○立木洋君 同僚議員が
質問されている内容もありますので、タブらないようにして
お尋ねしたいと思うんですが、私が最初に申し上げたいのは、やはりこれから
日本の
漁業をどういうふうに発展させていくかという問題、ある意味では
一つの岐路に立っているとも言えるような
状況にあるだろうと思うんです。
これまでを振り返って見てみますと、もう
大臣十分御承知のように、三海里から十二海里に領海がなるときにこれもおくれました。あのときにソ連の
漁船が領海内まで入ってきてイワシをとられて、引いていた網まで壊されて大変な問題が起こるというようなことがあって、漁民の方々から大変な御意見が出されたという
状況に私も遭遇しました。
それから今度二百海里の問題についても、御承知のように例外
措置がとられたわけですね。そのような例外
措置がとられたためにどういうことになったかというと、もう
北海道に行きますと大変でしたよ。御承知のように、底引き網でやられるものですから、実際に
資源そのものが荒らされてしまう、どうなっていくんだ、これからの
漁業はどうなるんだと。御承知のように今では、漁民の方々が魚をとって
日本の
国民に提供するよりも外国から輸入する、そういう比重が多くなるというふうなことで、未来の
漁業というのは本当にどういう形になるのか、本当にどうなるんだというふうな問題等々まで起こってきていると思うんですね。
だから、そういう中で道を切り開きながら、いわゆる対等、平等の
関係でこういう
漁業の問題についても新しい道を切り開いていくということは非常に大切な
状況になってきているというふうに、改めてこれまでの外務
委員会での
経過を振り返りながら思っているわけなんです。
その中の
一つとしては、今同僚議員も言われた
資源の保護、
維持、これはやっぱり非常に重要だろうと思うんです。これまでの間、そういう例外
措置がとられたために底引き網等々がやられて、
日本の
資源の受けた被害というのはやっぱり大変なものだろうと思うんですね。これを本当にそういう
資源を
維持し、保護されていくような正常な状態に持っていく。外国の漁民にしてみれば、今までそういうやり方でやってきたのを、今度は根本的に
資源を保護するという
観点から
漁業のやり方を変えていかなければならないという問題にまでなっておるんですね。そういう中でのさまざまな行き違いだとかトラブルだとかが起こらないように注意しながら、
資源の保護ということを重視してやっていかなければならないという問題があるだろうと思うんです。
先ほど言われましたように、現実に
資源を保護するとなったら今まで相手が
日本のいわゆる二百海里の
水域内でどれだけの魚をどれぐらいとっていたのか。正確なところはわからないというふうなお話を
長官は
先ほどおっしゃっておられましたけれども、実際にはそういう問題も全部明らかになって、そして科学的な
根拠に基づいて
資源が保護できるような状態にしていくことが必要だろうと思うんです。
それで、例えば一九六〇年代の後半におきましては、大体スルメ
イカなんかについては御承知のように六十七万トンですか、相当な量をとることが可能だったと思うんです。ところが、一九九三年以降三年間から四年間ぐらいにわたっては大体三十万トン前後なんですよ、このスルメ
イカが。これはもう御承知のように、今度の場合にはスルメ
イカについては特定
海洋生物資源ということになって、いわゆる
漁獲可能量の制度というのが適用されたわけですね。
そういうことを
考えてみますと、今度九八年度は四十五万トンというふうになっている。昨年は四十四万トンまで回復しましたけれども、それ以前が三十万トン前後ですよ。御承知のようにこれは
中国との
関係でいつでも、
イカ漁の問題については、あそこはアカ
イカが中心だろうと思いますけれどもスルメ
イカの問題も影響がないわけではない。それから
韓国の問題も、スルメ
イカの問題については一定量とっているという
状況があるんですね。
だから、こういう
漁獲可能量の制度というのをやって、九八年度四十五万トンというふうに決めて、そして今後のスルメ
イカの問題に関して言うならば
資源を保護するという見地から見て本当に適切な数量なのかどうなのか。それから
中国や
韓国等、これまで
漁獲している可能推定量等々を含めて
考えていかなければならないような
状況もあるだろうと思うんです。
そういう
漁業の
資源を非常に重視し、そういう
漁業の
あり方を
考えていくという点で、スルメ
イカの四十五万トンというのはどういう見地から出されたのか。そして、
資源を保護していくという問題についての
考え方、今同僚議員も
質問されたわけですが、もう少し突っ込んで、技術的なこれまでの
漁業のやり方等々も含めた改善の方向を図っていくということをも
相手国との
交渉の中ではよく詰めながらやっていく。
資源の保護の問題というのは、これからの
漁業の
あり方にとっても
漁業問題に関する外交
交渉の上にとっても、私は科学的に判定するという上で大切な
意義を持っているだろうと思うので、その点についてまず
長官からお答えいただいて、後でちょっと
大臣の方から御所見をお
伺いしたいと思います。