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1998-03-17 第142回国会 衆議院 内閣委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年三月十七日(火曜日)     午前九時四十一分開議 出席委員   委員長 谷津 義男君    理事 植竹 繁雄君 理事 小此木八郎君    理事 小林 興起君 理事 穂積 良行君    理事 粟屋 敏信君 理事 佐々木秀典君    理事 倉田 栄喜君 理事 三沢  淳君       小野寺五典君    越智 伊平君       河井 克行君    熊代 昭彦君       佐藤 信二君    近岡理一郎君       虎島 和夫君    野田  実君       平沢 勝栄君    福永 信彦君       武藤 嘉文君    池端 清一君       中沢 健次君    石井 啓一君       若松 謙維君    河村たかし君       瀬古由起子君    寺前  巖君       深田  肇君    笹木 竜三君  出席国務大臣         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 村岡 兼造君         国 務 大 臣        (総務庁長官)  小里 貞利君         国 務 大 臣        (経済企画庁長         官)      尾身 幸次君  出席政府委員         内閣参事官   洞   駿君         内閣官房内閣安         全保障室長   江間 清二君         総務政務次官  熊代 昭彦君         経済企画庁国民         生活局長    井出 亜夫君  委員外出席者         議     員 小川  元君         議     員 河村 建夫君         議     員 金田 誠一君         議     員 辻元 清美君         参議院議員   海老原義彦君         参議院議員   山本  保君         参議院議員   大脇 雅子君         参議院議員   堂本 暁子君         内閣委員会専門         員       新倉 紀一君     ————————————— 委員の異動 三月十七日  辞任         補欠選任   逢沢 一郎君     福永 信彦君   萩野 浩基君     河井 克行君   石田幸四郎君     若松 謙維君   鰐淵 俊之君     河村たかし君 同日  辞任         補欠選任   河井 克行君     萩野 浩基君   福永 信彦君     逢沢 一郎君   若松 謙維君     石田幸四郎君   河村たかし君     鰐淵 俊之君     ————————————— 三月十七日  内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出第  二二号)  国家行政組織法の一部を改正する法律案内閣  提出第二三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  市民活動促進法案(第百三十九回国会衆法第一  八号)(参議院送付)  内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出第  二二号)  国家行政組織法の一部を改正する法律案内閣  提出第二三号)      ————◇—————
  2. 谷津義男

    谷津委員長 これより会議を開きます。  第百四十回国会衆議院提出参議院送付市民活動促進法案を議題といたします。  本案は、第百四十回国会で本院において修正議決の上参議院送付いたしたものを、参議院において継続審査に付し、このほど修正議決上本院送付されたものであります。  したがいまして、参議院修正部分を除いて趣旨説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 谷津義男

    谷津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、参議院における修正部分につきまして趣旨説明を聴取いたします。参議院労働社会政策委員会における修正案提出者参議院議員海老原義彦君。     —————————————  市民活動促進法案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  4. 海老原義彦

    海老原参議院議員 市民活動促進法案に対する参議院修正部分趣旨及び内容について御説明申し上げます。  本修正は、参議院労働社会政策委員会理事懇談会中心とした各党協議により、委員会における修正要求及び参考人の御意見、さらには関係団体の御要望等を踏まえ、発議者の方々の御意向を伺いながら取りまとめたものであり、貴院からの送付案趣旨を損なうことのないよう配慮したつもりであります。  次に、この修正内容について、概要を御説明申し上げます。  第一に、この法律中、「市民活動」を「特定営利活動」に、「市民活動法人」を「特定営利活動法人」に改めるとともに、法律題名を「特定営利活動促進法」に改めることとしております。また、法律目的に関する規定中「市民に開かれた自由な社会貢献活動」とあるのを「市民が行う自由な社会貢献活動」に改めることとしております。  第二に、特定営利活動法人定義について、特定公職候補者等もしくは公職にある者または政党を推薦し、支持し、またはこれらに「反対するものでないこと」としているのを、「反対することを目的とするものでないこと」に改めることとしております。  第三に、所轄庁に関する規定について、「事務所が所在する都道府県知事」とし、団体委任事務であることを明確化することとしております。  第四に、設立認証に係る申請書添付書類のうち、特定営利活動法人役員が本法律の定める欠格事由に該当しないこと等を「誓約する書面」については、「各役員が誓う旨の宣誓書謄本」に改め、また、当該法人宗教活動を主たる目的としない等の要件に該当することを「誓約する書面」については、「確認したことを示す書面」に改めることとしております。  第五に、申請に係る書類縦覧期間を二カ月間に延長することとしております。  第六に、認証基準に、申請に係る特定営利活動法人が「暴力団又は暴力団若しくはその構成員の統制の下にある団体でないこと」を追加することとしております。  第七に、経済企画庁長官は、所轄に係る特定営利活動法人から事業報告書等書類写し提出を受け、これらを当該法人事務所が所在する都道府県知事送付しなければならないこととするとともに、知事は、送付を受けた書類写しを、条例の定めるところにより、閲覧させることができる旨の規定を追加することとしております。  第八に、報告及び検査規定について、「立入検査」を「検査」に改めることとしております。  第九に、別表に掲げた活動のうち、「災害時の救援活動」を「災害救援活動」に改めることとしております。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  5. 谷津義男

    谷津委員長 以上で趣旨説明は終わりました。     —————————————
  6. 谷津義男

    谷津委員長 これより質疑に入ります。  まず、参議院修正案提出者に対する質疑を行います。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
  7. 倉田栄喜

    倉田委員 平和・改革の倉田でございます。  参議院提出者先生方には、きょう御審議の場にお臨みをいただきまして、大変ありがとうございます。  今委員長からお話がありましたように、この法案につきましては、衆議院段階でさまざまな議論があった後、当時の新進党としては反対ということで参議院の方に送付をいたしました。今御説明をいただきましたように、今回参議院の方で修正をされ、しかも全会一致参議院委員会の方では可決をしたということでございます。  そういう経過がありますものでございますので、きょうは提出者先生方に、修正項目中心になるとは思いますが、その前提関連部分に関しても、法案の賛否についても重要なことでございますので、なお確認の意味で御質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと存じます。  そこで、大前提になってしまって非常に恐縮でありますけれども衆議院段階で実は大阪で公聴会をやりましたときに、この法案が、いわゆる自助共助公助という言葉がございますけれども、これから二十一世紀社会をつくるときに、いわゆる共助社会推進に非常に役立つものであればいい、こういうふうなお話が出ておったことを記憶いたしております。  そこで、参議院提案者といたしましては、この法案によって認証される法人は、今ほど申し上げました自助共助公助に対応する共助社会、この推進にどのように資するとお考えになっておられるか。質問が長うございますので、簡潔にお答えいただければと思います。
  8. 堂本暁子

    堂本参議院議員 まずは、私ども参議院修正案提出いたしました発議者をきょうはお招きいただいたことにお礼を申し上げたいと存じます。  すぐ質問お答えを申し上げたいと思いますが、今先生指摘になりましたように、二十一世紀に向けて、まさに新しい共助の形態として、NGO、NPOがあるのだと認識しております。  かつては村落共同体が担った共助あり方にかわる存在として、これから法人格が付与されることによりまして、それぞれ同じような目的で、ボランティアなり市民活動をしたい人たちがそこに集い、お互いに助け合いながら、その地域社会なり、もっと広く国際的な貢献を展開していく、そういった役を果たしていくように積極的になるというふうに認識しております。
  9. 倉田栄喜

    倉田委員 私は、共助社会推進に資するためには、いわゆるNPO法人というものが、独立性自律性がきちんと保障されて行政関与は極力排除をされるということ、そしてさらにいわゆる法人社会への参画が容易であるということ、そのためには財源というのか資金確保の諸手当てがなされなければならないこと、この三点が重要であると思っております。  以下、その観点から一つ一つお尋ねをさせていただきたいと思います。  まず、今回参議院段階で、衆議院から送りました「市民活動」という言葉が、題名も含めて「特定営利活動」、こういうふうに修正をされましたけれども、この市民活動特定営利活動とは実態上同じなのか、あるいは違うところがあるのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
  10. 堂本暁子

    堂本参議院議員 「市民活動」を「特定営利活動」と修正いたしました。これは、より積極的に私たち修正したものでございまして、この法案対象としている活動によりふさわしい表現にするためでした。そして今回、その対象の範囲が変わるとか、あるいはその活動内容に関して変更があるというようなことはございません。
  11. 倉田栄喜

    倉田委員 それでは、これは経済企画庁当局の方にお伺いをいたしますけれどもNPO団体の現状、活動しておられる団体の総数は大体どれぐらいあるのか。そして、その中からこの法人格申請申し出られる団体はどの程度と予想をされておられますか。概要、その実情についてお話しいただければと思います。
  12. 井出亜夫

    井出政府委員 お答えを申し上げます。  全国のNPO団体の数につきまして、平成八年度に経済企画庁委託調査を実施いたしました。それによりますと、団体数が約八万六千団体ございます。このうち、法人格必要性を感じた団体数ということで、そういう問い合わせに対しましてはおおむね一万団体というふうに回答が寄せられております。それから、法人格必要性を感じたことのある団体で複数の都道府県事務所がある団体、これは約二千団体というふうに推計をされます。  ただ、この調査自身は、NPO団体といたしまして継続的、自発的に社会的な活動を行う営利目的としない団体ということでございまして、特定の姿を明示いたしまして調査をしたものではございませんものですから、本法案が成立した暁の姿とは必ずしも一致しないかもしれませんけれども、とりあえずそんな集計を得ております。
  13. 倉田栄喜

    倉田委員 今お答えいただいたような数の団体の方から申請申し出がある、そういたしますと、経企庁としても、この法案認証ということになっておりますが、その認証制度がどのように運用されるかということも実は重要なポイントなのだろうと思います。衆議院段階では、認証ということではなくて、いわゆる準則主義みたいなことでやるべきではないかという議論があったことも、参議院ではさらに議論がされたことだと思います。  そこで、提案者お尋ねをいたしますけれども、この認証制度趣旨、その運用について、提案者としてはどのようにお考えになっておられますか。
  14. 大脇雅子

    大脇参議院議員 いわゆる法人設立するためにさまざまな形式があるわけですけれども、特別の法律の制定を必要とする特許主義、あるいはその設立を許可するか否かを主務官庁自由裁量にゆだねる許可主義、あるいは主務官庁申請すれば必ず認可を与えなければいけないという認可主義、さらに、一定の手続によってそれを講じたときに法人設立が認められる準則主義等があります。  法人格付与の際の手続から、実質的にどの立場をとるのかということは決まるわけですけれども、今回のこの法案においては、所轄庁認証基準に合致しているかどうかということを判断いたしまして、それに合致すると認められるという意味で、認可主義に該当すると考えられます。  本件修正におきまして、私どもは、これを団体委任事務というふうに明確化いたしまして、設立認証に係る申請書添付書類に関する修正を行いました。十条第一項第二号ハ書面を「第二十条各号に該当しないこと及び第二十一条の規定に違反しないことを各役員が誓う旨の宣誓書謄本」ということに改め、第十条第一項第四号の書面を「第二条第二項第二号及び第十二条第一項第三号に該当することを確認したことを示す書面」に改めました。これは、原案において誓約書となっておりましたものを、市民活動自主性ないし自律性を尊重し、平等性をその組織原理で含むということから、このように修正をしたわけであります。  また、縦覧期間の延長も行いましてさらに情報を公開するということで、でき得る限りその自主性民主性を担保するということを検討したわけであります。  したがって、認証に関して、所轄庁の態度というものは抑制的でなければならないということを確認しております。
  15. 倉田栄喜

    倉田委員 認証制度運用、そのあり方ということにつきましては、実は、この法律が基本的にいわゆる十二分野活動になっている。このことによって、認証されないNPO団体が出てくるのではないのか、あるいは十二分野活動分野というものをどういうふうに考えていくのか、その認証認定基準というものが非常に重要になってくるのだろう、こう思います。  今提案者の方から、認証制度については抑制的にというお話ですが、これは行政あり方が抑制的にならなければならないという趣旨なのかと私は思いましたけれども、今申し上げました十二分野活動になっているということ、このことについて、実は申請をしたときに、この分野に当てはまらないからおたくはだめですよということが運用によって左右されることがないかどうか、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
  16. 海老原義彦

    海老原参議院議員 別表の十二項目分野、これについて当てはまらないものがあるだろうか、そういうことについて、修正のときにはどういう考え方でやっただろうかという御趣旨の御質問かと思います。  私ども修正に当たりましては、この十二項目については、これを広げるべきかどうかということも含めて随分と検討いたしました。しかし、いろいろな角度から検討しておりまして、また、衆議院発議者お話ども何度も承りながら考えたわけでございますけれども、この法律は、いわば民法三十四条の特別規定としてつくっていくという性質のものだというお話も承りました。  それを離れて、もっと幅広いものにしろという御趣旨だとすると、これはやはり、そうは申しましても、そうなっていくと民法全体の改正という大きな問題とどうしても関連していくわけでございまして、とりあえずの間に合わない。民法改正というのも、私は、これは将来必要なことだろうと思っておりますけれども、とりあえずの間に合わない。  これはやはり可能なところがら、現在すぐ実施できるところがらやっていくということで、民法法人の章全体に手をつけるのでなくて、とりあえずNPO法人実態を見ながら、必要なものは何かということで十二項目ということをおとりになったという衆議院発議者の御趣旨も十分承ったところでございます。  さて、そうしまして、私どもの方で、ではだめな部分はどういうのがあるのだろうかというのを一つずつ見ていきました。  現時点において法人格を付与するにふさわしいような市民活動をやっている団体をいろいろ例示を挙げて考えていったのでございますけれども、どうもそのほとんどがこの十二項目に入っておるのではないか。ただ、全部が入るというわけではございません、正直な話。しかしほとんどが入っておるので、現時点においてはこの十二項目で問題がないのではないか。  もちろん、これは特定営利活動ということで、特定するという意味で、特定外のものがあるわけでございますけれども特定外のものでまだ重要なものが漏れておるのだというようなことが今後出てまいりましたならば、それは三年後の見直し規定ということもございますし、今後十分検討していくようにいたしたいと思ったわけで、今回の修正には、この十二項目衆議院からいただいた法案のまま、ただ、文言を多少変えておりますけれども、これは単にわかりやすい表現にしたというだけでございまして、基本的には衆議院からお送りいただいたままということとしたわけでございます。
  17. 倉田栄喜

    倉田委員 認証制度という運用がどうなされるか、さらにその十二分野項目に基本的に限られるということがどう、これから申請をされてくる法人法人格が付与されるかどうかということに関して言えば重要になってくるのだろうと思うのです。  そこはまさに行政あり方ということが重要になってくるのだろうと思いますが、そこで、これはあわせてお尋ねいたしますけれども報告とか検査とか、先ほど提案者の方から修正項目の中にその辺の関係お話、御説明もいただきました。  そこで、参議院段階提案者側としては、報告とか検査、あるいは改善命令取り消し、そういうことが、行政の伝家の宝刀というのか最終的な手段というのか書いてございますけれども、この点、行政関与あり方については参議院段階ではどういうふうに御議論があって、どういうふうに提案者としてはお考えになっておられるのでしょうか。
  18. 海老原義彦

    海老原参議院議員 お答え申し上げます。  参議院段階におきましても、この報告あるいは検査、あるいはそれに基づく改善命令、それから認証取り消し、そういったものについて、委員会における質疑立案者趣旨をただすということは何度もいたしております。  それでいただいた御答弁で、立案者の御趣旨、十分理解したわけでございまして、本法案では、所轄庁による設立認証は基本的に書面審査によるものとしまして、比較的簡単な手続のもとで法人格を取得できるようになっておる。そういうことがある一方、法人社会的存在であるということにかんがみますと、このような制度が悪用されることのないよう、市民相互の監視のための情報開示規定ども設けておるということが片方にございました。  それで、それらの方法で対処できないような事態が起こった場合どうするかというのが、先ほどから申しております四十一条から四十三条の規定による報告徴収立入検査改善命令認証取り消し制度でございます。  そういう場合であっても、立案者趣旨としては、所轄庁の恣意的な権限行使が行われないように、特に相当な理由があるときに限定したり、あるいは立入検査の際に、その相当の理由を記載した書面市民活動法人役員等に提示したりないしは交付したり、そういったことを規定しているわけでございまして、不当に抑えるなど法人が萎縮するような効果をもたらすものではないのだという提案者の御説明がございまして、そのことを参議院といたしましても了解したものでございます。
  19. 倉田栄喜

    倉田委員 それでは次に、これも衆議院段階で非常に議論になったところでございます。その衆議院段階議論を踏まえて、また参議院でもさまざまな議論が出たのだと思いますので、修正関連あるいはその前提としてお尋ねをさせていただきたいと思うわけでありますが、いわゆる法人定義目的のところに、宗教活動あるいは政治活動あるいは公職者に対する批判の制限というか、そういう項目がございます。  そこで、参議院提案者にもお尋ねをしておきたいと思いますが、この法人として認証された団体が、これは何となく信教の自由を制限されているようにも見受けられるわけですけれども、これは憲法上保障される信教の自由というのを侵害するものではないかどうか。これは衆議院段階でも本当にさまざまな議論が出たわけでありますけれども参議院提案者としてはどのように理解されたのか。  さらに、この法人として認証された団体がどうも政治活動を制限されたようにも見受けられます。これも、憲法上保障される表現の自由の一つである政治活動の自由を制限しているのではないのか。これもこの衆議院内閣委員会で随分さまざまな議論がございました。  まずこの二点、参議院としてはどんなふうに理解をされて、最終的に修正全会一致という形になったのか、お伺いをしておきたいと思います。
  20. 海老原義彦

    海老原参議院議員 ただいま御指摘のありました二点につきましては、参議院としても論議の集中したところでございました。  殊に、参考人の御意見などを伺っておりますと、非常にここら辺を問題にお考えになっておる。それで、私も含めて何人かの質問者衆議院提案者先生に伺ったわけでございます。提案者先生から、るる説明がございました。この法律の仕組みについて、先生方よく御存じのとおり、いろいろと配慮がされておるということの御説明もございました。  最終的には、ともかくそういったいろいろな配慮がなされた法律であって、憲法二十条に違反するものではない、信教の自由を侵すものではない。また、二十一条で保障されておる政治活動の自由というものを侵すものではないということは明言をいただきましたので、私どもとしては納得したわけでございます。
  21. 倉田栄喜

    倉田委員 この点は経済企画庁当局運用の問題にもかかってくるかと思いますので、経企庁の方にも特に後でお尋ねをさせていただきたいと思います。  そこで、今の話の続きでもう一点、これは今回参議院段階修正をされたことにもかかわるわけでありますけれども、「特定公職候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれに反対することを目的とするものでないこと。」こういうふうにございます。  ここの文でございますが、例えばこれも、法人として認証された団体は、ここに言う公職者に対するいわば批判、この批判の自由というのを制限されたようにも見えます。この点、憲法上保障される表現の自由と問題ないのかどうか。また、この部分衆議院段階でも問題になったわけですけれども、主たるという言葉がない分だけ余計にそう見えるわけでございますが、この点、参議院としてはどうお考えになったのか。  私がこのように申し上げますのは、例えば、この法人首長を相手に訴訟を起こしたり、あるいは、首長をやめろ、こうリコール運動を起こしたりするようなことが、公職者に反対することを目的とするものでないことという規定からすればできなくなるおそれがあるのではないのか、そう思うわけです。この点はどうでしょうか。  こう申し上げますのは、例えば、公職選挙法、ここに言う公職者というのは、例えば首長であるとかあるいは政務次官だとか、いわゆる選挙によって選ばれたことが当てはまるんだと思うのですね。そういう人たちに対してはそういうことを、反対することをしてはいけないけれども、例えば事務次官だとか副知事だとか、そういう人たちに対してはやってもいいみたいな形になってしまって、この辺どうなのかなと何となく疑念を持ったわけです。  「反対することを目的とするものでないこと。」と、参議院ではこのような修正を入れていただいた、私はこのように理解をいたしておりますが、今私が申し上げました点については、提案者としてはどのように理解をされておられるわけでしょうか。
  22. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 お答えいたします。公明の山本です。  その前に、私は、実は参議院で私が中心になりまして、あと自由党そして太陽党の議員と一緒になりまして、新しい対案をつくって出しました。それは、まさにこういう点を問題にしまして、いかなる制限もないようなもの、そして、新しいこれからの社会中心になるべきNPOという、税制優遇についても言及したものでありましたけれども、今、倉田先生お尋ねになられましたことはまさに私どもも一番問題にしたところであります。  たくさん御質問がありましたので順に答えさせていただきます、ダブるかもしれませんけれども。  まず、立法者意思として、この条文が表現の自由でありますとか結社の自由等に触れるものではないと先ほど海老原議員からもお話がありましたように、そういうものではないのだということは確認させていただきましたが、しかし、法文である以上、この法文がひとり歩きするようなことがあっては困るわけであります。本来的には全面削除もしくは全面書きかえを私どもは最後までお願いいたしましたけれども、諸般の事情からそれは難しいという御返事でありましたので、私どもとしましてもぎりぎりの妥協としまして、今先生がおっしゃったような修正をお願いし、受け入れていただいたわけであります。  この「目的」という言葉を入れましたことによりまして、いわば、先ほどいろいろなお話がありましたけれども、結果的に、またあるいは偶発的に、そして付随的な形で公職者等を批判するというようなことには当たらないようにしよう。また、衆議院における提案者におかれましても、今回の議論をずっと見させていただきますと、この条文につきましてはすべて選挙に関する議論しかされていないという、これが立法者意思であるというふうに私ども考えました。それであるならばということで、「目的とするものでない」と入れさせていただいたわけであります。  言うなちば、この法人目的とは、つまりすなわち、定款で定められるような事業活動の範囲としてということでございます。そして、それによって特定公職候補者等を推薦、支持、これらに反対することが行われるものでない場合にこれに当たるのであるというごとでございます。ようなということでございますので、定款に定められるようなということから、実際上定款に書いてあるということよりは、客観的に、実態的に、そのようなものとして、目的として動いていたということがここで事後的に判断をされるということはやむを得ないかと思っております。  それから次に、訴訟等でございます。  これにつきましては、既に衆議院段階で、衆議院提案者の方から、住民訴訟等は、これは全く住民として保障された権利であり、これはこの条文に当たらないという答えをいただいております。  ただし、市長や議員のリコール、解職請求につきましては、リコール自体は選挙運動ではないということでございますが、この法の趣旨であります公職によって選ばれた者についての、その身分についてのものでございます。そこで、この条項の意味しておりました選挙運動類似の活動であると考えられますので、繰り返しになりますが、定款で定められるような法人の事業範囲、事業活動の範囲としては、このことはできないというふうに考えております。  ただ、当然のことではありますが、法人として行う、法人目的として行うことはできないわけでございますが、個人あるいはその有志がグループとして行うことについて制約するものではないことは、これはもう当然のことでございます。  もう一点、政務次官とおっしゃいましたでしょうか、具体的なことがございました。これについても同じでございますが、ただ、政務次官につきましては直接選挙によって選ばれるというものではないことから、政務次官についてはこの条文は当たらないのではないかと考えております。  以上でございます。
  23. 倉田栄喜

    倉田委員 リコールのところができるかどうかというのは議論があるのだろうと思います。もちろん、目的なのか、あるいは従としてそういう行動が起こったのか、その場合にどう判定をするのかということは、まさにこれから運用の問題としてもそういう議論が起こってくる可能性があるのかなと、こう思いましたので、あえて尋ねました。  例えば今のお話の中で、公職者に反対することを目的とするものでないこと、こう言った場合、首長とか、あるいはまあ総理でもいいわけですけれども、その首長推進するいろいろな一定の、例えばダムの建設であったりあるいはごみ焼却場の建設であったり、さまざまな施策がございますけれども、この施策に反対をすることはどうなのでしょうか。
  24. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 今おっしゃいましたような具体的な施策、また特定の施策についてはどうかというお尋ねでございます。  これは、基本的にはハの条項というよりはロの条項に入るわけだと思いますけれども、政策なりまたはその施策を推進したり反対することについては何の問題もないと思います。また、その候補者等を呼んでその話を聞くというようなことにつきましても何ら問題はない、差しさわりはないと考えております。
  25. 倉田栄喜

    倉田委員 それでは、次の視点ですが、このNPO法人がいわゆる我が国の法人社会への参画が自由にできなければならない、そういう意味で、各NPO団体が、ともかく法人格の付与ということはずっと長い間運動を続けてこられて、熱望されてこられたことだと思います。同時に、その設立をされたNPO法人法人として認められてどう活動をしていかれるか、法人としてどういう活動ができるのかということについても実は参加者の報酬の問題であるとかさまざま重要な問題が残っていると思います。  まず、認証されて法人格を付与された団体は、目的の範囲内であれば、目的の範囲内の事業活動というのは自由にできるわけですか。
  26. 堂本暁子

    堂本参議院議員 これは原案の問題でございます、修正部分ではございませんけれども、五条の一項に、「市民活動法人は、その行う市民活動に係る事業に支障がない限り、その収益を当該事業に充てるため、収益を目的とする事業を行うことができる。」ということになっております。  とかく、このNPO法案、ボランティアが主なのだというふうに言われがちですけれども参議院段階でも、私どもは、この収益事業、これは、決して営利で行うわけではなくて、今先生おっしゃいましたように、その目的に沿った非営利の事業であれば積極的に行うことが大変大事だというふうに考えております。例えば、車いすを使って介護の事業をする団体がある、その事業が拡大されていくというようなことは、これからも多々あるのではないかというふうに考えております。
  27. 倉田栄喜

    倉田委員 もう一点確認をさせていただきたいと思いますが、いわゆる参加者の報酬の問題については、これは衆議院段階でさまざまな議論がありまして、いわゆる三分の一というのですか、役員の三分の一という規定がございますが、これは構成員考えた場合に、その役員総数の三分の一以外の報酬というのは自由に決めていいというふうに参議院の方でも理解をされたわけでしょうか。
  28. 堂本暁子

    堂本参議院議員 これも原案の問題ですけれども、おっしゃいますとおり、二条の二項一号のロで、役員のうちの報酬を受ける者の数は役員総数の三分の一というふうに決めている以外には、報酬を直接制限する規定はございません。同じでございます。
  29. 倉田栄喜

    倉田委員 それでは、提案者に最後の方の質問でございますが、もう一つ、いわゆるNPO団体活動をしていくときに、営利目的としない事業活動という意味で、今の収益事業も実は活動を続けていく上で非常に重要な要素であろうかと思います。しかし、それだけでは、この法人が本来持ついわゆるボランティア性等の問題も含めて、十分ではない部分もあるのかと思います。  衆議院段階でも、このNPO法人の各団体からも、資金源をどう確保するのか、これは非常に重要な問題として議論もされましたし、さまざまな要望も出されました。  これも参議院の直接の修正項目に係るわけではないわけでありますけれども、その修正議論の前の非常に重要な論点として、附帯決議の中には入っておることでもございますので、あえて提案者に確認をさせていただきたいと思いますが、市民というか各ボランティアというか、この法人を支援するような仕組み、資金的にも支援するような仕組み、そういう社会的仕組みが必要なのではないのか、そして同時に、衆議院では本当に議論になりましたけれども、寄附金控除の問題、これをつくるべきではないのか。  私は今でもこう思っておりますので、参議院段階はこの点どんな議論がされたのか、また、参議院提案者としてはこの点をどういうふうにお考えになっているのか、まず二点についてお伺いをしたいと思います。
  30. 海老原義彦

    海老原参議院議員 先生質問の資金源の確保の問題、殊に税制控除とかそういった問題でございますけれども、これは参議院段階でも非常に熱心に議論されたところでございます。  結論から申しますと、当面はともかくNPO団体法人格を与えるということが急務であるという認識から、まず法人格の付与だ、それだけで今回は目いっぱいではないかな、現段階においては。殊に、この法案、いつまで審議していてもいいというものではない、成立を急ぐので、とりあえずは法人格を与えるということに主眼を置いていこうということで最終的には意見統一したわけでございますが、そこに至るまでには実にいろいろな議論もございました。  また、そういったことを反映いたしまして、附則二項には、これは衆議院からいただいた法案としてそのまま手を入れないのですけれども、「市民活動法人制度については、この法律の施行の日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」という附則二項、そのまま入っておりまして、この検討というのは税制に係る検討も含むのだということも御答弁いただいておるようなわけでございます。  さらに、参議院といたしましては、労働・社会政策委員会におきまして、「特定営利活動法人に関し、その活動実態等を踏まえつつ、税制を含め、その見直しについて、法律の施行の日から起算して二年以内に検討し、結論を得るものとすること。」という附帯決議を付しておる。  この附帯決議を付したということでもお酌み取りいただけると思いますけれども、私どもとしては、税制による支援ということも非常に重要である、特に寄附金税制の問題についても何度も理事懇談会においても議論が出たところでございまして、寄附金税制という問題を今後どんな形で検討していくかということも真剣に考えておるわけでございます。
  31. 倉田栄喜

    倉田委員 参議院の方でもこの点に関して重要な問題として議論がされたということは理解をいたしました。  繰り返しになりまずけれども、このNPO法人というものの独立性自主性自律性がきちんと保障をされて、そして我が国の法人社会、きちっと参加をしていけるということ、そのためにも、今申し上げましたように資金源の確保ということが重要になろうかと思いますので、今後の見直しも含めて、さらに議論を深めさせていただければ、このように思っております。  以上で終わります。ありがとうございました。
  32. 谷津義男

    谷津委員長 御苦労さまでした。  河村たかし君。
  33. 河村たかし

    河村(た)委員 河村たかしてございます。  率直に言いまして、野党というのは泣ける存在かもわかりませんけれども、議員立法ということでございますが残念ながら今のところはやはり党議拘束というのがかかっておりまして、与党、野党という枠組みの中で、どうしても与党の方が数が多いものですから、野党の議員、議員立法として野党とか与党というのは僕は本来的にはおかしいと思うのですけれども、野党として最大限のできることは与党案に対してぎりぎりの修正を何とかから取ることであるということで、本当にある意味では不満で断腸の思いでございますけれども、今回、賛成をすることにいたしました。  その立場で、しかしこれが本当にNPO法案であるのかどうか、それから、この法案が一歩前進であるのか、下手をすると百歩後退なのではないか、こういう問題も、これは多分、国会は、二十一世紀の日本社会、どういう社会をつくるかにおいて、大変重大な十字架を背負ったのではないか。そういうことをさらにこの際認識をしていただかないと、この法案ができたから何かそれで終わってしまうということであれば、これは確実に百歩後退になるであろう、そんな警告もありまして、お話をさせていただきたいど思います。  NPOは、何遍も言いまずけれども、本来の形というのは自立をしておるのでありまして、いわゆる公共サービスを、官といいますか、そういうものと競い合って自立してやっていくものだ。それがNPOなのであって、決して行政下請のものをNPOというのではないということを内閣委員会衆議院でも何遍も言ってきましたけれども、今のままでは多分そうなる可能性が非常に強いということでございますので、私どもとしてもだれにも負けぬ覚悟で、決意で、さらに国会内外を引っ張っていくと言うとちょっと大げさかもわかりませんけれども、そういう、自分に十字架を課したつもりで努力をしていきたい、そんなふうに思っております。  まず初めでございますけれども先ほど倉田委員からの質問もありますけれども、名前が特定営利活動に変わりました。先ほど答弁もありましたけれども、それで内容的には前のものと変わらないと言われましたけれども、それでよろしいのですね。
  34. 堂本暁子

    堂本参議院議員 河村先生も恐らく四年以上の歳月この法律の制定に努力してこられたことに、まず敬意を表したいと思います。  そして、私も、実は足かけもう四年になりますが、立案の作業にかかわってまいりました。与野党の別はないと思います。参議院の発案者も与野党の別なく私ども一緒に発案しておりますし、そして、こういった法案は、与党、野党ではなくて、国民の代表としての議員が全員でやはりつくり上げていくという種類の法律ではないかというふうに思います。  もう一つ先生がおっしゃった、行政の下請になるような法律だということは、私は思っておりません。これは今、野党がぎりぎりの修正を加えてとおっしゃいましたが、与党の中でも、野党からの御要望、そういった形で衆議院段階でも参議院段階でもぎりぎりの修正をして、私たちは可能な限り行政の裁量のない法律になっているというふうに思っております。これから運用の中でも、私たち国会は、それが立法の趣旨であるということが十分に担保されていくことが大事だというふうに思っております。  名前については、市民活動という名前に私も大変なじんでおりましたけれども、一方ではNPOというふうにも言っておりました。そういう意味ではノンプロフィットオーガニゼーションという名前になったわけでございまして、今おっしゃいましたように、内容については変わっておりません。
  35. 河村たかし

    河村(た)委員 変わっていないならなぜ名前を変えたのかというところを、ちょっとお伺いしたいと思います。
  36. 堂本暁子

    堂本参議院議員 非営利、まさにNPOというのは非営利で、営利と非営利という分け方の方がより適切だという考え方からでございます。
  37. 河村たかし

    河村(た)委員 営利、非営利といいまずけれども、もう一つ、公益かどうかという問題、共益かどうかという問題もあって、決して適切な名前ではない。非営利法人法といっても、中には、こういう名前でいえば共益とかそういう問題も全部一緒にして決めてしまうのかということがあって、どうもやはりこの特定という言葉自体には、これ、なぜ特定と言ったのですかね。
  38. 堂本暁子

    堂本参議院議員 この法律では十二の分野特定しております。それは、御存じのように、民法三十四条の特別法という位置づけでつくっておりますので、そこのところのすみ分けの必要があったわけでございまして、「市民が行う」、ここのところの表現を変えておりまして、「市民に開かれた」を「市民が行う」というふうに、「行う自由な社会貢献活動」という表現からもわかりますように、あくまでも市民の主体性を大事にした形でこの名前も考えております。特定というのはその十二項目という意味です。
  39. 河村たかし

    河村(た)委員 ということになりますと、何回も議論に出てきましたけれども、これは法律上のすみ分けだからやむを得ないのだとか、それから、前ある方が言われましたけれども、自分でここに入るからといってその書類に書けばそれで通るんだというような話があった話なんですよね。  それを特定に名前を変えた以上は、この法律趣旨としては、やはりその十二項目は実は非常に制限的に解釈するんだと。ここはある意味で僕は自民党の答弁者の方は非常に正直だと思います、私今まで聞いておりましたけれども。自民党の方は、限定制限列挙であるということをかなりはっきりと言われております。ですが、自民党でない方が、何か自分で勝手に解釈すればそれがOKになると。自分で申請書に書くのはいいですよ。だけれども、それは解釈すべき人がするのであって、それは御承知のように、文言から客観的に立法趣旨考えて解釈するということだろうと思います。  この法律を、仮に裁判官になったと思って、ないしは経企庁長官になったと思って、知事になったと思って解釈すると、なぜこの法律にはその他がないのだろうか、なぜ特定という名前に変えたのだろうかということを客観的に、希望は別です、希望は。そうなると、やはりいろいろな新しいというかさまざまな活動が出てくると思います。それについて、制限的に、やはり文字からぱっと判断できる一応の範囲以外は除いて解釈する方が適当、それが立法趣旨と言えるんじゃないですか、これは。
  40. 堂本暁子

    堂本参議院議員 いささか堂々めぐりになってしまうかもしれませんが、やはり立法の趣旨としては、その十二項目に限定されているということは事実です。  私ども、確かにその他ということについて議論があった、参議院段階でも大いに議論がございました。しかし、今回はあくまでも民法改正ではないという第一段階で、こういった特定というのをつけて、そしてその特定の十二項目という形に限定されていまずけれども、附帯決議には、自主性を損なうものではないということも参議院ではつけております。
  41. 河村たかし

    河村(た)委員 私どものつくりました法律の中からは、目的を限定するというのはどうしてもどこからも出てこなかったのですね、実は。だから、人間がやる行為の、あなたはこれをやっているからいけない、これをやっているからいいんだということは、これはひとつとんでもない話でございまして、なぜこの十二項目だけなのか、あとのそれはだめなのかということが全く理解できなかったということでございます。  そういうことでございますけれども、ここで申しておきたいのは、やはり希望と別なんですよ、これは。希望と別。私どももすぐ修正提案をしたいと思っておりますけれども、希望と別なので、先ほど言いましたように、希望は、要するに多元的社会ですから、ありとあらゆるいわゆる公益活動。公益というのは悪くも使われますけれども、世のため人のためになる活動全部含むということなんだけれども、客観的に見ると、今言ったように特定と書いたことが非常に制限的に解釈される余地を残してしまったということを一つ申し上げておきます。  それから、あれですか、書類にはどう書いてもいいけれども、判断するのは、それがそのままオーケーになるわけじゃないでしょう。  例えば一つ具体的に聞きますけれども、僕は情報通信が専門なんですが、コミュニティー放送なんてありますよね、地域でやる。これは、寄附なんか中心にしてやっていく放送局なんというのは本来のNPOには非常にいいと思うのですけれども、そういうのが申請出た場合、これは放送文化だからといって文化のところにコミュニティー放送と書いたら、目的、文化と。これは一体オーケーになるのか。オーケーですね、これは当然。
  42. 堂本暁子

    堂本参議院議員 私は、立法者の意思としてオーケーだと思います。  そこのどこの範疇に入るかということは、その団体自体がその目的とどういう活動をするかということで判断して、その町づくりというところに入れるか、文化というところに入れるか、判断して申請するということになると思います。認証の段階で所轄庁が判断することも入ると思いますけれども、本質的には団体自身が自分の意思で書くということになります。
  43. 河村たかし

    河村(た)委員 今の話というのは本当は答えになっておるかどうかわかりませんけれども、ちょっと一応確認をしておきますけれども、自分で書いてもいい、自分で思うのは国民の勝手ですよ、判断するのは、それはいわゆる所轄庁が判断するということですね。
  44. 堂本暁子

    堂本参議院議員 原則として、今回、認証書面についての認証です。ですから、よほどのことがない限り書面認証するということになるので、所轄庁の判断が入るのは、何か特別違っているとか、何かあった場合以外はないというふうに思っています。
  45. 河村たかし

    河村(た)委員 それともう一つ、例えばNPOに関するいろいろな情報を国民に提供する団体というのはあり得るのですけれども、これも何か自分で、十二項目めというのは実は十一項目についての連絡と書いてありまして、これがどうかわかりませんけれども、しかし、全体的なNPO文化だと仮に考えて文化と書けば、それはよろしいのですね。
  46. 堂本暁子

    堂本参議院議員 大丈夫です。
  47. 河村たかし

    河村(た)委員 今後いろいろな問題があまた、めちゃくちゃ出てまいりますので、これはぜひ力を合わせてこういうばかげた規定は一刻も早く削除するようにしないと、日本の国は、国民が何か社会活動をするときに、常にあなたの目的がいいかどうかお上に判断していただくという、とんでもない国になってしまうということです。例えば営利で株式会社をやるときに、あなたはこういう営利活動をしてはいけませんよということはありませんよね、これは。そういう、同じようなことを認めるとんでもない規定になってしまうということを、一つ警告を発します。  ただ、賛成いたしますので、ぜひ力を合わせて、本当に二十一世紀の子供たちにいい法律をつくってくれたなと言っていただくように大いに頑張りたい、そんなふうに思います。  次の問題ですけれども、世の中にいろいろな活動があると思います。例えば、行政がやる活動、特殊法人、公益法人がやる活動、それから民間がやるいわゆる営利活動ですね。それと、今回言われている特定営利活動ですか、これはどういう違いがあるのですか。どういうふうにとらえておられるのですか。
  48. 海老原義彦

    海老原参議院議員 営利活動特定営利活動といかなる違いがあるか、そういう御趣旨の御質問でございますか。
  49. 河村たかし

    河村(た)委員 営利活動ばかりではなくて、例えば公務員の行う活動、それから私ども議員の行う活動、いろいろありますね。全体の社会活動の中で、特定営利活動というのはどういう意味が、どういう特色があるのですか。
  50. 海老原義彦

    海老原参議院議員 この特定営利活動というのは、法文の初めの方にもございますように、一番基本的には市民が行う自由な社会貢献活動である、それから不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする、それから営利目的としないものである、こういつたような特徴があるわけでございます。
  51. 河村たかし

    河村(た)委員 自由な社会貢献活動は結構なんですけれども、自由な社会貢献活動というのは営利法人もやっておりまして、どうもとらえ方がいま一つ本質をついていないのではないかというふうな感じがしております。  端的に言いますと、自立してという言葉がないのですよね。独立して頑張るということですよ。何か下請と同じじゃないですか、それなら。今言われましたように自由な社会貢献活動だったら、役所の下請で補助金をもらって、全部天下りが来て、それでも自由な社会貢献活動と言えるのではないですか。どうもそこのとらえ方がいま一つ、どうなんでしょうか。
  52. 海老原義彦

    海老原参議院議員 私、一番最初に、最大の特徴は市民が行う自由な社会貢献活動。役所がやるのじゃないのです、役所の下請ではないのですよ。市民が行う自由な社会貢献活動ということが最大の特徴でございます。
  53. 河村たかし

    河村(た)委員 海老原先生に熱いお言葉をいただいて。それでいいのです、下請でないということをはっきり認識していただければ、今後直すということも可能なので。いやいや、これは全部下請の法人法ですよと言われてしまえば、それはそれでも、ある意味では別の法人法になりますから、NPOは別につくるということになったと思います。  しかし私は、これに賛成するについては、ある意味では、今までいろいろなお話をしてきましたけれども、どうも何か、阪神大震災とか重油流出事故等があったために行政が手が回らない、それをただでだれか助けてくれぬかなと。事務所が借りれないとかそういう話があるから、どうも気の毒だからという、何か施し的な気持ちで実はつくったんだ、しかし、みんながNPONPOと言うものだから、何かわけのわからぬうちにNPO法案と言ってしまったという話もありましたものですから、その辺のところは、NPOというのは自立しているということを、ぜひここは確認をしていただきたい。  そういう精神で今後ともいろいろな法案修正については大いに前向きに考えるのが当たり前である。海老原先生、そういう精神で結構でございますね。ちょっと答弁をいただきます。
  54. 堂本暁子

    堂本参議院議員 私は、今の、先生がずっと役所の下請的というふうにおっしゃっていることについては非常に理解に苦しみます。そういうことを省くということでいえば画期的な法律だというふうに思っておりますので、先生が心配なさるような形にはならないというふうに申し上げたい。
  55. 河村たかし

    河村(た)委員 今、本当は自民党の海老原さんからいただきたかったのですが。まあ結構でございますけれども。いいですか。
  56. 海老原義彦

    海老原参議院議員 先生、大変御心配のようでございますので、確認答弁という意味先ほど申しましたことを繰り返しますけれども、この特定営利活動法人が役所の下請であるとかそういうことは全くの誤解と偏見でございまして、この法律の立て方からして、また、そもそもが市民が行う自由な社会貢献活動であるということからして、そういった御危惧は全く御懸念なさる必要はないと考えております。
  57. 河村たかし

    河村(た)委員 そうであるなら、これからの課題でいいのですが、やはり目的限定という話は絶対出てこないはずであった。それからいわゆるイ、ロ、ハの、政治、宗教を制限したり、それから公職者批判を禁止するという話は出てこなかったであろう。それともう一つ、やはり、産んだ子にミルクを与えるように、寄附控除の話なしで、お金なしであなたたち頑張れよという発想は絶対出てこなかったはずなんですよね。これは今後の課題ですから。  私どもは野党で泣けてまいりますけれども、四年間を通じて自立型の法案を目指してきたということなので、そこはひとつ、私たちの目指してきたのは、いわゆる官があって民があって、もう一つ、自立する第三セクター、こういうようなほんまものの独立するNPOをつくりてきたのが私たちのこの四年間の闘いであって、またそれがきょうから継続する、こんなふうに思っております。  それで、今の特定営利活動、これに対して役所のかかわり方なんですけれども、これは基本的にどういうスタンスでかかわるというふうに法律がつくってあるのですか。
  58. 堂本暁子

    堂本参議院議員 最初から書いてございますように、提出書面認証を受けるという形になっています。  今の御質問内容なんですが、役所のかかわり方というのは、所在地の問題なのか、認証の問題なのか、法人格取り消しとかいろいろありますけれども、もう少し先生質問を具体的にお願いいたします。
  59. 河村たかし

    河村(た)委員 当然、認証とかその他の活動の制限ですけれども、今言われましたように、認証だから書面で判断すると言われますが、これはぜひ、きょうの文章は速記録に載りまして国民の皆さんが見ることになりますので、それは自分が書くということなのであって、これを誤解されるような記述はやめてくださいよ、必ず。今までの答弁を聞いておると、何か、自分がこれに入ると思ってその目的書面で書けばそれですべてオーケーになる、絶対認証される、こういうふうにとれるのですよ。違いますでしょう、それは。
  60. 堂本暁子

    堂本参議院議員 当然のことながら、十二項目の限定というのもございますし、それから要件を満たしているということは必要です。いろいろ役員の人数とか取り決めがございますので、その文書についてはきちっとした書類をそろえる必要はございます。
  61. 河村たかし

    河村(た)委員 要件はありますということで、それでいいかどうかは、判断するのはあくまで所轄庁でしょう。自分の活動を何かしたときに、この目的であると書いてある。それは幾ら書いてあっても、全部、十二項目が書いてあっても、それでいいかどうかはそこで所轄庁が判断するのでしょう。
  62. 堂本暁子

    堂本参議院議員 今までの公益法人との差を申し上げればいいのかと思いますけれども、許可ではなくて、これは認証も決めた上での認証ということで、書面ですが、その要件を満たしていなければもちろん認証することはないと思いますが、きちっとその要件を満たしていれば原則として認証するということがこの法律の特徴だというふうに申し上げます。
  63. 河村たかし

    河村(た)委員 ここは、最後また原則という言葉を今つけられましたけれども、だからどういう活動でも十二項目に書いてあればすぐそれで間違いなくオーケーになるのですか、これは。実体審査は一切しないのですか。
  64. 堂本暁子

    堂本参議院議員 同じことですけれども、最初の審査は書面ですので、その書面が要件を満たしていれば認証されるということです。それが大きな特徴と申し上げました。
  65. 河村たかし

    河村(た)委員 これは多分大問題になるということを今言っておきます。  自分で幾ら十二項目を書いたところで、もし全然違うことを書いておったらどうするのですか。例えば行政監視のオンブズマンというのは、自民党との討論の中で、これは入らないのではないかという意見もありました。しかし、それは町づくりと書けばいいのだとかいう話もありますし、何か、では町づくりと書いてあれば、あとは、シンクタンクであろうが、町づくりだけ見るのですか、この法律というのは。  実体審査は一切しないということで本当にいいのですね、本当に。
  66. 海老原義彦

    海老原参議院議員 この法律趣旨は、衆議院立案者の方々から十分伺ったつもりでございます。私どもが理解している限りにおきましては、認証の際の審査はすべて書面審査である、そういうふうに理解しております。したがって、おまえ のところは町づくりと書いてあるけれども立入検査してみよう、本当に町づくりの作業をやっておるのかねというようなことは、どうもこの法律の成り立ちからすると、できないというふうに考えております。
  67. 河村たかし

    河村(た)委員 いや、これはすごいことなんです、実は。  ですから今後、これは後で経企庁長官にも聞きまずけれども、ここは本当に確認すると、設立は必ずオーケーになるという答弁があったということでございます、実体審査はないということですね。
  68. 海老原義彦

    海老原参議院議員 申請すれば必ずオーケーになるということではございません。必要な書類提出していただく。その書類の中で、皆さんがうそを書けば大変なことになるわけでございまして、うそを書かず正しく書いていただく。  例えば、第二条第二項第二号に該当することを団体の内部で意思決定機関において確認して、その確認した旨の書面を出していただく。その場合に、例えば第二条第二項第二号及び十二条一項三号、これは要するに暴力団関係であるかないかということですが、十二条一項三号に該当することを確認したことを示す書面を出していただく。暴力団であるにもかかわらず、うちは暴力団でないということを確認して、その確認書を出すという行為がもし行われたならば、それは大変な違法行為でありまして、何でも通るということではない。そのような違法があれば、それはもちろんどこかで問題になる。  ただ、残念ながら、認証審査のときはちょっと先生おっしゃる御危惧もあるかもしれませんけれども、ともかく違法な行為が許されるものではない。それは必ずどこかで問題になるということは申し上げられると思います。
  69. 河村たかし

    河村(た)委員 大変なことがわかりました。これは運用上、多分私は大問題を生ずると思います。この議事録はしっかり読んでいただいて、認証するかどうかは書面だけで行うということが今回確認をされたということでございます。  それから、では、そうなった場合、認証しましょう、では、後すぐ十二項目に当てはまるかどうかチェックしなければいけませんよね、これ。  いいかどうかは別ですよ、僕はそんなことやるなという立場ですけれども。一応、条文が書いてありますから、十二項目。それ以外のことは外さなければいかぬでしょう、やはり法律というのはそのためにあるのですから。いいかどうかは別ですよ。こういうことを言うと議事録にそれがいいというのが残ると困ります。僕は、そんな目的で判断するなということです。  それはどういうふうでだれがやるのですか。
  70. 堂本暁子

    堂本参議院議員 一つの県でしたら、それは県が所轄ということになりますし、二つ以上の県にまたがっている場合には経済企画庁所轄ということになりますが、その場合でも、そこで裁量をするという形で判断するものではないというふうに思っています。
  71. 河村たかし

    河村(た)委員 そうすると、一つ事務所だと県になっていますから、ばらばらになってもいいですね、それぞれ判断がばらばらになっても。
  72. 堂本暁子

    堂本参議院議員 今回はあくまでも統一的な基準をつくるというようなことをこの法律では避けています。ですから、地方分権の趣旨からいって、一つの県と違う県と幾らか微妙な差はあるかもしれません。しかし、私ども国会の意思として、それを避けるために、常でしたら政令とかいろいろ書かれるような領域のことまで非常に事細かくこの法律の中に規定し、そして全国統一的な形で運用されるようにという強い意思を法律の中に盛り込んだつもりでおります。  これは衆議院段階の原案の議論でございますけれども参議院においてもそのことの意思は同じでございます。
  73. 河村たかし

    河村(た)委員 いいのです。地方分権の時代ですから、ばらばらになってもいいということの方がかえっていいんですよね。  ではもう一つ言っておきまずけれども、例えば経企庁が全国課長会議でもやって、各県に、この条項についてはこういうふうに解釈しなさい、そういうふうに指導することはないのですね、そういうことは。
  74. 堂本暁子

    堂本参議院議員 参議院委員会の中で、例えば全体的な調査とか数字を確認するとか、そういった作業は経企庁でも行う必要があるであろうというような議論はございました。しかし、ガイドラインをつくるとか、そういったことを経企庁が実際にやるということはございません。
  75. 河村たかし

    河村(た)委員 それは確認しておきます。  絶対に経企庁が、こういうふうに解釈すべきと、せっかく団体委任事務にしたのですからね、やってはいけないということでいいですね。
  76. 堂本暁子

    堂本参議院議員 統一的な見解を経企庁が出すということはないと思います。いろいろな質問に対して答えるということがあったとしても、それは助言程度のものがあるかもしれませんけれども、ガイドラインをつくるようなことはしないということです。
  77. 河村たかし

    河村(た)委員 それでは、次に移ります。
  78. 谷津義男

    谷津委員長 河村君、ちょっとお待ちください。補足答弁ですので。海老原義彦君。
  79. 海老原義彦

    海老原参議院議員 ただいまの問答を聞いておりまして思ったのですけれども経企庁はあくまでも所轄庁一つである。所轄庁の中で最大の所轄件数を抱えるものとなるでしょうけれども所轄庁一つである。でありますから、経企庁で出す総理府令というのは条例に相当するものであって、他の所轄庁を縛るというような性格のものではございません。  ただ、もう一つ敷衍して言えば、最大の所轄庁であるということは、他の所轄庁が、何か、おたくではどうやっていますか、初めてこういう事例に接したけれども、おたくではそういう事例をお持ちでしょう、既にやっておられるでしょう、おたくの経験を教えてくださいというような質問が来る、それに答えるということはあり得ることだと思います。
  80. 河村たかし

    河村(た)委員 時間がありませんから、次に移ります。  それから、二条の問題があるのですね。二条二項、いわゆる政治、宗教制限規定。これは、いわゆる宗教者それから政治活動をやっていこうという者にとって、大変なとんでもない規定でして、僕は憲法違反の疑いが濃厚である、こんなふうに思っております。  なぜ宗教者が、宗教上の信念があるがゆえに、営利法人はっくれるけれども、僕はこの法律は本当はNPOと言いたくないのですけれども、なぜNPOもどきの法人をつくることができないのか。とんでもない差別でございます。しかし、野党としては残念ながら何ともなりません、ですから、ぎりぎりの修正ということで認めまずけれども。  それから、政治上の主義と施策が分けられるなんてとんでもない議論がありましたけれども、これもめちゃくちゃですわ、言ってみれば。とにかく一刻も早く、イ、ロ、ハは削除されなければならない。そのための提案を、もうすぐにでも削除の法案を出していく、その決意を申し述べたいと思います。  それと、実はこの二条二項には「その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。」という規定があって、衆議院段階では、五一%を超えると主たるだとか、四九%ならいいんだなんて議論がありましたけれども、よく読んでみたら、これは後で読んだのですが「その行う活動が」と入っておりまして、三百六十四日は一切宗教活動政治活動をやらなかった、ただしかし、一日でも一回でも、例えば国会の周りをデモした、国会の中で院内集会をやった、その行う活動が主として、ないし主としていない規定もありますけれども、政治、宗教に触れたらいかぬのだ、そういうふうに規定が読めるじゃないですか。  これは一回でもやったらだめなんですか。
  81. 海老原義彦

    海老原参議院議員 お答え申し上げます。  本件につきましては、これは参議院段階でもいろいろと議論のあったところでございます。したがいまして、衆議院立案者の御答弁も何度も伺っております。そういった御答弁を総合して私どもなりに判断いたしますと、これは憲法違反でも何でもない。  と申しますのは、二条二項二号のイでございますね、イについては、宗教法人とのすみ分けであります。ロについては、政治団体、政治上の主義主張をする法人とのすみ分けである、そういったようないろいろな考え方が働くわけでございます。  またさらに、宗教者にとって一番ひっかかるのは改正前の十条でございますけれども、十条の一項四号に、二条二項二号に該当することを誓約する書面というのがある。つまり、世俗の代表である知事に対して信仰の告白をするような形になる、信仰していないという告白をするような形になるということ。これは非常に宗教者にとって耐えられない話でございますが、これを、団体の内部における確認と趣旨は全く同じであるというような立案者の御答弁もいただいて、このように直したということによってかなり改善されておるということもございます。  いずれにせよ、先生が御心配になるような問題は、参議院段階議論では一応解消しておるということでございます。
  82. 河村たかし

    河村(た)委員 その活動がという規定は、一回だけの活動は当たらない、全体の活動がということであるということで、確認の答弁をいただきたいのですが。
  83. 海老原義彦

    海老原参議院議員 確認答弁を求められておりますので申し上げます。  その活動というのは、その団体の行う個々の活動をつかまえて言うのでなくて、その活動の全体をつかまえて規定しているものでございます。
  84. 河村たかし

    河村(た)委員 それから、公職者批判禁止規定なんですけれども、これはめちゃくちゃな規定です、とんでもない。これをよく聞いていてくださいね、議員の皆さん。  議員が、みずからを否定してはいけない、批判してはいけないという法律国会がつくってしまったということですよ。私もこの問題については非常に、本当に歴史に対して恥じるところはないのだろうかといまだに自問自答をしております。民主主義の中では絶対やってはいけない法律であったということだと思います。ですから、これは即刻修正されなければならない、こういうふうに確認しておきます。  もう時間がありませんから、これはちょっと答弁をいただきましょうか。その辺のところ、「目的」とっきましたけれども、何がどう変わったのですか。単純に、ひとつ短く。
  85. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 では、短くということでございますので。  先生がおっしゃるようなおそれというものを私も非常に感じておりまして、そのようなことがないということで聞いております。  「目的」ということをつけたことによりまして、先ほども申し上げましたが、それが偶発的なものであったり付随的なものであったりするものではない、定款で定めるような団体の事業の範囲を指すものである、これでなければよろしいというふうに参議院では答弁をしております。
  86. 河村たかし

    河村(た)委員 いわゆる玉虫色ということで、僕も、これがなかったらこれはもう絶対反対しないと、何遍も言いまずけれども、日本の国会は、みずからの国会議員が自分を批判してはいけないという法律をつくってしまったということは、本当に自戒しないととんでもないことだということを言っておきます。  それからもう一つ、お金の担保は一切なしで設立を認めるという話があります、財産的担保を。これは本当にやられるのですか、本当に一銭もなしで。
  87. 大脇雅子

    大脇参議院議員 法人格を付与するということは、確かに権利能力の主体として認めることでありまして、一定の実体が重要なことは申すまでもありません。それは認証制度その他で担保されております。財産等の要件については、全く規定しておりません。  自由な社会貢献活動は、必ずしも一定の財産を要件とするということにはなじまない。現実に活動している市民活動も、たくさんお金を集めてからでないととれないということになりますと、普通、新しい団体ができまして社会的に認知されるまでに一定の年限が必要であるということになりますので、そういう意味では認証の要件を満たせばいいということになります。
  88. 河村たかし

    河村(た)委員 では、それは一応確認しておきます。  しかし、自由な社会貢献活動はだれでも自由だというのは、それは自由にやればいいので、法人をとる場合は、やはり第三者は取引の安全がありまして、何もなしで、先ほどからほかの法人と、ほかの法人というか民法上の整合性とかいろいろ言われておりますけれども、例えば有限会社なら三百万、株式会社なら一千万、合名会社だったら個人の無限責任とか、いろいろあるわけです、取引する方が。  今度の場合は、ではこれは何もなくて、ただ人数が集まってばかりではないですけれども、ほかの要件がそろえばすべてオーケーであるということが確認されたということで、一応、あと経企庁長官がございますので、これで質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  89. 谷津義男

    谷津委員長 御苦労さまでした。  瀬古由起子さん。
  90. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  NPO法案は、我が党が衆議院提出いたしました非営利団体に対する法人格の付与に関する法律案、また、参議院提出した非営利法人特例法案などの諸法案とともに、すべて議員立法として提出されておりまして、衆議院参議院でそれぞれかなりの時間をかけて、委員の間で真摯で熱心な質疑が行われました。その中で、本法案は衆参それぞれで修正されて、本法案運用に当たっては可能な限り市民団体が使いやすいものにするのが提案者の立法趣旨であることも繰り返し答弁されてまいりました。  市民団体の希望にこたえ、各党派と各関係議員の方々の共同の努力に対しまして、改めて敬意の気持ちを申し上げたいと思います。  今、多様な形での市民運動が全国各地で発展しております。政府や自治体にそれぞれの分野での要求の実現を求める運動があり、また、みずからが運動に自発的に参加して、社会のことを考え、役に立ちたい、何らかの社会参加をしたいという要求からの市民運動がございます。いずれも、日本の社会の進歩にとって、極めて健全で積極的な底流をつくり出していると考えております。  NPO法のそもそもの目的は、市民団体法人格を付与することで、また税制上の優遇措置などを講ずることで、市民活動市民団体活動を支援する、活動しやすくすることであります。日本共産党は、この期待に全面的にこたえられる内容を目指した立法提案を行いました。超党派議員立法によるNPO法の実現を求める市民団体の要望に対して、一定の貢献ができたものと確信しております。今後、よりよいNPO法の実現を目指す活動国会内外で旺盛に取り組まれ、一日も早い実現を心から願うものです。  本法案は、提出当初は、会員名簿の提出を義務づけるなど、市民活動監視法案とも呼ばれるものでした。その後の市民団体の運動と関係議員の努力については、さきに申し上げたとおりです。本法案が、NPO法の本来の目的あり方からすれば、今御指摘があったように極めて不十分な問題もございます。さまざまな問題が指摘されている法案ではありますが、二度にわたる修正を初め、各党派と議員の方々のよりよいNPO法を目指した共同の努力を評価して、今後の見直しの中でよりよいものに変えていくために日本共産党も全力を尽くす決意を込めて、本法案に賛成するものです。  その立場から、私は、大きく分けて二つの柱で質問をさせていただきたいと思います。  第一点は、参議院修正された本法案の到達点ほどこまで来ているのかという確認でございます。もう一点は、この法案の見直しに向けての課題と論点についてでございます。  まず最初ですけれども修正によって、希望する市民団体に対してできるだけ広く法人格を付与する道が拡大されたかどうかでございます。  市民活動市民団体は、多種多様、多彩でございます。非営利活動の性格、内容行政とのかかわり方によって、法人格の取得が制限されることはないという点。また、本法案の第二条の規定は、会員制の団体の取り扱いなど、衆参の委員会審議でも多くの質疑がなされました。結論的に言って、提案者修正意図は、希望する団体にできるだけ広く法人格が付与されることであるということでよいのかどうか。その点、御確認いただきたいと思います。
  91. 海老原義彦

    海老原参議院議員 お答え申し上げます。  この法案は、衆議院で発議された原案の段階からして、そもそもNPO活動を行う市民団体に対してできるだけ広く法人格を付与するということを趣旨としておるわけでございまして、そのことは修正後も変わることはございません。  今お話しの、会員制の団体ということがございましたけれども、会員制の団体は、余り会費が高い場合はどうなのかとか、いろいろな議論が会員制の団体についてもございました。これについて衆議院発議者先生から確認答弁をいただいたので、御紹介させていただきます。  会費を徴収する場合であっても、その金額、手法等において不特定多数性の趣旨を失わせるものでない場合、あるいは不特定多数を対象とする市民活動を主たる活動とする団体特定の者に限定したサービスを従たる活動として実施している場合には、会員制あるいは一部会員制の団体であっても、不特定多数性の趣旨を失わせるものではないため、本法案対象になる。  こういうことでございまして、かみ砕いて言えば、実費に近いような低廉な会費で会員に対するサービスをするということであるならば、これは不特定多数性を失わない。したがって、この法律に言う特定営利活動法人たる資格があるということでございまして、非常に幅広く考えられているということでございます。
  92. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 できるだけ広く法人格が付与されるような姿勢で、今後この法律運用されるべきだというように思います。  二つ目の質問ですけれども先ほどお話がございましたように、全国に八万六千の市民団体があり、そのうち一万ぐらいの団体法人格を希望している、このようなお話がございました。現に活動している市民団体から強く要請がされているのは、法人格のあるなしによって差別が出るのではないか、こういう御心配でございます。  審議の中でも繰り返し取り上げられましたように、この法案そのものにさまざまな問題があって、すぐにこの法律の適用を受けるかどうかということで随分迷われる団体もあるかと思うのです。そういう中で、多くの団体にとって、まだ不十分な側面がたくさんありますから、活用しにくいという場合も予想されます。そういう場合に、法人格を取ったところと取らないところの差ですね。  法人格のない団体が現在いろいろな補助金やさまざまな行政的な援助は受けているという場合もございます。そういう場合に、法人格のない団体行政や企業から不利な扱いを受けることがあってはならないというふうに私は考えております。そういう意味では、提案者の立法趣旨は一体この点をどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  93. 大脇雅子

    大脇参議院議員 参議院の審議におきましても、原案の発議者から、法人格を持つあるいは持たないということで差別というものがあってはならないし、あってほしくないという答弁をいただいているところであります。  本法の目的は、市民による自由な社会貢献活動として市民活動の健全な発展を促進し、公益の増進に寄与するということにありまして、法人格というのは権利主体として認めるかどうかということに尽きるだけでありまして、法人格なき社団と法人というものに対して、そうした市民活動の側面から差別があるというふうには考えられないと思います。
  94. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 三点目ですけれども衆議院での修正で、第二条二項二号のハについて、「特定公職候補者若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対するものでないこと。」となっていたのが、「反対することを目的とするものでないこと」と修正をされました。この修正によりまして、修正前に比べて、法人活動の制限という点では何がどう変わるのかという点でございます。  同条のイとロにも「目的とするものでない」という条文がございますが、ここで言う目的とは、例えば定款に定めるとか、またそれと同様の位置づけがされている場合以外はこの条項に反しないのだ、こういう点で解釈していいのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
  95. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 お答えいたします。  お尋ねの第二条第二項第二号のハについての修正についてでございます。  おっしゃいましたように、「目的とするものでないこと」というふうに明確に書き入れたことによりまして、定款で定められるような法人目的、すなわち事業活動の範囲、先ほど全体的な事業、活動というお話もありましたが、そのものとして特定公職候補者等を推薦し、支持し、またはこれらに反対することが行われるものでないということであればこの条項に反することにはならないということでございまして、このことはもともとの趣旨であるというお話もございましたけれども、その意味をはっきりさせる、明確にさせるというためにこの修正を行ったものだというふうに思っております。
  96. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 四点目でございます。  第四十四条に新しく、経企庁長官による都道府県知事に対する情報の提供という項目が加えられております。この法案では団体委任事務の原則があり、経企庁長官が都道府県を指導監督する立場にないことが確認されてまいりました。この条文によって、提供をする情報対象法律で限定されています。そういうことからすれば、経企庁長官が情報の提供という名目のもとに都道府県を指導することに道を開くそのおそれはないか、この点を確認させていただきたいと思います。
  97. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 委員の御質問は第四十四条でございます。ここにはおっしゃいますように「情報の提供」とはございますが、その情報内容につきましては「第二十九条第二項の閲覧に係る書類写し」とはっきり明示してございます。ですから、お尋ねにございましたような形でそれ以外の情報提供というようなことは行われないと思いますし、先ほど海老原議員の方からもその旨をお答えしておるところでございます。
  98. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 五点目です。  この法案都道府県との関係では団体委任事務を採用していますけれども都道府県運用段階で立法趣旨と異なる運用が生じた場合、議員立法である本法案の場合に、提案者国会としてどのような措置が考えられるのか。具体的な運用の場合に、地方自治体の段階で、違い、異なる運用が生じた場合、そのケースはどのようにお考えでしょうか。
  99. 堂本暁子

    堂本参議院議員 この法律は、ほかの法律に比べまして非常に細かいところまで書いております。したがいまして、参議院段階法案の審査をする中でも、総理府令あるいは条例に委任されているのは原則として提出書類の書式細目などに限られるということも確認しております。  というわけで、大変異なった形で運用されるということはないようにということが立法者の、これは衆議院参議院の別なく徹底してそのことに心をいたしたというふうに思っております。微妙な差はあるかもしれませんけれども、それはできるだけ地方自治の趣旨配慮して運用していただくということになると思います。大きくは違うことがないというふうに認識しております。
  100. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 都道府県が個別にいろいろな判断をするということもあるので、この点では、立法趣旨と異なる運用が生じないような、趣旨の徹底を図るといいますか、そういうことが大変重要だなということを感じているわけですが、その点はいかがでしょうか。
  101. 堂本暁子

    堂本参議院議員 衆議院参議院におきまして、このような形で、法律内容それから運用についての確認が多々なされたと思っております。そういう意味からいいましても、この議事録が大変大事な役を果たすと思っております。私ども、多分、衆参の提案者、そして質問の中での示されたいろいろな質疑の記録がそういった意思として確認されていくということを望んでおります。
  102. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 この法案の成立がなされた場合には、各都道府県では条例づくりが始まります。そういう場合にさまざまな問題点があるのですが、今回のNPO法の審議されてきた過程などを見ましても、市民の皆さんの果たしてきた役割というのは随分大きかったと私は思うのですね。そういう意味では、地方自治体で条例をつくる場合にも、住民参加、市民団体参加というのは大変大事ではないかということを考えています。国会審議の内容、それから共同修正過程の内容が正しく条例に反映できるという点での徹底も大事ですけれども、同時に、こうした住民参加、市民団体が参加していく、こういう条例づくりというのは大変好ましいというように考えています。  この点について、今後、私たち衆議院も当然それは責任を負っていくわけですけれども参議院の労働・社会政策委員会ではどのようにフォローしていくかという点での御論議がございましたら、お知らせいただきたいと思います。
  103. 堂本暁子

    堂本参議院議員 参議院議論の中でも、これは議員が立法したというだけではなくて、議員と市民が一緒になって立法した法律であるということを述べるチャンスが多々ございました。実際この三年間そういうプロセスを経たと思っております。地方でも、できるだけ多くの市民が条例づくりに参加して、自分のものとして条例と法律を使うことが大事だと思います。  とはいうものの、参議院段階では、全体としてどういうような運用がされているか、あるいは全体としてどのぐらいの数の市民団体が実際に法人格を付与されているかというようなことについては、ごく基本的なことについては経企庁としての調査をするようなこともフォローアップとしてはしてほしいというような質疑もございました。
  104. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 では、二点目、見直しの問題について若干質問させていただきます。  今後、これは法律が成立したという前提のもとになるわけですけれども、もしそうなった場合に、本法案の見直しという直ちに取り組まなければならない問題があります。そういう意味では、この法律が議員立法で、論議されつくり上げられていくこういう法律の性格を考えますと、この見直しについても行政や省庁の主導ではなくて議員主導で、そして市民団体の皆さんとも共同しながらこの見直しは進めていくべきだというふうに思いますけれども、その点、提案者の御見解はいかがでしばうか。
  105. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 お答えいたします。  お尋ねの見直しにつきましては、この附則の第二にございます、この制度については「この法律の施行の日から起算して三年以内に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。」この条文についてのお尋ねだと思います。  おっしゃいますように、この法案は議員の発議によりまして、私どもも含めて多様な案が出たわけでございます。その後、与党案に対して、衆議院において、また参議院において数々の修正が加えられてまいりました。この修正過程を思い出してみますと、まさに国民また市民市民運動の方々の強い声が反映されたものであると思っております。今後の見直し作業につきましても、当然これらの方の声を受けまして、私ども国会議員がその責任を与えられたものとして、国民の声を受け、責任を持ってその仕事に当たっていくべきだと考えております。
  106. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 見直しの二つ目ですけれども、本法案の原案それから修正案の多くの提案者の方々が、審議の中で、希望としてはできることなら準則主義がいい、このような趣旨の発言をされております。それは、現行の民法前提とするにしても、その場合には準則主義に限りなく近い形で法人格が付与できたらいい、こういう法案運用をしたい、こういうそれぞれの思いのあらわれだというように思うのですね。  例えば、行政の監視活動を行う市民団体が、町づくりという目的にしないと法人格はとれない、こういう場合もあります。それでも法人格が必要だという団体はもちろんそれでとるということになりますけれども、本当にそれだけであらわせないんだ、自分たち団体活動が正確に表現されないということに、それはそれでその団体にとっては大変大きな問題になってまいります。また、それによって不利益が生じるということも生まれてくる。  そういう意味では、NPO法の第一義的な目的が、法人格を必要とする団体に限りなく広く法人格を付与することにあるとすれば、非営利法人情報公開を思い切って進めながら、準則主義で、あるいはそれに限りなく近い形で付与されるように見直し協議が行われる、このことが大変大事だというふうに思うのですけれども、その点、提案者の皆さんの御見解はいかがでしょうか。
  107. 海老原義彦

    海老原参議院議員 お答え申し上げます。  この法律の附則の第二項でございますけれども、見直しという言葉は使っておりませんけれども、そういう趣旨規定がございます。特定営利活動法人制度について三年以内に検討するのだという趣旨規定があるわけでございます。その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるようにするのだということでございます。  それから、参議院の附帯決議の中で、おっしゃることは二つございまして、附帯決議四項目のうち二項目は、まさに先生の今御心配になっている問題でございます。  まず一つは、「特定営利活動法人に関し、その活動実態等を踏まえつつ、税制を含め、その見直しについて、法律の施行の日から起算して二年以内に検討し、結論を得るものとすること。」  それからいま一つ、これが大事なところでございますけれども、本日この議論は初めて出たのですが、「民法第三十四条の公益法人制度を含め、営利目的としない法人制度については、今後、総合的に検討を加えるものとすること。」つまり、民法三十四条の公益法人制度というのが今ございまして、いわばその特例であるということで今回この特定営利活動法人をつくったわけでございますけれども、しかし、この特例があるからそれで本体はそのままにしておいていいのだろうか。やはり民法三十四条自体を考えていかなければならない。  先生準則主義という考え方でおっしゃっておりましたけれども準則主義でいくのか否かは、検討の過程でこれから出る問題でございますけれども、いずれにせよ、そういった根本的なことも検討していかなければならないなという意識からこのような附帯決議もつくりまして、参議院の労働・社会政策委員会といたしましては、いろいろとこれから前向きに取り組んでいくということでございます。
  108. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 民法改正という問題は確かに大きな問題ですし、それについての一定の改正も本当に視野に置いてこの問題は考えていかなければならないというふうに思っています。しかし同時に、私たち参議院の段階で提案しましたように、現行の民法の範囲内でも、それをクリアして非営利法人として認める、そういう措置も講じられるということも、私たちも努力させていただきました。  そういう点で、民法改正するということも含めながら、しかし同時に、民法改正しなくても、よりそれに近い形での検討はやることができるのではないかというふうに思うのですけれども、その点でもいかがでしょうか。
  109. 海老原義彦

    海老原参議院議員 お答え申し上げます。  民法は、できてからことしで百年になるんだそうです。何しろ古い法律でございまして、殊に法人に関するところは、その古い規定が戦後の改正もなくそのまま来ておるということでありまして、もうしばらく前から、民法法人規定は抜本的に見直さなければならぬなという話はありながら、一向に進まない。そのために、こういう便法でもって特定営利法人というものを創設せざるを得ないという状況でありますけれども、やはり根本をいろいろな角度から検討していくということは、私ども参議院の労働・社会政策委員会だけでなく、国会全体として考えねばならない。  憲法改正も非常にいろいろと問題の時期でございますけれども民法改正ということも、これは十分考えていかなければならない問題ではないかという私自身の意識を申し上げまして、これはまだ、民法改正というと非常に大きな問題でございますし、参議院内でも私ども委員会だけで処理できる問題ではございません。非常に大きな問題でございますから、委員会を代表してとか参議院を代表してという意味ではなくて、私個人のそういった考え方を申し上げまして、御答弁にかえたいと思います。
  110. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 私の言っているのは、民法改正という問題は、それぞれ皆さん思ってみえる方も多いと思うのです。しかし同時に、それでなくても、今の民法の枠内で準則主義により近い形での検討というのはできるのではないか、その点はいかがですかというふうにお聞きしているのです。どうでしょうか。
  111. 海老原義彦

    海老原参議院議員 今の民法の枠内でとりあえずできるものをつくろうという基本的な考え方から今回のこの法律もできたわけでございまして、不備な点を三年以内にさらに検討して改善していくということはやぶさかでないことでございます。
  112. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 最後に、税制問題について質問いたします。  この法律案によりまして、法人格の取得にようやく道を開くことができるわけですけれども市民活動を支援してその活動を促進する重要な方策であります税制優遇が実現していないというのは大変残念なんです。見直しては、最優先課題の一つとしてこの税制問題が取り上げられることが、関係市民団体からの強い要望であると思います。  この点について、最後に提案者の御見解を伺って、確認したいと思います。
  113. 山本保

    ○山本(保)参議院議員 ただいまお話ございましたように、まさに活動資金、どういう形でお金が入ってくるのか、この場合に税制優遇は欠かすことはできないと考えます。私どももそのような案を出させていただいたわけでございますけれども、ただ、今回の法律上、その中身にまで立ち入って書き込むことはできないということでございました。  そこで、私どもとしましては、衆議院における附帯決議とほとんど同じような文でございますけれども、よく読んでいただきますと、税制について見直しを行うというニュアンスをより強めた附帯決議をつけさせていただきましたし、また、この内容が、実際にNPOをやっておられる方、法人格を欲しておられる方が、特にこういう面では、いろいろな形でお金をたくさん使われたり、事務所を持たれたり、専従の職員がおられるという実情がございます。  おっしゃるとおり、税制につきましてどのような方法があるのか、寄附金税制がよろしいのか、その前に公益法人一般並みにすればよろしいのか、こういう議論をこれから直ちに開始すべきだと私は考えております。
  114. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 本当に、一歩を踏み出すことになりますNPO法が、国会内外の共同の取り組みでよりよい方向へ前進することを願いまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  115. 谷津義男

    谷津委員長 以上で参議院修正案提出者に対する質疑は終了いたしました。  参議院先生方、御苦労さまでございました。  次に、経済企画庁長官に対する質疑を行います。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
  116. 倉田栄喜

    倉田委員 参議院提案者の方々に先ほど、この法律によって法人格を付与されるいわゆるNPO法人独立性自主性の問題、さらには、法人格を付与されていわゆる法人社会、契約社会へ容易に参加ができるかという問題、そして、今ほどもお話が出ておりましたけれども、これらの法人に対する資金源をどう確保していくかという問題については、衆議院段階での議論も踏まえ、参議院提案者の方々にお答えいただきました。  そこで、このNPO法人というのは、私どもは非常に重要な法案考えておりまして、いわゆる二都道府県以上にまたがる場合は経済企画庁が所管をされるわけでございます。同時に、準則主義ではなくて認証制度ということをもって経済企画庁が担当をされる。その意味で、きょうは長官にもお出ましをいただいて、そしてこの法案の重要性ゆえに、この運用等々の問題、特に憲法上の問題等について、今までさまざまな議論がございましたので、その点を特に御確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  長官も既に御承知かと思いますけれどもお答えいただく前提として、問題意識のところをまずちょっと述べさせていただきます。  この法案の二条二項の二号、衆議院でも参議院でもさまざま議論をしてまいりましたけれども、このようになっております。つまり、認証する団体前提として、「その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。」ということで、イとして「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」ロとして「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。」ハとして、「特定公職」、括弧を省略いたしますが、「特定公職候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。」  最後の点は参議院の方で修正をされて衆議院の方に回ってきたわけでございますけれども、このイ、ロ、ハについて、憲法上の疑念、問題がないということについては先ほど提案者の方から御説明お答えをいただきました。  経済企画庁としては、そのことを踏まえた上で運用していただくことになろうかと思いますが、その意味においてもう一度、ただ、この法文をそのまま読んでしまうと、NPO法人については、例えばイの「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。」というのは、憲法上保障される信教の自由を実は侵害しているのではないのか、こういう議論があったわけだし、こういう疑念があったわけであります。  それからロについては、いわゆる政治活動の自由というのを制限するものではないのか。ハについては、いわゆる公職者に対する批判の制限、まさにこれは表現の自由そのものを侵害するものではないのか。こういう問題意識を持ちながら、衆議院参議院段階議論をしていったわけでございます。  そこで、これは企画庁にお尋ねをいたしますけれども、このいわゆる憲法上の議論をしてきた論点について、これから経企庁として法を解釈されていく、運用されていくについて、どのように認識をされておられるのか、企画庁の御所見をまずお尋ねをしておきたいと思います。
  117. 井出亜夫

    井出政府委員 お答えを申し上げます。  先生指摘規定につきましては、衆議院及び参議院での法案審議に際しまして大変大きな論点の一つとなりまして、憲法上の規定との関係を含めまして討論が行われたというふうに承知をしております。したがいまして、この規定の具体的な解釈、運用におきましては、このような国会におきます討論を踏まえて、憲法上問題が生ずることがないよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  118. 倉田栄喜

    倉田委員 この点は非常に重要な問題でございますので、後で大臣からもみずからのお答えをいただきたいと思います。  もう一点。つまり、認証ということになっております。同時に、十二分野ということで目的が書いてございます。そうしますと、その目的の解釈あるいは認証制度運用について裁量があったりしてはどうも困る、私はこう思うのですね。ある団体認証して法人格付与ができたのに、ある団体はできないということがあってはならない。もちろん、法に書かれていることを前提としての話でありますけれども。そこで、やはり、これを所管をされます企画庁のいわゆる運用基準、これを明確にする必要があるのではないか、このことが一点。  同時に、これはこれから法人格申請される団体の方々も非常に気になっておられると思いますけれども立入検査検査制度というのがある。そして、場合によれば改善命令というのが書いてある。さらには、この法人自体の取り消し規定も置いてある。  本来、NPO法人というのは、行政との関係でいえば独立性が保障されて、その自律性自主性というのが最大幅に尊重されなければならない。その観点からすれば、検査とか改善命令だとか取り消しというのがどういう場合に実は発動されるのかということは非常に重要な関心事であると思うんですね。規定はあったとしても、発動されるようなことはよほどのことがない限り私はあってはならないのだ、こう思いますが、運用の問題について、この二点、特にお尋ねをしておきたいと思います。
  119. 井出亜夫

    井出政府委員 まず、認証の問題でございますけれども認証申請が法定要件に合致しているというふうに認めるときには、その設立認証しなければならないというのが本法案規定でございます。  個々の法定要件の解釈というものにつきましては、この法案審議の過程で詳細な議論がなされておることを承知しております。企画庁といたしましては、このような法案審議の内容を踏まえまして、団体自主性を損なうことがないよう、公正、適正な運用を行ってまいる所存でございます。  また、検査でございますとか改善命令認証取り消し等につきましてでございますけれども、これにつきましても、団体自主性を損なうことがなく法人制度の健全性が確保できますように、発動要件でございますとかあるいは手続、こういつたものにつきましては詳しい法規定がなされております。これらの法規定に従うとともに、法案の審議の中におきまして御議論されました内容を尊重いたしまして、適正な運用というものを図ってまいりたいと考えております。
  120. 倉田栄喜

    倉田委員 もう一度趣旨の点を確認させていただきたいと思いますけれども、この法案は、市民の皆さんが行われる自由な社会活動を、社会貢献活動ですか、それを、社会貢献活動としてのNPO活動というのか特定営利活動、その健全な発展を強く促進する、こういうことが当委員会あるいは参議院委員会の中の議論として出ていると思います。  そうすると、これらの活動を行う団体については、いわゆる手続的な問題としても、簡易迅速な手続のもとで法人格が付与されなければならないのではないか、こう考えておりますし、解釈、運用についても、団体の独自性、自主性が損なわれることがないようにしなければならないと思いますが、この点についてはもう一度御答弁をいただきたいと思います。
  121. 井出亜夫

    井出政府委員 先生指摘のように、この法律につきましては、簡易迅速な手続のもとに広く法人格を付与するということを内容とするものであるというふうに承知をいたしまして、経済企画庁といたしましては、このような法律趣旨に沿って法律の解釈、運用というのをやっていく所存でございます。
  122. 倉田栄喜

    倉田委員 これは議員立法でございます。そういう意味で、衆議院段階参議院段階提案者の方々にさまざま質問をいたしましたし、提案者の方々からも、提案理由あるいは問題点、疑念の点については御答弁をいただいております。今、当局の方からも、参議院衆議院段階での議論の経過、そして提案者の提案の趣旨、立法趣旨というのは十分尊重するという趣旨お答えをいただいたと思いますし、その上で、適正に適切に、法の趣旨に沿って運用するということでございました。  大臣にその点を確認させていただきたいことと同時に、いわゆる憲法上の信教の自由の問題、あるいは政治活動の自由の問題、表現の自由の問題、これらのさまざま当委員会議論をされてきたことを踏まえて、運用について、憲法上の問題がないように特に運用していただきたいと私は思うわけです。この点について、特に長官からのお答えをいただいておきたいと思います。
  123. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 この特定営利活動促進法運用に当たりましては、国会での法案審議の内容、本法の趣旨、他の法律の類似の規定等を総合的に踏まえまして、憲法規定する信教、結社及び表現の自由が侵害されることのないよう配慮いたしますとともに、特定営利活動自主性を損なうことのないよう十分に注意して適正に行ってまいりたいと考えている次第でございます。
  124. 倉田栄喜

    倉田委員 長官にわざわざお運びをいただきまして、運営の責任者としてのお答えをいただきました。大変ありがとうございました。二十一世紀、いわゆるこの法人が果たす役割は非常に大きいものと思っておりますので、この法の趣旨に沿って、適切適正に所轄庁として運用していただくよう特にお願いを申し上げておきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。
  125. 谷津義男

  126. 河村たかし

    河村(た)委員 河村たかしてございます。  井出局長はずっと長い間顔を見させていただきましたものですから、できる限りひとつ大臣に答弁をいただきたいと思います。  今も話がありましたように、まず一つは、この法案には二条二項二号イ、ロ、ハというのがありまして、政治を主としてやってはいかぬ、宗教を主としてはだめだ、それから公職者批判してはいけないという、特にハにつきましては、特にというかみんなそうですけれども先ほども言いましたように、国会が、国会議員がみずからを批判してはいけない法律をつくってしまったという、これはある意味では恐るべき法案なんですね。  それで、今後国民がいろいろな社会活動にかかわっていく場合に、NPOというのは実は一種の社会企業みたいなものでして、行政の下請ではなくて、自律的にいろいろな社会考える、組織をつくっていくということですけれども、そういう場合に常に、宗教上は問題があるんだな、それから政治上のことをいろいろ言うと問題があるんだな、それから政治家を批判するとこれまた問題があるんだなという、いわば萎縮効果が生まれると思います。  二十一世紀の日本はそれこそ多元的国家で、いろいろなことをいろいろな人が言う社会をつくらなければならないときに、いろいろな諸般の事情があったとしましても、こういう法案ができてしまうと萎縮効果が国民に生まれるのではないか、私たちの子供の世代に。そこら辺のところをまずどういうふうにお考えになっておられますか。尾身大臣、先輩でございますので、できたら尾身先輩、ひとつやってください。
  127. 井出亜夫

    井出政府委員 後ほどまた大臣には総括的に答弁をさせていただくことにいたしまして、先生指摘の点でございますけれども、国際化や高齢化というものが進展する中で、政府部門、企業部門、これに次ぐ第三の部門としての、ボランティア活動を初めとする非営利活動が活発化しておるわけでございます。こうした活動は、我が国経済社会がこれらの時代に適切に対応していく上で重要な役割を果たすというふうに考えておりまして、その活動を促進することは極めて重要であるというふうに考えております。  議員立法で御検討いただいております特定営利活動促進法案は、企画庁といたしましても極めて重要なものであるというふうに認識をしておりまして、法案が成立し私どもに役割が与えられるという場合には、これの的確な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
  128. 河村たかし

    河村(た)委員 尾身先輩、お伺いしたいのは、今の第三のセクターでいろいろ言われるのは結構なんですけれども、実はその法案には一面毒も入っておりまして、その毒というのは、いわゆる、今言いましたように政治、宗教をしてはいけない、公職者批判してはいけないということで、僕たちの子供にそれこそ伸びやかな、自由民主党でいえば自由と民主主義の日本をつくっていかなければいかぬわけですよ。  それが、そんな制限規定を置いてしまって、何か日本人が社会的に参加するときに、政治家を批判しちゃいけないんだよななんて、常にそういうプレッシャーをかけられてやるということについて、尾身大臣、ひとつ御感想というか、お願いします。
  129. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 この法案は議員立法でございまして、各党各会派の御意見を集約した形でまとめられようとしているというふうに理解をしております。したがいまして、法案内容の可否等につきまして私どもが云々することは適切でないと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  130. 河村たかし

    河村(た)委員 何かよくわかりませんが、しかし、よく読んでいただきますと、実はバラ色ばかりじゃありません。  これが一歩前進になるかどうか、下手をすると百歩後退になると私は思いますね。特に自由と民主主義を愛されておられる自由民主党の皆さんに、ほかの国会議員もそうですけれども、何遍も言いまずけれども、政治家一国会議員がみずからを批判してはいけないという法律をつくったということだけは本当に脳裏に刻んでいかないと、二十一世紀に対してとんでもない負の財産を残してしまうということだろうと思います。  でありますけれども、今後、これを何とかスタートラインにして、そういうものを全部修正していく。そして、来る何年後かには、本物の自立するNPO法ができたな、本当に寄附金控除も備わって、いよいよ自律する社会活動ができるようになったな、そんな法案にしていきたいと思っております。  それでは次に、設立認証ですけれども先ほど議論でもありましたけれども書面のみで形式審査で行う、実体には立ち入らない、これはこれでいいですね。大臣、いいですか。
  131. 井出亜夫

    井出政府委員 御議論の中で、基本的に書面審査で行うというふうに承っておりまして、ちゃんとした書面が出てくるような、そういう様式を工夫いたしまして対応をしてまいりたいというふうに考えております。
  132. 河村たかし

    河村(た)委員 今もまた一つ条件がついておりますけれども、基本的にということがありますが、どうも提案者と違うのではないか。先ほどの話を聞いておりましたら、基本的にじゃなくて、例えば十二項目にきちっと、そればかりじゃないですけれども、ほかの要件が形式的に整っておれば認証するのだとはっきり言われましたけれども、はっきりそう言ってくださいよ。
  133. 井出亜夫

    井出政府委員 衆議院の答弁者も基本的にはというふうにおつけになっているというふうに理解をしておりますが、これはこういうことではなかろうかと思います。  設立認証に当たりまして、書類が縦覧をされたりする規定がございます。そういうふうな中で、例えば縦覧の最中にいろいろな問題が起きてくるとかいうふうなことも時にはあるかもしれません、それはないことを望むわけでございますけれども。本法律を適切に運用するという範囲の中において私どもはお役目を果たすという役割が与えられておるというふうに考えておりまして、基本的にというのは、もう全く非常に多くの場合はということでございましょうし、よほど例外的なことがなければこれは書面審査で行うというふうに理解をしておるところでございます。
  134. 河村たかし

    河村(た)委員 そこは、繰り返し言いまずけれども、本当に誤解というか、答弁もちょっと、よく考えるとそうじゃないのですけれども申請は自分で思うものを書けばいい、判断は役所が行うというようなことでございますが、どうも、これは何遍も言いまずけれども、きょうの午前中といいますか先ほどの答弁もありましたように、書面審査で行うということでやっていただきたい、それが立法者の意思であろう、そんなような気がしております。  それから、十二項目の判断になりますけれども、午前中の再度確認になりますけれども、どういう項目に入るかということですが、例えば文化というのがありますね、この文化はこういう意味の文化だよということを経企庁が指導することはありませんね。これは後で大臣にも必ず答弁してもらってください。
  135. 井出亜夫

    井出政府委員 立法の御趣旨は、所轄庁の恣意的な判断というものが入ってはいかぬという御趣旨と理解をしておりまして、当然、この審議での御議論の中身等々につきまして十分吟味をいたしまして、誤りのないようにやっていきたいと思っております。
  136. 河村たかし

    河村(た)委員 全然答弁になっていないですけれども、誤りのないなんて、そんなことは当たり前じゃないですか。それよりも、十二項目の解釈で都道府県を指導することがないか。ないかじゃなくて、してはいけませんよ。しませんとはっきり言ってください。
  137. 井出亜夫

    井出政府委員 本法におきましては、都道府県の事務というものが団体委任事務というふうに明確になされておるわけでございます。団体委任事務に対しまして機関委任事務というものがあるわけでございますけれども団体委任事務の性格というものを十分に踏まえて私ども都道府県との関係につきまして対応してまいりたいと思っております。
  138. 河村たかし

    河村(た)委員 しかしまだ言われませんね。なぜそれをはっきり言わないのですか。先ほどの午前中の話でも、事務所一つの県にある場合は県であり、二つ以上の場合は経企庁長官であるということで、それは別の話なのであって、上下関係ではないと参議院提案者がはっきり言われたじゃないですか。はっきり言ってくださいよ。そんなの全然答弁になっていませんよ。
  139. 井出亜夫

    井出政府委員 団体委任事務の性格といたしましては、都道府県を指導したりあるいは指揮したりというふうな関係にあるものではございません。したがいまして、私どもは、その団体委任事務としての性格というものを踏まえて対処をしてまいりたいと考えております。     〔委員長退席、小林(興)委員長代理着席〕
  140. 河村たかし

    河村(た)委員 抽象論じゃなくて、もう一回はっきり言ってください。十二項目の解釈については、例えば文化なら文化、いろいろありますね、その解釈はこうすべきであるということを都道府県に指導することはありませんとはっきり言ってください。
  141. 井出亜夫

    井出政府委員 都道府県に指導をするということはございません。
  142. 河村たかし

    河村(た)委員 それは、今前段言わなかったけれども、どういうことですかね。何か非常にくどいようですけれども、これは重要なんですよ。結局全部国の指揮下に入ってしまうかどうかという、非常に重要なところなんです。  ですから、くどいですけれども、十二項目の解釈については、個別具体的にこういうふうに解釈しなさいといって都道府県を指導することはないとはっきり言ってください。
  143. 井出亜夫

    井出政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、十二項目の解釈につきまして、解釈基準を出すとかいうふうなことで都道府県を指揮したり指導したりというふうなことはいたしません。
  144. 河村たかし

    河村(た)委員 大臣もちょっと、今のこと、それでいいですね。
  145. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 本法の審議における議論あるいは法案内容等を踏まえまして、自主性を損なうことのないように十分配慮してまいりたいと思います。
  146. 河村たかし

    河村(た)委員 何かこれもまたよくわかりませんでしたけれども、今の井出局長の答弁と同じということの答弁をいただきたいと思います。
  147. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 同じであります。
  148. 河村たかし

    河村(た)委員 一つの重要な疑念が払拭されたのではないかと思います。  次に、午前中も言いましたけれども、これは財産的裏づけ、担保が全くなしでも認証するかどうかということです。  実は、民法三十四条にも何も書いていないのですね、あれは。だけれども、財団だと三億とか五億とか、社団でも最近は一億、二億かかるとなっていまして、ここのところが僕は正直言いまして、初めのうちはいいですけれども、二、三年やっておりますと何か知らぬうちに、幾らか持ってこいということになるのではないかという疑念が非常にあるのですよ。  そうならぬように、私どもとしては、あしたからこの修正に向けて努力を開始しまずけれども、本当に経企庁長官としては、お金は何にもなしで認証するのですね。
  149. 井出亜夫

    井出政府委員 本法におきましては、特定営利活動法人についての財産要件というものは定められていないために、設立に際しましては財産的な裏づけは必要がないというふうに理解をしております。それが法の命ずるところではないかと理解をしております。     〔小林(興)委員長代理退席、委員長着席〕
  150. 河村たかし

    河村(た)委員 本法においてはといっても、実際、先ほど言いましたように民法三十四条も何も書いていないのですね。ですから、これはちょっと大臣、井出局長の話と同じでもいいのですけれども、本当に何もなしですね。  ただ、これは言っておきますけれども、非常に例外的な措置になるのです。やはり、法人格を認めたということは、取引の安全もありますからね、相手方も。何にもないところが。ただ、社団というのはそうではないからということも言えないことはないかもわかりません、しかし非常に例外的になると思います。ですから、それででも、本当になしででも認証いたしますとはっきりひとつ、尾身先輩お願いします。
  151. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 先ほどの局長の答弁でございますが、政府を代表して答弁をしております。局長の答弁のとおりで、そのとおりでございます。
  152. 河村たかし

    河村(た)委員 わかりました。この問題につきましては、今後とも、本当に変なふうにいかぬように、議会として大いにやはり行政を監視していかなければいかぬだろう、そんなふうに思っております。  それから、次の問いです。いろんなことで何か問題が生じたとき、その見直しというのは、これはどうされますか、すぐやられますか。何か三年とか附帯決議で二年とかいう話がありますけれども。すぐ見直しに着手されるかどうかについてお伺いしたいと思います。
  153. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 特定営利活動促進法の見直しにつきましては、今後、特定営利活動法人活動実態等を踏まえまして、法律の施行の日から二年以内に検討して結論を得るものと承知しております。経済企画庁といたしましても、これら法人活動実態等の把握を行うなど、必要な努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。  なお、この法律そのものが議員立法でございますので、議員立法成立の経緯にかんがみて、むしろ立法府においてこの対応がなされるものと私自身は理解をしております。
  154. 河村たかし

    河村(た)委員 おっしゃるとおり議員がやらなければならない問題ということでございますけれども、三年とか二年になっていますが、要するに、非常に多様な活動が登場してまいりますというより現にあるのですけれども、それについて、これはいかぬ、あれはいかぬと。それから、ここまで踏み込んだから、政治家を批判したらいかぬとかそういうことになって、実際上のいろんな問題が出てくると思いますので、三年、二年にとらわれず、これは立法府もそうですけれども、すぐ見直し作業に入るというふうにしたいと思っております。  それから最後に、これは大臣にお伺いしたいのですけれども、要するに、今回非常に致命的だと言われているのは、やはり寄附金控除の問題が条文に入らなかったということでございます。それで、この税制の問題。  NPOというのは本来は自立しているというのが定義でございまして、自立というのは、法人格もまず一つではございますけれども、その後、経済的な自立というのはこの世では当たり前なことなんですよ。ですから、この問題は、いわゆる税金は全部大蔵省が取り立てて、それを大蔵省が一元的に公的資金をばらまく、こういう時代から、税金の一部を、その使途を国民の選択にゆだねて、そして、あくまで団体としては役所の補助金をもらうのじゃなくて国民に、私たちはこれだけいい公益活動をしていますよ、だから私たちに寄附をしてくださいと。寄附が集まらないところはどうしても淘汰されてくる、こういうような自立のベースというのがどうしても必要なんですよ。  その辺のところを経済企画庁長官はどの程度重要視されているのか、ひとつ聞かせてください。
  155. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 税制上の措置をどうするかにつきましても、いろいろ御議論の上、現在のような形になったと承知をしておりまして、二年以内の検討、見直しの中で、そのあたりの問題についても御議論がさらに進むのではないかというふうに理解をしております。
  156. 河村たかし

    河村(た)委員 まあ、何か税制がつけ足しのような感じがいつも出てくるようでございますけれども、本当はこれこそが魂なんですよね。  株式会社でも、法人格を取って、もし経済活動の自由がなかったらどうなるんですかね、これは一体。ラーメン屋さんがラーメンをつくって、ラーメン代金が自分に入らなかったらどうなるんですか。社会サービスする団体が、社会サービスの対価がもし自分に入らなかったらどうなるんですか。補助金漬けになるか、やれなくなるかしかないんですよね。  ですから、これは尾身大臣に言うよりも、立法府に向けて、自分に言うようなことでございますけれども、この問題をなしにしては本当のNPOとは言えないということを最後に申し上げて、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
  157. 谷津義男

    谷津委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  158. 谷津義男

    谷津委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。河村たかし君。
  159. 河村たかし

    河村(た)委員 河村たかしてございます。旧新進党NPOパートナーズの座長として、四年間にわたって皆様の御協力をいただいてきた立場から、感謝と今後の決意を申し上げます。  第百三十四国会平成七年十一月七日、新進党が市民公益活動を行う団体に対する法人格の付与等に関する法律案提出して以来、国民的な注目を集めてきたNPO法案が、修正を加え、特定営利活動促進法案として成立することとなりました。これまでの皆様の御協力に心から感謝いたします。  全く不満で断腸の思いでありますが、しかし、私たちは、法案提出してから二年余り、与党案の提出から数えても一年余り経過した今、不十分ながらもこの法律を世に送ることが急務だと考え、この修正案をぎりぎりの妥協点として受け入れることにいたしました。  今後は、この法律の成立を真のNPO法のための新たなスタートラインと位置づけ、この法案が有するさまざまな問題点の解決に向けて修正協議に積極的にかかわっていき、だれにも負けない決意で本物のNPO法案成立に取り組む所存であります。そのために、私たちは、与野党を問わず、広く継続的に議論を呼びかけたいと考えております。  今回の法案は、その名のごとく特定営利活動促進法案であって、独立して公共サービスを担う団体をつくるNPO法案とは異なる点がはっきりしました。本来のNPO法案は、この法律による場合は、抜本的改正、もしくは別個の新しい法律が必要であり、我々の提案こそが本当のNPO法案であったと言えると思います。  運用上での改善が可能となる修正が加えられたとはいえ、今後も強いリーダーシップを発揮せねば、今回の与党案は市民活動管理法案となってしまいます。  以下について、不断なる修正提案が不可欠であります。  目的限定、宗教、政治制限規定公職者批判禁止規定などの速やかな修正であります。  加えて、公益寄附金税制の抜本的改正が必要であります。  しかし、法人格を待つ市民の強い声があり、これ以上法案の成立をおくらせるわけにはいきません。不十分だが、権力的な運営をさせないための修正をから取ったことから、現状では速やかな成立を選択することとしました。  二十一世紀の日本社会が、市民からの寄附金によって支えられる自立的団体、すなわち本来のNPOが主役となる時代となるよう、今後も全力を尽くしていく強い決意でございます。  ありがとうございました。(拍手)
  160. 谷津義男

    谷津委員長 これにて討論は終了いたしました。     —————————————
  161. 谷津義男

    谷津委員長 これより採決に入ります。  市民活動促進法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  162. 谷津義男

    谷津委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)     —————————————
  163. 谷津義男

    谷津委員長 この際、本案に対し、穂積良行君外五名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を聴取いたします。佐々木秀典君。
  164. 佐々木秀典

    ○佐々木(秀)委員 民友連の佐々木秀典です。  ただいま議題となりました、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     附帯決議(案)   特定営利活動の健全な発展に資するため、次の事項について、それぞれ所要の措置を講ずるものとする。  一、この法律の施行及び運用に当たっては、憲法規定する信教、結社及び表現の自由が侵害されることがないように配慮し、特定営利活動法人自主性を十分尊重するとともに、法律趣旨国会における議論を踏まえ、公正かつ透明な行政運営に努めること。  二、特定営利活動法人に関し、その活動実態等を踏まえつつ、特定営利活動推進及び支援のための税制等を含めた制度の見直しについて、この法律の施行の日から起算して二年以内に検討し、結論を得るものとすること。  三、民法第三十四条の公益法人制度を含め、営利目的としない法人制度については、今後、総合的に検討を加えるものとすること。  四、別表十二項目に関しては、多様な特定営利活動を含むように広く運用するよう努めること。  五、中央省庁の再編に際しては、この法律の所管及びその施行について、新たな観点から、責任ある推進体制となるよう十分な配慮をすること。  本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。  よろしく御賛同くださいますようにお願いを申し上げて、提案をさせていただきます。  ありがとうございました。
  165. 谷津義男

    谷津委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  166. 谷津義男

    谷津委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。尾身経済企画庁長官
  167. 尾身幸次

    ○尾身国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、政府といたしましても、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。     —————————————
  168. 谷津義男

    谷津委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 谷津義男

    谷津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  170. 谷津義男

    谷津委員長 次に、本日付託になりました内閣提出内閣法等の一部を改正する法律案及び内閣提出国家行政組織法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  順次趣旨説明を聴取いたします。村岡内閣官房長官。     —————————————  内閣法等の一部を改正する法律案    〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  171. 村岡兼造

    ○村岡国務大臣 ただいま議題となりました内閣法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、社会経済情勢の変化の中で複雑多岐にわたる行政の課題に一層的確に対応できるよう、内閣官房における総合調整機能を強化するため、内閣官房副長官一人を増員するとともに、近年の災害、事故、事件等緊急の事態の発生の状況等にかんがみ、内閣官房における危機管理機能を強化するため、内閣官房に内閣危機管理監を設けようとするものであります。  次に、この法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、内閣法の一部改正であります。  その第一点は、内閣官房副長官の定数を一人増員し、二人から三人に改めることであります。  第二点は、内閣危機管理監の新設であります。内閣官房に内閣危機管理監一人を置くものとし、内閣危機管理監は、内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け、命を受けて内閣官房の事務のうち危機管理、すなわち、国民の生命、身体または財産に重大な被害が生じ、または生じるおそれがある緊急の事態への対処及び当該事態の発生の防止、に関するものであって、国の防衛に関するものを除くものを統理することとしております。また、内閣危機管理監の任免に関する規定及び服務に関する規定を定めることとしております。  第二に、国家公務員法及び特別職の職員の給与に関する法律の一部改正であります。  その内容は、内閣危機管理監を特別職の国家公務員とし、その俸給を定めることとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  172. 谷津義男

  173. 小里貞利

    ○小里国務大臣 ただいま議題となりました国家行政組織法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  最近の国際情勢等にかんがみ、戦略的、機動的な外交の展開及び対外的な危機管理のための体制整備を図ることが緊要となっております。すなわち、高度な判断に基づく戦略的な外交及び各国首脳レベルとの直接の対話を通じた機動的な外交の展開を可能とするとともに、外交上の対応を要する突発的事態に対しても高度なレベルでの交渉を行うなどにより、的確かつ機動的な危機管理を行い得る体制を整備することが不可欠であります。このため、国家行政組織法について所要の改正を行うこととし、ここにこの法律案提出した次第であります。  次に、本法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  この法律案は、外務省に政務次官を二人置くことができることとするものであり、施行期日は、平成十年七月一日といたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  174. 谷津義男

    谷津委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十八分散会      ————◇—————