○坂井
委員 いわゆる政治
改革の中で個人献金を奨励するという速水総裁の当時の
お話がありまして、これは非常に理想的でいいことだなと思いますが、当時の日商岩井の社長、会長をされている方が個人献金をしていないような
状況であれば、
日本の風土にはなかなか難しいかなと思って、しかしあれだけ言われている方ですから、当然どなたかにはされているのかなと思ってお聞きしたんです。それはそれで終わります。
その次に、政治
改革との絡みで、ちょうど
日銀総裁に就任する二日前に自民党のある有力幹部の人にお会いしたときに、あなたは政治
改革推進派でなかったですねという話をされた。その人の名前は言いませんが、それだけ政治
改革に熱心だったなという気がします。
最近の新聞を読んでいますと、日経の四月六日のク刊に、フィナンシャル・タイムズで所得税、法人税の減税をという発言がある。それから、日経
金融新聞の三月二十五日の新聞を見てみますと、「これまでの財政政策の無策ぶりによる
金融政策へのしわ寄せが非常に目立ってきているのではないか。」という
質問に対して、「最近というのは、
バブル時代からということか」「
バブルになるときもそうだったのかもしれない。財政の立場はかなり強かったからね。結局カネが出て行くのは
金融なのだ。そういうものを必要に応じてチェック
機能を果たせるのが独立性で、新しい
日銀法の下で、従来と変わったことになっていかなければいけない。」「中央
銀行としてのチェック
機能とはどういう
意味か。」と聞かれたときに、「通貨価値の安定というか、通貨量の調節は
日本銀行に課せられた
責任だ。それは財政で出ようと
貸し出しやオペで出ようと、最終的には
日本銀行が全体の立場で通貨発行量を調節できる一それが中央
銀行の大事な
機能のひとつだ。」という発言をされております。
そこで、難しいのは、
日銀法の改正のときにも議論がいろいろありました。それは、
日銀のあり方というのは、基本的には独立性は保つけれ
ども、「政府の
経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」これは
日銀法第四条であります。私は当時自由民主党の財政部会長でこの
日銀法の法改正を担当していたわけでありますが、ここのところが一番やはり議論になっていた。独立はいいけれ
ども、政府との連絡の調整です。そうしますと、ここのところは、通貨の価値の安定を使命とする
日銀総裁がどこまで発言できるのか、財政のことまで踏み込んで発言するのか、増減税とか財政政策まですることが適当かどうかという極めて難しい問題であります。
これは、ちょうど
日銀法の改正の議論のときに、当時新進党の
大蔵委員会の北脇
委員が、ポリシーミックスとしてやっていくというのは、財政政策と
金融政策の当事者の間で合意ができてミックスとしてやるのではなく、それぞれの独立の主体として判断して、その結果うまくかみ合ってポリシーミックスになっていくというような
意見を述べているわけです。
私は、確かに
日銀総裁がこれから
経済政策のときに、
金融のことを議論していくのはいいのですが、どの
程度まで、そしてまたマスコミの場とかなんかで、どういう場で発言していくかというのは極めて難しい問題だと思っておるのです。それは、総理とか
大蔵大臣とかそれなりの政策判断をする人たちのところで
意見を言うのはいいのですよ。だが、そのときに
日銀の独立性という問題政府との
経済政策の調整という問題を考えたときに、これからも
日銀総裁は思い切った発言を今までどおりされると思いますが、どういうような気持ちを持ってこれから政府との
経済政策の調整をやられるのか、その気持ちをお聞かせください。