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前島分科員 長官、自衛隊にとっては、大したことではないのだ、どうってことではないのだと思っている。確かに、わざと隠したのではないというのはそうだろうと思うね。だけれ
ども、問題は、自衛隊にとって、
防衛庁にとってはそれくらいのことはどうってことないことなんだよという、そこの感覚が、
地元との間ではその間の溝が問題だと私は言っているのですよ。
ましてや、AWACSが導入されるということ、それから現にブルーインパルスの
事故を一九八二年に経験しているということと、そして今後AWACSが導入されてくるという、この置かれているところに、自衛隊は、それは当然のことだから、そんなのは当たり前よと。私も、実は九日に現地に行ってきて、司令官と会ったら、余りどうってことは思わないと言うのです。そこに私は、逆に言うと問題を感ずるし、自衛隊の今後のあり方といいましょうか、
地元との兼ね合いのことを余計感じますよ。それは、
地元の者から見れば、異常なことが起こったことは間違いない。そこを異常と思わないことに、
地域の者から見れば心配になるという、そこなんですよ。そこのところを、その溝を埋める努力をやはりこれから
防衛庁、自衛隊はすべきだということなんですよ。
しかも、浜松
基地というのは、浜松
基地の
飛行機の離発着をカメラで撮ると、必ずそのレンズの中には住宅が入ってくるし、電柱が入ってくるというところをいつも離発着しているのですよ。それが、今までは
訓練用の
基地だったからそれほど問題がなかったけれ
ども、さて、今度はAWACSということになったので、
地元もいろいろ関心を持ってこの数年間やってきた。そこに一月十七日にこういう事態が起こったのに、こんなのはどうってことないよ、心配することないよと言われる
住民の不安というのは、そのギャップを私は問題にするのであって、このギャップを埋めるような努力を自衛隊なり
防衛庁がしない限りは、浜松
基地のように町中にある
基地の運営はこれから大変になるよということを言いたいのです。
だから、隠したのではないということはそうかもしれない、今までの例から見ればあれかもしらぬけれ
ども、そのギャップが問題だということを私は言いたいのだという、その辺をこれからどうしていくかということもまた大事だろうと思っていますね。
それで、このAWACSがどういうものだろうかなとか、AWACSが配備されてどういう活動をするのだろうか、そのことによって浜松
基地というのはどういうふうになってくるのだろうなということは、
地域のみんなが心配しているのですよ、不安に感じているのですよ。それについて
防衛庁は、自衛隊は、積極的に言うべきことは言い、事実を明らかにすることはして、その不安を解消する努力をしなければいかぬじゃないかということなんです。
そのこととは全く違った対応が、実は一月十七日の緊急着陸のときにあったよということを
指摘した上で、
周辺有事という議論が今ありますね、例のガイドライン議論の中で。そのときにAWACSが、ふだんの日常の活動とは情報収集ということですから、問題は、今議論になっているガイドラインに言う
周辺有事になったときにAWACSは一体どういう対応をするのだろうなと。
地域の者にとって、そこのところがどうかかわってくるのだろうというのは、やはり論点といいましょうか心配事の
一つなんですよ。それがまた、浜松市の機能が変わってくるのじゃないかということの
一つでもあるわけですね。
当然、今さら言うことでもなく、AWACSというのは十二時間の航続距離を持っているものであるということ、それから、情報収集だけではなくして司令機能、だからよく空飛ぶ司令塔だという表現もマスコミ的にはされていることは間違いない事実ですね。
そうすると、新ガイドラインというのは
日米防衛協力のことですから、有事が起こったときに、このAWACSは当然それに対応することに、ガイドラインからいくとなるなと。そうすると、あくまでもこれは想定の議論だから、想定の議論をしたってしょうがないよと言うけれ
ども、やはり
住民から見れば不安になるのだから、そこに
防衛庁はこたえるべきだと思う。
十二時間の航続距離を見れば、当然、有事の際の活動範囲というのは、
日本の領域を越えて朝鮮半島だとかその他のところに活動するという能力と、それからガイドラインとの
関係から見れば当然そうなるなと。そういう不安が今あるわけですよ。そのことが浜松
基地の機能の変化になってくるのじゃないかな、こういうことになっている。
これを長官、どういうふうに
地元に、そんなことはない、心配するなと。