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1998-03-20 第142回国会 衆議院 予算委員会第七分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年三月二十日(金曜日)     午前九時開議 出席分科員    主査 桜井  新君       木村 隆秀君    葉梨 信行君       増田 敏男君    川内 博史君       山花 貞夫君    上田  勇君       上原 康助君    兼務 田中 和徳君 兼務 藤村  修君    兼務 木村 太郎君 兼務 河村たかし君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 藤井 孝男君         郵 政 大 臣 自見庄三郎君  出席政府委員         運輸大臣官房長 梅崎  壽君         運輸省鉄道局長 小幡 政人君         運輸省港湾局長 木本 英明君         運輸省航空局長 楠木 行雄君         郵政大臣官房長 天野 定功君         郵政大臣官房総         務審議官    濱田 弘二君         郵政省郵務局長 長谷川憲正君         郵政省貯金局長 安岡 裕幸君         郵政簡易保険         局長      金澤  薫君         郵政省放送行政         局長      谷  公士君         郵政省放送行政         局長      品川 萬里君  分科員外出席者         国土庁計画・調         整局計画課長  浜野  潤君         大蔵省主計局主         計官      飯原 一樹君         運輸大臣官房会         計課長     伊藤 鎭樹君         運輸省運輸政策         局観光部観光地         域振興課長   宮武 茂典君         郵政大臣官房主         計課長     岡田 克行君         郵政大臣官房財         務部長     是枝 義人君         建設省道路局企         画課道路経済調         査室長     奥平  聖君         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理         事)      西川 由朗君         運輸委員会専門         員       長尾 正和君         逓信委員会専門         員       丸山  一敏         予算委員会専門         員       大西  勉君 分科員の異動 三月二十日  辞任         補欠選任   葉梨 信行君     木村 隆秀君   山花 貞夫君     川内 博史君   上田  勇君     若松 謙維君 同日  辞任         補欠選任   木村 隆秀君     葉梨 信行君   川内 博史君     山花 貞夫君   若松 謙維君     上田  勇君 同日  第二分科員田中和徳君、第四分科員藤村修君、  第八分科員木村太郎君及び河村たかし君が本分  科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  平成十年度一般会計予算  平成十年度特別会計予算  平成十年度政府関係機関予算  (運輸省及び郵政省所管)      ————◇—————
  2. 桜井新

    桜井主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。  平成十年度一般会計予算平成十年度特別会計予算及び平成十年度政府関係機関予算郵政省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村たかし君。
  3. 河村たかし

    河村(た)分科員 河村たかしてございます。  では、早速質問に入りたいと思います。  まず一つ、どてっばつから余りいいような話でもないのですけれども、もうちょっと情報通信のいろいろな内容を初めに聞いた方がいいのですが、今、特に大蔵中心としましていろいろ過剰接待の問題が取りざたされておりまして、私も情報通信を勉強しようということで、当選させてもらって以来ずっと郵政省の方ともいろいろ勉強させていただいておるということでございますけれどもノーパン何とかとか、個人的に行かれるのは、大いに結構と言えるかどうか知りませんけれども、別に問題ないのですけれども。いわゆる過剰な接待というのですか、何かざぶんが幾らでどぼんが幾らですか、しゃぴんというのも最近あるらしいのですけれども、そういうような実態があるのかないのか、大臣にひとつ聞きたいと思います。
  4. 自見庄三郎

    ○自見国務大臣 河村委員指摘のように、公務員の綱紀の粛正というのは大変大事なものでございまして、国民公務員に対する信頼の基礎だというふうに私は思っております。  今先生指摘のように、いろいろな報道があるということでございますが、私も報道については承知をいたしておりますが、郵政省におきましては職員倫理規程を厳格に運用しておりまして、本省審議官クラス以上の者が今先生指摘のような高額の接待を受けているようなことはないものというふうに私は認識をいたしております。
  5. 河村たかし

    河村(た)分科員 一応、今までのいろいろな調査方法等があると思いますけれども、何か時流時流というのか、話題になっておるというのか、やはりこういうことで、もって他山の石なら結構なんですけれども、特別に調査をされたのかどうかですね。
  6. 天野定功

    天野政府委員 お答え申し上げます。  ことしの一月二十七日に、総務庁の長官が、閣議におかれまして全大臣に対しまして倫理規程運用状況調査するよう御指示がございました。それを受けまして、私どもは一昨年十二月二十五日に郵政省倫理規程を制定いたしておりまして、それ以降、ことしの一月までの本省における運用状況調査しました。調査の結果、本省審議官以上のクラスの者に御指摘のような事例は見当たらない、そういう状況でございます。
  7. 河村たかし

    河村(た)分科員 いろいろなことを言う人がおりまして、私もそんなことはなかったらいいなと思っておるのですけれども、今の調査状況では、ないということで結構なわけですね。もう一回、ちょっと確認だけ。
  8. 天野定功

    天野政府委員 そのとおりでございます。
  9. 河村たかし

    河村(た)分科員 それから、いろいろな接待の中で、最近言われておるのが、官報接待ということを言う人がおるのですけれども日本の場合、記者クラブ制度が、これについてはいろいろな批判もありながら、一応続いております。  それで、御承知のように、報道というのは、報道の自由というのは、報道自由固有のものもあるかもしれませんけれども国民の知る権利に奉仕するというのですか、国民が何か意思決定をするときにその材料が要りますから、これは主にやはり報道を通じてなされる。ありとあらゆるものを直接見たり聞いたりすることは、国民はなかなか難しいですよね。ですから、何かのジャーナリズムを通じてなされることがほとんどだと思いますけれども、それが本当に真実を伝えたかどうか。  これはこの間の委員会でも一つ言いましたけれども、非常に重要で、特に放送は、これはむちゃくちゃ大きいですよね。一遍に、視聴率の高いところだと千五百万人とか二千万人がそれを見たり聞いたりして、信ずる。信じますよね、正直言って、信じます。だから、そういうところが正確な情報を伝えておるかどうかというのは非常に重要なので、そういう面で、余りこういうことは自分の身を考えると聞かぬ方がいいという人が多いのですけれどもジャーナリズムはみんな怖いですからね、ジャーナリズムを敵にするのは嫌うのですけれども。僕も国民のためにおりますし、国民の税金をもらって暮らしておりますので、そんなことでひるんではおりません。  ですから、ぜひ、また郵政省の場合は特に情報通信を所管しておるということもあって、そういうジャーナリズムに対するいわゆる接待というようなものですね、これは一体あるのかないのか、ないのかあるのか、ひとつ大臣、答えてもらえぬですか。
  10. 天野定功

    天野政府委員 お答え申し上げます。  郵政省職員報道機関との接触というのは、先生指摘のように非常に重要な、行政運営上も重要な場でございますが、いわゆるもてなし目的としました接待というものはございません。  ただ、郵政省にも託者クラブというものかございますが、記者クラブ省幹部とで、郵政行政に関する意見交換目的としまして、年末には懇談の場を設けております。その場合、その懇談経費記者クラブと省で折半しているという状況でございます。また、本年一月には記者クラブ大臣懇談を行いましたが、その際の経費は省が負担しております。  以上の状況でございます。
  11. 河村たかし

    河村(た)分科員 今の話は省としてという意味なんですかね。各担当部局の、課の方というのですか、それはないのですかね。
  12. 天野定功

    天野政府委員 省としてはもとよりでございますが、個々報道関係者とのいわゆる接待はないということでございます。
  13. 河村たかし

    河村(た)分科員 個々報道関係者とはないということは、個人的にはまた別ということですか。それはまた別なんですかね、どうですか。いや、通常のことは私も、今のところ日本では通常の範囲はまあいいとされて、同行したかどうかという問題だと思うのですけれども。ですから、今の話を聞いておると、省のお金としてやっていることはないということにとどまるのか、ある程度個人的に部課の方が、その部や課におる方が……。  というのは、よくあるわけですよ。きのう例のNPO法案が通りました、議員立法の格好でですよね。これをずっとやっていますと、この議員立法をどれだけ頑張っても、何も、何もまで言いません、それは報道もしてくれたところはあるのですけれども、これは寂しいもので、政府がちょっとやると一面トップにどかんと出るわけですわ。それで、パアなんですよね、こちらがいろいろと努力しておっても。何か役所の情報だけどこかつながっておるところがあるのじゃないのかと思わざるを得ぬ部分があるのですね。一定の世論操作をするということは一番いかぬことでありますし、特に郵政省は、放送を所管しておる以上は、これはもう絶対いかぬですよ。だから、ちょっとその辺の、細かくなりますけれども、本当に純粋に個人的なことは、これはまたいいのかどうか、いいのかもわかりませんけれども、そこら辺のところをもう一回ちょっと聞かせていただけませんか。
  14. 天野定功

    天野政府委員 職員が全く個人的に自分ポケットマネー報道機関の人と会食をする、そういうものは私どもは関知いたしておりません、あるのかもしれませんが、私ども詳細は承知しておりません。私が申し上げているのはあくまでも省の経費で行う場合でありますが、いわゆるもてなし目的とした接待というものはないと申し上げておるわけであります。  しかしながら、郵政行政についての説明とかあるいは意見交換を食事をしながら行うのは、それはある程度まとまったグループでやる場合とかあるいは全く一対一だとか、いろいろな形であろうと思います。その場合の経費の負担は、折半になったりあるいは省が負担したり、それはケース・バイ・ケースでいろいろあろうかと思います。
  15. 河村たかし

    河村(た)分科員 なるほど、ちょっとわかりました。もてなし目的としてはないということなので、説明とか意見交換とか、こういういわゆる省の本来的な仕事については、いろいろな懇談であり、お金折半をしているよと。  では、その折半お金でもいいのですけれども、年間どのくらい使われておるのか、教えていただけますか。
  16. 天野定功

    天野政府委員 いわゆる接待というものではございませんので、今私ども具体的な数字を調べているわけではございません。
  17. 河村たかし

    河村(た)分科員 若干でないけれども、かなり不満な答弁でございますけれども、また逓信委員会もありますので、ちょっとその場所に譲りたいと思います。  とにかく郵政省に言っておきたいのは、報道が間違ったときに、この間僕も言っていましたけれども議員というよりも、一億二千万ですか、国民立場から、放送が間違ったとき、報道が間違ったときはどうやって意見を形成するのかということでございますので、特に郵政省はここのところをやはり自戒して、自戒どころじゃない、仕組みをきちっと整えて、モデルとなるようにしなければいかぬな、そんなふうに思います。  では次ですけれどもコミュニティー放送というのがあります。私は前から言っていますが、いわゆるNPO論者でもないのですけれどもNPOというのは何かというと、競争というか分権というか、究極的には国のお金大蔵が統一管理するシステムを改めていこうということで、多様な経営主体が出てくるのに非常にいいシステムなんです。特にアメリカだと思いますけれどもコミユニティー放送局は、全部NPOとは言えないと思いますけれども、かなりが寄附を中心とした、そういったちょっと特殊な、日本でいえば特殊になると思いますけれども、この点は今世界の常識、日本の非常識ですけれども、そうなっておると思います。  そんなことで、大きい放送局がどかんと、NHKもそうですが、余りNHKの番組がいいとみんなNHKばかり見て、NHKの言っておることは全部真実であるということは果たしていいのか悪いのか。そういう中で多様な放送局がいろいろなことを言っていくというのは、僕はどちらかというとそういう支持者なんですけれどもコミュニティー放送経営者にいろいろ聞きますと、やはり大変なんですよね。やはり財源が苦しいわけです。商業放送をやれば、これはワット数が大きいのが強いに決まっているわけですよ、当然のことながら。これは電波の特性で、一遍にぱっと広がりますから、多くの人に聞こえた方がコマーシャルが集まるに決まっているわけです。  そういう中で、非常に苦労されながら個性のある放送をやろうということで、これは郵政省も熱心にやっている、これは結構なことでございますけれども、やはり難聴解消ということは、ワット数が十ワットで低いものだから皆さん非常に困っておられるのですよ。だから、ぜひここは、ただでさえお金に苦労しておるコミュニティー放送ですから、ぜひこの難聴解消郵政省に強く言ってほしいという声があるのです。ここら辺、どういう取り組みをされようとしておるのか、品川さんにひとつお願いします。
  18. 品川萬里

    品川政府委員 お答え申し上げます。  先生御存じの点で、多少繰り返しになるかもしれませんけれどもコミュニティーFM放送というのは、平成四年に一つ仕組みとしてスタートしたわけでございます。この趣旨は、既に出力の大きいFM放送がございますけれども、同じ周波数の中でそういった地域に貢献するような放送局はできないだろうかということで編み出した一つ工夫でございます。  したがいまして、出力も、御案内のように、電波世界も、先に電波を出している無線局に後から免許される無線局というのは妨害を与えてはならないという前提で進むわけでございますので、おのずと、後から無線局を使って放送なりされる方にはいろいろな、前に無線局を開設している方よりは不利といいましょうか、そういうやむを得ないところがあるわけです。これは、我が国に限らず世界一つ電波ルールかと存じます。しかし、コミュニティー放送というのが大変意義が認められまして、現在では三十二都道府県、九十一局開局の運びになっております。  これも先生案内のとおりでございますけれどもFMラジオ放送に使っている波というのは、波長が四メートルぐらいで非常に直進性が強いというようなこともございまして、出力のいかんにかかわらず、これは出力の大きいものでもいろいろな難視聴とかいうことがあるわけでございます。  したがいまして、物理原則からいたしまして、難視聴が全部、ビル陰障害とか全くなくなるということは不可能でございますけれども、いろいろ工夫の余地はないかということはかねがね私ども研究をしておるわけでございます。そもそもFM放送が始まりましたのは約三十年前でございまして三十年たっていろいろ技術革新も進みましたものですから、FM放送技術基準について見直し検討を今電気通信技術審議会で行っていただいております。その審議会委員には、先生御存じかと思いますけれどもコミュニティーFMの大変中心的な役割を果たしている方にも入っていただきまして、いろいろお話も聞かせていただいているということでございます。  したがいまして、新しい技術基準審議会で御審議いただきまして、答申が出た暁にはまたその次の行政上のプロセスがございますけれども、その見直しの結果、地域によりましては、あるいは局によりましては難視聴というのもその効果として解消されるというところがあろうかと思います。  この放送局の聞こえ方というのは、できるだけ聞こえるようにということであらかじめ審査をして免許もしておりますけれども、実際、その免許した後もビルが建ったりあるいは地形が変わったりということになりますと、また聞こえぐあいも変わるわけでございまして、コミュニティーFM放送に限らず、放送局というのは聞こえぐあいというのは千差万別でございます、基本的には聞こえるようにしておりますけれども。  したがいまして、今後、その技術基準の出た後も、できるだけ個々具体的に、いろいろな放送局方々お話も承りながら、いろいろ改善に御協力も申し上げていきたい、かように存ずる次第でございます。
  19. 河村たかし

    河村(た)分科員 時代も変わってきまして、何が難聴かという問題がこれはありまして、昔は聞こえればいいじゃないかと。ラジオなんかを聞いておりますとザーザーいって、アナウンサーの声の方が小さくても、それでもいいじゃないかということがあるのですけれども、そこら辺のところ、ある程度ザーザーといえばこれは難聴区域だと、その辺のところは非常に柔軟にやってもらえるわけですね、時代的に。
  20. 品川萬里

    品川政府委員 先生指摘のように、時代とともに視聴者放送に求めるレベルというのも上がってくるということはあろうかと思います。ですから、今の国民の皆様の放送に期待する水準というものもよく考えながら、その辺は検討してまいりたいと思います。
  21. 河村たかし

    河村(た)分科員 もう一つは、今もちょっとお話がありましたけれども、現場の声が届いておるようでございますので、ぜひそれを大事にして早急に対処する。結局、でかい放送局はええんですわとまでは言いませんけれども、でかいものばかり大事にせぬように、そうやって努力しておる人たちの声を間違いなく受けとめているよということを、ひとつもう一回、皆さん喜ぶと思いますので、確認しておいてください。
  22. 品川萬里

    品川政府委員 放送局によりまして、それぞれ視聴者の皆さんあるいは放送される方々の期するところがあるわけでございますから、それぞれの放送に従事される方々のそうした懸命な御努力にできるだけこたえられるように、私どもも最善の努力をしてまいりたいと存じます。  審議会の方もそういったことで大変タイトなスケジュールで議論していただいておりますし、また、答申が出た暁には、私どももできるだけ早い時間でしかるべく措置がとれるように努力いたしたいと思います。
  23. 河村たかし

    河村(た)分科員 わかりました。  では、次の問題に移りたいと思います。  今度自治省がいわゆる背番号というものをやるという、とんでもないことを言っております。何か四情報で、住所、生年月日、氏名、性別に限るのだといいますけれども、そんなことはあり得ないのでありまして、私は、これは人間が神か仏になったときはそれをやってもいいけれども歴史の教訓とかいろいろ見る限り、生まれてから死ぬまでに人間番号を振るということは、私は高度情報化社会推進論者ですけれども、だからこそその人間の尊厳というか、絶対崩してはいけない一つルールというのはあるので、とんでもないことだ。また、カードを全員に持たせるなど、高度情報化社会人間をコンピューターのチップと間違えておるのじゃないかと、非常に恐ろしさを感じております。  いろいろ見ておりますと、別表がありまして、郵政省が使うというのがあるのですね。一応さっと見ると、電波法無線局免許事務というふうになっております。この背番号について自治省から何かの問い合わせが、どういう歴史的経過であったのかということをまず一つ教えてください。これはうそを言わないようにお願いしますよ。お願いします。
  24. 是枝義人

    是枝説明員 お答え申し上げます。  この住民基本台帳法に関しまして経過的に申し上げますと、昨年の六月段階でございますけれども自治省の方で「住民基本台帳ネットワークシステムの構築について」ということで、住民基本台帳法の一部改正試案、これを報道発表いたしまして、その際に、郵政省に対しましても、参考までということで送付されてきております。これは自治省の方が各省庁の法令担当者に送ったというようなことで、ある意味では横並びだろうと思っておりますが、そういった経過はございます。そういうものを受けまして、郵政行政本人確認、そういうものに使えるのかどうか、そういうことで将来的に検討した経過はございます。  以上でございます。
  25. 河村たかし

    河村(た)分科員 その中で、これはいろいろなことに使えますよ、そういう話はあったのではないですか。
  26. 是枝義人

    是枝説明員 この住民基本台帳関係でございますけれども個人情報の保護、そういった視点もございまして、かなり自治省の方は限定的に解釈しているのではないかなというふうに理解をいたしております。
  27. 河村たかし

    河村(た)分科員 限定的に解釈ではなくて、向こうが、いわゆる共通番号としてこれは便利ですよ、例えば郵便貯金、簡保の番号、何でも使えますよ、プライバシーの問題はありますがねと、そういう話があったのではないですか。
  28. 是枝義人

    是枝説明員 私どもも、郵便貯金あるいは簡易保険本人確認、こういうものに使えるのかどうか、そういった視点でも検討を行ったわけでございますが、郵便貯金簡易保険、これは先生案内のとおり、民間金融機関、銀行でございますとかあるいは生命保険会社、こういった同じような仕事をやっているところもございますので、その辺の横並びでなかなかこれは難しいなというのが自治省の考え方でございました。
  29. 河村たかし

    河村(た)分科員 そんなことを聞いているのではなくて、向こうから、便利なものですよ、どうですかという話があったかなかったかを聞いておるのですよ。
  30. 是枝義人

    是枝説明員 自治省の方からは、郵便貯金あるいは簡易保険に使うというのは難しいといいますか、困難であるというような話を私どもは聞いております。
  31. 河村たかし

    河村(た)分科員 何かよくわかりませんけれども、便利ですから、どんな用途があるか考えていただけませんかという話はあったのでしょう。
  32. 是枝義人

    是枝説明員 自治省からいろいろ照会がございましたけれども、私ども自分らの立場でいろいろ、使えるのかどうか、そういうことは検討いたしましたが、自治省の方から特に勧めるとか、そういうことはなかったように記憶いたしております。
  33. 河村たかし

    河村(た)分科員 そんなことは考えられぬですね。どんな商売でも、何か持っていって、こういうふうに使えますよという効能を言わぬような話はないので、本当に何もなかったのですか。ただこういうものがあると、資料が出てきて何も言わぬのですか。そんなのは信じられませんよ。
  34. 安岡裕幸

    安岡政府委員 お答えを申し上げます。  郵便貯金本人確認手段としまして、住民コードの利用の可否について、郵貯としても照会をいたしました。それに対しまして自治省からは、行政合理化に資することを目的とした事務に限定されているということがございますし、民間にも利用させないということでございまして、郵貯において本人確認手段として利用することは見送らさせていただく、こういうのが回答でございました。
  35. 河村たかし

    河村(た)分科員 ちょっと、今度にします。そんなことよりも、それは後でそうなっただけのことで、そんなもの、絶対プロモーションしておるに間違いないのですよ。その中から郵政省が、これはどうだ、いいだ、だめだと選んで、そしてだんだん絞っていったに間違いないのですけれども、まあ、これはまた逓信委員会で今度やります。  それから、今の状況で、何か無線局免許事務に使うと言っていますけれども、実際にこれをやって郵政省は一体どういうメリットがあるのですか。
  36. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 御案内のとおり、無線局の開設申請書、免許状に申請者の住所、氏名を記載することになっております。そして、この無線局免許状の記載事項に変更を生じましたときには、訂正を受けなければならないというふうに法律でなっております。  そこで、この無線局免許を受けた方の氏名、住所について変更がありました場合の確認のために、必要に応じて住民基本台帳ネットワークを用いることを可能にしたいということでございまして、このシステムを利用することによりまして、住所の変更がありました場合に迅速な検索が可能になるということを期待しているところでございます。
  37. 河村たかし

    河村(た)分科員 変更になったとき迅速なものをといって、変更になるときは届け出する義務があると思いますし、それから、番号を言うより、各電監、みんな地方で分かれておるわけでしょう、やはりそこに聞くのではないですか。だから、これは住所、氏名の方がわかりやすいのではないですか。番号の方がやりやすいのですか。
  38. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 変更が生じました場合でも届け出がない場合がございまして、そういった場合には、無線局の検査その他で支障を生ずることになります。現行でございますと、市町村に照会をして住民基本台帳で調べていただくことになるわけでございますけれども、それをこのシステムによって簡単に照会することができるということでございまして、番号をもって照会するということを今考えておるわけではございません。これはこのシステムの組み方によると思いますが、住所、氏名で照会するというふうに今のところは考えております。
  39. 河村たかし

    河村(た)分科員 住所が変わったときに届け出がない場合があると言うけれども、そういう人は住民票も変えていない場合が結構あるので、かえって住民票よりもおたくの郵便番号の方が、個人のものは出ませんけれども、住んでおる方は、どこに住んでおるかというのはかえってわかるぐらいで、全然理由にならぬと思いますよ。郵政省に、電監に届け出を変えないような人は、大抵住民票は変えないのではないですか。そうではないですか。そのために、これは全部の費用ですけれども、初期投資で四百億ですか、毎年二百億自治体が積み上げて負担するということになっておりますけれども、そんなことのためにこれは本当にやるのですかね。
  40. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 少なくとも私どもが現在やっておりますことについて申し上げますと、各自治体に対して住所、氏名で照会をしております。それをコンピューターで照会することができるようになるというメリットはあるわけでございます。
  41. 河村たかし

    河村(た)分科員 コンピューターで照会というのは、それは何ですかね。要するに違いは、電話をかけるのをコンピューターの端末にするだけの違いですか。
  42. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 具体的なシステムのあり方につきましては今後自治省の方においてお詰めになると思いますので、手続については、私、詳細をまだ承知しておりません。  ただ、現実の問題として申し上げますと、これまで各自治体に対して照会をしておりました際に、御回答をいただいております。したがって、そういう照会事務というのは現実に成り立っておるわけでございまして、それがよりスピーディーに実施できるということを期待しているわけでございます。
  43. 河村たかし

    河村(た)分科員 期待しているとかなんとか言われていますけれども、本当に住民票がそこにあるかを知るだけのために十けたの番号をわざわざ振って、そんな抽象的なことで、便利になるかならぬかわけのわからぬことを、自分のところはメリットがありますなんて言って、予算というか、これは国の予算ではないようですけれども、一体そんなものがつくのですか。そんなことだったら、普通だったら、責任ある者としては、余分な金使うならこんなこといいですよと。それより、何区何町だれだれという名前の方がわかりやすいじゃないですか。多分、十けた打っても、口では番号で処理しないと思いますよ。何区何町のだれだれさんですよと言うと思いますよ、絶対に。  こういう巨大な予算というかお金を使うこと、それと人間番号を振るという、とにかく恐れ多い、驚ぐべきことをするのに、そんなええかげんな情報でやるのですか、谷さん。一絶対、そんなのは住所、氏名、生年月日の方が便利だと思いますよ。
  44. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私がお答え申し上げておりますのは無線局の管理の関係だけでございまして、このシステム全体の利用の状況というものは承知しておりません。  それから、先ほど申し上げましたように、具体的にどのようなシステム構成になって、どのような手順で照会をすることになるのかということにつきましても、今の段階ではまだわからないわけでございます。
  45. 河村たかし

    河村(た)分科員 ということは、今ではほとんどメリットもわからないし、これだけ使う、膨大なことを言っておる意義は余りないということでいいですね。これで最後にします。
  46. 谷公士

    ○谷(公)政府委員 私ども無線局管理に関します限りは、照会事務は非常にスピーディーになるだろうということは期待されますけれども、そのほかについては、私としては承知いたしておりません。
  47. 河村たかし

    河村(た)分科員 では、あとは逓信委員会で聞きます。  ありがとうございました。
  48. 桜井新

    桜井主査 これにて河村たかし君の質疑は終了いたしました。  次に、川内博史君。
  49. 川内博史

    川内分科員 民友連の川内でございます。  大変な、荒れた天気の中で質問させていただきますが、まず私は、きょうは公的な宿泊施設、簡易保険の宿とか、郵便貯金宿泊施設とか、そういった郵政省さんがおやりになっていらっしゃる事業のことについて質問をさせていただきます。大臣、よろしくおつき合いをいただければというふうに思います。  まず、運輸省さんにお伺いをさせていただきますが、平成九年、昨年の五月の二十日に、私が運輸委員会で当時の古賀運輸大臣に公的宿泊施設の実態というものに関して質問をさせていただいたときに、古賀大臣からこのように御答弁をいただいております。「今先生から御指摘いただいているような、地域のホテルとか旅館業の実態というのは非常に厳しいものがあるわけでございます。」公的宿泊施設との比較において「まず問題点がどこにあるかということは、詳細な調査をどこまでできるかということが基本でございますので、可能な限りの詳細の実態調査というものに全力を尽くさせていただきます。」というふうに御答弁をいただいております。  その後、旅館、ホテル業を所管されていらっしゃる運輸省さんとして、民業を圧迫しているというような言われ方もしているこの公的宿泊施設について、どこまで詳細な実態を御調査をされたか、全力を尽くされたのかということについての御説明をいただきたいというふうに思います。
  50. 宮武茂典

    ○宮武説明員 いわゆる公的宿泊施設のあり方につきましては、今先生お話のございましたとおり、昨年五月の衆議院の運輸委員会の席上で、当時の古賀運輸大臣からも、本質的には行政改革の一環として議論されるべき論点と認識しておるということをお話しさせていただいた上で、今先生お話のございましたような、民業との関係という点の問題認識があるのかどうかという点を十分詳細に調査させていただくということを答弁させていただきました。  そういった先生の御指摘も踏まえまして、運輸省としては、その後、所管しております宿泊業界を通じたり、また我々自身もいろいろ手を尽くして可能な限りの実態把握に努めてきたところでございます。  公的宿泊施設につきましては、先生今御指摘のございました簡易保険関係九十三軒、それから郵便貯金会館関係十六軒を加えまして、約一千軒の公的宿泊施設が存在するというふうに認識をしております。  しかしながら、一番先生の御指摘のございました、経営実態がどうなんだ、こういうことで我々も、民間業者だけでなくて我々自身も資料の入手に努めたところでございますが、これは我々が持っております機能だけでは非常に困難なために、先生の御指摘いただきました特に経営状況、その場合の赤字をどういうふうに補てんしていくのかという点についての実態把握については、残念ながらまだできておらないという状況でございます。  ただ、そのときに税制関係はどうなんだという御指摘もあわせていただいております。公的宿泊施設を調べさせていただきましたときに、運営主体といたしましては、都道府県、税法上の公共法人、それから公益法人等さまざまな形態がございます。都道府県、公共法人につきましては、民間事業者が納めなければいけない、例えば法人税でございますが、これは非課税措置を受けてございます。民間法人につきましては、税率三七・五%の法人税を納める義務がある。また、公益法人が運営する場合には、一〇ポイントほど低い二七%の法人税を納めるということになってございまして、そういった点は確かに先生の御指摘の部分はあるのではなかろうかというふうに認識しておるところでございます。
  51. 川内博史

    川内分科員 今観光地域振興課長さんの方から御説明ございましたけれども、税金のことに関して、大体の場合において固定資産税も払わなくていいのですよね。全力で調査されたかどうかはちょっと今の御答弁ではわからなかったのですが、もう少し詳しく、羅列的に、ほかの民業と比べて公的な宿泊施設というものがどういう面で優遇を受けているのか。  結局私が申し上げたいのは、イコールのコンディションの中で競争をするのであれば、それはどれだけ利益を出そうが、何も申し上げる筋合いのものではないわけですけれども、固定資産税が免除されている。あるいは、今課長から御説明があったように、法人税についても大分減免の措置がある。そしてまた、地代も払わなくていい。設備投資にかかる金利も要らない。全部丸抱えでやっていただいて、運営だけを独立採算でやっています、やっていますという御答弁があったのが去年のやりとりであったというふうに思うのですね。  宿泊産業というのは装置産業ですから、設備投資の金利それから固定資産税、そういったようなものが経営を大変に圧迫するわけでございまして、これが他の民業と比べて大変に優遇されているということが、私は公的な宿泊施設の大変な問題点であろうというふうに思っているのです。  今後、運輸省さんとしても、ますます正確な、それぞれの経営実態に応じた公益法人なりあるいは認可法人なり、この法人についてはこのぐらいの優遇措置がある、この法人についてはこのぐらいの優遇措置があるというようなものをきちんとした資料をおつくりになられて、その上で民間と比べてどうなのかということを御論議をいただける資料をおつくりいただきたいということを、まずお願いをさせていただきます。  その辺の問題点については郵政省さんも十分におわかりであろう、御理解をしていただいているというふうに思うのですが、同じく、昨年の五月二十七日の決算分科会で私が郵政省さんに公的宿泊施設のことについて質問をさせていただいたときに、当時の堀之内郵政大臣が、民間と共存できる方向で努力をしてまいりたいという御答弁をされたのです。  民間と共存できる方向で努力をするというのは、競争の条件をまずイコールにするというのが前提だというふうに私は思うのですが、その昨年の郵政大臣の御答弁を受けて、郵政省の中でどのような努力をなされたのかということをまずお伺いをさせていただきます。
  52. 安岡裕幸

    安岡政府委員 お答えを申し上げます。  まず初めに、郵貯は、国民生活に大変不可欠な基礎的な金融サービスを国民の皆さんに提供しているという大変重要な任務をやっているわけでございますけれども郵便貯金会館は、広く国民の皆さんにこうした郵便貯金に対する御理解をいただくということで、郵便貯金法第四条に基づいて設置をいたしておるところでございます。  貯金会館の利用でございますけれども、年間六百万人を超える方々に御利用いただいておりまして、大変国民の皆さんに親しまれ、定着しておりまして、また好評もいただいているということでございます。  ただ、しかしながら、郵便貯金会館等の運営につきましては、先般の先生の御指摘の中で、前郵政大臣でございます堀之内大臣から、バランスをとって民間とともに繁栄していく方向で努力をする、こういうふうに答弁されているということにつきましては、私、十分これは承知しているところでございまして、類似の民間企業の圧迫にならないように、いろいろ慎重に配意をしているところでございます。  具体的に、先生の御指摘も踏まえまして、まず各種料金の設定でございますけれども地域の類似施設とか民間の同業種等の料金水準に配意して決めるということで、民業の圧迫にならないように配意しているところでございまして、非常に直近の例でございますけれども平成九年度におきましては、仙台、長野会館の宿泊料金につきまして、仙台で約一七%の引き上げを行っています。長野で約四四%の引き上げを行っておるということでございます。それから、日光の霧降郵便貯金総合保養施設につきましても、利用者のニーズにも配意しながら、バランスのとれる料金にしていこうということで検討中でございます。  そんな格好で、今後とも引き続きその運営が適切に行われるように郵便貯金振興会を指導していきたい、こんな気持ちで対処しているところでございます。
  53. 金澤薫

    ○金澤政府委員 簡易保険関係について御説明申し上げたいと思います。  簡易保険関係の加入者福祉施設でございますが、この加入者福祉施設は、地域に根差した営業を行っております。そのために、施設の増改築に当たりましては、その増改築を要望いたしております地方公共団体の協力を得まして、規模、つまり客室数、それから料金等につきまして、地元の旅館組合と調整を行っております。できる限り地元の旅館組合の同意を得て実施することといたしております。また、施設の運営に当たりましては、旅館組合、観光協会に加入するなど、地元関係者との融和を常に図っているところでございます。また、地元関係者と共同で地域観光のPR活動も実施しているところでございます。  いずれにいたしましても、私どもとしては、地域の旅館を行っていらっしゃる皆様方とできるだけ共存共栄を図るよう努力しているということでございます。
  54. 川内博史

    川内分科員 今、貯金局長簡易保険局長から御答弁をいただきましたが、御努力をいただいているということでございますが、貯金局長、これは調べていただければおわかりになると思うのですけれども、宿泊産業というのは、値段はあってないようなものなんですよ。見かけ上、例えば幾らという外に出す金額と、繁忙期、それからお客、様が少ないときは、値段がこんなに違うのですね。実際には,現場で予約をとる方がある程度の幅で料金を設定をしているのですね。  ですから、見かけ上一七%仙台は引き上げました、あるいは長野は四四%も引き上げて民間と同レベルになるようにいたしましたというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、これは実際にもう一度詳細な調査をしていただければおわかりいただけると思うのですが、お客様が少ないときなんかは、多分、すごく料金を引き下げてお客様をとっていらっしゃるのだろうというふうに思いますね。そういう例を私は聞いておりますので、ぜひもう一度、見かけ上の値段ではなくて、実際に幾らでお客様をとっているのかということをお調べをいただきたいというふうに思います。  それから、簡易保険局長、地元の旅館組合あるいは観光協会に加盟をして、客室数等については協議の上で決定をしているというお話でございましたけれども、当然、もともとそこにその施設があることを前提に協議をされるわけですから、私の問題意識というのは、先ほども申し上げたように、地代もかからない、金利も払わなくて済む、固定資産税も払わなくて済む、法人税も減免されているというような大変に優遇された条件の中でその経営をするということに関しては、民間方々と比べて大変な不平等があるのじゃないですか、だから、もっと発想を変えて公的な宿泊施設というものを考えていったらどうでしようというのが、去年から私がこの問題を取り上げさせていただいているその出発点でございます。  貯金局長さんから、この郵貯の公的宿泊施設については、郵便貯金の宣伝事業の一環として法律に基づいて始められたものであるという御答弁が先ほどあったわけですけれども、今郵便貯金が大変に大きな資金量を持っているわけでございまして、世界一のビッグバンクと言ってもいいわけですよね。  私も地元鹿児島で、私、戸別訪問が趣味なものですから、山奥をずっと一軒一軒、おじいちゃん、おばあちゃんのところを訪ね歩いたりしますと、大体、郵便局の若いお兄さんがスクーター、バイクでそういうおじいちゃん、おばあちゃんのところにいらっしゃっていて、いろいろな相談に乗りながら、郵貯をお預かりしたり簡保をお預かりしたりしている光景に出くわすことが間々あります。  そういうふうに営業の努力を一生懸命されているというわけですから、そしてまた、大変な資金量に今もうなっているわけですから、もうこれ以上宣伝をする必要はないのではないか、郵便貯金の宣伝をするという当初の法律の目的は、周知宣伝事業としての目的は十分に達したのではないかというふうに思うわけでございます。  しかし、そうはいいながらも、郵政省さんもまだまだ周知宣伝が足りない、もっと宣伝して、もっとお金を集めてやろうというふうに思われているのか、平成五年から七年にかけて、周知宣伝施設としてホール、会議室、郵便貯金宣伝コーナー等を設置した施設を十カ所建設するという目的のために、郵便貯金特別会計から五百八十二億円を支出をして施設用地を買っているのですね。  用地を買うということはそこに施設を建てるということでしょうから、もちろんこれ以上公的な施設をふやさないという閣議決定がされているのは宿泊施設に関してだけでありますが、今私が申し上げたのは宿泊施設を伴わないホール、会議室等でありましょうけれども、宿泊施設を伴っていないから、閣議決定には反していないから土地を買いました、またそこに施設をつくって民間よりも有利な条件でお客様を集めます、六百万人もの人に利用されていますから親しまれているのです。それは安い値段で利用できれば、みんな利用しますよ。ありがたいと思います、私も利用したことがありますから。  それで、これだけ今民間方々が経営に御苦労をされている中で本当にこれだけ多くの施設が必要なのか、官と民の役割の分担を考えるというのが私は行政改革の本旨に沿うものであろうと思いますし、本来なら、郵政を民営化するか否かなんという机上の空論よりも、本当にこういう一つ一つの現場の業務をどうしていくのかということを真摯に考えることの方が私は大事なことだと思いますよ。  五百八十二億円を出して用地を買っているということに関して、どういうおつもりでこの用地をお買いになられたのかということをお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
  55. 安岡裕幸

    安岡政府委員 お答えを申し上げます。  まず初めに、料金の関係で、民間の施設というかホテル等の場合にはかなり季節に応じていろいろ割引をしているという御指摘でございますけれども郵便貯金の会館につきましては、そういう割引ということじゃなくて、民間との均衡を保ちながら、季節変動なしにやっているというのが事実でございます。  それから、周知宣伝はもう余り必要ないのじゃないかという御指摘もございましたけれども、私どもの方も、基本的には郵便貯金というのは基本的な貯蓄手段をあまねく公平に皆さんに御利用いただくということでやっている話でございまして、そのためにはまず郵便貯金のことをよくよく知っていただかなければいかぬということでやっているわけでございます。  とりわけ最近は基本的な定期だとか定額貯金ということもございますけれども、定期貯金自身についてもいろいろと金融自由化が進展しているということで、かつて郵貯は六カ月と一年しかなかったのですけれども、今はもう一カ月とか三カ月とか三年物の定期もあるということでもございますし、あるいは、ぱ・る・る通帳ということで貯蓄と送金もできますというところをやはりいろいろの形で、もちろん現場、一線でお客さんにどんどんお知らせしていくということを非常にやっているところでございます。  それから、福祉定期貯金なんかにつきましても、この前ちょっと他の委員会でも議論になりましたけれども、もっと知ってもらわなければいかぬじゃないかということでおしかりも受けたりしておりまして、そういう活動というのはやはり適切に、もちろんどんどん民間を圧迫してふやしていくという観点じゃなくて、本当に我々の使命というのはあまねく公平に全国民の皆さんにやっていただくという観点からの話でございますので、そういう趣旨でございます。  それで、今臨調で答申も受けまして、原則として会館の新設は行いませんという格好で御指摘があるわけでございますけれども、私どもとして、ちょっと先ほど御指摘ございましたのは、郵便貯金地域文化活動支援施設という格好でございまして、いわゆる宿泊をやるのじゃなくて、地域の皆さんの学習というか文化活動というか地域活動、そういう場を提供していこう、その中で郵便貯金のお知らせだとかそれから相談業務なんかも含めた施設を建設していこうということで、いろいろ今、ある意味では貯蓄自身について、単に金利が何ぼだということじゃなく、それ以上に年金の関係はどうだとかいう格好もございますので、そういう場としてやっていこうという施設でございます。
  56. 川内博史

    川内分科員 でも、今例えば郵便貯金会館に宿泊に来た人が、あるいは宴会に来た人が、そこで、ああ福祉定期貯金というのも郵政省は持っているのかということは、まあ絶対ないですね。大体宿泊する人は宿泊するために来るのであって、宴会する人は宴会するために来るのであって、周知宣伝事業という意味ではもう既にその役割を終えているということは、それは郵政省方々もこの正式な委員会の場ではなかなかお認めいただけないでしょうけれども、貯金局長も薄々はなるほどなと思っているはずですよ。  それで、私が先ほどから再三申し上げているとおり、イコールな条件の中で競争するのだったら幾らやってもいいですよ。ところが、全くイコールでない条件の中で理屈をいろいろつけておやりになっていらっしゃるから、民間方々から民業圧迫じゃないかという声が出てくるわけですね。  簡易保険関係で約三千六百億、郵便貯金関係で一千億余りがこの公的な宿泊施設というものに充てられているわけですね、合計で四千五百億。本来であるならば、この四千五百億というのは、まあ議論はありますけれども、財投へ回るかあるいは自主運用されて、毎年金利がつくわけですね、運用益が。そして、簡易保険の加入者なりあるいは貯金者に金利として還元をされる四千五百億ですね。年三%で回しても百億ぐらいはつくわけです、百二十億ぐらいですか。  ところが、この四千五百億というのは、周知宣伝事業と称して、あるいは簡易保険の加入者に対しては簡易保険の加入者に対するサービスとして、土地代に化け、建物代に化け、そして何ら利益を生んでいないわけです。これは郵政省本来の業務からいっても、四千五百億の資金を寝かせている、四千五百億円の資金が何ら利益を生んでいないという意味では、加入者並びに貯金者に対して私は大きな、背信行為とまでは申しませんけれども、裏切りだと思うのですよ。  だから、イコールの条件の中で競争をするか、もしくはその四千五百億をもう一回特別会計に流動資産として繰り入れをして別な形で運用をするか、どっちかだ。今のまま周知宣伝事業だ、あるいは簡易保険の加入者に対するサービスだということでやっていらっしゃると、私は民間方々とのあつれきというものはどんどん強まっていきますし、のっぴきならない事態になるのではないかというふうに思うのです。  この問題について、大きな視点で、この簡易保険宿泊施設、郵便貯金宿泊施設を現在の経済状況の中で考えたときに、周知宣伝事業だという理由で存続をさせるということに関して、私はどうにも納得がいかぬと思うのです。もう周知宣伝は郵便局の職員方々が一生懸命おやりになっていらっしゃる、もう十分やっている、これ以上ほかのもので建物を建てることないでしようというのが私の考え方でありますが、郵政大臣、いかがでございましょう。
  57. 自見庄三郎

    ○自見国務大臣 川内委員にお答えをさせていただきますが、郵便貯金会館は、今局長も申し上げましたように、国民郵便貯金に対する御理解をいただくためという話もございました。確かに、昨年の年末、私も予算編成にかかわらせていただいたわけでございますが、福祉定期貯金、これは大体対象者は五百万人おるそうでございますが、現実になかなか宣伝普及が行き届いていないということもございまして、実際利用しておられる方は百万人程度だという話を聞かせていただきまして、まだまだ郵便貯金制度は、一般にはもうおかげさまで普及をいたしておりますが、そういった福祉定期貯金、まだまだ普及していないなという感を、私は一層の感をさせていただいたわけでございます。また、御存じのように、これは郵便貯金法という法律に基づいて設置をいたしておるものでございます。  また、簡易保険事業の加入者福祉施設は、加入者の健康状態の改善を図り、その福祉を増進するため、これも簡易生命保険法に基づき設置してあるものでございます。先生御存じのように、生命保険というのは、やはり加入者の方々が健康で長生きしていただくということが、これはもう当然長生きというのは政治の最も追求すべき貴重な目的でもございますが、同時に、保険事業というのは、加入者の方の平均寿命が延びますと非常に収支が改善するということもございまして、生命保険というのは、できるだけそういった附帯事業といいますか、そういった意味として、加入者の方々の福祉施設あるいは健康増進ということを、これはもう多分生命保険の性質からして古今東西変わらずやってきたことだ、こういう本質もあるのかなというふうに思うわけでございます。  いずれにいたしましても、自治体から強い要望がございますし、自治体からぜひこういった施設をつくっていただきたいという話がございますが、今お話がございましたように、昭和五十年代の、五十八年でございましたか、臨調の答申あるいは閣議決定をいたしまして、新しい宿泊施設はもうつくらない、こういうことを決定をさせていただいたわけでございます。  いずれにいたしましても、いろいろな御意見があるというのはわかるわけでございますけれども、両施設とも、今後とも私は、やはり国営の郵便貯金あるいは簡易保険事業にとって重要な一定の役割を私は果たしていくもの、こう認識をいたしております。  ただ、先生のさっきからの御指摘のとおり、大変貴重な御意見もあるわけでございますから、民間との共存共栄を図るということは当然のことでございまして、私といたしましても、この両施設が民間の方との共存共栄を図るということでございまして、今さっき局長から、仙台では一七%、長野では四四%の引き上げを行ったということもあったわけでございますから、できるだけ、まさに民間との共存共栄ということは大変大事でございますから、今後とも両施設が適切にそういった状況の中で運営をされるように指導してまいりたいというふうに思っております。
  58. 川内博史

    川内分科員 大臣、よろしくお願いいたします。  時間が参りましたので、これで終わります。
  59. 桜井新

    桜井主査 これにて川内博史君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして郵政省所管についての質疑は終了いたしました。     —————————————
  60. 桜井新

    桜井主査 次に、運輸省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤村修君。
  61. 藤村修

    藤村分科員 民友連、民政党の藤村修でございます。  本日は、藤井運輸大臣に御出席をいただきまして、旧国鉄の清算事業にかかわる件につきまして質問をさせていただきます。  ことしの十月には、いわゆる清算事業団の事業が終了するという時期に差しかかってまいりまして、本年度、平成九年度中にはその清算事業団の種々の事柄をほぼ解決をし、あるいは方向づけるという、今そういう時期に差しかかっているかと存じます。  その中で土地の問題、清算事業団がたくさんの土地を承継しておりますが、この問題の中で今唯一その大きな案件として残るのが、JRの吹田操車場、その跡地問題でございます。  私自身はJR吹田駅のすぐ近くに事務所を構える衆議院議員でございますが、このJR吹田操車場というのは、歴史でいいますと、大正十二年に吹田の操車場が開設されまして、それから約六十年余、昭和五十九年にいわゆる操車場の機能が停止して信号場となった。そしてその後に、昭和六十二年四月にいわゆる国鉄分割・民営化が行われまして、この吹田操車場の土地につきましては、総面積八十六ヘクタールぐらいで、その中でJR西日本に二十七ヘクタール、それからJR貨物に四十六ヘクタール、そして清算事業団に十三ヘクタール、これが分割承継されたわけでございます。  このときに、いわゆる分割・民営化のときに、吹田の操車場の跡地、特にJR貨物が承継した部分について、梅田にありますいわゆる貨物ヤード、基地を吹田に持ってくる、こういう話がほぼ決まっていたということで、ある意味では、地元吹田それから摂津という二つの市にまたがりますが、この両市にとっては寝耳に氷といいますか、貨物基地というのはそれなりに、大変な交通の混雑やら、あるいは昼夜を分かたぬ作業やら、騒音やら、いわば迷惑施設でございます。そういうものが吹田にやってくるということで、非常に地元では心配をしたり反対運動もあったり、こんな経緯できょうまでるる、地元と大阪府、清算事業団あるいは運輸省検討を重ねてきた結果、梅田貨物の駅についての移転は全部をするのじゃないというふうなことも、途中経過がございますが、一番最近の現状として今どうなっているか、お尋ね申し上げたいと思います。
  62. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。ただいま御質問の事業団の所有いたしております梅田の貨物駅、約二十ヘクタールございますが、この土地の処分を行うために梅田の駅の貨物の取扱量を吹田の方に移転するという必要がありまして、事業団といたしましては、発足以来十年にわたりまして、移転につきまして地元自治体、吹田市さん、摂津市さんと協議を重ねてまいりました。理解を得るに現在のところ至っておりませんが、このために、先ほど御指摘のとおり、昨年の六月、平成九年の六月でございますが、この間の協議の経緯を勘案いたしまして、JR貨物とも協議いたしまして、梅田の貨物駅の取扱量の約半分を吹田の信号場跡地に移転するという見直しの案を地元両市に公式に御提示したところであります。  これを受けまして、両市では、跡地の利用といいますか、中心とする町づくりの基本構想の策定作業を行っておる、両市の市議会におきましても、事業団の提案の受け入れの是非につきまして論議をいただいておると聞いております。それに対しましても、事業団としましては可能な限り協力することで、両市と引き続き協議をさせていただきたいと思っているところでございます。  現状は以上でございます。
  63. 藤村修

    藤村分科員 そうすると、いろいろな経緯の中で、梅田貨物を全部持ってくるんじゃない、それぞれが相当妥協し合いながら、貨物駅の取扱量の約半分を移転したいという提案をされて、今両市がそれぞれ考えている、こういう現状かと思います。そうすると、その貨物量というのは一体どのくらいになるのかということと、では、残り半分はどういうふうに処理するのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
  64. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  ただいま御質問の梅田の貨物駅でございますが、貨物の取扱量につきましては、JR貨物の発足から平成八年までの取扱量を集計いたしまして、過去十年間での平均値を出しますと、年間平均で約二百六万トンになっております。その約半分でございますので、年間約百万トンを移転することを想定して御提示申し上げているということでございます。
  65. 藤村修

    藤村分科員 梅田の半分は。
  66. 西川由朗

    ○西川参考人 梅田の残りの半分につきましては、現在、今申し上げました吹田市さん、摂津市さんの地区への移転の結論を得た後、引き続き、大阪市さん並びに関係のJR等と協議いたしまして、その将来のあり方につきまして決定していきたいと思っておるところでございます。  なお、梅田に残る半分の貨物につきましては、将来吹田地区へ移転することは考えておりません。  以上でございます。
  67. 藤村修

    藤村分科員 二百六万トンがこの十年の平均であるということで、半分、百三万トンというところで、しかし、これは物流が増大していくという今の中で、将来的にどう考えているのか。つまり、ある意味では百三万トンが一つの限度で、これ以上はふえないと言えるのか、それは約束できるのか、その点はいかがでしょう。
  68. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、過去の十年間のJR貨物の取扱量から平均値を出しましたので、JR貨物と協議した結果も、将来これはふえることはないであろうということで、とりあえず現状の、十年間の平均値の半分といたしたところでございます。
  69. 藤村修

    藤村分科員 それで、貨物駅が来るとなると、すなわちその貨物をまた搬出したり搬入したりするいわゆる自動車、トラック、その交通量が相当ふえるわけであります。吹田地区の自動車交通量が一体どうなっていくのか、それから吹田地区の貨物駅へのアクセス道路、これもつけないといけないわけですが、これをどう考えているのか、その辺をお願いします。
  70. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  ただいま御質問の貨物駅が移転した場合の交通量でございますが、一日当たり往復約千台の自動車が吹田の貨物駅に出入りすることが考えられます。貨物駅の移転を前提としますと、この自動車の交通をできるだけ既存の道路等に出入りしない専用道路を整備する計画をいたしております。  この専用道路の基本的なルートの考え方でございますが、ルートとしましては、できるだけJRの用地を使うということと、できるだけ吹田市内の地域内の通行をしないように配慮するということを考え、かつ周辺の環境問題といいますか、環境が現状から極力悪化しないようなことも考えるべきではないかということで、現在検討いたしております。  いずれにいたしましても、今後、吹田市、摂津市両市並びに道路管理者等と協議を行いながら、適切に対処してまいりたいと思っております。
  71. 藤村修

    藤村分科員 今もおっしゃったように、環境が極力悪化しないようにということでありまして、すなわち、環境はそれなりに悪化する、つまり迷惑施設であるということは否めない事実でございます。  そこで、これは吹田市議会、あるいは隣の摂津市議会もそうですが、平成三年三月に、議会としては、「この跡地利用については、地元地域の発展に貢献すべきものであるとともに、周辺地域環境と調和を図り、地元の吹田市、摂津市及び大阪府の意向を十分に聞いたうえで、将来の北摂地域にとってふさわしい構想を策定すべきものである。」こんな議会での議決もして、ある意味では、この時点ではとても受け入れられない、そんな意向でございました。  その後また、半分にする、あるいはアクセス道路はこうだ、環境問題はこうだ、非常に地道な努力をされて、今ここに至って、まずは半分を受け入れるという前提で話をしていいのじゃないかという空気は出ております。そのかわり、しかし迷惑施設を受けるからにはそれなりによく考えていただかないといけない、こういうことだと思います。  この地域の発展のために、特に大都市の中の市街地、それもJR吹田駅周辺であります、一番いいロケーションでありますので、その土地の開発というのは、単に切り売りして、もう民間でばらばらになったらとんでもないことになる。やはり町づくり、都市づくりというのを基本的に計画して地元は考えたいわけでありますが、この地域の発展のために活用すべき方策といいますか、方針というのを何かお持ちでございますか。
  72. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の吹田の開発可能用地が、当初の全部梅田から移転する場合の面積でいきますと約十三ヘクタールでありましたが、先ほどの御指摘の約半分を移転する場合には、さらに九ヘクタール増加いたしまして、開発用地としてはおおむね二十二ヘクタール発生するわけでございます。この土地につきましては、地元自治体の町づくりといいますか、そういう面で御利用いただけるという面積でございまして、私どもは両市に、町づくりの観点から、地元のいろいろな開発等も含めた策定をできるだけ早くしていただきたいということをお願いしているところでございます。  現在、両市でいろいろな町づくりの策定作業に入っていると伺っておりますので、その素案といいますか、その案を御提示いただいた中で、事業団としまして、できるだけ御協力のできる範囲のことは、今後の協議がスムーズにいくためにも、できる限りのことを協力させていただきたいと思っているところでございます。
  73. 藤村修

    藤村分科員 その協力をいただく内容で大きな点は、いわゆるJR吹田駅からずっとつながる細長い土地でございまして、実は、これが過去ずっと数十年ある中で、これはちょうど東西に走っておりますので、南北の町をいわば分断する、このことが町のあるいは都市開発の非常に大きな問題でございました。この南北のいわゆる分断解消ということが非常に重要な課題であります。通路をつける、地下の道路をつける、あるいは岸辺駅という間の駅、これは今はまだ橋上駅でございませんから、やはり橋上駅にしないといけないなどなど、その辺の南北分断解消について、事業団は何かお考えがありましょうか。     〔主査退席、増田主査代理着席〕
  74. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  先生指摘の、今細長いというお話がございましたが、幅でいきますと約百二十メーター、長さで数キロございますので、かなり有効に御利用いただけるような土地ではないかと我々は思っております。今御指摘地域の分断ということでございますが、この鉄道施設による地域の分断の解消につきましては、両市、吹田市、摂津市の町づくりの観点から重要な問題と我々も認識いたしております。  今後は、両市が事業団の申し入れにつきまして受け入れるということでありますれば、当然この問題は事業団と両市との協議の対象となると考えておりますので、地元の要望も踏まえまして、協議ができる限り円滑に進むように、分断解消の実現に向けて努力してまいりたいと思っているところでございます。
  75. 藤村修

    藤村分科員 今、事業団の土地を、まずこれは平成九年度のうちにある意味では実質的に処分終了ということにはなっておりますが、しかし、実際的に方向が決まるということで、多分鉄建公団に次に事務的なことは移行される、そんなふうに私どもは受けとめております。  そんな中で、今、一つ、梅田の貨物駅を半分移すという前提に立って考えるときの地元利用土地について、これはまず自治体が当然購入をするということを考えねばならないと思います。それがスムーズに可能なのかどうか。それから、その土地価格を設定するときには一体どういう価格のあり方があるのか。  それからもう一点、実は事業団の跡地で吹田市内にもほかに十三カ所ほどの用地がございます。これらも当然一緒に考えていくわけでありますが、これらについても、市が購入したいというときにスムーズにそういう契約ができるのか。その辺を教えていただきたいと思います。
  76. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  今御指摘の、開発可能用地の購入、地元自治体の御要望がある場合の購入方についてでございますが、御承知のとおり、事業団の土地の処分につきましては、処分の公正かつ適切な実施を確保するために公開競争入札が原則とされておりますが、地方公共団体等の公的な機関が公共用に御使用いただける、供する場合には、随意契約で売却できることになっております。このために従来から、事業団の土地、全国でございますが、自治体等からの購入要望につきましては、これに配慮いたしまして売却しているところでございます。  今御指摘の、スムーズにいくのかということでございますが、この十年間、全国で随意契約でかなりたくさん、自治体、国の機関等で御購入いただいておりますが、双方が協議いたしまして売却といいますか、随意契約で契約をいたしておりますので、この辺は問題ないのではないかと思っているところでございます。  それから、価格でございますが、これにつきましても、双方しかるべき価格設定をしながら協議をいたしますので、過去にいろいろの売却を契約いたしておりますが、これもスムーズにいっておると我々は理解しておりますので、その辺も公的機関との協議につきましては問題ないかと思っております。  それからもう一点、吹田市等にありますいわゆる操車場跡地以外の十三カ所の土地の問題でございますが、これにつきましては、吹田市さん等から、随意契約で、公的に公園等で必要だというお話が、過去にもう既に御要望がございまして、数カ所契約を既にいたしております。  そういうことで、事業団の売買につきましての基本的な考え方も御理解いただけているのではないかと思っておりますので、今後、さらに十三カ所のうちの残りの分並びに吹田の操車場跡地の処理につきまして、いろいろと誠意を持って地元と協議してまいりたいと思っているところでございます。
  77. 藤村修

    藤村分科員 今の御説明の中の一部、地方公共団体が行う公的用地使用というものは、一体だれがそういうふうに認めるわけですか、これは公的用地の使用であるということを。
  78. 西川由朗

    ○西川参考人 基本的に、公共用に供するというか、公的な要望、公園とか道路とかそういう事項につきましては省令等で決まっておりまして、その中身に適用されるものは随意契約でできるということになっておりますから、双方それらを照らし合わせて、省令に適用するものは随意契約でやるということで処理いたしております。
  79. 藤村修

    藤村分科員 もう少しその中身で、そうすると、例えば市が一括購入をする、それで町づくり計画をする、そして、その一部について、例えば住宅用であればこれをまた住宅として民間に売却する、これも当然その中に入ると考えてよろしいのですか。
  80. 西川由朗

    ○西川参考人 お答え申し上げます。  当初は随意契約の条件というのは非常に厳しかったわけでございますが、事業団の立場からできるだけ早く、多く御購入いただくという前提に立ちまして、随意契約の緩和をかなりしていただきまして、現在随契で買っていただいたものの転売につきましては、事業団と協議をいただきまして、かなりの分野で処理できる方向になっております。  ですから、今後、吹田市、摂津市さんが町づくりにつきまして基本的な策定をしながら、事業団といろいろ具体的な打ち合わせをさせていただいた中で、できるだけ地元の御要望に沿うような感じで処理していきたいとは思っております。
  81. 藤村修

    藤村分科員 そうすると、いわば市が、摂津市と吹田市両市でございますが、都市計画をつくって前向きに土地利用を考えて、そして住宅部分はその後において転売するということは当然認められるというふうに理解をいたします。  そこで、清算事業団は今年十月一日に解散するわけでありますので、そうすると、清算事業団との契約というものを公共団体がこの九月末までにしないと土地は買えないのかということなんですが、そもそもこのJR吹田操車場跡地というものは今まだ線路がいっぱいありまして、聞いてみますと、売却を予定できる土地についても、今から線路をずっと順に動かしていって、やっと三年ぐらい先になって更地になって、やっとそこがその次の開発可能、利用可能になる、こういうことでございますので、事業団はなくなるわ、しかし土地は三年先だわというと、今の時点でもう契約しないといけないのかどうか。  それからもう一つは、三年先の話の都市開発になるわけでありますから、事業団と解散までにいろいろなことを話し合ったとしても、その後にそういう話あるいは確認事項、それらがいわゆる清算事業団の事務を引き継ぐ鉄建公団にちゃんと承継されるのかどうか、この辺、担保があるのかどうか、お答え願いたいと思います。
  82. 小幡政人

    ○小幡政府委員 現在国会に提出させていただいております法案におきましては、お話しのように、今年の十月の清算事業団の解散後でございますが、鉄道建設公団がその業務を引き継ぐことになっておりまして、その意味で、土地処分についても鉄建公団が行うということになっております。  したがいまして、必ずしも事業団の解散までに土地を取得していただく必要はないわけでありますけれども、吹田地区の土地の利用に当たりましては、先生お話しのように鉄道施設の撤去あるいは公共施設の整備等の基盤整備が必要となる一方、また、事業団解散後は、清算事業団に擁しております業務に精通する職員が実は大幅に減少することになるわけでございます。  このために、地元におきまして事業団用地の購入の御意向を有しているところであれば、できるだけ早期に明らかにしていただきまして、事業団解散前から地元と事業団が土地の利用方策や売却の条件等について御協議いただくということがベターかな、こういうことでの気持ちを有してございます。  それから、二点目のお尋ねてございますけれども、当然、梅田貨物駅移転に関しまして、事業団と地元の方々の間でお約束なり確認事項等がいろいろあろうかと思います。これらにつきましては、関係者のお話のように十年以上にわたる努力の結果でございますので、重視し遵守していくことが大切なことは当然でございます。  そういう意味で、本年十月に清算事業団が解散いたしましても、事業団の業務を承継する鉄道建設公団に対しまして、これを遵守するよう当然のごとく我々としては指導してまいりたいと考えております。
  83. 藤村修

    藤村分科員 運輸大臣、大体聞いていただきましたように、今残る一番大きな吹田操車場の跡地問題でございます。  これは、昨年の六月十八日に清算事業団が市に、吹田市、摂津市にそれぞれ出されたときの文書で、その認識というのは、平成九年中にいわば土地の処理は進めないといけないのだけれども、「梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転問題は、残念ながらその見通しすらたっておりません。」という御認識であった。これは去年の六月でございます。  しかし、その後、関係者の努力によりまして、ここへ来て、地元吹田市、摂津市ともども非常に真剣に考えております。迷惑施設をそれなりに受け入れようかという姿勢がぼちぼち出てきております。こういう中で、そのかわりにというわけではありませんが、地元の理解あるいは地元の努力を多とし、やはり今後の跡地利用、町づくりについても、運輸省や事業団やJR貨物、この辺にもちゃんと加わっていただいて、本当にみんなが納得できる町づくりができるようにしたいと私たちは考えておりますので、一言、大臣の御意見を賜りたいと存じます。
  84. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 先ほどから藤村委員との質疑応答の話を聞いておりまして、まずもって申し上げたいことは、こうした受け入れる立場にある吹田、摂津両市にとりましては、委員も御指摘のとおり、迷惑な施設だという中で、今後の課題として、昨年の六月ではまだまだとても受け入れられる状況ではなかったにもかかわらず、その後、大変前向きな御検討をいただきまして、受け入れるという方向に進んできておられるということに対しまして、私といたしましても、本当に心から関係各位に感謝を申し上げたいと思います。  しかしながら、今、御質問の中にありましたように、吹田市、摂津市にまたがる跡地の利用の問題につきましては、当然のこと、事業団、とりわけ、十月以降は鉄建公団に移るわけでありますけれども、その間で、両市と事業団が密接に話し合いを行い、そこにJRも当然加わりますし、また、運輸省といたしましても、その後の町づくりにつきましては、私どもはできる限りの協力をしなければならないと思っております。  そういう意味で、今後とも、町づくりに向けていろいろな御協議がなされると思いますけれども、十分それを踏まえていかなければならないと考えておるところでございます。
  85. 藤村修

    藤村分科員 大臣の大変前向きなお言葉をいただきましたことで、ぜひ進めてまいりたいというふうに思います。本日は、どうもありがとうございました。
  86. 増田敏男

    ○増田主査代理 これにて藤村修君の質疑は終了いたしました。  次に、木村太郎君。
  87. 木村太郎

    木村(太)分科員 大臣を初め皆さん、本当に御苦労さまです。三十分、限られた時間でありますので、早速述べさせていただきたいと思います。  まず、大臣初め運輸省の皆さんの御努力によりまして、ことし一月二十一日、整備新幹線の検討結果を示され、私、一つの大きな前進と思います。これまでの皆さんの御努力に、まずは感謝を申し上げたいと思います。  しかし、その検討結果、一つの方向性としては、新規着工区間の優先順位というものは決まりましたけれども、九年度事業費については、百億円が三十億円に減額され、各線区十億円の配分がされております。さらに、十年度の事業費については、三線区間全体で三十億円というふうに抑制され、その配分というものはこれから、こう認識しております。  こういった中で、先般の検討結果に基づきまして、鉄建公団が二月十九日に新規着工が決まっている三線三区間についての工事実施計画の許可申請というものを藤井運輸大臣に提出されたということでありますが、これに対して、運輸省も先般、認可をいたしたということであります。  地元におきましては、東北新幹線は今月二十八日、北陸新幹線も同じく二十八日、そして、九州新幹線は二十一日に起工式が行われるという運びだと聞いております。私も、地元の選出議員として、東北新幹線の起工式の案内もいただいておりまして、一つの節目ととらえながらも、さらに次なるステップを目指していかなければならない、こう思っております。  ただ、今回の申請においては、許可の日からおおむね二十年、工事の着手及び完成の予定時期についてこういうふうに記されておりますし、それを踏まえての運輸省の今回の認可であります。そこで、東北新幹線の例でいいますと、既に着工されております盛岡−八戸間、これはおおむね十年というふうに一つの期間の目標を設定しているわけですけれども、これに比べた場合でも、果たして二十年という期間が、時間がどうなのかな、こういう声が地元では今大きくなっております。  これまでの新幹線の歩み、取り組みというものを考えた場合に、やはり地域においての期待というものも大きいわけです。ゆえに、今回の二十年という期間が示されたことについて、ある面では大きな前進と評価しながらも、いつになったら新幹線に乗れるかといったこと、二十年という歳月をそういうふうにとらえている声が大変大きいと私は思っております。むしろ残念に近いという声さえも地域にはあるのも事実でありまして、地元の県なんかでも、そういった、一方では評価しながらも、一方では二十年というものに対して残念という認識へ地域の声、あるいはまた、それを踏まえての県なんかの認識も示されているようであります。  そこで、お伺いしたいと思いますが、この工事完了時期、おおむね二十年、これについて、運輸省はどうとらえて今回許可を出したのか、お尋ねしたいと思います。
  88. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 先般、東北新幹線八戸−新青森間を初め、長野−上越間、そして、船小屋−新八代間の三線につきまして、認可をいたしたわけであります。従来より、運輸省といたしましては、整備新幹線は着実に整備を進めていくという方針で来ておりますし、これからもその方針に変わりはございません。  今般の政府与党合意に基づく現在の財源スキームが平成三十年までの財源であるため、新規着工区間三区間とも、工事実施計画の中では、現時点においては完成時期をおおむね二十年としたものでございます。  しかし、おおむね二十年ということの意味は、私は、二十年以内というふうに受け取っております。したがいまして、今、財政構造改革の期間中であり、その集中改革の三カ年においては、極力抑制ということに基づいてこういうスキームになっておるわけでありますけれども、私どもといたしましては、二十年以内という中で、これからの時代の変わりと申しましょうか、財政状況等々を踏まえて三線、この認可したものにつきまして、できる限り地元の御要望にこたえるべく、これからも努力はしていかなければならないと思っておるところでございます。
  89. 木村太郎

    木村(太)分科員 二十年というのは、二十年以内といっただいまの大臣の御答弁でした。先般、大臣、青森県にもお見えになりまして、その二十年以内ということについて、財源スキームでおおむね二十年と書いているけれども、それは二十年以内だ、ということは、十五年、十年と、一年でも早く完成するようにお手伝いをしたい、そういった決意も表明されたということを聞いております。改めてもう一回、その決意を国会のこの委員会の場で確認したいと思います。だとすれば、具体的に今後どういった取り組みが考えられるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
  90. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 先ほどお答えを申し上げましたように、二十年以内ということでありますし、また冒頭にも申し上げましたように、できるだけ着実に整備を進めていきたい、そういう方針に変わりはございません。  運輸省といたしましては、整備の推進に引き続き今申し上げた気持ちで努力をしていかなければなりませんが、これは運輸省が云々ということは、もちろん我々としては先頭に立って進めていかなければなりませんけれども、地元の関係自治体、青森県の御協力もいただかなければならない。今、工事を進めるに当たって、環境アセスの問題ですとかいろいろな問題がございます。そういう問題を運輸省だけが旗を振っても進むわけではございません。そういう意味におきましては、地元関係自治体の御協力と御理解をいただき、一丸となって一日も早く完成をするよう努めていきたいと考えておるところでございます。
  91. 木村太郎

    木村(太)分科員 大臣のありがたい決意表明があったわけですが、ただいま御答弁があったように、運輸省だけじゃなくして県や、例えば沿線自治体等々地域と一緒にまた努力していくことは当然のことだと私は思っています。これまでも、例えば東北新幹線の例で言えば、並行在来線の件でも、関係自治体も運輸省の皆さんと連絡を密にして進めてきたと私は認識しておりますので、それをまた地域も大事にしていくものと信じております。  私、先ほど具体的な取り組み、どういうことがあるんですかということを聞いたのですが、実は今、地元の青森県議会でも県議会が開会されているようでありまして、この県議会の議論の場の中で、自民党さんと政府の協議で八戸以北は十年後完成をめどにしている、地元の声を踏まえて、青森県は工期二十年と記しているこの中身を知っているのか、知っていて残念というような認識も一方では示しているのかという発言が議事録に残る形でされているということが、地元紙を通じても報道されておりました。これは事実ですか。
  92. 小幡政人

    ○小幡政府委員 先生お話しのような与党と政府の間で、そのような協議を開始しているというような事実はございません。
  93. 木村太郎

    木村(太)分科員 地元紙を通じて地域方々が、県民がこういうものを見れば、早速に政府は責任を持って努力をしている、十年後ということに対して努力をしていると評価すると思いますし、私も評価したいと思います、それが事実だとすれば。しかし、今御答弁では違うということでありますので、そういったことが県議会で出るということ自体、大変いかがなものかなというふうにも私は思っております。  いずれにしましても、先ほど大臣答弁があったように、運輸省、国は国として、そして地域地域として、また連携を密にして大きな目標に向かっていく、みんなで取り組んでいく、この姿勢がやはり基本にきちっとなければならない、こう思っておりますので、先ほど来大臣の御答弁にあった姿勢で一層の御努力をお願いしたいと思います。むしろまた、これからも地域との連携を深める面でも連絡を密にしていただきたい、こうお願いしたいと思っております。  そこで、三月六日になるのでしょうか、全国新幹線鉄道整備法に基づいて、青森県からも大臣あてに意見書を提出したと聞いております。その意見書の中でも、一つが、年度内の着工ができるように計画の速やかな許可を要請ということもありますけれども、先ほど言った工期ですが、ぜひ十年以内の一年でも早い完成ということを意見書の中でも要望しているようであります。東北新幹線のことを考えれば、四半世紀以上のこれまでの取り組みということでありまして、地元もそうですし、私自身も十年という期間をやはり相当重要視して臨んでいくことが大切じゃないかなというふうにも思っております。  青森県から出されたこの意見書を運輸省はどのように受けとめられているのか、そして、それをどう生かしながら今後取り組んでいくのか、御答弁をお願いします。
  94. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お話しのように、青森県知事の意見書の中ででございますが、まず、意見書におきましては、工事実施計画について同意をいただいた上で、なお書きとして要望事項があったわけでございます。この要望事項は、事業実施に当たっては十年以内の一年でも早く完成できるよう要望します、こういう要望であったわけでございます。  この要望でございますけれども、御案内のように、このような要望は全国の関係の地方公共団体等々からも広くいただいているところでございまして、運輸省といたしましては、この一刻も早くという御要望につきましては、今後の検討課題として受けとめさせていただいているところでございます。
  95. 木村太郎

    木村(太)分科員 これは東北新幹線だけではありません。先ほど来議論しておりますけれども地域ともまた連携を深めながらという意味でも、各地域から出てきている意見書というものを十分参考にするというよりも、生かすためにどうしたらいいかというような姿勢で、ぜひ今後の努力をお願いしたいと思っております。  次に、平成八年十二月における政府与党合意、平成八年の十二月の合意内容においては、既着工区間を優先的に整備を進めるというふうにされております。このことと、新規着工区間の優先性、さらには、予算配分というのは今後どういうふうにかかわっていくのか、確認をさせてください。  もう一つ、新幹線のことですけれども、既着工区間、そして、新規着工区間の今後の具体的な工事の進め方について、考えがあればお尋ねしたいと思っております。  例えば、東北新幹線でいえば、盛岡−八戸間、そして八戸−新青森間、この二つが線区としてはもちろんつながっていく、変わらないわけですけれども、これを物の見方というか、視点からいって一体的に工事を進めていくことになっていくのか。あるいはまた、あくまでも別々に分けた考え方で工事は進んでいくんだ、そういう考え方に基づいて進めるのか、お尋ねしたいと思います。
  96. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  御案内のように、平成八年十二月の政府与党合意におきましては、現在着工しております三線五区間については優先的に整備を進めるということが決められておるわけであります。  また一方、政府・与党整備新幹線検討委員会検討過程におきまして、新規着工区間の取り扱いについて決められておるわけでありますが、それによりますと、財政構造改革の集中改革期間が終了するまでの間は、当該事業費については極力その額を抑制するという方針が決まっておるわけでございます。ここで明らかなように、既着工区間の優先、新規着工区間の抑制という方針が決まっておりますので、当然予算につきましても既着工区間が優先されるというふうに考えております。  そういうことでございますので、二点目のお尋ねでございますが、既着工区間と新規着工区間の一体的な整備というようなことがあり得るのかということでございますけれども、今申しましたような方針が当面決められておりますので、一体的な整備というようなことはなかなかできない。別々の既着工区間優先という形での整備にしばらくはいく、こういう考え方でございます。
  97. 木村太郎

    木村(太)分科員 財政的に厳しい中においての今後の予算、お金の面での取り扱いによっても、また工事そのものに対しての影響も出てくると思いますが、ぜひ、先ほど来言ったように、十年をひとつ重要視した思いを持って取り組んでいただきたい、こう思っております。  新幹線についてはここまでにしておきますが、ただ、この新幹線に関連する意味でも、次に私は、在来線について少しお尋ねしてまいりたいと思います。  例えば、先ほど来申し上げてきたとおり、一つの方向性へ今年に入ってからも整備新幹線の方向性がはっきりしてきたわけです。この方向性、状況を受けて、私自身思うことは、新幹線とタイアップさせる、整合性を強める、あるいは連結性というものを強める、こういうことを考えれば、これからどうあるべきなのか、在来線そのものを全国的に見詰める必要があるんじゃないかなというふうに思いますが、その必要性というもの、御認識があれば御答弁をお願いしたいと思います。  その在来線というのは、例えば先ほど言った東北新幹線の例で言えば、並行在来線もあるだろうし、あるいはまた新幹線の駅と連携して、さらにその先の目的地に行くための在来線もあるだろうし、そういうことも含んでの御答弁をお願いしたいと思います。
  98. 小幡政人

    ○小幡政府委員 今後の幹線鉄道の整備につきましては、鉄道特性の発揮のできる分野において、高速化、快適化等を主な内容とする幹線鉄道ネットワークの質の高度化を図るということが課題かと考えております。  このため、御指摘のございましたように、本年一月の政府・与党整備新幹線検討委員会検討結果を踏まえまして、当然新幹線の整備を進めていくわけでございますが、これと、一方、在来線の高速化を推進することによりまして、幹線鉄道ネットワークの整備充実を図っていく必要があるというふうに考えております。
  99. 木村太郎

    木村(太)分科員 地元のことで恐縮でありますけれども、例えば東北新幹線でいいますと、並行在来線があって、それについても、県、市町村の御理解をいただいて、一つの新幹線をつくるための並行在来線のあるべき姿の方向性を示しているわけであります。  そして、もう一つ、仮に新青森まで新幹線が完成したときに、あの地域でいいますと、奥羽本線が今後どういうふうに生かされていくのかということをお尋ねしたいと思っております。今から見詰め直したり、また取り組むべきことがあるのかどうか、その認識を問いたいと思います。  というのは、奥羽本線でいいますと川部という駅がありまして、この川部−青森間において、昭和五十四年に運輸大臣の認可が示されております。複線化の認可でありますが、新大釈迦トンネルというトンネルそのものは完成したのですけれども、その後、当時の旧国鉄の問題がありまして、工事がストップしている。現時点では、複線化に対しての工事が中止されたというよりも凍結された、私自身はそう理解しているんです。  もう一つ、私なりに調べてみまして、昭和五十四年当時に運輸大臣から出された認可というものは今現在でも効力は継続されているもの、私はそう認識をいたしております。しかし、実際は工事は凍結されているというふうに私は言いましたけれども、こういった状況をどう考えておられますか。
  100. 小幡政人

    ○小幡政府委員 御指摘のように、当該川部−青森間につきましては、昭和五十四年に、旧国鉄時代に複線化事業の認可をしているという状況でございますが、それを引き継ぎましたJR東日本、現在に至るまで、お話しのように、凍結という形で認可事項の実現がなされていないという状況にございます。  本問題、先ほど先生お話しのように、東北新幹線が新青森まで開業した場合に接続する線区ということで、その役割がどうなるかというか、変わることもあり得る、こういうことかと思いますけれども、この問題は、御案内のように、事業主体でございますJR東日本がまず第一義的にどう自分自身として判断するか、ある意味では経営判断の問題でございまして、そこで検討されるべきものというふうに考えております。  そういう意味で、この川部−青森間の複線化の問題につきましても、奥羽本線の役割の検討の中で判断されるべきものというふうに考えております。
  101. 木村太郎

    木村(太)分科員 今の御答弁の印象からいきますと、JRの経営を重視した判断を重要視ということでありますが、ただ、先ほど私が言ったように、例えば私の地域でいいますと、地理的な、経済的なあるいは社会的な背景を考えても、新幹線が新青森駅まで来たときに、奥羽線のこれまでとはまた違う役割が一層求められてくる。今現在でも、五十四年に許可が示されてから、地域においては複線化というものを強くお願いしてきております。しかし、実際は凍結という状況でありますので、もちろんJRはJRの立場というか考え方があると思いますが、先ほど言ったように、全国的な在来線の見直し、そして新幹線とのタイアップ、そういうことでの運輸省、国として、ある面ではJRにむしろ積極的に、今後どうしていったらいいのかということを話し合うような場面をどんどんつくっていただきたい、そういう中でもまた、私の地域に限ってのこの奥羽本線においても、ぜひ地域の期待に沿えるような努力をお願いしたいと思っております。  もう一回その点を確認させてもらって、御答弁をお願いします。
  102. 小幡政人

    ○小幡政府委員 当該地域のために鉄道の整備等を図っていくという場合に、国としての考え方でございますが、先ほど申し上げましたように、何せ民間企業が経営する路線でございますので、そこの判断が第一義的には一番基礎になるということを申し上げましたけれども、JR東日本関係の地方公共団体との間での鉄道整備に対する課題の成熟を待ちまして、我々としては、いろいろの助成策を用意しておりますので、それを支援するということでその事業を支えていくというのが我々の役目と思っております。  その意味で、まず当該会社と地域との御相談、それに対して我々は支援をしていく、こういうスタンスで支援させていただきたいというふうに考えているわけでございます。
  103. 木村太郎

    木村(太)分科員 ぜひ積極的な姿勢で取り組んでいただきたい。  大臣に、簡単で結構ですので、これまでも大臣は、人にも環境にも優しい鉄道という認識を示されております。二十一世紀に向けての総合的な交通ビジョンを描く中での鉄道の果たすべき役割、その中での新幹線、そしてまた在来線の果たすべき役割をどう考えているのか、簡単で結構です、御認識をいただきたいと思います。
  104. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 二十一世紀に向けて、私どもは、陸海空にわたりまして、国土の均衡ある発展という位置づけの中で、それぞれの交通網をより効果的に、より効率的に整備していく、そういう観点で進めてきておるわけであります。  とりわけ鉄道ということになりますと、今委員がおっしゃられたように、環境に優しい、環境問題というのは大変大きな社会問題になっておりますし、これは先般の京都会議、COP3でも採択されましたように、これからCO2を初めとして、削減目標を決めまして各国が取り組む、世界的に環境問題について真剣に取り組んでいかなければならない時代になってきております。そういう意味からしますと、鉄道というものを改めてここで見直すべきではないか。もう既に国民の中からもそういう声が出てきていることも承知をいたしております。  また、鉄道は高速性、新幹線の場合は高速性に特にすぐれておりますし、大量輸送、定時性、私ども運輸行政にとりましては、定時性というのも大事にしておる、そういう中で、環境にもマッチするのではないか、こういうことでもありますし、さらに、高齢者あるいは障害者に対しても受け入れやすいと申しましょうか、優しい交通手段としてその期待が高まっておるところであります。  こういうことを考えますと、これからの社会的なこうした要請にこたえるためにも、新幹線を初めとする幹線鉄道の整備あるいは都市鉄道のそれぞれの分野、地域においての整備を着実に進めていかなければならないと考えております。
  105. 木村太郎

    木村(太)分科員 ありがとうございました。  最後に、時間がなくなりましたので簡潔に聞きますが、先般、新聞を読んでいましたら、十七、十八日の紙面にかなり出ていましたけれども、間もなく政府は次期全総案を正式決定するという報道が相次ぎました。この報道から見ても、この原案では、北東、日本海、太平洋新、西日本と四つの国土軸を制定している。これまでのいわゆる太平洋ベルト地帯に人口、企業等が集中している国土構造から多軸型国土へ変えていくんだ、それを目指していくんだということだと認識しております。  その中で、特に目玉的に、六つの海峡を横断する交通網を実現すべきだ、海峡を渡る橋、道路をつくっていくんだということが出ていました。これはこれから正式決定と聞いておりますけれども、その事実関係はそのとおりなんでしょうか。この六つの海峡というものが何か西日本の方に、今の太平洋ベルト地帯と並行した形になっております。私はそれを否定するのではありません。  むしろ、四つの国土軸のうちの日本海側、日本海国土軸、そして北東国土軸というこの国土軸、二つの国土軸を考えれば、本州と北海道の間に一つの海峡、津軽海峡も存在します。六つの海峡を横断するというこの考え方を、やはり北東軸、日本海軸にも同じ視点で持つことが大切であり、だとすれば、津軽海峡においての物の考え方というか、一つのビジョンが示されてきて当然だ、私はそう思っております。  この点、国土庁もお見えになっておりますが、御認識と、時間がなくなりましたけれども、運輸、交通政策的に考えた場合にも、運輸大臣からも、北東、日本海国土軸における津軽海峡の位置づけをどうとらえていくべきと考えているか、その中での、私は、津軽海峡軸とでも言えるような思いを運輸、交通政策上ぜひ取り上げていただきたいということをお願いしながら、最後にお尋ねして、終わります。
  106. 浜野潤

    ○浜野説明員 御説明いたします。  新しい全国総合開発計画につきましては、現在国土庁におきまして最終的な作業を進めているところでございまして、ただいま先生指摘の六つの大規模プロジェクトを位置づける方針を固めたというようなことを明らかにしたということではございません。  新しい全国総合開発計画につきましては、先生案内のように、長期的な視点に立って新しい国土軸の形成に取り組み、多軸型国土を形成するということを長期構想といたしまして、計画期間をそのための基礎づくりの時期と位置づけて、国土づくりの基本方向を示すということでございます。こういう考え方のもとで、多軸型の国土構造形成の基礎といたしまして、広域的な交流圏や地域連携軸の形成を戦略的に進めるというふうにしております。  先生指摘の津軽海峡を含みます青函地域におきましても、広域的な圏域の形成に向けた取り組みがいろいろ進められているということを承知しております。  こうした地域を含めまして、各地で進められております同様の取り組みを支援するための具体的なプロジェクトにつきまして、どのような位置づけが可能か、現在鋭意検討しているところでございます。
  107. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 ただいま国土庁の方からお答えをしたとおりでありますけれども、いずれにしましても、日本海国土軸、北東国土軸につきましては、本年一月の政府・与党整備新幹線検討委員会検討結果を踏まえた東北新幹線等の整備を新しい全国総合開発計画に適切に位置づけるなど、運輸関係社会資本の整備に取り組んでまいりたい。  そういうことで、まだ具体的にどうこうということは今、先ほど国土庁のお答えしたとおりでありますけれども、いずれにいたしましても、そういったことを十分踏まえながら、これからの国土の均衡ある発展に努めてまいりたいと思っております。
  108. 木村太郎

    木村(太)分科員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
  109. 増田敏男

    ○増田主査代理 これにて木村太郎君の質疑は終了いたしました。  次に、木村隆秀君。
  110. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 自民党の木村隆秀でございます。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  昨日、念願でありました中部国際空港の法案が衆議院を通過いたしまして、実現へ向けて大きく前進をしたな、大変喜んでおる者の一人でございます。本当にこれまでの関係者の皆さんの御努力と、とりわけ大臣は中部圏、地元の大先輩でございますけれども大臣に大変な御苦労をおかけした、お力添えに心からお礼を申し上げたい。愛知県、名古屋に住んでおる議員として、心からお礼を申し上げる次第でございます。  さて、この空港、どうせでかすなら、愛知県は二〇〇五年に愛知万博の誘致が決定をし、それに間に合うようにでかしていこう、そんな状況の中で、二〇〇五年まであと七年ということであります。  空港自体も大変な、これからエネルギッシュに計画を進めていかなければなりませんけれども、運輸委員会でも質問が出ておりましたけれども、空港自体と、空港を生かすも殺すも、そこへつながるアクセスがどうなるかということによって大きく変わってくるのではないだろうか、こう思いまして、そのアクセスには、完成までにはかなりの努力といいますか年月がかかるのではないかということで、きょうは交通アクセスについて的を絞って御質問をしてまいりたいというふうに思っております。  まず、鉄道についてでありますけれども、先日の運輸委員会で、名鉄常滑線をとりあえず開港時までに間に合わせて鉄道アクセスにするという答弁があったわけであります。この名鉄常滑線、かなり曲がりくねって、恐らくこれから改良するのであろうと思いますけれども、一日どれぐらい空港までの利用人員を見込んでおられるのか。今の名鉄常滑線でそれにたえ得るのかどうか。その辺をまず、どのようにお考えになっているか、お聞きをしたいと思います。
  111. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。  開港時の鉄道アクセスとしては、先生お話しのように、常滑線を延伸いたしまして、これを主力の鉄道アクセスとして整備しようということになっておるわけでございます。  この常滑線の鉄道アクセスを整備するための第三セクターの設立に向けた調整、協議が行われておるわけでございますが、その中で、昨年の三月に、開港時の輸送需要がまとめられております。これによりますと、一日当たり約五万八千人と想定されております。これについてはもう少し精査する必要があるかと思っておりますけれども、この輸送需要でございますと、名鉄常滑線の先生お話しのような線形等の改良も含みます改良工事によりまして、輸送力としては十分に対応できるというふうに考えてございます。  ただ、この後の将来の問題につきましては、御案内のように、次の課題として、西名港線の延伸問題も引き続きの検討になっておるわけでございます。
  112. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 今、名鉄常滑線で当面十分であろうという御答弁でありますけれども、今の答弁の中にもちょっと触れられましたが、第三セクター、今途中まで、名鉄の常滑駅まではありますけれども、そこから空港までは延伸が必要になってくるわけであります。  いろいろな面で、これはたくさんのお金がかかる事業だろうと思いますけれども、第三セクター、地方自治体も、そして民間も含めて、いろいろと出資、拠出をしていくことになろうかと思いますけれども、これに対して、国の方はどんな支援策を考えていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  113. 小幡政人

    ○小幡政府委員 常滑線の延伸の問題につきましては、先生お話しのように、地元において需要、建設費、収支採算性等の検討を行っていただいているところでございます。  この問題につきまして、国の助成の取り扱いでございますけれども、実は、現在のところ、空港アクセス鉄道に対します助成制度はございません。それから、御案内のように、国は、非常に財政が厳しい状況にございますので、なかなかそういう新しい制度をつくりにくいという環境にございます。  そういう環境下でございますが、我々としては、今後、地元の検討結果を踏まえまして判断させていただきたいというふうに考えておるところでございます。
  114. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 助成制度、今のところはないという御答弁でありますけれども、これは、空港にもかなり地元自治体も出資をしておりますし、この鉄道だけじゃなく、これから質問させていただこうと思います道路、いろいろな面で大変なお金がかかるわけであります。どうぞ、そんなことも踏まえまして、これから前向きに、国としての力強い支援策を、地元と相談をしていただいて、できるだけのバックアップをしていただきますように、お願いをしておきたいと思います。  それで、中部国際空港、中部、名古屋じゃありませんので、中部圏全域をカバーする空港でなければいけない。それには、いろいろな地区からここまでのアクセス、やはり広域性というものが大事になってくる。ただ、これは当面は名鉄常滑線ですから、私鉄の線を利用して開港時はやっていこうということであります。そういうことからしますと、広域性ということからしますと、JRとの連携がどういうふうになってくるかというのが重要になってくるのではないか。  ずっと見てみますと、結節点はやはり名古屋駅になるのかと思います。JR、新幹線の名古屋駅から名鉄の名古屋駅まで大分ありますし、その間も大変混雑をしたり、ごちゃごちゃしておるわけです。この辺をきちんとしていかないと、利便性がうんと悪くなってくるんじゃないか、こう思いますけれども、これについて、何らかの対策をこれから立てていかれるお考えがあるのかないのか、お伺いをしたいと思います。
  115. 小幡政人

    ○小幡政府委員 お答え申し上げます。御指摘のとおり、空港の機能を十分に発揮させるためには、利便性の高いアクセスの整備が重要であるということでございます。  空港アクセス鉄道と、お話しのJRとの乗り継ぎ改善につきましては、昨年九月に、中部運輸局におきまして、中部新国際空港関連シティ・エア・ターミナル整備等調査委員会というものを設置いたしまして、本委員会では、シティ・エア・ターミナルの整備のあり方も当然検討するわけですが、これに加えまして、名古屋駅における乗り継ぎ利便向上のための諸方策についても実は検討していただくことになっておりまして、現在検討中でございます。  この成果を踏まえまして、我々としては、できるだけの整備をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  116. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 やはり、地域人たちだけじゃなくて、いろいろな地区から名古屋駅を利用して新空港まで行かれるということは、当然考えられるわけですから、初めての方が乗り継ぎで不便を来さないように、その辺には万全の措置をとってもらいたい。ひとつ、運輸省さんの方も地元と調整をしていただいて、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  また、先ほどの御答弁の中で、西臨港線のことも触れられました。運輸委員会でも、西臨港線については、将来、将来というまくら言葉がついているわけでありますけれども、今の名古屋駅の利便性の問題もそうでありますが、本来ならばJRが直接乗り継げば一番いいわけであります。そういうことからすると、西臨港線を将来の問題というのではなく、開港時には間に合わないけれども、西臨港線も順次考えるんだよということが必要ではないかと思うのです。今は何か将来ということですから、大分先のように思えてならないのですけれども、同時に、今、準備を進めていく必要があると思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えなのか。
  117. 小幡政人

    ○小幡政府委員 西名古屋港線の金城埠頭から空港への延伸についてでございますけれども、これは昨年の三月に、地元関係者から成ります中部新国際空港推進調整会議において取りまとめられました鉄道アクセスの整備方策の中で掲げられておるわけでございます。この中では、将来の航空需要の動向等を勘案しつつ、整備に向け検討を進めるということとされておるわけでございます。  そういうことで、この調整会議において検討が進められますので、我々としても、この検討を見守り、必要あらばそれに対する支援を行っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  118. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 この西臨港線は、大臣の岐阜県の方からも強い強い要望があると聞いておりますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。  次に、道路のことについて、幾つか質問をしていきたいと思います。  道路アクセスですけれども、知多半島道路、これは開港時の各方面からの共通アクセスの道路になるんじゃないかと思いますけれども、知多半島道路、そして南知多道路ですか、これは、夏の海水浴シーズンとか潮干狩りのシーズンになりますと、現状を見ていますと、大変渋滞、混雑をしているわけです。こんな道路を新空港へのアクセス道路として位置づけていいものかどうか、ちょっと大丈夫かなという思いがあるのですけれども、その辺はどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
  119. 奥平聖

    ○奥平説明員 お答え申し上げます。  現在、知多半島道路、大高から半田まで約二十一キロございます。これは四車線で整備が進んでおります。それから、南知多道路は、それに続きまして、半田から豊丘まで約二十キロでございますが、これは暫定二車線道路として供用されてございます。これは、いずれも規格の高い道路ということで整備がされております。  先生指摘のとおり、ゴールデンウイークあるいは潮干狩り、そういった時期には、現在、渋滞を生じているわけでございますが、その原因といたしましては、知多半島道路の大高付近に料金所がございまして、この料金所のブースの数がピーク時に少し足りないということが一つの原因。それから、先ほども申し上げましたが、南知多道路が、現在、暫定二車線整備、そういう状態であるがための容量不足による渋滞が発生をしているわけでございます。  このために、平成二年度から南知多道路の四車線化工事を着手をいたしておりますし、平成六年度からは、先ほど申し上げました料金所のレーンを増設する工事を始めております。現在、これらの工事を鋭意進めているところでございますけれども、いずれも平成十一年の完成を目指しているということでございますので、現在起きております渋滞は、それによって解消または相当緩和されるというふうに考えてございます。
  120. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 今、星崎の料金所のことだろうと思いますけれども、その辺、そして、南知多道路の拡幅でこの渋滞は多分解消されるのだろう、そんなことですから、安心をいたしました。  ただ、この知多半島道路は、今知多半島の真ん中を通っておるわけであります。そうしますと、やはり空港までの知多半島を横断する横断道路の建設が必要になってくるのではないかと思っておりますけれども、これについてどういうふうに取り組んでいらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
  121. 奥平聖

    ○奥平説明員 お答え申し上げます。  中部国際空港がその機能を十分に発揮するためには、空港へのアクセス時間の短縮でありますとか時間の安定性を確保することが非常に重要であるというふうに考えているところでございますが、御指摘の知多半島道路を活用いたしまして空港に至るルートにつきましては、有力な道路空港アクセスの一つであるというふうに考えているところでございます。  横断道路の現状を申し上げますと、現在、知多半島道路の半田常滑インターチェンジから、一般県道の碧南半田常滑線、それから有料道路でございます知多半島横断道路を経由するルートがあるわけでございますけれども、現時点の状況につきましては、二車線道路でありますとか一部急勾配区間がありますとか、あるいは市街地の平面道路でありますとか、こういったことでいろいろな課題があるというふうに考えてございます。  こういった現状でございますので、道路管理者であります愛知県の方で、現在、知多半島道路から中部国際空港までの横断道路につきましての路線の設計あるいは環境等の調査を進めておられるというふうに聞いてございます。  建設省といたしましては、今後空港に関連する交通需要、あるいは地域開発もあわせて行われる予定でございますので、これに関連いたします交通需要、これらの見通しを明らかにするとともに、先ほど来運輸省さんの方から御説明がありました鉄道との分担なども考えまして、愛知県を初めとする関係機関とともに計画の検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  122. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 ところで、今のこの知多半島道路、そしてこの横断道路を、愛知県の地元の知事は、開港時の道路アクセスとして空港の開港時までにぜひ間に合わせたいという発言をしておるわけでありますけれども、これについてどういうふうに考えていらっしゃいますか。
  123. 奥平聖

    ○奥平説明員 愛知県の知事さんが、空港の開港に合わせて知多半島道路と知多横断道路の整備を図っていきたい御意向であるということは承知をいたしているところでございます。  空港に関連するアクセス道路全般につきましては、関係する地元地方公共団体と建設省で構成しております環伊勢湾地域整備連絡会議という中で検討を進めているところでございますが、先ほど鉄道の方で御説明のありました中部新国際空港推進調整会議、こういうところでアクセス道路につきましても全体の調整をするということになってございます。この中でアクセス道路の計画についての内容でありますとか、整備スケジュール、これらが明らかにされるというふうに認識をしてございます。  こういった調整の結果を踏まえまして、建設省といたしましても、関係自治体並びに運輸省さんの方と調整を図りまして、所要の道路整備につきましては計画的に支援いたしてまいりたい、このように考えてございます。
  124. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 ひとつ地元の意向もよく酌んでいただいて、早急に対処をお願い申し上げたいと思います。  先ほど鉄道のところで西臨港線のお話もさせていただきましたけれども、これもやはり岐阜からのアクセスという面で大切じゃないかと思うのです。道路もやはり岐阜方面からのアクセスとして、今工事が始まりましたけれども、名古屋都市高速を利用して、東海ランプから産業道路へ向かうルートが考えられますが、新空港のバイパスみたいな存在になろうかと思いますけれども、これらの整備状況はどうなっているか、お伺いをしたいと思います。
  125. 奥平聖

    ○奥平説明員 お答えいたします。  名古屋高速道路につきましては、一宮市から名古屋環状二号線の清洲ジャンクションまでの間、約九キロございます。これを平成八年度に事業化をいたしまして、現在、設計等の準備を進めているところでございます。  また、その先でございますが、清洲ジャンクションから都心環状線の間約七キロにつきましては、平成七年度に事業化をいたしまして、現在、用地買収を進めているところでございます。  さらに、都心環状線から東海ランプまでの間十二キロにつきましては、平成九年度に新たに事業化をいたしまして、現在、設計等の準備をしているところでございます。  また、東海ランプに接続をいたしますいわゆる産業道路につきましては、東海ランプから知多市新舞子間約十三キロにつきましては、西知多産業道路ということで既に四車線整備が完了をしている状況でございます。さらに、以南約七キロにつきましては、現在暫定二車線で供用をされてございます。
  126. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 着々と整備が進んでおるということで、開港時は知多半島道路、そして、その後は産業道路を利用したルートが恐らく空港へのバイパスとして完成をしてくるだろう、強く期待をするわけであります。  空港も、先ほど申し上げましたけれども、できるものなら万博に間に合わせたいということで、皆さん大変な御苦労を願っているわけであります。ということは、万博に間に合うように空港をつくるということは、空港から万博会場までのアクセスということもあわせて考えないと、意味がないのではないか、こう思うのであります。  名古屋環状二号線の高針から名古屋南インターまでの間、これは地元から早期実現へ向けて請願が出て、先日来、名古屋市議会でもその請願が採択されたと聞いております。愛知県議会でも恐らく間もなく採択されるのであろうと思いますけれども、この線、そして名古屋瀬戸道路、東海環状自動車道などが空港から万博会場への重要なアクセスとして考えられるのですが、それらの整備を万博に間に合うようにぜひお願いをしたいと思っておりますけれども、その現況はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
  127. 奥平聖

    ○奥平説明員 お答えいたします。  名古屋環状二号線につきましては、名古屋市域のほぼ外周約六十六キロの環状道路でございますが、このうち高針から名古屋南の間約十二キロございますけれども平成八年十二月の国土開発幹線自動車道建設審議会の審議を経まして基本計画が策定をされたところでございまして、現在、採算性でありますとか道路構造でありますとか環境対策でありますとか、そういった検討を進めているところでございます。  また、名古屋瀬戸道路につきましては、延長約十九キロの地域高規格道路ということでございますけれども、うち日進インターチェンジから長久手インターチェンジまでの間につきましては、約四キロございますけれども、整備区間指定を行っておりまして、平成十年度から事業着手することになってございます。  残る区間でございますが、長久手インターから長久手町と瀬戸市の境までに至る間につきましては、現在愛知県の方で都市計画決定の手続をされておるというふうに認識しておりますし、また、さらに、瀬戸東インターチェンジまでの間については、都市計画決定に向けた地元説明が行われているというような状況でございます。  それから、東海環状でございますけれども、全体で延長約百六十キロございますけれども、第二東名、名神等の幹線道路と一体となります重要な路線であるということで、これまでに緊急性の高い区間から順次手続を進めまして用地買収等を行っているところでございますが、既に、全体の九割に相当いたします区間につきまして整備を進めてございます。残る区間、西側に少し残ってございますけれども、これにつきましても、都市計画決定手続に早く入れますように、平成十年度に新規着工準備ということで事業に着手することといたしております。  いずれにいたしましても、博覧会の関係の輸送計画につきましては、博覧会協会において詳細な調査検討が行われるというふうに聞いてございます。
  128. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 地元からも、ぜひ万博に間に合わせるように、特に環状二号線の東南部、大変予算が厳しい折無理なお願いをしておるようでございますけれども、ぜひ地元の熱い熱い要望もどんと受けとめていただきまして、その実現方にこれからもお力添えをいただきたいと思う次第であります。  最後に、大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、一番最初にもお話し申し上げましたが、空港ができましてもアクセスがしっかりしないと空港の機能が十分保てないと思うのであります。今の状況を見ておりますと、鉄道は、常滑線を開港時に間に合わせるということでとりあえずの案が出ておるわけでありますけれども、道路に関しては、いろいろな利害、また調整が難航をしておるようでありまして、開港時にはこれだというのがまだはっきりと打ち出せない状況に今あるのじゃないか。ぜひこれは、運輸省、建設省、関係する方々で緊急に連携をとり合っていただいて、その整備を促進していただく、それにはやはり、空港の成否というのはアクセスということからすると、大臣がぜひリーダーシップをとっていただいて、その調整方に万全を期してもらいたい、こう思うのでありますけれども、決意のほどをお聞かせいただければありがたいと思います。
  129. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 せっかく二十一世紀に向けて対応できる国際ハブ空港をつくるわけでありますから、つくって、これが非常に使いにくい、あるいは空港に行くまでのアクセスが非常に不便だなということになったのでは、ある面では世界に対しても恥さらしのような形になってくる、そういったことは絶対に避けなければいけないということは、もう委員も御理解いただいておると思います。  ただ、大変財政が厳しい状況でありますから、そういう状況の中で、私どもは、政府といたしましてもまた与党といたしましても、重点的に投資をしていこう、物流拠点あるいはハブ空港、ハブ港湾というのは今後とも重点的に投資をしていこうということですから、運輸省といたしましても、先ほど来委員から御指摘がありましたような、当面は名鉄常滑線で空港へのアクセスをいたしますけれども、将来的には、その需要等を勘案いたしまして、西名古屋港線の延伸ということも頭の中に入れていかなければならないと思っています。  一方、道路につきましては、先ほど来建設省の答弁をお伺いいたしておりまして、いろいろ工夫をされ、また努力されているというふうに私は理解いたしておりますけれども、よく建設省、運輸省一体となって、順調にいきますと二〇〇一年には建設省と運輸省は合体するわけでありますから、まさに一体となった交通網の整備を進めていく、そういうこともございます。  私自身、運輸大臣としてもそうでありますけれども、政治家藤井孝男といたしましても、道路のアクセスの問題、また、岐阜県にとりましてもあるいは三重県にとりましても、いろいろな意味で、これは万博に間に合わせるというお話がございますけれども、当然そのことも十分脅えていかなければなりませんが、やはり私は、二十一世紀にこの中部圏が、こうした国際ハブ空港あるいは港湾、鉄道、道路等を含めた総合、一体的な交通網の整備をすれば、いつでも、今話題となっております首都機能移転を受け入れる社会資本の整備が整うわけであります。そういう意味におきまして、私は、二十一世紀は中部の時代であるというふうに認識を持ちながら、これからも頑張っていきたい、そういう決意でおるところでございます。
  130. 木村隆秀

    木村(隆)分科員 力強い御決意、大変ありがとうございます。  国も大変であります。ただ、愛知県は、新空港の問題ですとか万博ですとか、ありがたいことに大きな国家的なプロジェクトを開催をしていただくわけでございまして、地元も大変な負担をし、みんなが大変な中でやっていかなければいけない。そういう面で、地元のそういうことにも御理解をいただいて、国の方もできるだけのバックアップを心からお願いをして、質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  131. 増田敏男

    ○増田主査代理 これにて木村隆秀君の質疑は終了いたしました。  次に、田中和徳君。
  132. 田中和徳

    田中(和)分科員 自由民主党の田中和徳でございます。  大臣、御苦労さまでございます。地元川崎市のことも含めて伺いますので、明快なる前向きの答弁をお願いいたします。  近年の経済のグローバル化には目覚ましいものがあり、世界的な大競争時代に突入をいたしました。我が国も生き残りをかけた命がけの闘いを迫られておりまして、物流コストの縮減など、経済構造改革を実現し国際競争力を確保することが急務となっております。  物流について言及すると、世界との窓口である港湾や空港の整備拡充を重要な国家戦略の一つとして位置づけることが、もはや世界の常識となっております。しかしながら、我が国の空港は、首都東京でさえ、成田、羽田を合わせても四本の滑走路しかありません。これは、例えばニューヨークが三つの空港を合わせて九本の滑走路が利用できるのと比較すれば、その差は歴然としております。また、港湾についても、グローバルスタンダードとも言える水深十五メートルのコンテナターミナルがまだ二つしか供用されていないというお寒い状況にあります。  これまでの整備のおくれに加え、財政構造改革推進策として、空港整備五カ年計画、港湾整備五カ年計画がそれぞれ七カ年計画に延長されるなど、非常に大きいハンディキャップを背負うことになりました。  厳しい財政状況の中、世界の競争に勝ち抜くために、今後どのような方針で空港と港湾の整備をお進めになるのか、決意のほどを大臣より初めにお伺いをしたいと思います。
  133. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 お答えいたします。  所信におきましても述べておりますように、これからの人と物の流れ、大交流時代を迎えるに当たりまして、今田中委員が御指摘のとおり、ハブ空港、ハブ港湾、こういった施設を早急に、着実に整備しなければならないということを申し上げておるところであります。  今おっしゃられましたように、グローバルスタンダードという言葉は最近よく使われるわけでありますけれども、やはりこれからのそうした時代を踏まえまして、私どもは、重点的に、ハブ空港、ハブ港湾につきましても、大都市圏を中心としたそうした港湾、空港の整備を進めていかなければなりません。それから、時期を失しないようにということで、先ほど木村委員からも御指摘のとおり、中部国際空港もその一環でありますし、関西空港の第二期工事もその一環でございます。そうしたことを、財政厳しい折からでありますが、空港あるいは港湾の整備を進めていかなければならない。  いずれにいたしましても、東京湾そして伊勢湾、大阪湾、また北部九州地域の中枢国際港湾においても、これらの整備につきましては最優先課題として取り組んでまいる所存でございます。  また、委員からのいろいろな御支援もいただきたいと存ずるところでございます。
  134. 田中和徳

    田中(和)分科員 次に、羽田、成田に次ぐ首都圏第三空港建設についてお伺いをいたします。  平成八年十二月に閣議決定された第七次空港整備五カ年計画は、昨年十二月に二年間延長され、平成八年度から十四年度までの七カ年計画とされました。  首都圏第三空港について、「東京国際空港の将来における能力の限界に対応し、首都圏における新たな拠点空港の構想について、事業着手をめざし、関係地方公共団体と連携しつつ総合的な調査検討を進める。」と定めた方針に変更はないようですが、今後、建設実現に向けてどのような手順で取り組んでいくのか、お聞かせをいただきたいと思います。  また、現在までの立候補地と、今後の候補地選定の条件及び事業着手までのタイムスケジュールはどうなっているのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
  135. 楠木行雄

    ○楠木政府委員 お答えをいたします。  先生指摘のように、平成八年十二月の航空審議会答申と、九年十二月に二年延長されました空港整備七カ年計画におきまして、東京国際空港の将来における能力の限界に対応して、海上を中心とした新たな拠点空港を建設することを前提として、事業着手を目指し、関係地方公共団体と連携しつつ総合的な調査検討を進める旨とされておるわけでございまして、運輸省といたしましては、現在、この答申及び計画を踏まえまして、海上を中心とした新たな拠点空港の立地に関しまして、調査検討を進めているところでございます。  どのような候補地があったのかという点でございますが、いろいろな方々から、各方面でそのような構想が提唱されております。例えば、東京湾内とか九十九里沖等々につきまして提唱されておることは承知しておるわけでございますけれども運輸省といたしましては、まだ先ほど申し上げたような段階でございますので、首都圏空港の候補地につきまして、関係地方公共団体、これは一都三県と三政令市ということでございますが、この方々と連携しつつ、できる限り早期に検討を進めてまいりたい、そういった方々と今協議をしている、こういった段階でございます。
  136. 田中和徳

    田中(和)分科員 やはり成田空港の教訓を大いに生かしていかなければならない、このように思います。  首都圏第三空港に関して、運輸省平成三年度から本年度までに総額六億円余の調査費を使い、また十年度予算案でも一億円の調査費が盛り込まれております。これら調査費を使って、環境への影響やアクセスの状況、空域の問題など、空港立地について評価基準を立てて詳細な調査を進めているということだと思います。将来、候補地を最終決定する際に、費用対効果を的確に判断し、最も妥当な立地場所を選択するには、こうした調査が適正に行われ、正しい情報を地道に蓄積していくことが極めて重要だと思います。  もう一方では、やはり国民の、地域市民の理解をどうやって高めていくか。成田の問題を考えれば、いかにこの面も大切かということが明らかであります。どんな調査を行ってこられたのか、もう少し教えていただければと思います。
  137. 楠木行雄

    ○楠木政府委員 調査の意義あるいはその活用方法、まさに先生がおっしゃるとおりでございまして、現在どのような調査を行ってきたかということをかいつまんで御説明いたします。平成三年度から七年度までにつきましては、内陸における新規の空港設置を含めまして、首都圏空港の立地可能性についての調査を進めてまいりました。  具体的に申し上げますと、その結果、東京国際空港の再拡張というものは、航空機騒音問題から飛行経路が制約されるため極めて困難であり、また、既存の飛行場の活用及び内陸における新規の空港設置につきましては、ともに航空機騒音問題から拠点空港としての利用が期待できない一方、海上における新規の空港設置につきましては、漁業や場所によっては海上交通に影響を及ぼすものの、内陸に比べまして航空機騒音の問題は少ない、こういうふうな結論を得たわけでございます。  こうしたことから、八年度からは、海上を中心とした新たな拠点空港の立地に関しまして、空港計画、空域、立地の影響、アクセス等につきまして調査を進めているところでございます。
  138. 田中和徳

    田中(和)分科員 先日、運輸省の方へ資料を届けましたけれども、横浜国立大学の山田弘康教授が、以前より、川崎・鶴見の沖合への首都圏第三空港、仮称横浜川崎空港あるいは扇町空港とも言っておりますけれども、そういうプランを提唱されておられます。  これについては、近隣の羽田空港との空域が重なるという重大なマイナス条件があるのは私も重々承知をしておりますが、しかし、横浜川崎空港という仮称からもわかるように、二つの政令指定都市を背後に控えております。また、アクアラインの開通により、今や千葉県とも目と鼻の先になっておりまして、周辺の交通基盤の一層の整備も期待できるものであります。  建設費についても、既存の工業用地を転用すれば、埋め立てば少なくて済みますし、羽田や成田の二倍もの広大な用地が準備できるわけであります。また、人家のない地域ですから、二十四時間の使用が可能で、ハブ空港としても期待ができます。また、この地域は、私の地元でありますが、産業の空洞化が著しい地域でございまして、企業関係者からも、自治体からも大変協力を得やすい、こういうことが私は大きな長所であろうと思います。都心にも大変近くて、便利がよい。  お客さんが多くて投資が少なくて済むというのが、数ある条件の中でもやはり私は基本だと思いますし、反対があるかないかはやってみなければわかりませんが、総論で賛成でも各論の部分になると、現実にはいろいろな反対が出てくる。こういうことからすると、私は、なかなかいいプランだな、このように思っておりまして、運輸省は、横浜川崎空港、仮称でありますからそういう言い方で呼ばせていただきますけれども、どのように評価していらっしゃるのか、御存じとは思いますけれども、ちょっとお聞かせをいただきたいと思っております。
  139. 楠木行雄

    ○楠木政府委員 私も、御指摘の構想については拝見をいたしました。京浜工業地帯の再開発とあわせて、新規の埋め立てを行い、川崎・鶴見沖合に新規空港を設置しようという御提案でございます。  先生お話がございましたように、市街地に近くアクセスの面ですぐれているとか、既存の立地の活用も一部あり得るとか、すぐれている点もあると考えられます。  しかしながら、周辺の市街地におきます騒音問題を回避するため設定をいたします飛行ルート、これと、羽田空港に離着陸する航空機の飛行ルートがどうしても競合してしまう、それから、上空を低高度で飛行しないことが基本とされておりますコンビナートに近接をしておるということ等から、やはり空港の場合はどうしても空域という機能が最も基本的な部分でございますが、その部分が成り立ちにくい構想ではなかろうか、大変残念ですが、そういうふうに考えておる次第でございます。
  140. 田中和徳

    田中(和)分科員 いろいろな事情があることも承知してお尋ねをしておるわけでございますけれども、私は、羽田と今の場所が新交通システムなんか使えば本当に数分で移動できると思いますし、長所が大分あるわけでございまして、ぜひひとつ御検討など加えていただければと思っておるわけでございます。  財政事情もいろいろありますけれども、余りのんびりと構えている余裕がないのがこの第三空港の問題でございまして、平成十四年度までにどこまで具体化するのか、どこまで形が見えてくるのか、こんなことが私の方からも大変心配なんでございますけれども、ぜひひとつ再度私の地元の空港プランもあわせてお答えをいただければと思います。
  141. 楠木行雄

    ○楠木政府委員 首都圏空港につきましては、最初の先生の御質問にもございましたように、非常にたくさんの構想、プランといったものがございます。私どもも、こういったものは、もちろん参考にしながらやっておるわけでございますが、羽田と非常に隣接する地帯ということになりますと、人口密集地の上を通ることができないという非常に大きな問題がございまして、近くに置くというのがなかなか難しいわけでございます。  よく、世界の空港では何本も滑走路があって、そういったところで自由にやっているではないかという御指摘があるわけですが、日本ほど、これだけ過密な地帯に、その上空がうまく使えないというような事情は、なかなかほかにはないわけでございまして、私どもは、こういった点では非常に難しいわけでございます。  それで、最初にお答えいたしましたときに申し上げましたように、羽田国際空港の処理能力がパンクする時期がかなり近寄ってきておる。そういう意味で、先生指摘のように、我々も急いでこういったものについての研究、検討を進めていかなければいかぬ、肝に銘じて考えております。
  142. 田中和徳

    田中(和)分科員 安全性の確保というのは、これは何よりも大切なことでございますし、今、いろいろな事情の中、御苦労いただくわけでありますけれども、藤井大臣、川崎沖合の飛行場のプランというのはお届けしてございますので、ぜひひとつお目通しをいただいて、検討の候補地の中に加えていただければありがたいと思います。一言、お答えをいただければと思います。
  143. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 先ほど楠木航空局長がお答えいたしましたように、羽田と非常に隣接している、そして、空港をつくる際の飛行経路、空域、最も基本となるところに、今委員がおっしゃられている横浜川崎空港、仮称ではありますが、その問題が一番ネックかなというふうに聞いております。ただ、一方、そういった問題が解決されるといいますか、そういうものがなければ、市街地からも大変近いですし、アクセスも非常に便利である。それから、私、詳しくは知りませんけれども、先ほどの委員お話によれば、既存の土地といいますか空き地、工場跡地と申しましょうか、そういったところを使える、さらには、アクアラインが開通しましたから、千葉県民の利用も期待できるという利点もあるのだなということを感じました。  したがいまして、今後さまざまな検討を重ねながら、首都圏空港の結論をできるだけ早く得なければなりませんけれども、今委員のおっしゃられたことを私の頭の中に入れながら、今後、首都圏空港の推進につきまして検討を急がなければならないと思っております。
  144. 田中和徳

    田中(和)分科員 大臣、ありがとうございました。ぜひひとつ、期待の持てる事業としてお取り組みをいただきたいと思いますし、速やかなる実現をお願いしたいと思っております。  次に、港湾整備事業推進についてお伺いをいたします。  冒頭で、我が国は十五メートル級のコンテナターミナルが二つしかないと、日本の港湾整備のおくれを指摘いたしました。大臣から、港湾の整備拡充に全力で取り組むとの強い決意も今述べていただいたところでございます。  実は、私の地元にある川崎港でも、二番目のバースとして十五メートル級のものを建設しようと計画しておりまして、国に予算要望もしております。しかしながら、残念でございますけれども、いまだに予算のめどが不明確であります。  川崎港は、昭和四十三年のピーク時には荷扱い量が全国で二位の高順位にありましたが、著しい産業空洞化のあおりを受け、その後三十年でわずか三割と荷扱い量の伸びも鈍く、現在では全国第五位に甘んじております。川崎港が活力を取り戻すためには、何としても十五メートル級のバースを早期に建設し、魅力的な港湾としてよみがえらせるほかありません。また、川崎港の背景に広がる京浜臨海部の再生は、首都圏全体の活性化という波及効果を持つものでありまして、国益にもかなうものであります。  日本の港湾の整備拡充に向けた決意をもう一度お伺いをするとともに、川崎港コンテナ第二バースの早期建設に向けた施策にも前向きの答弁をお願いできればと思います。
  145. 木本英明

    ○木本政府委員 日本の港湾の整備促進につきましての決意は、先ほど大臣が述べられましたとおりでございます。今後、大競争時代を迎え、あるいは経済のグローバル化時代を迎え、この島国における港湾というのは大変重要な役割を果たしていくわけですから、そういった観点で、世界の主要港と遜色のない港湾、ハード、ソフト両面の機能を確保するために、その整備を着実に進めていかなければならない、こういうふうに考えております。  今、先生指摘の川崎港の第二バースの問題でございますが、御案内のとおり、第一バースというのが平成八年の四月に供用を開始されておりまして、現在、東南アジア航路あるいは韓国航路の二つの航路が就航をされております。利用状況を見てみましても、月単位で見ますと、最近は、当初のほぼ二倍の利用状況になっておるということで、私どももそれなりの評価を大変いたしておるわけですが、まだ、全体的に見れば利用状況に余裕が見られる、そういった状況でございますし、第一バースが供用してまだ間もないという状況もございますので、第二バースの建設については、第一バースの利用の動向、状況を見ながら今後真摯に検討をしていく、そういう状況であろうというふうに考えております。
  146. 田中和徳

    田中(和)分科員 我が国の港湾の貨物取扱量がアジア諸国に比べて伸び悩んでいる大きな要因として、港湾の各種手続の煩雑さがあると私は思うのですね。とれも各方面から言われておるわけでございます。  税関や港湾管理者などへの提出書類は、一体全部で幾つあるのか、また、諸外国ではどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。それと関連して、ぺーパーレス化、ワンストップサービスの実現など情報化推進に関して、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、確認をしておきたいと思います。
  147. 木本英明

    ○木本政府委員 我が国の港湾におけるいわゆる申請諸手続の関係でございますが、御案内のとおり、税関とか、検疫については農水省、港湾のいろいろな施設の使用については港湾管理者だとか、港湾の安全については海上保安庁の港長だとか、いろいろな関係官庁に手続といいますか、申請をしなければならないという状況になっております。  それで、そういった港湾だとか船舶の種類によって申請の書類というのは大変違ってくるわけです。例えば、一つの例でお話しさせていただきたいと思いますが、横浜港にコンテナ船が入港する場合ですと、大体四十種類程度の書類の申請が必要になっておるという状況でございます。  一方、諸外国でどうなっているのかということですが、香港とかシンガポールあるいは欧米の主要港におきましては、こういった申請の手続が、情報化によりましていわゆるぺーパーレス・ワンストップサービスの実現がされておるというふうに聞いております。  それで、我が国における情報化の取り組みでございますが、平成八年度から運輸省中心になりまして、いわゆるぺーパーレス・ワンストップサービスの実現に向けて、関係官庁にも入っていただいて検討を進めております。平成十年度にはそのシステムの開発、それから試験的に施行をやってみようという状況まで、今、検討が進んできております。平成十一年の秋ごろには税関の方の通関システムの更改がなされますので、それと同時に、連携をいたしまして、港湾管理のいろいろな手続の情報化によるべーパーレス・ワンストップサービスを実現していきたい、こういうふうに現在進めておるところでございます。
  148. 田中和徳

    田中(和)分科員 ただいま答弁があったわけでありますから、ぜひひとつ速やかなる御努力を願いたいと思います。  簡素化というのは、これが本当の簡素化であればいいのですけれども、逸脱して問題を残す簡素化であってはいけないわけですから、その点はやはり慎重に願わなければなりませんけれども、グローバルスタンダードといいますか、世界の船が使いやすい港、これは当然のことだと思いますのでよろしくお願いしたいと思っております。  そこで、また地元の話に戻るのですが、川崎港のコンテナバースの管理運営を行っている川崎市の第三セクター、かわさき港コンテナターミナルが金融機関からの融資が得られず、資金繰りが困難になっていると実は新聞に報道されてしまいました。地元の苦衷をさらすようでございますが、運転資金として今年度の下半期に融資を得ることで合意していた六億円が実行をされていない、こういうことのようでございます。内容は、営業初年度の九六年度決算では約十五億円の赤字を計上し、借入金も五十億円を超えている。経営努力が足りないと言われればそれまでですが、川崎港のコンテナは、先ほども答弁をいただいておりますけれども平成八年四月にゼロからスタートしたばかりでございまして、まだこれからという段階で取扱量が思うように伸びていないというのが実情のようでございます。  そして、先ほどもお話をしましたけれども、実は第二バースとセット物でございまして、川崎ぐらいのスケールになってくれば十五メートルのものがどうしても必要なんですね。だから、第一バースと第二バースというのはセットでございまして、第二バースができなければ第一バースの方も活用をされない、こういうことも実は言えるのでございます。  したがって、先ほどの話の続きになるわけでありますけれども、魅力ある港湾づくりは地元で真剣に努力をしなければなりませんし、営業の努力もしなければならないのは当然でございます。この件について、運輸省の見解と申しますか、把握しておられますいろいろな情報もあろうと思いますけれども、もう一度お聞かせをいただきたいと思っておりますし、川崎港の取扱量をふやすための方策について、何かプロとして、専門家として妙案があるのかどうか、ひとつお聞かせをいただければと思っております。     〔増田主査代理退席、主査着席〕
  149. 木本英明

    ○木本政府委員 今、川崎港のコンテナターミナルの、いわゆるオペレーター、第三セクターのいろいろな資金繰りの問題のお話がありましたが、やはり根本的な解決は、先生指摘されましたように、取扱貨物量をふやしていくことだろう、こういうふうに考えております。  それで、各港でも利用促進等手だてをいろいろやられておられますが、やはり何といっても、港湾管理者である川崎市を中心として、いわゆる川崎の商工会議所、経済界の関係の方だとか関係の官庁、そういった方々が一丸となりましてポートセールス等に努めていただくことが、基本的なことではなかろうかというふうに考えております。幸い、川崎港でもそういった方々で、かわさき港コンテナターミナル利用促進協議会というのが設けられまして、東南アジア等に向けたいろいろなポートセールスもやられておるやに聞いておりますので、そういったことに一層努めていただくのかな、こういうふうに考えております。  そういった成果が少しずつ実ってきているというふうに聞いておりまして、来月四月にはインドネシア等と結ぶ新たなコンテナ定期航路が就航するというふうに聞いておりますし、また、同じように来月には、港の輸出入貨物の荷さばき流通加工等の高度な処理機能を有する総合輸入ターミナルもコンテナターミナルの背後に完成する、そして、供用を開始されるというふうに聞いております。  そういったハード、ソフトのいろいろな利用促進に向けた環境づくりも整ってきつつあります。そうすれば一層利用しやすい状況になってきますので、そういった努力もされておるといったことも私ども大変高く評価しておりますので、そういったことを引き続き続けていただければ利用度も高まっていくのではなかろうかな、こういうふうに考えております。運輸省といたしましても当然最大限のいろいろな御支援をしていきたい、こういうふうに考えております。
  150. 田中和徳

    田中(和)分科員 終わりに、大臣より一言、川崎、地元挙げて頑張ってまいります。第二バース建設に向けて、大変財政事情が厳しい中、全国的な順番もあろうかと思いますけれども、川崎の港の前進に向けて特段の御指導と御支援をひとつ賜りたいと思っております。  一言、お言葉をいただければありがたいと思います。
  151. 藤井孝男

    ○藤井国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、我が国のハブ空港、ハブ港湾、早急に整備を進めなければならない、特に三大都市圏を中心として整備を進めなければならない、この基本政策にのっとって今後とも進めてまいる所存であります。  川崎港の第二バースの問題につきましては、先ほど来木本港湾局長の方から申し述べましたように、第一バースが完成し、その利用度あるいは需要度、いろいろなことを勘案しながら、第二バースのことを云々という答弁がありました。そのことも我々はやはり基本に置きつつも、やはり将来に向けての川崎港のあるべき姿、そして、川崎港が、先ほど委員も御指摘のように、だんだん空洞化が進んでいるというような中で、これから地域としても活性化のためにいろいろ努力される、そういう中で、この港湾の第二バースはどういう位置づけになるのか、そういったことをしっかりと踏まえながら、御支援のできるところはしっかりと応援していきたい、このように考えておるところでございます。
  152. 田中和徳

    田中(和)分科員 どうも御答弁ありがとうございました。終わらせていただきます。
  153. 桜井新

    桜井主査 これにて田中和徳君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして運輸省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  分科員各位の熱心な御審議と格別の御協力によりまして、本日ここに本分科会の議事がすべて終了することになりました。心から感謝申し上げます。  これにて散会いたします。     午後零時七分散会