○上田(勇)
委員 この難民の問題につきまして、どうも
日本は国際社会から見ると非人道的というのでしょうか、余りにも冷た過ぎるのではないかという評価がやはりあるのではないかというふうに思います。これから国際社会の中で
我が国としても積極的な役割を果たしていくという
意味でも、この難民の問題についてももっとオープンな、また柔軟な
考え方で取り組まなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。
いろいろと、社会の構成であるとか地理的な条件について先ほど大臣もおっしゃいました。必ずしも欧米と一律に比較できるものではないかもしれません。結果の数はそういう
意味では比較は難しいのかもしれませんけれ
ども、ただ、いろいろなそういう
手続あるいは対応、そういったものというのはもっと欧米諸国にも見習う点があるのではないかというふうに思うわけでありまして、ぜひとももう少し前向きな対応をこれから
お願いしたいということを要望したいというふうに思います。
最後に、本件とは直接は
関係ないのでありますけれ
ども、実は、成年後見
制度について若干お伺いしたいというふうに思います。
現在は、禁治産あるいは準禁治産の
制度及びそれに基づきます後見、保佐といった
制度というのが、かなり長いこと、
民法制定以来、基本的な事項については余り大きな変更が加えられることなく
制度があるのですけれ
ども、どうも現在の社会では必ずしも十分に機能しない
制度になってしまっているのではないかというふうに思います。このことは、いろいろ
法務省の中でもそういう御意見があるというふうに伺っておりますし、法制審でもそういうような議論が始まっているというふうに伺っております。
特に今の禁治産、準禁治産の
制度を見てみますと、これはやはり一律に行為能力というのですか、それをかなり広く制限してしまうために、日常
生活に必要な
法律行為、それに対する判断まで制限がされてしまう点であるとか、今、この禁治産という言葉が何か必要以上に制限色の強いような用語になっているというようなことであるとか、今戸籍に記載するものですから、どうしても社会的な偏見があって難しい。
もう一つは、今いろいろな介護施設などで、実際に、入っていらっしゃる高齢者の
方々の財産を保護するという
意味で、介護施設の責任者に申し立て権がないというようなこともいろいろな
関係者からは伺って、そういう
指摘があるというのを伺っております。
これから特に高齢化社会が進展していくということを考えると、どうも今のこの禁治産、準禁治産
制度というのは、高齢者の
方々が、本当はそういう
制度がある程度必要なのに実は使いにくい
制度、実際は使い得ない
制度になっているのではないかというふうに思います。そういう
意味で、この
制度の見直し、充実というのが今必要なわけであります。
もちろんこれは個人の権利、
権限を制限することでありますので、それは非常に慎重な議論が必要でありますでしょうし、やはりそういう
制度を
導入する際には、できる限り利用される人、いわゆる高齢者の方などの場合は、あらゆることについて判断能力が完全ではないにしても、通常のことは普通に判断できるというような
ケースが多いわけでありまして、そこでは基本的には自己決定というのを最大限に尊重する、それが、今言われておりますノーマライゼーションがやはり基本になると思いますので、そういう観点が必要であるというふうに思うわけであります。
私、この間、ちょっと
法務省の方から伺いましたら、平成七年ごろから検討が進められまして、ちょうど昨年の九月に、これは成年後見問題研究会、法制審の中の部会の中に設置されている研究会だというふうに伺いましたけれ
ども、報告書が出されました。
基本的には、これからこうした検討を進めて、
民法の
改正につながっていくものになるのかというふうに思いますけれ
ども、今の審議の
状況、それから今後の方針、それからスケジュール、あるいはどういう
制度にしていくのか、そういった基本的なお考えがあれば、ひとつお聞かせいただければというふうに思います。
〔橘
委員長代理退席、
委員長着席〕