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鉢呂委員 一九四八年が新しい戦後の
農協、その前の
農業会ですとかいろいろあったのですけれ
ども、戦後の発足は一九四八年で、今、私
ども地元に帰れば、
農協の五十周年というのに御招待されて行くわけであります、私は北海道でありますから全国的なものとは若干違うのでありますけれ
ども。特に、
農業生産主体の
農協あるいは農村というのは、今、必ずしも活気がない、活気がある
状態とは言えない
状況であります、ずっと戦後そういうようなことも言われておったのですけれ
ども。
大臣も先ほど言いましたけれ
ども、魅力ある消費者対応、感覚を鋭くした
農業生産というようなことも一部には見られておりますけれ
ども、大半の専業的な
農業者というのは、今、大変大きな戸惑いといいますか、どういった方向に進もうか、みずからの後継者というものは必ずなければなりませんから、そういう形では、今、自営業全般が大変な
状態にあるのかもわかりませんけれ
ども、そういうような感じでおることは事実であります。今、やはりそこに日本の
農業の一番の問題点があるのではないかなというふうに私は強く思っておるわけでありまして、そういう中の
農協の方向というものも、戸惑いは大変大きいということでございます。
今
大臣もおっしゃられましたけれ
ども、
農業白書に、去年のものもことしのものも、例えば住専問題を含めて、
農業団体なり
農協に焦点を当てた書きぶりにはなっておりません。まさに二ページぐらいで、本当に簡単にこれまでの十年程度の
農協の推移を書いてあるだけでありますけれ
ども、今、戦後五十年にして、言ってみれば大きな存亡の危機、総合
農協として本当に生きていくのか、あるいは広域
合併というのは果たしてこれからも農家
組合員にとって価値を見出していくものになるのかどうか、そういう岐路に立っているぐらいの大きなところにあるのではないかなというふうに私は思っています。
概括的に言えば、
農協の純益、農水省の皆さんは、
合併しておりますから、
合併後のものを十年前と比較すると、これは、絶対額はふえております。しかし問題は、
農協の純益が、その伸び率が大幅に低下している、あるいは
マイナスになっておるというところに
一つ大きなものを見なければならないだろう。十年前ほぼ四千
農協ほどあったのですが、今二千
農協に、ですから、半減したという
意味では、
合併は急速に進んでおるわけでありますけれ
ども、特に、その中では
信用事業、いわゆる
金融的な事業については大変大きな陰りが見られております。
大臣も御案内のとおり、
農協というのは総合
農協という形で、いわゆる
信用事業、保険関係の共済事業も含めて共済、この
二つで
農協の金目の面を引っ張ってきた。金目の面といいますか、事業の採算を合わせてきた。その利益でさまざまな営農の指導とか経済事業、販売事業、農産物の販売をするのは、必ずしもこれは
農協としては利益を生まない。逆に、倉庫業を含めて赤字になるというものを牽引してきたのですけれ
ども、ここに至ってこの
信用事業がこういう
状態になってきておるというところで、
農協の
経営自体が大変な
状況になっておるのは事実であります。
それから同時に、
信用事業の大幅な収益減というのは、
大臣も御案内のとおり、
一つは、都市
農協については、今後、
金融市場の自由化ということで、必ずしも利益を生み出せない
状況になったということで、これは、
金融のビッグバンもさらにこれからなるということで、大変な
状況になるだろうと思っています。
同時にまた、いわゆる専業
農業地帯の
農協は、農家の負債が非常に固定化されてきておる、あるいはまた
農業経営は、一見、規模拡大しておるようでありますけれ
ども、全体的には、
農業の生産力といいますか
農業経営というのは衰退傾向に入っている。これはもう統計を見れば明らかでありまして、農産物の総売上高というのは十年前に比べまして減っておる。したがって、それに使う
農業生産資材というものが逆に減っておるという
状況ですから、
農協の取り扱いというものは先細りの
状況になっておるという
状況であります。
そういう中で、これは自主的にやってきておるわけでありますけれ
ども、先ほど言った広域
合併というものをやってきました。同時に、ここに至って、そういう
金融的な要因からさらにこれを推し進めようという機運が、機運といいますか、そうせざるを得ない。端的に言いますと、
早期是正措置で
資本の充実を図るということも勘案して、この
合併というものが現実のものになってきておるわけであります。
実際、
合併をした大型
農協を見ましても、必ずしも
合併のメリットが今現在の
段階でも出ておらないというのも
現状でありまして、同時にまた、
信用事業を中心に
合併がなされてきましたから、その点では、ある程度のスケールメリットというのは出やすくなるのかもわかりません。しかし同時に、
農協というのは総合
農協で進んできましたから、農家
組合員とのさまざまなかかわり合いについて、果たして、郡単位の
農協ですとか一県で数
農協しかないとか一県一
農協も目指そうという今の
状況で、そういう
信用事業以外の、必ずしもスケールメリットだけでははかり得ない、農家
組合員が自主的に参画をした
農協運動と言われておる
状態が果たしてうまくいくのかなという大きな問題点を抱えておるというふうに思っております。
そういう点で、
大臣は、私の話を踏まえて、今のこの
農協のあり方、そういうものについてお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。