○古川
委員 中長期的にという話がありましたけれ
ども、繰り返しになりますけれ
ども、私などは、分権といえ
ども要は
地方の側にお金がなければ自立する気持ちにもならないと思うのですね。今のままですと、とにかく下手に国に逆らうよりも、黙っていい子にしていれば何とか生かしてはくれる。ぜいたくはできないけれ
ども、そこそこに、食っていけるぐらいの生活費は国からくれる。そういうような
状況で、
地方が自立していくような方向に、自分たちで自分たちの道を切り開くような方向にしむけるというのは、やはりなかなかこれは難しいことではないか。
ですから、やはりまず一義的に、これで生活しろよという形で最初に
財源を与えてやってしまう。課税自主権もその
地方に与える。そこで自分たちで
考えろというそこの
部分で、まず相手にそういう形で与えた方が、本当の
意味で自立といったものもできてくるのではないか。
今の
大臣のお話を伺っておりますと、私はそもそも
地方分権という言葉を使うこと自体にちょっと嫌なところがあるのですね。なぜかといいますと、これは、もともと国が持っている
権限を
地方に分け与えてやるというような、いわばこれは極めて上から
地方を見下しているような発想であって、私は、やはりこれからの時代というのは、そうした中央集権から
地方分権というような形の、上から
権限を下におろすというよりも、地域主権というような形で、そもそもそうした自分たちの生活、自分たちの地域をどうするかということはそれぞれの地域に自主的な決定権がある。それが明治維新のときに、これは事実上廃藩置県によって中央に召し上げられた。
ですから、今やっていることは、別にお上から、中央から
権限を分け与えてもらうことではなくて、そもそも自分たちが最初から持っていた
権限を取り返す、そういう発想でこれはやっていかないと、今のお話のような形だと、結局、
地方分権というのは要は中央の御都合、国の方の都合で、この辺はもういいかということになれば、ではこれは
地方にやろう、そんな
感じで、そういういわば五月雨式、中央の都合での分権という形では、本当に
地方が自立していけるような体制というものはなかなかでき上がってこないのではないか。
ですから、
大臣は先ほど、国と
地方との
関係を対等だというふうにお話をされました。しかし、私は、これからの国と
地方とのあり方は、むしろ対等というよりも、
地方の方が主に立って国の方が従に立つ、やはりそのようなあり方になっていかないと、今までの極めて強い中央集権の体制から簡単に対等な
関係に立つようなことはなかなか難しいのではないか。むしろ制度的には逆に
地方の方を主にして国を従にする。そのような形の方が、その地域、地域の自主性、そしてまた自立性というものを維持でき、それが結果的に見ると、国との
関係で見ても対等に近いぐらいの
関係になってくるのではないかな、私はそのように
考えているわけなのです。
それに似たようなことで、私
ども、民主党政権構想プロジェクトチームというものをつくりまして、民主党としての政権構想案を実はつくってまいりました。
まだこれは、党内でも
議論をしていかなければいけないものですので、案の段階であるのですが、実は私もそのプロジェクトチームの一員としてその作成に携わったのですけれ
ども、その中で私
どもが明確に打ち上げたのが、分権連邦国家の確立ということなのです。
これは、私も先ほどから申しておりましたように、まさに連邦国家、日本を、中央集権ではなく地域が主権を持って、その連邦国としての日本という国があるというような形に変えていく。これは根本的にこの国のかたちを変えていくことになると思いますが、やはりそれが求められるのではないか、そういうふうにうたっているわけであります。
そして、この分権連邦国家におきましては、中央
政府の
役割は、外交とか防衛あるいはナショナルミニマム等に可能な限り限定し、それ以外は自立した
地方政府が担当することを想定しております。ですから、そのためにはやはり
財源の裏づけの確保が最重要という認識をしております。それがなくては、そもそもそうした連邦制というものは成り立たない。
それで、その
財源を確保する
一つの方法として我々
考えておりますのが、ドイツなどで使われている共同税の導入を提言しております。
共同税について、これは連邦国家のドイツなどで使われているもので、所得税、法人税、
事業税、
消費税などの基幹税を一本化し、中央
政府と
地方政府が共同で集め、その
税収を、中央
政府に三割、
地方政府に七割というようにそれぞれの実際の支出に見合って配分する制度なのですけれ
ども、こうした共同税という制度によりまして、配分後の
税収は中央
政府と
地方政府がそれぞれ独自の判断で使うことができる。そうなりますと、今行われている、
地方がやっている事務の
部分は、ほとんどが要は
自主財源で賄えるということになっていくわけですね。
こうした共同税について
大臣はどのようにお
考えになっているか、それをお伺いしたいわけでありますが、私
どもは、こうした共同税という方式、これは
一つの案でありますが、そうしたものを導入すれば、これまでのような、中央
政府が
地方交付税や国庫補助
負担金という形で
地方にお金をばらまいて
地方をコントロールすることはもうできなくなりますし、中央はそんなお金がなくなるわけですから、また
地方政府は、最初から七割という
自主財源を直接得ることになりますから、自主的な判断でその
地方の住民のニーズに合った
事業を進めることが可能になります。
そしてまた、要は自分のところで上がった
財源ですから、それを使うのも当然やはり慎重になってくるわけでありますね。
今みたいに、ほとんど
財源のないようなところまで国から大量の
金額のお金が落ちてくるということになりますと、私の地元であります愛知県などは、逆に、一番ある
意味で税金をたくさん払っている割に、国から戻ってくるお金は一番少ない県というふうにある調査でありましたけれ
ども、そのような県もあれば、一方で、山陰の方で、自分たちが出している税金よりも何倍ものお金が国から回ってくるというような県もあるわけであります。そういうようなものも、やはり取られている側からしてみると、同じ国なのになぜそこまで不公平があるのかというような気もしてしまう。
逆に言いますと、いわば国からたくさん、自分たちのところで上がってくる
税収の何倍ものお金が落ちてくるということになれば、いわばお金が天から降ってくるようなものでありまして、そういうような
状況ではそのお金を大事に使おうという気に果たしてなるだろうか。自分たちで汗水垂らして稼いだお金の中から納めた税金、それであれば当然それについては大事に使っていかなきゃいけないという
感じにもなってくると思いますが、そういうものがないような今の
状況では、やはりそれは税金のむだ遣いというのが起きてくる。
ですから、そういった税金のむだ遣いをなくす
意味でも、こうした共同税というやり方はひとつ考慮に値するのではないかというふうに思いますが、
大臣はこの共同税についてはどのようにお
考えになっておられるでしょうか。