○木幡
委員 どういう形であれ、今答弁がありましたとおり、個人もしくは民間企業が持ってあろう、あるいは、あるものについては国が持ってあろうというふうな答弁がありましたが、ともあれ、
我が国として、もし民間企業が持てないとするならば、どういうことで持てないのか、あるいは、個人が持とうと思っても持てないのはどういうことなのか。それは当然、新品種改良に長い時間と投下資本が伴うからですよ。
ですから、個人が持つなどということは、ここでの答弁としては、そうか、個人も持つようになるかということではありましょうが、そんなことはできっこない。ほぼ不可能に近い。とすれば、深く公的機関がかかわるということがなければならないのであります。
その開発については、きょうは別に文部省、お呼びしておりませんから、いわゆる産学官の体制の連係プレーがどうなるかということも極めて重要な問題になるわけで、特に、文部行政に明るい大臣でありますから、この辺のところはしかと肝に銘じていただきまして、
農業の分野についても産学官を、きちっと連係プレーがとれるような状態、ここでもって話をするべき問題かどうかは別でありますが、実は、
我が国の
大学教育の場合に、民間企業がある特定の研究開発のためにお金を寄附をした場合には、最近は緩和されましたが、従来は、この金額相当分については文部省からの
補助金というものはカットをされた時代もありました。
それから、もう
一つは、その研究開発の項目が来た。来た途端に、その研究開発費から
大学のスタッフに振り分けるいわゆる人件費その他を認めるということがなかったために、民間企業から研究を依頼される教授は、そのほかの
大学のスタッフに従来以上の労力を、いわゆる残業その他の過重労働を強いるだけでもって、高い
評価を得られない。
こういった国は先進国の中で日本だけでありますから、今申し上げたとおり、種の保存の問題あるいは新品種改良の問題、パテント所有の問題、これは極めて重要な問題でありますから、とりわけ
農水省においても、きちっと予算
措置の検討あるいは産学官の連係プレー、そういったものをこの機会に篤と、御認識はいただいているとは存じますが、さらに一層の御認識を賜りますようお願いを申し上げたい。
残りわずかでありますから、もう
一つお聞きしたいことがあります。
こういった中で、実は、
農家は、新品種の育成をするときに技術対応ができません。今までのものと全く違うF1ハイブリッドの品種、あるいは全く栽培したことのないものを栽培するということになったときに、技術協力あるいは技術指導をするのが、従来は
農業改良
普及所、今では
農業改良
普及センター、こう言うわけでありますが、しかしながら、この
農業改良
普及センターから
農家の私
どもが技術指導を受けるというような機会は、もうほとんどないのであります。ないのであります。
それは、決して、
農業改良
普及センターの
方々が技術的に劣っている、そういう
意味ではないんですよ。ただ、
農業改良
普及センターという、
農業改良
普及所は、終戦直後から
農村の技術の指導あるいは営農の指導あるいは生活指導といった
意味合いを持ってつくったところではありますが、現実の問題は、今、個々の
農家が専門家になればなるほど
農業改良
普及所から技術指導を受けるという機会はほとんどない。
それから、生活指導を受けるといったのは、ちょうどテレビの
普及以前の問題あるいはテレビが
普及してもごくわずかであったときに、公衆衛生の認識の向上や家族計画の認識の向上、あるいはより経済的な生活を行うための新生活運動等々といったときに、生活指導員が
農家の生活指導をしたということであったのでありますが、今、生活指導員にお聞きをするというような項目がない。とすれば、確かに、おいしい漬物のつくり方というのを生活指導員からお聞きをしたりするというのは、それはそれなりに重要なことではありましょうが、
我が国の
農業改良
普及センターのあり方を
考えていかなければならない。
それと同時に、国の
農業改良
普及センターがあり、
都道府県にも生活
改善指導員あるいは技術営農指導員といったものがあり、系統農協にもあるといったことを
考えれば、この機会に
普及所全体の見直しを
考えていく時期であろうと思いますが、その点については、大臣、どのようにお
考えですか。