○一川
委員 今ほどのお話はおおよそ理解できるわけですけれ
ども、我々、農山村に出かけながらいろいろ実態を見ておりますと、最近の米余り現象から、
農村地域でも、
条件の悪いところになればなるほど水田の作付面積というのは当然減ってきておるわけです。それ以外の
農地というのはある程度荒れつつあるわけですけれ
ども。
そういった、
農村地域でも、山間部に近づけば近づくほど水田を作付けする面積が減少してきておるわけですけれ
ども、その奥地にため池というのは位置しているわけです。
例えば、そのため池がちょっと災害を受けて、それを改修しようとした場合でも、当然受益者負担というのはかかってくるわけでございまして、従来は例えば関係者百戸でそのため池を管理していたものが、現状では二十戸、三十戸でそれを管理せざるを得ないというような実態があるわけですね。そうすると、戸当たりの負担ということになれば、当然だんだん大きくなってきているというのは間違いないわけでございまして、そんなに負担金がかかるのであればもう復旧しないで、そのまま放置状態で残してしまうというようなことも中にはあるわけです。
こういったことは非常に、例えばため池というような
施設を取り上げてみましても、
農村地域では大変重要な
農村の資産だと私は
思います。そういうものに対する支援施策をしっかりと心がけていただくということが、これからの
農業なり
農村というものをしっかりと力強いものにしていくためにも非常に大切なことではないかなと
考えますので、この災害復旧
制度というものを見直すに当たりまして、一般の事業も当然そうだと
思いますけれ
ども、特にこの災害復旧という
制度の中では、直接そういった
農家の
方々に余り大きな負担がかからないような仕組みというものを、いろいろな時代の流れに応じてしっかりと
考えていただくということが非常に大切なことだろうというふうに
思いますので、ぜひ御配慮をお願い申し上げたいと思っております。
それから、これも最近の
農政のいろいろな動きに連動するわけですけれ
ども、そんなに大きな平野部でなくても、大きな災害を受けた場合に、ある程度まとまった面積の
農地が被害を受けるということも時々あるわけです。
そうした場合に、今現在、生産調整で水田として使わない、稲をつくらない面積というのは、もう三割、四割、五割と、場所によってはだんだんふえてきているわけですね。そうした場合に、もともと被災前は当然水田であったのだろうと
思いますけれ
ども、不幸にして災害を受けた場合に、ではそれを一〇〇%もとの水田として復旧するかどうか。
それは災害復旧
制度の原則からすれば、原形復旧ということですから、もとの姿に戻すということなのでしょうけれ
ども、しかし、その
地域の関係者の
皆さん方のいろいろな意向なり合意でもって、その
地域の土地利用というものを災害を受けた後はこういう
方向に持っていきたいという
一つの
方向づけがあれば、そういう土地利用に即した復旧の仕方というのは当然
考えられるべきだというふうに
思います。そうすることが、ただ単純にもとの水田に戻すということではなくて、また、もとの水田に戻せば当然ながら生産調整の対象になり得るわけでして、米をつくりたくても米をつくれないという
状況をつくり出すわけです。
そういうことを
考えれば、災害を受けること自体は非常に不幸なことなのですけれ
ども、それを復旧する場合に、ただ単純に原形復旧ということではなくて、先ほど言いましたような観点で、その
地域の
振興に役立つような、そういう
考え方での復旧というのはありていいと
思います。そのあたりの
考え方、
基本的にどういうふうにお
考えでしょうか、お聞かせ願いたいと
思います。