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1998-04-07 第142回国会 衆議院 地方行政委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年四月七日(火曜日)      午後四時十二分開議 出席委員   委員長 加藤 卓二君    理事 今井  宏君 理事 谷  洋一君    理事 平林 鴻三君 理事 宮路 和明君    理事 古賀 一成君 理事 葉山  峻君    理事 桝屋 敬悟君 理事 佐藤 茂樹君       石橋 一弥君    金田 英行君       住  博司君    滝   実君       中野 正志君    西川 公也君       西田  司君    平沢 勝栄君       藤本 孝雄君    持永 和見君       保岡 興治君    石井 紘基君       川端 達夫君    桑原  豊君       古川 元久君    松崎 公昭君       太田 昭宏君    白保 台一君       富田 茂之君    西村 章三君       中島 武敏君    春名 直章君       畠山健治郎君  出席国務大臣         自 治 大 臣 上杉 光弘君  出席政府委員         警察庁長官官房         総務審議官   金重 凱之君         警察庁警備局長 伊達 興治君         自治政務次官  佐藤 静雄君         自治大臣官房長 嶋津  昭君         自治省行政局長 鈴木 正明君         自治省行政局公         務員部長    芳山 達郎君         自治省財政局長 二橋 正弘君         自治省税務局長 成瀬 宣孝君  委員外出席者         外務省アジア局        北東アジア課長 佐々江賢一郎君         厚生省生活衛生         局環境整備課長 入江登志男君         地方行政委員会         専門員     黒沢  宥君     ————————————— 委員の異動 四月七日  辞任         補欠選任   稲葉 大和君     金田 英行君   古川 元久君     石井 紘基君   富田 茂之君     太田 昭宏君   穀田 恵二君     中島 武敏君 同日  辞任         補欠選任   金田 英行君     稲葉 大和君   石井 紘基君     古川 元久君   太田 昭宏君     富田 茂之君   中島 武敏君     穀田 恵二君     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方自治法等の一部を改正する法律案内閣提  出第八〇号)      ————◇—————
  2. 加藤卓二

    加藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石井紘基君。
  3. 石井紘基

    石井(紘)委員 地方自治法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。  一九九〇年に、第二十二次地方制度調査会におきまして都区制度改革に関する答申が出されて、これに基づいて今回の法改正に進んできたというふうに思います。したがって、特別区というものを基礎的な地方公共団体というふうに位置づけ、特別区の自主性あるいは自立性を強化していく、このため、一定事務権限を都から特別区へ移譲するなど、都区制度改革を行っていこう、こういう趣旨であろうと思います。この意味において、私は、この法案は一歩前進として評価できるものであろうというふうに思います。  私も、東京二十三区内選出議員の一人といたしまして大変強い関心を持っております立場から、今申し上げましたような前提で、幾つかはっきりさせておかなければならない点について申し上げ、また、大臣の御見解を伺ってまいりたいと思います。  まず、特別区に、普通地方公共団体として市町村並み自主性自立性を付与するということであれば、当然のことながら、財政面自立性といいますか、少なくとも、相当程度、そうした側面における名実ともの自主性自立性独自性というものが確立されなければならないというふうに思うわけでありますが、この法案におきますと、制度上は相当の前進でありますが、そうした税財政面においては、依然として不十分な点が今後の課題として残されているのではないかというふうにも思えるわけであります。  都区財政調整制度というものがこの法案によって法定される、そうしますと、その上に今度は、地方交付税算定におけるところの都区合算制度というものが依然としてあるわけであります。これはやはり、特別区の自立という面から、問題が将来に残るのではないかと。将来の制度上の課題として考えられているのかどうか。  それに加えて、先ほど申し上げましたように、今回の改正普通地方自治体化へ向けての第一歩というふうに認識をされているのかどうなのか。  まず、この二点について伺ってみたいと思います。
  4. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 今回の都区制度改革に伴いまして、基礎的自治体位置づけられていることとの関連といいますか、それの財政面ということで、税の一部の移譲でございますとか、あるいは都区財調制度についても一部改正が行われることになっておるわけでございますが、今委員の方から交付税都区合算のことについての御指摘がございました。  今回、基礎的な地方公共団体ということになるわけでございますが、地方交付税算定との関係で申し上げますと、今回の改正後におきましても、消防でございますとかあるいは上下水道とかいうふうな事務は、法令によりまして都に留保されるわけでございます。また、交通事業などは、通常は市が行っておりますが、引き続きこれは都が行うということでございます。  それから、税制面におきましても、市町村民税法人分固定資産税特別土地保有税、これは一般的には市町村税でございますが、これは引き続き都税として、これを調整三税として都区財調が存続するということになるわけでございます。そのほか、都市計画税事業所税等は都が課税するという特例税制面において維持されるわけでございます。  したがいまして、こういった事務と税の配分におきまして、都道府県と一般市とは異なる区分、これが今後とも存続することになるというのが今回の改正後の姿でございます。  したがいまして、今の交付税におきましては都区合算という算定がとられておるわけでございますが、これを今回の都区間の事務財源配分に応じまして交付税算定をいたそうといたしますと、全く別途に部分とかあるいは特別区分算定するということになりまして、これは技術的には極めて困難でございます。そういう特例がありますことと技術的な点を考慮いたしまして、都区合算というのは存続することになっておるわけでございます。  したがいまして、他の地方団体と異なる事務処理特例的な面あるいは税財政特例的な面、そのことが今後どうなっていくかということと裏腹の関係で、この都区合算仕組みというのはどういうふうに扱っていくかということは考えるべき性格のものというふうに考えております。
  5. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今回の都区制度改革におきまして、特別区がお話しのように基礎的な地方公共団体として位置づけられる、都の内部団体としての性格を払拭したということでございます。  しかしながら、大都市一体性統一性確保の要請ということにも配慮いたしておりまして、事務処理の機能というものは概括的に規定されている、しかも存立目的は、一般的に公共利益を図るということを含んでおります。そういう面では基礎的地方公共団体ですが、他方、特別区は人口が高度に集中する大都市地域における行政一体性確保ということで、都においてのみ存在するという制度でございます。それで、大都市一体性確保のための特例というものもなお存在するところでございまして、そういう意味では、特別地方公共団体である、このように考えております。  もちろん、今後、特別区が自主性自立性をより備えるということにつきましては、地方分権が進んでいく中で、住民に身近な市町村への権限移譲を進めていくということになりますと、それと合わせまして、特別区の自主性自立性についても一層強化されていくということで考えております。
  6. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうしますと、今回のこの改正というのは、今後の地方分権の進展ということにも大きく依存する面があるのであって、必ずしも自主性自立性という面においてこれが万全というものではない、こういうお考えを言われたものと思います。  一方、大都市における行政一体性確保公共の福祉、利益、こういう面も、東京全体あるいは二十三区全体、こういう中で見るときに、やはり重要な側面もあるということも言われて、私もほぼ同感でありますが、それでは、この改正案において、今申し上げました大都市一体性統一性という点で、その具体的な事業とか行政のあり方、あるいは都と区の間の今後における協議あるいは連携といったものはどういう理解になっていくのか。  抽象的でありますが、都区間の協議に、こうした具体的な事業とか行政というものはゆだねられていく面が相当あるということでよろしいのでしょうか。
  7. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今回の都区制度改革によりまして、特別区は、基礎的地方公共団体として、住民に身近な業務を、ほかの一般市町村とほぼ同じ仕事をしていくことになります。それで、東京都は、むしろ特別区を包括する広域的な地方公共団体という役割に純化するというか、徹するということになってまいりまして、そういう意味では、大都市地域である東京におきましても、基礎的地方公共団体という特別区と広域的な地方公共団体である東京都が相連携しながら、補い合いながら大都市行政を進めていく形になろうかと思います。  しかしながら、この東京という人口の集中いたします大都市地域におけるやはり一体性確保という面もございますので、その部分についての東京都の役割というのはなおあろうかと思います。例えば水道とか下水道とか、そういう事業はなお東京都で行います。また、交通事業なども、これは両方ができる仕事ですが、東京都が行っていく。また、都市計画上のいろいろな配慮というものもなお東京都に留保されているということで、両々、東京都と特別区はお互いの責任権限というものを行使しながら、連携して大都市行政に取り組んでいく、こういうことで考えております。
  8. 石井紘基

    石井(紘)委員 そうした一体性統一性というような側面と、今度は逆に、特別区の財政自主権というようなことからいいますと、この調整三税というものの法定化というのは、これは私は硬直性をもたらしていきはしないかなという懸念をするわけであります。事務事業の将来の移管、あるいは特別区の財政需要変化等に応じた財源確保財源保障というものが確保されていかなければならないと考えるわけですが、この法案との関連でどのようにお考えでしょうか。
  9. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 今回、都区財政調整制度の基本的な仕組みは存続されるわけでございますが、そのときに、いわゆる調整三税、これにつきましては法律で明確にするという形にいたしておりまして、これは、この制度自体安定性あるいは特別区の財政運営自主性といいますか、安定性を図る上でそのことが望ましいという趣旨法律に書くということにいたしておるわけでございます。  そのことで、かえって硬直的になりはしないかという御懸念でございますが、御案内のように、調整三税を最終的に都と特別区で、分担する市町村仕事に応じてどういうように分けるかという調整割合、これは都区間の協議に基づいて条例で定めるということになるわけでございまして、今後の事務の変動あるいは移管ということが行われます場合には、それに応じて都区間で適正に協議がされて、必要な財源調整割合の変更という形で担保されていくものというように考えております。
  10. 石井紘基

    石井(紘)委員 この改正案の中での重要な問題点一つとして、一般廃棄物収集運搬処分事務移管ということがあるわけでございます。具体的な問題としてあるわけであります。  ここで、この問題については相当長いいろいろな関係者間のやりとりの経緯があるわけですね。先ほど申し上げました第二十二次の地方制度調査会答申から始まって、例えばその中にはこんな考えが示されていたと思います。「一般廃棄物収集運搬に関する事務移譲については、住民理解と協力、関係者間における速やかな意見の一致が望まれる。」あるいは「今回の都区制度改革は、一般廃棄物収集運搬に関する事務移譲を含めて、一括して実施すべきである。」等々という、必ずしもこの表現どおりではありませんが、そういう考えが示されて、その後、関係者間でいろいろと協議が進められてきた。  そういう中でもって九七年十一月、昨年、東京都の方は二十三区一括委託方式というものを提案されて、これは東京職員労働組合の方に提案をされて、そして十二月八日にそういう内容の確認書を調印した。  そういたしますと、今度は自治省の方が、同じく十二月十日ごろでしょうか、この二十三区一括委託方式では法改正ができないという意向を表明し、指摘してきたということのようでございます。  その後は、今度は、組合との間のこの問題についての話し合いというものがなくて、十二月二十二日に二十三区の区長都知事の間で確認書に調印したということですね。その後、都知事との、それから職員組合との交渉があったようですが、その中で両者間で一定確認はあったようでありますけれども、いずれにしても、かなりぎくしゃくしてきたようであります。  この経過についてこの場でとやかく申し上げようと私は思っているわけではないのでありますが、問題は、一般廃棄物の問題は、収集運搬処理処分という過程があるわけですが、その中で、処理というのは清掃工場でやることで、清掃工場というのも持っている区と持っていない区がある。清掃工場については相当長期の時間的な余裕がまだあるわけでありますが、一方清掃作業車車庫については、十二年までにこれを条件整備をするということになっているわけですね。  そこで、昨年ぐらいの時点で、今でもそうですが、十三の特別区にこの車庫がないのだというのが現状でありますが、これが平成十二年までに、いろいろな住民との間の問題やら、その他の土地買収はもちろんのこと、その他の問題を含めて全部きれいに解決し条件が整うものやらどうやらという問題は、昨今のこういう事情からいってなかなか厳しいものがあるのではないかというふうに感じられるわけでありますが、この点はどんなふうにお考えですか。
  11. 鈴木正明

    鈴木政府委員 清掃事業の都から区への移管については、長い長い経過関係者の御努力があるわけでございます。  今お話のございました清掃車車庫整備につきましては、新たな車庫整備が必要な十三区のうち、一部、一区を除きまして既に用地取得ないし手当て済み、残された区の管理棟部分用地についても近く取得等を行う予定、このように聞いております。  都と特別区は平成十二年四月の移管の時期までに清掃車車庫整備等最大限努力を行う、仮に整備が整わない区がある場合においても、清掃事業を円滑に実施できるように必要な措置を講じることとしているというふうに承知をいたしております。自治省といたしましても、都と特別区が責任を持って円滑な清掃事業移管を図っていくものと認識をいたしております。  なお、車庫上屋部分の建設を含めまして、各特別区からは、平成十二年四月までに車庫整備は完了する予定である旨の報告を受けております。
  12. 石井紘基

    石井(紘)委員 こうした土地を買収して、いろいろな周辺等条件整備して、一定施設をつくらなければならない。しかも、東京の真ん中にそうしたものをつくらなければならぬということは、過去のいろいろな経験に照らしてもなかなか容易なことではないわけでありますので、これは目標としてそういう確信を持たれるのは結構でありますけれども、しかし一方、それがやはりスムーズに予定どおりいかないということも、大いに心の準備をやはりしておく必要はあるのではないかと思います。  そうでないと、これは都民のあるいは二十三区内都民の一日一日の生活にかかわってくる問題でありますので、もしそうした条件予定どおり整わないというような事態を仮定した場合に、例えば整うまでの間、東京都の方が何らかの対応を引き続き行っていかなければならないというようなケースもあり得るのではないかと思いますが、いかがですか。
  13. 鈴木正明

    鈴木政府委員 清掃事業実施に関しましては、法律改正によりまして、法律上の権限移譲される特別区の責任のもとに行われるということが基本になるということでございます。  平成十二年四月の移管の時期までに車庫等整備が整わない区がある場合においては、必要な措置を講じること等、都と区で話をしておりまして、清掃事業を円滑に実施していくために、東京都、それから特別区を初めとする関係者間で十分な協議が行われるべきものと考えております。
  14. 石井紘基

    石井(紘)委員 まさにその関係者間での十分な協議という点で申し上げますと、例えば、事務移管されるわけでありますから、そうすると、そこに従事してこられた東京都の清掃職員皆さん方の問題もあることだろうと思いますが、この職員も相当数いらっしゃるわけで、これはどのくらいいるのでしょうか。わかりますか。  それと同時に、もしわかればそれを知らせていただきたいのですが、この職員の配置の問題についても、そうした円滑な協議が進められる中に含まれるものと思いますが、どうですか。
  15. 鈴木正明

    鈴木政府委員 清掃事業に従事している職員の方の数は、約九千人ちょっとというふうにお聞きをいたしております。  その職員の引き継ぎの関係でございますが、東京都から特別区への事務移管を円滑に進めるということとともに、その事務に従事している職員身分等取り扱いをどのように考えるかという点で課題である、このように認識をいたしておりまして、東京都、特別区を初めとする関係者間で十分な協議が行われまして、円滑な移管というものが図られることが望ましい、このように考えております。
  16. 石井紘基

    石井(紘)委員 その協議の中には、今東京都、特別区と言われましたけれども、これは職員の身分問題ということになりますと、関係者はそれだけではないのではないでしょうか。どうですか。
  17. 鈴木正明

    鈴木政府委員 東京都、特別区を初めとする関係者間で十分なお話し合いがなされるということが重要であると考えております。
  18. 石井紘基

    石井(紘)委員 それからもう一点、清掃工場の問題ですが、これは清掃工場を、ないところにそれぞれ各区ごとにつくっていくというのもこれは容易なことじゃないだろうと思うので、私のところの世田谷区なんか二つもあったりするのですが、これはどんなふうに調整することが考えられますか。
  19. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今回の都区制度改革に伴います清掃事業移管を初めとする改革につきましては、基本的には二十二次の地方制度調査会考え方、それを受けまして平成六年九月に東京都と特別区の間で合意いたしました都区制度改革に関するまとめ、協議案、これがベースになっておりまして、そこにおきまして、可燃ごみ中間処理は自区内処理を原則とする、移管時に工場が未整備の区は、自区内工場整備されるまでの間、工場処理能力余裕のある隣接区等と委託処理協定を結び、ごみ処理する、いわゆる地域処理方式をとるということにされているところでございます。  清掃事業移管に伴います施設整備その他の課題につきましては、引き続き、都と特別区を初めとする関係者の間で協議が続けられているところである、このように承知をいたしております。
  20. 石井紘基

    石井(紘)委員 もう一回確認をしたいのですが、先ほどの、条件整備が整うまでの間というのは、そうしますと一定の形での一体的な運営というものの中で解決をしていくということになりますね。
  21. 鈴木正明

    鈴木政府委員 お答えいたします。  清掃事業移管につきましては、基本的に東京都と特別区は平成十二年四月の移管の時期までに清掃車車庫整備等最大限努力を行う、仮に整備等が整わない区がある場合においても、清掃事業を円滑に実施できるように必要な措置を講じる、このように都と特別区でお話し合いをしておりまして、私どももその線で考えております。
  22. 石井紘基

    石井(紘)委員 大体私の質問は終わりますが、今の御答弁で、やはり清掃事業が今後とも円滑に運営されていくように、効率性とか統一性に十分に配慮をした措置を講じていっていただくということ。それから、東京都の労使を初めとする都区の間の関係者間の協議というものを円滑に十分に進めていってもらうということが、これまでの経緯からしても非常に重要であろうと思います。  それからまた、区にこうした事業移管されるということになってまいりますと、もちろんいいことなんですが、これは反面、同時に財政的な面で、特別区への交付財源というようなものも弾力性を持って、今後特別区の方で、こういう清掃事業の円滑な運営を十分確保できるように配慮していく必要があるだろうと思いますので、今申し上げた二点について、最後にお伺いをしたいと思います。
  23. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今回の都区制度改革でいよいよ清掃事業移管ということになるわけでございまして、それに伴います課題というのは、今お話のございました点も含めて、事業実施に伴う体制の整備あるいは施設及び財源取り扱いまた運営形態職員の方の身分取り扱いなどたくさんの課題がありまして、それを解決していく必要があろうかと思います。関係者皆さんの十分なお話し合いと円滑な事業移管についての御努力を期待する次第でございます。
  24. 石井紘基

    石井(紘)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  25. 加藤卓二

  26. 太田昭宏

    太田(昭)委員 新党平和の太田昭宏でございます。同僚議員の御配慮をいただいて、きょうは都区制度について質問の機会を与えていただきました。  今回の都区制度改革は、従来の特別区の基本的な性格を根本的に改革するものであり、地方分権の先駆けとして私は高く評価できるものであろうというふうに思います。半世紀にわたる八百万区民の悲願が実現することは大変喜ばしいことでもありますし、区長等に会ったりすると、どの区の区長もおっしゃるのですが、制限自治体とこれまで言われてきました、地方自治体ということで制限という言葉がつくということ自体おかしいんだというようなことをおっしゃるわけなんですが、まさに地方分権という流れの中で、私はそのとおりだろうというふうに思っております。  この間、この法案作成に向けまして長い間の御努力をされてきた、国はもちろんでありますし、あるいは都もそうです、あるいは区議会、各関係者努力に対して、私は敬意を表したいというふうに思っております。  しかし、冒頭私大臣に申し上げたいのですが、都区制度改革というのは、今回は画期的な、一つのハードルを越えたスタートである。さあ、これからどういう方向に向かっていくかという、ホップの段階から今度はステップする、そういうことについて自治省として方向性を持っている、国がそういうような考え方を持っているということが私は非常に大事だというふうに思っております。  地方分権流れ、これをさらに加速をする、そして全国にもこの流れを定着させる、その意味で非常に大事なトップランナーといいますか、そういう役割を果たすというふうに私は考えておりまして、これからさらに次の段階で、都と特別区の位置づけがどのようになっていくのか、これは非常に大事な点であろうというふうに思います。  区は明確に、地方分権のスタートラインに立った、今回はそういう意識を持っています。この位置づけについて、今後どういう方向に向かっていくかということについて具体的に説明していただきたいのですけれども、具体的というとなかなか難しいでしょうから、イメージでも結構ですから、これを一つ越えたという段階で、次にどういう方向に持っていこうとしているのかということについて、大臣、御答弁をまずお願いしたいと思います。
  27. 上杉光弘

    ○上杉国務大臣 今回の改革は長年の都民皆さんの悲願であったことはもう申すまでもないことでありますが、特別区は基礎的な地方公共団体、すなわち市町村と同じような基礎的団体として位置づけをいたしました。それとともに,また大都市一体性統一性確保にも十分配慮いたしたわけでございまして、基礎的団体として自主性を持ち、自立性をさらに強化充実されまして、住民の身近な事務を掌理されていく、こういう役割を担ったものになったわけでございます。  今回は初の試みでございますから、今回の改革をしてすべて万全とは私は思っておりません。経験を踏まえ、また実績を踏まえまして、足らざるところがあれば補い、問題点があるとすればそれを解決するという極めて柔軟な対応でこの特別区の改革というものを効果あらしめるものにしなければなりませんし、時はまさに地方分権推進の時代を迎えておるわけでございまして、そのようなものと軌を一にしたものと私は考えておるわけでございます。  ただ、問題は、先ほども清掃工場等のあるなしの問題も出ました。人口の大きい小さいもあるでしょう。さらには、基礎的団体としての広い狭いという問題もあるかもしれません。そういう問題も、当然今回の改革によって、実績を踏まえて出てくるものがあろうかと思うわけでございまして、それらのことにつきましても市町村の合併特例法が適用になるのじゃないか、私はそのように判断をいたしておるわけでございます。さような意味では、分権を受けるにどういう形でこれを受けていただくかという問題も新たな事態として起こってくることであろう、こういうふうに考えるわけでございます。将来のことについても、こういうことでございましたが、今後はそういうものも含めて、特別区の再編整備という問題は、当然のこととして、この道筋の行く、将来のところにはあるのではないか、こういうことも考えておるところでございます。
  28. 太田昭宏

    太田(昭)委員 大変明確な踏み込んだ発言をしていただきましたが、この廃置分合ということについても可能性として当然あり得る。今回、三十三事業移譲されるわけですが、それについてもこれから前進する可能性があるということで、もう一遍、三十三事業以上にこれから移譲の可能ありということで、大臣方向としていいですか。
  29. 鈴木正明

    鈴木政府委員 事務移譲につきましてのお尋ねでございますが、基本的にはこれから分権推進ということで、一般市町村に対しましてやはり一層の権限移譲というものが推進されていく。そうなりますと、概括主義をとっておりますので、基本的には特別区は市町村と同じ位置づけでございますので、同じように特別区にも権限移譲が進んでいくというのが基本的認識でございます。
  30. 太田昭宏

    太田(昭)委員 国側として、これは東京都と区の真ん中に立っての行司役ではないわけで、まさに大きな水脈といいますか、川の流れというのは国がつくっていく、それがまさに分権の流れだというお話を今いただいたと思います。  そうしますと、この支援というものをどうするかということが非常に大事になってきますね。権限財源、人間というような言葉があるわけなのですが、財源の面で果たして大丈夫かということを区の側は非常に心配をしている。仕事をやるということならば裏づけの財源が必要であると。そして、権限というものがどういう理念のもとに線引きをされていくかということは非常に大事な理念的な側面だと思う。  もう一つは、私は後から申し上げたいと思いますが、今回は区とそして都という中の線引き作業ということが東京の中で強調された、そういう論点だったと私は思う。住民の側にとってこれが得だったのかどうなのか。住んでいる方にとりましてこんな利点がありますよというような広報宣伝というものは大変今回不足をしていた。そういう意味では、こういうような機会を通じて、そういうことについても明確にしていただきたいのです。  まず、第一点の財源の問題です。  二十三区全体における財政調整交付金、区の独自税収、この割合が一体どうなっていますか。
  31. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 平成八年度決算ベースで申し上げますと、二十三区全体で財政調整交付金の割合は収入のうち二七%、税収入の割合は二九%になっております。
  32. 太田昭宏

    太田(昭)委員 今の話ですと、大体同じぐらいの感じが出ているということで、この財政調整交付金の割合というのは非常に高い。  そうしますと、財政調整交付金の比率が大きいということは、財政調整交付金を制度的に残した根拠というのは一体何か。また、交付金として法定化したという背景にはどういう考え方があるのか。理念的な側面、これの根拠についてひとつ説明いただきたいと思います。
  33. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 今回の法改正におきまして、都区財政調整制度を残しております趣旨でございますが、特別区相互間に著しい税源の偏在がございます。そういう中で、大都市行政一体性統一性確保する、行政水準の均衡を図る必要がございます。そういうことを考慮いたしまして、特別区の財政運営自主性を高める観点からの一定の見直しを行った上で都区財政調整制度を存続することにいたしたわけでございます。  この制度につきましては、従来は地方自治法におきまして、政令の定めるところにより、条例で必要な措置を講ずるというふうに規定されているだけでございましたが、今回は、都がその特別区が行う事務を遂行することができるように財政調整交付金を交付するということを法律上明記いたしまして、特別区の財政運営に支障が生ずることのないような財源保障をされることを明確にする、そういうねらいで今回法定化をしているということでございます。
  34. 太田昭宏

    太田(昭)委員 要するに、今回はこの二百八十二条第二項「特別区がひとしくその行うべき事務を遂行できるように」という、ここのところを明確に法的に規定したということですね。  先ほど、冒頭の大臣の発言のように、これから移譲する方向に行くであろう、そして地方分権流れを私たちは加速をするということは、当然その加速というのは、市町村並みというところにはまず前進をさせていかなくてはならない。ただし、そこには一体性というものを当然考えていかなければ財政のアンバランスというのが各区では生ずるから、そこでこういうような制度を残すのだということなのです。  そこで、区においては、移譲はされるけれども、一体財源はしっかり確保されるのか、それが都と区が綱引きのような形になっては何の意味もないというふうに考えている、こういう心配が一方ではあるわけですね。その意味では、今後特別区への配分率、現在四四%、これが長い間続いてきているわけなのですが、これをどうするかということが極めて大事になってきます。この配分を決める都区協議会というのがそういう意味では非常に大事な機関になるというふうに私は思いますが、この点、国は区の財源を保障すべく応援をすべきだ、私はこのように思いますが、その辺についての考え方をお聞きしたいと思います。
  35. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 いわゆる調整主税の調整割合を定めるということが部分特別区分とのシェアを分けることになるわけでございますが、これにつきましては両者間で十分な話し合いを行って、あくまでもその基本となりますのは実際に行います事務分担に応じてその財源配分を行うということでございますので、そういう実際に分担する事務分担を前提として十分な話し合いを行っていただきたい、その結果で調整割合を定めていくということになろうかと思います。  自治省といたしましては、この都区財政調整制度の運用に当たりまして、今回の法改正趣旨も踏まえまして、特別区の自主的な財政運営に支障が生ずることがないように、地方自治法の二百八十二条で、助言・勧告等を行うという規定が自治大臣にございます。そういうことによりまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  36. 太田昭宏

    太田(昭)委員 この税源の移譲という問題で、今回幾つかが都から区へ移される、そういう財源問題であります。しかし、一部制限が残されています。例えば事業所税とか都市計画税、これもぜひともいただきたいという、区側はそういうことを言っているわけですね。ここは一つまた攻防戦みたいなことに、変な形に私はなってはならないというふうに思っていますが、こういう事業所税や都市計画税というような、区が言っているような声に対して今後どのような方針で臨むのか、これについてお答えいただきたいと思います。
  37. 成瀬宣孝

    ○成瀬政府委員 お答えをいたします。  今回、都区制度につきまして大幅な改正が行われることに伴い、大都市一体性統一性確保にも配慮しつつ、現在、都に留保されております市町村税等のうち、特別区に移譲できるものについては可能な限り移譲することとしたところであります。  御指摘の事業所税や都市計画税は、都市計画事業などの都市環境の整備に要する事業に充てる目的税とされておりますが、街路や都市高速鉄道など交通施設を初めといたします都市環境の整備事業の多くは、今後とも広域的な視点から東京都によって事業展開されることとされており、これらの税については引き続き東京都が課することとしております。  御指摘の、今後の一層の税財源移譲につきましては、都区制度のあり方についての議論を踏まえながら検討していくことになるものと考えております。
  38. 太田昭宏

    太田(昭)委員 今のお話は、それはそのとおりなのでしょう。しかし、後から申し上げますが、都市開発あるいは都市計画、そういうことについても現実には移譲が始まるわけですね。そういうことについて、私は再度聞きますけれども、今後どのような方針でというのはまさにその仕事量というのに通じていくわけで、冒頭大臣に私が聞きましたように、これからどういうふうに都市計画とかいうことが、都が担う部分と区が担う部分かということなんですが、私は、今後むしろこういう方向というのがあり得るというふうに思うわけなんですが、いかがですか。もう一遍、方針について。
  39. 成瀬宣孝

    ○成瀬政府委員 お答えいたします。  例えば都市計画税についてでありますと、都市計画税は、都市計画事業土地区画整理事業に要する費用に充てるために課される目的税でございまして、特別区の存する区域においては都が課税しているところでございます。これは、現状では東京都がこれらの都市計画事業の大半を実施していることや、先ほど申し上げました、一体性統一性確保への配慮を図る必要があることなどを考慮した上でそうされているものでございます。  今回の改正が行われましても、このような状況が大きく変わることはないと考えられますので、例えば都市計画税についても引き続き東京都が課税するということになっているわけでございますが、これの今後のあり方等につきましては、東京都と特別区の間での都市計画事業役割分担とか、そういったことを踏まえながら考えていくべき問題ではないかというふうに思っております。
  40. 太田昭宏

    太田(昭)委員 今度はもう一つ別の税源問題ですが、総額補てんの廃止に伴い財源不足になる区が出てくるという場合があります。そこで、区が課税する法定外普通税があるわけで、現実には税とは言いませんけれども、いろいろな区で、たばこの自動販売機についてどうだとか、あるいは使わなくなった校舎というのを私立学校にして有料で貸し出すとか、いろいろな財源措置をとろうとする工夫が行われています。  法定外普通税について、今回の改正で都の同意が廃止をされる。区民の負担が増すことのないように国として応援をする、また、税の設定についてはチェックをするということが必要だと私は思いますが、いかがですか。
  41. 成瀬宣孝

    ○成瀬政府委員 現行制度におきましては、特別区が法定外普通税を新設または変更しようとする場合には、自治大臣の許可のほか、東京都と特別区の税源の競合を回避する趣旨から都の同意を要することとされておりますけれども、今回の改正において、特別区の課税自主権を尊重する観点から都の同意を廃止することといたしております。この改正によりまして、法定外普通税の新設、変更手続については、特別区も他の市町村と同様となるわけでございます。  また、地方分権推進委員会の勧告では、都道府県または市町村が法定外普通税を新設するに当たりましては、国との間で合意を要する事前協議を行うこととされており、国といたしましては、この事前協議のプロセスなどを通じまして適正な法定外普通税の実施運営が担保されるよう努めてまいるべきものと考えております。
  42. 太田昭宏

    太田(昭)委員 次に、権限の問題ですが、特別区が基礎的な地方公共団体として位置づけられて、自主性自立性が強化をされる。そこで、今後、特別区の存する区域において、第一義的にはこれは市町村事務を担うのは特別区である、こういう位置づけになるわけなのですが、三十三事業権限移譲が今回行われるわけなのですが、都と特別区の線引き、役割分担、その基準が一体どうなるのか。  例えば具体的には、今回、消防とか上下水道の一体処理というのはこの統一性の観点から都に残るわけなのですが、そういうことも含めて、何を残し何を区に移譲するという、その基準というのは一体何ですか。
  43. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今回の都区制度改革考え方は、今お話ございましたように、人口が高度に集中するいわば東京大都市地域においても基礎的な地方公共団体としての特別区というものが必要であり、それに住民に身近な事務処理させる。それから、これを包括する地方公共団体であります都は広域の公共団体として、広域性のある事務を中心に処理していくということで、都においては広域的立場からの大都市行政に徹する、こういう考え方でございます。  それで、都と特別区の役割分担、特に、都道府県としての都でなくて、市町村処理する事務のうち都はどの部分を担うのか、こういうことにつきましては、今度の改正におきまして都と特別区の役割分担の原則を定めております。特別区の存する区域における行政一体性統一性の観点から、要するに、特別区の存する区域を通じて一体的に処理することが必要であるかどうか、必要であると認められる事務に限って都が限定的に事務を担当する、特別区はそれ以外のものを一般的に担う、こういう考え方でございます。
  44. 太田昭宏

    太田(昭)委員 今たびたび出てきました言葉の、行政一体性統一性、これをもう少し広い立場でくぎを刺しておくというか聞いておきたいのですが、これを強調するということが、一面で特別区の自治権というのを制約するといった状況が起きるのではないかというおそれがあります。これについて、大丈夫かということについてお答えいただきたいと思います。
  45. 鈴木正明

    鈴木政府委員 大都市地域行政一体性統一性ということで、結局、水の関係で水道、下水道、あるいは伝染病の関係で伝染病院というような、特にそういう観点から必要であるというものにつきまして、必要不可欠なものに限定するということでございますので、特別区の自治権の制約といったことになるものではないと考えております。
  46. 太田昭宏

    太田(昭)委員 もう一つの観点は、バブル崩壊後の東京ということについては、今までのその流れからいって、今度は東京の再生といいますか、あり方自体が私は大変問われているのだというふうに思います。日本の都市というのはどちらかというと街道沿いに、あるいは自然発生的にできてきた。一つの計画のもとでできてきたという都市が非常に少ないわけですね。ここで一体、東京という町をどうしていくのかという観点で考えると、単に今までの事務というのをこちらに移譲する、これを残すというのではない、町づくりという観点の中からの線引きというものが私は非常に大事になってくると思います。  例えば、今回移管の範囲として、町づくりという都市計画の観点からいきますと、特定街区は二区以上にまたがるものを除いて街区面積一ヘクタール以下を移管する、あるいは住宅地高度利用地区計画は移管する、ただし運用基準については都区間で調整し定める、あるいは地域冷暖房施設についても論及があるし、ごみ焼却については今まで質問のあったとおりです。  こういうことを、都区側は特に主張して言っているわけなんですが、まずこれがどうなるのか、御答弁をいただきたいというふうに思います。
  47. 鈴木正明

    鈴木政府委員 直接的には都市計画法の都市計画決定権限の話でございますので、所管省、建設省とよく連絡をとって進めておられると思いますが、今お話しになりましたような町づくりの面についての特別区の仕事というのも重要になってくると思います。そういう観点から、今お話のありましたものについて、都市計画決定権限を特別区におろすということが検討されている、これは法律事項でなくて政令段階の話ですので、そういうことでございます。  これからは特別区においても、やはり身近な町づくりというものについて事業都市計画決定、そういうものを活用して取り組んでいただきたい、こう思っております。
  48. 太田昭宏

    太田(昭)委員 冒頭、住民へのメリットという観点がちょっと抜け落ちているのではないかということを私は申し上げましたが、今回の意義というのは、まさに行政責任者と住民との距離感が縮まる、ここが非常に大事なことであろうというふうに思います。  清掃事業移管をされる、そうしますと、今までのような、ごみを出すということからいっても、朝早く出勤する方もいらっしゃる、ごみを出そうとして、東京の場合は前日から出すとカラスに食べられるから出さないようにとかいうことで、これは朝早くても一緒である、夜間の方がありがたいんだとか、あるいは十二月の暮れにも一遍来てもらいたいんだとか、さまざまなそういうことが、住民に近くなってくるという今回の意義に即して対応ができるということが私は大事だというふうに思います。  その意味からいきますと、住民からの要望が直接区に寄せられるシステム、区の受け皿づくり、これは非常に大事だと思いますが、この点についての考え方配慮、この辺の答弁をお願いします。
  49. 鈴木正明

    鈴木政府委員 お話のように、これからは特別区が基礎的な地方公共団体として地域の課題に積極的に取り組むことになりまして、それだけ行政に対する住民の方からの要望も、都よりもまず特別区に寄せられるようになってくるというふうに考えております。  同時に、特別区の側においても、これまで以上に住民の声を行政に反映する努力というものが求められているのではないかと思います。特別区においては、既に情報公開条例あるいは行政手続条例の制定などで、行政の透明性を確保するためのいわば制度面の整備が図られております。今後も、行政運営の見直し、あるいは職員の意識改革などで、住民の期待にこたえられるような、基礎的な地方公共団体にふさわしい体制が整備されることを期待いたしております。  自治省といたしましても、特別区が十分な役割責任を果たせるように支援をしてまいりたいと考えております。
  50. 太田昭宏

    太田(昭)委員 最後に、ダイオキシンの問題について、厚生省になるのかどこになるのか、お聞きしたいと思いますが、池袋の駅の、我々が行きますと高速から見えるところにも大変大きな煙突があって、それがまさに、それぞれのところに清掃工場ができるという、ある意味では象徴かもしれません。しかし、住民からいきますと、ダイオキシン問題がこれほど言われている、こういう中で果たして大丈夫かという、まずこの不安がありますね。  これについて私が今聞きますと、これについてはかくかくしかじかで基準以下で大丈夫でございますという答弁が恐らく来るんでしょう。もう時間がないから、どうせそういう答弁でしょうけれども、一つだけ最後に私、指摘しておきたいのは、この基準というのはオーケーだ、ごみの量は少なくなるかもしれない、しかし、ダイオキシンは七、八百度なくては処理できない、そういうことになってくるということになりますと、これはそこの処理工場のあり方についても、東京は特に注意していかなくちゃいけない。  それから、論点として今は出ておりませんが、今まで、この工場は大丈夫だ、この工場は大丈夫だと言うのですが、東京全体の総量規制というものが私は必要ではないかというふうに思います。  今までこの処理量が一体どのくらいかということを計算をしてみますと、何と年で二千七百四十グラム。一グラムで一万人ですよ、亡くなるということは。こういうような試算を、あるところに頼みましたらしておりました。  私は、総量規制という観点から、この清掃工場問題とダイオキシン問題というのは非常に深刻な問題だと思いますが、最後にこの点についての配慮というのをどの程度するのか、しっかりやってもらいたいということを要望して終わりたいと思いますが、答弁をお願いします。
  51. 入江登志男

    ○入江説明員 お答えいたします。  先ほど先生から御指摘のとおり、昨年、廃棄物処理法に基づきましてダイオキシン類の排出濃度基準を設定するなど規制の強化を行ったところでございます。  それで、東京都のごみ焼却施設でございますが、全体で十七カ所ございます。その十七カ所につきましては、最高でも九・二ナノグラムでございまして、ことしの十二月から適用されます暫定基準の八十ナノグラム以下という基準には既にすべて適合しておるわけでございますが、十四年十二月から適用されます一ナノグラムに対しましては、十施設が超過しているような状態でございます。  ただ、これらの施設に関しましては、今後、平成十四年の十二月までに、改良とか維持管理の適正化、また新しい施設の更新等の対策が講じられることによりまして、その結果、ダイオキシン排出量の九〇%が削減されると予想されております。  全国では、厚生省では、四千三百グラムダイオキシンが出るという試算をしておりまして、東京都の二十三区につきましては、その全国の約丁二%ぐらいの五十グラムであろうというふうに考えております。それで、それが九〇%に削減されるということでございますので、厚生省が今考えておりますこういう濃度規制の徹底を図ることによりまして、ダイオキシンの排出量といいますのはかなり大幅に削減されますので、厚生省におきましては、今後東京都におきまして対策が円滑に進みますよう、必要な支援に努めてまいりたい、また適切な指導を行ってまいる所存でございます。
  52. 太田昭宏

    太田(昭)委員 終わります。
  53. 加藤卓二

  54. 中島武敏

    中島(武)委員 私は、東京比例ブロック選出、日本共産党の中島武敏でございます。  本改正案は、特別区を基礎的な地方公共団体と明記するとともに、区長委任条項の廃止など、都の内部的性格を特別区から払拭して、特別区の自治権と財政権を拡充したものでありまして、区民の皆さん、また二十三区を初めとする関係者皆さんが長年要求してきたことでもあり、我が党もこうした方向での都区制度改革を主張してきた者として率直に評価をしたいと思っております。  こういう基本的なスタンスに立って、法案関連して幾つかの質問をしたいと思います。  まず最初に、自治大臣にお伺いしたいと思うのですが、これまで都と特別区との関係については、戦後、幾多の制度改正がありました。一九四六年には第一次の地方制度改正があり、特別区は市町村と同じ性格の自治体に位置づけられ、区長公選制や課税権、条例制定権も認められました。翌四七年には地方自治法が制定され、区は引き続き基礎的公共団体と位置づけられ、区長公選制も認められました。  しかし、都から区への事務移譲がほとんど行われず、多くの事務が都に留保され、自治法施行わずか十二日後に、当時の二十二の区長協議会から都知事に対して具申書が出されたというふうに聞いております。これが特別区の自治権拡充運動の始まりとも言われております。  その後、区長の公選制の廃止とその復活等、基礎的自治体とし、それに伴う区の内部団体性格づけ等の改正を経て今日に至っているわけでありますけれども、戦後の四六年、四七年、この制度改正の意図したものは今回の改正でほぼ終えることができた、そういう認識でしょうか。まず、自治大臣にお伺いいたしたいと存じます。
  55. 上杉光弘

    ○上杉国務大臣 御指摘のように、昭和二十一年の第一次地方制度改革におきまして昭和十八年度に制定された東京都制を改正し、区長が公選とされたところでございますが、昭和二十二年の地方自治法の制定によりまして、都の区を特別区とし、原則として市と同一の機能を認めることとし、特別区は、基礎的な地方公共団体として市町村と同じ性格を持つものとされたところでございます。しかしながら、昭和二十七年の地方自治法の改正によりまして、区長の公選制が廃止されるとともに、特別区の基礎的地方公共団体であるという性格は変更されまして、都の内部団体として位置づけされるに至ったものでございます。  このような経過を経まして、昭和四十九年の地方自治法の改正によりまして区長の公選制は復活したものの、依然として特別区は都の内部団体として位置づけられて今日まで参ったわけでございますが、今回の改正で、特別区は、基礎的な地方公共団体として位置づけられ、市町村と同じような扱いを受ける、こういうことになりまして、都の内部団体としての性格が払拭をされたわけでございます。また、大都市一体性統一性確保の要請に配慮しつつ、原則として市町村処理する事務を受け持つ、こういうこととされたことから、昭和二十二年の制度改正の意図は基本的に達成をされたものと認識をいたしておるところでございます。
  56. 中島武敏

    中島(武)委員 それでは、条文に関連してお伺いいたしたいと思います。  まず最初に、都と特別区の役割分担の問題です。  法第二百八十一条の二で、都と特別区の役割分担の原則が今度の法改正で明確にされることになります。それによりますと、都が他の都道府県と違うところは、特別区に関する連絡調整に関する事務と、市町村処理する事務、つまり特別区が処理する事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政一体性及び統一性確保の観点から、当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務処理すること、この二つが他の道府県と違う、こういうふうになっております。  また、都と特別区との間には、他の道府県と市町村との間にはない、財政調整制度があります。この都と特別区の財政調整制度は、特別区の事務財源保障とともに、改正法二百八十一条の二に言うところの、他の道府県は行わないが都だけが行う市町村事務を行う、そのための財源を保障するためのものと考えられますけれども、それでよろしいでしょうか。
  57. 鈴木正明

    鈴木政府委員 まず、二百八十一条の二の、一体的に処理する必要がある事務かどうかということにつきましては、特別区が基礎的な地方公共団体として、一つは、一般的に市町村処理する事務処理するという観点、もう一つは、大都市行政一体性統一性確保の観点、この二つを踏まえまして客観的に判断されるべきものでありますが、法令に根拠を要する事業につきましては、当該法令の趣旨、目的等を踏まえた上で、この原則の上に立って法令において明らかに規定する、こういうことになります。  なお、法令に根拠のない一般公共事務でございますが、それにつきましては、新たにこの二百八十一条の二の役割分担の原則に沿って客観的に判断されるべきものでありますが、具体的には、都と特別区の間の協議によって決まってくる、このように考えております。     〔委員長退席、今井委員長代理着席〕
  58. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 財源の問題についてお答えいたします。  今回の改正で特別区は基礎的な地方公共団体として位置づけられることになりますが、なお、消防あるいは上下水道等の事務は法令で都に留保されることになります。この都に留保される事務につきましては、本来的には市町村税をもって充てられるべき性格のものでございまして、したがいまして、そのために都と区の間で財源配分を適切に行う必要がございます。  そういうことから、調整三税を原資とする都区財政調整制度が、それぞれ市町村事務を都と特別区で分担する割合に応じて財源配分がされるわけでございまして、そういう意味で、御指摘のとおり、都に留保される、一般であれば市町村が行う事務財源としてこの調整三税の、要するに都に留保される分がそういう財源保障の機能を持つということでございます。
  59. 中島武敏

    中島(武)委員 簡潔にお答え願えれば結構なのですけれども、今言いました都が一体的に処理することが必要であると認められる事務というのは、その判断基準、これはどういうもので、どこが判断するのか、そしてまたどういう事務が該当するのか伺いたいと思うのです。今ちょっと、後で出てこられて、お話も少しありましたね。ありましたけれども、そこのところをちょっとはっきりしてください。
  60. 鈴木正明

    鈴木政府委員 判断基準につきましては、これはこの法律の原則を踏まえまして客観的に判断されるべきものでございますが、法令で書くものにつきましては法令で明らかになってくる、こういうことでございまして、現実には、都が一体的に処理することが必要と認められる事務は、消防に関する事務あるいは上下水道の設置管理に関する事務などがこれに該当しております。
  61. 中島武敏

    中島(武)委員 もう一つ。これも簡潔にお答えいただけば結構ですけれども、特別区の事務であっても大都市一体性統一性の観点から都の事務にする、その場合は法律なり政令で定められる、今の答弁のとおりだと思うのですけれども、しかし、法律あるいは政令で都の事務とする場合でも、特別区を基礎的自治体として位置づけ、都から特別区への事務権限財源移譲をして特別区の自治権を拡充するという今回の法改正趣旨は当然尊重されなければなりません。  したがって、大都市一体性統一性の観点からの都が行う事務というのは、今後出てきたとしても非常に限定されたものになると思いますが、いかがでしょうか。ごく簡潔にお答えください。
  62. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今のお話趣旨に沿いまして、大都市一体性統一性の観点から都に留保される事務は限定的であるべきだ、このように考えております。
  63. 中島武敏

    中島(武)委員 もう一つ伺いたいのですけれども、今回の改正で、清掃事務の特別区への移管を初め、これまで都が行っていた事務三十余を特別区に移管することになります。今まで都に留保されていた事務のすべてが今回の法改正の条文の、すなわち大都市地域における行政一体性及び統一性確保の観点から都が一体的に処理する事務に該当するわけではないにしても、留保するには都が一体としてやった方がよいという判断があった。今から考えればその判断がどうかという問題はあるのですけれども、いずれにしても、そういう判断があって留保されてきたと思うのですね。  その事務が、今回の改正で区に移管されるわけですから、当然、条文に言う大都市地域における行政一体性及び統一性確保の観点から都が一体的に処理する事務というのは少なくなっていく、こういうふうに考えていいのだと思いますけれども、この点はいかがですか。
  64. 鈴木正明

    鈴木政府委員 今回の改正によりまして、一般廃棄物関係清掃事業、あるいは教科書等の採択等の教育委員会の事務などが特別区に移譲されておりますので、都の処理する事務は必然的に少なくなってくる、このように考えております。
  65. 中島武敏

    中島(武)委員 そこで、特別区財政調整制度の問題に戻りたいと思うのですが、財政局長はたしか二日の当委員会で、都区財調の原資となる調整三税について、特別区の固有財源的な性格という趣旨の答弁をされたようでありまずけれども、そうであるならば、私は、第二百八十二条の書き方はもう少し工夫があってもよかったのじゃないかなと思っているわけです。  どういうことかというと、第二百八十二条第一項で、都は、政令の定めるところにより、条例で、特別区財政調整交付金を交付するものとする、こうなっているわけですね。そしてその財源として、第二項で「前項の特別区財政調整交付金とは、地方税法第五条第二項に掲げる税のうち同法第七百三十四条第一項及び第二項第三号の規定により都が課するものの収入額に」云々、こうなっているわけです。  つまり、これはどういうことかといいますと、都が特別区財政調整交付金を交付する、その財源は、都が課する固定資産税特別土地保有税及び市町村民税法人分だ、こういう規定になるわけですね。固定資産税特別土地保有税、それから市町村民税、いずれもこれは市町村の税ですよね。だからこそ、財政局長は先ほど申したような発言をされていると思うのです。  今回の法改正は、特別区を基礎的自治体として位置づける、一般の市並みにする、そこに目的があるわけですね。そうであるならば、都区財政調整制度を前提としても、ここの書き方は、調整三税は本来特別区に属する旨の表現にすべきだったのではないかな、東京都が課する、東京都が課する、こういうふうになっておるのはどうなんだ、この書き方はもうちょっと工夫があってよかったのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
  66. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 確かに、御指摘のような考え方は、特別区側から財政調整交付金の性格を非常にはっきりさせるという意味では、考えとしてあり得るというふうに思います。  ただ、先ほど申しましたように、まだ今の消防、上下水道といったような仕事が都に留保されますし、それから特別区間での税源の偏在というのは、大変著しい偏在がございます。そういったことから、やはりこの税については特別区が取りますと、その財源調整というのは、著しい偏在がございますので大変難しくなるということがございます。  したがって、都が課するというその仕組みというのは、市の税で今言いましたようなものは都に残るということからいっても、そういう仕組みはやはりとらざるを得ないのではないか。現在の規定は、都区財調という言葉が全く出てまいりませんで、条例で必要な規定を設けることができるということで書いておりましたので、そういうことに対して、都が行政の自主的かつ計画的な運営確保するために交付するということを明確に書いて、しかもその三税を第二項で法定をしたということで、今回、都区財調制度が特別区の財政の自主性確保していく上で必要な改正だと考えて、私どもは御提案申し上げているわけでございます。     〔今井委員長代理退席、委員長着席〕
  67. 中島武敏

    中島(武)委員 さっきも言ったのですけれども、調整三税というのは本来だったら区に属する税ですよね。このことは確認できると思うのですね。  自治省は、地方交付税については、地方公共団体共有の固有財源というふうに言っておられるようでありますけれども、私は、この調整三税というのは、特別区の共有財源ともいうべきものだと思っております。そういう位置づけで、またその調整三税を財源とする事務配分については、都の事務が限定されている、そういう観点から運用に当たるべきだということを申し上げておきたいと思うのです。  ちょっと時間が切迫してきましたので、続けますから、後でオーケーならオーケー、こういうふうに言ってください。  ところで、都と特別区の財政調整協議する機関、都区協議会に関連して、今回の法改正のもとになった都区制度改革に関するまとめ、協議案、ここにはこういうふうに書いてあります。この都区協議会は、都区財政調整のための協議会に再編し、都区共同の協議機関として位置づける、こういうふうに書いてあるわけですけれども、改正案にはその趣旨がどういうふうに生かされているのか。これは特別区だけが要望しているのじゃなくて、都も含めて合意しているものと伺っておりますけれども、いかがでしょうか。
  68. 鈴木正明

    鈴木政府委員 都区協議会につきましては、条例の制定に当たって都知事に意見を述べるという役割がありますが、都と特別区の事務処理につきまして、都と特別区あるいは特別区相互間の連絡を調整するために必要な協議を行うというものでございまして、確かに協議案では、財政関係に限定しようというお話がございましたが、今回の改革の中で東京都と特別区というものがそれぞれ位置づけられたものですから、やはり広く一般的に協議の場を設けておいた方がいいだろうということで、現行の法のもとでも都と特別区の共同の協議機関として位置づけられておりますので、その延長で広く一般的に話し合う場ということで存続をさせているところでございます。
  69. 中島武敏

    中島(武)委員 確かに、今局長が説明されたみたいな考え方というのは、自治法のコンメンタールなどではそういうふうに私も読んでおります。しかし、その協議案ではどう書いてあるかというと、現行の都区協議会は都区間及び特別区相互間の行財政運営調整的な機能を有し、都知事の諮問機関的な性格を持っている、こういうふうになっているのですね。諮問機関的な性格を持っている。  そうすると、法的には都と特別区の共同の協議機関だけれども、私が言いたいのは、この実際の運営とかあるいは実態というのは、都知事の諮問機関になっていたということが考えられるのですね。先ほども申し上げたように、特別区だけが言っているのではなくて、都も合意した文書にこういうふうに書かれているわけですから、つまり当事者同士が双方認めていることなんですね。だから私は、実態的にも共同の協議機関にしていく必要があるのじゃないか、そういうふうに思うの  ですが、いかがでございましょうか。
  70. 鈴木正明

    鈴木政府委員 都区協議会のあり方につきましては、これまで以上に特別区の意見が協議に反映されるようにということで、組織あるいは運営のあり方を検討するということでございます。これは都と区の間でもお話し合いがされているようでございますし、私どももその方向で検討を進めることがいいことだと思っていますので、その方向で進めたいと思います。
  71. 中島武敏

    中島(武)委員 終わりますが、共同の協議機関というふうに、ぜひひとつ実態もそういうふうになるようにもう一度申し上げて、時間ですから、質問を終わります。
  72. 加藤卓二

    加藤委員長 平沢勝栄君。
  73. 平沢勝栄

    ○平沢委員 自由民主党の平沢勝栄でございます。  都区制度改正については、既に各委員からいろいろ質問が出ました。地元の式典でもそうですけれども、一番最後に話しますと、しゃべることがなくなってしまうのですけれども、きょうも皆さんいろいろ質問が出てしまいまして、余り質問をすることもなくなってきましたので、できる限りダブらないように質問させていただいて、残りは、警察庁来ていただいていますので、警察庁にお聞きしたいと思います。  まず、今回の都区制度改正案、これは、私も東京都選出の議員でございますけれども、関係者の長年の悲願でございまして、この関係者の悲願の実現に御尽力された上杉自治大臣初め自治省関係者の方々に心から敬意を表したいと思います。  今回の改正によりまして、もう既にありますように、区としては大幅な権限移譲も受けるわけでございますし、あわせて税財制度改正によりまして財政自主権も強化されるわけでございますけれども、今回の法改正が機能するためには、ただ法律改正すればいいというものじゃないことはもちろんでございまして、区の方としても今回の改正に伴う責任を十分に自覚しまして、しっかりした行政を行っていくということも大事でございますし、あわせて住民の側としても従来以上にしっかりした自治意識を持つということが大切だと考えられるわけでございます。  そこで、自治省にまずお聞きしたいと思うのですけれども、特別区の住民のこういった問題に対する意向といいますか、自治意識、これについて今まで把握しているものがあれば教えていただきたいと思います。
  74. 鈴木正明

    鈴木政府委員 特別区の住民の方の自治意識に関する調査につきましては、第二十二次の地方制度調査会における審議に役立てるということで自治省平成二年に行ったものがございます。  この調査結果を見てみますと、今回の都区制度改革に関します特別区の住民の方の御意向でございますが、事務配分については、おおむね現行の分担に比べて都が行う事務を減少させる方がよいとする結果が示されております。  また、行政が行う事業につきまして、全般的に申し上げまして、「「区」が行う方が身近で実施されるので、できるだけ「区」が中心になって行う方がよい」」という回答が「「都」が中心になって行う方がよい」という回答を上回っております。  また、都と区の関係につきましては、「「区」は「都」に対して立場が弱いと思う」」という回答が四割近くを占めております。  また、区のあり方につきましては、「「区」の規模は現在のままで、「区」の実態に即した仕事が行われるようにすべきだ」との回答が、「現行のままでよい」との回答を若干上回っているということでございまして、今回の都区制度改革も大体こういった意向に沿っているものと考えております。
  75. 平沢勝栄

    ○平沢委員 区民からすれば、やはり東京都というのは遠い存在でございまして、身近な存在は区でございますので、区にできる限り事務処理してもらって、大都市としての統一性といいますか、一体性の観点からやむを得ない事務に関しては都で処理してもらいたい、これが区民の気持ちではないかと思います。  そこで、次にお聞きしたいのですけれども、既に出ましたけれども、特別区の合併といいますか、区域の見直しについて質問させていただきたいと思います。  我が党の下村議員も質問しましたけれども、特別区間の人口格差はもう最大で二十倍以上に広がっているわけでございまして、特別区の設置後相当の期間がたっていますけれども、その間、合体とか分立等の特別の措置は一切とられないで今日まで来たその結果として、これだけ格差が広がっているわけでございまして、将来的には特別区の再編というか区域の見直しというのは当然課題に上ってくるだろうと思います。  もちろん、これは自治省としてこの問題について答弁できるのかどうかわかりませんけれども、もし自治省の方でこの問題についてのお考えがあれば聞かせていただきたいと思います。
  76. 鈴木正明

    鈴木政府委員 お話しのように、合併の手続が一般市町村と同様になりまして、特別区のいわばイニシアチブで進められる、こういうことになるわけでございます。  特別区の合併問題でございますけれども、基本的な議論は従来からされているところでございます。特に人口減少等の著しい都心地域の特別区の再編問題という問題もあります。また、周辺地域とも合わせた特別区の存する区域の見直しという議論もあるところでございますが、その議論の効果あるいは影響の及ぶところが非常に大きいということで、単に都区制度の枠内にとどまらずに、大都市制度、首都圏制度ということを含めた議論が必要である、このように考えているところでございます。  特に、特別区の存する区域においては、昼夜間人口の著しい流動性、あるいは税源の地域的偏在、また多摩地区と特別区の存する地域との関係といったことをやはり頭に置きながら、今後十分な議論が必要である、このように考えております。
  77. 平沢勝栄

    ○平沢委員 いずれにしましても、特別区のあり方は今のままでいいのかなという感じはだれもが抱いているわけでございまして、今後区域の見直し、合併、これは大都市制度あるいは首都圏制度のあり方とも関連して、慎重に検討していく必要があるのではないかということで考えております。  次に、財政自主権の問題についてお聞きしたいと思います。  今回の改正の大きな目玉が財政自主権が強化されるということでございまして、これ自体は大変に好ましいという感じがしております。先ほどもございましたけれども、区が法定外普通税を起こす場合、都知事の同意が今回廃止される、これも大変に喜ばしいと思いますし、また、都から税財源移譲も盛り込まれているわけでございまして、今回東京都から区に移譲される税財源として、入湯税あるいはゴルフ場利用税交付金あるいは航空機燃料譲与税、こういったものがあるわけでございますけれども、これらの税財源は、私の地元の葛飾区には全く関係ないものでございまして、一部の区に限られているわけでございます。  したがいまして、結果として区間の財政格差が拡大することになるのかどうか、これについて自治省の見解をお伺いしたいと思います。  あわせて、先ほど出ましたけれども、都市計画税についてもお聞きしたいと思うのです。  都市計画税は総額で二千三百億円を超えているわけでございますけれども、現在区に交付されているのは百十億円ということで、五%にも満たないわけでございます。先ほどの答弁では、都市環境の整備とか、東京都としてやる事業がいろいろあるからというお話でございましたけれども、東京都もあるでしょうけれども、区だっていっぱいあるわけでございまして、例えば、今回の改正清掃工場を建設しなければなりませんけれども、この清掃工場の建設事業とか市街地の再開発事業あるいは都市計画道路等、区が行う事業も山積しているわけでございます。  そういった中で、この都市計画税の区に対する配分といいますか、交付が全体の五%に満たないというこの比率について、これは本来的には都と区で協議することでございますけれども、自治省としてのお考えがあればあわせてお聞かせいただきたいと思います。
  78. 成瀬宣孝

    ○成瀬政府委員 今回、都区制度につきまして大幅な改正が行われることに伴い、大都市一体性統一性確保にも配慮しつつ、現在都に留保されております市町村税などのうち特別区に移譲できるものにつきましては、可能な限り移譲することとしたところであります。  御指摘のように、この結果、現在都に留保されております入湯税及びゴルフ場利用税交付金、そして航空機燃料譲与税について特別区に移譲することとしております。これらの移譲により、大田区、江東区等の自主財源は増加することになりますけれども、金額的に見ましても、このことにより特別区間の財政格差が拡大するには至らないというふうに考えております。  なお、特別区間の財政格差の問題につきましては、今後も引き続き存置することとされております都区財政調整制度の中で所要の財政調整がなされるものと考えております。  次に、都市計画税の問題についてでございますが、御指摘のように、特別区の存する区域におきましては、東京都だけでなく特別区も都市計画事業実施しているところでありまして、その財源として東京都から特別区に対し都市計画交付金が交付される仕組みがあるということは承知しておりますけれども、この交付金の額をどの程度にするか、あるいは具体的な配分などにつきましては、やはり基本的に東京都と特別区において適切な調整がなされるべき問題であるというように考えております。
  79. 平沢勝栄

    ○平沢委員 いずれにしましても、特別区間の財政格差が拡大しないようによろしくお願いしたいと思います。  この財政自主権の問題で、特別区の起債についてもあわせてお聞きしたいと思いますけれども、都区協議案におきましては、特別区の起債についての許可権者が従来の自治大臣から都知事に変更されることとされていると思いますけれども、このための改正はどうなっているのでしょうか。これは政令で行うのか、省令で行うのか、これについてお聞かせいただきたいと思います。  あわせて、特別区を都から財政的に自立させるということになっているわけでございますけれども、特別区の起債の許可権限都知事が持つということになるわけでございますけれども、それとの整合性はどうなるのか、これもお聞かせいただきたいと思います。
  80. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 現在、特別区の起債に関する許可につきましては、地方自治法施行令の百七十四条の規定に基づきます省令によりまして自治大臣とされております。今回の法改正、この改正案を成立させていただきました後、この省令を改正して、特別区の起債に関する許可権者を都知事に変更することにするという予定でおります。  それから、そのことが、特別区が都から財政的に自立することとはずが合っているのかという御趣旨でございますが、今、一般市町村と異なりまして特別区の起債を自治大臣が行っております理由は、特別区が都の内部団体という位置づけになっておりまして、特別区と都は財政的に依存関係といいますか、そういうものが非常に強いというのが現状の姿でございます。  したがって、特別区の地方債の発行状況がそのまま都の財政に影響を与えるということがあり得るわけでございまして、そういうことから、都と特別区の間で利害が反するというふうなことも予想されますので、その間の調整をするという意味合いもあって自治大臣が許可をするというふうになっておるわけでございます。  ところが、今回の改正によりまして、特別区は内部団体的なものから基礎的な地方公共団体位置づけをされます。それから、都区財調におきましても、総額補てん主義のような、特別区が都に依存するといったようなことを改めるというふうな改正が行われておりまして、そういったようなことを踏まえまして、特別区に対する地方債の許可権者を、一般市町村と同様に、他県におけると同様に自治大臣から都知事に変更するということにいたしているものでございます。
  81. 平沢勝栄

    ○平沢委員 わかりました。  次に、住民に身近な事務移譲されるわけでございますけれども、これについては、先ほどもう質問がほとんど出尽くしておりますので、私の方からは要望としてだけ申し上げさせていただきたいと思います。  今回の改正案において移譲される事務、これは基本的には都区協議案に沿ったものでございますけれども、原則として都市計画決定に関する事務が含まれていないわけでございまして、今回基礎的地方公共団体として位置づけられるに至った特別区にとっては、都市計画決定に関する権限を拡大するということは大変に重要なことでございますので、これについては既に都区の方から要望が出されていると思いますし、建設省が所管かと思いますけれども、いずれにしましても、自治省の方でもこの都市計画決定権限の拡大についてよろしくお願いしたいと思いまして、これは要望にとどめておきます。  そして、この問題の最後に、今度、都区制度改正と首都あるいは首都圏制度、これとの関連性について質問させていただきたいと思います。  現在のこの都区制度というのは、必ずしも首都あるいは首都圏制度として特別の制度が設けられているわけではないわけでございます。しかしながら、東京というのは首都でございまして、首都あるいは首都圏に伴う特別の行政需要というか、要因というのは当然にあるわけでございます。実際に、この今の都区制度の前身であります東京都制が昭和十八年に創設されたときには、これは首都あるいは首都圏制度としてスタートしたものでございますし、外国を見てみますと、例えばアメリカのワシントンのように、やはり特別な制度として置かれているところもあるわけでございます。  今申し上げましたように、東京の場合はそういった特別の制度という形にはなっておりませんけれども、警察の場合は、やはり東京の警視庁というのは都道府県警察と若干違っているわけでございまして、警視庁のトップは警視総監でございます。  警視総監というのは全国で一人しかいないわけでございまして、かつて、昔、北海道の山奥の警察署長が警視総監と称したこともありましたけれども、それは昔の話でございまして、今は警視総監というのは東京に一人しかいないわけでございまして、しかも、警視総監の任免につきましては内閣総理大臣の承認が必要とされているわけでございますけれども、都道府県の本部長については、もちろんそういった内閣総理大臣の承認というのは必要でないということで、いずれにしましても、警視庁とそれから都道府県警察というのは若干違った形にはなっているわけでございます。  そこで、自治省にお聞きしたいと思うのですけれども、やはり東京というのは首都でありまして、特別の行政需要、要因があるのじゃないか、したがって、今のように大都市制度一般的な制度として置かれているのじゃなくて、将来的にはそういった特別の制度として設置する必要があるのじゃないかという気がいたしますけれども、そういったことについて自治省としてはどう考えておられるのかについてお聞きしたいと思います。
  82. 鈴木正明

    鈴木政府委員 御指摘のとおり、現行の地方自治制度におきましては、首都圏制度として特別の制度が設けられているわけではないわけでありまして、大都市制度の一環として設けられております都区制度があるわけでございます。今回の考え方は、その大都市地域にあっても、基礎的な地方公共団体の特別区、またそれを包括する東京都を広域の地方公共団体として位置づける、こういうことでございまして、この改革後は、都においては広域的立場からの大都市行政に徹するということが期待されているわけでございます。  このことは、首都として必要な行政需要に対して適切に対応していくことにも資するものと考えておりますが、首都圏制度、首都圏における地方自治制度のあり方に関しましては、お話のように、大都市制度一般のあり方とあわせ、また近年の社会経済情勢の変化、あるいは首都機能移転問題、地方分権の進展、こういったものの動向を踏まえまして、なお幅広い観点からの論議が必要であると考えております。
  83. 平沢勝栄

    ○平沢委員 いずれにしましても、今回の都区制度改正地方分権の立場からも、あるいは住民の自治の立場からも大変に喜ばしいことでございまして、今回の法改正が本当に住民にメリットのあるように、関係者の方々の一層の御尽力をお願いしたいと思います。  そこで、残された時間、警察庁にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、北朝鮮当局による日本人拉致疑惑、これについて質問させていただきたいと思います。  この拉致疑惑の問題は、日朝間のこれからの交渉を進めるに当たっても大きなネックになっているわけでございまして、国交正常化の再開あるいは連絡事務所の設置という話も出ております、あるいは食糧援助、こういったときも常に問題となるのがこの拉致疑惑の問題でございます。  今、私の方の党の中でも、連絡事務所の設置とかいろいろな話が出ています、あるいは食糧援助という話が出ていますけれども、私は、この拉致疑惑の解明をせずしてそういう方向に話を進めることについては大反対でございまして、国民の生命、身体、財産を守るというのは国家として最大の務めでございまして、それを怠ってほかの食糧援助等々に進むことは、私は絶対に許すべきじゃないということで考えております。  そこで、警察庁にお聞きしたいのですけれども、実は、きょうも衆議院の本会議で小渕外務大臣がこの拉致疑惑の問題について、北朝鮮によって拉致された疑いのある事案は七件十人ということを言っておりました。これは警察庁が警察白書でも、北朝鮮による拉致の疑いのある事案、七件十人ということを書いているわけでございますけれども、これは数字が違うのじゃないですか。七件十人で本当にいいのでしょうか。これは疑いのある事案ですからね。  最近韓国に亡命した安明進という元北朝鮮の工作員が日本に来て、マスコミ等でもいろいろと発言しております。この人は、拉致された日本人は何十人もいただろうということを言っているわけです。それから、最近「北朝鮮拉致工作員」という本をこの人は書いているわけです。その中でも、十数名の拉致日本人を直接自分の目で見たということを言っているわけです。  そして、実際、警察庁がリストアップしていると件十人の中には、例えば、安明進さんが言っている、北海道で電気製品の配達中に拉致してきた、こういう人は入っていないんです。あるいは、かつて日本の国内に存在した日本人拉致組織の洛東江、この組織が田中実さんというのを日本から連れ出して、ウィーンで拉致したということが言われているのですけれども、これもこの七件十人の中には入っていないのです。あるいは、ヨーロッパで留学中に突然失踪した有本恵子さんという女性の方がおられます。この人は、ヨーロッパにいるときに、今から日本に帰りますよという手紙が来てから突然失踪してしまった。そして、その後わかったことは、ヨーロッパでその後北朝鮮の工作員あるいはよど号の犯人の妻たちと接触していて、そして今は北朝鮮にいるということがわかっているわけです。  ですから、今警察庁が言っていると件十人というのは、一言で言えば、北朝鮮が拉致したことが間違いないと思われる、疑いのある事案じゃなくて、間違いないと。一言で言えば、日本の捜査でいえば十分逮捕状がとれる、公判に十分たえられるだけの証拠がある、これが七件十人じゃないのですか、疑いのある事案じゃなくて。疑いのある事案はもっともっと膨らむんじゃないですか。  ですから、このことを警察庁にお聞きしたいと思いますけれども、まず、安明進さんから警察庁としては事情を聞いたのかどうか、そして、警察庁は、七件十人というのが世界じゅうに広がってしまっていますけれども、これは七件十人でいいのかどうか。これについて警察庁にお聞きしたいと思います。
  84. 伊達興治

    ○伊達政府委員 お答えいたします。  議員御指摘のとおり、警察としまして、北朝鮮によって拉致された疑いのある事案としては七件十人、そのほか、未遂の事案が一件二人、こういうふうにしているわけでありますが、これらのものにつきましては、関係者からの事情聴取、先ほど言われました安明進という方ですか、そういう方からも当然事情を事前に聞いておりますけれども、そのほか、所要の裏づけ捜査、関係各機関との情報交換など、これまでの捜査結果を総合的かつ念入りに検討した結果、北朝鮮によって拉致された疑いが極めて強い、こういうふうに判断したものであります。  しかしながら、議員の御指摘の面もありましたけれども、警察としましては、関係各機関と情報交換など各種情報収集をやっておりますが、それに基づきまして、七件の既遂あるいは一件の未遂以外にも、北朝鮮によって拉致された可能性がある事案が幾つかあるというふうに見ているところでございます。こうした事案につきましても、引き続き重大な関心を持って、関連情報の収集などに努めているところでございます。
  85. 平沢勝栄

    ○平沢委員 もしほかにもあると警察庁で見ているのでしたら、警察白書で、北朝鮮による拉致の疑いのある事案七件十人、この書き方を、疑いのある事案じゃなくて、これは、もう間違いない事案が七件十人で、そのほかにも疑いのある事案がありますよということで書き直したらどうでしょうか。もう一回お願いします。
  86. 伊達興治

    ○伊達政府委員 疑いが大変強いと申し上げましたけれども、先ほどちょっと触れられましたけれども、現時点で送致できるほどの材料がそろっているかというと、関係者がいろいろ制約される関係もありまして、なかなか難しい面もあります。  そういう意味で、穏当なところで七件というふうに書いているところでありまして、そのほかにも可能性はあると思いますけれども、なお、さらに突っ込んでいろいろとコメントするについては、警察として、また、現在究明中の事案についていろいろ予断を与えることにもなりますし、それから、捜査の秘密上ということも考えると、私どもの方からは控えておいた方がいいのではなかろうか、こう思っているところでございます。
  87. 平沢勝栄

    ○平沢委員 そこで、警察庁にぜひ要望したいと思うのです。  今後やはり、北朝鮮当局による拉致とほぼ断定できるものが七件十人で、そのほかにもありますよと。もちろん一件一名でも大変なことなんですけれども、そのほかにもありますよと。世界じゅうに七件十人ということで広がるのではなくて、もっとありますよということをぜひ言うようにお願いしたいと思います。  そこで、外務省来ておられますか。外務省来ておられれば、最後に外務省にお聞きしたいと思うのです。  アメリカであればいつも言われることですけれども、一人の生命、身体、財産が脅かされても、国を挙げてその救出に動くということが今までの歴史から明らかなんですけれども、日本の場合には、これだけの方の生命、身体、財産が実際に脅かされているにもかかわらず、国としての対応が極めて生ぬるい。これで本当に国と言えるのかなという情けなさを感じないでもないわけです。  そういう中で、冒頭申し上げましたように、今、日朝間の交渉を再開するとか連絡事務所の設置とか食糧援助とかという話が出ています。何度も言いまずけれども、この問題の解決なくしてそちらの方に走るのは大変に問題があるんじゃないかという感じが私はしておりまして、外務省もぜひそのラインでやっていただきたいと思います。  最後に、外務省のその辺の、今後の日朝交渉に向けての考え方といいますか決意を聞かせていただきたいと思います。
  88. 佐々江賢一郎

    ○佐々江説明員 お答え申し上げます。  今先生がおっしゃられました、北朝鮮による拉致の疑いのある件につきましては、昨年十一月の与党訪朝団の結果を踏まえまして、政府としても、日朝赤十字連絡協議会等の場におきまして、北朝鮮側に対して早急かつ真剣な解決、調査を要求しているわけでございます。また、このたび訪朝されました自民党訪朝団におきましてもこの問題を取り上げられたというふうに承知をしております。  残念ながら、今までのところ、我が方よりの強い要求に対しまして、先方からは納得できる結果は得られておらないわけでございます。しかしながら、政府といたしましては、本件は我が国国民の生命にかかわる極めて重要な問題であるという認識に立ちまして、今後とも北朝鮮の真剣な対応を求めていく考えであります。  そのようにして、問題の解決に向けて最大限努力を払っていきたい、こういうふうに考えております。
  89. 平沢勝栄

    ○平沢委員 時間が来たから終わりますけれども、いずれにしましても、この問題につきましては、私どもも超党派で取り組んでいきたいと思いますし、外務省、そして警察当局も、決して屈することなく頑張っていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  90. 加藤卓二

    加藤委員長 これにて質疑は終局いたしました。     —————————————
  91. 加藤卓二

    加藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  地方自治法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  92. 加藤卓二

    加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  93. 加藤卓二

    加藤委員長 この際、本案に対し、今井宏君外  四名から、自由民主党、民友連、平和改革、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。今井宏君。
  94. 今井宏

    ○今井委員 私は、この際、自由民主党、民友連、平和・改革、自由党及び社会民主党・市民連合の五会派を代表し、地方自治法等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     地方自治法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、今回の都区制度改革経緯及び趣旨関係者に徹底するとともに、東京二十三区の清掃事業が八百万区民の生活に直結した一日たりとも揺るがせにできない事業であることにかんがみ、清掃事業の都から特別区への事務移管について、車庫清掃工場等の条件整備が促進されるよう十分配意すること。   また、移管後の清掃事業運営の在り方や事業に従事する職員の身分の取扱い等については、関係者間における協議が促進されるよう配意するとともに、その結論を尊重するよう努めること。   右決議する。 以上でございます。  何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたしたいと思います。
  95. 加藤卓二

    加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  今井宏君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  96. 加藤卓二

    加藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上杉自治大臣
  97. 上杉光弘

    ○上杉国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、善処してまいりたいと存じます。     —————————————
  98. 加藤卓二

    加藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 加藤卓二

    加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  100. 加藤卓二

    加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十二分散会