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渡辺(博)
委員 ありがとうございました。
アジアの一員として、やはり
インドネシアの
状況、
大変気になるところでございまして、
子供たちの生命の安全を確保していくこと、これが本当に大事なことだと思いますので、適切な
対応をよろしくお願い申し上げまして、順次
質問に入らせていただきます。
今回
提出のありました
学校教育法等の一部を改正する
法律案、この
内容についてでありますが、
内容に入る前に、実は、
大臣も
大変お忙しい中、
毎日政務に携わっているわけでございますけれども、今
文部省の中で
一つの方針としてありますが、
ゆとりある
学校教育、そして生きる力をはぐくむ、こういったものを推進しているわけでありますが、
大臣の
仕事ぶりというのは、まさに
お忙しい中に、本当に
ゆとりがあるのかなという感じがしております。
そんな中でも、私は
大臣ほど全然忙しくありませんものですから、忙中閑ありで、実は先般、
東京芸大奏楽堂の
オープニングコンサートに行ってまいりました。さらには、「
プライド 運命の瞬間」という副題がついておりますが、
東京裁判の様子を
テーマとした
映画の
試写会にも行ってまいりました。
まずは、
東京芸大奏楽堂の
内容でありますが、
奏楽堂は大変すばらしい
状況でありまして、木の香りがまだまだぷんぷんとにおうところでありまして、その中ですばらしい
コンサートを聞かせていただきました。やはり音楽というものは人の心を和ませるものだとつくづく実感させていただいたわけであります。我々
国会議員というのは、まさに忙しい中で、とかくそういった心の
ゆとりというものをなくしてしまうことがあると思います。そうした中で、いっとき、心を休ませていただいたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。
さらには、この「
プライド」という
映画であります。
津川雅彦さんが主演でありますけれども、これは今月の二十三日に一般公開されますが、その前に
議員の
皆さん方への
試写会ということで、その
試写会に参加させていただいたわけであります。
この「
プライド」という
映画、
東京裁判がどのような形で進展していったかというような
内容でありまして、
東條英機を
一つの
テーマとして、人間の生きざまを描いた
映画であります。この中では、当然のことながら、
連合国の、
勝利者側の論理というものが貫かれておりまして、
日本がやはり悪の象徴であるというような
意味合いのものがこの中にうたわれております。そういった中で、
裁判というものが公平に、本当に公正にできたのだろうか、こういったものが
一つの
テーマになっております。
その
裁判の中で、
唯一反対意見、
反対の
判事が
インドの出身であります
パール判事であります。
パール判事は、この
裁判の
正当性について疑問を持っている、
日本が負けて、そしてこれから復活する新しい道を歩んでいく上においては
全員が無罪であるというような
内容の
コメントをしております。
インドにはこういったすばらしい
判事がいたわけでありますけれども、今日、
インドにおいては、先般、
核実験の開始というようなことで大変残念であります。本来
インドという国は、もっともっと人権を大事にした国であるのではないかというふうに思うわけであります。
私は、この「
プライド」という
映画を見たときに、やはり戦後の
日本は、まさにここが起点になるのではないかなというふうに思うわけであります。戦後
教育の中で、自由や平等、こういったものが植えつけられて、
教育の中にしっかりと
根づ
いてきたわけでありますが、この自由や平等というものが本当に正しい
意味で理解されてきたのかな、こういったものが私自身、
一つの疑問としてあるわけであります。
その中で、私の
意見と同様な形で、実は
自由新報の中で
コメントをなさっている
奥野先生の言葉がありますので、これをちょっと引用させていただきたいと思います。「荒む
学校・
教育問題への提言 取り戻したい
日本のこころ」という題でありますが、戦後七年間の
占領政策にそれは起因しているということであります。
その中の一節でありますが、
われわれは、
歴史、とくに戦後七年間の
占領
時代に何があったのかを、丁寧に調べ直してい
く必要がある。例えば、
国会の採決さえ「それ
ぞれの
担当部局が事前に
占領軍側の承認を得て
おかなければならなかった事実を、知らなけれ
ばならない。当時の
日本政府は
占領軍の一機
関、
傀儡政府だったことの
認識に立って、検証
するならば、冒頭に述べたような
学校・
教育の
問題の"病巣"が初めて明らかとなり、というような
内容であります。
したがいまして、これからの問題の中で、この
教育改革を考えるに当たっては、やはり根本から見詰め直していく必要があるのではないかというふうに私は思うわけであります。そういった中においては、まず、この
教育改革にあって、何をどういうふうに変えていくか、ぜひともこの
理念というものをしっかりと掲げていただきたいというわけであります。
その中で、今般、四月二十八日付でありますが、
教育改革プログラムが
文部省より出されました。この中に「
基本的考え方」というものが載っております。この「
基本的考え方」の中で「第一は、心の
教育の
充実である。」ということをうたっております。心の
教育の
充実をしていくことが一番必要である。そしてまた、その前提として、「
我が国の
歴史と伝統、文化を大切にし、豊かな
国際感覚と
独創性に富み、
チャレンジ精神と大胆な
行動力を持ったたくましい
日本人を育成することが不可欠」であるというふうにうたってあります。
しからば、こういった基本的な
考え方に立って、どのような形で具体的な
教育改革を目指していくのか、これを具体的に挙げていただきたいわけであります。ここに述べられた基本的な
考え方がまさに
理念であるのかなというふうに思うわけでありますが、改めて、
文部大臣より、この
教育改革に伴う、その柱となります
理念についてお聞かせいただきたいと思います。