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政府委員(
塩田薫範君)
先生御
指摘のように、
独占禁止法が制定される過程においては御
指摘のような経緯があったかと思いますが、その後何度かの
法改正を経て現在のような
法律になっているということでございます。
日本の
独占禁止法の
運用あるいは
法律そのものについて、
アメリカあるいはそれ以外の国からいろいろと要請があるんではないか、それがどんなふうになっているかということだと思います。日米構造協議というのが始まったそもそもは、
独占禁止法なり
公正取引委員会の問題ということよりも、
日本の
市場を国際的に開かれたものにする必要がある、そのためにはいろんな施策をとらなければいけない。その一環として、
競争の
ルールである
独占禁止法をきちんと
運用する必要があるんではないかという
観点からの議論であったかと思います。
その後いろいろと協議をし、それから
公正取引委員会としての
法改正、例えば課徴金の引き上げであるとか刑事罰の罰金額の引き上げであるとか、あるいは
運用の方としては、例えば悪質な事案については告発もするという方針を明らかにし、それに沿って何件かの告発事案もやってきたということであります。さらに、
公正取引委員会がなお一層きちんと処理、対応できるようにするために
公正取引委員会の組織あるいは予算についても充実する必要があるというような話が出てきているわけであります。
最近におきましては、
独占禁止法の適用除外
制度の見直し、これはこの三月の
閣議決定でその具体的な成果がかなり出てきていると思います。あるいは
政府規制の見直しについて
公取として対応しろというような話。
あるいは最近出ておりますのは、私
ども幾つかの分野で、
独禁法といいますか
競争政策の
観点から問題があるかないか、これは違反事件の
審査ではありませんで実態調査ということでやってきております。例えば写真フィルムであるとか板ガラスの分野について実態調査をし幾つかの
問題点を提起した。その提起した
問題点が是正されているのかどうか、フォローアップ調査をすべきではないかというような話。あるいは、
企業あるいは
事業者団体が、主として
独占禁止法を守るための遵守体制といいますか、コンプライアンス・プログラムと言っておりますけれ
ども、そういったものをつくるようになってきております。それについて数年前に私
どもの方で、主要
企業でどの程度そういう体制づくりが行われているのかということを実態調査をいたしたわけであります。それについてもさらにフォローアップといいますか、そのような要望が出てきております。
それから、
独占禁止法違反を抑止するという
観点から、
事業者あるいは消費者の
独禁法違反行為に対する損害賠償という
制度がありますけれ
ども、それをさらに拡充する、あるいは場合によっては違反行為を差しとめる、そういう
制度をつくるべきではないかというようなことが問題提起されているわけであります。
ちょっと全体としてまとまりのない話でございますけれ
ども、そのような要請といいますか
意見が出、それなりに対応すべきものは対応しているということでございます。もちろん、これは
外国政府から問題提起があったからやっているということよりも、
公正取引委員会としてそういう作業をするということが必要だという
判断に基づいているものでございます。