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佐藤(剛)
委員 自民党の
佐藤剛男でございます。本日は、
伊吹大臣に、本日発表せられました三月の
雇用失業情勢、これを
中心にいたしまして、その周辺の問題についてお聞きいたしたいと思っております。
まず
最初に、私は、
大臣御就任来、当
委員会におきまして
大臣の
お話を伺っておりまして、非常に各般にわたるその情熱と卓見に対しまして、お
世辞抜きに敬意を表する次第でございます。
日本の
政治を引っ張っていかれる方だなということをつくづく実感したわけでございます。
本日の
雇用失業情勢の発表によりますと、昭和二十八年来の
完全失業率が三・九%ということで、二十八年といいますのは比較できる
統計のようでございますが、
最高になっておる、こういうのが三月の時点でございます。また
有効求人倍率が低下しておるということでございます。このような
経済状況を踏まえて、私
ども国会において約七十七兆円の
予算も四月八日に通し、そしてさらに、
総合経済対策ということで、先週、
経済対策閣僚会議において承認されたということでございまして、この七十七兆円の
予算が、
真水で見ますと、ODAの
政府援助約一兆円、その他
赤字国債、借金の
返済等を入れますと六十数兆が
真水になるのでしょうが、これが動き出すというわけでございます。
また、十六兆余りの
総合経済対策の意義がここにあるのではないかと私は思っておりますが、この二十八年以降において
最高の
完全失業率三・九ということの
数字が出てしまったというわけでございまして、これからの
雇用状況、これからの
日本の
経済状況は
世界の注視されているところでありますが、かじ取りが非常に大変な時期に直面されておるなということをつくづく感ずるわけでございます。
そして、
外国から、
日本の
減税を多くしろとかいろいろな、私は直接当事者ではございませんから情報しかわかりませんが、そういう話が入ってまいっておりますが、
日本の今日置かれている
状況というのは、過去の
局面と違いまして、私は
幾つか違っている要素があると思っています。
下手をすると、一昨日NHKで
最後の将軍「
徳川慶喜」を見て、その後に、
バミューダ海峡、魔の
トライアングルというのを私は見ていたわけでありますが、どうも
日本経済も、この魔の
トライアングル、あの
バミューダ海峡のところに入りますと、
飛行機があるとき爆発して消えてしまう、あるいは船が白いあらしみたいなものを見て沈んでしまう、こういうところがあるわけでありますが、
日本丸あるいは
日本の
飛行機がこの
バミューダ海峡の
トライアングルの中を抜け切るという自信、
日本経済を、
経済政策をされている
伊吹大臣のような
方々が引っ張っていっているわけでありますから、間違いなくそういう形になると私は思っておりますが、私の見るこの
現状は、相当
日本の
経済というのが、
三角形でいいますと
乱気流ですね、一昨日のところで、なぜ
世界の
飛行機が落ちるのか、船が沈没するのかという、この魔の
三角形の中に
乱気流というのが、
金融の不安定、しかもこれが東南アジアを
中心とする形で出てきた。この
局面は、かつて
日本が経験していない
経済局面ではないか。
そしてさらに、僕は
資本主義社会が非常に危機的な
局面に来ている部分があるのではないかと思うのであります。
世界の
資本主義社会というのは、決して
共産主義社会をやっつけたわけではない、
共産主義社会は自壊したわけであります。
資本主義社会の中にはディシプリンといいますかノーブレスオブリージュといいますか、そういうような
一つの自律が働いていたのではないかと思うのでありますが、最近はどうも
乱気流の
傾向が、例えば
投機、私は
オオカミ集団と言っているのですが、
世界の
投機集団が一日に一兆ドル、百三十円に計算して百三十兆円ぐらいのものが動き回る。
世界の貿易が五兆ドル。一年間五兆ドルといいますと、その五分の一が一日に動き出すというような
乱気流がある。そういう中において
日本型資本主義社会が、今この
バミューダ海峡のところに沈没せられないで、それを抜け切ってブレークスルーしなければいけない
状況にあるのではないか、かような
認識であります。
そして、この
トライアングルの中に、今一番気になっている現象は、
物価が下がっておりながらさらに
景気が悪くなってきている、悪いという
状況が続いている。いわゆる
デフレになってきますと、
企業の利潤というものが減っていく、そうすると
企業はリストラを果たす、さらに
消費が減る、さらに今度は
物価が下がってくる。こういう悪循環を
経済学的にいいますと、
デフレーションスパイラルというわけでありますが、これは
経済学の話でありますが、そのような形にならないように、我々は
経済運営を果敢にやっていく。これが私は今回の大きな
総合経済対策の根底にあるのじゃないかと思うわけでございます。そして、この
総合経済対策の中で、
労働省の
関係で
幾つかの非常に真新しいものがございます。
そういう点についてまずお伺いいたしますが、
最初に、この三月の
雇用失業情勢について、二月に比べまして〇・三%
ポイント上昇した。そして、これを具体的に言いますと、
建設業におきまして二十七万人減っております。それから
製造業におきまして六十五万人減っております。それを補っているのが
サービス業の五十六万人増、これは増加しておる。それから卸・小売、
飲食店が二十一万人増という形になっておりまして、全体としましての
失業者数二百七十七万人。これは前年同月に比べて四十三万人増になっているわけでありますが、このあたりについて、まず
大臣の御
認識をお伺いいたしたい。
それから次に、今申し上げましたこの
総合経済対策の中において、
労働省としまして、こういうふうな形での
対策を講じておるということの二点、まず
最初にお聞きいたしたいと思います。