○山本(徹)
政府委員 先生ただいま御
指摘のように、
暫定法の前回の
改正、五十九年以降、十四年たっておりまして、この間の事情を勘案して、災害復旧工事の規模を三十万から四十万円に引き上げさせていただく
法案を今御審議いただいておるところでございますけれ
ども、この根拠は、工事価格がこの十四年間に約一・五倍に上昇いたしております。したがって、災害復旧工事につきましてもこれと同じ条件で改定するとすると四十五万という形になりますけれ
ども、これは端数を切り捨てて事務処理の簡便化を図るということで、三十万円を四十万円に、一・三倍に改定させていただくことにしたわけでございます。この間の
農業所得の上昇が一・四倍になっておりますので、これは私
ども、合理的な
水準であると思っております。
また、これとあわせまして、一カ所工事とみなす
範囲、これは圃場整備が三十アール区画から一ヘクタール区画にだんだんと大区画化が進展しているというようなことを勘案いたしまして、百メートルの円の中で三十万円の事業を拾うという仕組みから、百五十メートル、これは面積としては二倍になりますけれ
ども、この百五十メートルの円の中で四十万円の事業を拾う、こういうことにな。ますので、一カ所工事とみなす
範囲の拡大によって、結果としては災害復旧の採択がより円滑になる面もあるわけでございます。
それから、先生御
指摘のように、四十万円
未満の事業につきましては市町村等の単独事業という形になりますけれ
ども、これは、起債を認め、またこれの償還金については、地方交付税の基準財政需要額へ算入する等の地方財政
措置を講ずることとしているところでございます。
また、
農家や地元の市町村の期待にこたえて
農業経営また
農村の生活の安定を図るためには、災害復旧を一日も早く完了するということが大変重要なことでございます。そういった現場の声、現場の期待にこたえまして、私
ども、いろいろな
施策をきめ細かく進めることにいたしております。市町村の災害の申請事務に必要な事務費に対する助成を拡充したり、また、災害の査定手続を迅速化、簡素化する、一日も早く査定し、工事に着工できるように手続を簡素化する、また、大きな災害等については、直ちに専門家を派遣いたしまして適切な復旧事業が早期に実施できるような方策を決定する、また、工事につきましても、三年の中で一日も早く円滑に完了できるように、さまざまな
努力を行っているところでございます。こういった
努力によって、災害については特に中
山間地域等が大変多いわけでございますけれ
ども、こういった地域の
農業経営また
農村の生活の安定と安心が実現できるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。