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山本一太君 大臣から枠組み
決議案の
推進について、安保理改革について大変強い決意をちょうだいいたしまして、心強く思った次第でございます。
きょう、この
委員会がなければパキスタンの大使館に行って大使に会う予定でございました。私が行けないので、今、河野太郎が要請というか抗議に行っております。来週か再来週にイタリア大使に二人で抗議に行く予定にしておりまして、これからも立法府の方からこの枠組み
決議案につきましては最大限のサポートをさせていただきたいというふうに思っております。
そして、この安保理改革の一番のポイントは、大臣が大変個人的にも親しいオルブライト国務
長官、私どもの大学の先生でもありましたが、極めて頑固な方でございますが、小渕人間外交でオルブライトの壁を崩して、ぜひこの二十一でまとめていただきたい、このことを強く御要望を申し上げたいと思っております。
改めて申しますが、
総理、私は
日本は常任理事国になるべきだと思います。
総理もたびたび
日本は常任理事国としての責任を果たす用意があるというふうにおっしゃっております。中には、常任理事国になると軍事的な貢献の方に引っ張られるのではないかとかあるいは軍事参謀
委員会の問題が片づいていないじゃないかとかいう意見もあると思いますけれども、私は、
経済大国の
日本が、しかもODAの最大供与国の
日本がきちっと常任理事国になって、安保理の決定のプロセスプロセス
一つ一つにきちんと参画をして、あるいは先ほどの核の問題、環境の問題、こういうところでほかのP5の意見をただすような
日本的なきちっとした常任理事国のイメージを持って進んでいけばいいと思っております。
これからも、
議員外交を通じましてこうした問題につきましては全力でやっていきたいと思います。小渕大臣の在任中にぜひ安保理入りを実現していただきたいと思います。小和田大使の任期も二年か三年延ばしていただいて結構でございます。今のは失言でした。結構ではなくて、延びればいいなと私は思っております。
さて、国連の話はこのぐらいにいたしまして、次に、きょうどうしてもお聞きしたかったODAの問題について伺っていきたいと思います。
今度のインドの核実験というのは、文字どおり
日本のODAを改めて考え直す大変いい機会になったのではないかというふうに思っております。
日本のODAは一〇%削減ということで、昨年はODA応援団として微力ながら一生懸命与党の中を走り回ったわけでございますが、ここは、大臣の御尽力あるいは
総理の御理解もあって、国際機関に対する拠出金は随分戻していただいて、間違ったメッセージを外に送らないで済みました。UNFPAとかあるいはユニセフとか、私の覚えている限りでは、例えばUNHCRなんかは少しふえたような気もしておりますけれども、その点については大変高く評価をさせていただきたいというふうに思っております。
実は、これはちょっと参議院の宣伝にもなるんですが、ODAが転換期を迎えたということで、先般、参議院の国際問題調査会の中に対外
経済協力に関する小
委員会というのをつくりまして、十二回にわたってまじめに超党派で
議論を重ねてまいりました。
その報告書がこの間できました。この中で、ODAの理念から始まって、ODAの
実施体制とか、あるいは
国会とのかかわりとか、いろんな
議論をいたしました。特に理念については、国益といわゆる人道援助のバランスをどうやってとるのかそんな話もこの中でしたわけでございます。
そのことは、この
平成十年一月に出た二十一世紀に向けてのODA改革懇談会報告書、これは外務省の指導でできたやに聞いておりますけれども、この中でも、私、ざっと見たんですが、一番の特徴として、「ODAが実現すべき目的」の中に「ODAの諸目的を実現することは、広い意味での国益の実現である。国際社会全体の利益のために行動することが、
日本の長期的な開かれた国益につながる。」と書いてあります。この報告書で非常に目新しかったのは、
日本の国益ということについてかなりはっきりと言及したところではないかというふうに思っている次第でございます。
さっき
アメリカ通の林
議員がいろいろと話をされておりましたけれども、
アメリカは
日本よりもさらに
議員立法が盛んなところでございまして、特に外交に関する
議員立法が結構出ております。私の記憶では、二、三日前にもイランに対するミサイル技術供与についての制裁法案というのが出たようなことも覚えておるわけであります。
先ほど、林
議員の方から
OBRAの話が出ました。
OBRA、すなわち
アメリカの
財政均衡法というんですか、削減法案というんでしょうか、その前身は
グラム・ラドマンという
財政均衡法でございました。グラムもラドマンも両方上院
議員の名前でございます。
そこで、こういうことで負けてはいけないということで私も
法律をつくりました。タイトルが
山本・河野法と申します。やはり
山本一太と河野太郎でつくった法案でございます。今、英文もつくっておりまして、
山本・河野アクトというふうにしようと思っております。なぜ
山本が先かといいますと、私が大学の先輩だからでございます。
その
山本・河野法の内容はどういうことかといいますと、正式名称が「国際連合安全保障理事会の改革のための枠組
決議案採択促進
法律案要綱」、こういうことになっておりまして、これを衆議院の法制局の方に持っていったら、こんなでたらめな
法律は審査できませんということでございましたけれども、でたらめとは何だ、
法律案としてちゃんと形を整えてくれということで河野
議員から再三やってもらいまして、一応案がきょうに間に合って完成をしたわけであります。
内容は一言で言いますと、これは安保理の先ほどの枠組みに関係があるんですけれども、この枠組み
決議案が「国連総会で採択されるまでの間、国連及びその関連機関に対する任意拠出金について、遅滞なく、削減を含む見直し措置を講じなければならない。」、大変過激な
法律でございます。これが一番。
二番が、大変私の気に入っているところでございますが、簡単に言うと、この枠組み
決議案を妨害する国であって「
我が国が
政府開発援助を供与している国に対するODAについて、遅滞なく、削減を含む見直し措置を講じなければならない。」、邪魔するところはODAを削るよという法案でございます。
それで三として、「一及び二の措置に含まれる削減措置については、その削減幅を前年度比一〇%とする。」という、それこそ
日本の
国会のヘルムズと呼ばれてしまうような
山本・河野法なんですけれども、この点について
橋本総理に、おまえら何てばかなことをしているんだという意見でも結構ですが、率直な御感想を伺いたいと思います。