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1998-04-09 第142回国会 衆議院 農林水産委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十年四月九日(木曜日) 午前十時一分
開議
出席委員
委員長
北村
直人君
理事
赤城 徳彦君
理事
鈴木 俊一君
理事
松岡 利勝君
理事
小平 忠正君
理事
木幡 弘道君
理事
宮地 正介君
理事
一川 保夫君 石破 茂君
小野
晋也君
小野
寺五典君
大石
秀政
君
金田
英行
君 熊谷 市雄君
佐田玄一郎
君 園田
修光
君
田中
和徳
君 高鳥 修君 中山 成彬君 仲村 正治君 丹羽 雄哉君 萩山
教嚴君
二田 孝治君
御法川英文
君 宮本 一三君 矢上
雅義
君 石橋 大吉君 今田 保典君
仙谷
由人君
樽床
伸二
君
鉢呂
吉雄君 堀込 征雄君 漆原 良夫君 木村 太郎君
佐々木洋平
君
菅原喜重郎
君 二階 俊博君
中林よし子
君 藤田 スミ君 前島 秀行君 岩浅
嘉仁
君
出席国務大臣
農林水産大臣
島村 宜伸君
出席政府委員
農林水産省構造
改善局長
山本 徹君
農林水産省食品
流通局長
本田 浩次君
委員外
の
出席者
参 考 人 (
社団法人日本
食品衛生協会専
務理事
七野
護君 参 考 人 (
社団法人日本
事兼
検査所長
)
新村
裕君 参 考 人 (
日本生活共同
組合連合会常務
理事
)
片桐
純平君
農林水産委員会
専門員
黒木 敏郎君
—————————————
委員
の異動 四月九日
辞任
補欠選任
金田
英行
君
小野
晋也君
木部
佳昭
君
田中
和徳
君
中尾
栄一
君
大石
秀政
君
御法川英文
君
佐田玄一郎
君
奥田
敬和
君
樽床
伸二
君 同日
辞任
補欠選任
小野
晋也君
金田
英行
君
大石
秀政
君
中尾
栄一
君
佐田玄一郎
君
御法川英文
君
田中
和徳
君
木部
佳昭
君
樽床
伸二
君
奥田
敬和
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
食品
の
製造過程
の
管理
の
高度化
に関する
臨時措
置
法案
(
内閣提出
第六五号)
農地法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第七 四号) ————◇—————
北村直人
1
○
北村委員長
これより
会議
を開きます。
内閣提出
、
食品
の
製造過程
の
管理
の
高度化
に関する
臨時措置法案
を
議題
といたします。 本日は、
本案審査
のため、
参考人
として、
社団法人日本食品衛生協会専務理事七野護
君、
社団法人日本食肉加工協会理事
兼
検査所長新村裕
君、
日本生活協同組合連合会常務理事片桐純平
君、以上三名の
方々
に御
出席
をいただき、御
意見
を承ることにいたしております。 この際、
参考人各位
に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本
委員会
に御
出席
をいただきまして、まことにありがとうございます。
参考人各位
におかれましては、それぞれのお
立場
から忌憚のない御
意見
をお聞かせいただき、
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の順序について申し上げます。
七野参考人
、
新村参考人
、
片桐参考人
の順に、お一人十分以内で御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の
質疑
に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、発言の際はその都度
委員長
の
許可
を得ることになっておりますので、御了承願います。また、
参考人
は
委員
に対して
質疑
をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。 それでは、
七野参考人
にお願いいたします。
七野護
2
○
七野参考人
本日、本
委員会
の
参考人
とじて参りました、
社団法人日本食品衛生協会
の
専務理事
をしております
七野護
と申します。 本日は、いわゆる
HACCP手法支援法案
についての御審議の
過程
での
参考人
と伺っておりますので、私、現在、
社団法人日本食品衛生協会
の
専務理事
をしておりますので、それともう
一つ
、
HACCP連絡協議会
の
会長
を去る一月二十八日に仰せつかりました。この点につきまして考えを述べさせていただきたいと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。 まず
最初
に、もう御
案内
のとおりかと思いますので簡単に、
社団法人日本食品衛生協会
は、現在、
一般会員
約百三十万人ということになっております。ただ、
一つ
御記憶願いたいのは、
食品衛生協会
の
会員
は、
業種別
の
会員構成
ではございません。現在、
厚生省
の
食品営業
にかかわります
許可営業種
が三十四
業種
ございます。三十四
業種
すべての
方々
が加盟しておる、加入しているという
団体
でございまして、ちょうどことして創立五十周年を迎えます。
食品衛生法
がたしか
昭和
二十二年に公布されました。その翌年の
昭和
二十三年に
食品衛生協会
が発足した、こういうことでありますので、ことしてちょうど五十周年に当たるということになっております。 当時から、
食品衛生協会
の
理念
と申しましょうか、柱と申しましょうか、これは
食中毒
をゼロにしたいということでございます。ただ、簡単に
食中毒
をゼロにするということは、正直言って至難のわざかと思っておりますが、でき得る限りゼロに近く持っていくというのが
食品衛生協会
の
理念
ということで、現在までいろいろの
活動
をしております。 その中で、
食品衛生協会
の最も力を入れております
活動
と申しましょうか、これが自主的な
衛生管理
でございます。これは
営業者自身
によります自主的な
衛生管理
をやっていこうということで、
協会
が設立されたときから綿々と、延々とやっております。 では、どういう
方法
でやっておるかといいますと、今申し上げましたように、全国百三十万人の
会員
がおられますので、その中から、現在約六万五千人の
方々
に
食品衛生
の
指導員
という形で
仕事
を委託してやっております。これは全く
ボランティア活動
でありますので、その
方々
が、
巡回指導
でありますとか、いろいろな
相談事業
でありますとか、そういうことに日夜御努力願っているということでございます。 前置きはそのぐらいにいたしまして、では、本日
法案
が
議題
に上がっております
HACCP
に関する環境はどうかということであろうかと思いますが、
食品衛生法
が三年前に
改正
になりました、その中に
HACCP
という
手法
が取り入れられたということであります。 そこで、この
HACCP
というのは、
先生
御
案内
のように、コーデックスから示された、世界的にも非常に評価されている
衛生手法
でございますので、当
食品衛生協会
の
会員
の中でも、この
考え方
をできるだけ早く普及したいということでやってきております。 そのためにまず、
先ほど
から申し上げておりますように、私
たち
の
協会
の
一般会員
は、いわゆる
飲食店営業
が主体でございますので、そういう
方々
にもわかりやすいようなガイドブック、教科書と申しましょうか、そういうものをまずつくろうじゃないかということで
仕事
を始めております。 その結果、もう一年になりますが、
平成
九年、昨年の十月ごろに
HACCP
とは一体何であろうかというようなタイトルで、
一般会員向け
の
ルールブック
と申しましょうか、そういうものをつくっております。これは、自分で言うのもおかしいのですが、非常に評判がよくて、
最初
はまあこの
程度
でいいかなと思ったのが、どんどん売れまして、現在また増刷をしておるということでありますので、非常にいいものができたかな、そんな
感じ
がしております。 そんなことで、
HACCP
についていろいろ取り組んでおりますが、
先ほど
から言っておりますように、
食品衛生協会
といたしましては、いわゆる
一般会員向け
のソフトと申しましょうか、そういうことを重視して、まず
HACCP
に対して違和感のない、
HACCP
に関してなじみが持てるようにということで、現在いろいろな形で
仕事
をさせてもらっております。 例えば、現在、私
たち
の
協会
でつくっております「
食品衛生
」という
一般会員向け
の雑誌があります、
機関誌
でありますが。その中に
HACCP
に関する
特集
を、毎年一回はその
特集
を組んでやっております。この点につきまして、また時間がありましたら御説明申し上げたいと思っておりますが、時間がもうなくなってまいりました。 次は、この
HACCP
の
連絡協議会
であります。
HACCP
の
連絡協議会
、これはもう
先生方
も既に御
案内
でございますので簡略に申し上げますが、これは、昨年の五月に
厚生省
、
農林省
の御
指導
のもとに
食品業界
の二十
団体
が集まりまして、
HACCP
に係わる
連絡協議会
、当時はまだ
仮称
でございます。その
事務局
は、当時、
日本食肉加工協会
、ここが
担当
をされておりました。そんなことで五月に発足いたしまして、それで、まず
専門講師
を育てる
講習会
をやろうということで、七月にその
講習会
を行いました。これは、
厚生省
、
農林省
、
行政機関
の絶大な御
支援
をいただきましてやったわけであります。その場で使いましたテキストでありますとか時間割りなどなど、
行政当局
からの御
指導
をいただいて、
専門講師
を
養成
するための
講習会
をまず行いました。その結果、四十九名が修了してございます。 その後はもう御
案内
のように、この
HACCP
の
連絡協議会
、当時はまだ
仮称
でありましたが、これをひとつもっと強化をして、きちんとした形で運営をしていく必要があるんじゃないかということになりました。 そこで、昨年の九月二十五日でありますが、そのときの集まりで当
日本食品衛生協会
が
事務局
をお引き受けするということに相なりまして、ことしの一月二十八日、
HACCP
の
連絡協議会
を正式に
旗上げ
をした、そこで総会を開きまして、不肖私が
会長
に選任されたということでございます。 これにつきまして、もう時間がございませんのでこの
程度
にさせていただきますが、後ほどまた何かございましたら
お話
をさせていただきたい、かように思っております。 なお、この
HACCP
の
手法支援法案
、これについて、
食品衛生協会
、あるいは私が今
会長
を仰せつかっております
HACCP連絡協議会
は一体どう考えるかということでございましょうが、私は、いずれにしても大変有意義な
制度
である、さように考えております。
先ほど
から申し上げておりますように、特に
HACCP連絡協議会
、これは
HACCP制度
を広く普及していこうということでありますから、その点につきましてこの
HACCP
の
手法支援法案
というものが非常に大きな力をもたらすんじゃなかろうかなと期待しております。 なお、当
食品衛生協会
につきましても、
先ほど
から申し上げていますように、もう七〇%から八〇%ぐらいでございましょうか、これが
飲食店営業
ではございますが、やはりその中には、
先ほど
から言っておりますように、
業種
にとらわれておりません。
業種
にとらわれておりませんので、今回の乳・乳
製品
の
HACCP
に対する
承認
、この中に当
食品衛生協会
の
会員
の
施設
が二
施設
含まれております。それを申し添えまして、私の時間がかなり超過してどうも失礼しました。 どうもありがとうございました。(
拍手
)
北村直人
3
○
北村委員長
ありがとうございました。 次に、
新村参考人
にお願いいたします。
新村裕
4
○
新村参考人
日本食肉加工協会
の
新村
と申します。よろしくお願いいたします。 まず初めに、
HACCP手法
についてどう評価しているかということについて
お話
をしたいと思います。 この
HACCP
につきましては、米国におきまして、
宇宙飛行士
にいかに安全な
食品
を提供するかということで開発された
手法
でございまして、その後、ある
食品業界
におきまして、この
手法
を用いたことによって安全な
食品
が製造できるようになったというように聞いております。 私
ども
の
業界
としましては、今から三年前の一九九五年に
食品衛生法
の中で
総合衛生管理製造過程
というものが設けられまして、その
承認制度
が導入されておりますけれ
ども
、これに関心を持ちまして、私
ども
は、
学識経験者
、それから
業界
の
技術者
から成ります
HACCP研究班
というものをつくりまして検討してまいりました。 検討していく中で、今までの
製造方法
と大幅に違うということはございませんけれ
ども
、
あれこれ現場
で
記録
をつけなければならない、そういう煩わしさというのがわかりまして、これはちょっと大変かなというように思ったわけですけれ
ども
、その後、実は私
ども
は、一年半ほど前から
試験検査関係
の
施設
におきましては、よく似た
手法
なんですけれ
ども
、
GLP制度
というものを導入しなければならないということになりまして、昨年四月からその
GLP制度
を導入して実施しているわけです。この
GLP制度
で
感じ
ましたのは、確かに、人のやったことをチェックするということをやっていきますので、煩わしいという面がございましたし、導入当初におきましてはかなり非効率的なこともございましたけれ
ども
、一年たってみますと、今はすっかりなれてしまっている。また、
依頼者
に対しましては
試験成績書
を発行するということをやっておりますけれ
ども
、従来のやり方に比べると
確実性
が高い、いわゆる間違いのない
成績
が出せているというように確信を持っておりますので、この
HACCP
におきましても、恐らく、製造する
メーカー側
からしますと、今までよりは
確実性
の高い
商品
を出せる、そういう
安心感
を持って
商品
が製造できるのではないかなというように思っております。 それでは、この
HACCP手法
を導入するに当たりまして何が重要かということですけれ
ども
、私は二つあるというように思っているわけです。
一つ
は、
施設設備
の整備という問題がある。それからもう
一つ
は、
HACCP
について正しい
知識
を持つ
人材
を
養成
するということであろうと思っております。
施設設備
につきましては、古い
工場
もございます。そういう
工場
は
高度成長期
に
増改築
をやってきているわけですけれ
ども
、その
増改築
の際に必ずしも物の
流れ
がうまくいっていないということがございまして、例えば、裸の
製品
と生肉が接触しやすいような
流れ
ができているということもあり得る。そうしますと、そういう
流れ
を持っている
工場
におきましては
製品
の
安全性
というものが脅かされる
可能性
がありますので、やはりこの
HACCP
を導入してやっていこうということになりましたら、うまく
流れ
るように、例えば壁の位置を取りかえるとかというようなことが必要であろうと思いますし、それから、ネズミとか昆虫が
工場
の中に入りやすいとか、または
工場
の中で発生しやすいような
構造
になっているといったような場合には、それを直すというようなことが必要であろうというように思っております。そういう、
施設設備
が良好な
状態
に保たれて初めてこの
HACCP
というのはうまくいくのではないかなと思っております。 それから、
HACCP
について正しい
知識
を持つ人、そういう
人材
の
養成
ということでございますけれ
ども
、これにつきましては、私
ども
は、「
食肉製品
の
総合衛生管理製造過程
(
ガイドライン
)」という冊子をつくりまして、これを
会員
に
案内
しております。その「
ガイドライン
」をもとに昨年、
説明会
を開催いたしまして、約四百三十名ほどの人が受講しております。それから、ことしの三月にもやはり第二回目の
説明会
を開催いたしまして、そのときは約三百名ちょっとの人が受講しているという
状態
です。この
講習会
は毎年開催していくというつもりでおります。その中で、特に
厚生省
の
総合衛生管理製造過程
の
承認
を得たいという
企業
のためには、さらに
専攻編
という
講習会
を開催いたしまして、そういう
人材
の
養成
に努めているところであります。 それでは、今回出ております
支援法
についてどう評価しているかということで申し上げたいと思いますけれ
ども
、現在、世の中の景気は余りよくないということもございます。
企業
は収益が上がらない、一方では
製品価格
を下げなければならないということもありまして、なかなか
設備投資
に回せる資金的な余裕がないということがございます。そういう
状態
でございますので、今回の
支援法
が出るというのは大変ありがたいというように私はとらえております。これは、私だけではなくて、
企業
の一部の方にも聞きましたら、大変に期待しているということでございましたので、よろしくお願いしたいなと思っております。 以上でございます。(
拍手
)
北村直人
5
○
北村委員長
ありがとうございました。 次に、
片桐参考人
にお願いいたします。
片桐純平
6
○
片桐参考人
日本生協連
の
片桐
でございます。
日本生協連
と申しますのは
生協
の
連合会
でございますが、農協に例えますと、
中央会
と
全農
が二つくっついているような組織でございまして、私はどちらかといいますと
全農系
の、商売をやっている方の者ですから、そういう
立場
から
お話
をさせていただきます。 私
ども
のところでは、
HACCP
的な形での
品質管理
の業務というのは多分、九二年ぐらいからやっているかというふうに思いますが、特に
必要性
ということでの
認識
を強くいたしましたのが、たしか九五年ですか、例のホタテの輸出問題がございました。 私
ども
のところでもよくあるのですが、私
ども
のところと提携している
我が国
の
メーカー
さんで問題がいろいろ出てまいりますときに、どうも
日本
の
メーカー
さんあるいは
現場
での
製品管理
の
思想
といいますか感覚というのは、
最終製品
の
レベル
が
基準
に合致していればいいという、この
考え方
が非常に根強くあります。ですから、今回新しく取り入れられた例の
レトルト
の
基準
がございますけれ
ども
、
レトルト
なんかも、あれは
最後
に
レトルト殺菌
を加えるということがあって、ですから、その前の
過程
というのはかなりの
大手メーカー
でも、皆さんがたまに
工場
でもごらんになるとちょっとびっくりするほどずさんなことを結構おやりになっているものです。まあ少々大ざっぱにやっても
最後
に
高温加熱
をかけますので、確かに、そうそう直ちに
危害
が発生するものではないのですけれ
ども
、多分、発達した国の中でそういう
製造思想
が定着している国というのは、ちょっと
日本
が特殊だろう、欧米に比べて非常に違っているという
感じ
を強く受けておるわけです。
HACCP
というのは、御
案内
のようにあらゆる
工程
、ですから
最後
のところで
冷凍
で締めるだとか、
レトルト
で殺菌するだとかというようなことではなくて、すべての
工程
についての
危害分析
を行い、そこで重要な
管理点
を明らかにしてそれぞれを監視する
方法
を決める、あるいは
管理基準
を定める、こういう
考え方
なわけです。私
ども
、大体年間、
会員生協
に二十億点ぐらいの
商品
を多分供給しているかというふうに思うのですけれ
ども
、これで毎年一万件を超える
商品クレーム
が上がってまいります。ですから五ppm、百万個の
商品
を供給いたしますと
五つクレーム
が上がってくる、こういうような
レベル
にあります、高いか低いかという問題はありますけれ
ども
。 そこで、
クレーム
が上がるときに、大きな
クレーム
になりますと当然、
工場
に入って
原因究明
をするわけですけれ
ども
、
原因究明
に足るような
工程
の
作業記録
が残されているということはまず九〇%ないというふうに考えていいかと思います。ですから、
原因究明
が非常におくれる。
記録
があっても使い物にならない、こういう
レベル
がおおむね
我が国
の
提携メーカー
の
レベル
でございます。 何としてでもこれを変えなければならないということで、
先ほど
申しましたように、おおむね九二年から始めまして、九五年までは私
ども品質管理
の
専門部局
で専らその
仕事
をやっておったわけですけれ
ども
、とてももう
状況
に追いつかないということで、九六年からは、実際の
商品実務
にかかわっている、要するに日ごろ
メーカー
さんとおつき合いをしている
担当者
にすべて、毎年毎年の重点の
工場
を決めて、この
HACCP
に基づく
計画
をつくらせるという
仕事
をやってまいっております。これで丸二年ですが、現在でほぼ七十から八十件ぐらいの
HACCP計画
が各
提携メーカー
さんとの間で、
大変メーカー
さんにも御協力いただいておるわけですが、でき上がってきておるというようなことであります。 きょうお配りしてございます「
日本生協連
の
商品基準
」というのがございますが、これはその中の抜粋なのです。この一番後ろのところに
チョコクリーム
、
シュークリーム
というのがございますが、これが
シュークリーム系
のある
メーカー
さんとの間で結ばれた
HACCP計画
です。あるいは、その前のところには
冷凍枝豆
がございます、
冷凍枝豆
でこんなことをやる必要があるのかということをおっしゃる方もないわけではないのですが。こんなふうにやってございまして、したがって、当然のことながら、現在進められておりますこの
食品衛生法
の
改正
以降の、
総合衛生管理製造過程
という
制度
の枠を超えてこれらの
作業
を進めておるということでございます。 あわせて、これを進めるために、私
ども
の
商品実務
を
担当
している者に対する
HACCP
の、主に
通信教育
をやらせまして、現在、六十人ちょっとぐらいがこれを修了して、
提携メーカー
さんとの間でここにお示ししたような
HACCP計画
の
作業
を進めておるというようなことでございます。
食衛法
の
改正
があって、その中でこの
HACCP
の
管理手法
というものが
制度
的に取り入れられるということについては大変歓迎するところではありますけれ
ども
、ただ明らかに、今回の場合は
食衛法
上の
製造基準
が決められているものに限っての
措置
でございますので、多分、あとはもう清涼飲料水ぐらいしかたしか
食衛法
上
製造基準
の決められているものはないわけで、これではほとん ど、
HACCP
を
我が国
が少なくとも
国内
に向けて、
国内
の
消費者
に向けて
システム
として立ち上げつつあるというような
状況
では全くないというふうに思っているわけです。 問題は、より普遍的な形でもって、この
HACCP
の
システム
をどういうふうに
我が国
の
製造段階
の
あり方
として定着させていくか、このことが最大の問題でございましてそういう意味でいいますと、今回の一連の
動き
について、もちろん前進しているというふうに私
ども
は考えておりますけれ
ども
、
HACCPそのもの
の
動き
であるかということについて言いますと、若干物は異なっているという
認識
が
一つ
ございます。ぜひ、より普遍的な
システム
としてこの
HACCP
の
あり方
というものを定着させる、そのために
先生方
に一層の御努力をちょうだいできれば、そんなふうに思っているわけでございます。 もう
一つ
は、現在進められております
HACCP
の問題なのですが、
先ほど
も
大変金
がかかるという話がございました。率直に申しまして、この
ガイドライン
がきょうのところにも資料としてございますが、七
原則
と十二
手順
というのがございます。七
原則
というのは、これは確かに
HACCPそのもの
だというふうに思いますけれ
ども
、十二
手順
の特にこの
製造工程一覧図
みたいなものは、これは
HACCP
と連動するものでございますが、少々過度に
ガイドライン
をつくり過ぎているというふうに思っております。これでは金がかかり過ぎる。
HACCP
というのは、要するに
品質保証
のための、
品質確保
のための
工程管理
の
システム
ですから、それに対して
製品
の質にかかわる問題まで
ガイドライン
に持ち込もうとしているというのが、これは
多分食衛法
の
改正
の
流れ
から出ているからという
感じ
はするわけですが。これですと、多分
大手
さんはともかく、中小の
メーカー
さんはかなり
設備投資
をやったりいろいろしないとこれはやれないという要素が出るし、第一、実務的にこれはむちゃくちゃ大変だろうというふうに思います。 ここは、もっと普及させるためには、こんながちがちの品質
レベル
の
管理
と
工程
の
管理
というものをもっと区分をして、
工程管理
の
レベル
でもって
システム
の
思想
が普遍化する処置をとるということをしないと、現在やられているような品種の限りではともかくとして、これは普遍化することはできないというふうに思っております。ぜひ、そういう意味では、この
HACCP
の
システム
をどう
我が国
全体のものにしていくかということについて御検討を継続的にしていただければと思います。 もう
一つ
は、最大の問題は肉と魚の問題でして、魚については輸出問題があっていろいろ
業界
での検討も進んでいるようですけれ
ども
、
国内
向けに魚をどうするのだというのがございます。それから、精肉をどうするのだというのがございます。この生鮮の領域が大変難しいというのは私
ども
も実務に携わりながら思うところでございますけれ
ども
、国民の保健衛生という
立場
からいえば、この領域についてどういうふうに、例えば屠場であるとか魚のプロセスセンターであるとか、こういうところでの
HACCP
の
あり方
ということについてぜひ今後御検討を賜る必要があるのではないか、そんなふうに思っているところでございます。 時間が参りましたので、そのあたりで終わります。(
拍手
)
北村直人
7
○
北村委員長
ありがとうございました。 これにて
参考人
の
意見
の開陳は終わりました。
—————————————
北村直人
8
○
北村委員長
これより
参考人
に対する
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。矢上
雅義
君。
矢上雅義
9
○矢上
委員
自民党の矢上
雅義
でございます。きょうは
参考人
の皆様方、大変お忙しい中ありがとうございます。 ただいまの
参考人
の皆様方の
お話
を聞きますと、
HACCP
の
必要性
は紛れもない事実でございますが、
最後
片桐参考人
がおっしゃいましたが、やはりコストパフォーマンスの問題も
一つ
の大きなテーマではないかと思っております。 そこで、まず第一番目に
七野参考人
にお尋ねしたいわけでございますが、
食品衛生協会
におかれまして、
HACCP連絡協議会
をつくられて
専門講師
を四十九名
養成
されておるということでございますが、その四十九名の数、これから将来、さらにその
専門講師
の数が必要なのか、またその
専門講師
の
方々
、対象となった
方々
の経歴はいかなるものか、また雇用形態等についてお聞かせ願えればと思います。
七野護
10
○
七野参考人
お答えいたします。 四十九名の研修、
講習会
の修了が既に出ておりますが、これは、
先ほど
お話
ししましたように、一番
最初
、とにかく専門的な講師の
養成
が急務ではないかということになりまして、それで関係の
団体
の
方々
に集まっていただきまして、六
団体
でしたか、
日本食品衛生協会
それから
農林省
の
食品
産業センター、それを含めまして四
団体
、あとはきょうも来ていただいております食肉加工
協会
さんそれから牛乳
協会
さん、それとあとは大
日本
水産会でしたか、もう
一つ
が缶詰
協会
の関係、そういう
団体
の方に集まっていただきまして、そこからおのおの約十名ぐらいずつまず推挙、推薦していただきました。 だから、例えば、当
食品衛生協会
から出したのは、まず、うちの
食品衛生協会
の専門家、検査事業部長をしておりました槇と申しますが、それを一名出しました。それからあと、
食品衛生協会
の方では練り
製品
をやっておられる
会員
の方から一名出していただきました。そのほか、うちの食協の関係では弁当
協会
、そういう
食品衛生協会
と非常に近い
業界
団体
の方から推挙していただきまして、十名というような形でおのおののところが約十名ぐらい推挙して、推薦していただいて、
専門講師
の講習を始めたということであります。それが昨年の七月に行った
講習会
の概略でございます。 今後一体どうするのかということでございますが、やはり五十名ではもうとてもじゃないが焼け石に水だということでございますので、今後は、五十名規模で年に二回ぐらいはやりたいということで、これは、
連絡協議会
の幹事会、普通は
団体
は役員会と申しますが、役員でもあるまいということで、関係六
団体
の方から出ていただきまして、それを幹事という形で幹事会を開いております。一般の
団体
でいうと役員会と考えていただいたらいいかと思っておりますが、幹事会でもこれは了承しております。それから当然、
厚生省
、
農林省
も御了知でございます。 ということで、年二回五十名規模の
専門講師
の
講習会
をこれからやっていきたい、そういうふうに考えております。 なお、足りないところがございましたら、後ほどまたお答えいたします。
矢上雅義
11
○矢上
委員
私が今
専門講師
の概要についてお聞きした根本の理由と申しますのが、御存じのように、米の検査とか繭の検査とか過去いろいろ国営検査がございましたが、これも同じように、
HACCP
の場合もこれからどんどん普及していく場合に、中核となる講師が必要である。ただ、その
方々
が、既存の
団体
からとか
食品衛生協会
で抱えておられる
人材
の中から育成されるのか、逆に、また新しく別途どんどんふやしていって、かつての国営検査のときの検査員の増加の問題のように同じような問題を引き起こして、結局、この
HACCP制度
全体が運営されるに当たりまして、
先ほど
民間の方のコストに転嫁されていくのではないかという、そういうおそれがあるものですからお聞きしたわけでございます。その辺についての御感想はどうでしょうか。
七野護
12
○
七野参考人
言葉が足りなくて申しわけございませんでした。 今後、まず
専門講師
を
養成
していきますが、これは氏名その他は全部公表いたします。それで、そういう
業界
団体
で活用していただけるように オープンにしていきたいと思っております。 なお、私ごとを言って申しわけありませんが、
食品衛生協会
で専門講習をした、今現在専門講習の修了者は、うちの
食品衛生協会
関係のところではかなり講師として引っ張りだこでございます。 以上でございます。
矢上雅義
13
○矢上
委員
それでは、次の質問に移らせていただきます。 実は私は、今回の
法案
でもう
一つ
懸念しておるのが、
設備投資
が過大になる、そうすると一般的には、
大手
の
食品
メーカー
さんでは既に着手されておりますが、中小、さらには零細
企業
にわたりますと、なかなかお金がなくて
設備投資
する余裕がない。そうなりますと、特に
大手
の
メーカー
さんは外国の農産物を利用されて加工されておられるところが多うございますが、それに対しまして地方の中小零細業者の
メーカー
の皆さん方は、地場産品といいますか、その地方でとれた農産物を利用して
食品
加工業を営んでおるということでございます。 そうなりますと、この
HACCP制度
が進めば進むほど、
HACCP
を取り入れた
企業
にとりましては、それが差別化、付加価値をつけることでございますので、非常に
商品
としての優位性が高まってまいります。結果として地方の中小零細
食品
加工業者が事実上締め出されることになるおそれもあります。ひいては、
国内
農産物を活用しておった地場産業としての食料加工業者が結果的には干上がってしまうし、また
国内
農産物も干上がってしまうような
可能性
があると思っております。 特に今の段階でこの
HACCP
が進んでおる食肉加工等の部門におきましては、
新村参考人
がお詳しいと思いますが、このような懸念に対しましてはどのような御感想をお持ちでしょうか。
新村裕
14
○
新村参考人
私
ども
は「
ガイドライン
」というものをつくりまして、これはかなりボリュームのある冊子でございますけれ
ども
、その冊子をつくるに当たりまして、中小
企業
においても
参考
になるようなものをつくろうということで、かなり丁寧に仕上げてございます。それを
参考
にすれば中小
企業
であっても導入しやすい、そういう
考え方
でやりましたので、多分中小
企業
においても取り入れやすいのではないかなと思っております。 あと、その設備資金の問題でございますけれ
ども
、
大手
の方が有利ではないかというようなこともございますけれ
ども
、実は、考えようによっては、
大手
はそれだけ大きな
工場
を抱えておりますので、その改修にはやはりそれなりに多くのお金がかかる、小
メーカー
であれば小さい修正で済むということですので、それなりに少ない費用で済むというようなこともあり得ると思いますので、
大手
が有利であって中小が不利であるというようなことはないのではないかというように私は思っております。 事衛生に関しましては、
大手
であろうと中小であろうと、やはり安全な
食品
を提供するということで考えましたら、片方は手抜きをしていいというようなこともないのではないかというように考えております。そういう意味で、ひとしく
衛生管理
をやるということでは、今回の
HACCP
というのはある面ではよかったのかなと。 ただ、準備の
状況
を見ますと、ある面では
人材
の豊富であった
大手
の方が多少は準備が進んでいるのかなという気はいたしますけれ
ども
、私
ども
が二月末にこの
厚生省
の
承認
申請に対してどう対応するのかということで調査させていただきました結果、この春に申請しようとしている
工場
は約七十四
工場
ございます。その七十四
工場
のうちの半分以上は中小
メーカー
ということでございますので、この点に関しても
大手
であろうと中小であろうとそんなに差はないのではないかというようにとらえております。 それからもう
一つ
、地場産業への影響ということでございますけれ
ども
、これは多少は出てくる。要するに、衛生を無視したような原材料を供給されるというのではやはり
HACCP
はおぼつかないということでございますので、そういう面では何らかの選択は働くということになろうかと思います。ですから、衛生に対して十分な理解がない生産者というのは、場合によっては将来、商売上差し支えるということが出てぐるかもしれません。ただ、これはちょっと私が個人的にそう思っているだけで、どのようになるのかはわかりません。 以上でございます。
矢上雅義
15
○矢上
委員
新村参考人
が
大手
と地方との比較もされましたが、ただ、残念ながら
大手
は、原材料とか人件費の安い生産地に、外国も含めて、今主に外国でございますが、海外に展開する。海外に展開する
工場
群の割合の方が
国内
に置いておる
工場
の数よりも圧倒的にまさる時代でございますので、
一つ
の
工場
の
設備投資
が過大であったとしても、現実にかかるコストである人件費とか材料費等はやはり
大手
企業
の方が有利な
立場
にある。それに比較しまして、地場でしか生きられない地場の零細
食品
加工業者はそこから離れられないというデメリットもございますので、よく御
認識
いただければと思います。 また、さらに、今回
HACCP手法
が非常に世界的に見ても必要不可欠なものであり、
日本
国内
においても必要であるということは十分私も
認識
しておりますが、ただ、今回、衆議院の調査室の資料等を見ましても、
HACCP
がすべてであり従来の
衛生管理
手法
がだめであるという視点に立ちますと、ただいま
新村参考人
のお言葉にもありましたが、
HACCP
を導入しないということはある意味では衛生を無視した
メーカー
ととらえられやすい。衛生を無視するという言葉も、余り行き過ぎますと、やはり
先ほど
私が申しましたように中小零細
企業
が結果的に締め出しに遭うのではないか、そういう懸念も
感じ
ております。 ですから、きょう
片桐参考人
の
お話
を初めて聞いたんですけれ
ども
、官の世界からつくる
基準
、
HACCP手法
、官が主導で自主的に民間にやってもらうわけですけれ
ども
、やはり官主導の
ガイドライン
というものはどうしても厳しいものになりやすい。もしこれを全国的に普及させるのであれば、やはり簡便な形、本当に必要不可欠な、核だけを取り出した
HACCP手法
の普及のための
ガイドライン
というものは、将来的につくっていくべきなのかなと。法律が今検討されておる段階でこういうことを申すのは不謹慎かもしれませんが、将来にわたって早い時期に、やはり全国まで普及させるのに値するような
ガイドライン
の見直しというものは必要ではないかと、きょう
参考人
の
お話
を聞きまして痛感したところでございます。 以上でございます。ありがとうございました。
北村直人
16
○
北村委員長
以上で矢上
雅義
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、堀込征雄君。
堀込征雄
17
○堀込
委員
参考人
の
方々
、本当にきょうはありがとうございます。大変また、いろいろ教えていただきまして、勉強になりました。二、三点質問をさせていただきたいと思います。
最初
に、
片桐参考人
、大変勉強になる御
意見
をいただきました。つまり、
HACCP
のための
HACCP
じゃないよ、私
ども
は、
工程管理
、
品質管理
、分けたいろいろな、つまり
消費者
に安全な
食品
をいかに供給する
システム
ができているかが問題ですよというようなことをおっしゃられたというふうにとったわけでありますが、そういう意味では、この
手法
が普遍的なものになっていくという発想、
思想
をどういうふうに広めていくかということが大事だろうという御指摘もございました。 そういう意味で、今度の法律で国が指定、認定とかいろいろなことをしていくわけでありますが、これから実際の事業の中で仕入れを行う場合に、そういうことよりも、つまり
HACCP
の方式を取り入れているかどうかというよりも、実際自分
たち
の目で見て、その
工程
などが
消費者
の要望に沿うものであるというところの方が大事だというふうに、ちょっとさっきの
意見
で私は受けとめたのですが、現在、実際にそういうような仕入 れ姿勢といいますか、おやりになっているのでしょうか。あるいは、将来その辺はいかがお考えでございましょうか。
片桐純平
18
○
片桐参考人
難しい御質問なんですが、今度の
承認制度
ができまして、このこと自体は、例えば加工肉であるとか乳
製品
であるとか、こういったものでできましたので、確かにこれで、
承認
を得た
工場
での取引というものについてはかなり安心できるといいますか、我々自身がむだな努力をしなくてもいいという面はあるわけです。 そういう意味では、このこと自体はありがたいことだというふうに思っておるわけですが、ただ、
先ほど
申しましたように、非常に限定された領域ですし、かなりの部分は私
ども
自身が、
メーカー
さんと御協力しながら、こういう
方法
でやってくれとかそれじゃできないとかいう、独自のものをつくっていくしかないというのが現在の
制度
ですから。
先ほど
の
お話
もございましたけれ
ども
、もうちょっと民間
レベル
で、もちろん努力しなければこれはできないのですけれ
ども
、比較的負担なくできる
方法
というのはまだあるというふうに思っていまして、第一、
HACCP
だと
設備投資
しなければならないなんというのはよほどの、それは
レベル
の低いところは
HACCP
でなくたってしなければならないのであって、一定の
レベル
にあるところでよほどの
設備投資
をしなければならないという実態は、僕はほとんど理解できない、手を加えなければならないのは事実ですけれ
ども
。 そこら辺はもう少し、そういうことを言うと、僕は口が悪いからそう言うのですが、やはり官がやるとだめですね。民間に任せた方が、僕はむしろいいというふうに思っているのですけれ
ども
。
堀込征雄
19
○堀込
委員
最後
に非常にいい言葉を聞かせていただきました。やはりその点が心配でありまして、しかも、これは官でやると全国画一、しかも各県の保健所を初め、いろいろな
指導
が行われていくわけでありますが、そういう意味では、民間的
手法
をどういうふうに取り入れながらこの
制度
の普及を図るかというのは、非常に大事なんだろうというふうに私は思います。 時間がありませんので、
七野参考人
にお尋ねをいたしますが、
お話
を聞いておって、なかなかこれから大変だな。要するに、今
連絡協議会
を設けて
講習会
をやっている段階だ、普及をやっている段階なんだということでありますが、これは、今度の法律は政府のやる役割がかなり限られておりまして、あとは事業者
団体
が手挙げをしてやっていく、こういう法律になっています。この辺の手挙げの見通しをどういうふうに、各
業界
みんなかなり手を挙げてくるだろう、そして積極的にこの法律に沿ってやっていくだろうという見通しを持っておいでですか、いかがですか。
七野護
20
○
七野参考人
お答えいたします。
連絡協議会
は、
先ほど
から
お話
ししておりますように、現在発足したところであります。それで、一月二十八日に総会を開きまして、関係
団体
に参加の申し込みを現在しております。それで、一応三月末日までということで申し込みを受け付けておりますが、現在のところ、五十六
団体
が
HACCP連絡協議会
に加入したいという申し出がございました。これで五十六
団体
、この
程度
かな、そういう
感じ
がいたしております。 あとは、
先ほど
から言っておりますように、この
連絡協議会
に申し込まれた方、
会員
になられた方、これの御
意見
をちょうだいいたしまして、これからの、例えば専門講習をやる場合にどういう職種が一番希望されておるのかとか、いろいろ細かい点をまずお伺いいたしまして、皆様方の御要望にできるだけ沿えるような形で
講習会
をやっていきたい。第二回目でありますが、実際、実質的に
連絡協議会
が発足して初めてでありますから、そのあたりのところは、せっかく申し込んでいただいた
方々
に満足していただけるようにやっていきたいな、さように考えております。 以上でございます。
堀込征雄
21
○堀込
委員
もう
一つ
、そこでこの指定
基準
の尺度について、この法律で、技術的能力や経理的基礎の問題だとか、あるいは役員の問題だとか、
高度化
計画
の指定業務の公正さの問題だとか、いろいろなことが法律に書いてありますが、この指定
基準
の尺度について、さっき官の話もありましたが、法律ですから、かなりきちんと書いてあるわけであります。この尺度について何か要望がございますか、特にこの
法案
。 どちらがいいのでしょうか。
七野参考人
もしくは
新村参考人
、どっちになりますか、これは。
業界
団体
の指定の問題です。
七野護
22
○
七野参考人
お答えいたします。 そのあたりのところは、正直に言いまして全くまだ情報がございません。ですから、これから、この
法案
が通りましてからいろいろな情報がいただけるもの、そう思っておりますから、それから考えていきたい、さように考えております。 以上でございます。
堀込征雄
23
○堀込
委員
それで、
先ほど
協会
の
お話
もお聞きをしておりまして、
ガイドライン
をつくって、ガイドブックをつくって理解、なじみの段階だということでありますが、なかなかこれは、五年の法律でこれは大変だなという
感じ
を実は受けておりまして、一層の御努力をいただきたいと思います。 そこで、
新村参考人
にお尋ねをいたします。 この前提としてGMP
制度
の話が
先ほど
ありまして、非常に興味深く聞かせていただきました。実際は、これは都道府県でいろいろ
指導
されておりまして、いろいろな問題点もあるのだろうというふうに思いますが、しかし一年ぐらいで大体なれてきて、つまり、
HACCP
の基本的な前提であるGMP
制度
に大体なれてきていますよ。 やはりこれは、あれでしょうか、そういうことを注意深く、あるいは努力をすれば、一年ぐらいで大体そういう仕掛け、仕組みというようなものについては行き渡っていくという自信をお持ちになった、こういう
お話
でございますか。いかがでございましょうか。
新村裕
24
○
新村参考人
一年で普及するというのは、やはりちょっと無理があるだろうと思っております。
HACCP
システム
について説明をいたしましても、やはり
現場
に基づいてあれこれ
管理手法
を考えていかなければならないということで、全く各
工場
とも共通という
考え方
よりは、
工場
独自の
考え方
というものでやっていかなければなりません。 ところが、私
ども
が説明しますのは、一般共通的な話、それからトレーニングするにしても一般共通的なところでトレーニングをするということになります。ですから、今度は、
工場
の
技術者
は自分
たち
に合うような形で改めて考え直すということが必要でございますので、一年の間にということはなかなか難しい。もうしばらく時間はかかるのではないかなと思っております。 以上です。
堀込征雄
25
○堀込
委員
先ほど
の
お話
で、もう一点だけ伺うておきたいわけであります。 要するに、
施設
整備が
増改築
の際非常に、そのときにこの発想を入れてきちんとやっておかないともう大変だよという
お話
がございました。これは、やはり資金も相当要るし、今度の
制度
、五年間の
臨時措
置で、金融と税制の
措置
は講じているわけであります。これは、貸し付け条件等これからいろいろ出てくるわけでありますが、非常に役に立つ
制度
だというふうにお考えでございますか。もう少し積極的に
支援
策があった方がいいというふうに今日の
食品衛生
上の問題としてはお考えでございますか。率直な
意見
を聞かせてください。
新村裕
26
○
新村参考人
私自身は、
制度
としては歓迎したいなと思っておりますけれ
ども
、その税率等につきましては、世間的な相場というのもあるのではないかと思いますので、それについては一いいか悪いかという判断はちょっと難しいところでございます、借りる
企業
側からすると、それは安い方がいいということではあろうかとは思いますけれ
ども
。 以上です。
堀込征雄
27
○堀込
委員
済みません、もう一点お願いします。
HACCP
導入で、この導入にかかわらず、
大手
の量販店さんやあるいは
生協
さん、隣にいらっしゃいますが、最近、非常に要望が強くなっておるのだろうと思うわけであります。この辺の要望というのは、何といいますか、それによって、できるだけこたえていく努力をされているのだろうとは思いますが、なかなかこたえ切れない、すぐにはこたえ切れない
メーカー
、
企業
なんかがあって問題が出ているようなことはございますか、ございませんか。
新村裕
28
○
新村参考人
現時点ではそれほど強い要望が出ているという話は聞いておりませんけれ
ども
、もう既に二年ほど前から、流通側の方から、おたくは
HACCP
を導入されますかという質問を受けたという話は幾つか聞いております。ただ、いついつまでに導入しなさいとか、導入しないと取引しないよというところまではまだ言われていないようですけれ
ども
、ある
程度
工場
が
承認
されるということになりましたら、その時点では、またそのような要望が強くなるということもあり得るかなというように思っております。
堀込征雄
29
○堀込
委員
最後
に、
片桐参考人
にもう一点だけお尋ねしたいのですが、要するに
消費者
側のコスト意識ですね。例えば、
食品衛生
にかかわってこういう方式を導入するよと、多少
商品
が高くなつてもそこは理解できるのだよという、あるいは、それは
企業
努力でやるべきだよというようなことになるのか、その辺だけちょっと、最近の
消費者
傾向、あるいは
生協
連としてどういうお考えを持っていらっしゃるか、お聞かせをいただきたいと思います。
片桐純平
30
○
片桐参考人
率直に申し上げて、必要な金がかかる、
品質管理
をやるためにはかかる、それを
消費者
が理解しているかということになりますと、必ずしも十分理解しているというふうには考えておりません。そこは、私
ども
はそのことを
消費者
に言うのですが、これはまあ、なかなか大変だという面はあります。そういう意味では、
消費者
側を教育し、変化させなければならない要素は少なくないというのが第一点です。 もう
一つ
は、ただし、本来
HACCP
が
商品
価格にはね返るほどのものだというふうには思っておりません。ほかで金のかかることはありますけれ
ども
、
HACCP
を何でこんなに高いものにしてしまったのかというのが、むしろ私
ども
の
認識
でございます。
堀込征雄
31
○堀込
委員
終わります。
北村直人
32
○
北村委員長
以上で堀込征雄君の
質疑
は終わりました。 次に、宮地正介君。
宮地正介
33
○宮地
委員
新党平和の宮地正介でございます。 きょうは、
参考人
の皆様方におかれましては、大変に御多忙の中を当
農林水産委員会
にお越しいただきまして、心から感謝を申し上げます。時間も十五分という短い、限られた時間でございますので、率直に御質問させていただきたいと思います。 この
HACCP
は、やはり国民の、
消費者
に対する
食品
加工品の
衛生管理
、
安全性
、こういう面から、この普及は大変重要な課題であろうと私は考えております。特に、一九九三年のWTO、FAO、こうした
ガイドライン
が示され、また、
平成
七年の
食品衛生法
の
改正
によりまして、
HACCP
の導入が
我が国
におきましても積極的に推進をされてきたわけでございます。そういう中で、いかにこの
HACCP
を底辺から国民の合意の中で普及拡充をしていくかということが私は大事ではなかろうか、そういう意味合いにおきまして、まず、
日本食品衛生協会
が大変に、
HACCP連絡協議会
をつくられて、六十五
団体
をまとめられて、その普及に積極的に取り組まれることにつきましては、心から敬意を表したいと思っております。 問題は、そうした六十五
団体
の中にも、ある意味では非常に立派な
団体
もあれば、非常に小さい、まだ大変な
団体
もあるわけでございまして、そうした六十五
団体
の
協会
、全
団体
を、いかに
レベル
アップして、普及していくか。 そういう中で、今回、
支援
措置
の法律が、五年間の時限立法、五年以内に廃止をする、こういう時限立法に
一つ
はなっております。それから、もう
一つ
の特徴は、いわゆる任意申請主義という形で、自主的な、いわゆる尊重をしておるということであります。そういうところから、おのずから
支援
措置
についても金融、税制の
措置
ということで、財政
措置
は、
協会
のいわゆる
基準
づくり、
ガイドライン
づくりのところにフォローアップをしているだけ、こういう
状況
であるわけでございます。 まず、
七野参考人
にお伺いいたします。こうした時限立法、五年以内という枠の中で、この普及をしていく中において、この時限立法そのものが、今後の普及の中において果たして大丈夫なのかなという心配を私はしているわけですが、この点についてまず御説明をいただければありがたいと思います。
七野護
34
○
七野参考人
お答えいたします。
先ほど
から申し上げておりますように、
HACCP連絡協議会
は、
HACCP
の
考え方
、
HACCP
を取り入れた
衛生管理
、これを普及していこうということで
連絡協議会
がつくられたというふうに私は理解しております。ですから、当面何をやるかとなりましたら、普及をしていくためには、まずその
専門講師
を
養成
するということが一番大事だということになりまして、
専門講師
の
養成
に一番
最初
に着手しようということになっております。
先ほど
も御説明しましたように、当面、五十名規模、年二回という形でやっていくことになっておりますが、今
先生
お尋ねの、それで一体どの
程度
の手を挙げる人がいるのか、こういうことになりますと、まことに残念ながら、この
HACCP連絡協議会
で、私はちょっと、何ともお答えできません。この
連絡協議会
で、じゃ、どの
程度
の者が手を挙げるか、五年間で大丈夫か、こういうふうな御質問でございますが、今申し上げましたように、今はまだスタートしたばかり、これがもうしばらく、もう一回でも二回でも
専門講師
を
養成
して、また、各
団体
の意向、空気、そういうものがわかってきた段階でないと、今のところ、全く私自身がわかりません。そんなところでお許しいただきたいと思っております。
宮地正介
35
○宮地
委員
食品衛生法
の第七条の三、これに伴いまして、牛乳だとか食肉だとか、いろいろ認定を受けているわけですが、先日も、
日本食肉加工協会
でつくられた「
ガイドライン
」をいただいてまいりました。これは立派な「
ガイドライン
」、大体二年ぐらいかかっておつくりになっておるのですね。 こうしたすばらしい「
食肉製品
の
総合衛生管理製造過程
(
ガイドライン
)」こういうものを各
協会
がつくるとなると、これは大変な人手、またノウハウが必要になってくる。
日本食肉加工協会
であればこそ、これだけのすばらしいものができたのかな。六十五
団体
全部にこれだけのすばらしい「
ガイドライン
」をつくれと言っても、なかなかこれは難しいのではなかろうか。まさに
先ほど
から話が出ていますように、これも
食品衛生法
に基づいて相当つくられておる。中小零細
企業
の事業者に対してこれを全部当てはめてやらせるということには、これはやはり相当な時間と労力と財政的なフォローがないと難しいのではなかろうか、こう思うわけですが、まずこれをつくられた
新村
さん、どのくらいの経費と時間と、またどれだけの人手がかかったのか。またつくられた後、今
協会
内の事業者に対していろいろ
説明会
等で御努力されておると思いますが、中小零細
企業
の皆さんがこれを受けとめて、きちっと対応できるまでにはどのくらいの時間を要するのか、この点について御説明いただければありがたいと思います。
新村裕
36
○
新村参考人
その「
ガイドライン
」をつくるのにどのくらいの費用がかかったかというお尋ねでございますけれ
ども
、ちょっと計算をしておりませんので、よくわからない
状態
なんです。 ただ、それにかかわりました者は、
業界
の
技術者
五名、それから
学識経験者
ということで一名、それから私の七名が参加しておりまして、その中身につきましてはそれぞれが執筆するという形でやりましたので、計算できますのは、その
会議
に要した費用ということぐらいでございます。これは、約二十回ほど開催しておりますけれ
ども
、その費用は一回当たり大体二十万円
程度
でございましたから、二十回やりましても四百万円ということになります。ただ、その原稿を書くに当たりましては、相当の時間をつぎ込んでおりますから、もしその分を計算するということになりましたら、この七名分であれば、一千万円を超えるということもあり得るかもしれません。ただ、これは計算してみないと本当によくわからないということでございます。 その「
ガイドライン
」をつくるに当たりまして、我々が一番日ごろから心配していることなんですけれ
ども
、
食品衛生法
で
食肉製品
の規格、
基準
というのがございまして、その規格、
基準
どおりにつくっていけば、でき上がる
製品
というものは、安全なものということはまず間違いないと思うのです。ただ、一部の不心得な者があって、その者がハム、ソーセージなどで事故を起こすということになりますと、これは
業界
全体に響く
可能性
がございます。ですから、
大手
に有利であるようにとかいうような発想ではなくて、中小でも参加できるようにというつもりで、事細かにその「
ガイドライン
」を作成いたしましたので、結果的には大変にボリュームのある内容になっているということでございますけれ
ども
、実行不可能な内容ではないというように私は思っております。 どの
程度
で普及するかということでございますけれ
ども
、非常に私は大ざっぱに考えておりますけれ
ども
、四、五年の間にうちの
業界
の中には相当浸透していくのではないか。前から
施設設備
に対しての資金的な余裕がないという
状況
がございますけれ
ども
、今回の
支援法
というものは、場合によってはその普及を促進するということにつながるのではないかなというように私は理解しております。
宮地正介
37
○宮地
委員
最後
に
片桐参考人
に、
消費者
と一番接点で御苦労されていることに私も敬意を表しますが、この
HACCP手法
によってつくられた加工
食品
、また
HACCP
の
手法
が導入されていない加工
食品
、こういうものが今表示の中では全くわからない
状態
になっているわけです。今後やはり国際的な
流れ
の中で、この
HACCP手法
の導入が非常に普及促進されていく中で、
消費者
からもこうした
HACCP手法
によってできた
食品
なのかどうかという選択の求められてくる機会というものが、だんだん時代とともに強くなってくるのではないかという
感じ
もするわけです。JAS法との関係とか
食品衛生法
との関係もありますが、現段階において、この
HACCP手法
と表示の関係についてはどういうお
考え方
をお持ちか、ちょっと御
意見
を伺っておきたいと思います。
片桐純平
38
○
片桐参考人
HACCP
といいますのは、食料品から家庭用品に至るまでの
工程
の
管理
にかかわる
システム
の問題であって、
消費者
側にとっては、その
商品
が正常な形で提供されているということを保証するための
システム
にすぎないのであって、
HACCP
をとっている
工場
だからいい
商品
ができるなどということはございません。 要するに、最低のスタンダードを確保しているという、そのための
システム
が
HACCP
なわけですから、そのことについて、若干最近出ておりますが、うちの
商品
はこういう
HACCP
認証を受けた
工場
だ、そういうような宣伝をすること自身が、むしろモラルの問題として問題だというのが私なんかの
認識
です。それは当然やらなければならないことをやっているということを言っているのにすぎない。したがって、その
商品
に表示するなどということはあり得ないことだ。
工場
にどこかぺっと張るとかというのは、それはあるかもしれませんが、そういう
レベル
の問題だというふうに思います。
宮地正介
39
○宮地
委員
じゃ、終わります。
北村直人
40
○
北村委員長
以上で宮地正介君の
質疑
は終わりました。 次に、一川保夫君。
一川保夫
41
○一川
委員
自由党の一川保夫といいます。 きょうは、
参考人
の皆さん方、大変御苦労さまでございます。できるだけ重複しない内容で皆さん方にお尋ねしていきたいというふうに思います。 まず
最初
に、
七野参考人
にお伺いしたいと思いますけれ
ども
、我々、地方のいろいろな皆さん方の声を聞く中で、特に今回のこういった
法案
、
制度
がスタートしょうとしている中で、特にそれぞれの地域に地場産業的なものがありまして、大変零細的な
企業
がたくさんこういう
食品
製造にあるわけでございます。特に、そのそれぞれの地域の伝統
食品
的なもの、そういうものも含めて、最近は地域おこし、村おこしと称して、農林水産行政の中でも農村の活性化という位置づけの中で、そういうものも奨励しておるわけでございますけれ
ども
、本当に地域の手づくり的なもの、そういうものを
一つ
の
食品
としてというか
製品
の一種のPR材料にしているところもあるわけです。そういうような
食品
製造という
一つ
の
流れ
というものは、地域にはたくさんあるわけですけれ
ども
、そういうものと、今回のこういう
HACCP
法という
制度
がスタートすることについてどういうお考えをお持ちか、そのあたり、今後どういうふうに対応していかれるおつもりなのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思いますけれ
ども
。
七野護
42
○
七野参考人
今の
お話
、いわゆる地方における地場産業の問題でございます。 実際問題といたしまして、私
たち
の
食品衛生協会
の
会員
は、
先ほど
から申し上げておりますように、飲食店業が七〇%から八〇%を占めるというのが大体の数字であります。ただ、もちろん
食品
製造業、例えば菓子の製造業でありますとかそういう製造業の
方々
ももちろん含まれております。例えば豆腐の製造業、納豆製造業、そういうものももちろん含まれております。 そこで、そういうものをこれからどうやっていくのかということでありますが、当
日本食品衛生協会
のスタンスといたしまして、
HACCP
の概念、
HACCP
の
考え方
をまず周知徹底をしていきたいな、そう思っております。
先ほど
から何回もいろいろなところから話が出ておりますように、
HACCP
をやらないとどうにもならないということではないので、要するに
HACCP
というのは
一つ
の
衛生管理
の
方法
なんですね。 ですから、そういう概念を取り入れて、今後物をつくったり物を販売したり、販売業でもそうですね。それから飲食店の営業もそうですね。そういうことで、
HACCP
の
考え方
を導入した形で、いわゆる
日本食品衛生協会
が今まで進めておりました自主的な
衛生管理
の
手法
の中に取り入れていきたい、そう思っております、現在は。ただ、残念ながらもうちょっと時間がかかるかと思っております、隅々まで徹底するのには。そういう考えでございます。 以上でございます。
一川保夫
43
○一川
委員
ありがとうございました。 次に、
新村参考人
に、
先ほど
、
最初
御
意見
を述べられた中にちょっと触れられましたけれ
ども
、最近非常に景気が低迷して、それぞれいろいろな面で
設備投資
が大変な時期である。あるのだけれ
ども
、しかし、事この問題についてはそんなに抵抗はないのではないかというような趣旨の
お話
があったような気がするわけですけれ
ども
、そのあたり、もうちょっと
お話
ししていただければありがたいと思います。
新村裕
44
○
新村参考人
最終的にはやはり
企業
の生き残りというところにつながるのではないかなという心配を各
企業
とも持っているわけですね。要するに、流通側の方から
商品
選択というのが働くのではないか。流通側の方からしますと、
安全性
の高いといいますか、
安全性
が確実な
商品
を買いたいというのが働いてくるであろう。 そうしますと、それを説明しようとする
企業
側からしますと、
一つ
は、
総合衛生管理製造過程
の
承認
工場
になっているということが説明の理由になってくる
可能性
がありますし、
承認
がとれないまでも、
HACCP手法
を取り入れて
商品
を
管理
していますということを言わざるを得ない、そういう
HACCP手法
を取り入れてやっていますということが説明できる要素になるであろうというようなことでございますので、やはり各社とも、各
企業
ともそれなりの努力をしていくことになるだろうというようにとらえているわけであります。
一川保夫
45
○一川
委員
次に、
片桐参考人
に、
先ほど
の当初お述べになった中でちょっと確認しておきたいことなのですけれ
ども
、本来、
HACCP
のこの
手法
というのは、
先ほど
のお答えにもありましたけれ
ども
、そんなに経費のかかるものじゃないというような
お話
とか、若干
品質管理
の部門に深入りし過ぎているというような
お話
もちょっとあったような気もしています。もう少し
HACCP
の
手法
というものは
工程
レベル
の
管理
にとどめるべきだというような御
意見
も含めて、我々が当初抱いていた
認識
と若干異なるような見解を述べられたものですから、そのあたりをもう一回ちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
片桐純平
46
○
片桐参考人
先ほど
も申しましたけれ
ども
、
HACCP
をやるということで品質のある
レベル
を確保するというのは、少々乱暴な言い方ではありますが、ちょっと違いがある。要するに、微生物の事故を起こさないだとか異物が入ってこないだとかいうようなことは、だから
商品
事故ですよね、
商品
事故をどう防ぐかということは
HACCP
がやらなければならないことなんです。しかし、仕様書どおりに
商品
をつくる、例えば乳
製品
でこういう
レベル
の牛乳を確保してというのは、そもそも
HACCP
の
仕事
なのかどうかということになりますと、若干違うというのが私なんかの
認識
なんです。
先ほど
来、
業界
が出されております「
ガイドライン
」とかいろいろ
お話
がございまして、「
ガイドライン
」そのものはみんな大変な力作なんですけれ
ども
、あれを全部やらせようとしたら本当に五年でできるのかというのは私なんかも疑問になるわけです。しかし、
消費者
にとって最も来そうになる
危害
をどういうふうに防ぐかということになりますと、もっと手を抜くといいますか、もう少し容易にやる
方法
は何ぼでもあるというふうに思うわけです。 ですから、
先ほど
来、例えば地場産業のような
お話
が出ますけれ
ども
、地場なら地場のその
工場
の、あるいは
工場
とも言えないような
レベル
もありますが、そこの実態に合わせて、このままだとここではこういう問題が起こる
可能性
があるからこれは補修しろだとか、ここのところで原料が入って、その次の
工程
もある、ここではちゃんとした入荷
記録
をちゃんととろうねとかいうことができればいいだけの話なんですね。だから、現実の生産の
現場
に合わせた
HACCP
の
システム
適用の
方法
は幾らでもあるというふうに私なんか思っているわけです。もちろん、場合によって補修しなければならない、
程度
のあれはあるでしょうけれ
ども
、いわゆる投資というほどの金を使わなければならないというのはちょっと違うのではないかというのが私なんかの実感なんです。
一川保夫
47
○一川
委員
今の
考え方
は大変我々も
参考
になったというふうに考えております。 私、個人的にもそういう
考え方
には非常に賛同するところも多いわけですけれ
ども
、これからこういった
制度
が具体的に
動き
出すという時期を迎えておるわけでして、そういう面では、これからもそれぞれの
参考人
の皆さん方の
立場
から大いにまた行政側に対しても御
意見
をちょうだいしたいというふうに思っております。 それから、
片桐参考人
にもう一点お伺いしたいと思うのです。今回の
HACCP手法
導入というものは、どっちかといったら
食品
の
製造過程
の問題にある
程度
絞ってこういう議論を進めておるわけですけれ
ども
、当然ながら
消費者
の手に渡るまでにはその流通段階、販売段階というのがあると思うのです。そういう段階で
製品
のいろいろな
安全性
なり品質面についての問題というのは当然あるわけですけれ
ども
、そういうことについて何か御見解があったらお聞かせ願いたいと思います。
片桐純平
48
○
片桐参考人
HACCP
というのは、基本的に
工場
の
工程管理
にかかわる
システム
だと思っておりますが、今
先生
から御指摘のあったような問題については、ちょうど今、私
ども
はどちらかといいますと業態からいえば問屋みたいなものですから、
メーカー
さんとのおつき合いもありますけれ
ども
、
商品
を流していくというプロセスもあります。こちらの方はむしろ現在ISO9000に入っておりまして、現在の私
ども
の
仕事
の形についてそちらの認証を受けるというふうなことにしております。 多分ISO9000の方が、そういう意味では、最終的にユーザーさんに対してどういう
商品
を決められた
基準
でお届けできるかということを進めていく、あるいはそれを監査する
システム
としては適当ではないか。ちょっと
HACCP
というのは、もっと焦点がISOに比べれば絞られている体系だというのが私なんかの
認識
です。ですから、今ISO9000あるいは14000が非常に普及しているようですけれ
ども
、こちらをどう促進させるかというふうなのが多分現実的ではないかというふうに考えます。
一川保夫
49
○一川
委員
次に、
新村参考人
にもう一点お伺いしたいのですけれ
ども
。
先ほど
、こういった
HACCP手法
の導入以前の問題だというふうな位置づけだと思いますけれ
ども
、いろんな
施設
整備、そういうものが前提として当然整備されていないと、以降のいろいろな
工程管理
に当然ながらいろいろな意味で影響するわけですけれ
ども
、そういった
施設
整備というものが、今
参考人
の例えば
業界
の中でどの
程度
の
レベル
に達しているのか、また、そういうものが相当大きな課題として今後まだ残されているのかどうか、そのあたり、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
新村裕
50
○
新村参考人
この
レベル
というのは判断
基準
がございませんので、あくまでも私個人のということになりますけれ
ども
、今のハム、ソーセージをつくっている
工場
というのは、戦後間もなくつくられた
工場
が大部分ということでございます。なおかつ、どちらかというと生産コストをいかに下げるかということで今までは各
企業
とも努力してきた部分がございまして、衛生面の整備というのが少し抜かってきていたのではないかなと思っております。ですから、かなりの
工場
はやはりある
程度
手を入れた方が望ましいのではないかというように私は思っているわけです。 ただ、手を入れなければ
HACCP
はできないのかというと、そうではなくて、それはその
施設設備
に不備があるならあるなりの
衛生管理
の
手法
を取り入れてやっていけばいいわけですけれ
ども
、その
衛生管理
の
手法
を取り入れた場合に、やはり人的な資源の投入といいますか、要するにそういうことをチェックする人間を余分に置かなければならないとか、それから
作業
性が悪くなるというようなこともありますので、そういう意味では、やはり
施設設備
を整備しておくのがいいのではないかというように私は考えております。 以上です。
一川保夫
51
○一川
委員
もう時間も来ましたので終わらせていただきますけれ
ども
、それぞれの
参考人
の皆さん方、大変貴重な御
意見
を聞かせていただきましてありがとうございました。新しい
制度
が
動き
出そうというような段階に来ておりますけれ
ども
、それぞれの
業界
、
立場
から、これからもこの
制度
について厳しい監視をしていただいて、御
意見
をしっかりとちょうだいしたい、そのように心からお願いを申し上げまして、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
北村直人
52
○
北村委員長
以上で一川保夫君の
質疑
は終わりました。 次に、藤田スミさん。
藤田スミ
53
○藤田(ス)
委員
片桐参考人
とそれから
新村参考人
にお伺いをしたいと思います。
先ほど
も質問がありましたけれ
ども
、私も、
片桐参考人
が
HACCP
をなぜこんなに高いものにしてしまったのかと思うという御発言については、そういうことかなという、まだ納得がいきません。私は、島根県、鳥取県のカニ
工場
、
HACCP
を導入しているところに参りました。年商十五億、消費税が上がりまして十三億に年商が落ちたというところが、二億をかけて
HACCP
を導入しております。この社長さんがおっしゃるのは、今までは
HACCP
を導入したことで、ある
程度
宣伝文句になってよかったけれ
ども
、これから
HACCP
がどこもかもやるようになったら、そういうものがなくなって一層困難になる、
HACCP
にこれだけのお金をかけて進めるということが困難になるということをおっしゃっておいででありました。
生協
は、
HACCP
を導入するために取引先への働きかけが大変活発だなとお伺いしましたけれ
ども
、中小零細
企業
が中心のこの
企業
に対して、投資力、技術力、それから
人材
の面の非常に困難が多い相手に対してどういう配慮だとか援助を行っていらっしゃるのか、お伺いしたいわけです。
新村参考人
にあわせてお伺いいたしますが、今、不況のもとで、設備に回す余裕が非常に少ないという御発言は私もそのとおり思っておりまして、大変せつない思いをしております。私
ども
日本
共産党は、流通側の要望が大変強くなって、それに対応しなければもう排除されてしまうんじゃないか、そういう事態も考えられる中で、中小零細
企業
が負担をできるだけ軽減する、そのために国が
施設設備
に対してどう援助するかという点では、今回の融資だけではやはり不十分であって、思い切って助成をしたらどうか、これが国民的な食の安全ということにつながるものであればあるほどそれは助成を行ったらいいじゃないかということです。実は今回、
HACCP
導入の融資に反対するわけじゃもちろんありませんが、それを補足する助成という意味で修正案も提出しているわけです。実際のところ、政府に対しての応援をもう少し率直にお聞かせをいただけたらというふうに思います。よろしくお願いいたします。
片桐純平
54
○
片桐参考人
今例に出されておりました
メーカー
さんがもともとどういう
状況
のものだったかよくわかりませんけれ
ども
、
先ほど
もちょっと例にお示ししましたけれ
ども
、私
ども
、大体この二年間で七十件ぐらいの
HACCP計画
を、
メーカー
さんというか
工場
と提携しておるわけです。これをやっているのは、私
ども
の通常
商品
を仕入れたり開発したりしている
担当者
が、大体一年に二つぐらいずつやらせておるのです。もちろん基礎的な勉強はさせておりますけれ
ども
、特別何か物すごい人がやっているわけではありません、単なる一般の職員ですから。 それから、これの
レベル
が投資というような
レベル
——大体その
レベル
ですと、相手先で交渉できる人も社長さんとかそんな人とは交渉できませんから、そういうので
先ほど
お示ししたようなものをまとめ上げてきているわけです。
HACCP
というのは要するにハザードアナリシスですから、まず
危害
の分析をするということです。これは大であろうが小であろうが中であろうが、そこをちゃんと分析して手を打つということをしておかないと、それはむしろ後からその会社が大変なことになるんですよ。必ずだめになるのです。その
危害
を分析してそのための手だてをどう打つかというのは、それはあらゆる
企業
の責任に属する問題で、それを
システム
としてやってりく場合に、
HACCP
という
システム
が非常に使いやすい
システム
だ、非常に使いやすい
考え方
だと思っているのですが、そういうものだということなんですよ。 ただ、
先ほど
申しましたように、現在各
業界
で行われているような
レベル
、あれは、
危害
を防御するのではなくて、よい
商品
をつくろうとする
思想
がまざり込んでいるから
HACCP
からずれているのです、だから金もかかるのですが。
危害
がどこで起こりそうかを分析して、それが起こらないようにそれぞれの
工程
ごとに手を打つというのは、それは物をつくる人の基本的な義務の問題なんです。そのことについて、
我が国
のスタンダードとして今
HACCP
が登場しつつあるわけですから、それでもって仮に突然金がかかるとしたら、それまでよほどひどい
製品
をつくっていたということにしかならないのです。そんな実態は普通はありませんから、ざっくばらんに申しますと、入っているコンサルタントがよほど悪いかというような領域の問題がむしろ多いと僕は思います。
新村裕
55
○
新村参考人
この
HACCP
をやるからお金がかかるとかいう議論が何か中心になってきているように思いますけれ
ども
、必ずしもそういうことではなくて、要するに、本来であれば、今まで
工場
の
衛生管理
のためにそれなりに資金投入をやっておくべきであったというのを怠っている
企業
というのもあることはあると。この際、こういう
支援
を受けられるのであるならば、その
支援
をいただいて、より
安全性
の高い
食品
をつくっていこうではないかという
考え方
が
企業
には結構あるわけですね。ですから、そういう姿勢で、今回
支援
を受けられるのであればということで応募するということに多分なるのではないかなと思います。 それで、
先ほど
補助金ではということで
お話
がございましたけれ
ども
、そういう発想は私はちょっとやっておりませんでしたので、どのように御返事したらいいのか、私、今ちょっと考えあぐねているところでございます。
藤田スミ
56
○藤田(ス)
委員
次に、
七野参考人
にお伺いをしたいと思います。 現在、
我が国
での
HACCP
の普及の
状況
について、
HACCP
導入の中心になってこられた、水産加工マニュアル検討
委員会
のメンバーとしても働いていらっしゃいますが、
日本
食品
保全研究会
会長
、元国立予防衛生研究所の
先生
で、河端俊治
先生
を御存じでいらっしゃいますでしょうか。 その
先生
が、「わが国では、
HACCP
に関連する
食品
別のHAのデータや、CCPに関する必要なデータについてほとんど整備されていない。欧米諸国のように国
レベル
での
食品
微生物に関するデータバンクもまったく整備されていないのが現状である」続けて、「わが国では予測
食品
微生物に関する関心は大学、試験研究機関及び
行政当局
も含めて低く、また実際にこの分野に携わってきた研究者は皆無であると言って差しつかえない」という指摘をされて、「このまま行政主導型で形式的な
HACCP
方式は普及しても、それがどこまで実質的に安全で良質の
食品
の生産に寄与できるか疑問である」ということを論文で書いていらっしゃるわけです。 私は、この
先生
の指摘に対して
七野
さんがどういうふうにお考えかということをお伺いしたいわけです。
七野護
57
○
七野参考人
お答えします。 残念ながら、今
先生
の
お話
しになりました論文を私はまだ読んでおりませんので、何とも答えようがございません。 ただ、今
先生
が
お話
しになりましたように、これから
HACCP
を普及、推進していくためには、当然なことに、今私が
会長
を仰せつかっております
HACCP連絡協議会
、これも大きな
流れ
の中の
一つ
にぜひしていきたいなと思っております。 ただ、その場合に、
業界
のお持ちになっているデータ、それから、いわゆる学者
先生
といいましょうか、学問の世界にありますデータ、それから行政サイドが持っておりますいろいろな情報、こういうものを、いわゆる産官学などとよく言っておりますが、やはりこの三者がお互いに、情報公開ではございませんが、データ、情報を持ち寄りまして、例えば
HACCP
を普及していく場合の
専門講師
を
養成
するにしても、現在まで、本当にただ一回だけしかやっておりません。第二回目はまた第一回目の
手法
をそのままやっていかざるを得ないと思っておりますが、おいおい、その都度その都度、今申し上げましたように、産官学からの情報それからデータ、そういうものをちょう だいいたしまして、よりよい、例えばテキストでありますとかカリキュラムでありますとか、そういうものをつくっていって、この普及、推進に努力していきたい、さように考えております。 以上でございます。
藤田スミ
58
○藤田(ス)
委員
突然に申し上げましたので大変わかりにくかったと思いますが、
HACCP
導入の中心になってこられた学者の指摘でございますので、機会がありましたら、どうぞ河端俊治
先生
の論文をお読みいただけたらと。ぜひこういう面での体制整備というのを急がないと、歩調が合わないというふうに私は思っております。 もう
一つ
、
最後
に。 私が特にこういうことに関心を持ちましたのは、私の住んでおります堺市でO157問題が起こりました。このときの問題で大変大きく問題にされたのは、病原性大腸菌O157は当初から輸入牛肉が問題になっていた、それにもかかわらず、実際に国が
食品
検疫も動物検疫も九六年の七月までは行ってこなくて、そのことが大変大きな、実は関心というのですか、もっと強く言えば怒りになったわけです。 そこで、私は
片桐参考人
にお伺いしたいのです。
HACCP
導入ということになれば原材料の衛生ということが問題になりますが、こういう、O157の検査も、現在も検査はしておりますが、輸入牛肉の検査はモニタリング検査でありまして、だから、検査結果が出るまでに輸入を差しとめるということではありませんで、流通してしまいます。結果が出たときは出回ってしまっているわけです。 だから、
衛生管理
の
高度化
のために努力している加工段階の
立場
から、原材料の安全確保、特に輸入農産物の検疫体制、検査体制について御
意見
をお伺いしておきたいと思います。
片桐純平
59
○
片桐参考人
輸入農産物については、現在、ただいま
先生
が御指摘になったとおりの現実があるかというふうに思います。 今、ちょうど遺伝子組み換え
食品
にかかわる
管理
問題もいろいろございますし、ここのところについて特別の体制強化を図っていっていただかなければならないと私
ども
も強く要望するところです。 ただ、今O157の
お話
が出ておりましたし、これはもちろん、もともとは持ち込まれたものだというふうに思いますが、多分、O157、病原性大腸菌は既に
国内
に一般的に存在しているというふうに思っております。そうなりますと、
国内
の畜産についてはどうするか、屠場についてどうするか、ここもまず少しずつ検討が進んでいるようですけれ
ども
、これも非常に大きな問題です。この辺になってきますと、
国内
の屠場、その領域での
HACCP
をどうするかというような問題になってまいりますので、そのあたりもあわせて御検討いただければというふうに思います。
藤田スミ
60
○藤田(ス)
委員
どうも三人の
参考人
の
先生方
、ありがとうございました。これで終わります。
北村直人
61
○
北村委員長
以上で藤田スミさんの
質疑
は終わりました。 次に、前島秀行君。
前島秀行
62
○前島
委員
三人の
参考人
の皆さん、どうも長時間ありがとうございます。時間もたっていますので、簡単に、一、二質問させていただきます。
片桐参考人
に、
HACCP
の受けとめ方といいましょうか、特に
消費者
サイドからという側面での受けとめ方なんです。危険物、ハザードを分析して対応するということだから、当然のことをやっていればどうってことないんだよ、こういうことかなというふうに思うので、当然のことをお互いにやれば大騒ぎすることはないんだ、こういう趣旨かなと思います。同時にまた、
消費者
の側から見ると、
安全性
ということを非常に求めていることも間違いないだろうと思います。 そういう面では、
消費者
に向かって生産したり流通の段階で、
消費者
に提供するさまざまな
過程
の人
たち
が、安心の
一つ
の
基準
として、目安として、ハザードという問題をお互いに消化しているんだ、こういう意味で、この
HACCP
導入というものを受けとめるべきなのかな。 そういう面では、生産の側、流通の側が、提供する
消費者
に向かって、その
一つ
の安全のサインを送るんだ、それが
HACCP手法
の導入なんだ。そういう面で、私は、積極的に受けとめて、取り入れて、その
手法
を導入していって、安全なものを
消費者
に提供する。そういう面では、別に当然のことなんだから大騒ぎする必要はないよ、こういう意味なんだけれ
ども
、やはり世界の
流れ
としては積極的にこのことを受けとめるべきものだ、またそれについて積極的に対応すべきものだ、こういうふうに受けとめるものなのかなというふうに
お話
を伺っているのですが、その辺のところの
認識
の問題、受けとめ方の問題をちょっと改めてお聞かせ願いたいなと思っています。
片桐純平
63
○
片桐参考人
HACCP
というのは、
先ほど
O157の話が出ておりましたけれ
ども
、あのときに家庭内での
HACCP
という議論が随分ありました。全般的なおくれというのもあるのでしょうけれ
ども
、家庭での、あるいは一般的な
消費者
教育の中でこの
考え方
をどういうふうに広げていくか、学校教育を含めてですね。そして、それは家庭の中での自分の身を守るための努力としても、この
HACCP
に示されているような
考え方
でやらなければいけないんだよというようなことが欧米等で比較的一般的に言われている
思想
なわけです。 そういう意味でいいますと、今の段階での議論というのは、食料品の、特に一部の分野についての運用をどうするかという話になっておりますけれ
ども
、本来は、ある種の生活
思想
であり、あるいは
商品
を提供する者の当然の義務の
考え方
として社会的に十分定着させなければいけない、そういうものだというふうに思っているのです。 今回の
食衛法
改正
以降の
動き
というのは、その
最初
のきっかけをつくったという意味で、国の
措置
について大変結構なことだというふうに思いますけれ
ども
、問題は、これからが非常に大変だ。ところが、その入り口のところで、再三申し上げているように、えらく難しくしてしまったものですから、金がかかりそうだとか随分勉強しなければいけないみたいだとかというふうになったものだから、先行きが、余りスムーズにいかないなという不安が私なんかはございまして、
先ほど
来のような申し方をしておるというようなことでございます。
前島秀行
64
○前島
委員
そういう意味で、
片桐参考人
と
新村参考人
に伺いたいのですが、今、
HACCP
思想
といいましょうか、
考え方
の普遍性という提起がありましたので、
HACCP手法
というのは一生産
過程
におけるものなんだ、しかし、すべての食料品の
安全性
を追求するというと、一
過程
の生産だけではなくして、原料といいましょうか資材といいましょうかの段階、あるいは貯蔵したり輸送したり、こういうさまざまな段階の
安全性
が確保されて、トータルとしてこの
安全性
が確保されている、そういう面での
HACCP
思想
の普遍性ということが私は強く大事だろう。 今回の
法案
は、たまたま一
製造過程
、生産
過程
のさまざまな対応だ、そういうふうに受けとりますね。そうすると、今回は今回の問題として、いろいろな受けとめ方、対応がこれからも求められるのですが、それ以外の、例えば
一つ
の
食品
でいうならば、市場とかあるいは屠畜場の問題だとか、貯蔵のための倉庫の問題だとか、あるいは輸送の
あり方
の問題だとか、そういう、生産
過程
だけではないその
安全性
の
管理
というものが求められて、トータルとして高度な
食品
管理
、
衛生管理
、これが
HACCP
思想
的なものなのかな、こういうふうに思うわけですね。 そういう面で、
片桐
さんの方の側から見て、
先ほど
もありましたけれ
ども
、今度の
法案
では届いていない部分というのはたくさんあるのではないだろうか。あるいは、生産の側の
新村
さんの方から見れば、材料の部分で問題があるのではないかという点もあるのだろうと思いますが、その辺のさまざまな、皆さんの側から見て、
HACCP
思 想を普遍化するという意味で、御
意見
があれば伺わせていただきたい、こういうふうに思います。
新村裕
65
○
新村参考人
今
先生
がおっしゃられましたように、私
ども
、ハム、ソーセージ類をつくる場合には、まず原料となる食肉が必要でございます。この食肉は、もっと前にさかのぼりますと、屠畜場で家畜は屠殺され、そして、あと部分肉にカットする食肉処理業者というのがいるわけです。ですから、そちらの方から安全なといいますか、衛生的な食肉を供給していただくという必要がございます。 でも、もっとさかのぼりますと、家畜の生産農家、こちらでやはり健康な家畜を生産していただくというのが本来は必要ではないかなというように
感じ
ているわけです。 それから、あとは原材料として、食肉だけではございませんで、ほかにいろいろな香辛料、調味料、それから
食品
添加物というものを使いますけれ
ども
、そういういろいろな添加剤につきましても安全なものがやはり我々は欲しいという気持ちでございますし、それから、今度はでき上がりました
製品
を売っていく場合、流通側、こちらの扱い方が悪いと、せっかく安全なものをつくっていたにもかかわらず、そこで品物が傷むというような心配もございます。ですから、流通側の協力も必要である。 それから、最終的には、消費をする
消費者
側、やはりこの人
たち
に正しく理解をしていただかないと、我々の努力というのはむだになってしまうということもございますので、そういう意味では、我々加工する側だけではなくて、全体的に
HACCP
の
考え方
といいますか、もっといけば
衛生管理
というようなこの
考え方
が普及していかないとうまくいかないのではないかなというように思っております。
前島秀行
66
○前島
委員
それでは
最後
に、表示の問題を
片桐参考人
に伺いたいのですが、当然のものを当然にやっているんだからという受けとめ方もあると思いますけれ
ども
、
消費者
の側からしてみると、
安全性
といいましょうか、安全に
管理
されているということを確認する意味で、
一つ
、この表示という問題があるだろうと思うのです。それを官でやるか、民で主体的にやるか、これはさまざまな
意見
があるところでありますけれ
ども
。 そういう面では、製造物責任じゃありませんけれ
ども
、製造する側、それから流通する側、あるいはそれを受けとめる
消費者
の側がお互いに責任を持ち合うという意味で、この
HACCP手法
の導入というのを、
一つ
の表示でもってお互いにメッセージを送り合うというのも私はこれからの
一つ
の
方法
なのかな、こういうふうに思うわけです。それがまた、
先ほど
言った
HACCP
理念
の普遍性という
最後
の段階でお互いに必要なことなのかなとも思うわけであります。 そういう面で、JAS法だとかさまざまな既存のものとの関係があるけれ
ども
、私は何らかの表示というものをお互いに責任を持ち合うということ、あるいは
消費者
の側から
一つ
の選択の
基準
とするという意味で表示というものを検討すべきではないだろうかな、こういうふうに思いますが、
片桐参考人
の御
意見
をお伺いしたいと思います。
片桐純平
67
○
片桐参考人
一般的には、
先ほど
申し上げましたように、とりたててこのことがいわば差別化として使われるような要素を持っているわけではないというふうに考えております。 それから、もう
一つ
の問題は、いずれにしても、仮にそういうことについて表示等の
制度
をやるとすれば、もっと社会的にあらゆる
商品
分野でこれがやられる、そういう
制度
ができているというようなことにならないと、加工肉の売り場に行くと
HACCP
と書いてある、ところが隣の調味料売り場にはそんなことは書いていない、どういうことだというだけの話ですから。 それからもう
一つ
は、
消費者
にとってこのことはほとんどまだ、多分学校教育が一番大事だと思うのですけれ
ども
、そういうところでの教育を含めて、こういったものの
考え方
が定着していないという、多分この三つぐらいの要素がございまして、今の段階で少なくとも表示問題というのを考えるのは非常に危険だというのが私なんかの
認識
でございます。
前島秀行
68
○前島
委員
ありがとうございました。終わります。
北村直人
69
○
北村委員長
これにて
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。 この際、
参考人各位
に二言お礼を申し上げます。 本日は、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、まことにありがとうございます。
委員会
を代表して厚くお礼を申し上げます。 どうぞ御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。 これにて本案に対する
質疑
は終局いたしました。
—————————————
北村直人
70
○
北村委員長
この際、本案に対し、藤田スミさん外一名から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。
中林よし子
さん。
—————————————
食品
の
製造過程
の
管理
の
高度化
に関する
臨時措
置
法案
に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕
—————————————
中林よし子
71
○中林
委員
私は、
日本
共産党を代表して、
食品
の
製造過程
の
管理
の
高度化
に関する
臨時措置法案
に対する修正案の提案理由を説明いたします。
食品
の安全を確保するため、
衛生管理
の充実を図る中小零細の
食品
製造業者に対し、政府が
支援
することは当然です。その点で、本法は、国により認定を受けた事業者
団体
が
HACCP
導入のための
施設
整備の
高度化
基準
を作成するとともに、それに適合すると認定された事業者が
施設
整備に際し低利融資を受けることができるようにするものでありますが、本法は全分野の
食品
製造業に
HACCP
を導入することを政府の基本方針として打ち出すものであり、実施されれば
HACCP
の普及が一気に進むことは間違いなく、新たな
設備投資
を行わざるを得なくなる中小零細
企業
への影響は極めて大きいものがあります。 また、
大手
量販店、ファストフードチェーンなどは、
食品
の安全確保を名目に、取引業者に対し
HACCP
を導入するよう要請を強め、中には
HACCP
導入を取引条件とする
動き
もあります。また、零細業者は、
食品衛生法
に基づく
衛生管理
をしているにもかかわらず、
HACCP
を導入していない
製品
は
安全性
が劣るとみなされ、市場から締め出されるのではないかという強い危機感を持っているのです。 我が党の修正案は、中小零細
企業
に対し、その負担軽減を図るため、
施設
整備に必要な資金の一部を国が直接補助することを内容とするものであり、本修正の結果必要とする経費は、平年度約四十八億円の見込みであります。 本法による
支援
は融資にとどまつでおり、国による助成
措置
を追加することにより、中小零細業者の経営に対する影響を最低限に抑えることができるものであり、
食品
または加工の事業の健全な発展に資するという本法の目的を達成するためにも必要な
措置
であると考えます。
委員
各位の御賛同をお願いしまして、提案理由の説明を終わります。
北村直人
72
○
北村委員長
これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御
意見
があればお述べ願いたいと存じます。
農林水産大臣
島村宜伸君。
島村宜伸
73
○島村国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府としては反対であります。
—————————————
北村直人
74
○
北村委員長
これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、藤田スミさん外一名提出の修正案につい て採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
北村直人
75
○
北村委員長
起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
北村直人
76
○
北村委員長
起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
—————————————
北村直人
77
○
北村委員長
この際、本案に対し、小平忠正君外六名から、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、
日本
共産党、社会民主党・市民連合及び岩浅
嘉仁
君の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。赤城徳彦君。
赤城徳彦
78
○赤城
委員
私は、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、
日本
共産党、社会民主党・市民連合及び岩浅
嘉仁
君を代表して、
食品
の
製造過程
の
管理
の
高度化
に関する
臨時措置法案
に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。
食品
の
製造過程
の
管理
の
高度化
に関する
臨時措置法案
に対する附帯決議(案)
我が国
の
食品
製造業は、近年における景気の停滞に加え、加工
食品
輸入の増大傾向、環境問題の顕在化等により、まことに厳しい事態に直面している。 また、
食品
製造業は、国民の
食品
に対する
安全性
志向の高まりに対応して、
HACCP手法
の導入等衛生・
品質管理
の
高度化
が大きな課題となっている。 よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。 記 一 本法の運用に当たっては、中小零細
企業
が大宗を占める
我が国
食品
製造業の実情に十分配慮するとともに、新たな衛生・品質
管理手法
である
HACCP手法
の円滑な導入が図られるよう、関係事業者に対する啓発、
人材
の育成等につき所要の
支援
措置
を講ずること。 また、
製造過程
の
管理
の
高度化
のための
施設
整備が過度の製造コストの増大につながることのないようきめ細かい
指導
を行うこと。 二
高度化
基準
の作成及び
高度化
計画
の認定が適切に行われるよう、指定認定機関である事業者
団体
を適切に
指導
・監督すること。 三
食品
製造業への
HACCP手法
の導入と併せ、生産から流通、消費に至る各段階における
食品
の衛生・
品質管理
の促進に努めること。 四 フード
システム
の
高度化
を推進することにより
食品
産業の競争力の強化と国産農林水産物の利用拡大を図ること。 五
食品
産業にかかる環境問題に対処し、
食品
に由来する廃棄物の減量化・再資源化等への取組みを
支援
するとともに、適正処理のための新技術の開発・普及に努めること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、
質疑
の
過程
等を通じて
委員
各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
北村直人
79
○
北村委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
北村直人
80
○
北村委員長
起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、
農林水産大臣
から発言を求められておりますので、これを許します。
農林水産大臣
島村宜伸君。
島村宜伸
81
○島村国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいります。
—————————————
北村直人
82
○
北村委員長
お諮りいたします。 ただいま議決いたしました
法律案
の
委員会
報告書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
北村直人
83
○
北村委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
—————————————
〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
北村直人
84
○
北村委員長
次に、
内閣提出
、
農地法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。
農林水産大臣
島村宜伸君。
—————————————
農地法
の一部を
改正
する
法律案
〔本号末尾に掲載〕
—————————————
島村宜伸
85
○島村国務大臣
農地法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
我が国
農業の基盤である農地は、国民に対する食糧の安定的供給を図る上で欠かすことのできない重要な役割を担っており、
農地法
に基づく農地転用
許可
制度
の適切な運用を通じ、良好な営農条件を備えている農地を保全していく一方、社会経済上必要な土地需要にも対応してきているところであります。 この農地転用
許可
制度
につきましては、農地の重要性に十分配慮しつつ、地方分権を推進していく観点から、
許可
権限を都道府県知事に委譲すること、また、これとあわせ、行政事務の
基準
をより一層明確化することが重要となってきております。 このため、
平成
八年十二月の地方分権推進
委員会
第一次勧告におきまして、「二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用
許可
は、都道府県に委譲する。この場合、都道府県は、
許可
に当たり、当面、国に事前協議しなければならないこととする」との勧告が行われております。また、
平成
九年三月の規制緩和推進
計画
及び同年十一月の二十一世紀を切りひらく緊急経済対策におきましても、四ヘクタール以下の農地転用
許可
権限については都道府県知事へ移管することが定められております。これらの内容を実施するため、ここにこの
法律案
を提出した次第であります。 次に、この
法律案
の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、農地転用の
許可
権限を
農林水産大臣
から都道府県知事へ委譲することであります。 地方分権の推進を図るため、二ヘクタールを超え四ヘクタール以下の農地転用の
許可
権限を
農林水産大臣
から都道府県知事へ委譲することとしております。 第二に、農地転用の
許可
基準
を法律上明確化することであります。 従来通達で定められていた農地転用の
許可
基準
を法律に規定することにより、行政事務の明確化を図るものであります。 以上が、この
法律案
の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
北村直人
86
○
北村委員長
これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十三分散会 ————◇—————