○自見
国務大臣 吉田委員に
お答えをさせていただきます。
郵便貯金特別会計の一般勘定においては、
平成七年、八年と二年度にわたり一兆円を超える黒字を計上したところでございます。
しかし、今
先生御指摘のように、
平成九年度以降は、
平成二年、三年度に
預託された高
金利の
預託金が順次満期を迎えて低
金利の
預託金に振りかわるため、
預託金利の収入が大幅に減少することから、
平成十年度以降は一時的に赤字の時期を迎えるものというふうに見ております。
平成十年度については、
郵便貯金特別会計予算の一般勘定の損益は約千五百五十二億円の赤字となりまして、
平成十一年度には、現行の
金利水準がそのまま続くとすれば、今御指摘のように、一兆円を超える赤字になるものと見込んでおります。
ただし、
平成十二年度以降につきましては、
平成二年、三年度に預入された高い利率の定額貯金が満期を迎え、払い戻されるわけでございますから、支払い利子の負担が軽減し、損益は好転するものというふうに考えております。
このように
郵便貯金事業は
金利の影響を
御存じのように大変受ける事業でありますが、
経営の安定を図るために、黒字が生ずれば
積立金として積み立てておりまして、赤字が生ずれば
積立金を取りますという仕組みとなっております。そして、直近の決算期である
平成八年度では、四兆三千億円の
積立金を有しているところでございます。
今後とも
経済金融情勢等を注意深く踏まえつつ、引き続き長期的視点から
健全経営の維持に努めていくことが私は大変大事だ、こういうふうに思うわけでございます。
また、二点目の
質問でございますが、これはその時代、その時代の
金利状況がございますから、やはり貯金者に払う利子と
預託金利は差がある、ギャップがある、これはもう当然事業上あるわけでございますけれども、今長期的にこういった
金利の変動も、
郵便貯金というのは
御存じのように大変長い間預け入れをしていただきますから、そういった長期的視野で
金利変動を考え、そういった
意味で
リスク管理をしていく必要があるというふうに思っております。
それから、最後の国鉄の再建に対して二千億円を五年間繰り入れる、総計一兆円でございますが、そういったことについては、
御存じのように、旧国鉄
長期債務の処理につきましては、国家財政が大変非常事態であるということでございまして、他の機関も協力するということで取り組みが行われている中、国の機関である
郵便貯金として五年間の特別措置をとることはやむを得ないというふうに考えたわけでございます。
なお、
預金者の利益を
確保するということは大変大事でございますから、一般会計に繰り入れる繰入額については、
平成十四年度におきまして、
郵便貯金事業の
経営の健全性の
確保の
観点から必要と認められる場合には適切な措置を検討することになっておりまして、このことは実は、年末大変いろいろ折衝があったわけでございますけれども、
法律に明記をさせていただいております。
また、
預金者の理解と納得を得られるような
施策については、
平成十年度の予算案にも盛り込まれるようになったところでございます。
もう一点、
先生の最後の
質問に関しまして、四兆三千億
積立金がございますが、二千億ずつ五年間、一兆円出すということでございます。これは、何よりも
郵貯資金というのはまず加入者の利益のために使うべきでございますし、また
経営が安定化しなければなりませんから、実はその
お金を出しても
経営の安定化を損することがないのかということを、私は専門家ではございませんけれども、
局長を初め、モンテカルロ法というのがあるそうでございますが、いろいろなケースを分けて計算したけれども、今の
経済情勢、
金利情勢が続く限り、そう大きくは
健全経営を損なわないという話もございまして、国家財政非常時の折でございますからやむを得ない、要するに、そういったことで、二千億、五年間で一兆円でございますが、出すことを決断をさせていただいたわけでございます。
しかし、今繰り返し申し上げますように、五年たちまして、もし、万が一でございますが、万々が一
金融情勢が非常に困難を来しまして、
郵便貯金事業に健全性の
確保から何かあった場合はきちっと、繰り入れたわけでございますけれども、そのことに関してまた適切な措置をとるということをはっきり
法律に明記をさせていただいたということも御理解をしていただきたいというふうに思っております。