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1998-03-20 第142回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年三月二十日(金曜日)    午前十時十五分開議 出席委員   委員長 谷津 義男君    理事 植竹 繁雄君 理事 小此木八郎君    理事 小林 興起君 理事 穂積 良行君    理事 粟屋 敏信君 理事 佐々木秀典君    理事 倉田 栄喜君 理事 三沢  淳君       逢沢 一郎君    小野寺五典君       越智 伊平君    熊代 昭彦君       近岡理一郎君    虎島 和夫君       西川 公也君    野田  実君       萩野 浩基君    平沢 勝栄君       森  英介君    池端 清一君       中沢 健次君    石井 啓一君       石田幸四郎君    鰐淵 俊之君       瀬古由起子君    寺前  巖君       深田  肇君    笹木 竜三君  出席国務大臣         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 村岡 兼造君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 小里 貞利君  出席政府委員         首席内閣参事官 江利川 毅君         内閣参事官   洞   駿君         内閣参事官   尾見 博武君         内閣官房内閣内         政審議室長   竹島 一彦君         内閣審議官   坂野 泰治君         内閣官房内閣安         全保障室長   江間 清二君         内閣官房内閣情         報調査室長   杉田 和博君         総務政務次官  熊代 昭彦君         総務庁行政管理         局長      河野  昭君         外務大臣官房長 浦部 和好君  委員外出席者         国土庁防災局防         災調整課長   渡辺 文雄君         国土庁防災局防         災業務課長   三好 勝則君         内閣委員会専門         員       新倉 紀一君     ————————————— 委員異動 三月二十日  辞任         補欠選任   逢沢 一郎君     森  英介君   武藤 嘉文君     西川 公也君 同日  辞任         補欠選任   西川 公也君     武藤 嘉文君   森  英介君     逢沢 一郎君     ————————————— 三月十九日  恩給欠格者の救済に関する請願(麻生太郎君紹  介)(第八一〇号)  同(久野統一郎君紹介)(第八六〇号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出第  二二号)  国家行政組織法の一部を改正する法律案内閣  提出第二三号)      ————◇—————
  2. 谷津義男

    谷津委員長 これより会議を開きます。  内閣提出内閣法等の一部を改正する法律案及び内閣提出国家行政組織法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池端清一君。
  3. 池端清一

    池端委員 おはようございます。連日大変御苦労さまでございます。  このたびの内閣法改正によりまして、新たに内閣危機管理監制度が設けられることになりました。これを機会にいたしまして、我が国危機管理体制あり方、それから初動対応等について、私もその一翼を担って責任を果たしてきた者でございますが、改めて再検討の立場からお尋ねをしていきたい、こう思うわけであります。  その前に、三年前の平成七年、一九九五年一月十七日の阪神淡路大震災は、五千五百人を超えるとうとい犠牲者を出しました。さらに、三十万人を超える人々が家屋を失う、戦後最大の自然災害であったわけであります。  この阪神淡路大震災を契機にいたしまして、我が国危機管理体制あり方、そして初動対応について、内外から極めて厳しい批判が相次いだことは御案内のとおりでございます。その後、政府一体となってこの危機管理体制強化改善に努めてきたところでございます。  私はここで、冒頭、この阪神淡路大震災に当たって、震災直後の一月二十日、小里大臣地震対策担当大臣に御就任をされました。自来、大変厳しい状況の中で、文字どおり不眠不休で大変な御努力をされました。獅子奮迅の働きをされたと言ってもいいと思うのであります。その具体的な行動の記録は、大臣が著作されました「震災大臣特命室 震度七と闘う男たち記録」に詳細に書かれておりまして、私、改めて拝見をいたしまして、本当に感動を覚えた次第であります。大臣を初め中央地方皆さん、本当に必死になって歯を食いしばって復旧復興のために努力をされた、そういうことがこの著書に生々しくあらわれておるわけであります。  また、村岡官房長官も、当時与党国対委員長あるいは阪神淡路災害対策本部本部長として、復旧復興のために大変な御努力をされました。村岡官房長官の御奮闘、御精励に対しても、この機会をおかりして改めて深く感謝をするものであります。  私も、小里大臣の後を受け継ぎまして、わずか百五十七日間という短い期間でありましたけれども、皆さん方の驥尾に付して精いっぱい頑張ってきたつもりであります。しかし、何せ非力でありまして、今内心じくじたるものを覚えておるわけでありますが、しかし、この機会に、先ほども申し上げましたこの危機管理体制の問題について、主として大規模自然災害発生時におけるクライシスマネジメント危機管理あり方について再点検をしたいという観点から、数点についてお尋ねしたいと思うのであります。  まず第一点は、この阪神淡路大震災以降、大規模自然災害発生時における緊急時の政府としての危機管理体制、いろいろ改善強化されてまいりましたけれども、どのよう国民皆さんにわかりやすいよう改善強化が図られてきたのか、ひとつ内閣官房長官からまずお聞きをしたいと思うのであります。
  4. 村岡兼造

    村岡国務大臣 今、池端委員から阪神淡路のことをるる御説明ございました。私も、国対委員長をやっておりましたけれども、与党阪神淡路復興プロジェクトチームの座長として約二年間やった。ああいうことがよもや起こらないと思っていたときのあの一月の状況でございまして、その当時の体制は素早く対応できるよう体制ではなかったし、大変批判も受けておるわけでございます。  政府としては、阪神淡路大震災教訓等を踏 まえ、災害対策基本法改正情報集約機能強化関係閣僚緊急参集体制整備など、危機管理体制強化に努めてまいったところであります。  具体的には、災害対策基本法改正し、緊急災害対策本部設置要件緩和緊急災害対策本部体制強化等を図りました。同時に、防災基本計画改定し、自然災害を類型化した上で、具体的な、実践的な記述とし、油流出危険物事故などの事故災害対策を追加することといたしました。  緊急事態発生時に迅速に対処体制確立するよう所要の設備整備した危機管理センターを、官邸別館に開設をいたしました。その後も、スペースの拡充、通信機能強化等整備を実施いたしております。  平成八年十一月、首都直下型等規模地震発生時における内閣総理大臣職務代行順序閣僚参集場所順序等について閣僚懇談会において申し合わせを行いまして、危機管理体制強化いたしているところであります。
  5. 池端清一

    池端委員 今もお話がありましたように、情報収集伝達体制強化等にも努められておるということでありますが、阪神淡路大震災教訓の第一は、情報収集そしてその伝達体制が非常に脆弱であったということを私も考えておるわけでございます。  危機管理機能強化を図るためには、何といっても情報収集伝達体制整備強化、これが喫緊の課題ではないか、こう思うわけでございまして、これについてもう少し具体的に、内閣として情報収集伝達体制強化にどういうふうに取り組んでこられたのか、お尋ねをしたいと思うのであります。
  6. 村岡兼造

    村岡国務大臣 大災害発生時における官邸情報収集集約伝達体制については、内閣情報調査室を各省庁から内閣への情報伝達の窓口とすること、関係省庁局長級官邸に緊急参集して情報集約を行うこと等の制度を設けることとして、改善を図ってまいりました。  さらに、平成八年五月には内閣情報集約センター設置して、官邸別館危機管理センターにおいて二十四時間体制専門要員による情報集約伝達業務を実施しているところであります。具体的には、二十名を五個班編成にして交代制勤務を行い、常時一個班四名の者が関係省庁関係機関からの情報収集集約に当たっており、緊急事態が発生した場合には総理等に速報することといたしております。  また、必要な装備として、ヘリコプターからのテレビ映像受信装置関係省庁との専用ファクス気象情報オンライン端末整備しているとともに、総理等関係者への一斉同報用ファクス、一斉電話システム整備しているところであります。  さらに、本年一月には中央防災無線衛星地球局官邸にも設置し、緊急時における官邸関係省庁間の連絡について、衛星通信を利用することが可能となったところであります。平成十年度は中央省庁等十カ所に整備をし、その後も引き続き整備を予定いたしております。  今後とも、内閣情報集約センターの効果的な運用を図るとともに、各省庁との情報連絡体制の一層の強化等により、大災害発生時における迅速的確な情報収集伝達に努めていくつもりであります。
  7. 池端清一

    池端委員 わかりました。  そこで、自然災害発生時の対策につきましては国土庁中心にして防災体制強化に努めてこられたわけでございますけれども、国土庁としてこれまでどのよう防災体制あるいは情報収集伝達体制強化に努めてこられたのか、今どういう状況にあるのか、それを国土庁の方から御説明を願いたいと思います。
  8. 三好勝則

    三好説明員 御説明します。  大規模自然災害が発生いたしました場合には、被災状況の迅速な把握と各般にわたる災害応急対策政府が一丸となって実施していく必要があります。  このため、災害対策基本法につきまして、応急対策総合調整を円滑に行いますため、緊急災害対策本部設置要件緩和でありますとか、緊急災害対策本部長であります内閣総理大臣指揮権非常災害対策現地対策本部設置明文化等改正が行われましたが、これらに基づきまして、本部及び事務局等設置運営につきまして関係省庁とあらかじめ申し合わせを行ったところであります。  また、国土庁におきまして、地震等発生情報官邸及び関係省庁に一斉連絡するための装置充実でありますとか、宿日直体制によります情報収集体制、それから画像配信回線等整備、各都道府県との緊急連絡用回線の接続、首都直下型地震対応衛星系地球局配備等中央防災無線網充実強化を図ってまいりました。  また、東京電力、東京ガス等公共機関からの第一次情報の入生体制確立でありますとか、国土庁情報先遣チーム被災地への派遣など、各般体制整備を図ってきたところでございます。  さらに、初動期における政府としての円滑な対応に資するために、地震被害早期評価及び応急対策の支援を行いますシステムとして、地震防災情報システム、いわゆるDISというものの整備を行っているところでございます。
  9. 池端清一

    池端委員 災害発生時の政府としての活動指針というべき防災基本計画、これが平成七年の七月、阪神淡路大震災の後に改定をされております。昨年六月にもまた再改定をしたわけでありますが、この改定によりましてどのよう防災体制強化を図ろうとしているのか、特徴的な点についてお触れをいただきたいと思います。
  10. 渡辺文雄

    渡辺説明員 お答えいたします。  防災基本計画につきましては、平成七年の七月に、阪神淡路大震災教訓を踏まえまして、震災対策風水害対策、あるいは火山災害対策などの自然災害対策につきまして防災体制充実強化すべく、抜本的な改定を行ったところでございます。  また、昨年、平成九年の六月でございますが、海上災害対策危険物災害対策などの八つの事故災害対策につきまして、防災基本計画に新たに追加をしたところでございます。  この中で、自然災害については、地震風水害あるいは火山災害など、災害種類ごとに編を設けまして、また、災害種類ごとに、災害予防災害応急対策、あるいは災害復旧復興といった形で、時間的順序に沿って具体的に構成をして、対応を図ることとしたところでございます。  その中で特に、先ほどお話がございます、情報収集連絡体制整備の問題でございますとか、あるいは職員の参集体制、さらには非常災害対策本部設置といった活動体制確立、また、救助救急、医療、消火、避難収容、それから食糧飲料水の調達でございますとか緊急輸送、こういつたもろもろの、各種災害応急対策活動につきまして、国、公共機関地方団体事業者などのそれぞれの役割明確化を図って、だれが何をするかということをきっちりと、具体的かつ実践的に規定しているわけでございます。そのような形で防災体制充実を図っているところでございます。  また、この防災基本計画に基づきまして作成されます防災業務計画等とあわせまして、各種災害に対しまして、総合的、体系的な防災体制整備を図っているところでございます。
  11. 池端清一

    池端委員 官邸でございますが、これは災害時に限らず、我が国の司令塔としての役割を果たしておるわけでありますが、特に災害時においては、コントロールタワーとして重要な機能を果たすわけでございます。  この官邸に万が一のことがあったという場合を想定して、現在、立川広域防災基地内に災害対策本部予備施設、第二の官邸ともいうべきこの予備施設整備が進められておる、こういう状況でございますが、この整備状況はどうなっておりますか。十分に第二の官邸としての役割を果たすよう機能を持ったものになっているのかどう か、その点についてお伺いをしたいと思います。
  12. 三好勝則

    三好説明員 首都直下型の地震が発生いたしました場合には、閣僚中心といたします本部員参集場所といたしまして、第一に官邸、次に国土庁、三番目に防衛庁となっておりますが、さらに四番目に、立川広域防災基地の、今御指摘のございました災害対策本部予備施設の順に指定がなされているところでございます。  特に、東京都心部で甚大な被害が発生し、施設が被災いたしました場合には、官邸等施設が使用不能となるという場合を想定いたしまして、立川広域防災基地内に設けてあります予備施設の中に、本部員事務局、各省庁の幹部の方々が参集し、災害応急対策に当たれるようにしているところでございます。  この施設の中には、災害対策本部長室、それから本部会議室関係省庁災害対策要員執務室などが設けられておりまして、迅速かつ的確な情報収集伝達のための中央防災無線網整備もなされているところでございます。さらに、緊急時のためのヘリコプターの駐機場でございますとか、本部要員仮眠室、それから自家発電設備水道水備蓄設備などを備えまして、食糧飲料水備蓄も行っているところでございます。  特に、阪神淡路大震災教訓を踏まえまして改正されました災害対策基本法によりまして、内閣総理大臣本部長といたします緊急対策本部本部員に全閣僚を充てるということで、本部員構成改正をされております。これによりまして、機能の一層の充実を図りますために、現在、施設拡張工事を第二期施設整備として実施をしておるところでございまして、災害対策要員執務室備蓄倉庫仮眠室等を拡充いたしますとともに、記者会見室なども新設をすることといたしておりますし、さらに、自家発電設備備蓄水槽等設備も新しい施設規模に応じまして拡充するということで、本年度中に竣工することといたしております。  さらに、平成八年度からは、この立川災害対策本部予備施設運用管理室現地配置をいたしまして、首都圏の大災害時の災害対策本部設置対応いたしますために、二十四時間体制要員配置いたしておるところでございます。  以上です。
  13. 池端清一

    池端委員 よくわかりました。  そこで、小里総務庁長官お尋ねをしたいのでありますけれども、今国会提出されております中央省庁改革基本法案によりますと、国土庁は、国土交通省として、再編統合といいますか衣がえをすることになっております。  そこで、従来、総合的な防災体制防災対策国土整備とあわせて、復旧から復興と、かなり長い時間、国土庁が総合的な防災対策を進めてきたわけでありますが、この国土庁位置づけ、なかんずく、その中心的役割を果たしてまいりました防災局位置づけがどうなるのか、政府のいろいろな資料を見ましても明らかでないわけですね。  私どもは、こういう危機管理体制強化するときに、この姿がはっきりしないということは甚だどうかな、こういう気もするわけなので、防災局位置づけ等について明確にお示しをいただきたい、こう思うのです。
  14. 小里貞利

    小里国務大臣 中央省庁再編に関連をして、先ほどからいろいろ重要な御指摘をいただいておりまする防災体制一体どういうふうになるのか、大変重要な一つ問題点の御指摘でございます。御承知のとおり、現在の建設省、運輸省、国土庁、それに北海道開発庁、これを一つの母体にいたしまして国土交通省をつくります。そこで、ただいま先生お話は、一体防災体制は、組織機構、そして体制の上でどうなるのか、こういう大変大事なお話でございます。  一口で申し上げまして、今御相談申し上げておりまする中央省庁設置法、いわゆる中央省庁等改革基本法、これを国会の意思として決定をいただきましたなれば、直ちに各省庁設置法審議、作業に入ります。その段階におきまして、それぞれの、各省の事務やあるいは機構業務等がきちんと具体的に検討されてまいります。殊に、ただいまお話がありました防災行政でございますが、これは、現在出しておりまする法律の中におきまして、いわゆる内閣府に中央防災会議なるものを設置をいたしますよ、こういう構想がございますから、なお先生がただいま御指摘の話が出てくる、こう思う次第です。  申し上げるまでもなく、行政改革会議、あるいはまた本法案検討するに当たりまして、防災体制重要性にかんがみまして内閣総理大臣責任がありますよ、したがって、防災体制、そのいわゆる緊急施策を打つ上におきまして、内閣及び内閣総理大臣が機敏に、そして責任ある対応ができ得るようにという一つの趣旨のもとに、そのようないわゆる中央防災会議設置いたしました。あるいはそのほかにも、例えば経済財政対策あるいは総合科学技術政策などの機構も置きますよということになっておりますが、その内閣府に設置せらるる防災会議におきまして、いわゆる企画立案等を、あるいは総合調整をやります、こういうよう一つの振り分けになっております。  先ほど申し上げましたように、これから御指摘の面を十分配慮しながら、各省庁設置法あるいは国家行政組織法あるいは内閣法等々議論を進めていきますから、その中で、お話のとおり、比重をかけてきちんと行政区分あるいは任務区分というものを積極的にやるべきものである、さように思っております。  なおまた、時間の関係がありますから細やかには申し上げませんけれども、先ほど国土庁担当官の方から御説明いただきましたように、現在の国土庁におきまする防災局任務等々を具体的に見ていきますと、これはやはり国土庁で継続してやるべき仕事だな、あるいはこの分野内閣府の方で所掌するべきではなかろうかとか、この問題は内閣官房の方にお願いするべきではなかろうかとか、いろいろ仕事区分分野というものをお互いに議論しまして、鋭意効果的に詰めていかなければいかぬ、さように思っております。
  15. 池端清一

    池端委員 きょうはこの問題に深く言及することを避けますけれども、やはり危機管理体制あり方という観点から十分慎重な検討をお願いしたい、こう思うわけでございます。  そこで官房長官危機管理といいましても、単に今までお話ありました大規模自然災害ばかりではございませんで、テロハイジャック、あるいは重油流出事故等々の突発的事態対応対処しなければならない、そういう課題を持っているわけでございますが、内閣としては、今般新設される内閣危機管理監を通じてどのよう危機管理充実を図っていくお考えなのか。  従来どおりで、官房長官仕事が忙しいのでそれを一部内閣危機管理監が肩がわりする、こういうような単なる人的な配置だけにとどまっているのか、もっと総合的な危機管理体制強化するという意味を持っているものなのか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
  16. 村岡兼造

    村岡国務大臣 内閣危機管理監でございますが、テロハイジャック重油流出事故等災害事故、事件など、国民の生命、身体または財産に重大な被害が生じる緊急の事態が発生した場合、内閣として必要な措置について第一義的に判断し、初動措置について関係省庁と迅速に総合調整を行うこと等を任務とするものであり、特に、政府として迅速かつ的確な初動体制をとるという面で危機管理機能強化に大きく資するものと考えられます。  さらに、事態が収拾された後には、事態への対処から導き出された教訓反省点関係省庁危機管理体制点検や見直し、発生防止策策定等に生かしていくことにより、危機管理体制強化を不断に図っていくものと考えますが、総理あるいは私、官房長官、副長官に次ぐ専門の知識を備え、常時これに対応する、こういう危機管理監だ、こう思っております。
  17. 池端清一

    池端委員 総理官房長官、副長官に次ぐ専門的な組織である、こういうことでございます。 で、この間も同僚議員が質問されておりましたけれども、単なる人事異動によって今度はこういうふうに変えるとかなんとかではなくて、やはり危機管理専門家、プロフェッショナル、こういうよう人たち配置すべきではないかと私は思うのでありまして、そういう点については十分配慮をしてもらいたい、こういうふうに思うわけでございます。  そこで、危機管理の問題はこの程度にいたしまして、内閣総理大臣補佐官の問題について一言お尋ねをしたいわけであります。  二年前、平成八年の内閣法改正によりまして、「内閣官房に、内閣総理大臣補佐官三人以内を置くことができる。」こういう規定新設をされたわけでございます。  しかし、先日、沖縄問題を担当されておりました岡本行夫氏が退任をいたしました。三人置くことができるこの補佐官が、現在は行政改革会議事務局長水野清さん一人になっている。二人が空席だということですね。この内閣総理大臣補佐官というのは、総理の相談役として鳴り物入りで決められた制度でありますが、実際は、今二人空席になっている。三人置かなければならないという規定ではありません、置くことができるという規定でありますけれども。  先般、昨年の十二月三日に出されました行政改革会議最終報告でも、さらに補佐官増員等について触れられておるわけであります。今の三名よりもさらにふやすような方向で考えるべきだということが出ているわけなんです。そういう状況の中で二名空席というのはいかにも、これは鳴り物入りで設けられた制度としてはいかがなものか、私はこう思うのであります。  もちろん、これは総理が任命されるわけでございますけれども、官房長官としては、この二名空席の問題について、今後どう対応ようと考えておられるのか、その点についてお尋ねをしたいと思うのです。
  18. 村岡兼造

    村岡国務大臣 池端先生も御承知だと思いますが、内閣総理大臣補佐官は、内閣総理大臣のブレーンとして、内閣重要政策に関し、内閣総理大臣に直接進言、意見具申することにより、内閣総理大臣の思考及び判断を助けることを職務とする者であり、その定数は三人以内となっておるわけでございます。  ただいまのとおり、今まで、水野清さんは中央省庁の再編を初めとする行政改革を担当する。岡本行夫さんは、沖縄に係る諸課題対応するための担当をさせる、こういうことで、実は三月十日に退職をしたわけでございます。  岡本さんについては無給でございました。しかも、SACO問題で、昨年の十二月ぐらいまで、何とか沖縄問題も一段落するであろう、こういうことでありましたが、その後、住民投票とか北部の市長選挙とかいろいろな問題がございまして、いろいろな沖縄との意見交換その他に二カ月ちょっと延ばしていただきまして、一年ぐらいという御本人からのことでございましたが、一年四カ月ぐらいおりまして、これはまだまだやめていただきたくないけれども、本人は無給でもありますし、いろいろな御都合がありまして、一応の区切りがついた、今後まだ沖縄は区切りはついていないのですが、そういうことで十日に退職をしていただきました。  したがいまして、先ほど言われましたとおり、内閣総理大臣補佐官の任命については、社会経済情勢や政策課題を踏まえつつ内閣総理大臣御自身が判断されるものでありますけれども、今いろいろな重要な課題もあります、総理自身も考慮中と私は思っておりますが、委員の御意向もお伝えし、選ぶに当たりまして、専門的な見地、ぴたりという人がなかなか候補者として探していくのも難しいのでありますが、三人以内ということでございます。  何も沖縄というのではなくて、例えば今の金融関係の問題とかそういうものも考慮しながら、三名以内あるわけでございますから、今総理も考慮中だと私は思っております。  以上であります。
  19. 池端清一

    池端委員 官邸機能強化という面から、このことが強くうたわれておるわけでございます。官房長官は、総理と日常も夫婦のような立場で接せられて、総理の意向も十分わかっていると思うのでありますが、法律改正が行われたという制度に立って、これはひとつ十分配慮をしてもらいたい、こう思うわけです。  それで、最後にまた小里大臣の「震災大臣特命室」という著書を引用させていただきますが、ここに「小里ドクトリン」という項がございます。  ちょっと引用させていただきますが、「地震担当大臣としての半年間で私が得た教訓をもとに、私なりの反省を込めて、大震災に対する危機管理のうえで必要不可欠な事項を「小里ドクトリン」としてまとめてみた。後世の人々の参考になれば幸甚である。」ということで、五カ条の御誓文ではございませんが、五項目の提言がございます。  一つは、強力なリーダーシップ。トップダウン、即断即決。二つ目には、強力な組織。一切の責任は自分がとる、指揮官は弱音を吐かない。第三に、これは最近橋本総理も非常に使われる言葉でありますが、臨機応変。前例踏襲はだめ、枠を越えた対応を。それから四つ目に、現場第一主義。見て聞いて触れて、現場の声を大切に、いたわりの心。最後に、重要な広報。被災者の不安解消、広報は機敏適切に。こういう五カ条の小里ドクトリンというものがうたわれておる。  私は全く同感でございます。こういう危機管理に対しては、強力なリーダーシップのもとに、トップダウン、即断即決する。そして指揮官は弱音を吐かない。前例踏襲、こういう方針ではなくて、枠を越えた対応をしていくべきだ。こういうようなことは全く同感であります。  したがって、今般、内閣危機管理監というものを設置されるわけでありますが、単にそういう制度を設けたということではなしに、こういう心構えで一応対応してもらいたい、こういうふうに思うのですけれども、官房長官総務庁長官、所信があったらちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  20. 小里貞利

    小里国務大臣 大変恐縮いたしております。  非力な私の、しかも緊急な経験ではございましたけれども、せっかく村山内閣の特命を受けまして、いわばまれに見る、しかも深刻な経験をさせていただきましたので、でき得ればと、そういう悲願をかけてまとめたる一冊でございますが、このように貴重な公式の場で御引用いただきまして、大変恐縮いたしております。  今また折しもこのような行政改革の一翼を総理の指揮のもとに背負わされておりまして、可能な限りそのような過日の経験もひとつ生かしていきたい、そういう気持ちも持っておるところでございますが、何分にも今次の省庁再編、大変重要な国の課題でございますから、各政党やあるいは内外の皆様方の御意見を最も比重をかけて尊重させていただきながら進めなければならぬ、さように思っておる次第でございます。
  21. 村岡兼造

    村岡国務大臣 小里総務庁長官の書いたものを引用して、今話をいただきました。私も全く同感であると思います。  この内閣管理監あるいは副長官の増員、今お願いをしているわけでございますが、内閣危機管理監については人選中であります。専門的で、常時対応できると。決定いたしましたならば、この危機管理監にも、今の先生の御意見や小里さんの本も、見ているとは思いますが、見ていただいて、対応してもらうようにいたしたい、こう思っております。
  22. 池端清一

    池端委員 時間になりました。終わります。どうもありがとうございました。
  23. 谷津義男

    谷津委員長 御苦労さまでした。  次に、中沢健次君。
  24. 中沢健次

    ○中沢委員 おはようございます。  連日、両大臣とも大変御苦労さまでございます。  さて、質問に入る前に、私の前に愛野興一郎先 生の額がかかっております。お亡くなりになりました。私が一期生のときからでありますが、たまたま私は北海道の夕張の出身で、石炭対策特別委員会先生も、佐賀県の出身で、当時は自民党の幹部のお一人。今は民友連ということで、同じ会派で先輩、後輩でおつき合いをいただいておりました。心から冥福を祈りたい、こんな思いでございます。  さて、三十分の時間でありますから、要点を絞りまして幾つか質問をさせていただきたいと思うのです。  今回私が担当しますのは、外務省に複数の政務次官を配置する、こういう法律に関連をいたしまして質問をしたいと思うのです。  まず最初に、副大臣制という、我が党が他党と一緒になりまして既に共同提案をしております。残念ながらこれはまだ日の目を見ていないのでありますけれども、まずそのことにつきまして、主として官房長官にいろいろお尋ねをしたいと思います。  外務省からも、最近のイギリスにおける、正確には副大臣制ではありませんが、閣内大臣、閣外大臣、そして政務次官、実に下院議員を中心にして全体でいいますと八十七名が、こういう三つのそれぞれのポストで、いわゆる行政の責任を負っている。私からいえば、実は我が党が立案をしました副大臣制というのは、このイギリスの制度もかなり重要に参考にもさせていただきました。  今回、外務省が一名の政務次官をふやす、こういうことに関係をいたしまして、まず率直にお聞きをしたいのは、官房長官としてこの副大臣制の日本的な導入についてどういう見解をお持ちであるか。  あるいは、後ほどまた触れたいと思いますが、省庁再編、大事業をされようとしている。私も含めて我が党としては、そのこと自体にはいろいろ意見がありますけれども、やはり与党の立場で、政府の立場では大事業だと思う。そうしますと、そういうことにも関連をして、この際やはり、歴史と伝統は違いますけれども、イギリスのこういう具体的な制度をぜひひとつ日本的にも応用して、副大臣制の導入ということも必要ではないか。私はこのように考えておりますが、まず官房長官からお答えをいただきたいと思います。
  25. 村岡兼造

    村岡国務大臣 今、先生、英国の例をとりまして、副大臣制を導入したらどうか、こういう御提案であります。  イギリスの内閣のことは私は特別に詳しくございませんけれども、大臣が相当おりまして、一と二というか、こんなよう状況だ。二番目の大臣とか一番目の大臣と、数も多数いる。世界の二、三の国々、私参りましたら、またそういう制度をとっているところもあるわけでございます。  御提案の副大臣状況も、私も拝見をいたしました。現在の各省に二人とか、そのほかにまた五、六人つけるとか、こういうような御提案であったようでございます。  私の率直な意見を述べよという前に、与党として自民党内でもこれらは検討しているのだけれども、まずその前に政務次官を活用すべきではないかと。  いろいろこれには問題がありますけれども、政務次官を活用して、各省庁内における状況等もしっかり見直しをして、今、政務次官会議等、事務次官会議等、検討をいたしております。これが上がりますと、閣議でも閣僚懇談会でも検討しなければいけない。内部の問題もありますし、また、政務次官がこういう委員会で発言をしたり、あるいは大臣が海外出張の場合、大臣の代理となって、ひとつ政務次官の活用ということもお願いをしなければならない、こう思って、おしかりを受けると思いますが、まず私の個人的な率直な意見と言われれば、政務次官をフル活用する。  そしてまた、これは個人的でございますからおしかりも受けるかもしれませんが、今度、省庁再編になったとき、今二十幾つのものが十二その他になります。そういうときには、やはり与党、野党でもう少ししっかり論議をし合って、そういう問題はまた議論していっていいのではないか、こういうふうに思っているところであります。
  26. 中沢健次

    ○中沢委員 今、長官からお答えをいただきました。いずれにしても、きょう直ちに結論がどうのこうのという問題ではないと思うのですが、お互いに政治家同士でありますから、非常に大事な課題だ、私もまた折に触れましていろいろ議論もしてみたいと思うのです。  ただ、イギリスということでいいますと、私なりに勉強もしております。ついこの間、昨年ですか、カナダにも行きました。カナダも全く同じよう一つ制度をとっておりますね。閣内大臣というのは、いわゆる閣僚級、日本でいえば大臣。閣外大臣というのは、やや閣僚級から見ると当選回数が少し少ない、しかし相当な力のある方、これが閣外大臣。政務次官というのは、日本と同じように、当選回数が比較的少ない方。こういう方々でいわゆる大臣と副大臣、こういう制度になっている。そのことを改めて指摘をしておきたいと思います。  さて、角度を変えまして、これもイギリスの、例の影の内閣、シャドーキャビネット。  歴史的なイギリスにおける政権交代がございました。当時は労働党が野党でございまして、ブレアさんが、私の聞いているところによりますと、毎週水曜日、下院で党首と野党第一党の党首の大変な議論があって、それが全国のマスコミを通じまして、国民が大変注目をしている。日本は残念ながらまだ二大政党ではありません。しかし、やはりこういう、イギリスの歴史と伝統のある、今のよう制度になって六十年たっている、しかも野党第一党の党首には、日本の円でいいますと年間二千二百万ぐらいの俸給を国が財政支出をしている、つまり国家的に認知をしている、こういう制度であります。  恐らく官房長官も御承知だと思いますが、やはり副大臣制とやや連動して、これは直ちにということではないのでしょうが、日本の政治もいつまでも自民党一党という、率直に言って、そういう時代では私はだめだと思います。そうしますと、おのずから、イギリスにおけるこういうシャドーキャビネット、制度としてもやはり必要ではないか。  もっと言いますと、私は社会党の時代に、元官房長官の五十嵐代議士が影の内閣のいわゆる自治大臣をされておりまして、私は二期生でありましたが、その補佐役の政務次官みたいなのをやった経験からいいましても、新進党も今はなくなりましたが、影の内閣をつくっていらっしゃった、こういうさまざまな政権担当能力を野党としてもしっかりつけてもらう、これは、国家的な立場でいって、やはりそういう必要性はこれからますます非常に強まるのではないか、このように考えます。  ですから、きょうのところは、特に官房長官の見識あるこれについての見解、まあ具体的なお答えはなかなか難しいのでしょうけれども、見識ある見解といいましょうか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
  27. 村岡兼造

    村岡国務大臣 中沢先生から見識ある御意見をと言われましたが、イギリスのシャドーキャビネット制度先生ほど研究も調査もいたしておりません。詳しいことは承知いたしておりませんが、資料によれば、今おっしゃったように、二大政党による政権交代の慣行を背景として、野党第一党の党首にも俸給が支給されるなど、ただいま言われたような二千二百万円程度、制度的なものになっていると聞いております。  私自身、与野党のそれぞれの政策の責任者が真摯に議論を闘わせることは大変結構なことだと思いますが、イギリスのようないわばシャドーキャビネット制度を導入すべきか否かについては、まずこれは与野党間で、その内容や、我が国に導入した場合のメリット、デメリットについて十分な研究が行われるべきものだ、こう思っております。  私などは、率直に、野党第一党の党首に俸給というよりも、もしなればシャドーキャビネットの 運営費とかその方が、やると言っているのではないのですよ、こういうことも率直に言えば、党首だけに二千二百万円行っている。私としては、各大臣もいる、議論もする、そういう場にいろいろな費用がかかるということの方が、もし万が一導入の場合はそうかな、こんなふうにも考えるわけでございますが、これは私の私見でございまして、現状でまず与野党で話し合っていただいて、メリットやデメリットを十分に話し合うべきだ、こういう考えであります。
  28. 中沢健次

    ○中沢委員 特別反論はいたしませんが、しかし、イギリスの場合は国家的に財政出動をしている。政党間の問題が中心ではありますが、やはり内閣も十分関与をしている。このことだけ指摘をして、いずれにしても、これも、副大臣とはまた質が違いますが、これからいろいろな議論をしなければいけないな、このことだけを申し上げたいと思うのです。  さて、本題に入っていきますが、総務長官にまずお尋ねをいたします。  この法は昭和三十二年に改正がございまして、政務次官の役割、そして当時は三つの省に対する政務次官の複数配置、こういう改正がされたというふうに聞いております。私も、正直言いまして、この法案の全文を初めて読みました。確かに、一昨日の議論でも指摘がありましたけれども、法の条文から言いますと、政務次官というのは大変な権限を実は持っているわけですね。具体的には、政策に責任を持って参画ができる、しかも大臣の代行を行う、これが法の条文なわけです。  ですから、これは私流の解釈ではなくて法文に書いてありますが、改めて、小里大臣として、法の解釈、趣旨がどうであるか、ぜひ責任ある大臣としての回答をまずお願い申し上げたいと思います。
  29. 小里貞利

    小里国務大臣 結論から申し上げますと、もう中沢先生指摘の要旨のとおりでございます。  特に、政務次官の職務につきましては、お話ございましたように、国家行政組織法第十七条の第三項におきまして、その機関の長たる大臣を助けますよ、政策及び企画に参画いたします、政務を処理し、並びにあらかじめその機関の長たる大臣の命を受けて大臣不在の場合その職務を代行する、そういうふうに極めて明瞭に、しかも大変ボリュームのある一つの所掌任務というものが明記されておるわけでございます。  この機会にいささか余計なことを申し上げるようでございますが、橋本総理大臣は、にもかかわらず実態はなかなかその目的からして希薄なところがあるのではないかということを指摘されまして、目下、政務次官の実態あるいは役割について再検証をいたしておるところでございます。  ただ、きのうも申し上げましたが、私ども総務庁などのごときにおきましては、実質、大臣同様の責任と実務を果たしていただいておるという、この法の精神を十分尊重して履行しておるところもありますが、必ずしも全体としてそういう限りでございませんので、目下検討をいたしておるところでございます。
  30. 中沢健次

    ○中沢委員 今総務長官の方から、法律の解釈、趣旨、明確にお答えをいただきました。しかし残念ながら、四十年前からのこういう法律の趣旨が実態的には全く形骸化されている、これはもう与党皆さんも痛いほどおわかりだと思います。  私は政務次官の経験がありませんが、後輩や同僚の皆さん与党のときに政務次官を経験されている。話を率直に聞きますと、やはり、会議要員であったり、あるいはあいさつ要員であったり、法の趣旨に沿うような十分な権限なんというのはほとんど実態的にはないのだ、これはやはり問題だという話は、我々の仲間からもあるわけですね。  そこで、実態の解明は、もう時間がありませんから、一昨日も指摘がありましたので。この際、先ほど官房長官が、副大臣についての私の質問に対して、まずは政務次官の質的なそういう実態の改革を含めてやりたい、こういうお答えがあったと私は思うのですけれども、改めて、具体的にどういう手順で、いつごろまでに、政務次官の法の趣旨に沿った具体的な権限といいましょうか、機能といいますか、それを充実されるおつもりなのか。  これは、やはり官房長官としてはひとつ腹をくくっていただいて、はっきりしためどぐらい、いつまでもこんな状態ではだめだと思いますので、その辺のところを具体的にお示しいただきたいと思います。
  31. 村岡兼造

    村岡国務大臣 政務次官、私もかつて一年近くやりました。多くの省庁あると思いますが、中沢先生が今おっしゃったような部面もある。ただし、私の場合は、そういうこともあるだろうけれども、自分でも仕事をしてきたなと。まあ人にもよるのですが、中には、政務次官になりまして、役所でいろいろな書類を出さなければそのままという人もあります。  そういうことを踏まえまして、先日、自民党で調査をいたしまして、その調査結果は新聞等に出ておるわけでございます。政務次官活用、大蔵は零点。省令とかなんか等。こういうような、いわば俗に言われている、政務次官は盲腸だ、そればかりではないのですが、そういう言い方をされておりますことはまことに残念であります。  したがいまして、総理と私に、党から調査結果の報告がございました。これを受けまして、政府としては、現在、政務次官会議等で、どうあるべきか、あるいは、受ける方も一緒にいる方も事務次官でございますから、事務次官会議等でどうあるべきか検討をしているところでございますが、先生のおっしゃっていますとおり、いつまでも会議会議ではございません。四月中にはある程度の改善策、活用策、これを出したい。  同時にまた、もう一つお願いでございますが、私も国対委員長のときに、閣僚が海外出張とかなんかのときには政務次官を代理として活用していただきたい、対国会のこともありますし。  もちろん私ども、内部の方が大きいわけでございます。外部の方としては、四月中には出したい、こういうふうに考えておるところであります。
  32. 中沢健次

    ○中沢委員 それでは、とにかく四月中ということでありますから、ぜひ頑張っていただきたいと思うのです。  さて、外務省と総務庁に関係がありますから質問いたしますが、外務省は今度、政務次官を一人ふやす、これは省内でもいろいろな議論があったと思いますが、結果的に、今度の法案で出てまいりました。  ふやす根拠を、文章的にはいろいろ書いてありますから、これは私も日本人ですから読めばわかるのですけれども、もう少し具体的な事実、例えば外交日程、海外の出張の資料はいただきました、あるいは外国からの要人が来日をされて、その方々と大臣、政務次官がお会いをするということも、改めて外務省から資料をいただきました。複数配置の必要性は私としては理解ができるのですけれども、やはり国民全体に向かって、今回なぜ外務省だけなのか、官房長官は別にして、やはりこんな思いもあるのではないですかね。ですから、もう少し説得力のある説明があっていいのではないか。  それと、総務庁に対しては、今回は外務省の関係だけでありますけれども、ほかの省庁から、この際、複数配置という具体的な要請があったのかなかったのか、そこのところも、これからの問題も含めて大事でありますから、明確にお答えをいただきたいと思います。
  33. 浦部和好

    ○浦部政府委員 お答えをいたします。  現下の国際社会、我が国外交につきましては、大変高度な判断に基づく戦略的な外交であるとか、あるいは各国首脳が直接、極めて機敏に対応しなくてはいけない、機動性を要求される外交であるとか、さらには、まさにペルーの日本国大使公邸占拠事件のような危機的な事態に対する的確な処理という状況が、残念ながら起きているわけでございます。こういう状況の中で、外務大臣はもとより、外務大臣を助けることになります外務政務次官の役割は極めて重要になっております。  具体的に申し上げますと、例えば平成九年におきましては、高村政務次官はペルー、キューバ、ドミニカ共和国を訪問し、在ペルー日本大使公邸占拠事件の解決に向けた各国要人との意見交換を行いましたほか、五月末には、これはポルトガルで開かれましたが、旧ユーゴの紛争をどう解決するかということに当たっておりますボスニアの和平履行評議会運営委員会閣僚級会合に参加をされました。また十二月には、御案内のように、京都で開かれました気候変動枠組条約第三回締約国会合等に出席をいたしてございます。すべて計算をいたしますと、海外出張が七十五日ございました。  また、外国要人との会談、表敬等が二百三十件強になっております。また、外務大臣と外務政務次官が両方海外出張をせざるを得ないというよう状況も生じておりました。  このよう状況にかんがみまして、外務省としては、現在の外務政務次官一名をぜひ二名に増置することによりまして、外務大臣や政務次官といつたハイレベルでの対応の幅を広げ、より戦略的、機動的な外交、さらには対外的な危機管理のための体制整備していく必要がある、かように考えておるわけでございます。
  34. 河野昭

    ○河野政府委員 今回、政務次官の増置についての要求は外務省からのみでございまして、他省庁からの要求はございませんでした。
  35. 中沢健次

    ○中沢委員 さて、これからの問題ということについて、主として総務庁の長官になると思いますが、お尋ねをしたいと思うのです。  中央省庁等改革基本法、これは予算が上がればいよいよ国会で本格的な議論、こういうことになると思います。  その法案を見ますと、具体的な実施本部みたいなものをつくる、これから全体の作業はここが中心に行う、こういうことだと思うのですね。  問題は、政務次官にやや限定をして考えますと、今ほどの議論もそうでありますが、いずれにしても政務次官の位置づけを明確にして権限をきちっと付与するものは付与する、こういう質的な問題と、それから、省庁再編ということの是非はともかくとして、現実的に、こう大きくまとまってきますと、結果的に複数配置という現場の意見というものが相当強く出てくるのではないでしょうか。  例えば、今度は総務省になった場合に、総務庁と自治省と郵政省の大部分が、大部隊でこれは大変だとは思うのでありますが、そうなると果たして一人の政務次官でやっていけるかどうか、私は、なかなか難しいのではないか。事務次官の話はあえてきょうは詳しく言いませんが、事務次官にしても、政務次官とは全く違いますが、そういう、今の単数配置じゃなくて複数配置ということも、現場としては相当強い希望としてやはり避けて通れないのではないか。  さて問題は、そういうことをこの本部がどういう手順でどういう目安でさばいていくか、これは非常に大事だと思います。今直ちに、最終結論というか、最終的な長官としてのお答えはないとは思いますが、少なくとも行革担当の責任大臣としてこういうことでやりたいという、そういう大枠の決意、やや具体的な手順があれば、ぜひこの際お示しをいただきたい、こう思います。
  36. 小里貞利

    小里国務大臣 今お願い申し上げておりまする中央省庁等改革基本法お話がありましたように、最終的にぜひ今次国会で意思を決定していただきたい、そういう悲願に燃えておるところでございます。  それを前提にしての話でございますが、基本法が決定いたしますと、直ちに中央省庁等改革推進本部設置されます。これは同法案の要旨の中の一つとしても御理解いただくべく、明記してあるところでございます。その推進本部本部長総理大臣で、そして各閣僚がその構成メンバーになる。約一年間かけまして、内閣基本法あるいは国家行政組織法あるいは中央省庁等の再編に絡む各省庁設置法、これらの法案の作成作業に入ります。  その中におきまして、ただいま中沢議員が御指摘になりましたように、政務次官のこの制度の積極的な活用方法についても議論されなければならない。もちろん、行政改革会議の議論の中におきましてもそのことはしばしば議論をされまして、相当議論をされてまいったところでございます。  それから、その場合の大体の基準というのはないのかというお話でございます。  今次の改革は、省庁の大くくり化、言うなれば単なる既存の行政機構の統合による再編では決してないのであります。決してそういう単純なものではないのでありまして、申し上げるまでもなく、行政機能あり方の見直しや、あるいはまた行政の減量、あるいは効率化を徹底して行うということが前提になっておりますが、そういうことを基準にして検討していくにしても、ただいまお話しの政務次官制度のそのあり方というものは旺盛な前向きの姿勢を持って対応するべきことである、こういうことが行政改革会議でも指摘されておることでございまして、十分留意していかなければならぬ、さように思っております。
  37. 中沢健次

    ○中沢委員 時間が参りました。終わります。ありがとうございました。
  38. 谷津義男

    谷津委員長 御苦労さまでした。  三沢淳君。
  39. 三沢淳

    ○三沢委員 自由党の三沢淳です。  民友連のお二人の先生と質問が重複するところがあるかもわかりませんけれども、どうかよろしくお願いいたします。  まず最初に、国家行政組織法改正案についてお尋ねしたいと思います。  国家行政組織法によれば、「政務次官は、その機関の長たる大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理し、並びにあらかじめその機関の長たる大臣の命を受けて大臣不在の場合その職務を代行する。」とありますが、職務を本当に代行しているのかどうか、ちょっと疑問に思うところがあります。  今、大臣が海外に出張等で不在になるケースがたびたびありまして、今後も国際政治の中で日本の役割が今以上に大きくなってくれば、大臣の出張期間が長くなることもこれからは予想されます。今は日本ではほかの国務大臣が出張大臣の代理をしておりまして、これを改めない限りは、政務次官が、国家行政組織法で定められた、大臣不在の場合その職務を代行するとの規定が生きてこないのではないか、そういうふうに思います。  政務次官経験者の方にお聞きしますと、大臣の代理で会合に出席して、大臣のメッセージを代読するのが主な仕事だったと言っておられる方もおられます。大臣のメッセージを代読するだけでしたら政務次官は必要ありませんし、また、一名の増員も税金のむだ遣いではないか、それこそ行革の流れに逆行しているのではないか、そういうふうに思います。  外務省においては政務次官の職務をどのように認識しているのか、そしてまた今回の政務次官の増員をどのように認識されておるのか、お尋ねしたいと思います。
  40. 浦部和好

    ○浦部政府委員 政務次官の職務につきましては、今議員御指摘ように、国家行政組織法にはっきり書いてあるわけでございますが、ちょっと補足をさせていただきますと、そういう職務を遂行するに当たり、主として大臣の政治的判断や政務の遂行を補佐していただくというふうに認識をしております。  また、今回の増員につきましては、近年、外務大臣及び外務政務次官の業務が先ほど申し上げましたように激増しつつあることから、外務政務次官を二名に増置することによりまして、外務大臣や政務次官といったハイレベルでの対応の幅を広げ、より戦略的、機動的な外交、あるいは対外的な危機管理のための体制整備というのに資していくものと認識をしております。
  41. 三沢淳

    ○三沢委員 これからは会合などで大臣のメッセージを代読するということはなくなるのでしょうか。それだけの仕事と言ったらば怒られるかもわかりませんけれども。
  42. 浦部和好

    ○浦部政府委員 特に、例えば大臣が御不在の場合に会合に出ていただいてメッセージをお読みするということは当然あるかと思いますが、あえて一言申し上げさせていただきますと、現在の高村政務次官におきましては、例えば、カンボジアのフン・セン首相とかラナリット代表と個人的な関係を持っているということがございますので、先般も、特にほかの国々からある意味では要請をされましてカンボジアに赴いたことがございます。このように、大変実質的な意味で高村政務次官には御活動いただいているということを、例を挙げて御説明させていただきました。
  43. 三沢淳

    ○三沢委員 次に、官房長官お尋ねします。  先ほど民友連の先生からも質問にありましたが一副大臣制のことについてお聞きしたいと思います。  今は大臣の不在のときはほかの国務大臣が務めておられますけれども、これは各省庁によってその仕事の内容が違いますので、ほかの国務大臣が違う省に行かれても、なかなか仕事がスムーズにはかどらないんじゃないか。そこで、政務次官の方を副大臣として処遇して、大臣の代理を務めてもらうということは考えておられないでしょうか。
  44. 村岡兼造

    村岡国務大臣 先ほどから先生のやりとりを聞いておりました。まず、政務次官でございますが、何か大臣の代読だけと、これはまあ強調されておりまして、まことにまた、それだけというのでしたら情けないなと。現に総務庁の政務次官がおりますが、熊代政務次官、実質的に企画にも実施にも現在参画をしていると私は聞いております。  さらに、お尋ねのことでございますが、実は御指摘のとおり、明日、あさって、小渕外務大臣が韓国を訪問するわけでございます。その臨時代理に私が指名になっておりまして、既に五、六回、外務大臣代理ということになっております。ただ、幸か不幸か、土曜日と日曜日という例が多うございまして、外務省へ行って大臣室のいすに座るとかそういうことは今までございません。しかし、もしかの場合にはあり得るということも考えております。  政務次官は、国家行政組織法により、あらかじめ大臣の命を受けて大臣不在の場合その職務を代行することができる。しかしながら、憲法上、内閣は、首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣組織することとされており、現状では、それ以外の者が内閣構成員となり、閣議に出席することはできない。このように、政務次官が大臣の代理を務めることにはおのずから限度があることから、海外出張等により主任の国務大臣が不在の場合は、内閣法第十条の規定により、内閣総理大臣またはその指定する国務大臣が、臨時に、その主任の国務大臣の職務を行っているところでございます。  なお、先ほどもお答えしましたが、近時、政務次官の活用については、外務政務次官、大蔵政務次官等、既に閣僚経験者を政務次官等に充てるとともに、総理から各閣僚に対し、政務次官が重要政策の決定過程に一層深く参画すべく工夫をするよう指示しているところでありますが、この前の新聞のとおりでありまして、先ほどもお答え申し上げましたが、この改善策は四月中に出したい、こう思っております。  どうぞ国会におかれましても、各委員会で政務次官の答弁等もお願いしたい、こう思っております。
  45. 三沢淳

    ○三沢委員 スムーズな運営ができますように、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、今回政務次官を一名増員するに当たり、「対外的な危機管理を行い得る体制整備する」とありますが、別法案審議する内閣危機管理監との職務権限の整合性を明確にする必要があるのではないか、そういうふうに思います。対応が必要な事案が起きたときの職務の分担あるいは責任の所在をふだんより明らかにしておく必要があると思います。  突発的な事故は、何の前ぶれもなくやってきます。混乱している現場においては、やはり冷静な指揮、的確な命令があれば、安心して対応ができるのではないか、そういうふうに思います。そこで、指揮命令系統が混乱したときは、現場においては対応がより困難になり、緊急時には指揮命令系統の一元化が一番重要になってくると思います。この点をあいまいにしておきますと対応が後手後手に回り、世界の物笑いになってしまうんじゃないか、そういうふうに考えております。  外務政務次官と新設する内閣危機管理監との職務の分担はどのように考えておられるのか。また、外務政務次官二名の職務分担をどのように考えておられるか。あわせてお聞かせ願いたいと思います。
  46. 村岡兼造

    村岡国務大臣 先生新設危機管理監と外務政務次官、これは分担とか何か、もうおのずから機能が違っている、私はこう思っているところであります。  ただ、外務省関係でいろいろな、邦人救出をしなければいけない、緊急な場合があったりなんかするときは、危機管理監の方が上になりまして、各省へ行く、こういうふうにはなると思いますけれども、今の直接的な関係というものは、危機管理監危機管理監、外務政務次官は外務政務次官の必要性だということで私は思っております。  さらに、お尋ねの、現在、内閣官房長官は、内閣官房長官の職務を助け、内閣官房事務全般をつかさどっているところでありますが、危機管理に関する事務について、高度の専門性が求められ、これに常時専念する必要があることから、内閣官房長官に準ずる職である内閣危機管理監を置き、内閣官房事務のうち危機管理に関するものを専任に担当する体制整備し、これにより内閣官房危機管理体制強化するものであります。したがって、審議官が今一名のところを三名に増員し、事務官四名を八名に増員する体制になります。  具体的には、緊急の事態が発生した場合には、内閣危機管理監は、情報集約し、危機管理に関する専門的な識見に基づき、内閣として必要な措置について第一次的な判断を迅速に下すとともに、総理官房長官を助けて、内閣官房各室にわたり危機管理に関する事務が全体として統一的、的確に遂行されるよう内閣官房各室長等を指揮するものとされております。  各省庁に対しましては、内閣危機管理監は、緊急の事態に対する初動措置についても関係省庁総合調整を行うものであり、特に、政府として迅速かつ的確な初動体制をとるという面で、緊急の事態対応する各省庁のかなめとなるものであります。  なお、平素においても、内閣危機管理監は、このような経験で得られた教訓をその後の将来の同様の事態への対処及び発生の防止に生かすため、関係省庁危機管理体制点検、見直しや、発生防止策策定等に必要な総合調整を行うものである。  初期の対処が、阪神淡路でも、大変大事でありますから、危機管理監は、もし総理連絡がとれない、あるいは私と連絡がとれない、官房長官連絡がとれないという場合には、自分で判断してできることもあります。また集まってから相談する、それだけの責任のある内閣危機管理監だ、こう思っているところであります。
  47. 三沢淳

    ○三沢委員 僕は頭の回転が悪いものですから、なかなかちょっとわからないようなところがあったのですけれども、ペルーの事件では外務省がこの事件に当たられたと思うのですけれども、海外での場合と、例えば外国の飛行機が成田に来て成田でテロに遭った場合は、外務政務次官、まあ外務省ですね、が当たられるのか、それとも内閣危機管理監が処理されるのか、この辺のところがちょっと、どういうふうに事件を処理されていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
  48. 江間清二

    ○江間政府委員 お答えをいたします。  今委員お話にペルーの日本大使公邸占拠事件のお話がございましたけれども、もとより外務省が中心になって対応もされましたけれども、同時に官邸におきましても、先ほど来からお話が出て おります官邸内の危機管理センター官邸対策室というものを開設して、情報収集分析あるいは評価ということに当たったほか、内閣対策本部設置いたしまして、政府一体となって事件解決のための対応努力をしたということが実績としてございます。  それで、今お尋ねの、そのほか外国の航空機がハイジャックをされて我が国の飛行場等におりる云々というような場合には、これは内閣全体として、それぞれ実動の官庁というのはもちろんその所掌に応じて対応するわけでありますけれども、政府一体として対応する必要があるというその観点に立って、特にハイジャックについては、従来からハイジャックマニュアルというものを政府としてもつくって、その場合の対応というようなことについて要領を定めておるところでございまして、それにのっとってまた対応するということに相なろうかと思います。
  49. 三沢淳

    ○三沢委員 それでは、もし日本で外国の飛行機に起きた場合には、内閣危機管理監が当たられるのですか。
  50. 江間清二

    ○江間政府委員 御質問の御趣旨が、内閣危機管理監だけでということではなくてと思いますけれども、内閣政府全体として、一体として対応する際のまさにかなめとして、その任務を達成されるということに相なろうというふうに思います。
  51. 三沢淳

    ○三沢委員 その辺のところは、海外で起きた場合、日本で起きた場合、いろいろこれから事件があると思いますけれども、敏速に処理していただきたい、そういうふうに思います。  次に、国務大臣の過半数は国会先生方より選ぶように憲法で定められていますが、政務次官に対しては何ら法律では規定されていません。外交官の方は民間からも登用が可能になっていますが、我が国の場合、民間と官庁との人的交流は皆無と言っていいほどありません。  外国、特にアメリカにおきましては、公務員から民間の企業に移り、再び公務員に戻ったり、あるいはその逆に民間企業から公務員に移ったりと、日常茶飯事的に人的交流が頻繁に行われていますが、これからは公務員の人的交流が国の仕事を活性化する要因になるのではないかと思います。  その活性化の一環として、今回の政務次官一名増員に当たっては、従来の慣行を改めて民間より登用するお考えはないのか、お尋ねしたいと思います。
  52. 村岡兼造

    村岡国務大臣 官房長官も外務政務次官も同じでございますが、いろいろアメリカ等の例を出されまして、民間人を起用する考えはないか、こういうお尋ねであります。  政務次官は、大臣を補佐して、国会、政党等との連絡調整等を行うとの役割を果たしており、そういう役割を考慮すると、政務次官には国会議員の方がよりふさわしいと今まで判断をしてきております。  特に、アメリカと体制が違いまして、アメリカの大統領は四年、あるいは大統領制をとっているところは五年とか七年でございます。そのときに、民間もいいと思いますが、実際は、私、郵政大臣になって喜びまして、せめて半年ぐらいはできるだろうと思ったら、二カ月ちょっとで首になりました。これではとても、大統領制とか何かで民間をひとつ二年でも三年でもというのならおりますが、いつ、二カ月なのか三カ月なのか四カ月なのか、優秀な人だってこれは来ようと思ったって来ませんね。これが一つの問題であろうと思います。  それからまた、民間の優秀な方、これは手当というか俸給、こういうものも考えなければいけないし、また、政務次官になろうと思って待っている人もなかなかいないわけであります。  この点を考えますと、実はそれよりも、いろいろな審議会とか、あれは隠れ審議会だとかなんとかと各省庁言われておりますが、その審議会に、官僚のOBとかなんかをいっぱい入れるのじゃなくて、本当に民間の人を入れて、そういうものに民間の知恵を、いろいろな対策のときに、実はでっかい審議会でやっているけれどもというのではなくて、いろいろなもので民間の人を活用して方針を決めることが、政務次官を民間にするよりも私はよほどいいのじゃないか、こういうふうに考えております。
  53. 三沢淳

    ○三沢委員 ありがとうございます。  今のに引き続き官房長官お尋ねしたいのですけれども、今、政務次官は若手の方がよくなられまして、いい面は、官僚の方とお互い勉強になりまして、機能が本当に進んでいくのじゃないかという感じがしまずけれども、デメリットの部分を考えますと、余り親しくなりますと族議員の下地になるのじゃないかという感じもあるのですけれども、その辺のところはどうでしょうか。
  54. 村岡兼造

    村岡国務大臣 政務次官には閣僚経験者の政務次官もおります。しかし、一般的には比較的期の若い方が現在政務次官になっておりまして、一つは、その省のいろいろな勉強に大変役に立つであろう、もう一つは、余り親しくなり過ぎて族議員になるのではないか、こういう御心配だと思います。  しかし、これはその人の考えで、昔はそのよう状況があったと思います。現状は、先生承知のとおり、野党の皆さんもあるいはマスコミも目をらんらんとして光らせておりまして、役所のための言いなりになる、あるいは役所の利益だけをやるという政務次官はいない。むしろ、勉強して、この役所がどういうふうになればよくなるか、どういうことをすればよくなるか、こういう族議員というか、これを私は排除すべきものではない。ただ言いなりになるとか、業界の言いなりになるとか、これは排除すべきものだけれども。そう思っているところであります。
  55. 三沢淳

    ○三沢委員 ありがとうございます。  次に、内閣法改正案についてこれからお尋ねしたいと思います。  先ほど官房長官が、危機管理監について御説明ありまして、ちょっと違う形で答弁されたのですけれども、この危機管理監の権限と独立性というものが危惧されているような感じがするのですけれども、この危機管理監の権限というのはどこまで担保されているのでしょうか。
  56. 江間清二

    ○江間政府委員 お答えをいたします。  先ほど官房長官のお答えにもございましたけれども、内閣危機管理監内閣官房長官に準ずる職ということで置かれるわけでございまして、形式的には、官房長官あるいは副長官を助けてということになるわけでありますけれども、実質的には、内閣危機管理監がいわゆる危機管理に関するものを専任に担任をするという形になるわけでございまして、その際の権限という点についての御質問の御趣旨、私自身必ずしも的確に理解をしておりませんけれども、その危機管理監が実際にそれで対応する際に、当然のことながら、内閣官房の各室、安保室のみならず、内政、外政等ございますけれども、それぞれに危機管理に関する業務というものは持っておるわけでございます。  この危機管理監は、内閣官房における各室に対しては、当然のことながら、危機管理に関する業務について指揮をするという権限を持ちますし、関係省庁との関係ということになりますと、あくまでも内閣官房としての位置づけですから、その範囲の中で総合調整を行っていくということになるというふうに言えようかと思います。
  57. 三沢淳

    ○三沢委員 副官房長官の下ということでして、危機管理監の方が即緊急時に対応できるような、一々副官房長官とか官房長官とかに連絡を入れながら行動していますと対処におくれるのじゃないかと思いますけれども、その辺のところは。片方では連絡をとりながら、片方では指揮をとれるような。  アメリカなんかは管理システムというのがしっかりしていまして、大統領の直属の独立行政機関が、アメリカ連邦緊急事態管理庁、これがありましてしっかりしているのですけれども、この中で、災害ごとに大統領から任命される連邦調査官、これはもういろいろな、テロとか原子力の問題とか災害とかによって、アメリカの場合は一人 の人じゃなしにその災害に応じた人たちを任命するのが連邦調査官ということなのですけれども、内閣危機管理監の方はそこまでの権限は与えられないのかどうか、お聞きしたいと思います。
  58. 村岡兼造

    村岡国務大臣 今、アメリカの連邦補佐官ですか、その話も聞きました。いずれにいたしましても、委員の御意見を踏まえて、機敏に対応できるように、この内閣危機管理監、そうしていきたい、決してアメリカに負けないように立派にやっていこう、こう思っております。
  59. 三沢淳

    ○三沢委員 これは危機管理監だけ、人間だけ置いておくというのじゃなしに、やはり地方自治体、いろいろな各省庁組織がしっかりしたものを組んでいかないと、危機管理監だけ置かれてもなかなか災害には、緊急時には対応できないのじゃないか。そのようなところで、アメリカのいいところは見習っていただきまして、緊急時には地方までさっと一本の命令で即行動できて、国民の生命、財産、身体ともに守っていただきたい、そういうふうに思います。  次に、自衛隊との関係ですけれども、ある自衛隊の、これは国際結婚なさった方で、奥さんがアメリカ人の方なんですけれども、このだんなさんは日本の自衛隊の幹部の方で、アメリカの方というのは、軍人は戦争へ行くだけじゃなしに災害にもさっと自分で行くものだと思われたのが、阪神淡路大震災のときに、朝出ていって夕方になって帰ってこられて、びっくりされたそうです。  アメリカの場合は、軍人の方は災害に即手助けに行かれるそうですけれども、その辺のところで、淡路大震災では、自治体によりましたら自衛隊の災害出動要請に対してためらいがあって、その結果、救助活動の延滞によって犠牲者を多く出したということが記憶に生々しく残っております。この同じ過ちを繰り返さないためにも、自衛隊の災害出動要請権を危機管理監にも定める必要があるのじゃないかと思いますけれども、その辺のところはどうでしょうか。
  60. 江間清二

    ○江間政府委員 お答えをいたします。  自衛隊の災害派遣に関しましては、その災害派遣要請権者というのは、現在、自衛隊法、同施行令におきましては、都道府県知事並びに海上保安庁長官、管区海上保安本部長、空港事務所長が定められているというふうに承知しております。  これは、都道府県の地域、あるいは海上における防災、あるいは航空救難といったことにつきまして一次的な責任を有すると同時に、一般的に申しましてこれらに関する情報というものを最もよく把握し得る立場にあるそれぞれの機関の長に、その要請の判断をお願いしているというふうに理解をいたしております。  そういう観点から申しますと、内閣危機管理監災害派遣の要請権者にしたらどうかという御指摘については、現地危機管理監対応をするわけではございませんものですから、その意味で要請権者に追加するということは考えておりません。  ただ、現実の対応としては、都道府県知事等によって災害派遣の自衛隊に対する要請というものがあったときに、それぞれの関係機関が迅速な対応ができるように、必要に応じてその総合調整という形で危機管理監機能するという面はあろうかと思います。
  61. 三沢淳

    ○三沢委員 先ほどの話の中で一つお聞きしたいのですけれども、各自治体によって自衛隊の災害出動要請にためらいがある、これはちょっと問題じゃないかなと思うのです。  やはり、国民の生命や財産、体を守るためには、今、各首長さんから多分内閣の方に自衛隊の要請があって、それから動かれると思うのですけれども、その辺のばらつきが各自治体にありますと、その要請を、うちは自衛隊は来てほしくないというような自治体がありましたら、そこの国民の人は大変困ったりするのじゃないかと思うのです。  これはいろいろな考えがありまして、簡単には言えないことかもわかりませんけれども、災害に対したら、自衛隊の方の働きというのは、だれにも増して力を発揮されるのじゃないかと思われますけれども、その辺のところはどうでしょうか。
  62. 江間清二

    ○江間政府委員 自衛隊の災害派遣について、今の御質問について私がお答えするのが必ずしも適当かどうかわかりませんけれども、やはり、自衛隊に災害派遣を求めることにちゅうちょするということよりも、ふだん防災訓練とかいろいろな訓練で自治体と自衛隊とが常に連携をとって、何か事があったときに、ああ、この場合には自衛隊に派遣を要請すればいいという観点から、すぐ対応をとられる。そこに、ふだんからそういうものについての対応になれ親しんでいると申しましょうか、そういうようなことが非常に必要なのではなかろうかと思うのです。  それで、阪神大震災のときの例をお引きになられました。神戸などは確かに、当時自衛隊との一緒の訓練というようなことはなされておらなかったわけでございまして、そういうふうに私は承知しておりますけれども、いろいろ全国的に見てみましても、防災訓練等で自衛隊と自治体とが一緒になって訓練しているところ、常にふだんよくやっているところとやっていないところがあったということで、努めて、阪神大震災以降、その面での密接度といいましょうか、連携というのが上がってきております。そういうことがまず言えようかと思います。  それから、今委員御質問の中に、災害派遣を要請する際に、内閣に要請というようお話でございましたけれども、自衛隊の災害派遣につきましては、政令で、それぞれの地方の部隊に受ける権限は任されておりますので、通常は、先ほど言った都道府県知事だとかあるいは管区海上保安本部長とか、そういう要請権者は、最寄りの部隊に要請をするということの仕組みになっておりますので、ちょっと補足して申し述べます。
  63. 三沢淳

    ○三沢委員 ちょっと私の勉強不足でして申しわけありませんでしたが、ともかく、今までお話ししてきましたけれども、いつ災害が起きるかわかりませんので、どうかアメリカのよう危機管理専門の独立した行政機関をぜひつくっていただきたいと思います。  官房長官、何回も答弁されておりますけれども、その辺のところは早急にできるのでしょうか。危機管理の独立した行政機関をつくるお考えはあるのでしょうか。アメリカのようなしっかりとした行政機関といいますか、アメリカには連邦緊急事態管理庁というのがありますけれども、この危機管理監というのはそれと同じような扱いになるのでしょうか。
  64. 村岡兼造

    村岡国務大臣 三沢先生、アメリカの例まで出しますけれども、まずとにかく内閣危機管理監をつくって、先ほどの増員のこともいたしましたし、各省庁にも全部対応をとれる、特にアメリカみたいに一つの何とか庁とか何かということはいたしませんけれども、まず内閣危機管理監、統合できて処置をとれる、そういうものをつくって万全を期していきたい、こう思っております。  時間のようでございますので、短くお答えいたします。よろしくひとつ……。
  65. 三沢淳

    ○三沢委員 どうもいろいろありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
  66. 谷津義男

    谷津委員長 御苦労さまでした。  これにて両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  67. 谷津義男

    谷津委員長 これより両案に対する討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。瀬古由起子さん。
  68. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  私は、日本共産党を代表して、内閣法及び国家行政組織法の二法案改正についての反対の討論を行います。  まず最初に、内閣法の一部改正の反対理由についてです。  反対の理由の第一は、一昨日の当委員会指摘しましたように、内閣官房長官の増員の必然性 が全くないことです。  政府の提案説明によりますと、社会経済情勢の中での複雑多岐にわたる行政の課題に一層的確に対応できるよう内閣官房における総合調整機能強化するためとしております。しかし、複雑多岐にわたる行政の課題とは何を指し、内閣官房における総合調整機能とは何を言うのか、また、現在の二名の体制で職務遂行に支障が来しているのかどうかが何ら明確になっていないことです。  むしろ、内閣官房長官の増員は、首相権限の飛躍的強化などを盛り込んだ行政改革会議最終報告内閣機能強化の補完的役割を果たすことが重要な意味を持っているように考えられます。名護の海上ヘリポート基地化推進に象徴されるような、住民投票結果を無視した施策の総合調整機能を推し進めるための副長官の増員には反対です。  反対の理由の第二は、災害対策などの名のもとに危機管理監の創設がされます。しかし、見逃すことのできないのは、この危機管理監は、新ガイドラインにおける周辺事態での対米協力を進めるための調整機能役割を担う危険性を持っていることです。  当委員会指摘しましたように、現在、総理指示に基づく緊急事態対応策として、内閣安全保障室を事務局に、在外邦人等の保護、大量避難民対策、沿岸重要施設の警備等、各種対米協力措置の四項目の検討が進められていますが、この緊急事態対応策は、新ガイドラインにおける周辺事態での日米共同対処や対米支援措置とも重なるものです。危機管理監の職務は、国防を除くすべての危機管理を統理するとしていますが、このような周辺事態各種事態への軍事的危機管理体制を、自衛隊の役割拡大と、危機管理監一体となって対処するものにつながるものであり、反対です。  続いて、国家行政組織法改正案の反対理由を述べます。  外務政務次官の一名増員を内容とする本改正案は、内閣機能強化の一環として、首相権限の強化に伴うトップダウン方式の行政体制を一層強化することにつながることです。総務庁みずからが、国家行政組織法の一部を改正する法律案の扱いについての文書で述べているように、内閣法改正案と共通の趣旨、目的を有している。このことでも明らかです。  もちろん、私たちは、現在の国際情勢、外交は多面的になっていることは承知しております。しかし、現在の我が国の外交は、イラク危機に対する日本政府対応、インドネシア・IMF問題に見られるように、対米追随と大企業への奉仕を基本としており、主体性のないものです。幾ら忙しいと言っても、この方向で一層活発な外交の展開のために外務政務次官を増員することは、国民にとって何の必然性もなく、本改正案について反対するものです。  以上、二法案に対する反対の態度を表明し、討論を終わります。(拍手)
  69. 谷津義男

    谷津委員長 これにて両案に対する討論は終了いたしました。     —————————————
  70. 谷津義男

    谷津委員長 これより採決に入ります。  まず、内閣法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  71. 谷津義男

    谷津委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、国家行政組織法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  72. 谷津義男

    谷津委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 谷津義男

    谷津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  74. 谷津義男

    谷津委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時九分散会