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1998-05-20 第142回国会 衆議院 法務委員会情報開示の司法判断に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本
小委員会
は
平成
十年一月三十日(金曜日)
委員
会において、設置することに決した。 一月三十日 本小
委員
は
委員長
の
指名
で、次のとおり
選任
さ れた。
太田
誠一
君
鴨下
一郎
君
下村
博文
君 橘
康太郎
君 八代
英太
君
与謝野
馨君
渡辺
喜美
君
北村
哲男
君
左藤
恵君
福岡
宗也君
漆原
良夫
君
権藤
恒実
君
木島日出夫
君 一月三十日
太田誠一
君が
委員長
の
指名
で、小
委員長
に
選任
された。
—————————————
五月二十日 小
委員長太田誠一
君四月十日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
太田誠一
君が
委員長
の
指名
で小
委員長
に
選任
された。 ————————
—————————————
平成
十年五月二十日(水曜日) 午後一時一分
開議
出席小委員
小
委員長
太田
誠一
君
鴨下
一郎
君
下村
博文
君 橘
康太郎
君
与謝野
馨君
渡辺
喜美
君
北村
哲男
君
福岡
宗也君
漆原
良夫
君
達増
拓也
君
木島日出夫
君
出席政府委員
法務省民事局長
森脇
勝君 小
委員外
の
出席者
法務大臣官房参
事官
勝丸
充啓
君
法務省民事局参
事官
深山 卓也君
法務委員会専門
員
海老原良宗
君
—————————————
五月二十日 小
委員下村博文
君三月十一日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
下村博文
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。 同日 小
委員渡辺喜美
君三月十三日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
渡辺喜美
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。 同日 小
委員漆原良夫
君三月十七日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
漆原良夫
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。 同日 小
委員権藤恒夫
君三月三十一日
委員辞任
につ き、その
補欠
として
達増拓也
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。 同日 小
委員木島日出夫
君四月八日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
木島日出夫
君が
委員長
の
指名
で 小
委員
に
選任
された。 同日 小
委員太田誠一
君四月十日
委員辞任
につき、そ の
補欠
として
太田誠一
君が
委員長
の
指名
で小委 員に
選任
された。 同日 小
委員左藤恵
君同日小
委員辞任
につき、その補 欠として
熊谷弘
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選 任された。 同日 小
委員
八代
英太
君同日小
委員辞任
につき、その
補欠
として
保坂展人君
が
委員長
の
指名
で小
委員
に
選任
された。
—————————————
本日の会議に付した案件
情報開示
の
司法判断
に関する件 ————◇—————
太田誠一
1
○
太田
小
委員長
これより
情報開示
の
司法判断
に関する
小委員会
を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
先国会
に引き続き、小
委員長
に
選任
されました
太田誠一
でございます。小
委員
の皆様の御協力をいただきまして、公正円満な
運営
を行ってまいりたいと存じますので、何とぞよろしく
お願い
いたします。
情報開示
の
司法判断
に関する件について
調査
を進めます。 まず、私の方から今までの
経緯
について
説明
をさせていただき、その後、
法務省
から
民事訴訟法改正案
の
提出
に至った
経緯等
の
説明
を聴取いたしたいと思います。
平成
八年の
通常国会
に
民事訴訟法
の
改正案
が
法務省
から
提案
をされたわけでございますが、その中で、
裁判所
の
文書提出命令
について、極めて限定的な役割しか認めないというような
法律案
になっておりまして、
法務委員会
の
審議
を通じて、それに関する当時の各
法務委員
の
意見
は、いずれも、もっと
文書提出命令
を強いものにして、
司法判断
に際してより開かれた
行政
に関する
情報
を得ることができるようにすべきだという
意見
が多く出されまして、その結果、全
党一致
だったと思いますけれども、
法律案
の
文書提出命令
に関する
部分
は差し戻しというか削除をして、この
法律案
は可決、成立をいたしたわけでございます。 そして、その際に
委員会
で
附則
をつけて、今、
国会
に
提出
をされておりますけれども、
内閣委員会
に
提出
されております
行政
の側の
情報開示
の
法律案
というものが
提案
されることを前提として、それに向けて、
法務委員会
にはこの
小委員会
をつくって
審議
を並行して進めるというふうなことになっておりました。 ちょっとそういう
経緯
がございまして間があいたのですけれども、いよいよ今
国会
に
提案
の運びとなりましたので、私どもの方も、
附帯決議
やあるいは
附則
にも定めたように、この
委員会
での
検討
を開始いたしたいというところでございます。そういう
経緯
でございますので、どうぞよろしく
お願い
をいたしたいと思います。 そこで、
法務省
の
民事局
の方から、今のような
経緯
、それから
提出
に至った
経緯
、それから、きょう、もし今御用意の
法律案
についてのお考えがあれば、あわせてそれをお示しをいただきたいと思います。
森脇民事局長
。
森脇勝
2
○
森脇政府委員
それでは、御指示に基づきまして、今回、本年の四月十日に
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案
を
国会
に
提出
いたしたところでございますが、この
法案
の
提出
に至る
経緯
を
中心
といたしまして御
報告
させていただきます。
平成
八年の
民事訴訟法改正
の
状況
につきましては、
今小委員長
から御
説明
があったとおりでございまして、
民事訴訟法
の
訴訟手続
に関する
部分
は、大正十五年に
全面改正
がされて以降、
部分
的な
改正
はありましたものの、
手続全般
にわたる見直しがされたことがないままになっていたわけでございます。 そこで、
法務大臣
の
諮問機関
である
法制審議会
におきましては、
民事訴訟法部会
におきまして、
平成
二年七月以降、
調査審議
を続けまして、
平成
八年二月に
民事訴訟手続
に関する
改正要綱
を答申いたしました。この
改正要綱
に基づき、新しい
民事訴訟法案
を立案いたしまして、
平成
八年三月十二日に
国会
に
提出
したところでございました。 ただ、この
法案
におきましては、
文書提出命令
につきまして、二百二十条四号におきまして
文書提出義務
を
一般義務化
するに当たりまして、
公務員
の
職務
上の
秘密
に関する
文書
で、その
提出
について
監督官庁
が承認しないものは
文書提出義務
の
対象
から
除外
するということにいたしますとともに、いわゆる
インカメラ審理
の
対象
からも
除外
することとしていたものでございます。 ところが、この
規定
に対しましては、折からの
薬害エイズ事件
におけるいわゆる
情報隠し
の
問題等
の社会問題を
背景事情
として、
国会
の内外において、
情報公開
の流れに逆行するものである、
行政
の側のいわゆる
情報隠し
を助長することになり一かねないといったような批判が沸き起こりました。 そこで、
国会審議
の結果、同号による
文書提出義務
の
対象
から
公務員等
がその
職務
に関し保管しまたは所持する
文書
を
除外
する、したがいまして、いわゆる
公務文書
につきましては、従前の
規定どおり
にひとまずしておくという形で修正されますとともに、配付いたしました
資料
の
資料目録
一にございますような
民事訴訟法附則
二十七条というのが設けられたわけでございます。 ここにおきましては、
公務文書
をめぐる
文書提出命令
の
制度
については、
行政機関
の保有する
情報
を
公開
するための
制度
、いわゆる
行政情報公開制度
でございますが、この
制度
に関して行われている
検討
と並行して総合的な
検討
を加えて、その結果に基づいて必要な
措置
を講ずる、公布後二年を
目途
としてその
措置
を講ずる、こういうことにされたわけでございます。 したがいまして、
政府
といたしましては、
平成
十年六月を
目途
として必要な
措置
を講ずる必要があるということになったわけでございます。 また、その際、衆議院及び参議院の各
法務委員会
において、この問題の
検討
の
方向
や
方法等
につきまして
附帯決議
がされたところでございまして、衆参の各
附帯決議
につきましては、
資料
二に記載したとおりでございます。ここにおきましては、
秘密
の
要件
、
判断権
のあり方、
インカメラ等
を含む
審理方式等
につきまして、
司法権
を尊重する観点からの再
検討
を加える、さらに、不合理な
官民格差
をなくす、こういう
方向
での
検討
が要求されたわけでございます。 そこで、
法制審議会
における
審議
の
状況
でございますが、
平成
八年の七月二十二日に、
民事訴訟法部会
において、
国会
における
審議
、修正の
経緯等
の
報告
がなされました後に、同年九月六日の
部会
におきまして、
文書提出命令制度
についての
検討
を行う特別の
小委員会
を設けて
検討
を進めることとされたわけでございます。 他方、この問題の
検討
に当たっては、
国民
の
意見
に
十分耳
を傾けながら進めることが必要であり、また、そうするのが適当であると考えられますところ、
国会
の
審議
におきましてもその旨の
決議
がございますところから、幅広く各界の
意見
を聞き、これを集約して
小委員会
の
調査審議
に反映させる
方法
といたしまして、
民事訴訟法
の
専門家
以外の有識者や、
行政情報公開制度
に精通した
行政法学者
の参加も得る形で
研究会
を設けることとされたわけでございます。 この
民事訴訟法部会
さらに
小委員会
、
研究会
の各名簿でございますが、これは
資料
三から五に掲げたとおりでございます。 次に、
小委員会
及び
研究会
における
検討状況
でございますが、これは
資料
六に掲げたとおりでございます。
小委員会
におきましては、まず十月二十四日に第一回の
小委員会
を開催いたしまして、
研究会
の設置、それから
国会
での
審議
の
状況
、
附則
二十七条及び
附帯決議等
の御
説明
をいたしまして、今後の
調査審議
の
進め方
を
検討
したわけでございます。 さらに、
研究会
におきましては、十一月二十二日に第一回を行いまして、同様に
研究会
の
運営
、今後の
調査研究
の
進め方等
を決めますとともに、
国会審議
の
状況
を御
説明
したところでございます。 そして
平成
九年の一月十四日、二月十九日の
研究会
におきましては、
行政情報公開制度
、これが国内で
検討
されているというところから、その
検討状況
、さらには
情報公開制度
と
文書提出命令
との
関係
、さらには諸
外国
の
情報公開制度
といったものについて
ヒアリング
の形式で
検討
をいたしまして、その結果を三月七日の
小委員会
に
報告
し、
小委員会
において、この点についての
自由討議
がなされたということでございます。 さらに、
研究会
におきましては、四月八日、五月十三日に第四回、第五回の
研究会
を開催いたしまして、そこでは
関係各界
からの
文書提出命令制度
についての
ヒアリング
を行いました。
マスコミ関係者
、
消費者団体関係者
、それから
経済界
の
関係者
、さらには
労働団体
の
関係者等
から
ヒアリング
を行いました。 さらに、
研究会
におきましては、六月十日、七月八日に、諸
外国
の
文書提出命令制度
について、
研究員
を
中心
とする者から
ヒアリング
の形で諸
外国
の
文書提出命令制度
についての御
報告
をいただき、
検討
をいたしたところでございまして、この第四回から第七回までの
研究会
の
研究
結果の
報告
を
小委員会
に対して、七月十八日、第三回
小委員会
において
報告
し、この点についての御
討議
をいただいたということでございまして、
研究会
におきましては、九月十六日に会合を持ちまして、
文書提出命令制度
に関する
論点
の整理及び分析を行いまして、
文書提出命令制度
の
論点メモ
を、これは
資料
七に添付してございます、多少細かくて、読みにくい面があって恐縮でございますが、この
資料
七のとおりの
論点メモ
をまとめていただき、
研究会
の目的を達して、これをもって
研究会
を終了したということでございます。 さらに、
小委員会
におきましては、十月二十四日に第四回の
小委員会
を開催いたしまして、
研究会
の
研究
結果の
最終報告
を受けるとともに、
論点メモ
に関する
討議
を行ったところでございまして、続く十一月二十八日におきましても、この
論点メモ
に関する
検討
を行い、さらに、理論上重要と考えられる点についての再
検討
をしたところでございます。 さらに本年に入りまして、一月二十三日に第六回の
小委員会
を開催いたしまして、ここでは、それまでの各
論点
についての
検討
を踏まえまして
法案
全体の
検討
に入り、
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案
の
骨子
に基づきまして、
法案
の
骨子
について
審議
を行ったところでございます。この
小委員会
におきましては、
事務当局
から
改正案
の
骨子
の
趣旨
、
現行法
上の
刑事記録等
の
開示制度
の
概要等
が
説明
されました後に、
国等
を
所持者
とするときの
自己使用文書
の
意義
、あるいは
公務秘密文書
の
要件
、
刑事記録等
を
除外文書
とすることの
是非等
について
討議
が行われたところでございます。 次に、一月三十日の
小委員会
におきましては一前回の
骨子
についての
検討
を踏まえて
事務当局
が作成いたしました
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案要綱案
の案、これに関して
審議
を行ったところでございます。また、
小委員会
の席上、
日本弁護士連合会
の
意見書
が配付されまして、この
意見書
で
指摘
された問題を含めて
検討
が行われたところでございます。 ここでは、
公務秘密文書
の
要件
、
国等
を
所持者
とするときの
自己使用文書
の
意義
、
刑事記録等
を
除外
することの是非、
文書提出義務
の
存否
の
判断方法等
について、活発な
討議
が行われたところでございまして、その結果、
原案どおり
の案を
法制審議会民事訴訟法部会
における
審議
の
対象
とすることが了承されたわけでございます。 次に、
民事訴訟法部会
における
審議
でございますが、二月六日に
法制審議会民事訴訟法部会
が開催されまして、
文書提出命令制度研究会
及び
小委員会
における
検討
結果が
報告
されました後に、
小委員会
において作成されました
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案要綱案
の案について
審議
を行ったところでございます。
部会
においては、
日弁連
その他の
団体
から寄せられた
意見
も
参考資料
として配付いたしました。さらに、
公務秘密文書
の
要件
、
国等
を
所持者
とするときの
自己使用文書
の
意義
、
刑事記録等
を
除外文書
とすること、それから
文書提出義務
の
存否
の
判断方法等
につきまして、活発な
討議
が行われたところでございます。その結果、
採決
が行われまして、三名の
反対
、これはいずれも
日弁連推薦
の
委員
でございますが、その
反対
はあったものの、
出席委員
十四名中、
賛成
十一名で、多数決で
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案要綱案
を採択したところでございます。その際、
委員
からの
提案
によりまして、
資料
の八に示しましたとおりの
附帯要望事項
が付されたという
経過
がございました。 次に、
法制審議会
における
審議
でございますが、二月二十日に
法制審議会総会
が開催されまして、
民事訴訟法部会
における
審議
の
状況
が
報告
された後に、
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案要綱案
について
審議
が行われました。
総会
におきましても、
刑事記録等
を
除外文書
とすることについて等、
賛成
、
反対
の各立場からの
意見
が出され、活発な
討議
が行われたところでございますが、
採決
の結果、
反対者
三名、これまた
日弁連推薦
の
委員
の
方々
でございますが、その三名の
反対
はありましたが、
出席委員
十八名中、
賛成
十五名の
賛成
多数をもって
要綱案
が採択されたところでございます。また、この
総会
におきましても、
日弁連推薦
の
委員
からの
提案
によりまして、ただいまごらんいただきました
資料
八と同
趣旨
の
附帯要望事項
が付されたところでございます。 こうした
経過
を踏まえまして採択されました
法制審議会
の
要綱
に基づきまして、
法務省
において、
行政情報公開法案
の
立法作業
の
状況
をも勘案いたしながら
条文化
の作業を進めまして、
平成
十年四月十日に、
閣議決定
を経て閣法第百四号として今
国会
に
提出
させていただいたというところでございます。
法案
の
概要
でございますが、まだこれは本
委員会
の方にも付託になっておらない
段階
ではございますが、おおむね
附則
二十七条及び
附帯決議
に沿って定められておるところでございます。
改正
の
概要
をごく簡略に申し上げますと、まず、
公文書
につきましても
提出義務
を
一般義務化
するということで、そのうちの
除外
するものとして、現在私
文書
について
規定
されている
事項
のほか、「
公務員
の
職務
上の
秘密
に関する
文書
でその
提出
により公共の利益を害し、又は
公務
の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」、これを
除外文書
として加えました。さらに、
刑事訴訟
に関する書類及び少年の
保護事件
の
記録等
を
除外文書
といたしたところでございます。 次に、
文書提出命令
の
手続
についてでございますが、これにつきましては、
裁判所
において、
公務秘密
に関する
文書
について
文書提出命令
の
申し立て
があった場合には、
監督官庁
に対して
公務秘密文書
に該当するかどうかの
意見
を聞く
制度
を設けた。そして、これが
秘密
に該当するという場合には、
行政庁
の側にその
理由
も示させるということにいたしたところでございまして、これは、
裁判所
がこれによって適正な
判断
を下せるようにするための手当てでございます。 さらに、高度の
秘密
に関する
文書
といたしまして、
防衛秘密
あるいは
外交秘密
あるいは公安、治安上の
秘密
ということを
理由
といたしまして
公務秘密文書
に当たるという
意見
を
行政庁
が述べた場合には、
裁判所
としては、その
意見
の
相当性
について
判断
いたしまして、
相当
の
理由
がある場合には
文書提出命令
の
申し立て
を却下する。
相当
の
理由
があると認めるに足りない場合について、
文書
の
所持者
に対して
文書提出命令
を出すことができることといたしております。 また、
私企業等
の
第三者
の
秘密
を確保するために、
行政庁
が
裁判所
に対して
意見
を述べる際に、これは
公務秘密文書
に
第三者
の技術または職業に関する
秘密
が含まれている場合には、その
当該第三者
の
意見
をも聞くということにいたしております。 さらに、
審理
の
方法
といたしまして、現在私
文書
について
インカメラ手続
が設けられておるわけでございますが、これについては、
公文書
についてもこのいわゆる
インカメラ手続
を認める、こういう
内容
になっておるところでございます。 以上の
経過
でございましたので、御
説明
させていただきました。
太田誠一
3
○
太田
小
委員長
これにて
説明
は終わりました。
—————————————
太田誠一
4
○
太田
小
委員長
これより
自由討議
に入ります。 なお、
議事整理
のために、御
発言
は、厳格に一人三分以内ということで
お願い
をいたしたいと思います。挙手の上、
氏名
をお告げいただきたいと存じます。
氏名
を言っていただかないと、せっかくここで速記をとっておりますので、残らないということになりますので、よろしく
お願い
いたしたいと思います。 それから、
小委員会
でございますので、各位の御了解をいただければ、
法務省
の方も同じこのテーブルにお座りをいただいて、速やかに何か質問があれば答えられるようにしていただくという ことで、いかがでしょうか。 それでは、どうぞ。 では、御
発言
をよろしく
お願い
をいたします。
漆原良夫
5
○
漆原
小
委員
平和・改革の
漆原
でございます。 まず、
刑事記録
の
全面除外
ということが今回発表されておるわけなんですが、これには
手続
上と
内容
に私は
問題点
があるのじゃなかろうかと思うのです。 まず、
手続
上の問題では、
部会
の
最終段階
で突然これが登場してきて、十分な
審議
が尽くされていないのじゃないか、こういう
指摘
もあるし、
疑問点
も持っております。 それから、この
附帯決議
で
審議
の
経過
の
公表
と
民意
の
反映
という点もあるのですが、これも果たしてどのように
公表
、
民意
の
反映
がこの点についてなされたか、非常に疑問であります。 また、
全面
一律禁止というのは、
公文書
の
提出
の
一般義務化
を求めたこの
法改正
の
根本精神
に反するのではないかという疑問もあります。 最終的には私は、
プライバシー保護
の
必要性
は、
刑事記録
それから
少年保護記録
の
提出
の
必要性
を
裁判所
がその
事案ごと
に
ケース
・バイ・
ケース
で考えていった方がいいのではないか、こういうふうに考えておりますが、この点について御
意見
を承りたいと思います。
森脇勝
6
○
森脇政府委員
非常にたくさんの
事項
が含まれておりました。 まず、
刑事訴訟記録
に関しては十分な
審議
がされていないのではないかという御
指摘
がございました。 ただいま御
報告
申し上げましたとおり、この
研究会
及び
小委員会
におきましては、最初に
行政情報公開制度
について
検討
いたしておりまして、その
段階
では、
行政情報公開法
がどういう見通しのもとになされているかという点も把握していただいたところでございまして、その中で
除外文書
とされるもの、実は、
情報公開法
の方では
刑事記録
についても
除外
になっておるわけですが、そういったような
問題点
が
議論
の中に含まれる
事項
であるということは、各
研究員
及び
小委員会
の
委員
の
方々
も理解の上で進んできたわけでございます。 先ほど御
報告
申し上げましたとおり、具体の
法文案
について
検討
に入りました
段階
は一月二十三日の時点でございまして、この当初のときからこの
刑事記録
の
除外
の問題は
議論
されておるところでございまして、
小委員会
において二回、
本部会
においてももちろん
議論
の
対象
とされておるところでございます。 それから、これを
除外
した
理由
でございますが、この点につきましては、本日配付させていただきました
資料
のりち、「
民事訴訟法
の一部を
改正
する
法律案
について」という
法務省民事局作成
のペーパーがございます。
資料
九として配付したものでございます。 これの三枚目にございますとおり、
現行
の
民事訴訟法手続
におきましても
十分民事訴訟
における
刑事記録
の利用がなされているということ、さらには、
刑事記録
については
刑事訴訟法等
の中にそれ自体完結した
手続
が定められているということ、さらには、
刑事記録
というのは
プライバシー
の問題もございますが、
刑事公判手続
に対する
影響等
、そういったものがございますので、その点を考慮した
刑事訴訟法
あるいは
刑事確定訴訟記録法
、この
手続
にゆだねるのが
相当
であると考えられたことによるものでございます、
福岡宗也
7
○
福岡小委員
民主党の
福岡宗也
でございます。 私は、本
法案
と
文書提出命令制度
の
本質
という点から、ちょっと考えてみたいわけであります。
文書提出命令
の
制度
というのは、個別的な
民事訴訟
の
審理
のために、争点の
立証
をするために
文書
の
提出
を求めるものであります。すなわち、
裁判
において具体的な
権利
を実現するためにこういった
制度
が認められておるわけでありまして、一般にだれでも
公開
を求めることができる
情報公開法
よりも、より広く
公開
をされなければならぬという
本質
を持っております。 しかしながら、今回の
法律案
を
検討
しますと、
提出除外事由
その他、現在
提案
されております
情報公開基本法
以上に
行政文書
の
提出
が困難な
規定
になっているわけであります。例えば、
除外事由
が多いこと。
公務秘密文書
、
自己使用文書
それから
訴訟記録
、
防衛
一
外交文書等
の
除外
であります。特に
刑事記録
はへ無条件でこれは
全面
的に排除されておりまして、
司法判断
を入れる余地がない。それから
防衛
・
外交文書
については、
監督官庁
の
意見
の
相当性
しか
判断
することが
司法
はできないわけであります。こういった点に問題があります。 それから、
平成
八年の
国会
の
民事訴訟法
の
改正
のときの
審議
の際になされました
附帯決議
、
裁判所
の
司法判断
を尊重し、
官民格差
を設けないとされていますけれども、この
趣旨
が全く生かされておりません。こういった
趣旨
を実現するためには、
防衛
・
外交文書
について特別の
制限
をしないということ、さらには
刑事記録
についても、
司法判断
に服させて、
プライバシー
その他の人権を侵害する場合は
除外
をする、こういう
規定
を設ければいいわけであります。 特に
刑事事件
の
記録
というもの、これは普通の
刑事事件
も
少年事件
も含めてですけれども、
全面的除外
をするということになると‘現在の
交通事故
その他の
損害賠償事件
、それから多くの
消費者被害
の
事件
、さらに商法の
代表訴訟事件
というものの
立証
はほとんど不可能になってしまう
可能性
もありまして、
国民
の
権利実現
に大きな
影響力
がある、
裁判
を受ける
権利
の
制限
にもなりかねないというわけであります。 したがいまして、具体的な
規定
を定めて、
刑事記録
についてもこういう場合には
裁判
官が
除外
をするという
判断
ができるということで、
除外事由
とせずに具体的な
制限
事由というものを設けて
裁判
官に
判断
をさせる。やはり、訴訟の
必要性
というものが重要な場合に、一律
除外
ということでは
権利実現
に大きな影響がある、かように考えるわけであります。この点についてどう考えるのか、法務当局の見解を承りたい、こういうことでございます。
森脇勝
8
○
森脇政府委員
確かに
文書提出命令制度
は、民事
裁判
を実現する際にできるだけ真実に近いものにするための、いわば証拠収集手段の一つでありますが、その
判断
に必要であるからという価値と、それからそれを
提出
することによって、その
文書
が公にされることによって損なわれる価値というものもあるわけでございまして、これらの価値をどう
判断
するかということが基本なのだという認識で
審議
は進んできたと理解いたしております。したがいまして、
裁判
上必要だからというものに絶対的な価値を与えるものではないというふうに思っております。 今の
委員
の御
指摘
は、こういったもろもろの
民事訴訟
について、
刑事訴訟記録
が使えないことになるというような立論でございますが、先ほど申し上げました
資料
九の三に記載いたしたとおりでございまして、現在の
民事訴訟
においても、
刑事確定訴訟記録法
に基づいて確定
記録
を閲覧する、さらに実務上認められている謄写をする、それを民事
裁判
の方に証拠として
提出
する
方法
、それから、
民事訴訟法
自体に
規定
がございます
文書
送付嘱託
制度
を利用するといったことによって、
民事訴訟
において必要とされる
刑事記録
は大
部分
、
民事訴訟
で実際は
提出
されているというのが実情でございます。 その場合に、どうしても今の
制度
によって出ないというものは、どういう
理由
に基づくかといいますと、それは
刑事記録
独特の
理由
、例えば
関係者
の
プライバシー
の問題でありますとか、そういった
制限
要素から出ない
文書
というものも確かにございますが、それは、その価値を尊重すべきであって、
民事訴訟法
上必要だからといってこっちで出してしまうというと、刑事
手続
の方で保護しようとしていた
プライバシー
でありますとか、公判維持の
必要性
といったような要請が損なわれることになるのではないか、こういうふうに考えて、今回の立案がなされたと承知しております。
福岡宗也
9
○
福岡小委員
という御
説明
であれば、頭から
司法判断
を
除外
してこれを
全面
的に禁止という
規定
にせずに、
刑事記録
のうち、
プライバシー
に反する、その他個人の人権を侵害するものについての場合は
除外
をするという
規定
にして、そういう
要件
があるかどうかということについて
裁判
官の
判断
を仰げばいいんじゃないかということでございます。 それからもう一つ、先ほどの質問の中で抜けていますのは、
情報公開制度
の今回
政府
提出
のものでも、頭から、無条件でこんなに
除外
するというような
規定
はないのですよ。だから、
情報公開制度
との整合性からしても、こんな
規定
を
民事訴訟法
に設けるのはおかしいと思うのですが、その点、どうでしょう。
深山卓也
10
○深山
説明
員 いささか細かい点なので、私の方からお答えさせていただきますが、
情報公開法
との整合性ということでいいますと、
情報公開法
は、御案内のとおり、整備法が同時に
提出
されておりますが、整備法の中で、
刑事訴訟法
の一部を
改正
して、いわゆる
刑事訴訟記録
等については
全面
的に
情報公開法
の
対象
としないという適用
除外
規定
を明文をもって定めるということになっております。そういう意味では、
全面
的に
除外
をされているという御
指摘
の点は、そのとおりですけれども、整合性がむしろとれているのではないかと思います。
福岡宗也
11
○
福岡小委員
要するに、私の言っているのは、こちらの方が
刑事記録
について
制限
が強いということですよ。
木島日出夫
12
○木島小
委員
日本共産党の
木島日出夫
です。 私は、
民事訴訟法
の
文書提出命令
と
情報公開制度
との
関係
についてお尋ねします。 きょう配付された
資料
の中の七、「
文書提出命令制度
論点メモ
」の十二ページ、ここの中段に、秋山
研究員
の
発言
かと思いますが、
情報公開制度
と本
文書提出命令
との
関係
について、
情報開示
法がもし成立した場合に、
情報開示
によって開示される
情報
は、当然に
文書提出義務
があるとされてよいはずだ、そして、
文書提出命令制度
の開示の範囲の方が広くていいはずだ、そういう
趣旨
が述べられております。その下の、久保谷さん、坪井さん、飯室さん等も、
文書提出命令
は、
情報公開法
で
公開
される
行政文書
プラスアルファで、
文書提出命令
の方が広い、そういう
意見
がるる述べられているわけであります。 それに対して、きょうお配りをされました
資料
八の
附帯要望事項
の第一号、
行政機関
の保有する
情報
の
公開
に関する
法律案
との整合性に留意しろ、これの整合性というのはどういう意味か。要するに、本
文書提出命令
の範囲と、
行政情報公開法
が成立したときのその範囲を一致させろという意味であれば、
裁判所
の方が広くていいじゃないか、
提出
させるのは、そういう
意見
がたくさん
小委員会
では出ていたのと違うことになってしまうので、その二つの法律の
関係
について、法務当局はどう考えているのか、その基本のところをお聞かせ願いたい。
森脇勝
13
○
森脇政府委員
民事訴訟法
における
文書提出命令
というのは、
訴訟手続
において、当事者または
第三者
が所持する
文書
を証拠とするための
制度
でございまして、個別の
事案ごと
に、
裁判所
が、その事案の
立証
上の
必要性
、あるいは
文書提出義務
の
存否
といった点から
判断
してその発令の有無を決定すべきものである。 また、いわゆる
行政情報公開法
、あるいは
法案
に言っております開示請求の
制度
といいますのは、
政府
がいろいろな活動を行っておりますが、これを
国民
に
説明
する義務がある、その責任を全うするためのものとして、合理的な
理由
に基づいて
行政機関
の保有する
文書
を
公開
する、その場合にも、合理的な
理由
に基づいて不開示とすべきものとされた
情報
が
記録
されている場合には
除外
される、こういう立て方をしているんだろうというふうに理解いたしております。 したがいまして、両者はそれぞれ異なる目的を持った別個の
制度
でございまして、どちらかが一般法、他方が特別法という
関係
にはならないのではないか。常にどちらかが広くなければならないという言い方のできる
制度
ではないのではないか、こういうふうに考えております。
木島日出夫
14
○木島小
委員
そうすると、秋山さんの説には
法務省
は立たないと。
行政情報公開法
が成立して、当然義務的に国が出すべきものとされたものなんかは、この
民事訴訟法
上は出す義務があるのは当たり前じゃないか、それより広くていいじゃないかという説に立っているんですが、では
法務省
は、
行政情報公開法
ができて、そっちの方の法律では
公開
すべきだというのに
民事訴訟法
では出さなくていいなんて、そんなこともあり得る、そんな立場に
法務省
は立っているということですか。
森脇勝
15
○
森脇政府委員
お答えさせていただきます。 具体の事例をとってみれば、これが
情報公開法
上開示の
文書
に当たるという場合には、
文書提出命令制度
において当該
事件
の証拠上必要だという場合には出る
制度
になっているのが、個別ごとに考えれば基本であろうというふうに考えております。 ただ、それは今申しました両方の法律の
趣旨
から当然出てくるという
事項
ではないということを御理解いただきたいと思うのです。
福岡宗也
16
○
福岡小委員
ただいまの質問は、
情報公開制度
で
公開
をされるような
情報
、
刑事記録
の
情報
が、
文書
が、そちらで請求すれば出されるのに、具体的な
事件
の
審理
のためにそれが必要だから
提出
命令を
裁判所
が求めたいときに、出されないという結果を招きますよ。それについてはどういうふうに考えられますか。
深山卓也
17
○深山
説明
員 今
委員
御
指摘
の刑事
関係
に限って言えば、
情報公開法
の開示
対象
になっておりませんので、
情報公開法
の開示請求
制度
で開示されるということはあり得ないというふうに考えております。 一般論として、先ほど局長がおっしゃられたように、それぞれ切り口の違う
制度
ですから、論理的にこちらで出るものは必ずこちらでも出る、つまり、
情報公開法
で出るものは必ず
文書提出義務
の
対象
になるという
関係
にはございませんが、この
法案
を立案するに当たっては、先ほど御
指摘
もありましたように、
研究会
でも、
情報公開制度
で特段の
必要性
がなく一般
国民
に開示される
文書
が
提出義務
の
対象
にならないのはおかしいのではないか、それは、論理的
関係
というよりも実際の問題としてそうならないのはおかしいのではないかという御
指摘
は多々ありました。中には、論理的にもそうなるべきだという
意見
もありましたけれども。 現在
国会
に
提出
している
法案
では、結論としては、
情報公開制度
で開示
対象
となる
文書
は、すべて
文書提出義務
の
対象
になる結論になるであろうというふうに考えております。むしろ、
文書提出義務
の範囲が広い場合がある。例えば、個人識別
情報
と俗に言われているものは、
情報公開制度
では開示
対象
になりません。個人の名前がわかるというだけで開示
対象
になりませんが、
文書提出命令
の場合には、個人が識別されるというだけでは
提出義務
の
除外
をされるということはありませんので、少なくともそういう
文書
については、
提出義務
はかかるけれども
情報公開
の
対象
にはならないという類型のものもございます。 それ以外の開示
対象
、
情報公開制度
で開示される
文書
については、切り口や
要件
が違いますから、論理的に絶対そうだと断言するわけにはいきませんけれども、結論としては、そちらで出るものはこちらでも
提出義務
の
対象
になるだろうというふうに考えております。
福岡宗也
18
○
福岡小委員
そうしますと、こうお聞きしていいのですか。 今の話では、論理的な当然の帰結ではないけれども、現在の二つの
制度
、
情報公開
の
制度
と
民事訴訟法
の
提出
命令の
制度
の中で、具体的には、今結論的にですよ、
民事訴訟法
の方が
提出
命令の方が広いと結論を出されましたね。それでいいんですね。そうですが。
深山卓也
19
○深山
説明
員 そのとおりでございます。というふうに考えているということです。
福岡宗也
20
○
福岡小委員
私はそう考えませんけれども、そういう結論ならそれでいいです。また後で、具体的に質問しますから。
漆原良夫
21
○
漆原
小
委員
少し話題を変えて、
立証
責任の問題についてちょっとお尋ねしたいんです。
裁判
では、
立証
責任を負う方の勝ちはまず難しいということをよく言われるんですけれども、今回の場合に、
除外事由
に当たらないということを申立人の方が
立証
しなければならないというふうな体裁になっていると思うのですね。 だけれども、これは全く逆であって、本来
行政
は、その
行政
活動を
国民
に
説明
する義務があるわけですから、そのためにいろいろな
文書
を持っている。そういう意味で、
説明
義務を履行するために
国民
から求められた
文書
があれば、これを開示する積極的な義務をむしろ負っているんじゃないか。そうすると、むしろ
公文書
というのは原則としては開示すべきものだ。こういう考えになりますと、
除外
を主張する側に、すなわち
除外事由
の
存否
を主張する
行政
側の方に
立証
責任を課すべきではないかというふうに思うのですが、この点はいかがですか。
森脇勝
22
○
森脇政府委員
これは、果たしてそういう
立証
責任の問題というのが、こういう付随的な
手続
、
文書提出命令
の
手続
についてどの程度意味を持つのかということが問題になろうかと思います。 一般の訴訟において、訴訟のテーマについて
立証
責任をどちらが負うかというのは非常に重要な意味を持つ場合がございますが、この
制度
はいわば、二百二十条の条文を見ていただきますと、例外という書き方にならざるを得ないものですから、この条文どおりでどっちが
立証
責任を負っているか、条文の立て方からいたしますと、
文書提出命令
の
申し立て
権者が
立証
責任を負っているのではないかということになるわけです。ただ、
裁判
の実務でどうなるかということでございますが、結局、二百二十条の四号の立て方といたしましては、「前三号に掲げる場合のほか、
文書
が次に掲げるもののいずれにも該当しないとき。」こういう書き方に、これは例外の例外という書き方をする
関係
でこうならざるを得ないのですが、そこから申しますと、先生おっしゃるとおり、
立証
責任はこちらかなということになるんですが、
裁判
の実際におきましては、例外事由というのは今申し上げました限られた場合でございますので、例えばロ、「
公務員
の
職務
上の
秘密
に関する
文書
でその
提出
により公共の利益を害し、又は
公務
の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」、この
要件
に当たるので出せませんという、
意見
を述べる方がそれだけのことを
裁判所
に
説明
し切らない限り、この
除外事由
に当たるという
判断
はなされないであろう。 つまり、こういう付随
手続
については、まずもってそういう
立証
責任という厳しいことが言えない世界であるということと、この条文の立て方は、例外を主張する者がまずそれを
立証
すべきもの、こういう運用がなされていくであろうというふうに考えておるところでございます。
漆原良夫
23
○
漆原
小
委員
確認しておきたいのですけれども、私もそのとおりでいいかなと思っているのですけれども、まず
法務省
は、
行政
側に
立証
責任あり、こういうふうに考えているというふうにお伺いしておいてよろしいでしょうか。
森脇勝
24
○
森脇政府委員
事実上の
立証
の、そういう場合に
立証
の負担と言っておりますけれども、
立証
の負担は
行政
側が負うことになる、こういう理解をいたしております。
漆原良夫
25
○
漆原
小
委員
もう一点だけ。 もしそうであれば、優秀な
法務省
なわけですから、何とか条文をいじって、
裁判所
に解釈の疑義を生ずることのないように、
行政
側が
立証
責任を負担するんだよということを何らか条文上明確にできないものなのでしょうか。それを望みたいと思いますが、いかがでしょうか。
深山卓也
26
○深山
説明
員 技術的なことなので私からお答えしますが、この条文が最終的な
法案
になった体裁に至るまでは、
法制審議会
においても、決定
手続
の
要件
について主張
立証
責任というものは観念できるのかというところがら始まりまして、実際上の
立証
の負担を
行政
側が負うことになるという点については異論はなく、そのことを条文に、実は、この二百二十条といいますのは既にある条文の
改正
でございますので、現在ある条文を前提として、どういう
改正
を加えたら一番表現として適当かという点について種々いろいろな案を出しまして
検討
もされました。 その結果、先ほど局長から御
説明
したとおり、今のような記載の仕方、これは
現行
の二百二十条にマッチした条文の書き方ですけれども、今の
法案
のような記載の仕方でも、その点、十分実務上誤解はない。現に私
文書
についても、四号は現在イ、ロ、ハと三つの
除外文書
がありますが、これについて、実務家も含めて、こういう書き方になっていれば、イないしロないしハということを
所持者
の側が、実質、
立証
の負担を負って言わない限りは
提出
命令はかかるというふうに考えられる、
公文書
についてこういう現在の
法案
のような書き方をしても、その点について、おかしな運用になるといいますか、あるいは誤解を招くということはなかろうという
議論
のもとで現在のような
法案
のスタイルになっている、こういうことです。
福岡宗也
27
○
福岡小委員
そのことに関連して、本
法案
では、この
除外事由
の
防衛
・
外交文書
については
監督官庁
の
意見
の
相当性
の
判断
を
裁判所
がする、こういう
規定
の仕方になっているわけですけれども、この場合でも、やはり
監督官庁
の方にいわゆる
除外事由
の
立証
責任というのがあると考えてよろしいですか。
深山卓也
28
○深山
説明
員
監督官庁
は、これは
文書提出命令
手続
の当事者ではございません。あくまで参考
意見
を
裁判所
に述べる立場、当該
秘密
との
関係
では、
秘密
の保持、管理に責任を負っている立場ではありますけれども。ですから、その主張
立証
責任という観念は、この決定
手続
にも主張
立証
責任というものがあるのかどうかという点についてもいろいろ
議論
があるようで、そういうものを普通の訴訟のテーマのような形で観念することはできないという考え方もあるようですけれども、仮に、主張
立証
責任的な物の考え方があるとしても、それは
提出
命令の当事者間、申立人と
所持者
との間での問題ですから、
監督官庁
に主張
立証
責任があるかどうかという
委員
の御
指摘
については、そういう意味では、主張
立証
責任の観念を少しはみ出したところに
監督官庁
というのはいるということになると思います。
福岡宗也
29
○
福岡小委員
私の言っているのは〉
監督官庁
を含めて、
提出
するかしないかということを官庁側で一応一義的に
判断
するわけですね。だから、そのことについての
相当性
の
判断
というものについては、やはり官庁側が拒絶している以上は、一義的に
立証
責任はあるのじゃないか、一般原則からすれば。だから、その適用がやはりあるのじゃないかと思うのですが、その辺はどうでしょうか。
深山卓也
30
○深山
説明
員
法制審議会
でもその点も随分種々の
議論
がされました。
意見
の
相当性
というのは、規範的な評価について、事実の
存否
について本来適用のある主張
立証
責任というのは、仮に決定
手続
に主張
立証
責任の概念を持ち込もうとしても、ちょっと考えがたいのではないか。あるいは、実務的には、
相当
かどうかという
判断
について真偽不明、主張
立証
責任が働くのはいわゆる真偽が、事実があるかないかわからないときに、どっちに不利益を負わせるかという形で働くわけですが、そういう事態というのは実務的に想定できないのではないか。 納得ができる
意見
だと
判断
できるか、全くおかしい、いずれにせよ納得できない、どちらかを決めればいいわけで、ある事実があったかどうかという形で言う主張
立証
責任の分配法則みたいなことを考えるのはなかなか難しいのではないかというふうなことであったと思います、
議論
の
内容
としては。
福岡宗也
31
○
福岡小委員
何とも言えないということでお伺いしていいのですね。
太田誠一
32
○
太田
小
委員長
ちょっとよろしいですか、
福岡
先生。 ここは別に法律の
専門家
だけの
議論
の場じゃありませんので、これは、速
記録
を一般の
国民
が見てもわかるようにということをお考えになりながら、わかりやすいお言葉を使っていただきたいと思います。
福岡宗也
33
○
福岡小委員
わかりました。 もう一点だけちょっと確認したいのですけれども、そうしますと、この
相当性
の
判断
をすることについて、その
文書
自体を
裁判所
に
提出
をして
裁判
官がこれを見るという、通称インカメラと言っていますけれども、そういうような
手続
というのはこの
防衛
・
外交文書
についても適用されるのでしょうか。
深山卓也
34
○深山
説明
員
裁判所
が
判断
するのは
相当
であるかどうかということですけれども、その
判断
に必要だという場合には
インカメラ手続
を用いることもできるという前提で考えております。
北村哲男
35
○
北村
(哲)小
委員
民主党の
北村
です。 今までかなり踏み込んだ
議論
をされているのですけれども、ちょっともとに戻るといいますか、第四号ホを
規定
することによって、今まで、例えば
文書
送付嘱託とかあるいは確定
訴訟記録
法ですか、出せる
手続
があったり、さまざまな形で訴訟上現実に、
刑事事件
に係る訴訟に関する書類とか、そのほかのものも出し得る、実務慣行上かなりのところまで来ていますね。それで、恐れるのは、この4号ホができることによって、きちっと
刑事事件
に係る訴訟に関する書類はだめだというふうに言われると、そういう慣行を
制限
してしまうのではないか、実務上。
裁判
官がこれを見て、ああだめですよ、弁護人が今まではこれを出してくれたのだから出してくださいよと請求したときに、いや、民訴二百二十条にはだめと書いてありますからだめですよというふうな
制限
するような
規定
として働かないかという心配はあると思うのですけれども、そのあたりは、そうじゃないというふうなことはどの辺で担保されるのでしょうか。
勝丸充啓
36
○
勝丸
説明
員 今
委員
御
指摘
の点でございますけれども、まず刑事確定
訴訟記録
につきましては、おおむね年間約一万五千件、閲覧請求……(
北村
(哲)小
委員
「細かく言わなくていいですよ。どこで担保されるかということで、今までの慣行、慣例は言わなくて結構ですから」と呼ぶ)わかりました。 現在、閲覧につきましては、九九%閲覧請求に応じております。九九%以上でございます。その実情を変えるつもりは、
法務省
としては一切ございません。
森脇勝
37
○
森脇政府委員
付加させていただきますと、これは
文書提出命令制度
で、
刑事記録
が
文書提出命令
の
対象
にならない、こういうことを
規定
するわけでございまして、先ほど申しましたような
刑事確定訴訟記録法
、それから、民訴法の中の全く別個の
規定
であります
文書
送付嘱託
制度
、これの解 釈に影響を及ぼすということは、これはあり得ないというように私どもは考えておるところでございます。
刑事記録
について、法制的には全く別個な
制度
に書かれたからといって、ほかの
制度
の運用が変わるという
可能性
はないのではないか、こういうことでございます。
太田誠一
38
○
太田
小
委員長
ぜひ、こういうことが疑問なんだということを、我々一般の
国民
にわかるようにおっしゃっていただきたいと思います。
北村哲男
39
○
北村
(哲)小
委員
わかりにくかったですか。私、一番易しいと思うのだけれども。 続けるのですけれども、さっきから確定
記録
と言われているのですけれども、確定
記録
、この四号ホは、何も確定
記録
ではなくて、現実に生きている
記録
とか、そういうものもあるのですね。むしろそちらの方が私は大事だと思うのですよ。現実に
交通事故
の訴訟をしているときに、損害賠償の訴訟をしているときに、今捜査している
記録
の必要な書類とか、そういうものも出す慣行があるわけですね。それで初めて相手方の過失が
立証
できるわけでしょう。そういうものが出されなくなるんじゃないかという心配があるんだけれども、そのあたりは、今言ったような答えでいいということですか。再度お尋ねします。
太田誠一
40
○
太田
小
委員長
いいですか。今までの、
専門家
同士で話しているからすぐそういう専門語を使うのだけれども、それは皆様の世界であって、我々の世界じゃないのですよ。 刑事確定
記録
というか、取り調べをしたりする
記録
は、確定
記録
というのは、判決が下った後の
記録
という意味でしょう。そして、それは今までも、
提出
命令があってもなくてもですけれども、それは
公開
しなくてはいけないことになっていたから、そこは変わらないなんということは少しも
議論
はないわけですね。 今は、従来、判決の確定前の係争中の、争っている最中の
刑事記録
についてどうなのかということが問題になっているのですか。ちょっとそういうふうに。
森脇勝
41
○
森脇政府委員
お答えいたします。 現在の
文書提出命令
の
規定
は、今おっしゃる刑事の動いている
記録
について
提出
の
対象
にするかどうかという観点から見ますと、これは
提出
の
対象
にならないということになります。今度の法律においても、その動いている
記録
については
対象
になりませんよと、このことは全く同じでございます。 そうして、動いている
記録
について、現在、実務上
提出
されている
部分
がありますねと先生御
指摘
になりますのは、それは、例えば交通
事件
における実況見分調書といったようなものにつきましては、いまだ公判中の
事件
である、あるいは起訴前の
事件
であるといたしましても、その
民事訴訟
における実況見分調書の重要性、それが二度繰り返して行えるものでないという意味での不代替性、そういったような点を考慮して、民事
裁判所
からの
文書
送付嘱託、これは
文書
の
所持者
に対して
裁判所
がいわば任意に
提出
してくださいという依頼でございますが、これに従って
提出
していた
部分
については、何ら
文書提出命令
の
規定
の今回の
改正
によって変更される
事項
ではございませんので、従前どおり
提出
されるであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
太田誠一
42
○
太田
小
委員長
それは、今の
交通事故
の実況見分調書というのは、つまり警察ですか、相手は。だから、相手の省庁が出してもいいと言うから事実出せるということをおっしゃっているのか。そうであるならば、それは相手がいいと言っている話なんだからいいんだということですね。ちょっとその辺は今の御質問と違うと思うのですね。 もともと、相手が嫌だと言っても出せる範囲が狭くなるんじゃないかということを言っておられるわけだから。相手の省庁が嫌だと言っても出せるという法律の範囲が広くなったのか狭くなったのかということ。今のは相手が出してもいいと思っているときの話ですよね。
森脇勝
43
○
森脇政府委員
はい。今の
制度
で申しますと、現在の法
制度
でいきますと、この
部分
につきましては
文書提出命令
の
対象
文書
にならない、まあ引用したりすれば別でございますが、原則的にはそれは
文書提出命令
の
対象
文書
にならない。今回
改正
した後も、
文書提出命令
の
対象
文書
にならない。この点は変わりないわけです。 ただ、それを
刑事記録
ということで
除外文書
として掲げることによって、今任意に出している
部分
が実務上狭まったりはしないのかという御疑問に対しては、その点は別途の
制度
でございますので、変更を及ぼすおそれはないであろう、こういうことでございます。
北村哲男
44
○
北村
(哲)小
委員
一律にここで
除外
されておりますが、
情報公開法
の方は、公判に関するものであっても、捜査
記録
であっても、捜査の何々を害するおそれがあると
行政
の長が認めるに
相当
の
理由
がある場合以外は出さなければいけないのですよ、捜査
記録
であっても。そうなっているでしょう。一律にだめじゃないのです、
情報公開法
は、いわゆる閣法であっても。我々は捜査に影響を及ぼすことが明らかな場合以外は出さなければいけないのですけれども。 だから捜査中の
記録
であっても、今おっしゃったような、例えば
交通事故
の実況見分調書のようなものは、これは別に捜査の妨害とか、個々の捜査に何ら影響がないものだから、
情報公開法
上でも、別にその長がだめだというふうに
判断
しなければ出し得る書類だと思うのですよ。 それを、ここでは一律に禁止しているじゃありませんかというのですよ。そういう意味では、ここでなぜ狭めるのですか。だったら同じような条文を持ってくればいいじゃないですか、全く同じものを。(木島小
委員
「さっきの私の質問に対する答弁と違うのですよ」と呼ぶ)そうでしょう。そういう質問でしょう。僕はやはりそこはぬぐい去れないと思うのですよ、素人的に考えても。僕は本当に、先生みたいに精緻でない、今思いついたことですけれども、どうしてもおかしいと思うのです。
深山卓也
45
○深山
説明
員 先ほど来、何度か同じ点のお尋ねがありましたが、現在
国会
で
審議
中のいわゆる
行政情報公開法案
には、先ほども申し上げたとおり、いわゆる整備法、法律の施行に伴う
関係
法律の整備等に関する
法律案
も同じ閣法として連番で出ております。このいわゆる
情報公開
の整備法の七条、今ちょうどここに
法案
がありますので読み上げますと、「
刑事訴訟法
の一部を次のように
改正
する。第五十三条の次に次の一条を加える。」五十三条の二として「訴訟に関する書類及び押収物については、
行政機関
の保有する
情報
の
公開
に関する法律の
規定
は、適用しない。」これが、
情報公開法
のいわゆる整備法第七条による
刑事訴訟法
の一部を
改正
するという
内容
の法律ですが、これが今、
行政情報公開法
と一緒に
提出
され、
国会
で御
審議
をされている。 先ほどから私どもが、法文上明確に除かれていると言っていますのは、
行政情報公開法
本体ではなくて、いわゆる整備法の七条で刑訴法の一部を
改正
する形で、
行政
情報公開
の
対象
に全くなりませんよ、
刑事訴訟法
に
規定
する訴訟に関する書類、押収物というのはなりませんよという
規定
がございますということを申し上げているわけです。
達増拓也
46
○
達増
小
委員
自由党の
達増拓也
でございます。 外交、
防衛
、警察等に関する
情報
についていわば特別扱いしているわけですね、一般の
公務秘密文書
と違うように。それらの
文書
については、
意見
について
理由
の
相当性
を
判断
ということで、どうして
秘密
なのかという
理由
について
相当
であれば、中身の
検討
をせずに
秘密
であることを認める、
提出
しなくていいというふうにする。その点については
行政
側に有利につくってあるような感じなんですが、もし変な
理由
をつけて
行政
府側が
提出
できないと言った場合、それは
相当
な
理由
ではないということになると、これは中身を見ずに絶対
提出
ということになるのでしょうか。 もしそうだとすると、一般の
公務秘密文書
であれば、
理由
のみならず中身についても
インカメラ等
で見て、これはやはり出せないなというのを
裁判所
が
判断
し得るのですが、
防衛
、外交、警察
関係
について、変な
理由
をつけて役所が断ってくれば中身を見ないで
提出
しろということになると、ちょっとそこは矛盾だと思うのですが、どうなんでしょう。
森脇勝
47
○
森脇政府委員
これは条文の読み方の問題になってくるのだろうと思うのでございますが、これは、
相当
の
理由
があるという場合には却下できるということに意味があるわけでございまして、
相当
の
理由
がないという場合には、他の
要件
を満たしているかどうかという点を
判断
した上で
提出
命令、それは、通常の場合と同じ
判断
がその点ではなされるということで御理解いただきたいと思います。
与謝野馨
48
○
与謝野
小
委員
先ほど、
裁判所
から出せと依頼のあったものは九九%出しているというのですがへその残りの一%というのは一体どういう
理由
で出せなかったのかということを御
説明
いただきたい。
勝丸充啓
49
○
勝丸
説明
員 たまたまここへ参ります前に東京地検の取り扱いの実情を聞いてまいりましたが、昨年一年間でたった一件だけ
記録
をお見せできなかったということがあるようでございます。 それはどういう一件かとお伺いしましたところ、
記録
を見に来た方が某被告人の友人で、どうも最近
裁判
を受けて、覚せい剤、薬をやっているみたいだ、ちょっとどんな
事件
だったのか知りたいのでそいつの
記録
を見せてくれと、ちょっとやくざっぽい方が来られて聞かれた。これはさすがに、被告人といいますか確定した方の更生の問題もございますし、それから
プライバシー
等に与える問題もございます。それで、その一件についてはお見せできないということで断られたということ、その一件が、昨年明確にお断りした一件であるというふうにお伺いしたところでございます。 そのほか若干の例を挙げさせていただければ、やはり
刑事事件
の
記録
には、本人の
プライバシー
に深くかかわったものがすべての
記録
に含まれております。本人の前科
関係
、あるいはまた身上
関係
、どこで生まれて、どう育って、どのような動機でこんなことになったのかということが詳細に書かれておるのが
刑事事件
の
記録
でございます。 これにつきましては、やはりよほどの
理由
で、特別な
理由
で民事
裁判
に必要な
理由
があるということを御
説明
いただいたときにはお見せする場合もありまずけれども、一般的にはへ民事
事件
の証明に
関係
ないであろうということで、むしろその
部分
については申し入れ自体を遠慮していただきたいということも申し上げているということでございます。 そのように深く
プライバシー
等にかかわる事案、あるいは、単に興味本位で来られて、それが被告人あるいは受刑者の更生を妨げるおそれのあるような事案、そういうものが散見されるということでございます。 以上でございます。
与謝野馨
50
○
与謝野
小
委員
それでは、
裁判所
からそういうものを送付してくださいといって依頼されたものについて、過去それを断った
ケース
というのはありますか。
勝丸充啓
51
○
勝丸
説明
員 今御質問の点につきましては、三種類の場合があろうかと思います。 確定
記録
、既に
裁判
が確定したような
事件
の
記録
の場合、それから既に現在
裁判
が進行中の
記録
の場合、それから不起訴
記録
あるいは不
提出
記録
と言われる種類の
記録
、幾つかございますけれども、それぞれ類型によって若干違いますけれども、やはり刑事
裁判
で現在まさにそれを使っているので今はお出しできないというふうなことで、民事
裁判所
に出せない例もあろうかと聞いております。 また、不起訴
記録
の中にも、民事の
立証
とは
関係
のない
部分
、これが入っておりますので、こういうのを一括して送付依頼を受けましたときには、その
部分
は
除外
してくれというふうに述べていると聞いております。統計的なきちんとした数字ではございませんけれども、不起訴
記録
につきましては、おおむね年間千件程度
裁判所
から送付嘱託がございますけれども、そのうち全く応じないという形のものはほんの数%にとどまると理解しております。 以上でございます。
鴨下一郎
52
○
鴨下
小
委員
自民党の
鴨下
です。
文書提出義務
の
除外文書
の中に「医師、弁護士等の
職務
上の
秘密
に属する事実又は技術若しくは職業の
秘密
に関する
事項
」ということがありますけれども、
公文書
に当たる医師の
文書
というのは、これは国立病院だとかなんかの医師なんですか。それとも、民間も含めて、すべての医師を含むのでしょうか。
深山卓也
53
○深山
説明
員 ここで言う医師は、
公文書
の場合には確かに国立病院の医師の場合が典型例ですが、民間の医師が作成した
文書
が
公文書
と一体となっているという場合もあろうかと思います。 したがいまして、民間の医師も国立病院の医師も、医師という資格を持っている以上、全部含まれるということになります。
鴨下一郎
54
○
鴨下
小
委員
そうしますと、民間の医師が作成したカルテもしくは診療明細書等についても、これは
除外文書
に当たるというふうに
判断
するわけでしょうか。
深山卓也
55
○深山
説明
員 今回、二百二十条第四号を
改正
しておりますが、この四号で言う
除外文書
には該当いたしますが、
提出義務
がある場合は四号だけではございません。従前からある一号から三号という別の類型の
提出義務
というのがございます。この一、二、三号に当たる場合にはカルテでも
提出義務
があるということにもちろんなりますが、今回
改正
した四号についての
除外文書
という意味ではそのとおりでございます。
鴨下一郎
56
○
鴨下
小
委員
ということは、今までの流れの中で医師のカルテは原則的に
公開
していこうではないかというようなことに逆行するような
状況
が、これによって生まれる
可能性
もあると思うんですが、その辺についてはいかがなんでしょうか。
深山卓也
57
○深山
説明
員 医師のカルテについて、これまでも民事
裁判
において
文書提出命令
が発令された
ケース
が少なからずございます。これは先生御案内のとおりで、
現行法
のもと、あるいは旧法のもとにおいてもそういう例があるわけですけれども、それは、二百二十条の第三号の
文書
に当たる、カルテが医師と患者との間の法律
関係
について記載した
文書
であるという理解のもとに、三号の
提出義務
がある
文書
として
提出
命令が発令されたものがほとんどであろうと思っております。 先ほども申し上げましたとおり、この三号は今回も全く手を加えておりませんので、その意味では同じような運用になっていくだろうと思っております。
鴨下一郎
58
○
鴨下
小
委員
それでは具体的に、医師が持ち得る
文書
の中で、
除外文書
となるというのは、どういうものが当たるんでしょうか。
深山卓也
59
○深山
説明
員 医師が持ち得る
文書
と言われましても、非常に範囲が広いんですが、ここで言っていますのは、医師が職業上、法律上の守秘義務を負っている
事項
が書かれたものにもちろん限られているわけで、守秘義務を負っていない
事項
が記載された医師の所持する
文書
、これは多々あると思います、それはもちろん
関係
ありませんが。守秘義務を負っている限りは、守秘義務違反を法律によって強制するということを、この四号の一般義務では認めていないということです。
下村博文
60
○
下村
小
委員
自民党の
下村
です。 前の話に戻るんですが、高度の
秘密
に属する
秘密
文書
の件ですけれども、
防衛秘密
とか
外交秘密
とか治安上の
秘密
ですね。これについて、
相当
の
理由
がある場合は
文書提出命令
の
申し立て
を却下し
相当
の
理由
があると認めるに足りない場合に対しては
裁判所
は
提出
を命ずることができる。
裁判所
は実際そういう
判断
ができるのかどうかということについては、やはり監督庁にかなり
情報
を聞く中で
判断
をせざるを得ないようになるのではないか、高度の
秘密
ですから。 その辺の、そういう
裁判所
としての独自性がどの程度できるかどうかということで、
相当
の
理由
があるかないかということについてどんなふうに
判断
できるのかどうか、もうちょっと具体的な
説明
と、それから
行政情報公開法
との関連の中でもこの話は出ていますが、違いがあるのかどうか、この点について
お願い
します。
深山卓也
61
○深山
説明
員
委員
御
指摘
の、例えば
外交秘密
のような高度の
秘密
については、これが
秘密
に当たるかということを截然と
判断
をするということは、外交的な知識や外交
関係
に対する悪影響を予測するというような
判断
に、
裁判
官というのは特別な専門的な知見を持っているわけではありませんので、そもそも
外交秘密
に当たるかどうかの
判断
が、事柄の性質上、
裁判
官にとっては極めて難しいであろう。 そういうことから、より
判断
がしやすいといいますか、
判断
ができ得る、
外交秘密
に当たるということをるる述べた
監督官庁
の
意見
が、合理的な
第三者
として見て、それを読んだときに納得できるものかどうかという形での
司法
審査を加えるというのが、今回の二百二十三条の四項の
規定
でございます。 したがいまして、この
規定
自体が、
裁判
官の事柄の性質からくる
判断
の困難性を緩和するために、いわば、詳しく述べられた
意見
の
相当性
を
判断
する合理的
第三者
として見て合理性のある
意見
だというふうに許容できるかどうかという形で
判断
をする、これであれば常識ある
第三者
であればできるだろうということで、そういう
判断
であれば、
裁判
官であっても十分可能であろうということでできている
制度
です。 それから、
情報公開制度
との
関係
ですが、
情報公開法
に基づく
開示制度
におきましても、全く同様の
事項
につきまして開示、不開示が争われて、最終的には
行政
訴訟になりますが、その際の
司法
審査のあり方あるいはやり方といいますのは、条文の表現が全く同じとは申しませんけれども、実際上はほとんど同じ
判断
をして開示、不開示を決めるという
制度
になっている。そういう意味で、同じような
制度
をとっていますので、整合性がとれた
判断
の仕方になるであろうと思います。
太田誠一
62
○
太田
小
委員長
さっきの、
鴨下
先生、何かこういうことであった方がいいんじゃないかというふうな、ここは自由討論ですから、
鴨下
さん自身のアイデアを提示されていいんじゃないですか。
鴨下一郎
63
○
鴨下
小
委員
具体的な話で、医師の持ち得る職業上の
秘密
を
公開
していこうという流れは確かにあるんですが、そのときに、この
民事訴訟法
の
改正案
については、むしろ私は逆行しているように思えてならないんですよ。ですから、例えば医師の持ち得る
情報
を、これは
除外文書
の一つにするということ、限定的に何かあるんだったらそれはそれでいいんですが、もしそういうようなことで、ここは開示しないんだよというような話を具体的に示していただくと私は大変ありがたい、それ以外のことは
公開
だということなわけでありますから。そこだけ少し最終的に教えていただきたいと思うんです。
太田誠一
64
○
太田
小
委員長
何かこういうことはあるんじゃないかと、むしろ
鴨下
議員の方から言ってもらった方がいいんじゃないですか。大丈夫ですか。そんなに詳しくこのことを勉強しておられるわけじゃないと思いますが。
深山卓也
65
○深山
説明
員 まさに小
委員長
御
指摘
のとおりでへ医師の守秘義務について、
法務省
所管法令でもないこともありまして特別勉強しておりませんけれども、先ほどの繰り返しになって申しわけないんですが、医師法上、医師が法律上守秘義務を負っている
事項
、これだけが
除外
になっている。そうしますと、では具体的に、医師の持っている
情報
のうちどれが守秘義務の
対象
になるのかということについて、ここがまさに不勉強のところなんですが、医師法の具体的な解釈にわたりますので、ちょっと具体的には申し上げかねるということでございます。
太田誠一
66
○
太田
小
委員長
今おっしゃったように、カルテなどについて開示するという
方向
が出ているんだけれども、もちろん今心配されるようなことはあると思うんですね。だから、そこを心配のないようにしておいて、個別具体的には医師法になるんですか、医師法の方の手当てなんですかつ
鴨下一郎
67
○
鴨下
小
委員
一つは、要するに、医師は国家
公務員
の医師もいますし、それから民間に一般開業しているようなお医者さんもいるわけですね。そうすると、その立場において、これが
公文書
に当たるのか、それともそうでないのかという
判断
というのはしておいてもらわないと、最終的に、では民間の人たちがちょっとカルテにメモをしたものも含めてすべて開示できないというようなことにもなりかねないということを私は心配しているんです。ですから、医者の立場によって、カルテに記載されているものは
公文書
なのかそれともそうでないのかという
判断
についてだけ、まず示してください。
深山卓也
68
○深山
説明
員 ここで
公文書
と言っておりますのは、
公務員
が所持するかどうかということ、
公務員
あるいは国が所持すると言ってもよろしいんですけれども。ですから、あるカルテが
公文書
としてのカルテなのか民間
文書
としてのカルテなのかというのは、現在、国あるいは
公務員
が所持しているのかそれとも民間人が所持しているのか、民間人のお医者さんが所持しているのかということで決まるということになります。
鴨下一郎
69
○
鴨下
小
委員
そうすると、国家
公務員
以外の医者が保持しているカルテの
情報
というのは
公文書
に当たらないというふうに見ていいわけですね。
深山卓也
70
○深山
説明
員 そのとおりでございます。
太田誠一
71
○
太田
小
委員長
そうすると、国立病院のお医者さんと一般の開業医は、この扱いにおいて異なってくるというわけですか。
深山卓也
72
○深山
説明
員 医師としての守秘義務を負っている範囲というのは同じですから、守秘義務違反になるから出せませんという
文書
の範囲は、民間のお医者さんだろうと国家
公務員
のお医者さんだろうと同じですが、
公務員
の場合にはまた別途いわゆる
公務員
としての守秘義務を負っておりますので、医師としての守秘義務には反しないけれども、
公務員
としての守秘義務の範囲が全く同じではございませんので、そちらには反してしまうということもあり得ると思います。 したがいまして、
公務員
のお医者さんというのは医師として守秘義務を負うとともに
公務員
一般の守秘義務を負っている、二重のいわば競合的な義務を負っている、民間のお医者さんは医師としての守秘義務を負っているからその
部分
は外へ出せない、こういう一重の義務を負っている、こういう違いはあると思います。
太田誠一
73
○
太田
小
委員長
何かおかしいような気がするね。
鴨下一郎
74
○
鴨下
小
委員
医療上の
情報
について、
公務員
としての
情報
とそれから民間の医者としての
情報
の差というのはあるんですか。
深山卓也
75
○深山
説明
員 医師法の解釈あるいは医師の実務について暗いものですから必ずしも適切でないかもしれませんけれども、医師の負っている守秘義務というのは、先ほどの二百二十条の条文にもありますように、黙秘の義務が免除されるということがございます。これは、患者の
プライバシー
を保護するために医師が守秘義務を負っている
事項
は、その患者さん自身が、これはオープンにしてください、してもらって一向に構いません、医師として
秘密
を守っていただかなくて結構ですということを言えば、それは黙秘の義務が免除されることになると思います。 ところが、
公務員
が負っている
公務秘密
については、これはいわゆる
監督官庁
、
法務省
でいえば
法務大臣
が守秘義務の解除をしない限りは守秘義務を負うということで、やはりその両方の義務というのは少し性質が違うものだと思います。
鴨下一郎
76
○
鴨下
小
委員
私は何を想定してお話をしているかといいますと、最終的に、例えば医療過誤、医療ミスのような問題で民事の問題が生じたときに、
公務員
としての医師とそれから民間としての医師において
裁判
上の差異が出てくるのではないかというようなことを心配しているんですよ。 ですから、そういう意味で、
公文書
として開示できませんというようなことで守られる医師と、それからそうでない医師の差が出てくることについて非常に懸念をするということなんです。
太田誠一
77
○
太田
小
委員長
多分それは、国家
公務員
とか、地方
公務員
でも同じなんですけれども、医師であるから、国家
公務員
として、患者さんが言っても、求めても、あるいは患者さんがそれをいいと言っても、いや、国家
公務員
だから出せませんということにこの法律上はなるのかもしれないけれども、一般常識的に言えばおかしな話で、何でそこで、たまたま国立病院で働いているからそういう特権が、医師としての責任が免れられるのかというのは非常におかしなことだと思いますね。
深山卓也
78
○深山
説明
員 論理的には、
今小委員長
のおっしゃったとおり、二重の義務を負っている以上そういうことは論理的にはあり得ますが、実際上はちょっと
ケース
が想定できません。 通常へ患者さんがいいと言っても、国立病院の医師だから
公務秘密
として出せませんというようなことは、
公務秘密
というのは何でも
秘密
と言えばいいわけではございませんので、公共の利益を害するんだとか
公務
の遂行に著しい支障があるんだということを言えなければいけないわけですけれども、基本的に、そのカルテについて言えば、
プライバシー
の保護が一番問題なんでしょうから、そこについて黙秘の義務が免除されていれば、それは国立病院であれ民間の病院であれ、
公務秘密
に当たるからという
理由
で出なくなってしまうという差異が生ずるというふうには思えませんが、それは具体的な
制度
運営
にかかわることですので、実際の全
公務秘密
についてどうかと言われるとちょっと困りますけれども。
太田誠一
79
○
太田
小
委員長
わかりました。
木島日出夫
80
○木島小
委員
大ざっぱな基本的なことを聞きます。
附則
の二十七条は、
情報公開法
の「
検討
と並行して、総合的な
検討
を加え、その結果に基づいて必要な
措置
を講ずるものとする。」と書いてあるんですね。今この
国会
には、確かに
政府
からも
情報公開法
案が出されていますし、私ども日本共産党も私自身が
提案
者として出しておりますし、野党三党からも出されているわけで、その
公開
すべき幅は全然広さが違います。 この民訴法の一部
改正
法案
は、中を
検討
いたしますと、もう明らかに
政府
案を前提にして物が組み立てられている。これは拙速じゃないか。今、
情報公開法
の方は
内閣委員会
でまだ
審議
中です。今
国会
どうなるかわからない、どう修正されるかもわからない。どういう
情報公開法
ができるのか、できたのか、それを踏まえて、さあそれじゃ
民事訴訟法
はどうするかというので
検討
すべきなんじゃないんでしょうか。
情報公開法
が、
政府
案が修正されれば、この民訴法は当然前提を失いますね。
与謝野馨
81
○
与謝野
小
委員
今の木島さんの話は、正しいようでどうも正しくないような私は気がしているわけです。 それで、この民訴法ができたときに、この条文は確かにいろいろな問題があって、特に弁護士会の
方々
にいろいろな
意見
があったので、いわば妥協の産物として、将来
情報公開法
もできるから、そのときにもう一度
検討
しようやと、そういう話になったわけですつまず第一点の、今回
政府
が出したのが拙速だということは当たらないで、
政府
が自分たちが出した
情報公開法
と軌を一にして出そうとしている努力というのは、むしろ評価してあげた方が私はフェアなんじゃないかなと思っています。 それから、この民訴法の
改正
と
情報公開法
を一緒に
議論
するというのは非常に私は間違っているんじゃないかなと思っているんです。というのは、
情報公開法
というのは、全く利害
関係
人でない、世界じゅうのどこの国の方でも、地球の裏側の方でも
情報公開
を求めるという一般的な
情報公開
、そういう
情報公開
を通じて
政府
が責任を果たすといういわば非常に一般的、抽象化された世界だろうと私は思っているわけです。 ところが、
民事訴訟法
の今
議論
している話は、特定の方と特定の方が
裁判所
で争っていることに関してどこからどう
資料
を手に入れるかという話なんで、その一般的な
情報公開
の世界と、非常に特定分野での争いについての
判断
のためのいろいろな証拠とか
資料
とかという世界と一緒に
議論
するということは、やや
国民
に誤解を与える世界でもあるんだろうと私は思っているんです。 ですから、ただ、この民訴法が最初
全面改正
になるときに、政党間の協議で、
情報公開法
ができるときまでにはこの
部分
は間に合わせようやと、そういう気持ちでいろいろなことをやったことは間違いないんですが、実際法律としては全く異質のものだろう、そういうふうに認識しないと
国民
に誤解を与えるんじゃないかなと私は思います。
福岡宗也
82
○
福岡小委員
今回の
法律案
を見ますと、一応原則的には刑事は認めるという大前提になっておりまして、その点では評価ができるわけであります。
太田誠一
83
○
太田
小
委員長
違う話ですか。
福岡宗也
84
○
福岡小委員
違う話です。
太田誠一
85
○
太田
小
委員長
今、
提出
の時期について両
委員
の間で異論があったので、ちょっとディベートをやってもらった方が、ディベートがあった方がいいから。
木島日出夫
86
○木島小
委員
私も面は違うと思うんですよ。しかし、
提出
を要求され、義務づけられようとしている
文書
は
公務
情報
ですね。
行政
情報
なんですよ。それは同じなんですよ。どこまで出すべきかの要求される分野が、一般
国民
あるいはすべての人から要求されているか
裁判
上要求されているかの違いだけであって、
対象
は同じものを論議しているわけですから、それで私は、さっきの
資料
にもあるように、整合性について要
検討
、留意しろという要望も出るのは当然だと思うのです。 そこでお聞きしたいのです。
行政情報公開法
が今まだ
審議
中です。それで、修正だってあり得るし、我が党案は非常に広いわけですからね。だから私の質問は、民訴法はやはり
政府
の出した
行政情報公開法
あるいは整備法を前提にして論理が組み立てられているのでしょうと、だからあの
政府
の
行政情報公開法
が修正されるならば、この前提が崩れるのでしょうということを確認したいのです。慌てて出したかどうかは非難するつもりはありませんが。
太田誠一
87
○
太田
小
委員長
ちょっと済みません、今言及されている
附則
は。
木島日出夫
88
○木島小
委員
二十七条、この
資料
一。
与謝野馨
89
○
与謝野
小
委員
これは慌てて書いたのでしょう。
木島日出夫
90
○木島小
委員
何がですか。
附則
二十七条、いやいや、結果に基づいて必要な
措置
を講ずると。
森脇勝
91
○
森脇政府委員
これは、二十七条で指示されているところは「
行政機関
の保有する
情報
を
公開
するための
制度
に関して行われている
検討
」これはいろいろな
情報公開制度
を、各国も含めまして、そういうものを総合して日本の
情報公開制度
をつくろうとしている、その
検討
を指しているのだろうと思われます。それで、私どもが特に重点を置いたのは、総務庁で行われておるいわゆる
行政情報公開法
の
検討状況
である、これは言えるだろうと思います。それと「並行して、総合的な
検討
を加え」ろ、これは私どもにおいて総合的な
検討
を加えて、「その結果に基づいて」、それは私どもで行ったその
検討
結果に基づいて「必要な
措置
を講ずる」、こういう
趣旨
であろうと思っております。 したがいまして、そういう
行政
情報公開
の
検討
と並行して私どもも
検討
できる、こういう余地のものとして提起されておりまして「その結果、第二項でその期間は二年ですよというめどまで
規定
することができたのだろうというふうに理解しております。
太田誠一
92
○
太田
小
委員長
ちょっと私が、僭越なのですが、その当時ここにいた者として申し上げますと、当時はこの法律を早くつくれというのが、つまりこっちの方を、
情報公開法
を待たずに早くつくれというのがここの
法務委員会
の大勢であったのです。というのは、ここでもっと踏み込んだ
文書提出命令
ができるような法律を早くつくった方がいいという考え方が強くて、それを
法務省
の方がなし崩し的に先に延ばしてごまかすのではないかということの方をむしろ心配をしていたものですから。もしその当時の正森議員がおられたら、そうはおっしゃらないだろうと思います。
達増拓也
93
○
達増
小
委員
情報公開法
との整合性はやはり大事だと思うのですよ。 例えば、
情報公開法
の方がより広い開示を認める結果になった場合、
裁判所
の
文書提出命令
については、役所がそれは出せないということで
提出
しなかったものについて、
情報公開法
のスキームでその訴訟当事者が別途開示請求すればそれを出してもらったと、それで出してもらったのを持ってまた
裁判所
に戻ってくるということになると、やはり実務上の混乱というか
裁判所
の権威が失墜するというか、そういうことになるので、こっちの
裁判
の方の法律を早く決めたいというのはあるのでしょうけれども、そういう事態が生じていいのかという問題もあると思うのですね。 理想を言えば、
情報公開法
の方が早くできて、ですから役所から直接訴訟当事者が
情報
をとってこれるような世の中になれば、それが理想的なのだとは思うのですけれども。
森脇勝
94
○
森脇政府委員
それはもう御
指摘
のとおりだろうと思います。切り口が違いますので全く同じ条文を構えるということではございませんが、実際の運用の問題としては、
情報公開法
でだれでもが取得できるような
文書
が
民事訴訟法
の
文書提出命令
の
除外文書
に当たってしまう、こういう事態は実際の運用上は起きないであろうというふうに考えておりますが、それを狂わすような
情報公開制度
ができたらどうするのかということになりますと、これは
民事訴訟法
の方を再度いじらなければならないという事態というのは、それはあり得るのだろうと思います。
福岡宗也
95
○
福岡小委員
今の点につきましては、まず私も、前後のことに余りこだわりませんけれども、整合性のあるように、矛盾するような結果になってしまってはこれは混乱を招きますので、ぜひとも整合性を得るような形にこれをしなければならぬというふうに今思うわけであります。 ただ、それで、今回の
規定
の仕方の問題ですね。
情報公開制度
も、基本的に
政府
の方から出されているのも、原則
公開
ということで具体的ないわゆる
除外事由
というのを明記している。今回の
提出
命令についても、一応原則
公開
という立場で立案されているわけですし、
説明
もされているわけです。それは非常にいいことだというふうに思うのですね。 そして、その
除外事由
にしても、やはり具体的に外交
情報
のようなものでも国家の安全とか諸国との間の信頼
関係
を損なわない限りは出せるとか、それから公の
秘密
情報
についても、やはり業務に支障がない限り出せるとか、そういう具体的な
規定
をこれは実際に置いているわけです。 したがって、この
刑事記録
についても、先ほどもちょっと言われましたように、送付嘱託というような形で事実上は、そういう
判断
ですね。要するに、公訴の遂行上支障がないとか、それから
プライバシー
が何とかという
理由
でもってそれに応じたり応じなかったりしておるとすれば、一律に頭から
刑事記録
を
除外
しなくても、
刑事記録
のうち、外交
情報
と同じように
プライバシー
の侵害をするもの、公訴の維持、遂行に支障を来すようなもの、その他あればその他の
要件
も定めて、そういう場合には
刑事記録
は
提出
しないことができる、こういう
規定
でいけば全体としての流れもいい。 最も重要な外交・
防衛
の方は一応
提出
することがあるのにかかわらず、
提出
命令の
部分
だけは
刑事記録
を
全面
的に拒絶して送付嘱託に任せるというのは、これは法律の体裁からしても何かおかしいわけですし、またそんなことで一律に
刑事記録
を、現実に八割から九割ぐらい出ているわけですから、禁止しなければならぬ
理由
もないと思うのですよ。そこのところは何とかそういう形に改めることはできないのでしょうか。
太田誠一
96
○
太田
小
委員長
さっきからおっしゃっていてわからないのは、送付何とかと言っているでしょう。ちょっとそこを
説明
してください。今何を
議論
しているのか、普通の言葉でちょっと言ってくれませんか。
森脇勝
97
○
森脇政府委員
刑事記録
について……
太田誠一
98
○
太田
小
委員長
刑事記録
というのは、要するに取り調べ
記録
でしょう。それで、さっき言ったように
裁判
が終わる前のものですね。
森脇勝
99
○
森脇政府委員
終わる前のものもございますし、
裁判
が確定した後の
記録
もここで言う
刑事記録
に含まれます。 それで、今回の私どもの
法律案
におきましては、それを全部、
文書提出命令
のかからない
文書
、つまり
除外文書
にしているわけでございます。 ただいまの
福岡
委員
の御提言は、その
刑事記録
の中でも、
プライバシー
にかかわりのない
文書
でありますとか刑事公判に影響を及ぼさない
文書
といったような抜き出し方をして、その
部分
についてだけ
除外文書
という
規定
はできないのか、こういう御質問であろうかととらえました。
太田誠一
100
○
太田
小
委員長
それで、さっきからお二人の間に送付何とか、送付何とかと出てくるでしょう。送付というのは特別な法律的な
手続
なのでしょう。だからそれをちゃんとはっきり言ってください。
森脇勝
101
○
森脇政府委員
民事訴訟法
におきましては、今回
検討
とされております
文書提出命令制度
のほかに、二百二十六条に「
文書
送付の嘱託」という
規定
がございます。この
規定
はどういう
規定
かと申しますと、
民事訴訟
の当事者が民事
裁判所
に対して
文書
の送付、つまり送ってくれるようにということを
申し立て
いたします。
裁判所
が当該
文書
の
所持者
に対して送付嘱託ということをいたしますと、それを受けた者は任意に、いわば強制力のない形で
裁判所
に対して
文書
を送付する、そういう
手続
が設けられております。
太田誠一
102
○
太田
小
委員長
済みません。今の
議論
で、
刑事記録
を
文書提出命令
によって出す、出さないということと今の話とどういうふうに
関係
あるのですか。
森脇勝
103
○
森脇政府委員
現在は、原則として、
刑事記録
はどの
段階
においても
文書提出命令
の
対象
の
文書
になっておりません。したがいまして、現在、
民事訴訟
において
刑事記録
を利用しようという場合の
方法
としては二つの
方法
がございます。 そのつちの一つは、
裁判所
に対してただいま申し上げました
文書
送付嘱託の
申し立て
をし、
裁判所
が
記録
を保存しておる検察庁に対して
文書
送付嘱託をいたします。検察庁の方で、これは民事
裁判
において必要であろう、あるいは必要ないであろり、あるいは確定
記録
の場合には、特別に
提出
しない
理由
があるかといった点を
判断
して、任意に民事
裁判所
に対して
記録
を送付するという
手続
がとられております。そのりち、刑事の確定した
記録
については、
裁判所
からの送付嘱託に基づいて、年間千件程度の
記録
が民事
裁判所
に送られておる。 それから一方、確定
記録
以外の現に公判中の
記録
あるいは不起訴
記録
、こういったものについて送付嘱託がある場合もございます。これは
刑事訴訟法
の
規定
によって原則としては非
公開
とされるべきものでございますが、先ほど申しました交通
事件
における実況見分調書のような、その書面の重要性あるいは不代替性、そういったことを考慮して送付嘱託に応じる場合もございます。
太田誠一
104
○
太田
小
委員長
だから、応じているのは、別に
裁判所
が応じているのではなくて検察庁や警察庁が応じているわけだから、この今言おうとしていることは、さっきも言いましたけれども、向こう側の、持っている側の裁量権にゆだねられない
部分
を拡大せよとかあるいは狭めるなということをおっしゃっているわけですね。
福岡宗也
105
○
福岡小委員
委員長
の言われるとおりですよ。結局、送付嘱託で実際の取り扱いは送付したりしなかったりしているという基準は、その被疑者とかまた被告人のいわゆる
プライバシー
の問題と利益という点と、公判を維持するとか捜査の
関係
とかきそういったものの妨げになるというような実質的
理由
でそういう場合は拒絶して、それ以外の場合は事実上出しておみえになるというのが実態だという御答弁です。 そうだとすれば、外交・
防衛
みたいな重要なものでも、それは要するに、
外国
との信頼
関係
もしくは国の安全を害さない限りは出そうといっているのですから、同じような
規定
の仕方にしていいのではないか。捜査
情報
のうち、
プライバシー
を侵害するもの、それからさらにはそういう捜査、公訴の言い分に妨害のあるようなものについては出さないで、それ以外は出しますという、いわゆる
提出
命令の
制度
というものを設けた方がよりすっきりするのではないですか、こういうことを申し上げているわけです。
太田誠一
106
○
太田
小
委員長
わかりました。 それで、さっきから整備法、整備法と出てきて、早口で読むからわからないのだけれども、整備法七条とかいうのは今御
議論
のことと
関係
あるのですか、
関係
ないの。あるのなら、整備法のことをきちんと
説明
をしていただかなくてはいけないですね。あと三分ぐらいしかありませんけれども、何か言い分を。
与謝野馨
107
○
与謝野
小
委員
どうもお話を伺っていると、弁護士の方が訴訟をするのに大変便利なような
方向
に話が行っているので、本当にそうなのかなと私は実は思っているわけです。
民事訴訟
というのはやはりいわば対等に戦うわけでして、そう片っ方だけが有利になるという世界は多分あり得ないのだろうと。 それで、
刑事訴訟記録
というのは、本来は、調書にしろ何にしろ、取り調べをするということは、先ほどもちょっと
説明
ありましたけれども、
相当
踏み込んだ話が調書に載っているわけですよ。そういうものはやはり原則非
公開
ということでないと捜査にも支障が出るし、それからいろいろな面で、被告人であれ参考人であれ、言ったことが将来どんどん表に出てしまうということであると、実際は、
刑事訴訟
の
手続
に重大な支障を来すということはもうわかっているし、特に、被告人の生い立ちとか預金通帳がどこにあるとか、もうありとあらゆることを書いてあるのですよ、調書には。 だから、そんなものがばらばら世間に出るという世界をつくるということを
国会
はやってはいけないと私は思うのです。 ただ、先ほどから
説明
があったように、実況見分調書とか、もうだれがやったってきちんと物理的に確定している話は別に出しても構いません、過去にも出していますと。今までのことが
民事訴訟
に重大な支障を来している場面があったのかといえば、そうたくさんはあったわけではないし、そんな話は実は聞いたことはない、私はそう思うので、きょうはもう時間ですからあれですが、自民党の立場というのは、やはり
刑事記録
は原則非
公開
というのが自民党の立場ですから、そのことは
委員長
にはっきり申し上げたいと思っています。
太田誠一
108
○
太田
小
委員長
時間も参りましたので、きょうはこの辺で終わりたいと思いますが、また、御相談をいたしながら、機会がありましたらば開きたいと思います。きょうは、どうも皆様御苦労さまでした。ありがとうございます。 本日は、これにて散会いたします。 午後三時散会