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秋葉委員 ありがとうございました。
アメリカ側から軍事支援の費用負担を求められたことはない、後方支援を求められたこともないという明快なお答えで、その
アメリカの態度が続くことを期待しておりますけれ
ども、少なくとも、例えば今回の
アナン事務総長の
調停案についての引き受け方にしても、これまで外務省が、私は
与党の政策調整
会議の中で外務省の皆さんからの説明を聞きながら、なぜこれほどまでに
アメリカの
立場をほぼ一〇〇%代弁しなくてはいけないのかという感想を持ちました。それほど
アメリカの
立場に理解を示し、そして支援をしてきた
日本に対して、非常に重要な時点で電話の一本もない。こんなことでは、やはり
日米間、
日本が軽んじられているという悔しい気持ちを持つのは私だけではないと思います。
そういったことについても、やはりきちんとした
対応をすることが、これからの
日本の平和
外交を推し進める上でも非常に大事だと思います。そういった点も踏まえて、今後とも、軍事費の負担あるいは後方支援ということについては、そんなことはできないんだとはっきりと言い続けられることをお願いいたします。
三つ目の点に移りたいと思いますが、
アメリカが
武力行使を思いとどまった原因というのはいろいろとあります。直接的には、
アナン事務総長の調停が功を奏した、合意を得ることができたという点ですけれ
ども、それ以外にも重要な点が幾つかあると思います。その
一つが、やはり
アメリカ国内における
反対の世論だったと思います。
特に私が、このニュースをCNNを中心に見ましたけれ
ども、
アメリカの社会における民主主義が機能しているという感を深くいたしましたのは、少なくとも私の数えた限りでは、三つか四つの場所で、タウンミーティングというような会合を
アメリカ政府の高官が開いているということです。
十八日には、オハイオ州のコロンバス、これは
アメリカ最大の大学の
一つであるオハイオ州立大学のある場所ですけれ
ども、ここで、オルブライト国務長官、それからコーエン防衛長官、それとバーガー大統領補佐官ですか、その三人が出席をして、タウンミーティングと称する対話集会を開いています。
それから十九日、翌日には、これはテネシー州立大学と南カロライナ大学、この二つは近いといっても
日本の距離感覚からいえば随分遠いところですけれ
ども、ここでオルブライト国務長官がやはり大学生を相手に政府の方針についての説明をしている。それから二十日には、
リチャードソン国連大使がミネソタ大学で同じように対話集会を開いている。
皆さんもごらんになったと思いますけれ
ども、こういった集会では、もちろんデモもありました、やじもありました。若い人たちが、主に大学生が非常に多く出席していましたから、その中である程度過激な
行動が出るのは仕方がないと思いますけれ
ども、しかし、そういった中で、政府の高官が熱心に
アメリカの政府の
立場を若い人たちに一生懸命説いた、何とか説得をしようとする
努力をした。若い人たちも、あるいはその大学の先生方も、それにこたえて一生懸命聞いた、そして議論をした。
そういった姿というのが、私は、この非常に大事な時期、十八、十九、二十日、少なくともその三日間
アメリカの中の主要な大学で行われ、そのことが
アメリカの
外交方針の決定に大きな影響を与えたということが、とても大事な点だと思います。
私は、
日本でも重要な問題に関しては、政府の高官、
総理大臣お忙しい、それから大臣の皆さんがお忙しいことは百も
承知ですけれ
ども、しかしやはり全国の大学に出かけていって、あるいは子供たちに対して、政府の中心人物が、今政府は何をやろうとしているのか、なぜなのか、やじられても、そういった場所でひざを突き合わせて議論をするという姿勢を示すことこそ、
日本の将来にとって大事なことではないか、そう思います。
特に私が頭に置いているのは、沖縄の問題です。沖縄の問題は、県民投票がありました、それから市民投票もありましたけれ
ども、それは一方的な投票で、市民の側からの、県民側からの意思表示です。それも大事です。ですから、ぜひそれは尊重していただきたい。
それと同時に、例えば、橋本
総理が沖縄に出かけていって、県民の皆さんとひざを突き合わせてきちんとした対話を行う。それを全国でテレビを通して、同時に
日本の市民、有権者、納税者、子供たち、みんなが見て、それに何らかの形で参加をする。
オリンピックがあれほど人気が出たというのは、ただ単に、やっているということが、選手だから、すばらしく速いからということではなくて、たくさんの人がそういう形で参加をする気持ちを持ったというところが大事だと思います。
政治のプロセスでも同じようなことが大事なんじゃないか。特に現在は、普天間の基地について、そして沖縄の将来について、特に基地の縮小あるいは整理、そういったことで非常に重要な決定をしなくてはならない時期ですから、
アメリカの例に倣うと言わなくてもいいですけれ
ども、若い人たちに
政治がいかに大事かということを示すための具体的な
行動として、こういった対話集会、学校の中でもいいですし、より広いところでもいいと思いますが、始められる気はお持ちにならないでしょうか。
橋本
総理に伺いたいと思います。