○石田(勝)
委員 改革クラブの石田勝之でございます。平和・改革を
代表しまして
質問させていただきます。
きょうは、
放送法の
改正案に関する
審議の中で、
NHKの海老沢
会長、それから
民放連の氏家
会長を初め各局の
社長さんに大変お忙しいところお集まりをいただきまして、また貴重な御
意見等々をお聞かせいただきまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
デジタル化に取り組むことについて伺うわけでありますが、その前に、せっかくこれだけそうそうたる各局の
社長さんがお見えでありますので、一点だけ、報道の
あり方、先ほど他の
委員からも
放送の不偏不党、あるいはただいまは
放送の見識等々についての御
質問がされたところであります。私は、きょうは一点だけ、一つの具体例を出させていただいて
質問させていただきたいな、こういうふうに思っております。
それは、ことしの三、四月に報道、
放送されました埼玉県立所沢高校の入学式、卒業式等々の
あり方をめぐる報道であります。これは校長と生徒たちの間でかなり厳しい対立がありまして、それに関しての報道が盛んに行われたのは記憶に新しいところであります。
きょうは
逓信委員会の
審議でありますし、これは文教
委員会ではありませんから、教育問題や、あるいは学校長や教職員や生徒の
あり方について私は突っ込んで
議論するつもりは全くありません。
しかし、このマスコミの特にテレビ報道を見ていて、先ほ
ども話がありましたが、いろいろなコメントの中で、そこまで言う必要があるのだろうかと思われる部分、つまり
放送法の第一条、不偏不党の理念に照らして若干一方的な報道
内容に偏ってはいないかなというふうに思われる部分がありましたので、ちょっとその点について御指摘をさせていただいて、御見解を伺いたいと思います。
先ほ
どもテレビ朝日の
伊藤社長さんの方からも久米さんというお名前が出ましたが、「
ニュースステーション」というのは大変視聴率の高い
番組でもありますし、かく申し上げている私も大体ほとんど見させていただいております。十時までに帰るときは、まず、帰ったら大体十
チャンネルをつけて、テレビ朝日を見させていただいている、私も
視聴者の一人でございます。
そういう中で、この四月九日でありますが、所沢高校の入学式の問題を取り上げた際に、第三者が撮ったと思われるビデオ、それはテレビ局が撮ったのではないと明らかに思われるビデオを流して、御存じだと思いますが、所沢高校というのは入学式を校長がやる、それで入学を祝う会をやる、入学を祝う会をやることは校長は認めたわけでありますが、その問題で大きくもめたことであります。
その入学を祝う会のビデオを流して、校長が体育館の中をうろちょろしているけれ
ども、堂々と前に出て新入生を祝う言葉を述べるべきだ云々とか、あるいは、県教委が頭のかたい校長さんを学校に送り込んだのではなかろうか云々とか、あるいは、ちょっとこれは逸脱し過ぎているのじゃないかなと思ったのは、それらの
放送の後、いわゆる校長側からいえば校長の悪口を言っておいて、校長先生、テレビに物を投げないでください、こういうコメントが最後に言われているわけですね。以上のように、学校長をやゆする
発言、あるいは校長が頑迷な人柄である旨の
発言をされている。
ここに挙げたのは本当の一例でありまして、ほかにも幾つかあるわけであります。もちろん、これらの
放送の中でも両方の側から取材をしてそれぞれの主張を紹介しているわけでありますが、最後にキャスターが一方的なコメントを行って、結果として
視聴者の印象、評価を決定づけているものと思われるわけであります。
もちろん、不偏不党といっても、言論の自由があり、当然、このキャスターの個人的な見解、キャスターとしての個人的な見方も
番組として必要だろう、私はそういうふうに思っています。
しかしながら、これは本当の一例を申し上げたわけでありますが、校長としてみれば、ごく当たり前な卒業式をやろう、こういうふうに思った。当たり前な卒業式をやろうと思ったところ、まあこの問題は非常に根深い部分があるわけでありますが、ここではこの
議論は避けるといたしまして、校長は当たり前な卒業式、入学式をやろうとしたところ、結局、その校長が頑迷な校長先生だという印象を受けて、その所沢高校の問題が今私が指摘をした報道が十分であったかどうか、先ほど御答弁の中でも、テレビの影響は大きい、こういうふうに
伊藤社長さんもおっしゃっておられました。
テレビ局は不偏不党だ、こう言っているにもかかわらず、私は、そのキャスターの見解あるいは報道の自由、それは当然認められるべきだし、当然主張というものはあるだろうと思うのですが、ただ、そういうふうな報道の中で、ある
意味ではエスカレートしていく中で、知らず知らずのうちに人を傷つけていることになってはいないか、そういうふうに思うわけであります。
つまり、先ほど
社長さん方もお認めになっていたように、テレビの影響というのは大変大きいだけに、知らず知らずのうちに人を傷つけてしまった、そういう点については、十分配慮をしなければいけない点であろうと私は思いますが、ちょっと、テレビ朝日さんを取り上げて大変恐縮でございますが、テレビ朝日の
社長さんから御見解を伺いたいと思います。