○戸田
邦司君 自由党の戸田でございます。
せっかくの機会でありますので、幾つか意見を言わせていただきたい、こう思います。
先ほど来いろいろ
質疑を聞いておりまして、非常に深く感じますところは、
外航海運問題、それに
外航船への乗組員の問題、いずれにしましても運輸省にいろいろお願いして、運輸省が胸をたたいてこうやりますから御安心くださいと言えるような性格の話ではないというようなところが、
関係者にとりましても、もちろん海運会社を含めてでありますが、また乗組員の方々、さらに運輸省にとりましても大変悩ましい問題ではないかと思います。これからこの問題をどういうふうに扱っていくかというのは非常に大きな
課題であろうかと思います。
ただいま申し上げましたように百点満点なんということはあり得ない、そういう性格の問題でありますから、皆さんひとつ知恵を出し合っていただいて最善の道を探っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
それから、乗組員の訓練の問題ですが、私もこの問題につきましては非常に深い関心を持って今まで見てまいりました。一方で、技術が日進月歩、そういうような時代に船乗り、
船員というのは非常に過酷な
条件で仕事をしなければならない、どのような
条件でも船をきちっと動かしていかなければならない、そういうような仕事でありまして、教育の仕方もなかなか難しい点があろうかと思います。
日本丸とか海王丸とか、ああいった帆船での訓練、これも非常に重要視されておりますが、そういった、伝統的に言いますと英国の船乗りあるいは各国の海軍などにおいても非常に徒弟
制度的な訓練をずっとしてきたという歴史があり、また一方では、昨今のようにもう天測など必要ない、GPSというシステムがあってどこにいても位置が直ちに出てくる、そういうような時代になってきている。船の動かし方も全く変わってきてしまった。技術的なツールを使って船を動かしていかなければならない、そういうような時代でありますから、教育訓練の中身も当然相当変わってくるだろうと思います。そういったことで、教育訓練の中身というのは毎日技術の進歩な
ども考えて
検討を進めていかなければならない
課題ではないかと思っております。
一方で飛行機のパイロットの訓練の問題があるわけですが、ああいったものも
一つのシステムとして組み上がってきているというようなことでもありますので、そういった点も参考にしながら、効率のよい、しかもどこに行っても受け入れられるような乗組員の訓練に努めていただきたい、運輸省の方でもそういうようなことに重点を置いて御
検討を進めていただきたいという点をお願いしておきたいと思います。
お願いばかりで
大臣には申しわけないと思いますが、さらに今回の
改正で小型
船舶操縦士の仕組みが
一つ変わりまして、いわゆる水上スクーターと呼ばれているものに五級の操縦士というのができたわけであります。これ自身については大変歓迎すべきことではないかと思います。
二、三の
問題点を申し上げますと、航行区域として距岸一マイルということになっておりますが、一マイルというのはどうしてでしょうとお伺いしましたら、見える
範囲だというようなことなんです。一体、見えなければならないかどうか。個人個人の乗っている人の責任で安全は保たれなければならないということでしょうから、こういう小型のスクーターのような船、一マイルというと海水浴場に非常に近いところとか、それから海岸にいて非常にうるさいとか、そういうようなこともよく聞く話ですので、機会がありましたらそういう点も含めて実際の使用者が責任を持つという原則に立ってもう少し広げてもよろしいんではないか、こう思います。
それから、小型操縦士の問題ですが、今度五級というのができましたので五つに分かれました。仕組みとしては、二十海里以上どこへでも行ける、それから二十海里以内、五海里、それから二十トン、五トン、そういう仕切りで幾つかのカテゴリーがあるわけですが、私はこの辺は思い切ってもう少し整理されてみてはどうか。三つぐらいで済むんじゃないか、こういう感じがいたします。実際に一級から五級ありましても、二級、三級というのは余り取る人がいないんですね。五トンと二十トンでどれぐらい違うか、そういう点もあるかと思います。ですから、これも今後の問題になりますが、ぜひ御
検討いただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
それからもう
一つは、小型
船舶操縦士でプロとアマと免許の取り方が違ってもいいんじゃないか。プロというのはお客さんを乗せる、そういう人々。お客さんを預かって安全に運航する、自分の責任で遊ぶ、そこにはおのずと違いがあるんじゃないかという気がいたします。ですから、規制緩和とは言いませんが、実態をよく見ていただいてその辺についても再考をお願いしたい、こう思っております。
実際船に乗れるかどうかということを試験の際にテストしているわけですが、それじゃ一級の操縦士を持っていたらどんな船にでも乗れるかといえばそうは言えない。モーターボートだけでテストするわけですから、免状を持っていたらヨットも動かせるなんということはあり得ない。ですから、その辺も考えて、どうか小型
船舶操縦士を持っている人たちがああこれなら合理的だなと思うような仕組みを考えていただきたいというのが次の点であります。
それから、二十トン以上の船については、これは小型
船舶操縦士で今便宜的に一部運航可能というようなことになっておりますが、この辺についても、アマチュアであるなら絶対と言っていいほどに免許が取れない二十トン以上の
範囲をこれも
検討課題としてぜひ今後の問題として扱っていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
それから、最後になりますが、身障者の資格の問題で、これはあちこちから相当要望があります。事は安全の問題ですからそう簡単ではないと思いますが、一方で自動車の免許などがあるということで、今まで運輸省の方で御
検討いただいてかなり大きな進歩があった
部分ではないかと思っております。私もいろんな人からこのごろ相当考えていただけるようになりましたというようなお話を聞いております。さらにこの点についても実態を見ながら柔軟に対応できるように考えていただきたい。
以上お願いばかりでありまして、私は答弁要りません。御答弁くださいと申し上げましても、大体その内容もわかっているような答弁になると思いますので、以上お願いしまして、私の
質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。