方策
を取りまとめ、
相手省庁
に
勧告
することとなります。全国から集まる膨大なデータを分析し、
実地調査
で明らかになった
行政
の実態について
関係省庁
と事実確認を行い、その実態についてどういうふうに
評価
をするかといった議論を経まして
改善方策
を取りまとめ、
勧告
をしているところでございます。
勧告
をした後には、その
実効性
を確保するため、各
省庁
が講じた措置について二回にわたって
報告
を徴収しております。これは単に
報告
を受けるということではなくて、
改善措置
が不十分な場合にはその行為の中で
改善
を促すということをやっているわけでございます。
説明資料
に戻っていただいて、二ページをごらんいただきたいと思います。最近の
勧告
の実績を幾つか紹介をさせていただいております。主なものを二つほど御
説明
させていただきます。 まず、①の
特殊法人
に関する
調査
でありますが、これは
特殊法人
の
財務内容等
の公開、いわゆる
ディスクロージャー
が必ずしも十分進展しておらない、また
特殊法人
の
子会社等
の全体像が不透明であるというような指摘がなされていた
状況
を踏まえまして、
特殊法人
に対する
国民
の信頼の確保を図る観点から、
特殊法人
における
ディスクロージャー
の現状と
子会社等
の全体像を明らかにするとともに、
ディスクロージャー
を一層推進することを目的として
実施
をしたものであります。 主な
勧告事項
としましては、
財務内容等
に関する書類の作成、公開に関しての法律上の
位置づけ
の
明確化
、
ディスクロージャー
に関する
政府
としての
統一的対処方針
の
明確化
、
事業報告書
、
附属説明書類
の
必要的記載事項
の省令上の
規定整備等
でございます。 この
勧告
を推進していく立場から、私
ども行政監察局
では
ディスクロージャー
の
基本的枠組み
を定める
特殊法人
の
財務諸表等
の作成及び公開の推進に関する
法律案
というものの取りまとめを行いまして、この法案は昨年六月成立をさせていただいたところでございます。これによりまして、平成八年度決算から各
特殊法人
の本社や支社で民間の水準以上に公開されました
財務諸表等
を閲覧することができるようになっております。 また次のページ、三ページになりますが、⑥をごらんください。
国有林野事業
に関する
行政監察
でありますが、この事業は昭和五十三年以来累次にわたり経営の
改善
に取り組まれているにもかかわらず、御案内のとおり、その
財政状況
は悪化の一途をたどっております。 この
監察
では、
農林水産省
の策定しました
経営改善計画
に掲げる
改善目標
の平成八年度末における
達成状況
を
調査
し、同事業の
抜本的改善
に資することを目的として
実施
したものであります。 主な
勧告事項
としましては、現行の
経営改善計画
の
抜本的見直し
、組織、要員の徹底した
合理化
、非
事業用資産
の徹底した洗い出しなどによる
資産処分
の徹底、林道、造林などの
事業投資
の
あり方
の
見直し
などについて指摘をしております。 この
勧告
を受けまして
農林水産省
は、
累積債務
の
処理方策
を含んだ
国有林野改革
二法案を今国会に提出する予定と聞いております。 それから
地方監察
でございますが、地域に密接にかかわる
行政
上の問題を現地で具体的に
改善
することを主眼といたしまして、
管区局
、
事務所
が独自に
実施
をしているものでございます。 次に、
行政相談
について御
説明
をいたします。
説明資料
の四ページでございます。 当庁の
行政相談
は、国の
行政機関
の業務、
特殊法人
の業務、国の委任、補助にかかわる業務に関する幅広い範囲の
苦情
や意見、要望を
受け付け
まして、
公正中立
な立場から
関係機関
に
あっせん
を行い、その解決や実現を促進するとともに、
国民
の声を
行政
の
制度
、運営の
改善
に生かすものであります。
行政部
内の
救済制度
としましては
行政相談
以外に
行政審判
あるいは
行政不服審査
などがありますが、
行政相談
はこれらと比較しまして手続が略式簡便であること、
救済
の対象となる行為、
申し出
ができる期間に制限がなく、処理が簡易迅速であるなど、
行政救済体系
の中で重要な意義を有していると考えております。 また、
総務庁
の
行政相談
は、それぞれの
所管行政
について当事者の立場から行う他
省庁
の
行政相談
と比較しますと三つの特徴を有しているのかなというふうに考えております。 一つは、国の
行政活動全般
に及ぶ幅広い
苦情
に対応するということ、
二つ目
は、全国すべての市町村に配置されている約五千人の
行政相談委員
と各都道府県に設置されている
管区局
、
事務所
のネットワークを活用して
相談
を
受け付け
、処理できるということ、
三つ目
としては、
行政
の
制度
、運営の
改善
の実現として、同種・類似の
苦情
の発生が予想されるものについて
行政監察
を
実施
するほか、その解決に
制度
的な改正を必要とする
事案
については
民間有識者
で構成されます
行政苦情救済推進会議
を活用するということでございます。また、特に所管の
行政機関
に
申し出
たがその措置に納得できなかった場合、あるいは所管の
行政機関
に
申し出
をしにくい場合、どこに
申し出
たらよいかわからない場合、複数の
行政機関
に関連する場合等に効果的な役割を果たしているというふうに言えると思います。
行政相談
の
受け付け体制
につきましては、
国民
の皆様が身近な場所で気軽に
相談
できるように努めております。全国五十の
管区局
や
事務所
のほか、各
市区町村単位
に少なくとも一名
総務庁長官
から
民間人
の方々に委嘱している
行政相談委員
が
受け付け
ています。各
管区局
、
事務所
におきましては、
行政相談課
の窓口に直接お越しいただくほか、手紙、
行政苦情受け付け専用電話
、
行政苦情
一一〇番と称しておりますが、とかファクスにより
受け付け
をしているところでございます。 また、
行政相談委員
につきましても、自宅で直接
受け付け
るほか、手紙、電話による
受け付け
も行っております。さらに、
行政相談委員
は、
担当地区
内で特定の日時、場所を設定して開催する定例・
巡回行政相談
や、
関係機関
、各
委員等
の協力を得て行う
合同行政相談
、
地域住民
の参加を得て行う
懇談会等
により
相談
を
受け付け
ているところでございます。 次に、平成八年度におきます
行政相談
の
処理件数
でございますが、
参考資料
の二十二ページをお開きいただきたいと思います。下の円グラフをごらんいただきますと、
相談者
が不利益の
救済
または
行政
の
制度
、運営の
改善
を求めたいわゆる
行政苦情事案
四万四千件となっております。このほか、
相談者
が
行政
に関する法令、
制度
、各種の手続についての
説明
や
窓口等
の教示を求めた
事案
、私
ども行政案内事案
と称していますが、これが約九万件ありまして、
民事事案
などその他の
事案
を合わせると、全体で二十二万件という
状況
でございます。 次に、
参考資料
の二十三ページをごらんいただきたいと思いますが、このうち、
行政苦情事案
を
行政分野別
に見てみますと、道路の
維持管理
に関するもの、
交通安全施設
の整備に関するものなど、
国民生活
あるいは個人の
権利利益
と密接に関連する
事案
が多く処理をされております。 この
行政苦情事案
の中で、役所の知識、経験だけでは処理困難な問題につきましては、元
内閣法制局長官
を初め七名の
有識者
の方にメンバーとなっていただいております
行政苦情救済推進会議
というものにお諮りをし、そこで御議論をいただいて、その結果を踏まえて
関係省庁
に
あっせん
を行うということもいたしております。
推進会議
で御議論いただいた
事案
を
具体例
で申し上げますと、
参考資料
の二十四ページでございます。一番上の例でございますが、
看護婦
の
国家試験
を受けられる方、毎年四万人ぐらいおられますが、この
看護婦
の
国家試験
は、従来、三月中旬に行われ、四月中旬以降に
合格発表
されていたわけでございます。そうしますと、四月に新卒として病院に勤務するという方は、無資格の状態で、給与も低いなど不安定な
状況
になっていたわけでございまして、早期に
合格発表
をしてほしいという
相談
がございました。
推進会議
にお諮りをし、厚生省に
あっせん
をした結果といたしまして、平成九年春の試験から
合格発表
が三月中に行われることになりました。こういうふうな
制度
的な
改善
を図りますと、一挙に
苦情
の解決が図られるということでございます。 最後に、
行政監察制度
の今後の課題について申し上げますと、昨年十二月の
行政改革会議長終報告
の中で、新たに設けられる
総務省
において
行政
の
評価
、
監視
を担当することとされておりますが、そこでは、現在の
行政監察機能
を引き継ぎ、さらに充実を図ることとされておりまして、客観的で公正な
評価方法
の確立、
評価
結果の
政策立案部門
への適切なフィードバックなど、
監視
・
評価機能
の十分な発揮のための工夫を行うことが求められております。 また、
総務省
に置かれます
独立行政法人
の
評価委員会
の
事務局
を
行政評価
・
監察担当部局
ということとされておりまして、こうした課題に適切に対応できるよう準備を進めていかなければならないと考えております。 以上で御
説明
を終わらせていただきます。
竹山裕
7
○
委員長
(
竹山裕
君) 以上で
説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御発言願います。
上吉原一天
8
○
上吉原一天
君 自民党の
上吉原一天
でございます。
参議院改革
の目玉としまして初めて設置をされました
行政監視委員会
の最初に、我が自由民主党を代表しまして
質問
の機会を与えていただきました。大変光栄に存じます。 まず、
金融システム
の安定と
景気対策
を現下の最大の
政治課題
として取り組んでいるこの時期に、その
中心的役割
を担うべき
大蔵省
の
職員
に関する
不祥事
などによりまして、
行政
をめぐる
国民世論
の批判が一段と厳しさを増し、
国民
の
行政
に対する
信頼回復
が急務となっております。改めて、
行政
の
自己改善機能
を担う
行政監察機能
の
充実
や
体制
の
強化
が
指摘
されております。 私は、昨年の二月二十一日の
地方行政委員会
におきまして、
国家公務員等
の倫理問題について
質問
をいたしました。二度と
不祥事
が起きないよう、起こさないようとの思いがあり、
制度
のみならず精神の面まで踏み込んだ
質問
をいたしたのでございますけれ
ども
、非常に残念で遺憾であります。 そこで、
総務庁
としては、今後どのように
行政監察
の
充実
や
行政監察制度
の
強化
を図っていこうとしているのか、また、各
省庁
にも当然
内部監査体制
ができ上がっているかと思いますけれ
ども
、
総務庁
はそれをどのように見ておられるのか、そして、こういったそれぞれの
連携
につきましてどのような
対策
を講じられておるのか、
大臣
にお伺いをいたします。
小里貞利
9
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 議員から
お話
がございましたように、昨今の
行政監察
に対する
国民
の厳しいしかも強い
指摘
は、まさに
お話
のとおりでございまして、大変遺憾に存じておるところでございます。 そこでまず、国政全体に対する
行政監察
の重大なる責任を持っておりまする
総務庁
の
行政監察体制
について申し上げたいのでございますが、
行政監察機能
の
充実強化方策
といたしましては、
勧告事項
の
重点化
ということが
一つ
あると思います。もう
一つ
は、再
監察
の
実施
などを着実に手がたく進めることを、従来も注意してまいったことではございますけれ
ども
、なおこの際、厳しい
反省
とともにそれを
推進
していく必要があると存じております。 それから、ただいま
お話
がございましたように、
内部監査体制
の問題でございますが、これは、御承知のとおり、各
省庁
が
内部
の
監査体制
を行っております。いわゆる
大臣官房
の一部あたりにそのような
所掌事務
を持たせまして行っておるところでございますが、甚だその
実態
、効果については疑問もあるところでございまして、これらの
実施体制
につきましては、先端の
組織
が設けられていないなど、必ずしも先ほど申し上げましたように十分ではございませんので、この際再点検を行う必要がある、さように判断をいたしております。
最後
にお尋ねがございました、これらの
内部体制
と
総務庁
が行っておる
行政監察
の
連携
でございますが、先ほど
お話
し申し上げましたように、
行政改革会議等
におきましても、
最終報告
で、この
本省組織
を明確な
位置づけ
を持った
評価部門
を確立することが第一、及び
各省
の
評価部門
との
連携
をさらに
強化
して、今後
各省
の
監査部局
との
連携
のその成果を上げてまいりたい、さように思っております。
上吉原一天
10
○
上吉原一天
君 今回のような事件というのは、やはり
一過性
のものではなくて構造的な問題を含んでおります。ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいわけでございます。今回の
大蔵省
の
職員
に関する
不祥事
の根底には、
現行
の
国家公務員法
の
規定
の
あり方
、これにも問題があるのではないかというふうに思います。 私、既に
指摘
をしておりますけれ
ども
、ある
公務員
の
行為
につきまして、例えば非行あるいは
信用失墜行為
というのが
法律
の
規定
でございまして、非常に抽象的なわけでございます。ですから、こういった
規定
の適用に当たりまして、各
省庁
の裁量、これがかなりばらつきが、幅があり過ぎるのではないかというのが
一つ
の問題だというふうにとらえられております。
総務庁
は、
人事局
という
国家公務員制度
の
企画立案
を
所管
する
部局
もあわせ持っているわけですから、
公務員倫理法
の制定など
国家公務員制度
の
あり方
にメスを入れ、強力に
各省
を指導する必要があるのではないかというふうに思いますが、
大臣
いかがでしょうか。
小里貞利
11
○
国務大臣
(
小里貞利
君)
お話
がございましたように、
国家公務員法
第九十九条で
信用失墜行為
な
ども
規制してございますが、極めて不十分であると素直に私
ども
は認識しなければならないと思っております。
公務員
の
不祥事
を根絶するためには、さらに抜本的な
対策
を講ずる必要があります。このため、
総理大臣
が直接指示をいたしまして、
目下公務員倫理
に関し
法制化
を含めた
対策
を講ずるように
政府
内に
公務員
倫理問題に関する
検討委員会
が設けられまして、今その開始をいたしたところであります。いずれいたしましても今後の
検討
にゆだねられるところでございますが、
国家公務員
の
人事管理
を担当する私といたしましては、この際、際立って手がたく綱紀の保持の
実効性
を確保するための
方策
につきまして幅広く
検討
し、早急に結論が得られるよう
事務方
を強力に督励してまいりたいと思います。
上吉原一天
12
○
上吉原一天
君 この問題は、枠組みづくりだけの問題ではなくて、やはり魂が入っているかどうかというのがポイントになろうかと思います。ぜひ積極的な取り組みをお願いして、
質問
を終わります。
竹村泰子
13
○竹村泰子君 初めての
委員会
が開かれまして、私は大変期待を持ってこの
委員会
に参加をいたしました。と申しますのは、今、同僚議員の御
質問
にもあったとおり、人間のやることに完璧ということはないわけで、さまざまな
行政
の中で、あるいは
行政
にかかわるいろいろな問題が出てきております。それは、小さなことから大きなことから、許されるべきではない問題も随分出ております。 今、長官は、素直に十分ではなかったということを認めざるを得ないというふうにおっしゃいましたけれ
ども
、だからこそ私
ども
は
行政監視
院法という、特別の独立した機関をつくるべきではないかと、そういう
法律
を
国会
の中に提出し続けてきたわけでございます。やはり、
総務庁
の中に
行政監察
というところがあって、
一つ
の
政府
の中に
行政
を
監視
する機関があるというところに欠陥があるのではないかというふうに思いますが、長官はどうお思いになられますか。
小里貞利
14
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 御
案内
のとおり、
地方
に
行政監察
をするいわゆる
出先機関
で働いておる
職員
が一千名おります。
本庁
には百五十八名前後いるわけでございます。要するに、先ほどから
お話
がございまするように、
制度
そのものも枠組みをこの際
強化
しなければいけないと思うのでございますが、さらにまた、御
指摘
がありましたように、
行政監察
に当たる
職員
自身の基礎的な
一つ
の認識あるいは姿勢というものも私はこの際強くお互いに
反省
、総括するべきではなかろうか。私自身、もっと自信を持って積極的に綱紀の粛正のために、あるいはまたそれぞれ
行政
効果を上げるために踏み出していこうじゃないか、そういう啓発も行っているところでございます。 なおまた、先ほどお尋ねの、
総務庁
だけの
行政監察
では効果が上げ得られないのではないかという
お話
に受け取ったわけでございますが、もしそれであるといたしますと、
本庁
は
本庁
で
重点
的にその仕事を、使命を果たしていかなけりゃなりませんが、同時に、各
省庁
内に先ほど申し上げましたようにそのような
一つ
の担当を設けてやっておりますけれ
ども
、これが先ほど申し上げましたように、
省庁
によっては必ずしも十分ではなかったのではないか。したがって、この
連携
強化
を強く進めなけりゃならない、こういうふうに申し上げておるところでございます。
竹村泰子
15
○竹村泰子君 私たちのところにも
行政監察
の
勧告
あるいは結果
報告
書などが配られてまいります。こういうわかりやすくまとめてくださったレポートも最近配られております。(
資料
を示す)私は、くまなく読むわけにはいかないんですけれ
ども
、非常に興味を持ってこれを拝見しております。 それで、
一つ
お伺いしたいのですけれ
ども
、今の、簡単にまとめてくださいました
制度
の
現状
についてということの中に「
特殊法人
に関する
調査
-財務内容の
公開
」というのがありますね。それで、今、矢印がついておりますところ、
特殊法人
の
財務諸表等
の
作成
及び
公開
の
推進
に関する
法律
が
国会
で成立をしたということで、これはよくなったのでしょうかというと変な言い方ですけれ
ども
、ちょっと例を挙げるとわかりやすいかもしれませんので例を挙げますと、例えば昭和五十七年にいわゆるあの、あのと言った方がいいかもしれません、動燃が発足をいたしました。それから、これまでの累積欠損が一兆五千五百億円になっています。同じく、
政府
出資の
特殊法人
日本原子力研究所は累積欠損が一兆二千億円となっています。動燃の予算執行などについて
行政監察
をなさいましたね、これは少し前だったと思いますけれ
ども
。その後でこういったさまざまな東海村の事故ですとかいろいろなことが起きているわけです。 厚生省の例の老人医療の問題にいたしましても、こういった動燃の事件にいたしましても、もしも
行政監察
がきちんと行われていて、
勧告
が効果をあらわしていればこういうことは起き得なかったのではないか。私はちょっとその核心の部分に触れていきたいと思うのです。事故は幾ら
行政監察
がしっかりしていても起こるべくして起こったわけではありませんから、事故は防ぎ切れないかもしれない。しかし、
特殊法人
というものに対する
政府
の態度の甘さというか、私が知っている限りでは、つい最近までは予算、決算を出さなくてもよかったのではないでしょうか。どうでしょうか。
土屋勲
16
○
政府委員
(
土屋勲
君)
特殊法人
問題でございますが、確かに私
ども
、今までの
行政監察
局の取り組みというのは、
施策
別
監察
に関連して
特殊法人
の
監察
をしたというケースが非常に多かったわけでございます。 ただ、しかしながら、この
特殊法人
の財務諸表の
公開
の問題を手がかりにいたしまして、
特殊法人
問題に非常にウエートを置いた
業務
運営
をしばらくの間続けさせていただきたいと思っておりますのが現在の進め方でございまして、財務諸表の
公開
に引き続きまして、
特殊法人
の
経営
分析的な
特殊法人
全般の
評価
をするような仕事にこれから取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。 ただ、しかしながら、先ほど
大臣
が申し上げましたように、私たちの
体制
、
地方
を含めまして千百人という
体制
でございますから、すべての分野について濃密にというわけにもまいりませんが、ここしばらく
特殊法人
にかなりの
重点
を割いた
業務
運営
をしていきたいと思っております。
竹村泰子
17
○竹村泰子君 いわゆる
行政
をどこがきちんと
監視
できるかということで、私はもしかしたら
国会
の中で一番大事な仕事なのではないかと思うわけです。ですから、いい仕事をいっぱいしていらっしゃる、私たちは認めています。しかし、それを生かせるように、
勧告
をどういうふうに各
省庁
が受けとめて、そしてそれをきちんと実行に移すか、そこが大事なのではないかと思いますが、時間が来てしまいましたから、また後のフリートーキングに回したいと思います。
大森礼子
18
○大森礼子君 公明の大森礼子です。
質問
時間が限られておりますので、端的に
質問
に移りたいと思います。 長官、冒頭におっしゃいました、
公務員
のたび重なる
不祥事
の
発生
、これによって
行政
は危機を迎えでいるということで、私はまさにそうだと思います。刑事問題に至らなくても、いろんなところで
指摘
されております業者といいますか
民間人
へのたかりの体質とか、それから
公務員
たるべき者が
民間人
から、ただ酒、ただ飯、ただゴルフとか、こういうことを受けること自体私には非常に理解しがたいわけであります。 それで、
公務員
の汚職のみならずこういう
不祥事
を絶つためには、
公務員
個人の倫理の問題とか強調されるわけですけれ
ども
、しかし果たして個人の倫理の問題だけにとどまるのかどうかという疑問を持つわけです。皆さんすぐれた官僚で、一生懸命仕事をしようと思って
行政
の場で働かれる、ところがだんだんだんだんおかしくなっていくという、そういう土壌があるのではないか。 つまり、
行政
の機構上、システム上こういうものを生み出すような何か原因があるんではないかという気がするわけなんですけれ
ども
、
総務庁長官
は、こういう
不祥事
の
発生
につきまして
行政
の機構上、システムの問題です、何らかの改革が必要だと思われるのか、それともあくまで個人の問題として厳罰をもって処するという方向しかないのかどうか、この点についていかがお考えでしょうか。
小里貞利
19
○
国務大臣
(
小里貞利
君)
公務員
の
不祥事
を根絶するためにはいかなる
方策
あるいはシステムをこの機会に再構築するべきであるかという
お話
であろうかと思っております。先ほ
ども
申し上げましたように、今次は私
ども
総務庁
としても作業を始めたところでございますが、あわせまして、
総理大臣
の方から御承知のとおり
公務員
倫理問題に関する
検討委員会
を設けてこの際徹底したその対応
措置
を講じようと、こういうような機運と申し上げますか事柄がせっかく進んでまいっておるところでございますので、この際私
ども
自身も根本的に
反省
、総括をすると同時に、チェック
体制
の
あり方
や罰則の
あり方
などの
実効性
確保のための
方策
についても幅広く
検討
をしていかなけりゃならないと思っております。 なおまた、議員が御
指摘
になりましたように、
公務員
自身の倫理観の問題、自覚の問題もあるわけでございましょうけれ
ども
、私
ども
としては、
制度
、仕組みの上で今までの仕組みを厳しく厳しく
反省
をいたしまして、この機会にできるだけ早急にその
対策
を講じたいと、さように存じておるところでございます。
大森礼子
20
○大森礼子君
制度
、仕組みの方にもやはり切り込んでいくべきではないかと思うわけです。 それで、この
行政監察
の
目的
のところに「
行政
の
制度
・
運営等
の
実態
を
調査
・分析」とあるわけですけれ
ども
、例えばこういう
公務員
の
不祥事
を生むようなシステム上の
問題点
とか、これあるかないか、これもこの
対象
になるのかどうか、
行政
の
制度
あるいは
運営
あるいは等に含まれるのかどうかわかりませんが、
行政監察
の
対象
になると考えてよろしいのでしょうか。イエス、ノーで結構なんですが。
土屋勲
21
○
政府委員
(
土屋勲
君)
公務員
の倫理問題あるいは人事問題というのは、
組織
の管理者としての非常に固有のといいますか、分野でありまして、私
ども
の
実施
している
行政監察
という手法がこの分野になじみ、しかも効果を上げる活動ができるのかどうかということについては私自身はかなり疑問を持っております。
大森礼子
22
○大森礼子君 ですから、倫理問題となりますと個々人の問題になると思うんですね。その精神の持ち方とかそういうことになるんでしょうか。 それはそれとしまして、やはり今の
行政
の
あり方
、システム自体にその問題があるのではないか、そういう土壌があるのではないかと、ここを切り込んでいかなければ、いつまでたっても人がかわるだけで、同じことは、
不祥事
は生じるだろうと思うわけで、この点を先ほどから申し上げているわけです。 時間がありませんので、次のことなんですけれ
ども
、これらの
公務員
の
不祥事
に対する取り組み方について、
平成
八年十二月閣議決定の
行政改革プログラム
、この中には一応項目としては挙げられていないわけなんですね。ところが、
平成
八年十二月といいますと、もう既にあの岡光事件が
発生
して大騒ぎになった後だと思うんですが、その時期にこの
プログラム
の中にそういう
公務員
の
不祥事
問題というのが含まれなかったのは何か理由があるのかどうかということと、あるいはこれからこの問題を取り上げていく計画があるかどうかということについてお尋ねいたします。
土屋勲
23
○
政府委員
(
土屋勲
君)
お話
しの厚生省の事件でございますが、私
ども
はあの問題は社会福祉法人の
運営
の問題というふうに基本的にとらまえまして、社会福祉法人の
運営
について過去に
勧告
をしたものが末端段階までどういうふうに指導が行き届いているかということを緊急に
行政監察
をし、再
勧告
をして対応したつもりでございます。 また、本年度末に改定いたします
行政監察プログラム
、現在作業中でございますが、先ほど申し上げましたように
公務員
倫理の問題が
監察
活動になじむかどうか、その辺をじっくり
検討
させていただきたいというふうに考えております。
大森礼子
24
○大森礼子君 もうこれで終わりにしようと思ったんですけれ
ども
、私は倫理だけの問題じゃございませんでしょうということを申し上げたいわけですが、
最後
まで倫理だけの問題になってしまって、なかなかうまくかみ合わないなと思いますが、これからこの問題も取り上げていきたいと思います。 以上で
質問
を終わります。
赤桐操
25
○
赤桐
操君 先ほど来の長官の話や
局長
の御答弁を通じて言われていることは、それぞれの
各省
に
内部
監察
制度
がある、しかしこれが大変不十分な面があるということを言われておりますね。 それで、
各省
のことはまだ全般に私もわかりませんが、「
行政監察制度
の
現状
について」というきょうちょうだいした
報告
の中身を見ると、この中には
特殊法人
と現業のそれぞれの
状況
が
報告
されております。この
特殊法人
、現業のそれぞれの属する省について簡単に伺いたいと思うんですが、この
内部
監察
制度
は同じような権限を持つ
制度
であるかどうか、これをまず第一点として伺っておきたいと思います。
土屋勲
26
○
政府委員
(
土屋勲
君)
質問
の御趣旨を必ずしも十分理解しているかあれでございますが、各
省庁
における
内部
監査
制度
と私
ども
がやっている
行政監察
、あるいは
特殊法人
の中に置かれている監査
制度
、それぞれのやはり
役割
分担を持ちながら、相互に
連携
して効果を上げていくということが必要だと考えておりまして、形式的な重複の
関係
というのは確かに出てくると思いますが、やはりそれぞれの
役割
分担はおのずから違うのではないかなというふうに考えております。
赤桐操
27
○
赤桐
操君 例えば、郵政などにおきましては司法権の一部を付与しておりますね。あるいは大蔵の主税局ですか、税関なんかに対してはその場でやれるんですね。それだけのものも与えておるわけですよ。この権限と
各省
における権限とは違うんじゃないですかと、こういうことを私は
制度
上の問題として伺ったんです。そういう意味におけるところの不十分さが現在あるのかないのか、それが大きな問題を引き起こしている根底になっているのかどうなのか。 もっとはっきり申し上げるというと、問題が
発生
してこの
委員会
で論議してもこれは始まらないんです、はっきり申し上げれば。こういう
委員会
が存在していて、いつでも
公開
の席上で論議ができる。しかし、その事前に
各省
におけるところの
監察
制度
によって全部それがほとんど克服されてくる、事前に
措置
されている、こういう状態が最も望ましい状態だと私は考えておるんですが、こういう意味における不十分さが存在しているのかいないのか、
改善
の方途、方法を考えているのかどうなのか、こういった問題についてお伺いをいたしたいと思います。
土屋勲
28
○
政府委員
(
土屋勲
君) 失礼いたしました。 先ほど
大臣
からも御答弁申し上げましたように、
各省
の中の
内部監査体制
というものは、私たちは相対的には非常に不十分なものだというふうに見ております。
お話
にございましたような郵政の
監察
局、まさに三十万人の
職員
を一千数百名の
体制
で見ている、私たちの
組織
の規模とほぼ同じもので郵政
監察
が行われているというのは、大変全体の
制度
の中では突出した
充実
したものであるというふうに思っています。
赤桐操
29
○
赤桐
操君 いや、私が伺っているのは、郵政とか大蔵の
関係
は一例を私は申し上げたんであって、各それぞれの
省庁
においてこういったような高度の
監察
制度
というものも設ける必要があるのではないですか、そういうものが存在していればたとえ大蔵の今回の問題等にしてもそれはぴしりと抑えがきいたのではないんですかと、こういうことをお尋ねしているわけです。
小里貞利
30
○
国務大臣
(
小里貞利
君)
お話
しのとおり、
行政監視
制度
を各
省庁
はもっと
強化
して行う必要があるんじゃないか、そういう
お話
であろうかと思いますが、私はまさにそのとおりだと思います。 あわせまして、各
省庁
のそのような
監視
制度
は
制度
として
機能
を果たしていかなければなりませんが、私
ども
の全体をいわゆる
所掌事務
とする
総務庁
は
総務庁
で積極的に
対策
を先ほど申し上げたとおり進めていかなければなりません。 あわせまして、
国会
でたまたまこのような
行政監視委員会
制度
もつくっていただきました。これらの機関も極めて重要な
役割
をこれから遂行していただくものと期待を申し上げておりまして、以上申し上げました
三つ
の機関が、ある場合には
連携
をし、ある場合にはまた啓発をし合ってその成果を上げていくことも極めて
意義
があることではなかろうか、さように思っております。
山下芳生
31
○
山下芳生
君 先ほど長官は、
行政
に対する
国民
の厳しい目を真摯に受けとめ、使命の重大さを自覚する旨お述べになりました。また、行監
局長
は、
行政監察
というのは
行政
の
自己改善機能
を担っているんだというふうにお述べになりました。 今日、
国民
が一番厳しい目を注いでいるのは、言うまでもなく
大蔵省
の金融検査に関する汚職事件であります。
大蔵省
が事前に検査日程を漏らしていたにとどまらず、ああいう粉飾検査をやっていたということが明らかになったわけです。 この点でぜひ長官にお伺いしたいのは、昨年の十二月、
総務庁
の
行政監察
局から金融に関する
行政監察
結果
報告
書というのが出されております。この
調査
報告
書の
監察
の
目的
の第一は、金融検査に関する厳正な
実施
、これを
調査
し
改善
させるという
目的
であります。しかし、これを私は読みましたけれ
ども
、この中には粉飾検査はもちろん、MOF担などに見られる
行政
と金融業界の癒着の問題は一言も触れられておりません。全くないわけですね。私は、これはノーチェックだったということについての責任を感じないかどうか、まず長官にお伺いしたいと思います。
小里貞利
32
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 実は、ただいま議員の方から御
指摘
になりました問題は、私自身
大臣
を拝命いたしましてから気づきましたし、かつまたこの点は率直に認めなければいかぬな、そういう気持ちを静かに持っておりました。 ただし、なかなかあの種の事件が具体的に
発生
してみますと、
行政監察
という
一つ
の私
ども
の機関、
機能
の中におきましてどこまで一体踏み込めたのかなという技術的なあるいは管理上の
一つ
の問題もないわけではなかったのではなかろうかなと思いましたけれ
ども
、要するに、そのような
不祥事
が
発生
しないようにその禍根を、あるいは土壌を徹底的に分析をし、そして事前に抑止することも
役割
の
一つ
でございますから、ただいま議員から
お話
がございましたことを傾聴させていただくところでございます。
山下芳生
33
○
山下芳生
君 私は、どこまで踏み込めるのかなということを言っていたのでは
国民
の
行政
に対する厳しい目というものにこたえることはできないと思うんですね。実際、金融検査に関する
調査
というものをやりながら、その中に今回の事件に含まれるような問題が
一つ
も出てこなかったわけですから、これだったらやっても意味がないということになるわけですよ。 事件の問題の性格というのは確かに、悪質な問題、検査当局が今
調査
している問題、これは全般的にすべての検査がこうあったということを言い切ることは今はできません。しかし、今回、捜査当局が当初
予定
していたのは、検査日時の情報を漏らしたこと、これを職務権限とし、接待や商品券の贈答などが贈収賄に当たるとして捜査を進めていたわけですが、それでは金融界のそういうことはもう常識になっているからそれを捜査の
対象
にし出したら全部やらなきゃならない、だから極めて悪質な今回の事例に限って絞ったんだということが報道されておりますよ。ですから、これは特殊な事例じゃない、氷山の一角なんだ。これを検査できずにして何の
行政監察
かという
国民
の批判をやっぱり真摯に受けとめるべきだと思いますが、もう一度見解をお伺いします。
小里貞利
34
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 議員御
指摘
のとおりでございまして、私は、実は今から一月ぐらい前であったかと思うのでございますが、先ほど申し上げましたような感じもいたしましたので、この際、
行政監察
に携わる
組織
もあるいは
職員
も厳正にしかも自信を持って手がたく具体的に踏み込むべきである、そういうことを
職員
の士気高揚を含めまして激励いたしたところでございますが、ただいま再度
指摘
されましたことを私は素直に受けまして、再度これが徹底するように留意をするべきである、さように思っております。
山下芳生
35
○
山下芳生
君
最後
に一言。 これからの問題でもあるんですが、これは今の三十兆円のスキームにも関する問題なんです。そういうずさんな検査がやられていたことが拓銀の破綻、穴を大きく広げた。そして、その
救済
支援のスキームとして
国民
の税金が最終的には使われようとしているわけですから、それをチェックできなかった後始末が
国民
に来るという事態を招いたという、そういう重大な責任を自覚する必要があるということを私は
指摘
して終わります。
都築譲
36
○都築譲君 先ほど来、
公務員
の倫理の問題あるいは今回の
行政機関
の
不祥事
の問題に関連していろいろ
指摘
がされておりますが、ひとつ
総務庁長官
に政治家としてのお
立場
から御見解を承りたいと思います。 と申しますのも、先ほど来
指摘
がございましたように、
公務員
の倫理倫理ということで、精神論を説いていても
解決
にはつながらないんではないか、もっと
制度
的な問題ではないか、こういう
指摘
があるわけでございまして、今までの倫理あるいはまた綱紀の粛正ということについては何十年来、毎年官庁は年末においては通達を発して、そして一昨年の岡光事件のときは倫理規程まで行ったわけでございますけれ
ども
、今世の中は相当変わってきていると。だからこそ、
行政改革
とかあるいは規制緩和とか
地方
分権とか、こういった問題が提起されておると思いますが、今回のこの
公務員
の
不祥事
の問題も、私はやはり同じ今の仕組みに問題があるんではないかと、こんなふうに考えております。 と申しますのも、先ほどから裁量権が広範にゆだねられ過ぎているんではないかということがあるわけでして、特に
国会
が国権の最高機関ということで
位置づけ
られて立法活動を行っておるわけでございますけれ
ども
、主要な部分は法条文として
規定
をしますけれ
ども
、ほとんど具体的な
施策
の
実施
に関する部分は政令とか省令とかあるいはまた
大臣
の訓令とか、さらにまた通達まで落としていっておるわけでございまして、実際のその
行政
、
施策
を運用するのは担当の課長さんとか課長補佐とか係長さんとか、こういうレベルになるわけでございます。 住専のあの
処理
のときも問題になりましたけれ
ども
、例えば不良債権を償却する、有税償却か無税償却かで、銀行にとってはそれこそ何十億、何百億円という損得の問題になるにもかかわらず、これが国税基本通達ということで、恐らく係長さんが起案するような通達一本で何十億、何百億というものが動くということになれば、だれだって銀行が、会社が第一と、自分の身が大事だということになれば、その力を握っている人あるいはその情報を持っている人のところにすり寄っていくのが当たり前のことではないのかなと。そういう仕組みがずっと戦後五十年間、日本の社会の中に官庁と主要な産業、団体との間でしみついてしまっているんではないかということで今いろんな問題が起こってきたわけでございまして、
行政改革
ということで言われておりますけれ
ども
、その中身はやはり規制緩和ということで、もっと
民間
にゆだねる部分は
民間
にどんどんゆだねてしまってはどうか、その方が
民間
の個性がしっかりと
発揮
できるだろうと。 しかし、ゆだねるに当たっては当然透明なルールで公正に運用されるように、競争するようにというものが求められるし、また
地方
に対しては、
地方
の自治体も
職員
も
組織
も相当
充実
をしてきているわけでございますから、もっと大幅に権限を
地方
に財源の問題も含めて移譲するというふうな形で、権限を与えていくことがより直接的に、住民の皆さんに近いところにいてその声を聞いて迅速に対応ができるんではないか、こういう話があるわけでございまして、そういったことを進めていくのがやはり
行政改革
の中身であろうと。 そして、もう
一つ
の
行政改革
の中身は、先ほどの話に戻りますけれ
ども
、そういった形で中央
省庁
が余りに強大な権限を握り過ぎて、手とり足とり、通達にまで至って
国民
の皆さんの生活を縛っていることの問題があるわけでございます。ということであれば、もっと政治が指導力を
発揮
して、そして立法という形でいながらもっとその条文を簡略な形で、弾力的に運用できるというのは大変いいんですけれ
ども
、もっと具体面でそのルールというものが
国民
全体に透明、公正に見えるような、そういう仕組みをつくっていくことが一番大事なことではないか。そうすることになれば、立案あるいは立法
機能
は
国会
が持ち、そしてその立法されたものをゆだねられた
行政機関
というのは、狭められた裁量権限の中で透明なルールに従って
運営
をしていくことになれば、およそ業者の人たちがそういう
行政
を運用する官庁の
公務員
の皆さん方にすり寄っていくということはなくなるんではないのかなと、こんなふうに考えるわけでございます。
公務員倫理法
という
お話
が出ておりますけれ
ども
、
総務庁長官
は
行政改革
推進
の担当
大臣
ということでございますので、そういった点についてもしっかりと踏まえて今後御努力いただけるかどうか、御見解をお伺いして私の
質問
を終わりたいと思います。
小里貞利
37
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 今次、
議論
をしていただいておりまする
不祥事
件等の問題に絡ませて
行政改革
という大きな視点からの
お話
でございますが、まさに先生御
指摘
のとおりであると思っております。 ただ、直接的には、今日の
不祥事
件等を見ましたときに、これらを当面
行政監察
、
行政
管理という面からどういうふうにただしていくか、そしてまた再発防止を図るか、その喫緊の
課題
は
課題
として積極的に取り組みながら、そして行財政、特に
行政
の仕組みそのものを、ただいま
お話
がございましたように、ある意味では大改革であり、ある意味ではさような問題を防止する
一つ
の土壌づくりにも通ずるかと思う次第でございますが、その
行政改革
の具体的な
一つ
の方向性あるいは基準、手段を今
お話
しいただきました。ごもっともな
お話
でございまして、さような
一つ
の
方針
、決意のもとに進めていかなけりゃならない、さように思います。
水野誠一
38
○水野誠一君 ただいまいろいろ
質問
があったわけでありますが、
不祥事
の摘発という問題だけではなくて、私は、
行政監察
局の仕事の中に、
行政
政策の
あり方
自体に厳しいチェックをしていくという
役割
、これは非常に大きな
役割
ではないかと期待をしているところであります。 それと同時に、今まで私の経験の中でも幾つか疑問に思った点もありますので、その点についてお尋ねをしたいと思います。 それは、昨年の二月二十八日に我々が大変問題としております中海の国営干拓
事業
などを含む
全国
の大規模農業基盤
整備
事業
に関する
行政監察
結果が発表されました。その中で、当初中止
勧告
に踏み切るという意気込みで作業が進められていたこの干拓
事業
でありますが、
勧告
文の中では、最終案では、慎重に
検討
するよう農水省に求めるというふうに非常に表現が後退してしまった、こういう問題がございました。 これ、当時の毎日新聞あるいは読売新聞でも大きく取り上げられているわけでありますが、なぜこういった表現が後退してしまったのかということの中で、いわゆる関連
省庁
つまり
対象
省庁
との事前協議というものが行われている。これは
一つ
の慣例になっていたということで、恐らく農水省からの要請を入れてこういった表現が和らいでしまう、後退してしまうということが起きたんじゃないかと、こういうふうに言われております。 しかし、それに先駆けて、実は当時の武藤嘉文
総務庁長官
は、
平成
八年の十一月に入閣されたわけでありますが、もう既に
三つ
の
方策
を打ち出されていた。その
一つ
は、
行政監察
対象
の
省庁
との間で慣習化していた事前協議を廃止する。それから二番目には、従来匿名扱いだった
勧告
対象
の自治体名を公表する。
三つ目
は、
行政監察
は
事業
の必要性の有無にまで踏み込んで
勧告
することを確認する。こういった
方策
をもう既に打ち出されていたわけですが、実はこの二月二十八日の
勧告
ではそれが守られなかったんではないか、こういう疑問を私たちは持ちました。 その後、
総務庁
としてはどういった
対策
をとり、この
三つ
の問題については
改善
されているのかどうか、伺いたいというふうに思います。
土屋勲
39
○
政府委員
(
土屋勲
君) まず、事実
関係
についてひとつ御
説明
をさせていただきたいと思いますが、私
ども
、大規模に関する
勧告
の取りまとめの過程で毎日新聞の報道のような事実があったことはないということをまず申し上げておきたいと思います。 それから、元
大臣
の武藤
大臣
からの三点の御指示、私
ども
は忠実に守りながら
業務
を
実施
しているつもりでございます。
水野誠一
40
○水野誠一君 今、そういうお答えではあるわけですが、これは毎日新聞の記事だけではなくて、とかくこういった
行政監察
と各関連
省庁
との
行政
内での悪い言葉で言えばなれ合いあるいは身内に甘いということがあるんじゃないかという疑問はたびたび出されているところでありまして、こういった疑問が出されないように非常に厳しい
監視
の目、チェックの目を今後一層持って事に当たっていただきたいというふうにお願いをして
質問
を終わります。
菅川健二
41
○菅川
健二
君 私は、行財政
調査
会以来この
委員会
の設置にかかわってまいったわけでございますが、
行政
不信が高まっている現在、本
委員会
の設置は極めて時宜を得たものだと考えておるわけでございます。ただ、この
委員会
の成否は
運営
がいかになされるかということではないかと思うわけでございまして、余り
行政
に依存することなく、あくまで
委員会
が主体性を持って独自に
行政
を
監視
し、本
委員会
の存在そのものが
行政
に緊張感を持たせる、そういうことができるかどうかということがポイントではないかと考えるわけでございます。 本題に入らせていただきますと、私自身、長年にわたりまして会計検査とか
行政監察
を受ける
立場
にあったわけでございますが、会計検査を受ける場合は大変緊張感を持って神経を使いながら対応をいたしてきたわけでございます。
行政監察
につきましては、ただいま水野
委員
からも話がございましたように、どちらかといえば同じ
行政
仲間だということでなあなあのところがございまして、かなり談合体質があったんではないかと思うわけでございます。 現在、財政再建という非常に厳しい時期を迎えでおるわけでございまして、
行政
の非効率、むだ、税金の浪費が厳しく
監視
、
監察
されなければならないわけでございます。そのためにはやはり各
行政機関
との間で毅然とした
監察
当局の対応が望まれると思うわけでございますが、
大臣
、ひとつその点につきまして決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
小里貞利
42
○
国務大臣
(
小里貞利
君) まさに御
指摘
のとおりでございまして、それぞれ機関あるいは当事者がその責任を十分果たしていくように心得るべきであると思います。
菅川健二
43
○菅川
健二
君 そこで、個別の
事案
につきまして鋭くメスを入れていただくということは極めて重要なことではございますが、それと同時に、各
行政
に共通するようなむだなパターンといいますか、むだをしやすいパターンがあるわけでございまして、裁量の余地をできるだけ排した形の共通の物差しをつくってそして
監察
に臨むということも重要ではないかと思うわけでございます。 一、二例を挙げますと、例えば有料道路につきましては費用効果分析が行われているわけでございますが、車両の通行量を水増しして計画では採算性を合わせておるんだけれ
ども
、
実態
としては大変な赤字を生むというような
実態
も散見されるわけでございます。 また、昨今問題になっております干拓
事業
のように、一たん
事業
を開始すると、途中で情勢変化によって必要なくなったものまでも継続してやっておる、時のアセスメントが重要ではないかと言われているゆえんでございますが、こういった形で、いろんな面におきましてむだであるか効率的であるかという物差しがきちっとしていなくちゃいかぬと思うわけでございます。 そういった点、やはり
行政監察
当局自身が費用効果分析とか時のアセスとかあるいはサンセット方式の導入とか、
行政
のツールというものをもっともっと研究開発されまして、それを導入することによって各
省庁
も
行政
を効率化しやすいような方式に改めさせるようなやり方ということも重要ではないかと思うわけでございますが、その点はいかがでございますか。
土屋勲
44
○
政府委員
(
土屋勲
君) これから
行政評価
そのものの質を高め、力をつけていくためには、まさに先生のおっしゃる
お話
、我々は心してやっていかなければいけないというふうに考えておりますが、
現状
を申し上げますと、まだその辺の
評価
手法なりが十分に開発されているという
状況
にないのも事実でございます。
竹山裕
45
○
委員長
(
竹山裕
君) 以上で各会派を代表する
委員
の
質疑
は終了いたしました。 次に、自由
質疑
を行います。
質疑
を希望される方は、挙手の上、
委員長
の指名を待って発言されますようお願いいたします。 また、
委員
の一回の発言時間はおおむね三分
程度
とし、
質疑
及び答弁とも御発言は着席のままで結構でございます。 なお、自由
質疑
は約一時間
程度
とさせていただきます。 それでは、
質疑
のある方は挙手をお願いいたします。
太田豊秋
46
○太田豊秋君 ただいま
行政監察
についていろいろお聞かせいただいたわけでありますが、その中で
行政
監察テーマ
の
選定
についてということでちょっとお伺いいたしたいわけであります。 ここに
行政監察プログラム
というのをいただきまして、この
プログラム
に基づいて
行政監察
の
テーマ
が
選定
されるというようなことでございまして、これはまた、
行政
のいろいろな情勢が変わったときには三年間について
ローリング方式
により
見直し
をしながらこれを策定していくんだというようなことで、大体年間二十
テーマ
ぐらいというふうなことでありますが、この
選定
をどういうふうな基準でされていくのか、この辺についてお伺いいたしたい。 それから、
監察
をされる
省庁
にかなり偏りがあるんじゃなかろうか。例えば、あの省はちょっと見にくいというのかどうかわかりませんが、何かそういうふうなことがあるやに仄聞をいたすわけでありますが、こういった声に対してもいかがお答えをいただけるのか。 それから、先ほど来ちょっと
お話
が出ましたが、昨年暮れに
大蔵省
に行ったと言われている金融監査の
勧告
について、金融検査の
あり方
についてどのような
改善
の
指摘
を行ってきたのか、この件についてお聞かせいただきたいと思います。
土屋勲
47
○
政府委員
(
土屋勲
君) まず、
テーマ
の
選定
の仕方でございますが、閣議決定におきまして、先生がおっしゃいましたように現業、
特殊法人等
を特に中心にやりますよ、それから
歳出削減
、経費の
効率的使用
の
観点
からのものを中心にやりますよという二大
テーマ
を与えていただきまして、その
観点
から過去の
監察
の
実施
状況
あるいは当該
施策
の動向などを勘案しまして、年度別の
テーマ
を
選定
させていただいているところでございます。 第二点目の、
監察
の
実施
に当たりまして
省庁
に偏りがあるんではないかという御批判でございますが、私
ども
としましては、
政府
の重要
行政
分野について計画的に
監察
を行うということに努めているところでございまして、偏りがあるという御批判を受けるのは、非常に我々の
立場
から見ますと意外だなという気がいたしているわけでございます。 例えば、分野によりましては防衛庁の各種の防衛
施策
とか外務省の各
地域
局の外交政策とか、
監察
として非常になじまない仕事をしている
省庁
もあるわけでございまして、そういうところを除きますと公平にやっているというふうに考えているところでございます。 それから三点目の、金融検査についての
行政監察
でございますが、概要につきましては、
指摘
いたしておりますのは、金融検査結果の示達の早期化あるいは示達
事項
に関する
改善措置
の
充実
ということが
一つ
ございまして、検査の結果がどういうふうに
改善
をされているかというところ、それから第二点目としましては、過去の検査結果の良否等を踏まえまして検査手順あるいは方法の弾力化をしていいんではないかと。要すれば、優良な金融機関に対しては検査周期を延ばしてもいいし、問題のある金融機関に対しては検査の頻度を高めるというふうなことをしなければいけないんではないかと。 それから、検査の立ち入りを無通告でやるか通告でやるかという
議論
もあるわけでございますが、各銀行の資産等を見る、あるいは銀行そのものの
経営
状況
を見るというふうな話になれば、検査日時を通告して行っても事実
関係
というのは十分究明できるのではないかという気がいたしておりまして、そういう意味も含めての方法の弾力化ということを言っております。 などの
指摘
をしているところでございまして、あとは金融機関の
ディスクロージャー
の問題とか規制緩和の問題とかというところに触れております。
太田豊秋
48
○太田豊秋君 そういうふうなことで、金融監査をされたわけでありますが、しかしその後、残念ながら今回のように検査官の中から逮捕者が出るというふうな、こういったことは非常に
国民
に対しても、ある意味では
行政監察
そのものの
信頼
性というか、こういったことにまでも問題が起きてくるんじゃなかろうかな、こんなことが考えられますので、そういうことであるならば、この問題に焦点を当でて金融検査
業務
についてもう一度
行政監察
を行う必要があるんじゃないかな、こんなふうに考えられますが、この点についてはいかがでございましょうか。
土屋勲
49
○
政府委員
(
土屋勲
君) 今回の事件と申しますのは、金融検査官が過剰な接待を受ける傍らで検査の
実施
時期を漏えいする等をしたとの汚職の容疑で逮捕されたというふうに承知しておりますが、金融検査
行政
の
あり方
以前の
公務員
犯罪という問題だというふうに考えておりまして、
行政
の
制度
、仕組み、
運営
の
改善
を主たる
目的
として行う
行政監察
にはなかなかなじまない問題なのかなというふうに考えています。 現実の問題といたしましても、金融検査の中身そのもの、
民間
の金融機関の個別の貸出金の
状況
とか資産の
状況
というのは検査官にしかタッチできない分野でありまして、その良否を我々が判定するということは、非常に
民間
の企業の秘密保持等々の問題もありまして、できる問題ではないということを御理解いただきたいと思います。
小川勝也
50
○
小川勝也
君 全般の
議論
を聞いていますと、それぞれの
委員
、期待は大きいんですけれ
ども
、
現状
に対して非常に面映ゆい気持ちでおられることがわかったと思います。私もやりとりの中で声を荒げた部分がありました。それは当然今話題となっております
大蔵省
に関する部分であります。 冒頭、竹村理事から我が党がかつて提出をいたしました
行政監視
院の
制度
についてのさわりだけの
説明
がありましたが、考えてみますと、十二月の予算の時期になりますと、長官も
局長
も
大蔵省
から予算をもらいに
大蔵省
に出かけていくわけです。その相手の
監察
をするということになりますと、非常に厳しいものがあるんじゃないかなというふうに思うわけでございます。それに、菅川
委員
からも御
指摘
がありましたように、
行政
同士ということで非常に甘くなってしまうところがあるんではないかなと。この部分の正直な御感想をお伺いしたいと思います。 そしてもう
一つ
は、冗談みたいな
質問
なんですけれ
ども
、会計検査院であるとか
行政監察
局に対する
監察
はどうなっているのか、この辺をお伺いしたいと思います。
土屋勲
51
○
政府委員
(
土屋勲
君)
大蔵省
に対する
行政監察
でございますが、先ほど来御紹介をいたしております金融に関する
行政監察
、経済協力に関する
行政監察
、国有財産に関する
行政監察
、税関の
運営
に関する
行政監察
、日本たばこ産業株式会社監督
行政監察
等、
実施
をいたしているところでございます。 それから、
監察
局の
監察
というのはあるのかという
お話
でございますが、これは我々の
内部
の監査という意味では、官房が中心となる考査等が我が
監察
局に対する考査というふうに考えております。
小里貞利
52
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 前半でありますが、私は日ごろ、予算
関係
等において
大蔵省
との
関係
がいろいろあって、そしてそういうものが既成概念になっておって、いわゆる金融監査等については、金融
行政
の
あり方
等について気兼ねをしておるのではないかという
お話
であったと思うのでございますが、私は断固さようなことがあってはならぬ、きちんと節度を持ってけじめをつけて行わなければならないと。また、今日のこういう
状況
を見てみますと、ますますそういう感じを強く持っておりまして、そういう意味におきましても督励をしていきたいと思います。
小川勝也
53
○
小川勝也
君 私も、
小里
長官に限ってはそんなことは毛頭ないと信じております。 しかしながら、先ほど来の
議論
の中で、倫理とかモラルとかいう問題ではなくて仕組みとかシステムの問題だということがさまざまな
委員
から取り上げられました。私は、気兼ねするとかしないとかということではなくて、
行政
の仕組みそのものをだれから見ても気兼ねしなくていいようなシステムに改めることも考えていいのではないかなというふうに思います。
質問
を終わります。
清水澄子
54
○清水澄子君 現在の金融
不祥事
の問題についても、私も全く、もちろん倫理とかモラルというのはこれはもう当然のことであって、やはり
大蔵省
のシステム、徴税、いわゆる税金を集めることとか、予算編成権とか、そして金融
行政
一般というそれだけ大きな権限を
大蔵省
に集中させているというシステムに大きな問題があったと思います。ですから、このことは当然、私はこの
行政監察
局ではむしろ
行政
の
あり方
そのものに対してメスを入れるべきだったと思いますが、それはこれからも政治的な面でも
議論
になっていくところで、本来ならば
行政監察
局がもっと早く
勧告
をすべき内容であったと思います。 その次に私がお尋ねしたいのは、「最近の
勧告
等の
実績
」というところでも、
特殊法人
とか社会福祉法人の指導監督に関する
勧告
を出したということでございますけれ
ども
、特に社会福祉法人の彩グループの問題等のときにも
質問
をしたりしておりましたが、会計検査院と
総務庁
というのはそれぞれが検査、監査を行っているわけですが、必ずしも両者が効果的な
連携
を深めているかどうかというのは非常に私は疑問であると思うわけです。それはやはり、会計検査院の検査と両面で進めないとこの問題は私は効果を
発揮
できないだろうと。 そういう意味で、私は決算
委員会
で会計検査院に対してこの彩グループを
対象
にして特定検査を行うべきだと強調して、初めてそれが明らかになったというところがございますけれ
ども
、
勧告
をしながら会計検査院との
関係
を密にしていく、そういう
役割
というんですか、この
機能
をなぜ
強化
しようとしないのか。その点において今後どのようなお考えを持っていらっしゃるか、その点を私は
質問
したいと思います。
土屋勲
55
○
政府委員
(
土屋勲
君) 会計検査院と私
ども
、年に数回の
意見
交換の場を持っておりまして、私
ども
の
勧告
の内容も検査院の担当に御
説明
をし、会計検査院からも検査の
報告
について
説明
を聞くという機会を持っております。 それから、社会福祉法人の
関係
でございますが、私
ども
といたしましては、前回の
勧告
の後、厚生省の
措置
状況
というものの
報告
を受けまして、所要の通達の改正を行いましたという
報告
を受けておりまして、事態は
改善
をしているのかなと見ておりました。そしたらああいう問題が
発生
したわけでございまして、末端での
改善
状況
を再度確認するため、緊急の
監察
を
実施
し、再
勧告
をしたということで対応をとらせていただいておりますし、特に
補助金
の面についてはその後会計検査院も特別の検査に入られたというふうに承知をいたしております。
清水澄子
56
○清水澄子君 じゃもう
一つ
。やはり
勧告
の中で、
国有林野事業
に関する
行政監察
のさっきの
報告
を見まして、非常に私は疑問に思っているわけです。 国有林がなぜこれだけ財政赤字に追い込まれてきたのかというのは、やはりこれまでの
あり方
に問題があったんじゃないか。そういうことを抜きにしていきなり今回の場合も
合理化
ということだけ、
組織
、要員の徹底した
合理化
とか、土地を売りなさい、
資産処分
という、その結果の後始末だけの
行政監察
になっていると思いますが、本当に森林を、国有林をどのように今後再生させながら次の世代に健全な姿で引き継いていくのかという
行政
の一番大事な視点が欠けていて、結局国の規制緩和と財政削減のそこだけで
監察
をすると非常に大きな過ちをするのじゃないか。日本の国土の八割以上を占める国有林を今後五千人で守れといっても大変なことだと思う。それは、すべての都市の水の問題とかいろんなことにかかわりますので、そういう基本的な環境をも含めた
行政
の
あり方
としてどうなのかということが提起されるべきではないのでしょうか。 そういう意味でも、私、非常にこの
監察
の視点がどこかやっぱり違っているんじゃないかと思いますので、その点どうぞお答えください。
土屋勲
57
○
政府委員
(
土屋勲
君)
参考資料
の方の十二ページに、実は「
国有林野事業
に関する
行政監察
結果に基づく
勧告
(要旨)」というもう少し詳しい
資料
を入れてございますが、その十二ページの真ん中辺を見ていただきますと、
勧告
のトップ項目として「
国有林野事業
の
役割
と費用負担の
状況
」という分析がございまして、十三ページにその関連部分の
勧告
がございますが、「国有林野の管理・
整備
、
事業
経営
の
目的
・
方針
等
国有林野事業
の
役割
及び基本的在り方並びに費用負担の在り方等について、法的
措置
を含め
明確化
すること。」ということで、私
ども
、その辺の事情を勘案した
勧告
項目の
一つ
と考えているところでございます。
田村公平
58
○田村公平君 私、議員になってから行監局の
報告
書、
勧告
、全部読ませていただいております。特に、内容については非常によくできていまして、担当の方に時たま
電話
したり、何ならファンレターでも出したいなと思うぐらいよくできているわけです。よくできておりますけれ
ども
、何かマスターべーションをしているような感を強く思います。 というのは、皆さん方役人ですから、私、あの例の金融監督庁をつくるときも
質問
させていただいたんですけれ
ども
、役人の中でも
大蔵省
の役人なんというのは、特にキャリアですけれ
ども
、住む官舎も皆さん方の官舎よりもいいところをとっていますよね。例えば建設省の課長補佐クラスは、坂野先輩おられたので申しわけないんですけれ
ども
、上野毛だとか用賀の遠いところで、
大蔵省
は都心のいいところに住んでいる。同じ
公務員
上級職に受かっておっても、例えば
局長
クラスが
大蔵省
に折衝に行くと主計官ですね。主計官というのは課長クラスでしょう。最初からそういうふうになっておる。 彼らは非常にしたたかです。MOF担というものがあるのかという
質問
をしたら、ありませんと言っておいて実はある。きのうあたりの予算
委員会
の
質疑
、やりとりを聞いていても、
局長
クラスはもう、あれは開き直っているのか、そろそろ逮捕されるというふうに思ってあきらめているのかよくわからぬですけれ
ども
、とにかくいんぎん無礼、政治家もばかにしています。そういうしたたかなところに金融検査の問題で幾ら調べたって、何とも思っていないんですよ。 僕は昭和四十六年に国
会議
員の秘書になりましたけれ
ども
、役所対役所、いわゆる官官接待なんてやっているのはもう下っ端の係長、補佐クラス、
大蔵省
のですよ。それを他の
省庁
の課長から上が赤坂や六本木で飲ましているなんということは公然の事実なんです。政治家もなめられているし、そういう公然の事実がずっと、僕が知っているだけで昭和四十六年からですから、今ごろやっと噴き出したけれ
ども
、逮捕されたのは、かわいそうにと言っちゃいけないかもしれないけれ
ども
、ノンキャリアのトップです。どうしてそういうことになるかというと、これは贈収賄罪ですから職務権限の問題が絡んでいる。キャリアは漠然としているからなかなか検察も、職務権限、つまり逮捕状請求に至るのが難しい、あるいはやったとしても公判維持が難しい。 そういうぼよよんとしたようなものをもっとぴしっとやっていくしか僕はないと思うんです。
国会
が国権の最高機関だって、僕も一応国
会議
員だけれ
ども
、
質問
したって平気で
大蔵省
なんてうそをつくんだもの。それほどしたたかなんですよ。
大蔵省
だけじゃないんですよ、実は。ほかの
省庁
も似たり寄ったりのところがありますから、そういうことをどういうふうにしていくかというのは、これは個人攻撃とかそういうことじゃないです。できたらそういうことをもっと
議論
して、本当に国政、
行政
を含めて
信頼
に足り得るようなこの
委員会
ができていったらいいなという思いであります。これは別に僕の
意見
でございまして、
大臣
とかそういう答弁も何も要りません。 以上でございます。
鈴木正孝
59
○鈴木正孝君 私も
調査
会以来のメンバーで、こういう
行政監視
の
機能
を持った
委員会
が必要だろうと、今の全般の社会
状況
、国内の
状況
を考えれば必要だろうということで、ぜひにというような思いでいろいろと
意見
も言わせていただいたという、そういうことがございます。 先ほど来の
お話
をお伺いしておりましても、全く私の同感するところもたくさんあるわけでございます。もともと
行政監察
の
機能
そのものは、
総務庁
の方から御
説明
があったわけでございますけれ
ども
、あくまでも
政府部
内の
自己改善機能
ということで、
政府部
内においてできる限りの第三者的な
立場
で
意見
を言うということではあるのですけれ
ども
、したがいまして、独立機関として法的な地位を与えられている会計検査院だとか警察だとかあるいは検察とはもともと本来的な
機能
が違うというところがあるわけですね。 私も
行政
府の中にいたことがありますので、
行政監察
あるいは
行政
考査、そういうものが非常に大事だということはよくわかるんですが、過去の経過をずっと見てまいりますと、
監察
局の皆さんが大変頑張っておられるということはよくよく承知をしているんですが、やはり
行政
管理庁、総理府の外局であった
立場
、現在
総務庁
の中で一生懸命やられているわけですけれ
ども
、先ほど来先生方から話がありましたように、言葉は悪いんですけれ
ども
、従来そもそも軽視というか形骸化しているというような、そういう印象を受けているところが多々あるのではないのかなというような思いも、片方で正直なことを言ってあるわけです。
国民
の
立場
ということを考えてみますと、この
委員会
も
国会
の場ではありますが、
行政
府の中の
行政監察
の
立場
と共通するところも非常に大きくあるようにも思っております。それだけ大事だ、必要だということを思っているわけです。そんなことを考えてみますと、
勧告
が
政府部
内に出されて、
勧告
を出す過程での事実
調査
あるいは調整、そういう中での力
関係
の差というのが事実上あるだろうと思うんですね。 そういうことを考えてみますと、これは将来の
課題
といいましょうか、できれば、本
委員会
もできたことでもありますので、公表をもって事実上
国会
に
報告
するというごとではなくて、要件として、
行政監察
をやられたときにその内容を
国会
に
報告
するというような手段もやり方も、それは言ってみれば共通の基盤に立って共通の利益ということで後押しをするという、そういうことでももちろんあるし、中身の切り込みが悪ければそれは注文をつけるし、大いに叱咤激励もするということもあるだろうというような、そんな思いもあります。会計検査院が
国会
に正式に
報告
するという形で
一つ
の独立機関として重みを持っている、それと同じような扱いもしでもいいんではないかなというような、そんな思いも実はするわけです。 そんなことを含めまして、
大臣
、この
行政監察
の
実効性
を上げるための決意といいましょうか、非常に大事だと思っておるんです。この
委員会
を成功させるもさせないも、そういうところにも
一つ
要素としてあるということを私は思うものですからこんな御
質問
をさせていただくわけですが、御決意はいかがでしょうか。
小里貞利
60
○
国務大臣
(
小里貞利
君) 今、お二人の先生から、基本的には共通した
一つ
の考え方をお述べになり、また私
ども
行政監察
を預かる
総務庁
に対しましても格段の
一つ
の激励そして警鐘が打ち鳴らせられたものだと、さように思う次第です。 いろいろ
お話
をお聞かせいただきましたように、
制度
、仕組みの問題、あるいはまた力の
関係
、なかんずく
大蔵省
という固有名詞を出して
お話
がありましたが、私もそのような
状況
は決して否定できないものがある、さように存じます。 たまたま、こういうまさに重要な
一つ
の試練の局面に立たされておりますから、この機会にいわばある意味では災いを転じて幅としなけりゃならぬと。そういう意味で、千載一遇のこの際、刷新
強化
をする、
行政監察
等を進めていく上において千載一遇の
強化
策の時期だ、こう思っております。 ぜひ、こういう
国会
等におきまして
行政監視委員会
等をつくっていただきましたことを幸いにいたしまして、私
ども
自身も、情報の提供、あるいはまたリーダーシップも強く求めながらその成果を上げていきたい、さように思っております。いわば、十年二十年、近年になかった
行政監察
の姿勢あるいは具体的システムというものをこの機会に早急につくる、これが重大なる私
ども
に求められる責任だ、さように思う次第です。
中曽根弘文
61
○
中曽根弘文
君 今回の
大蔵省
の
不祥事
を契機に、先ほどから
お話
ありますように、
国家公務員制度
の
見直し
といいますか
検討
とか、それから
内部
監査
制度
、また
公務員
倫理の問題等がいろいろ
議論
されると思いますが、先ほど
大臣
が、
内部
監査につきましては再
検討
の必要がある、
省庁
によってはまだ十分でないところもあるというような御発言もありました。どういう点が問題と現時点でお考えなのか。それから、今
内部
監査は
三つ
ぐらいの
省庁
でやっているんでしょうか、ほかの
省庁
までお広げになるべきとお考えなのか、その点を伺いたいと思います。
小里貞利
62
○
国務大臣
(
小里貞利
君) お答え申し上げます。 先ほ
ども
若干申し上げましたように、各
省庁
内で
内部
監査はやっております。そしてまた、適正な成果を上げておられるなというところも必ずしもないわけでもございません。 しかしながら、極端なる
事項
を申し上げますと、例えば
行政
のいわゆる考査等を行うものでありますが、
実施体制
については、専ら担う先端の
組織
が設けられていないところな
ども
あるわけでございまして、同時にまた、今次の
大蔵省
の金融問題につきまして、金融
行政
の
実態
がかような
不祥事
を
発生
したこと自体が私
ども
総務庁
の責任でもありましょうけれ
ども
、
大蔵省
自身も、
内部
的なそのような
一つ
の
監察
というものが十分でなかったという何よりの証拠だろう、こう思っております。 この機会に申し上げておきたいと思うのでございますが、
行政改革会議
におきまして、先ほど若干話がありましたように財政と金融の分離の問題が大変大きな焦点を当てられております。与党三党で一定の原則線を出していただきました。私は、もちろんこれを尊重することは当然でありますが、しかしながら、その対応の
措置
としては、あの三党の合意になった
事項
はいわゆる最低の線であって、
監察
を強くしていく、そして二度と起こしてはならないよという、その意味におきまするこの財政金融の
あり方
の問題という視点からも一段と厳しく切り込んでいかなけりゃならない。あるいはまた、先ほど
お話
がありましたいわゆる
行政
倫理法、
公務員倫理法
の問題につきましても、そのような気概、そして具体的な
実効性
を持ったものを探求しなけりゃいかぬ、さように思っておる次第です。
泉信也
63
○泉信也君
監察
結果を当
委員会
に
報告
するような仕組みについての
お話
がございましたが、その前に、この
行政監察プログラム
というものがつくられる過程で
各省
と協議をするのか、そして今後、この
委員会
ができたわけですが、この
プログラム
策定と我々の
委員会
が何らかのかかわり合いを持てる仕組みが考えられるのかどうか、この点をまずお聞きします。 あと
二つ
は具体的な話です。
各省
の審議会がたくさんございますが、過去こういう審議会を横並びに洗われたことがあるのか。それからもう
一つ
は、
事業
の必要性の有無について踏み込む姿勢を持っておられると思いますけれ
ども
、人的なスタッフ、これは現在の
体制
では大変不備ではないか。結果的には、この
委員会
でそういう
議論
をしていく上において本当にそこまで皆さんの力を上げるためにはどうすればいいか。この三点についてお尋ねいたします。
土屋勲
64
○
政府委員
(
土屋勲
君) まず第一点、
行政監察プログラム
の
お話
でございますが、
各省
とはこの件につきましては
意見
交換はしません。それから、当
委員会
との
関係
で申し上げますと、私
ども
は当
委員会
の御
議論
の
状況
を十分フォローさせていただきまして、我々としてどんな対応ができるのかということは考えさせていただきたいというふうに思っております。 それから、審議会の件につきましては、
監察
として全部の審議会を総点検ということは今まで多分やったことはないと思いますが、
行政
管理局の方で、審議会の
運営
の
合理化
も含めまして
政府
の統一
方針
を取りまとめているというふうに承知しているところでございます。 それから三点目、
事業
の切り込み、まさに元
大臣
のお言葉で申し上げますと、
事業
の存否も含めという表現だったと思いますが、本格的にその
事業
を廃止するかどうか。もともとスタートの段階で官だけではなくて
国会
等の御
議論
も経てスタートしたものをどういう条件のもとに中止をさせるのかということは、相当の説得力のあるものを出さなければいけないわけでございまして、私
ども
としましては、そういうものに対してのこれから
調査
手法等の開発、人材の育成等、鋭意努めていきながらこの仕事をしていかなければいけないというふうに考えております。
泉信也
65
○泉信也君
プログラム
をつくる段階で
各省
協議がないとおっしゃいましたけれ
ども
、過去この
プログラム
を、これは初めてつくったわけですかね、お尋ねしたいのは、例えば事務次官
会議
とか閣議で、当局がつくられた案がうまくいかなかった例というのはございますか。
土屋勲
66
○
政府委員
(
土屋勲
君)
行政監察プログラム
の話でございますね。
泉信也
67
○泉信也君 はい。
土屋勲
68
○
政府委員
(
土屋勲
君) それは私
ども
として、どの時期にどういう
テーマ
で
行政監察
をさせていただくかということでございまして、
大臣
の御承認を得て
実施
をしているところでございまして、対
各省
あるいは閣議等の
措置
はとっていないものでございます。
山下芳生
69
○
山下芳生
君 この
委員会
というのは、二年間
参議院
で
議論
をしてきて、
行政監察
の
あり方
について
国会
としての
監視
機能
を
発揮
するというものとして設置された経過があるわけです。 それで、先ほど
局長
が、今般の大蔵・銀行汚職については
行政監察
にはなじまない、検査以前の
公務員
倫理の問題だと切り捨てるような御答弁があったんですが、私は、単に今度の捜査の
対象
となった事件だけではなくて、その背景に金融検査の
あり方
として非常に重大な問題が潜んでいるということが明らかになったわけですから、これは行監に
関係
ないということでは済ませるわけにはいかないし、もしそんなことをしたら、それこそ
国民
の
信頼回復
というものに行監局として一体どう責任を果たすのかということが問われる姿勢の問題だと思うんですね。 もう一遍、ちょっとここのところ、きちっと御答弁いただきたいと思います。
土屋勲
70
○
政府委員
(
土屋勲
君) 公務が公正に行われるためにということで、私
ども
、例えば契約の
手続
の問題で異常に随意契約が多いのではないかとか、そういうところの透明性を確保するためにどういうふうにしたらいいかとか、契約担当
職員
が長期にわたり在職するということは問題があるのである
程度
の
期間
が来たらやはり
職員
をローテートすべきではないかというふうな、共通
制度
的な問題については過去、
監察
を
実施
し、
勧告
をしてきているところでございます。 ただ、それと同じような手法で金融
行政
の問題が取り扱えるかどうかということは、なお勉強させていただきたいというふうに思います。
山下芳生
71
○
山下芳生
君 こういう事態になってもいまだに、しかも
監察
結果
報告
書を見ても、そのことがチェックできなかったということがあるわけで、それを今こういう
委員会
の場で聞かれて、これから勉強しますということで私はいいのかという非常に強い危惧を受けるわけです。
大臣
、もう一遍この点、
大臣
は近年になかった行監の姿勢を早急につくる決意を述べられましたけれ
ども
、どうですか。
小里貞利
72
○
国務大臣
(
小里貞利
君) いわば
政府部
内の
自己改善機能
として、
行政
の
制度
あるいは
運営
を
調査
し、そして分析をして、そしてそこに
指摘
するものがあればきちんと
指摘
をして
改善措置
を
勧告
する、これが
行政監察
の私は大きな
役割
だと思っております。したがいまして、
制度
あるいは
運営
を
調査
し分析する上において、その部署における特定の
職員
がどういう仕事をやっているか、あるいはどういう
事業
をやっているか、その
機能
せるものは何なのか、そこまで、少なくとも外面的にといいますか、
業務
上踏み込むのが私はやはり仕事の
一つ
だろう、そう思います。 そういう視点からいいますと、先ほど
局長
が答弁されましたように、いわゆる
職員
として働く環境というものを、環境とあえて申し上げていいかどうかわかりませんが、環境というものが適切なる
一つ
の条件のもとに
運営
されているのかどうかというその視点と、私が申し上げました当事者の仕事に当たる姿勢というものも、私は、見るべくして決して見れないものでもなかろうから、当然こういう
不祥事
等が起きちゃならぬわけですから、
不祥事
等が
発生
しにくい
状況
に
改善
することも、システムの
改善
を
指摘
することもあるいは私は大きな仕事の
一つ
だろう、そう思っております。
菅川健二
73
○菅川
健二
君 若干時間があるようでございますので、今
地域
においてむだの見本として箱物
行政
ということが盛んに言われておるんですけれ
ども
、例えば農山村に行きますと、林業センターとか山村振興センターとか、福祉センターとか公民館とかいろんな箱物があって、必ずしも十分利用されていない。これの原因を見てみますと、各
省庁
の縦割りの
補助金
がずっとついて、そういった
地域
において弊害が起こっておるわけですけれ
ども
、縦割り
行政
の弊害といいますか、いわゆる類似
行政
を各
省庁
がやっておる、そういったことについての
監察
についてメスを入れるということについてはどのようになっていますか。
土屋勲
74
○
政府委員
(
土屋勲
君) 過去、多分数年前だと思いましたが、当時、行革審というものが活動していた時代、その活動とのタイアップの
関係
で縦割り問題を集中的に
監察
し、結果を御
報告
申し上げたというような事実がございます。
竹村泰子
75
○竹村泰子君 先ほどの水野
委員
それから菅川
委員
から出ておりましたけれ
ども
、私が今持ってきておりますのは、大規模な農業基盤
整備
事業
に関する
行政監察
結果に基づく
勧告
ということで、この中で「農用地造成
事業
については、昭和四十四年に開田抑制策に転じた際、その在り方を見直す必要があったと考えられる。」と。そしていろいろと書いてありまして、大型な干拓地あるいは干潟を変えていく
事業
、そういうものについては、「干拓
事業
を取り巻く情勢の変化を踏まえ、
事業
の円滑かつ効率的な
実施
を図るため、」、「環境に十分配慮し、」というふうな
勧告
を出しておられるんですね。 でも、私はさっきからずっと
議論
を聞いておりまして、
勧告
をお出しになったけれ
ども
、その
勧告
を出したら出しっ放しというか、時のアセスメントのように、もうこれはもしかしたら要らなくなった
事業
なのではないかというふうなことをどこかできちんとやらなければならないんだけれ
ども
、そういう権限はあるとはお思いになっておられない。 それから、さっき同僚の議員が言っておられましたけれ
ども
、どういう視点で次は何を
監察
しようかということをお決めになる、あるいは会計検査院の範疇を侵しちゃいけないという、数字のことはあちらがやっておりますからみたいな縦割りのお考えはなかったのか。 そういうことを二点お聞きしたいと思います。
土屋勲
76
○
政府委員
(
土屋勲
君) 大規模農業基盤
整備
の
関係
でございますが、現在回答をとってその
改善
状況
をフォローしているところでございますが、佐賀、羊角湾につきましては中止ということになっておりますし、それから各種の農地開発に関連したダムの開発
事業
等も中止の結論を出したものが幾つかあるというふうに承知をいたしておりまして、
勧告
を含めて、農水省としては真摯な
措置
をとっていただいているというふうに思っております。 それから、会計検査院との
関係
では、我々、同じ予算を見るにいたしましても、会計検査院はどうしても予算の
手続
の執行面の
状況
をチェックするというところにかなりのウエートをかけていらっしゃると思いますが、私
ども
は、予算でつくったものが
目的
どおり使われているかどうか、効果を上げているかどうかというところに主眼を置いてむしろ
事業
を見ているつもりでございまして、会計検査院との
関係
で特に我々が気を使うとか配慮をするとかいうことは考えていないところでございます。
竹山裕
77
○
委員長
(
竹山裕
君) それでは、
予定
した時間も参りましたので、本日の
調査
はこの
程度
にとどめることとし、本日はこれにて散会いたします。 正午散会