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1998-04-28 第142回国会 衆議院 商工委員会建設委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十年四月二十八日(火曜日)     午前九時四十五分開議 出席委員  商工委員会   委員長 斉藤斗志二君   理事 石原 伸晃君  理事 小此木八郎君   理事 岸田 文雄君  理事 茂木 敏充君   理事 大畠 章宏君  理事 松本  龍君   理事 太田 昭宏君  理事 西川太一郎君      甘利  明君     小川  元君      岡部 英男君     奥田 幹生君      木村 義雄君     古賀 正浩君      河本 三郎君     新藤 義孝君      竹本 直一君     武部  勤君      中山 太郎君     野田  実君      林  義郎君     山口 泰明君      川内 博史君     島   聡君      島津 尚純君     原口 一博君      渡辺  周君     坂口  力君      中野  清君     宮地 正介君      青山  丘君     小池百合子君      吉井 英勝君     横光 克彦君      伊藤 達也君   建設委員会   委員長 遠藤 乙彦君   理事  遠藤 利明君 理事 佐田玄一郎君   理事 田野瀬良太郎君 理事 谷畑  孝君   理事  鉢呂 吉雄君 理事 吉田 公一君   理事  井上 義久君 理事 青木 宏之君       安倍 晋三君    赤城 徳彦君       飯島 忠義君    岩永 峯一君       小林 多門君    田中 和徳君       高市 早苗君    玉沢徳一郎君       西川 公也君    能勢 和子君       松本 和那君    目片  信君       山本 幸三君    樽床 伸二君       平野 博文君    松崎 公昭君       山本 譲司君    吉田  治君       市川 雄一君    西野  陽君       辻  第一君    中島 武敏君       中西 績介君  出席国務大臣         通商産業大臣  堀内 光雄君         建 設 大 臣 瓦   力君  出席政府委員         農林水産省食品         流通局長    本田 浩次君         通商産業大臣官         房商務流通審議         官       岩田 満泰君         通商産業大臣官         房審議官    古田  肇君         通商産業大臣官         房審議官    岡本  巖君         中小企業庁次長 中村 利雄君         運輸省運輸政策         局長      土井 勝二君         建設大臣官房長 小野 邦久君         建設省都市局長 木下 博夫君         建設省道路局長 佐藤 信彦君  委員外出席者         国土庁地方振興         局総務課長   飛弾 直文君         商工委員会専門         員       野田浩一郎君         建設委員会専門         員       白兼 保彦君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  中心市街地における市街地整備改善及び商業  等の活性化一体的推進に関する法律案内閣  提出第三九号)      ――――◇―――――
  2. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 これより商工委員会建設委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行います。  内閣提出中心市街地における市街地整備改善及び商業等活性化一体的推進に関する法律案を議題といたします。  本案の趣旨の説明につきましては、これを省略し、お手元に配付してあります資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。遠藤利明君。
  3. 遠藤利明

    遠藤(利)委員 自由民主党の遠藤利明です。  私の時間は二十分しかありませんので、早速質問に入らせていただきます。  昨年春、私たち自民党の中におきまして、中心市街地活性化のための調査会をつくらせていただきました。何とか町の中核となる中心市街地をもう一度元気を出してもらおう、そんな意味からいろいろ検討してまいりました。私もその一員として、地元のいろいろな皆さん方と話をしたりしてきながら、そのお手伝いをしてまいりましたが、それを今回法律として出されました。  一部には、郊外に大規模店舗スーパー等があって、価格も安いし、また大きな駐車場があるし、便利ではないか、何で中心市街地か、こんな異論もあると聞いております。  そういう中でこの法律を出されたわけでありますが、今なぜ中心市街地活性化しなければならぬのか、簡単に最初通産大臣にお伺いをしたいと思います。
  4. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答えを申し上げます。  委員の御指摘のように、今都市におきましては、極端に言うと、非常に無計画な形の中で郊外大店が出店をしたり、全体の調整のとれないままに旧市街地が衰亡するような状態が続いてきているわけであります。  そういう意味で、中心市街地は、大変長い歴史の中で、地域文化だとかあるいは伝統をはぐくんできた、各種の機能を培ってきましたいわば町の顔ともいうべきものでございまして、その町の顔ともいうべき中心市街地空洞化をしていくということは、まさにコミュニティーの危機ともいうべき状態だというふうに考えております。  そういう中心市街地活性化は、二十一世紀に向けて子孫に引き継ぐべき豊かな町を創造していくために、市街地整備改善という問題、あるいは商業活性化という問題、こういう問題を一体的に推進をいたしてまいりまして、都市の再構築を図っていかなければならない、そして同時に、地域経済振興を図っていかなければならないということになってまいるわけであります。  特に、商業などのいろいろな機能の集積を図ることによりまして、効率的な経済活動や新しい産業、ファッションだとか福祉産業だとか、あるいは教育、情報だとかいうような新しい産業の誕生も容易にすることをいたしてまいりますことが、経済構造改革推進を図る上でも大いに役に立ってまいることだというふうに考えて、重要な課題だというふうに思っております。  こういう観点から、ただいまの御指摘のような面でこれからの対策を図る上で中心市街地活性化を行っていこうということでありまして、その際には、地方公共団体関係省庁を初めとして、全体の総力を挙げて取り組みを行いまして、中心市街地活性化を円滑に進められるように、私自身も、各省庁と連携をとりながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  5. 遠藤利明

    遠藤(利)委員 今通産大臣からお伺いしましたが、同じ質問建設大臣からもお伺いをしたいと思います。
  6. 瓦力

    瓦国務大臣 お答えをいたします。  ヨーロッパ日本都市の成り立ちの歴史も違いますが、我が国におきましては、モータリゼーションの発展によりまして市民生活が一挙に変わってまいりました。よって、周辺集落とまた町の中心街とが、生活かかわりにおきましても一体的なものがございましたが、消費者から見ると安い物がいいとか、人間関係とは別に、だんだん商店消費者かかわりも変わってまいりました。  もう一度日本の町が、それぞれの歴史文化を大切にしながら、コミュニケーションを大切にする町づくり、そういったことをするために、建設省とすれば、道路整備であるとか、あるいは駐車場を確保するとか、また周辺に公園があるかどうか、災害が生じたときには避難する場所があるかどうかとかということを考えながら、町の安全やにぎわいというものをもう一度市民の方々が中心になって考えて、地域文化のよりどころ、コミュニケーション中心、そういったものをつくり上げていくことをお手伝いをしていく。  私は、歴史的に今大変重要なときだ、こういう認識でありますので、建設省といたしましても、このたびの法案に対しまして全力を挙げて御支援を申し上げたい。そして日本の各地が、それぞれの彩りを持った、色彩を持った町になるように、そのことが我が国全体としてもよくなることにつながる、私はこういうような気持ちで、今度の法案につきまして期待を寄せておるものでございます。
  7. 遠藤利明

    遠藤(利)委員 今両大臣からお話をお伺いしたわけですが、通産大臣、実は今回、町並みが大事だということで、今お話をいただいたわけですが、例えば大店法改正、これはこの委員会の所管ではありませんが、大店法改正中心市街地にもできる。しかし、それを今度は都市計画で抑えていくという形が可能だと思いますが、現実に、市町村長判断でできるといいながらも、市町村長、必ずしも中心市街地だけでなくて、郊外もいいよという方もいらっしゃると思いますし、あるいは、その市町村が例えばいろいろ特別用途地域として抑えたとしても、隣接の市町村が違う判断をした、そうした場合にはなかなか抑え切れないのだろうと思います。例えば、一説によりますと、外資系の大きな大規模店舗が、行政区分を超えて全国で十五カ所ぐらいもう計画をされているというふうなことも聞いております。  同時に、日本郊外スーパーなんかを見ますと、水道であれ、あるいは道路であれ、つくったときに必ず行政はサービスをしてくれるのですね。しかし、いざ撤退したときに、せっかくつくったものが生きなくなってしまう。大体、スーパーなんかは、今回ダイエーの問題を見ましても、拡大拡大拡大でいきますと、どこかで破綻をしてしまう。そして、撤退をしてしまう。撤退する方は簡単なんですが、そこに整備をした地域にとっては大変な問題になっていきます。投資をしたのに、実態的には何もなくなってしまったと。  そういうことを考えますと、何か、立地法改正、抑えられるといいながらも、なかなか実際は難しい部分が出てくるのではないかな。こんなことを考えますと、今回の連合審査の対象ではありませんが、そこら辺、通産大臣、ぜひ十分に御検討をいただきたい。大体、昔から、ある程度膨張してしまうと必ず自滅の道を選ぶというのが歴史の流れでありますから、そこら辺を踏まえて、ぜひこれからも立地法の問題については御検討いただきたいと思います。  そこで、具体的な町づくり、私は昨年夏にヨーロッパに行きまして、ワルシャワとかあるいはウィーンとかモスクワとかニーズ、そういういろいろな町並みを見てまいりました。大変印象的だったのは、一つは、どこでもそうですが、町の中に五階建てぐらい、高層というか、中層といいますか、町の中心部がそういう住宅と併設なんです。一階が商店、あるいは二階まで商店で上が住宅。町の中に人が住んでいる、これが大変印象的だった。  それからもう一つは、道路が、つくり方が広いという点もありますが、オープンカフェがあったりして、ウインドーショッピングをして例えば十分か二十分歩いても、ちょっと一息入れられる。そして同時に、交通網も大変考えていまして、日本ですと歩行者専用道路なんていうものをわざわざつくりますが、たしかワルシャワだったと思いますが、ある地域では、原則的に車は入れません、ただ、午前中の二時間、夜の二時間だけは物の積みおろしで入れます。日本発想が逆なんです。あるいは、タクシーとそれから公共交通機関、これだけは入れます、あとは一般の車両は入れません。日本は、車があって、そしてそれをたまたま制限する日をつくる、あるいは制限する時間をつくる。向こうは逆に、人間が歩きます、たまたま車を入れます。そういう発想の違いがある。  それから、さっき言いました住宅にしましても、日本の町はいつの間にか職住が離れてしまいまして、店は町の中にあってもほとんど人は住んでいない。夜はほとんどゴーストタウンになってしまう。それから、オープンカフェなんていいますと、日本は、歩行者専用道路のときは別ですが、全国どこへ行っても、ほとんどオープンカフェなんてないのですね。ですから、三十分も歩けばみんな嫌になります。休みたいのですが、建物の中の喫茶店に入らないと休めない。これではなかなか歩こうという気にもならないのだろう。そういうことを考えますと、やはり町づくり中心市街地のこういう点をこれからの整備の中で考えていかなきゃならないのではないかな。  それからもう一つは、今回、国が計画をつくって、そしてそれを地元にやれというのではなくて、地元がいろいろな、商工会なのかあるいは商店街振興会皆さんなのか、そういういろいろな機関が、TMOというのですか、そういう組織をつくって、そこで計画をつくり、それを国が認定するという形になるわけですが、どうも日本のいろいろなこれまでの地域指定というのは、どこでやってもほとんど金太郎あめなんですね。  例えばリゾート開発なんかにしても、鳥羽とか宮崎とか、なかなかうまくいっていない部分もあります。それから、テクノポリスなんかにしましても、何カ所か指定しても、大体うまくいっているのは数カ所、あと大体、ほとんど金太郎あめになってしまう。ですから、やはり今回、地域地域独自の、顔のあるといいますか、金太郎あめでない地域づくりをしていく。それは人材の開発も必要だと思います。  そういう意味で、実は私の地元山形市というところでも、中心市街地を何とか活性化させたいということで、例えばほっとなるプラザ開発基本計画とか、今いろいろなものをつくって検討をしております。必死になって頑張っております。  そこで、私、たまたま山形を自分の頭の中でモデルにして幾つかお伺いをしたいと思いますが、きれいな町並みをつくるというふうな中で、もう一つヨーロッパに行ったときに感心をしたのは、電線がほとんどない、地中化なんですね。日本はまだまだ電線地中化がおくれている。この電線地中化をもっと推進すべきではないかと思いますが、道路局長ですか、簡単で結構ですが、お伺いをしたいと思います。
  8. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 先生おっしゃられるとおり、都市景観形成、それから美しい町づくりを進める観点のほかに、中心市街地活性化を図るためにも、都市内道路におきます電線類地中化といったことが非常に重要な問題であるというふうに考えております。  そういった観点に基づきまして、昭和六十一年度以来二期にわたる電線類地中化五カ年計画に基づきまして、これも計画よりもかなり前倒ししまして、平成六年度末に約二千キロの地中化を実施したところでございます。現在、平成七年度から始まりました第三期の電線類地中化計画に基づき、さらに二千キロの地中化を目標といたしまして、電線共同溝等整備をしているところでございます。  今後とも、都市景観の向上はもちろんでございますが、安全で快適な歩行空間、これを確保する上でも、さらに災害に強い町づくりといったことから考えましても、なお一層電線類地中化推進していかなくてはならないというふうに考えているところでございます。
  9. 遠藤利明

    遠藤(利)委員 それと、道路局長、続けてですが、実は私ども山形市、雪国でありますが、雪があるというのは、都市皆さんはきれいだと言いますが、地元に住んでいる者にとっては雪というのは大変厄介なものです。朝早くエンジンを吹かしたり、そういう多くの経済的なロスもありますが、実は私の地元で無散水雪道路というものを開発をいたしました。  今までですと、消雪道路というのは、道路に水を出して流していく。これは地下水を上げるわけですから、地盤沈下があってなかなか進まなかったのです。しかし、私の地元のある会社で、水を地下から上げて道路の上に出さないで、道路のアスファルトの下にパイプを回しまして、そしてまたその水をある一定の距離を回すと地下に戻してしまう。ですから、全く水は使用しない、ただ回転させるだけ。それで、地下水というのは十五、六度とか十七、八度、これは一定しているわけですから、その水で上の雪を解かす、歩道の雪を解かす。こういう無散水雪道路というものを開発をしました。  建設省皆さんからも御尽力いただきまして一部取り上げたわけですが、例えば、山形市、一つの区間を全部無散水消雪で駅からその地域一帯整備していく。直轄の道路もあれば街路もあればあるいは市町村道路、いろいろな部分もあるのだと思います。しかし、そういう雪国でありながら雪のない町づくり、こんなことをやったらどうかと今提言をしているわけですが、この無散水雪道路、国として、国道あるいは県道、市町村道そして街路等に積極的に、雪国として、これは地下水を守るという意味もあります、推進していく気がないかどうか、お伺いしたいと思います。
  10. 佐藤信彦

    佐藤信彦政府委員 冬期間の雪に対する道路交通を確保するといったことは非常に大事な問題でございまして、特にこれまで、やはりコストの問題もございまして、除雪をしまして対応するといったことが非常に基本的なパターンになっております。ですが、やはり都市内とか、それから都市内の中でも路面凍結が非常に事故につながります交差点とか急勾配のところ、こういったところにつきましては、そういった除雪だけの問題ではなくて、消雪で対応できないかといったことをこれまでも実施してきております。  先生が御指摘のように、従来、消雪パイプ散水によりますものが一つ方法でございましたが、無散水、水をまかないでやるという方向、これは電熱などを利用したロードヒーティングなどがございます。それから、地下水地中熱、これらを利用しまして、そういった消雪の方法もございますので、それが一番適切に使われるところ、そういったところについてはそういった方法も適用させていきたいというふうに考えております。  いずれにしましても、除雪それからこういった消雪といったことは冬期の交通を確保する上で非常に大事な問題でございますので、今後とも適切に対処していきたいというふうに思っております。
  11. 遠藤利明

    遠藤(利)委員 ぜひ無散水消雪、冬でも長靴を履かないで――道路は今まで除雪していたのです。歩道はなかなか難しいといって、歩道長靴を履いて、あるいは冬靴を履いていく。しかし、例えば小中学校の子供さんなんかは、歩道除雪できないと結局車道を歩くしかない。大変危険だったのです。ですから、私も去年の冬、ことしの冬といいますか、見て、本当にきれいになったなと。そういう意味で、無散水消雪、大変きれいですし、御検討をさらにお願いをしたいと思います。  では最後に、時間がありませんので、街なか土地区画整理事業それからPFIを一緒に質問させていただきます。  中心市街地、特に地方市街地の場合は、〇・五ヘクタールといいながらもまとめるのが大変なんです。それから、それだけの投資額ができるかということもあります。ですから、〇・五ヘクタールということにかかわらず、将来的にできるというなら〇・二ヘクタールでもいいですよということですが、例えばまず最初に〇・二ヘクタールあるいは〇・三ヘクタールやってみます、やってみてその上でその後を見て検討する、最初から〇・五ヘクタールと決めないでスタートする、そんなことができないかどうか、それを御検討いただきたい。  それからもう一つは、これは住宅局の分野になるのかと思いますが、中心市街地高層住宅をつくる、そうすると、なかなか簡単でないのですが、例えばPFI方式でやっていって、それに対して市や県が公営住宅としてリース方式で借りられないか。  そこら辺なんかもあわせてお伺いをして、ちょっと時間が足りなくなってしまいましたが、その二点、お伺いをしたいと思います。
  12. 木下博夫

    木下政府委員 御質問の二点お答えしたいと思います。  簡単に御説明いたしますが、おっしゃるように中心市街地には今いろいろな危機感がございますが、とりわけ空き地とか空き店舗が多いという問題がございまして、御案内のとおり、区画整理事業は従来から新市街地形成を主としてやってまいりましたけれども、今回は、都心においてある程度既存のストックがあり街区ができているところでも区画整理が使えないかということで、街なか再生区画整理事業を取り上げました。  これにつきましては、従来、公共施設の用地を確保するという意味での区画整理でございましたが、それに加えて、特例的に地権者の同意が得られれば公益施設の用に供するものも保留地として確保するとか、あるいはそもそも区画整理事業におきましての、いわば既存建築物を移転するときに費用等がかかりますので、これらに対する補助とか、それからお話がございましたいわば小さな規模区画整理もやれるようにしたらどうかということでございます。  町が整然としていくためには、私はある一定の見通しを持っていただきたいと思いますが、制度的には、お話のございました〇・二ヘクタールぐらいの小規模のものをまず出発点としてやるという方向はぜひ取り上げていきたいと思っております。  もう一点、PFIにつきましては、そもそもPFIの概念なり制度はこれからいろいろ国会でも御審議いただくと思いますが、私どもとしては、諸外国の例もいろいろ勉強させていただいておりますが、再開発事業とか区画整理事業はもともと民間資金なりあるいは民間の活力というものを相当取り入れた制度でございますから、こういうものを入れながら、お話のございました、例えば住宅等中心部立地できるような手法として面整備事業も活用していきたいという意欲を持っております。
  13. 遠藤利明

    遠藤(利)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
  14. 斉藤斗志二

  15. 松本和那

    松本(和)委員 自民党松本です。今遠藤先輩から中心的な質問がございました。私も、時間が二十分と限られておりますので、端的に質問させていただきたいと思います。  まず、今の日本地方都市中心市街地というのはもう回復不可能ではないかというような議論もあるわけでありますが、今回の各省庁が総合的に中心市街地活性化しようという案、大変画期的なことだと思います。  大変喜ばしいことなんですが、問題は、ちょうど日本の国の経済構造が今大変問題になっておりまして、その辺をきちっととらえて、これからの二十一世紀日本産業とか商業をどうするかということをきちっと基本に据えて、そして地方分権という形の中で町づくりを進めていく必要があるのだろうと思います。そういう観点の中から、都市を磨くあるいは都市の魅力をつくり出すという戦略が非常に大事になってくるのだろうと思います。  そこで、まず最初に、いろいろな今までの過去の分析をされて、こういった中心市街地活性化のための法律案が出されてきたわけでありますけれども日本全体もそうですが、地方都市において、これから観光事業というのも大変大事でありますけれども、マルチメディアの時代、そういった電脳の時代にもなってくるわけでありますから、頭脳集約型の産業地方の豊かな環境の中に立地する可能性があるのかどうか、また、基本的にはどういった地方都市産業というのを描いていくのか、通産大臣にちょっとお伺いしたいのです。
  16. 岡本巖

    岡本政府委員 お答え申し上げます。  都市は、先生案内のように、個人とか事業所といった需要家が存在いたしますし、それから、そういう意味において、新たな事業を起こしていく苗床としての機能を有しているかと思います。商業ということに加えまして、デザインとか設計とか、そういった頭脳集約型の産業、あるいは新たな地場産業を起こしていく、そういう可能性を秘めているかと思います。そういう意味におきまして、私ども、新しい産業を起こしていくということに中心市街地活性化というのは大きく資する面がございまして、そういう観点から、産業政策上も大変意義の高い取り組み認識をいたしているところでございます。  このために、この法律の中におきまして、商業活性化ということに加えまして、都市型の新事業立地を促進するとか、あるいはそういったものを育てるということを目指しているところでございます。  具体的には、低廉な価格で事業用スペースを提供する賃貸事業用施設の整備でありますとか、あるいは都市型の新事業を支援する共同の研究開発の施設とかインキュベーターとか展示、販売施設の整備とか、そういったことを進めていくことも御提案申し上げているところでございます。  通産省としましては、こういった施策の活用によりまして、地方都市における新しい事業の創出ということに向けて格段の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
  17. 松本和那

    松本(和)委員 基本的な産業の位置づけの将来のあり方が大体わかりました。しかし今商業が、大店法が廃止になって立地法という形で今回も計画案が出されているわけでありますけれども、今までの国策としての商業政策というのは、大体、振興と調整ということだけの役割を担ってきたような気がいたします。  そこで今度、地方自治体にこの立地法のすべての町づくり計画をさせていくことになっておりますけれども、今までの大店審の考え方というのは、大体、営業日数、休日、それから面積、開店日、この四点だけの調整でやってきたわけです。地方自治体は、こういった新しい町づくりの中でもってこの立地法を考えていくという訓練が全くされておりません。  ですから、ちょうど道具をたくさん国が地方の方に、これを使え、これを使えという形で今回いろいろな法律を出してきたのですが、それは大変結構なことなんです。しかし、それを使いこなせるのかどうかということが非常に問題になってまいります。そういうことと、これからの経済というのは、今までちょうど土地もすべて右肩上がりで上がってきた中で、開発が、町づくりが進められてきました。しかし今回、こういった立地法の問題、町づくりの中に大店法の問題も包括して考えて町づくりをしていかなければならぬ。加えて、景気の方は今低迷して、経済全体も横ばいかあるいはダウンぎみのこれからの日本になろうと思うのですが、そういう中で、これからの開発手法といいますか、再開発とかそういった手法のやり方というのはどういう形になっていくのか。  まず、建設省の方からと通産省の方から、それぞれの立場でお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  18. 木下博夫

    木下政府委員 現在、日本の経済を取り巻く状況というのは、先生の御質問の中にあったとおりではないかと私も認識しております。したがいまして、従来の再開発事業などは、御案内のとおりでございますけれども、保留床を出しまして、その保留床を有効に活用していくということで新規の立地を誘導してきたわけでございますが、右肩上がりが穏やかになってまいりますと、そういう手法がなかなか難しいことは私も承知しております。  ただやはり、先ほど申し上げましたように、都心部にある程度既存のストックがあって、その既存のストックを大いに使っていこうという姿勢が、この中心市街地であり、私どものこれからの都市政策であろうかと思っておりますので、そこにいささかでも公的な支援ができないかと考えております。  例えば、立地の例を申し上げますと、収益性が大変低いと言われております公益施設、こういうものを誘導する際に、補助金等によってその保留床をできるだけ安く取得することによって立地するとか、あるいはその他のカルチャー等々の政策等にうまく使えるような床の利用というようなことによっての都心部の活用もあろうかと思います。  いずれにせよ、各年齢層が同じ地域にお互いにそこで生活するということによるにぎわいと同時に、町の活力を出していくというのが都心部における基本ではなかろうかと思っております。
  19. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 先生指摘のように、今後の中心市街地活性化といった場合には、町づくり商店街の活性化というものが一体となって進められなければならないわけでございまして、市町村について、これまでそうした経験が必ずしも十分ではなかったということは御指摘のとおりだろうと思います。そういう意味におきまして、私ども、この計画が総合的かつ計画的にきちっと行われるということが重要であろうと思っておりまして、そのための体制というのを整えたいと思っているわけでございます。  具体的に申し上げますと、私ども、TMOという組織をつくるということにいたしているわけでございます。そのTMOというものが、地元商業者とか地権者等の意見を取りまとめまして、コンセンサスの円滑な形成を図るということが重要であろうと思っております。TMOが作成しました中心市街地商業活性化に向けた事業構想に基づいて実施される種々の事業を本法の対象といたしまして、とりわけ手厚い支援を行うという形で一丸となってやっていただくという仕組みを整えているわけでございます。  加えまして、町づくりに関する専門的な知見を有する人材をTMOに派遣する、かなり長期の派遣も考えているわけでございます。加えまして、構想、計画の策定、コンセンサスの形成事業等に対する助成措置というようなものを講じまして、TMOが先生指摘のような機能を果たしていくようにしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  20. 松本和那

    松本(和)委員 ありがとうございました。  その場合に、今遠藤議員からも質問がありましたけれども、今度、町の特別用途地域の活用というのも上がっているわけでありますけれども、この用途地域以外のいわゆる未線引き、白地区というのが首都圏の近辺でも相当あるわけです。  ですから、もともと都市計画の中でも調整区域よりも緩和が緩いし、例えば千葉県なんかの例をとりましても、房総の方ではこの白地区というのは四〇〇%、商業地区と同じなんですね。そこにリゾート法が施行されたときには、リゾートマンションが商業地並みに建っていったという経緯があります。  ですから、外資がどんどん入ってまいりまして、今度、茨城県の守谷で、今未調整に終わっておりますけれども、AMIといいますか、アメリカン・モールズ・インターナショナル、あるいは今度これを変更いたしまして、今相模大野に小田急百貨店の跡を商業ビルとして活用する。あるいは、オフィス・デポとかオフィスマックスというような大型の文房具の業界がもう既に上陸している。  こういったことを考えますと、未線引きというのは、地方自治体の指導に、そこの考え方によるのでしょうけれども都市計画決定の中でもってこの白地区というのをどういうふうに扱っていくのか。都市局長、ちょっと。
  21. 木下博夫

    木下政府委員 正直申し上げまして、実態的にはなかなか難しい問題だと思います。先生も十分御承知だと思いますが、今都市計画区域は、我が国土三十七万平方キロの中の約四分の一を都市計画区域にしておりますが、 おっしゃられたように、その中には、当然、線引きをしていない地域とか、あるいは線引きをしていない上に、かつ用途地域を決めていないということでございます。  今回御提案させていただいています都市計画法の関連については、御承知のように、単に商業関係だけではなく、できるだけ地方においての自主的な、個性ある町づくりをしていきたいということでございます。私どもは、都市計画区域がカバーしていないところについての手法は、はっきり申し上げて今具体的には持っておりませんが、地方によって、今後の都市拡大していくのであれば、それは調整区域も含めてでございますが、都市計画区域そのものを広げていくことも一つの提案でありましょうし、場合によっては、未線引きのところであっても、用途地域を決めますれば特別用途地区が決められるということは先生御承知でございますから、そういう意味では、未線引きのところであっても、積極的に用途地域あるいはそれをさらに補完する特別用途地区を決めるという手法も、公共団体の新たな選択の一つとして私どもはこれから考えてまいりたいと思っております。
  22. 松本和那

    松本(和)委員 そういった問題があるわけでありますけれども、やはり都市計画の中に今回の立地法の、大店法を含めて町づくりをしていかなければならぬ。そしてまた、中心市街地活性化のためには、先ほど遠藤議員もおっしゃっておりましたけれども、いわゆるモータリゼーション、車と人、この流れというものもきちっととらえていかなければならないわけでありますけれども日本都市構造というのは、非常にそういった点が今混乱をしているような状態町づくりの中にあるわけであります。  この辺を一刻も早く整備しながら、一番いいのは、商業公共施設、そういったものに使う場合に、立体駐車場が今回の基本になっておりますけれども、モータープールのようなものをこの施設の周辺に張りめぐらぜて、そこまで車で行って、それから商業施設や公共機関はシャトルバスで移動するというような、人の制限、規制ということも大変これからは重要になってくるのじゃないか。もう既にヨーロッパあたりではそういった動きがあるわけでありまして、やっておるところもある。ですから、こういったことも考えていかなければ、なかなか駐車場の問題を一つとらえても難しいのだろうというふうに思います。  そこで、こういった計画を進めるに当たりまして大事なことが一、二点あるのです。当然、中心市街地活性化するために地権者、土地の所有者に再開発の協力の義務を背負ってもらわなければならないわけでありますけれども、なかなか今の地主さんというのは、この地権者たちが資産家でありますし、また駐車場なんかでもかなりな高収益を得られます。ですから、空き地にしておいても構わないわけでありますから、そういった意味では協力度合いといいますか、これが非常に難しいのだろう。  空き店舗の現状一つを見ましても、商店主のやる気の問題もあるのですけれども、やはり家主の方で、家賃の高さとか、あるいはこの後貸したらまたどうなるのだろうというような問題もございます。定期借地権、定期借家権というようなものを使って解決する方法も今考えられているようでありますけれども、こういったやる気のある新規出店者、そしてまたやる気のなくなった現行の商業者、こういったものに税制とかあらゆるものを含めてどういった形で協力を願うのか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
  23. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 御指摘のように、未利用の空き地とか空き店舗に対してやる気のある新規出店者が参入するのを促進するということが、中心市街地商業活性化を図ることに極めて重要であるわけでございます。  このような観点から、今回の中心市街地対策におきましても、第一に、中心市街地におきます商店街等の施設整備に対しまして土地等を譲渡する者に対しまして、譲渡所得の特別控除を行うことといたしております。  また第二に、総額四百億円に上る中心市街地活性化基金というものをつくることといたしておるわけでございますが、この運用益を活用しまして、空き店舗を借り上げて不足業種等を誘致するというような際の家賃助成を行うことといたしております。  さらに今回は、空き店舗を取得してキーテナント等を誘致する際についても補助、高度化無利子融資を行うという支援を用意いたしておりまして、これらによりまして、中心市街地における新規出店者の促進を図りたいと考えております。
  24. 松本和那

    松本(和)委員 いろいろ方策を打つようでありますけれども一つの考え方として、やはり日本人というのは、福祉政策と社会経済政策というものをあらゆる面で一緒にしてやっている点で、今の経済の中でもって個人の私権といいますか、そういったものも制限できませんし、非常に難しくなっているわけであります。いろいろ努力してみたけれども、もうやる気がないという店主には、ある意味で地主さんの立場に返ってもらうことが大事じゃないかという気がいたします。そして経済政策と福祉政策というのを別に考えて進めていかないと、どうもそれを一緒にしてやってまいりますと、なかなか進まないのじゃないかという気がいたします。  と同時に、昨年建設委員会で私も質問申し上げましたけれども中心市街地活性化のために思い切った容積率、今四〇〇%が八〇〇%になりましたけれども、私は一五〇〇ぐらいまで必要なんじゃないかという気がいたします。そういう形をとらないと、なかなか思い切った政策が打ち出せないのだなという気がいたします。  そこで、最後の質問になりますけれども、いわゆる土地の証券化、これを将来早い時期に考えていく必要があるのだろうと思います。我が党では、この秋にSPCという形でもって、今の銀行の不良債権を何とか早く解決するために特別目的会社をつくって、税制上、法律上の問題をクリアしようという形で努力しております。しかし、日本人の土地所有願望というものが邪魔しておりまして、なかなか難しい点があるわけです。アメリカでは、もう御承知のように、REITというような、二百社も証券化のためのマーケットの会社が育っておりますし、配当ももう多く行われている。町の開発市街地活性化中心地を皆そういった形で証券化しながらやっているという実例があるわけであります。  今回の国の方針として、住都公団が賃貸住宅から今度都市の再開発の方に向かうようであります。当面はいろいろ民間企業の協力というようなこともございますけれども、住都公団が中心になってまずこの都市開発を進めていくわけでありますから、今ではまだなじみませんけれども、二十一世紀近い時代に、途中からでもいいわけですから、土地の証券化ということをひとつ住都公団を先頭にして考えてみてはどうかということなんです。  それに対して、機関投資家にまず先鞭をつけていただいて企業や一般投資家が市街地開発の証券を買う。いい値段で配当を持っていくためには、いい町づくりをして価値ある投資をしていけば投資の対象になるわけでありますから、ディベロッパーの方も考えていく、こういうことだろうと思いますので、ちょっと時間がないので言い切れませんけれども、そういった土地の証券化をどう考えているか、ちょっとお答え願いたいと思います。
  25. 木下博夫

    木下政府委員 政府は、昨年の春でございましたか、いわば従来の土地政策をさらに進めるという意味では、所有から利用という概念への転換ということでございます。もちろんこれは単なる抽象的なことでなく、各施策があわせて実行できるわけでございます。先生から先ほど来いろいろ御指摘いただきました。それで、今回の証券化の問題につきましては、政府全体でも、あるいは建設省におきましても証券化の具体化について今鋭意検討しております。  ちなみに、住都公団のお話がございました。今回の経済対策の中でも住都公団の役割というのは、いずれ、来年には新しい法人に変わるわけでございますが、より町づくり的な、特に土地の流動化という視点では、上の建物はもちろんでございますけれども、まずは土地を動かすことについて、住都公団の新しい組織が活躍できるのではないかと思います。  あわせて、私どもには民間都市開発推進機構というのがございますので、これなども新しい立ち上がりのために今までも実績を上げておりますので、ぜひ証券化の手段も入れまして、今先生お話しになったように、にぎわいのある、元気のある都市づくりということにこういった主体を活躍させていきたい、こう考えております。
  26. 松本和那

    松本(和)委員 最後に、簡単に御要望だけ申し上げておきます。  都市局長は先般の建設委員会で、地方に全部を任せるだけではなくて、地方のやる気を出すために中央も汗をかくという発言をされておりました。大変すばらしいことだと思いますが、ぜひそのような考え方の中で町の活性化が総合的に、各省庁が集まってやるわけでありますから、その上に大きな花を吹かせていただきたいのだ。個別の事業はそれぞれの部門でもって成功いたしましても、大変な資金を投入するわけでありますから、それがむだな形にならないようにひとつ十二分な配慮をいただきまして、一日も早い中心市街地活性化のために御努力願うことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  27. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、吉田治君。
  28. 吉田治

    吉田(治)委員 民主党の吉田治でございます。  まず最初に、中心市街地活性化法ですけれども大臣、それに入る前に、関連法案という形で大規模店舗立地法というのが出ております。これについて通産大臣に、もしくは事務方でも結構でございます、二点ばかりお聞きをしたいと思います。  まず最初に、大規模店舗立地法の第四条において、大臣指針においてという形で書かれておるのですけれども、よく御承知のとおり、さまざまなところからこれについては町づくり観点というふうなものをぜひとも入れるようにというふうな話が随分来ているのですけれども、具体的にこの法運営において、大臣指針、まさにガイドラインの中で町づくり観点というのはどういうふうに入れられていくのかということをまずお答えいただきたいのです。
  29. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 お答え申し上げます。  今回、大型店に対します規制政策の転換を図ったわけでございますが、この中では、大店立地法の制定とあわせまして、都市計画法の改正ということもお願いをいたしておるわけでございます。  町づくりと申します場合に、これは人によりまして意味合いの持つところが大変広いと申しますか、多様であるというふうに認識をいたしておりますが、この中で大店立地法が想定をいたします対象と申しますのは、法文にもございますが、周辺地域の住民の利便でございますとか、商業のような業務の利便といったような生活環境を保持するという意味もこれまた町づくり一つであるというふうに考えておりまして、そうした面への配慮というのはこの立地法によりまして求められるということでありますので、この指針の中で定めることになろうかと思います。  一方、町づくりという議論の中には、町の構造全体をどのようにすることがいいかという議論もあり得るわけでございまして、こうした大型店舗のそもそもの立地の問題を判断すると申しますか、そうしたものについても決めていくというような意味での町づくりという配慮につきましては、私ども都市計画法などなどを初めといたします、いわゆる柔軟なゾーニング手法というようなものの活用で対応することが適当であると考えておるところでございます。
  30. 吉田治

    吉田(治)委員 今言われた、そういう中で都市計画法等々を使いながらの町づくりを入れていただくということですけれども、同じくその法の八条の第二項にわざわざ明文されておるのは、商工会議所または商工会等の意見を十二分に聞く、反映するというふうなことを書かれておるのですけれども、これについて、具体的な今後の運営について、制度的保障というのですか、反対を言うと、一般消費者からするとなぜわざわざここにこの商工会議所、商工会という一文が入れられたのか。入れられたことによって、ではその意見はどう反映され、またこの大規模店舗立地するときにどういう役割を果たしていくのか。法に一文わざわざ固有名詞的に入るというのは非常に意味合い的には大きいと思うのですけれども、これについては今後どういうふうな形になされていくのですか。
  31. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 商工会議所及び商工会についてお尋ねでございますが、両団体は地域の商工業の総合的な発展を図るための中核的な存在でございまして、同時に地域社会一般の福祉の増進を図る上で重要な役割を担う団体として、それぞれの根拠となっている法律に書かれておるわけであります。  こういう意味合いから、大店立地法では、大型店の新増設に関しまして、その周辺地域生活環境を保持する見地から、都道府県などに対しまして意見を提出することが期待される団体の代表格といたしまして両団体を法文上明記しておるということでございますし、今後、商工会議所にしろ、商工会にしろ、それぞれの地域におきまして積極的な役割を果たしていただきたいという期待を込めたものでございます。
  32. 吉田治

    吉田(治)委員 通産省さんが出されている基本的なスキームの中には、一切商工会議所だとか商工会という言葉は使われていないのですけれども、これについては、法にはうたわれていながらそういうスキームのところには入れないということは、先ほど私が質問申し上げました制度的保障というのですか、それについては、どこかで聞きおく程度というふうに認識をされているのですか。
  33. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 商工会、商工会議所の御意見は、決して聞きおくということではなくて、ただいま御説明いたしましたような重要な地域の団体の御意見でございますので、積極的な役割を期待するわけでございますが、その意見の取り扱いにつきましては、本法の運用主体が都道府県あるいは政令指定都市ということになりまして、その地域地域の中における役割ということになりますので、この法律の上では特段の、別途のそういった規定を置いてないということでございます。
  34. 吉田治

    吉田(治)委員 このことについては、これ以上踏み込んでも、この連合審査中心法案でもございませんのでこれぐらいにさせていただきたいのですけれども、わざわざ入れるということとなると、今度は反対に、消費者というか一般市民の団体、今審議官が言われたように、その意見を都道府県なり市町村なりが吸い上げるとなると、やはり地域にもたらす影響力というのは、どちらかというと一般の声というよりも商工会議所の方の意見が強いのではないか。  そうすると、生活環境という部分で言うならば、どちらかというと商工会議所の意見の方が強くなるのではないかというふうな意見もありますし、これは単にそれによって市町村とか都道府県の行政がゆがめられるということはないとかたくは信じたいけれども、俗に言う力関係ではそうなるのじゃないかという危惧があるのですけれども、その辺については、今度は反対にどういうふうに対応をなさる予定なんですか。
  35. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 両団体につきましては、先ほども説明申し上げましたように地域の福祉一般を担当する団体でございますので、従来、どちらかといいますと経済団体としての認識が一般にはあったかと思いますけれども地域社会一般の福祉の増進を図る役割を担う団体でございます。  そういう意味で、客観的と申しますか、そういった幅広い観点からの両団体の取り組みというものを期待するわけでございますが、同時に、確かに商工会議所、商工会の御意見だけではあるいは偏った御意見になると思います。  その辺につきましては、本法に規定をいたしておりますように、あらゆる個人あらゆる団体の層からの御意見をお聞かせ願える仕組みにいたしておりますので、ぜひ私どもも、各地域におきまして、運用主体である都道府県あるいは政令指定都市において、そういったものを公平にと申しましょうか、そうした意見を酌み取りをしていただき、それぞれの首長さんとしての御意見を取りまとめと申しましょうか、意見を集約していただきたい、このように思っておるわけでございます。
  36. 吉田治

    吉田(治)委員 今二点申し上げたことをよく念頭に置いての運営をしていただきたいと同時に、これは本来でしたら最後に質問しようかと思ったのですけれども大臣、こういうふうなさまざまな意見、これは単に商工会議所、商工会、地域商店、中小小売商業者のみならず、今度の法改正について認識が、考えが随分違う。  大店法がなくなってえらいことになった、通産省何しているんだ、中小企業庁何しているんだという声もあるのです。こういう場合においては、中小小売業者等々への説明責任、今片仮名ではアカウンタビリティーというそうですけれども、その責任というのは非常に役所においても私は重要ではないかと思うのですけれども、この法案に出てくるのは、御説明は結構です、WTOの関係であるとか世界の貿易のシステムの中で、こういうふうな通商問題の中では、大店法というのはなかなか法律自身置いておくのが難しいという事情等々も詳しく、これは国民を含めて、特にこの法案関係する中小小売業者に説明する責任が大臣を先頭にあるのではないか。  そういうふうに強く感じるのですけれども、具体的にこの法案が出てくるまでにどれほどの努力をなさったのか、そしてその過程での意見集約、八条二項にこういう項目を入れられたということも一つでしょうけれども、今までどういうふうに集約され、今後、またこの法改正がなされた後どういうふうな形で進められていくのかということをお聞かせをいただきたいと思います。
  37. 堀内光雄

    堀内国務大臣 今回の制度改正の見直しに際しましては、産業構造審議会・中小企業政策審議会の合同会議におきまして、中小企業団体を含めて各方面からの御意見を十分に承って取り組んでまいったわけであります。また、昨年の十二月に合同会議の答申をいただいて以降、さらにこの問題については中小小売業者の方々の御意見を一層伺わなければいけないということから、その点についても各地に伺っていろいろの御意見を拝聴をいたしたり、こういう政策転換の趣旨、内容等について説明を行ってまいりました。その後も日本商工会議所、全国商工会連合会などの中小企業の団体に対しても十分な説明を行いまして、御理解を賜ってまいったというふうに考えているところでございます。  さらに、これから先におきましても、いろいろと御意見を承る機会は十分にとりながら、これから先の問題に取り組んでいきたいと思っておりますし、また各地の御意見というものをそれぞれしっかりと尊重しながら、都道府県の判断に取り入れていかれるような方策というものを十分にとってまいりたいというふうに思っております。
  38. 吉田治

    吉田(治)委員 大臣お答えは意見を聞く方ですけれども、今ちらっと説明という言葉がなされたのですけれども、じゃ具体的に、今大臣日本商工会議所、全国商工会連合会には説明したとおっしゃいました。例えば地方の通産局、岩田審議官は私の地元近畿通産局長もお務めになられましたけれども、通産局を通じて各都道府県、市町村、また市町村から各商店街の皆さん方、中小小売の皆さん方、市場連合の皆さん方にどう説明をしたのか。意見を聞くのじゃなくて、今度こういうふうになったからこう法律を変えざるを得ないのですよというのがどれほど徹底されて、どれほど皆さん方が納得をされているのか。  反対に言うと、どういうふうにいろいろな団体と連携をとりながらその辺は話をしてきたのか。こちらは情報発信の方ですね。それについてはどうなっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
  39. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 御説明を申し上げます。  今大臣から御説明申し上げたとおりでございますが、私ども、各通産局を経由いたしまして各ブロック単位で説明会を開きました。今先生指摘のように、今回の政策転換の趣旨、理由、背景、そういったものは当然のこととして、その後にできる新しい政策の骨格、その内容につきまして御説明いたしました。  同時に、今大臣から御答弁申し上げましたとおり、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国商店振興組合連合会、全国中小企業団体中央会、そういったような団体に対しまして、これらの団体の中にはいろいろな委員会と申しますか、各層の組織がございます。それぞれの層に対しましてもまた複数回の今回の政策転換の趣旨の説明、今後の新しくとる方策と申しますか、そういうものの内容というようなものを御説明し、今日に至っておる、こういうことでございます。
  40. 吉田治

    吉田(治)委員 じゃ審議官、審議官が務められた近畿のブロックは、具体的にどういうふうに、何回、だれを対象にしたのかというのをちょっと今お答えください。
  41. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 ブロックごとの説明につきましては、一月十三日から二十日にわたりまして全国のブロックで一連の御説明をいたしました。  会議所につきましては、ちょっと手元の資料でございますが、これも一月の半ばから二月の下旬にかけまして、これは商工会議所などの場合には中に街づくり推進委員会とか中小・流通委員会とかというようないろいろな委員会がございます。それから常任委員会があり、理事会がありというようにいろいろな委員会がございますので、それらのレベル。それから、商工会につきましても、二月の上旬から専務理事会議、正副会長会議というようなもの。商店振興組合あるいは中央会ですが、これらもほぼ同様な時期に同様なスタイルで御説明を申し上げてきたということでございます。
  42. 吉田治

    吉田(治)委員 ある意味大店法というのは、中小小売業の皆さんにとっては意味合い的にも今まで生命線だったのですね、実態は別にして。  審議官は、今中央と地方を取りまぜて、さもたくさんやっているように言われましたけれども一つ一つ峻別すると、単に地方に出向いたのか、地方の局からしたのは一月十三日から二十日まで、じゃ一日に二講演も三講演もやったのかというと、多分これは一講演ずつで、十三日から二十日だから、土日も入っているということでいうと五日間で、箇所も何カ所もと言えないぐらいの少ない数でやったというふうな認識しかできないわけなんですよね。  私は、もっとここで申し上げたいのは、通産省はこれほど生命線まで変えるという、みんな聞けば理屈はわかりますよ。しかしながら、何か中央で話だけつけておいて上から下へ流しておいてくれ、どうも何とはなしにお国のことで変わっていくのだなというのでは、これから中心市街地活性化法などの関係でもろもろ合わせたお金が一兆円ですか、平成十年度予算。まず税金を払う立場からすると、そんな説明もしないところに一兆円も金を払うのか、国民一人当たり一万円ですよね。受ける方も受ける方で、何かわからないけれども、わあわあ言ってたら金が一兆円ぐらいおりてくるらしい。  後ほど質問申し上げますけれども、何か金の金額だけで全部だまされているというふうなことでは、ちょっと私は今の時代に合わないのじゃないかな。どうも通産省という、ある意味内閣の中でも先端と言われている省が、アカウンタビリティーという言葉一つについても、旧来のやり方で中央で流せばいいわ、審議頑張って、はよやってくださいというのであるならば、ちょっと時代にそぐわないと思うのです。  今後こういうふうなことについての説明をどういうふうにきめ細やかに、今審議官は一月十三日から二十日と言われましたけれども、じゃ具体的にこれはいつ、どこで、どういうふうにしたのか、ちょっと答えてください。
  43. 堀内光雄

    堀内国務大臣 私から説明申し上げて、後、細かに政府委員の方から申し上げます。  十二月に答申が出されるということになりましたときに、この問題は非常に重要な問題だというふうに私は認識をいたしました。そういう意味で、答申が出てそのまますぐに始まるというようなことではいけない。答申がおくれても、なおかつ慎重な対応をしながら各地に説明を申し上げるようにということをいたしました。  その結果、これで見ますと、一月十三日に北海道ブロック、四国ブロック-これはそれぞれ十三日に同じ人間が行くのではございませんので、それぞれのところで開いてございますが、北海道ブロック、四国ブロック、九州・沖縄ブロックが行われ、十四日に関東ブロック、中国ブロックが行われ、十六日に東北ブロック、十九日に近畿ブロック、二十日に中部ブロックというように、ブロックごとの説明会には、それぞれどういう理由でどういう事情のもとにこの大店法の問題並びに大規模小売店舗の立地法に向かっての変更の問題、そういう政策転換についての意見をしっかり考え方を申し上げ、また、質問などにもしっかり答えてくるようにという指示をいたしたわけであります。そのほか日本商工会議所におきましても、あるいは商工会連合会におきましても、それぞれ日にちを選んで検討をしているというのが概略的な説明でございまして、以降、政府委員の方から説明を申し上げます。
  44. 吉田治

    吉田(治)委員 時間もありませんので、詳しい説明はわざわざここでしていただかなくて結構ですけれども、ただ唯一言えるのは、例えば近畿で一カ所で、そこで全部説明して終わったよと、自分たちの生活にかかわる法律改正をお国はたかが一回のところで、近畿でどこでやられたかは別にして、そこまで行って聞いて、何やえらいことやなというのじゃちょっと私は至らないのじゃないかな。通産省の中にはネットが張られているそうですけれども、そういうことも使われているのだと思いますけれども、今後、そういうふうな活用も含めて、この件については、そういう対象になる人たちがよく理解し、納得でき、協力できるものにしていただきたいということにして、中心市街地活性化法のことについてお聞きします。  議論の中で、やはりTMO事業ということ、これがソフト面、ハード面という形で非常に支援をしなければならない。私はこれはくくって質問させていただきますけれども、そのための支援策というのをまず聞きたいのと同時に、では果たして、特にソフト、ハード、両方扱える、単にTMOだけじゃなくて、町づくりのための人材育成というふうなものがどれほど今なされ、これからできるのかというふうな部分、これをちょっとくくって御質問させていただきたいと思います。
  45. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 TMOが十分機能を発揮するということが非常にこの成否を分けるというふうに私ども認識いたしておりまして、そのために人材を確保するということの制度をいろいろ準備しているわけでございます。  具体的には、まず、すぐれたリーダーをつくるということで、研修制度を新たにつくることといたしておりますし、町づくりの専門家を派遣するという、これは単に短期ではなくて、数カ月間というような長期の派遣ということも考えているわけでございます。さらに、調査研究事業への支援等を通じてソフト面の支援を強力に推進していきたいと考えているわけでございます。  さらに、ハード面におきましても、TMOが行います商業基盤施設の整備とか不足業種、キーテナント等の誘致事業に対しまして、補助、無利子融資等、特段に手厚い支援措置を講ずるということでございます。  このようなことを通じまして、活性化に向けてTMOが大きな成果を上げるように努めてまいりたいと考えております。
  46. 吉田治

    吉田(治)委員 そのTMOですけれども、何か、聞き方によると、平成十年度予算、各省庁合計で一兆円使う中で、商工会議所、商工会、第三セクター等が主体になるというふうな中で、その権限というのですか、このごろ、この五年間議員をやっていて本当に感じるのは、霞が関の皆さん、片仮名にして全部ごまかすというのが大きくなり過ぎているんじゃないかなと。日本語に直せよ、タウンマネジメントというのはどういう意味なんだと。  アメリカでは、シティーマネジャーやタウンマネジャーというのは首長の職務代行者であって、給料をもらって、市の財政を取り仕切る人である。こういういいかげんな言葉を使って片仮名にしてごまかすやり方というのは、私はそろそろやめてもらいたい。何かこう、TMO、TMOと英語に直すと、町を活性化する、管理するためのオーガナイゼーション、機構だ。第三機構なのか、公的なものなのか、はたまた株式会社なのか。非常にあやふやなものに国民の税金をこれから使っていくのかというように、非常に率直に思います。  私は昔、アメリカのミネソタというところに住んでいたのですけれども、ここは世界一のショッピングモールができまして、ここには、全米の第三の流通の大手であるデイトン・ハドソンという非常に大きなデパート、そこにはターゲットというスーパーも擁する企業があって、しかしながら、ダウンタウンというところへ行きますと、繁華街、そこにはニコレット・モールという、日本で言う商店街みたいなものが物すごく人を集めてやっているのですね。  そういうのを調べていくと、DID、ダウンタウン・インプルーブメント・ディストリクトというまさに町づくり機関、しかも公的な機関で、聞きますと、ミネソタの場合はメトロポリタン・カウンシルというのがあって、いろいろ行っていますけれども、そこには建設、運営、維持等に、単に運営するだけじゃなくて、それに対する土地収用権の行使や資金調達のための税金の賦課まで認められている。  私、TMOの運営を考えていった場合に、タウンというのですけれども、これはまさに実際的には、商店街のおじさんたちも、いや、これは中心市街地といっても、うちら商店街の活性化のためのものだ、TMOのTのタウンというのは町じゃなくて商店街だ、だからわざわざ片仮名でタウンにしているんだ、町とは書けないんだというふうな話をされるのですね。  それとあわせて、今度は建設省で所轄する中心市街地整備推進機構、これは、市町村長が指定する都市整備公社等の公益法人が今度の法律で当たるというのであるならば、商店街の活性化事業以外の市街地整備改善については、市町村が直接当たるのか、あるいは今申し上げたこの推進機構が当たるのか。何か、市町村、TMO、建設省所轄の中心市街地整備推進機構、悪い言い方をすると、一兆円という金をつける、建設省と通産省がそういう意味でいったらパィを分け合ったというふうにとらえられても仕方がない、懸念をされる。  私は、ある意味で、三つに分けられたこの機構というものを、アメリカのDIDのように一つにする必要もあるのではないかと思うのですけれども、まず、各大臣もしくは事務方に、この三つのスキームというのはどうなっていくのか、そして今後、実際運営を始めたら、例えば五年以内に見直すというふうに考えられているのか、いやいや、一年で見直すと考えているのか、その辺を含めてそれぞれお答えをいただきたいと思います。     〔斉藤委員長退席、遠藤委員長着席〕
  47. 木下博夫

    木下政府委員 これから中心市街地対策をやっていくには、いろいろな主体があると思います。  お話のありましたように、そこにお住まいの方々もまず基本的にはあると思いますし、公共団体、それから今お話のあったTMOあるいは中心市街地整備推進機構ということで、大変いろいろな主体があるということについて多少御説明が十分足りていないかもしれませんが、TMOについては先ほど通産省からお答えいただきましたし、私の後でまた補足していただければと思いますが、私は基本的には、両省としては、既存の組織をできるだけベースにして、これを生かしていこうという姿勢であるということをまず御認識いただきたいと思います。  したがいまして、今回私どもの方で提案させていただいている中心市街地整備推進機構というのは、先生お話ございましたように、全国にあります町づくり公社等、市町村がそれぞれやっておりますものがございまして、これが約八十余りあります。またこれからふえる傾向にあろうかと私は思いますが、こういうところに既に問い合わせをしておりまして、今回の中心市街地のときに、みずからが、この中心市街地対策としてこの公社を再活用していきたいということでございます。  お話のございましたように、TMOとの役割は一応整理をしたつもりでございますが、場合によっては、これらが同じような方向であれば、それは一体的にやっていくという意味で、商業関係者との連合体を組むことも十分あり得ると思います。  いずれにせよ、財政的にも大変厳しいわけでございますから、一兆円という数字は大変大きくとらえていますが、これなども、今回の平成十年度の予算は全体的に厳しい中で、政策的にも体系的にも重点化してそれぞれの地域に対しておろしていくということでございまして、決して新たに付加された予算ではありませんから、限られた予算を有効にするためには、この大きなテーマである中心市街地のために、各事業がある重点的な地域に対して集中的にやるということでの一兆円と御理解いただきたいと私は思います。
  48. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 まず、TMOとして考えておりますのは、商工会とか商工会議所あるいは第三セクターというものを対象としようとしておるわけでございます。  先ほどのTMOというのは、まず基本的に、市町村がつくります基本計画、これに基づいて事業構想というのがつくられるわけでございますが、それに基づいてこのTMOというのが指定をされて、機能をするという仕組みになっているわけでございます。さらに、TMOの事業の範囲でございますとか基本的な事項というのは、先ほどの基本計画に定められる。  さらに、基本計画で指定されました商店街等の活性化等の全体計画として、TMOが中小小売商業高度化事業構想、いわゆるTMO構想と言っておりますが、これを策定し、市町村の認定を受けて事業を具体的に実施していくということでございまして、全体として機能をするように仕組みを今考えているということでございます。
  49. 吉田治

    吉田(治)委員 もう一つわからない、これ、聞いていたら。理解力が足らないせいか、説明が悪いのかわからないですけれども。  何か聞いていると、建設省の生まれ変わりである中心市街地整備推進機構と、商工会議所、通産省のかわりのTMOと、自治省のかわりの市町村と、この法律は三省が出してこられているので、そのとおりかなと思うので、まさに木下都市局長既存をベースにと言われたように、今までと同じだよ、名前が変わっただけだよというとらえ方しかできないというのは、これは非常に残念だと私は思うのですね。  これは、これから見直しというのはどうするのですか、今後運営を始めて。
  50. 木下博夫

    木下政府委員 組織的に従来からあります組織を使わせていただくといいますか、使っていただきたいということを申し上げましたので、既存のままの体質では、やはり今おっしゃられた中心市街地の今の状況からしますと、手がなかなか進まないということになろうかと思います。  先ほどもちょっと御質問がありました、市町村中心市街地推進機構とはどうかということでありますが、例えば一例で申し上げますと、土地を取得するという行為を町の中に実際に入っていって機構がやるというときには、市町村はその機構に対して融資等をやりまして、その融資に対してまた何らかの国の補助、支援をするということでございます。  やはりそれぞれの町には、先ほど先生おっしゃられたように、リーダーシップが必要でありますから、そこに個々の市町村みずから、行政の職員が行くのではなくて、その町に既に住みついている、あるいは常々その町のことについて十分理解できているという方々が、組織化されている推進機構というものが従来の町づくり公社という場を使いながら新たに積極的な活動ができるということを、この推進機構として指定していきたいということでございます。
  51. 吉田治

    吉田(治)委員 言っていることはよくわかるのですけれども、では、この法律自身というのは、これはできたら、見直しとかなんとかは必要が生まれたらということですか、それとも、うまくいかなかったらということですか。  何か本当に聞けば聞くほど、責任は分散されていくのかなと。あんたや、あんたや、いや、それは市町村や、それは推進機構や、それはTMOやと。都市局長ですか、今いみじくもリーダーシップと言われましたけれども、だれもリーダーシップをとる人がいない。  結果的には、各省庁の代理人が、おまえや、おまえや、おれは嫌だよ、いいところはとるけれども、責任はとらないよ、だからリーダーシップは適当にどうぞというふうに聞こえるのですけれども、その辺は、中村次長、一番御苦労なさったのでしょうけれども、どうお考えなんですか。
  52. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 今回の中心市街地活性化のための体制という中では、やはり市町村がイニシアチブをとるということが最も重要なわけでございまして、市町村がきちっとした基本計画をつくっていただく、あくまでも国あるいは都道府県というのは、それに対して助言をするという立場に立っているわけでございます。  TMOというのは、その中で商店街対策といいますか、商業ということに着目をして、その部分機能強化を担うという意味で、部分的ではあるわけでございますけれども建設省の所管されています中心市街地整備推進機構とか他の機関市町村を核にして十分連携をとって、成果を上げたいと考えているわけでございます。
  53. 吉田治

    吉田(治)委員 今いみじくも、中村次長、市町村がイニシアチブをとってと言われましたけれども、まさにこの法案基本は、市町村基本計画に基づいて、いただいたこのスキームによると、建設省関係であるならば土地区画整理事業等、通産省関係であれば特定事業計画という形で、中小小売業等の商業活性化及びこれとあわせた都市型新事業立地促進ということをされていくということですね。では、日本に三千三百ほど地方自治体があるというのですけれども、三千三百のうち千ぐらいの市町村基本計画を出してきたとします。その後、それぞれの特例措置だとか補助だ融資だというのは、だれがどういうふうに判断するのですか。
  54. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 今回の法案におきましては、基本計画の策定そのものは市町村が行われて、その後、国の関与、つまり、よくございます承認制度でありますとか認定の制度というようなものは特段ないわけでございます。つくられた暁には、それはもう既に計画として成立をしていると申しますか、そういうものであるわけでありまして、具体的にその基本計画の中に盛り込まれた個々の事業につきまして、国がいわば重点的、集中的な支援をする、そのメニューを国があらかじめ用意して市町村がこれを選択されるという仕組みになっておるわけでございます。  それでは、その個々の事業についての支援をどうするかということでございますが、いずれにいたしましても、今のところ、最大では十一省庁関係するかもしれないということでもございますので、そこにつきましては、私ども関係省庁連絡協議会というようなものをつくりまして、そこの場でお互いの省庁の間の調整をさせていただくということでございますが、まず、その前提として、先ほど来先生からも御指摘ございますように、建設省、通産省あるいは自治省が幹事省としてこれまでこの政策の立案について議論をした経緯がございます。今後、法案を成立させていただきました暁におきましても、三省が幹事省となり、お互いに連絡をとり合う。とりわけ建設省と通産省につきましては、この施策の車の両輪というような、事業の大宗を担当する官庁といたしまして、私ども通産省としては、建設省とよりよく御相談をし、その上で関係省庁とまた御連絡をとらせていただき、全体の調整を図らせていただきたい、このように考えております。
  55. 吉田治

    吉田(治)委員 基本計画が上がってきて、省庁間でと。要するに、予算の箇所づけみたいなもの、予算というかお金がつくというのは、最終的にどこで、十一省庁の連絡協議会で基準をつくるのか。上がってきたことを全部つけるわけにいかないですね。そこの判断をどういうふうにされるのか、基準というものはどういうふうにしているのか。反対に言うと、基準に沿うように、例えば指針というのですか、ガイドライン的なものをひょっとしたら事前に出されるのか。その辺はどうなんですか。
  56. 堀内光雄

    堀内国務大臣 各市町村があくまで中心になって計画を立てて出してまいります。それに対して十一省庁が、中心的な内容がそれぞれございます。特に駐車場の問題だとか都市計画の問題だとかいうようなこと、あるいは商店の問題だとか、いろいろのそれぞれの特色がございますが、そういうものを中心とした計画に対して、関係省庁が連絡協議会を開いて、互いに連携をとりながら、事業の熟度だとか、あるいは独自性だとか先進性だとか、そういうものをしっかりと判断いたしまして、その中でふるいながら、支援対象とするかどうか、客観的な、かつ透明性を持って決定をしていくということでありまして、十一省庁の連携の中で、特にそれぞれの特色のある内容を持つ機関がしっかりと取り組むことになっておりますが、その際にも、通産省は責任を持ってその中でリード役を務めてまいりたいというふうに考えております。
  57. 吉田治

    吉田(治)委員 大臣判断する、透明性と言いましたけれども、そういうメジャーをこしらえるわけですか。  それとも、もうはっきりと私はお聞きしたいのは、いや、そんなことはない、与党の言うことを聞くところはやるんだ、与党の選挙のために使うんだというのであれば、それはそれで結構だと思うのですよ、はっきりとされて。さきの総選挙が終わったときのように、大阪にはもう予算をつけないというふうなことぐらいはっきり言われた方が、これは商店街の人たちのためにもなると思うのですよ。何とはなしに、いや、こういう判断があるのでということでは、行政の裁量の余地というのが出てくるわけですね。  そうすると、通産省の方は何とか接待はないでしょうけれども、そういうふうなこともしなければいかぬのかな、やはり強い先生のところに行かなければあかんのかな、やはり最後は自民党かなと。私は、はっきりそこを大臣としてお答えいただきたいのです。いや、政府・与党のためにやるところにやるんだという答弁でも、私は結構だと思うのです。勇断を持って、そういうお答えでも、私は野党として怒ることはございません、決して怒りませんから。  今、情報公開の時代ですから、はっきり言うと、今透明性と言われましたけれども、では、それを判断された後、どういう過程で、どういうふうな流れでこれが決定されて、うちは落ちたんだというのがはっきりわかるのかどうか。その前提として、いや、与党のおるところには、これから与党で選挙を勝たせたいところには予算をつける、それも大きな判断基準だと私は思うのです。その辺、どうなんですか。
  58. 堀内光雄

    堀内国務大臣 透明性と申し上げたことは透明性でございますから、それはしっかりと事務方から、どういうぐあいに透明性を持って取り組むか、全く通産省としては公明正大な取り組みをいたしてまいります。
  59. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 若干補足して、各論的に御説明させていただきます。  先ほど来お話がございましたように、市町村基本計画をおつくりいただくわけでございますが、その基本計画ごとに内容もさまざま異なるわけでございます。したがいまして、各市町村基本計画に基づいて、具体的にどういう事業がその内容に盛られてくるか、これは計画ごとに相当幅があるわけでございます。  そういうことで、その市町村計画の具体化されたものとして特定事業計画等がそれぞれの事業者等から出されるわけでございまして、その特定事業計画を担当している、それに関する予算を担当している各省庁が、事業実施の確実性でございますとか、基本方針あるいは基本計画との関連で適当であるかどうかとかいうのを一つ一つ判断していって予算の範囲内で交付をしていく、こういうことになるわけでございます。  ただ、各省庁がそれぞれ持っております特定事業計画に関する予算がばらばらに行われますと、全体としてこの市町村計画がうまくいかないということでございますので、先ほど御説明申し上げましたような関係省庁の連絡協議会を通じまして連携をとりながら、計画の熟度等を見ながら認定をしていく、その認定行為について関係省庁が足並みをそろえていくということでございます。
  60. 吉田治

    吉田(治)委員 では、もしもその場合、だめだった場合には、理由説明だとか、なぜあそこは通ってここはだめだったというのは、公開されるわけですか。
  61. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。  予算の範囲内で提出されるさまざまな計画に対して執行していくわけでございますので、仮に、御指摘のように当該年度に該当しないということになった場合には、その理由等については明らかにしたいと思っております。
  62. 吉田治

    吉田(治)委員 そのことは非常に重要だと思います。ポイントとして残しておきます。  もう時間ですから、最後、一点だけ。  私、今、大阪市という政令指定都市、大きな都市に住んでいるのですけれども市町村一つずつというのじゃなくて、複数の基本計画が出てくるということについては、ほぼ了解済みということでよろしいのでしょうか。
  63. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 お答え申し上げます。  中心市街地活性化策の対象地域でございますが、名前のとおり、通常の意味では、市町村中心部というのが一つであろうというふうに考えるわけでございます。ただ、複数の市街地というものが中心的な役割を果たすというようなケースが全くないかといえば、そうでもないかもしれないという意味合いにおきましては、そういう場合については、複数の対象地域を設定して基本計画が策定されることはあり得るというふうに考えております。
  64. 吉田治

    吉田(治)委員 もう時間なので終わりますけれども、一番聞きたかったのは本当は後継者不足なんですね。一兆円も金を使って、果たしてこの中小小売業という産業は次世代隆々となるのか。それを含めて都市産業のことも聞きたかったのですけれども、これはまた日を改めてお聞きします。  以上で終わります。
  65. 遠藤乙彦

    遠藤委員長 次に、平野博文君。
  66. 平野博文

    ○平野委員 民主党の平野博文でございます。  持ち時間の範囲で御質問をしてまいりたいと思います。  まず、本題の質問に入る前に、これは目的は少し違いますが、同じような手法でやってこられたいわゆるリゾート法という法律があるわけでございますが、このリゾート法について少し聞かせていただきたい、このように思うわけであります。  と申しますのは、今回の町づくり活性化あるいは地域活性化という視点では、国が積極的に誘導策をとっていこうという視点では同じような考え方に基づく法案ではないか、こういうふうに思うわけでございまして、リゾート法施行後、もう十年たっておるわけでございますが、今の状況についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
  67. 飛弾直文

    ○飛弾説明員 お答え申し上げます。  リゾート法、総合保養地域整備法につきましては、余暇ニーズの高まりに対応したゆとりある国民生活の実現と新たな地域振興施策の展開を図ることなどを目的として昭和六十二年に制定されまして、現在のところ、全国で四十二のリゾート基本構想が承認されてきております。  平成九年一月現在における調査では、これらの構想に基づきまして、全国で千四百十五件のテニスコートやキャンプ場等のスポーツ、レクリェーション施設、美術館や博物館等の教養文化施設、あるいは温泉保養施設や展望施設等の休養施設など、多様な特定施設が新たに整備されておりまして、年間の利用者は約一億七千万人で、五万人程度の雇用を確保しております。  このように、総合保養地域整備法に基づきますリゾート整備は、ゆとりある国民生活の実現と地域振興一定の効果を上げているものと認識しているところでございます。
  68. 平野博文

    ○平野委員 今、国土庁の御説明では一定の成果を上げている、こういうふうにお答えをいただきましたけれども、私はこれは成果は上がっていない、失敗というふうにも言いたいぐらい、余りにも寂しい話ではないか、このように思っているのです。見解が違いますから、ここでそれについてどうのこうのということはないのですが、今雇用が五万人、一億何がしの人が利用している、四十一の都道府県がその基本構想を出した、こういうことでありますけれども、一番成功しているところと結果的にはうまくいっていないなというのを、一つずつ事例を挙げて御説明いただけますか。
  69. 飛弾直文

    ○飛弾説明員 今の御質問でございますが、この進捗状況につきましては、先ほど六十二年法制定というふうに申し上げました。その後、逐次基本構想の承認がございますので、まだ基本構想が承認されてから日の浅い地域も少なくなく、それぞれの地域によって実情を異にする点もございますので、個々についてどうかということはそれぞれ実情の異なるものがあるかと思いますが、全体として見ますと、既に供用中のもの、工事に着工して整備中のものが二割強、それから個別法の許認可手続に入ったり、土地買収をするなど着工に向けて準備中のものが約三割弱、いまだこれからというものが五割強、こういう状況になっております。
  70. 平野博文

    ○平野委員 うまくいっていないところは今言っていただけませんが、それはもう結構です。新聞なんか見ますと、これはもう端的に私の思いと一緒なんですが、リゾート法の適用で例外的な成功例ということで、成功しているという認識をやはり社会はとっていないと思うのですね。成功しているというのは、私も経営的にはどうかわかりませんが、宮崎県のシーガイアとか、そういうところはまあまあ成功しているのかな、こういう気はいたしますけれども、ほとんどのところは、その後に環境の問題であるとか、あるいは地方財政を非常に悪くしている、こういうことだけが残ってしまった、あるいは残りつつあると言った方がいいのでしょうか、こういうふうに私は認識をしているわけでございます。  いろいろ要因は、バブルがはじけているとか、あるいは民活が十分使えなかったとか、こういうことは言えると思うのですが、そういう中で私自身が思っておりますことは、地域の住民の意見が十分その中に生かされていない、特定の施設とかいわゆる箱物が中心の施設になっているのではないか、こういうところがあってより広がりが薄い、こういうふうに思っているわけでございます。  したがいまして、なぜ私はこれを言ったかといいますと、やはり地域活性化、こういう視点でこういうスキームをつくって地域町づくり活性化していこう、商店街の活力を高めていこう、こういう視点でいきますと、同じようなスキームの法案ではないか、こういうことでございます。したがいまして、今、国土庁では成功している、こういうことでありますが、私は失敗とまでは言いませんが、ほぼ失敗に近い法案ではないかという認識のもとに今回の中心市街地活性化の問題について御質問をしていきたいわけでございます。  歴史的にいろいろなことを見ましても、地方文化というのはやはり商業活動が中心に生まれていくものでありますし、また継承されていくものでございます。地域の発展というのは、地方文化商業の発展が両輪となっていってこそうまくいくものだ、こういうふうに理解をしております。そのためには、地域住民の心が、気持ちが、政府が出そうとしている法案に対していかに意識を改革してそこに参加をしていこうかという発想に立たなければならない、こういうふうに私は思うわけでございますし、住民の意見が十分に反映され得る中身にしていかなければならないと思います。したがいまして、リゾート法につきましても、鋭意そういう発想でこれからも進めてもらいたいと思いますし、今失敗の方向に行っていると思いますが、ぜひ成功させるように取り組みをやってもらいたい、このことを申し上げまして、リゾート法については終わりたいと思います。  本題に入っていきたいわけでございます。  今回の中心市街地活性化法案、このことについて、今出ておるわけでございますが、町づくりという視点での考え方が今回取り入れられた、こういうことでございますし、そういう発想は私は一定の理解をいたします。しかし、町づくりといってもいろいろな考え方がございます。したがって、きょう、両大臣お越してございますから、余り長く御答弁は要りませんが、通産、建設両大臣、多分違いはないと思いますが、違うかもしれませんから、両大臣に一言二言、大臣町づくりというイメージはどういうふうに考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
  71. 堀内光雄

    堀内国務大臣 私は、やはり今までの都市の発展というものを眺めてみますと、モータリゼーションだとか時代の流れ、ライフサイクル、そういう問題から、非常に流れが、系統立った流れではなくて、赴くままに市街地計画、発達をしてしまった。そういう結果、商店街には空洞化があらわれ、都市においては重要な文化だとか伝統だとかいうものが失われるようなことになってしまったのではないか。  これは、ゾーニングというものをひとつしっかりつくりまして、計画的な都市づくり、町づくりというものをしていきながら、従来の貴重な、市街地というものの文化、伝統、そういうものを残しながら、その地域の顔を残しながら将来に向かっての系統立った発展をさせていく。その中に商店街というものが一つ大きな中心的な役割を果たし、ただ商店街だけではなくて、そこに文化的な施設だとか福祉やらを含めたいろいろな新しい産業というものが生まれてきて、一つの大きな将来に向かっての都市づくりができるというようなものを頭に描いているわけでございます。
  72. 瓦力

    瓦国務大臣 ただいま通産大臣からもお答えがございましたが、我が国では、地方都市もそれぞれの色彩があり、薫りがあり、文化があったと思うわけでありますが、戦後を振り返ってみて、この五十年間は駆け足で来た五十年間でもあったと思うわけでありまして、その都度その都度、商店街や地域は役割を果たしてまいりましたが、近年、とみに町の中心部が衰退をしてまいりました。これは、地方文化が衰えることでございますし、バランスのとれた国土、こう考えてみますと、今、私は大変重要なときに際会をしておると思うわけであります。  委員からリゾート法についての質問もございましたが、成否のことはともかくといたしまして、あのときもそれぞれの地域がもう一度元気を出したいという頑張りでやったことは間違いないわけでありますが、町づくりというのは一朝一夕にできませんで、私は、いろいろなことを踏まえながら、これまで以上に取り組んでいかなければならぬ、その中で、商業機能を含めて、人が住み、育ち、働き、交流する生活空間としての市街地としての基盤整備、これを進めまして、バランスのとれた中心市街地が総合的に整備されると思うわけであります。  今まさに、地方分権とかこういったことも言われるわけでありますから、地方の意識そのものが最もとうとばれるときでありますので、建設省といたしましても、今まで上意下達で物事を指図するという時代から、今度は、地方のエネルギーが、地方の町をよくしようという努力がどういう方向を示すかによって支援をしてまいる一そういうことに全力で取り組んで、新しい世紀といいますか、次の世代に希望をつなげていく唯一のチャンスであろうというぐあいに考えたりいたしているわけであります。
  73. 平野博文

    ○平野委員 両大臣からお聞きしましたが、やはりお二人の御答弁、足してやればすばらしい町ができるのだろう、このように思います。  私は、今日までの政府が進めてきている町づくりというのは、やはりハード志向の発想に立った町であったように思います。今建設大臣お答えいただきましたように、人が住み、交流ができる、いわゆるバランスに富んだ町というのは一体どういう町なのだろうか、こういう視点に立ちますと、私の選挙区のことを言って極めて恐縮でございますが、大阪はやはり商業の町でございます。  加えて、私の選挙区の町というのは、あそこに人が住みたいな、あるいはあの町に行ってみたいな、住んでいる人じゃなくて日本国民が、ああ、あの町に行ってみたいなという、こういうことで一つ切り口をとってみますと、両大臣知っておられるか知りませんが、枚方パークというところがあるのですね。枚方菊人形という、これしかないのですね、今大阪の、私の選挙区から発信しているあれというのは。比較的知れている、菊人形で有名なとか、こういうことしかないのですね。  ところが、もともと、その歴史をひもときますと、朝鮮半島から文化を伝来された、百済寺とか、非常に歴史的な、発祥の地でもあるのですね。ところが、そういうところはあることはあるが、そのことに対してきちっと発信をしていく、あるいはそのことを守っていくという発想での町づくりなり、そういう歴史文化を大切にする、こういうところに欠けておるために埋もれてしまっている、こういうふうに思うわけでございます。  そういう意味では、新しいものをつくっていくんだという発想も大事だと思いますが、歴史ある伝統を守りながら、またそれを伝えていきながら新しい町づくりをしていかなければならない、このように思います。そういう意味では、ハード中心開発発想から、ソフトと、さらにハートを入れた発想にしなければならない、このように思うわけでございます。  私の言うソフトとは、生活環境を守っていくために、そういう支える人材をどのように育成をしていくか、こういうことでございますし、ハートとは、今建設大臣が答えていただきましたように、コミユニティーであります。このコミュニティーのゾーンをいかに多くつくっていくか、こういうことでございます。今までは、都市公園をつくればそこにコミュニティーのゾーンができるじゃないか、こういうことでございますし、私は、元来、商店街というのがコミュニティーのゾーンであると。  今、商店街を見ますと、経済活動としてはやられておりますが、そこには住んでいないのですね。郊外に住居を構えられて、朝、九時ぐらいになったらシャッターをあける。昔は、クーラーもなかった時代でありましょうから、商売をしておるときに、外に縁側をつくって涼んだり、そこにおのずと人が寄ってくる、こういうことを昔の先人は考えてコミュニティーのゾーンをつくっておったのです。これが今商店街が衰退をしている大きな一つの要因にもなろうと思いますし、先ほど通産大臣がおっしゃいましたように、自動車の関係、いわゆる郊外型に移っていく、こういうこともあるでしょう。  しかし、これからの時代はお年寄りがふえてくる高齢社会に入っていくのです。自動車では物を買いに行けないのです。まさにそういうお年寄りの世代がふえてくる高齢社会になったときには、いま一度この商店街の役割を昔の役割に戻していただいて、歩いてそこに行けば昔の人に会えるな、若い人とも交流できるな、こういう町づくりが今一番求められているわけだと思います。私は、そういう考え方の視点に立ちながら具体的な質問に入っていきたい、このように思うわけでございます。  まず、市町村基本計画策定ということに関してでございますが、何をおいても各市町村がきちっとした基本計画をつくっていくことが大事であります。地方分権でありますから、中央から、こういう計画でないとだめですよということではなくて、その地域に合っなどのような町づくりをしていくかということでの基本計画市町村が自主的に責任を持ってつくっていく、こういうことでございます。  今回、特別用途地域の類型を廃止して、市町村が自由に策定できるということになったわけでありますが、ごれは少し、今までは十一種類の類型があったと思いますが、これも廃止しよう。廃止したときに、例えば今、中央が地方に言う必要はありませんが、中央が頭を絞って考えているときに廃止をするということは、もっとほかのものを入れてよろしいよ、こういうことでございますから、今想定できるモデル的なものというのはどういうものがあるでしょうか。あればお答えをいただきたいと思います。
  74. 木下博夫

    木下政府委員 御質問がございましたような特別用途地区にもそれなりの今までの歴史がございまして、各地域の発意が出ているところはございます。ラベルとして類型化している点はございますけれども、中身としては各地域がそれぞれ考えております。  今お話のございました、具体的に何かあるかというお話でございます。これは先走ったお話をするのほかえって地方に混乱を来してはいけませんが、先生の御質問の中に地域文化とか風土というお話がございましたが、例えば焼き物の里などで、そういう地場産業などをつくっていきたいというところにそれらのいわば特別用途地区を重ねていくようなこともございます。それから、観光ということになりますでしょうか、もう少し広い意味での村おこし、地域おこしをする際に、かねてよりそこにございますようないわば生産形態などをテーマにしたような特別用途地区を決めたいというお話もございます。  いずれにせよ、各地域それぞれ顔があることは先ほど大臣お話がございましたので、ぜひこの特別用途の類型化を廃止したことを各地域ごとに活用していただければと思っております。
  75. 平野博文

    ○平野委員 先ほど言いましたように、歴史とか文化のそういうところも一つの大きなモデルとして組み込んでいただけるような、そういう指導はぜひ秘極的にしていただきたいな、このように思うところでございます。  さて、基本計画ということがあるのですが、今回の中心市街地活性化についてでありますが、国の基本方針に基づいて市町村基本計画を策定することになっております。そこで、計画的な町づくりや利害の調整、あるいは、大事な視点でありますが、住民意向の反映、こういう視点からも大事なのは中心ということでございまして、中心市街地中心という概念が、何をもって中心というのか。人間でいきますとへそですよね、あるいは顔ということになるかもしれませんが、人によってはへそという人もおるでしょうし、人間だったら顔という人もおるでしょうし、鼻という人もおるかもしれません。いわゆる中心市街地という、この中心という概念がばらばらであったら基本方針にならないと思うのですね。そういう意味では、今政府が考えております中心市街地中心という概念は、どういう概念でお考えでしょうか。
  76. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 お答え申し上げます。  今まさに、先生もう既に御指摘でございますが、この法律の中では、中心市街地というものについて、例えば小売商業者あるいは都市機能が集積している地域であるとか、空洞化が生じている、あるいは生ずるおそれがあるとか、あるいはこの施策を講ずることによって周辺地域を含めた地域全体としての発展に寄与をする地域というようなことが法律的には規定されておるわけでございますが、それを何を心とするかということで申し上げれば、まさにその町々の、町の顔と呼ばれるようなところ、そこがよくなることが全体をよくするというような場所という意味合いでございます。  その意味では、そうした顔という場所はどこであるかということは、それぞれの市町村において、それまでの歴史文化や、そうしたもろもろを御勘案いただいて設定をしていただく、そういう自主的な設定を期待するものでございます。
  77. 平野博文

    ○平野委員 ということは、市町村がつくっていくマスタープランを基本ベースにする、こういうことでよろしいのですか。
  78. 木下博夫

    木下政府委員 先生の御質問のマスタープランとおっしゃっておられるのは、都市計画の方のマスタープランという理解でよろしゅうございますか。(平野委員「それと二つあるのです」と呼ぶ)はい。  私ども都市計画法十八条の二には、御案内のとおり、市町村のマスタープランというのをつくることになっています。今回は、先ほど来御議論もあったと思いますが、国の方針を受けた形で、各公共団体といいますか市町村基本計画をつくりますので、これらの関係においては、双方は整合性は十分とれるものと私は思っておりますし、どちらかといえば、範囲は、中心市街地をテーマといたしております基本計画はそれなりにニリア的には限定されるかと思いますが、それを包含するような形で市町村マスタープランが存在するのじゃなかろうかと思っております。
  79. 平野博文

    ○平野委員 そういうことになるのですが、私はやはり、この中心という概念は非常に抽象的に思います。したがいまして、例えば大都市における中心市街地、あるいは地方都市における中心市街地、そういう意味では、もう少し定性的な、あるいは定量的な部分というのは考えておられるのですか。
  80. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 先ほどもちょっと御説明させていただきましたが、まず、小売商業者とか都市機能が集積をしている、逆に言いますと、ニュータウンでは少なくともないということはまず排除要件になると思いますけれども、そうした歴史があるということがまず一つでございます。  それからまた、空洞化が生じている、あるいは生ずるおそれがあるということでございますので、その地域全体として仮に市町村長で選定をされたときに、そこが隆々とどんどん発展をしているというところまで対象にするわけではないというような意味合いがございまして、その限りにおいて、そうした定量的と申しますか、そうした基準と申しますか、そういうものはあるというふうに考えております。
  81. 平野博文

    ○平野委員 おっしゃっている意味はわかるのですが、期待をしている答えとは多少違うところがあります。要は、この中心市街地の要件というところの概念が非常にぼやっとしている、こういうことでございますから、もう少しわかりやすくしてもらいたい、こういうことでございますし、逆に、大きな都市と小さな都市でも概念が違ってくるでしょう。だから、こういう概念ということは、市町村がこれだと決めたときにはこの概念とは多少離れておってもいいんでしょうな、こういうことを言いたかったわけでございます。もう答弁、結構でございます。  時間がありませんから、次に参ります。  まず、そういう中で、小売商業、そういう方々の今の現実の実態を見てみますと、国あるいは政府が認識している以上に荒廃をしていっている、私はこういうふうに思います。  実は、きのうもある大阪の商店街に電話を入れました。よく私が行く商店街でありますが、大体四百メートルぐらいの商店街でありますが、約四割がもう閉めているのですね。その商店街が再開発しよう、活性化しようということで集まるのですが、みんなそれぞれ利害が違うものですから、固まらないのですね。おれはもういいよ、次の息子が継がないと言っているのだからおれはいいよ、こういうところやら、いや、そこまで今商売に投資をしても回収できないからやめておこう。しかし、ごっつい大きなアーケードなんですね。本当にこれが、今回のこの法案がそういうところを救済でき得るのだろうか。あるいは、私の地元でございますが、歴史街道に匹敵する昔の古い町並みがあるのですが、そこについてもだんだんと、後継者あるいはそこに人が集まってこないために衰退をしていっている、こういう状況にあるわけであります。  そういう視点で、私は、何が活性化をしていく大きな要因になるかということは、地元皆さんの意向がどれだけ反映される仕組みのスキームをつくるか、あるいは、こういう大型店舗と中小の商業者とのかかわりもあるのですが、小売商業者が、よりそういうコミュニティーのゾーンを担っていかなければならないという意欲にもかかわらず、大型店舗が郊外にでき上がっていくものだから、その町が、その商店街がコミュニティーのゾーンでなくなっていく。たくさん人が集まってくれば、お商売されている人ももっと元気が出て、もっとより人を集めていくコミュニティーのゾーンにしようという発想には立つわけでありますが、今現実はそうなっていない。  私の地元でも大型店舗が今度入ってまいります。私、近畿通産局に行きました。何とかしてもらいたい。私は、大型店舗来るなという意味ではありません。地元商店街と共存共栄でき得るスキームをつくってもらう、そうしなければだめだ、こういうことから、特に地元の意見を聞いていくスキームをきちっとこの中につくっていかなければならない。こういう意味では、今回の法案は私は少し不十分であるというふうな認識に立っております。  そこで、お聞きをしたいのですが、基本計画の策定に当たって、市街地整備の視点あるいは商業活性化の視点に当たっては、建設省、通産省、それぞれかかわっていくわけであります。しかし、かかわっていく省庁が非常にたくさんあるわけでございまして、先ほど来の御質問でありましたように、最大十一省庁になるのですか。そうすると、どこが中心でそういう調整をしていかれるのか。あるいは、商工会議所とか一部のそういう団体から意見を聞くということで終わるのか。あるいは、地域住民が本当に町づくりのためにこういうことをより意識改革を求めていかなければならない、こういう視点に立ちますと、公聴会であるとか、あるいはさらに町づくりという視点でのそういう活性化に向けての情報公開をしていく、こういう仕組みの場をつくっていくことが、より市民参加、住民参加の町づくりになると思いますし、逆に中心市街地活性化の仕組みづくりになっていくと思うのでありますが、その点はこの法案はどのように考えておりますか。
  82. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 お答え申し上げます。  基本計画策定に当たりましての住民の皆様方の意見の反映ということでございますが、この点はまことに御指摘のとおりでございます。まさに町の顔がどうあるべきかというのは、住んでおられる方々が皆で賛同ができるような内容のものであるということが極めて重要なことでございます。  その意味で、この法案におきましても、地域住民の理解と協力を得るよう配慮すべき旨の規定が置かれておるところでございまして、もちろんここから先は、それぞれの地域においていろいろな仕組みが考えられて、住民との間で議論がされるというようなことを想定をいたしておるわけでございます。  また、先般、私ども市町村の方あるいは商店街の方々とお話しいたしますと、先ほどいろいろと取り組むに当たっても現状にとらわれてというようなお話がございましたけれども、例えば、町づくりというのは大事業でございますので、大まかな大きなプランというものは、あらあらのものはお持ちになるにしても、アプローチについては段階的に進められることによりまして、一つある部分についてでも町がよくなると、そこに住んでいる商業者の方々も、さらに、これはよくなった、それならおれたちも少しお金を出してでもやろうかというようなことになるということを商店街の方あるいは市長さんなども言っておられたことがございます。  そういう意味では、一挙に大きな立派な計画もいいかもしれませんが、進め方についても、例えば段階的に進めていくことも工夫をしていただくということも一つ方法ではないかというふうに思います。  計画づくり、あるいは計画の進め方、計画の内容についてはそういうことでございますが、今先生の方からいろいろな御質問がございました。それらのものができ上がったものを受けて、個々の計画の中に盛り込まれた事業につきましては、先ほど来も御説明をさせていただきましたように、私ども関係省庁基本計画の内容によっては多数にわたることがあり得るわけでございますので、関係省庁間連絡協議会のようなものを設けて施策の連携調整というようなものを図っていきたいと思いますし、その際に、リーダーシップという御指摘でございますが、私ども建設省あるいは自治省ともよく御相談をし連携をとって、関係省庁の方々との協力関係と申しますか、そういうものをつくっていきたい、このように考えております。
  83. 平野博文

    ○平野委員 一つの視点は住民参加という、そこに住んでいる方々、当然、御商売されている人、生活者、こういう方々の意見を反映できる場を必ず設定しなさい、そこまできちっと法案の中に盛り込んでもらえれば一番ベストだと思っておりますが、そういう考え方を明確に聞くことができるとか、こういう発想ではなくて、きちっとそういうことを聞かなければならない、そういう設置を強く要請をしておきます。  いま一つは、今言われましたけれども、やはり地方分権、こういうことでございますから、私は地方分権に合ったスキームでやってもらいたい、こういうふうに思うのです。  そこで、具体的支援策、こういうことに入っていくのですが、今各省庁のリーダーシップ、こういうことでお答えいただきましたから、何とぞ、各省庁間の問題ではなくて、地元市町村が言ってきたら、もうわかった、私が責任を持って、いや、省庁連絡協議会にかけてとか二段、三段、こういうややこしいことではなくて、市町村が前向きにやってきた、わかったと言って積極的に進められるような機構にしてもらいたい、このように思います。  十一省庁なんてややこしくてしょうがないです。結果的にうまくいかなかったら、これはまさにあそこの省庁が悪いという責任回避の理由づけになる。そうならないように進めていただくようにお願いをしたい、このように思います。  いま一つは、具体的支援策ということで、これを見てみますと、一兆円規模の予算づけがあるわけでございますが、今、国もそうでありますけれども地方自治体は非常に財政が苦しいわけであります。財政が苦しい中で、先ほど吉田議員の質問もありましたが、こういうことをしたらおいしい予算がつきますよ、その予算にかぶりつきますと、みずからの財政基盤を圧迫させる、破綻を来す、今こういう予算の仕組みになってはいませんでしょうか。
  84. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、国も地方も財政的に大変厳しい事情にあることは事実でございます。そういう中で、中心市街地活性化というものの重要性を考え、さらには地方市町村のイニシアチブのもとで積極的な取り組みがこれについて行われるということを何とか実現していきたいということで、さまざまな支援策を考えてきておるわけでございます。  通産省といたしましては、中心市街地活性化対策に関連する地方自治体等への補助金につきまして、補助率あるいは補助対象等に関して特段の措置を講じてきておるところでございます。  具体的に申し上げますと、例えば、従来の商店街対策等の類似の制度と比較いたしまして補助率あるいは補助上限額を引き上げたり、あるいは補助の対象につきましても、例えば空き店舗等に望ましい事業者が入居し、魅力ある商業集積が形成されることを支援したり、あるいは対象となる施設を拡充したりということで、ソフト、ハードそれぞれについて多様な取り組みに対処できるように手当てをしているところでございます。  そういった形で地方の財政負担について意を用いてきているところでございます。
  85. 平野博文

    ○平野委員 でも、幾ら言ったって、しょせん補助率という発想に立っているわけであります。ということは、必ずその地方自治体が負担をする。政府の言い分は、みずからするところにするのだから、みずからも応分の負担をして当然ではないか、こういうことを言うわけでありますが、私、今回の中心市街地関連というのは、本当に二十一世紀日本を再生する大きなスキームだと思っております。そういう意味では、中央が多少血を出しても地方のために、何とか町づくりをやっていくためには、補助率とかそういう細かいことを言わぬと、国、地方一緒になってきちっと財源を担保して、別枠でやっていこうよというぐらいの発想に立ちませんか。
  86. 木下博夫

    木下政府委員 今通産省の例を御紹介させていただいたのですが、先ほどから一兆円のお話も出ておりますので、公共事業のかなりの部分を担当しております建設省としての立場もあわせてお答えさせていただきたいわけでございます。  今回の制度の中では区画整理事業ども、先ほどの御質問にございましたが、補助対象といいますか、そのような補助率という世界だけではなく、対象そのものもかなりふやしたりして事業を進めるようなことをやっておりますが、ぜひ私は考えてまいりたいと思っておりますのは、先ほど来お話がございましたように、各地域によって事業にめり張りがあるべきだと思っております。  そういう意味では、ウイークなところを重点的に応援していくわけでございますから、フルセットの事業ではなくて、各地域に一番効き目のある事業を我々関係省庁で選択をさせていただきたいと思っておりますし、先ほどの十一省庁の連絡会議も、どちらかといえばネガティブな動きではなくて、よその省庁からこういう事業の話が出たよということであれば、関係省庁にそのことをお伝えして、その事業の連携あるいは関連性が強ければ、むしろそういう声を聞いた他省庁がみずからの事業の中でこなせるのは何か、そういう意味での情報交換を含めてこの連絡会でやっていくことも一つの効果ではなかろうかと思います。  私が申し上げるような余りやさしいことではないと思いますけれども、ぜひ、お話のあったような、限られた予算の中でどう効き目があるかということを中心にやりますと、当然むだのない、地域的に中心市街地への重点的な投資ということを心がけねばならないと思いますから、これは中央だけではなくて地方からも相当必死の構えでの要望が出てくるのではなかろうかと思っております。
  87. 平野博文

    ○平野委員 いずれにしても、この法案を具体的に進めていこうとしますと、財政的に非常に厳しい中でいかに捻出するか、こういうことになるのですね。したがって、幾らいいことをやろうとしても、財政の基盤が確立されなかったらどうしようもない。極端にいいますと、その当時の首長がこれをやろうと思ってわっと枠組みをつくって、補助率は多少上げていただいても自己負担を高めていく、首長が永遠にやるわけではありませんから一次の首長に変わってしまう、これはもうやめた、こういうケースだってあるわけであります。そのときはこれはどうなるのですか。
  88. 木下博夫

    木下政府委員 仮定のお話でございまして、できればそういうことがないようにしたい、すべきじゃなかろうかと思いますが、そもそもマスタープランというのは、私はかなり長い期間を念頭につくられていると思います。そこの新しい首長さんが仮に誕生すれば、それは当然首長さんの責任でいろいろな判断なり選択を行われるでありましょうから、そのことについて私たちがわきからとやかく言うべきではないと思いますけれども町づくりそのものが長いレンジで物事を考え、あるいは先生お話があった、そこにお住まいの住民の方々が選択しているわけでございますから、その中でやっていくことではなかろうかと思っております。
  89. 平野博文

    ○平野委員 今局長言われましたように、再度言いますが、首長が変わろうが住民はきちっと見ていますよという、あるいは住民にきちっと透明性を確保していますよ、住民も参加をしましたよ、していますよ、このことがきちっと担保できる状態であれば、首長が変わろうが住民がそこを見ている、こういう状態が一番好ましいと思うのですね。  何回も言いますが、やはり情報公開とか、市民が参加をする。参加をすればその責任は市民にも出てくるわけですし、本来今の行政機構というのは、当然議会が、あるいは国会でやっているから、それはもう国民の代弁者だからそこでやっているのだから、――こういうことになっておりますが、もっと国民に今こういう状態にあるということを知ってもらうための仕組み、これが大事でございます。そういう意味では、情報公開、さらに多くの人に参加をしてもらう、このことを含めて、よりお取り組みを要望をしておきたいと思います。  時間が参ってきましたけれども、いま一つ大店法、この立地法との関連で少しお聞かせをいただきたいと思います。  先ほども述べましたように、大型店舗が郊外に進出していっている、そういう意味合いで中心市街地空洞化を起こしている、こういうことも一つの要因だというふうに私は思っております。それ以外には、小売店の店主の努力不足とか、そういうことはあるのでありましょうが、自由経済の中でいきますと、車で五分行ったら価格が全然違う、ディスカウント店が郊外にいっぱいでき上がると、どうしても今の仕組みでいきますとそちらに走ってしまう。しかし、個人商店が幾ら経営努力をしても乗り越えられないような部分というのは必然的にあるわけであります。したがいまして、私はこういう視点から、今回の社会的規制の転換という意味での町づくりという発想からそういう考え方をしていく、これは非常に望ましいと思いますし、喜ばしいことだ。  しかし、消費者から生活者へという転換の中で、大型店と中小小売店とがその町づくりを形成する中で共存共栄をしていくという、このことが非常に大事であります。今の現実の姿は、大型店が来たら大変だという、ある意味ではいがみ合いの状態になっているようなところも現実にあるのですよ。現実の姿というのは僕はそうだと思うのですね。  大型店は大型店の論理があります。そこで町づくり中心を担っている商店街の人の立場、論理もあります。大型店は、経営が悪くなると撤退をするのですよ。小売店の人は、撤退どころか自分の生活ができなくなっていくのですね。そうすると、私、何か矛盾が起こっているのではないかな、こんな気がします。一生懸命頑張りなさいよ、市場経済ですよ、これは正しいことです。競争に勝っていきなさいよ、これも大事なことですが、みずからの努力以上に来る波については、幾ら頑張っても頑張りようがないのであります。  それは、後継者がいないという大きな波なのか、価格競争に勝てない、こういうことなのか。行政の施策によって、そこに市民がコミュニティーのゾーンとして集まってこなくしてしまうことによって、人が集まらない、こういうことの波に、幾ら店を開いたってお客さんがだれも来ない。こういうもろもろの要因があると思うのでありますが、私が言いたいことは、やはり共存共栄していく、こういう視点に立たなければならないと思っております。  今回の立地法では、私は逆に、むしろ郊外へ大型店を出店をすることにより拍車をかけることにならないか、このように危惧をいたすところがあるわけでありますが、この点についてはどうでしょうか。
  90. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 大型店と中小店との共存共栄というようなことでございますが、御指摘のように、確かに中小店のサイドからの大型店の見方にはいろいろな見方があると思いますが、私どもの理解するところでは、最近だんだん大型店と中小店が、共存共栄と申しましょうか、することによりまして、面としての商業集積の魅力でございますとか、あるいは集客力を向上するというようなことで共存共栄を図ろうというようなケースがあるように思っております。  その意味で、今回の中心市街地活性化法におきましても、もちろんこれは地域におけるコンセンサスが大前提ではございますけれども、それを前提として中核の店舗というようなものを、中心市街地に大型店というものを誘致するというようなケースもあり得るということを想定いたしまして、そういうケースにつきましても補助金等々の支援策を用意をいたしておるところでございます。  なお、今郊外店、郊外立地の問題についてお触れでございますが、まさに既に先生自身が御指摘のように、今回大店立地法とあわせまして都市計画法の改正を含みまして、新しいゾーニングというような手法によりまして、まさに町の構造としての町づくりと申しましょうか、そういうことに対応する、地域判断でそういうことができる仕組みを提供するというようなことを御提案をいたしておりまして、そういうことの中で全体の構造、そして町の中心としての中心地をどうするかということをそれぞれに皆住民の人たちの意見を聞きながらつくるプロセスでございますので、そういうことで対応させていただきたいと思っておるわけでございます。
  91. 平野博文

    ○平野委員 時間が参りましたので、これはもう大臣の見解を聞こうと思ったのですが、御要望として、特にこの町づくり活性化商店街の活性化、さらにはこの都計法含めたこの法律がやはり三位一体となって有効に機能しなければ、片一方それぞればらばらにやるということではいけないと思いますし、三法がきちっと整合性をとれる、さらには地域住民がそこに参加をする、地方分権になって市町村が責任を持ってそれをやっていく、補助率とかそういうことを言わずにきちっと財政も担保して、そのかわりお前も頑張れ、こういうふうにやれるようにぜひお取り組みをお願いしておきまして、時間が来ましたので終わります。  ありがとうございました。
  92. 遠藤乙彦

    遠藤委員長 次に、松崎公昭君。
  93. 松崎公昭

    ○松崎委員 民主党の松崎公昭でございます。  私は、この委員会は初めてでありますが、実は私も個人的には商業者の一人でもございまして、いかに努力はしていてもなかなか厳しい時代になった、そういう商業者の立場も踏まえながら、しかし、グローバルスタンダードあるいは日本の置かれております世界におけるいろいろな国と国との関係、貿易の問題、それから世界が一つの経済圏であるということから、余り守られ過ぎている業界というのは、金融業界もそうであります、建設業界もそうであります、そういうところが今一番波を受けている、そういうことはよく承知をしております。  しかし、この商業関係というのは、もうたくさんの方が、きすうは民主党は私が三番目でございますので、ダブることがあると思いますが、ほとんどの方がおっしゃっているとおり、やはり町をつくってきた、国をつくってきた、しかもその数の上では大変大きな方々が貢献してきた、そういうところで他の業界とはちょっとニュアンスが違うのである。  ですから、そういう意味では、日本の国の流れからいくと、規制緩和あるいは分権、そういう方向の中では、この商業の置かれている立場も、今回の大店舗法が廃止されて、そして一調整はなくなりましたけれども、違う方法で、規制といいましまうか、大型店に関しては全く違う方法で対応する。そしてまた、町をつくってきた中心商店街に関しましては、一兆円というか、今までのいろいろな施策の寄せ集めみたいにも見えますけれども、それを一挙に、これはある意味では農業者に対するウルグアイ・ラウンドと同じような、見方によればばらまきみたいな見方もできるわけでありますけれども、そうであっても、今まで頑張ってきた商業者に対して、どこまで公平で、そしてまず自分の力を、体力をつける、そういう方向で、今回の大店舗法がなくなり、そしてまた新しい施策がされるわけでありますけれども、最終的には商業者みずからが力を持てるように、それが今回の一番大事な点ではないかな、私はそんなふうに思っております。  さて、前置きが長くなりました。まず、大店舗法がなくなって、何らかの規制、誘導、そういうことで都市計画法の改正ということがまず始まったわけであります。私は、今回特別用途地区の問題が脚光を浴びておりますけれども、非常に全国的に見ましても、先ほど松本議員さんでしょうか、白地の部分、無線引きの部分、これに今までの大型店が進出していった、それがまた空洞化を起こした、そういう原因でもありますけれども、今回の都市計画改正で、この白地、無線引き、この地区に関しましてはどのように規制が加えられるのか、あるいはこれが今までのようにかなり楽に大型店ができてしまうのか、この辺、まずお聞きしたいと思います。
  94. 木下博夫

    木下政府委員 白地地域というのは、ちょっと定義がはっきりしておりませんけれども、私なりに整理させていただきますと、線引きをしてないところで用途地域が決められていない、これもいわゆる白地地域と申し上げておりますし、それから、都市計画区域外についてもいわば白地地域という概念もあろうかと思います。  いずれにせよ、先生おっしゃられましたように、今回の特別用途地区制度につきましては、大きな目では地方の自主的なきめ細かい町づくりのために役立てる手法であろうかと思いまして、都市計画改正の中で入れさせていただいておりますが、お話ございましたように、大店法の世界でも、その特別用途地区をそれなりに地域によって判断していただければ、活用の道はあろうかと思っております。  問題は、御質問に沿った形でお答えしなければなりませんけれども、白地地域についてどう対応するかでございますが、都市計画区域外については、これは当然でございますが、制度的には該当といいますか対象ではございませんので、むしろ積極的にその地域都市計画区域に取り込んでいくかどうかという判断一つあろうかと思います。  それから、朱線引きの中で用途地域が決められていないところ、これはむしろ、全国的には未線引きでございましても用途地域がそれなりに成果を上げているところがございますので、今後、それぞれの地方公共団体判断でございますけれども、新たにそういう未線引き地域の中にあって用途地域を決め、あわせてそれを補完する特別用途地区を活用なさるという手段はあろうかと思っております。
  95. 松崎公昭

    ○松崎委員 そうしますと、無線引きの地区でもやり方によればかなり制限を加えることも可能である、そういうふうに受けとめてよろしいでしょうか。  それから、特別用途地域の設定十一種類が取り払われまして、自治体が柔軟に定め応仁乏ができる。これもまた立地を制限すること、巷できるし、それから促進することもできるわけであります。そこのところで、やはり自治体の意思、意見の集約、これがなかなか各自治体の首長というのは難しいと思うのですね。この辺、自治体の首長だけで果たしてそういう判断をすべきなのかどうか、これは県との、特に広域の問題があると思うのです。  Aという市とBという市で、Aという市は町中に非常ににぎわいのある商店街で、商業地区である、それはもう既に飽和状態商業地区になっている。ところが、一歩市境を越えると、そちらは農村地帯、これからまだまだ余地のある場所である。そういうときに、一つの町、AならAという市で特別用途地区を決めたりして、まあまあそこそことめていこうじゃないかという判断ができますと、逆に隣の農村地帯が、ではどんどん誘導しよう、そういうことで、商圏の中では大変混乱を起こすし、大きな戦いになる。消費者はそれで喜ぶかもしれません。しかし、消費者もコミュニティーをつくる一人でありますので、今まで中心商店街なり商業界が地域に貢献してきたその恩恵はひとしく受けているわけであります。ですから、そういう意味では、地域をつくるというところでは、消費者である市民もまた商業者も仲間であります。  ですから、そういう中で、一つの商圏というところで見ますと、自治体と自治体との見解の相違、そういうことによって、またいろいろ今までにない別の形の戦いが、混乱が起こると思いますが、そういう特別用途地区の設定等の場合に、市が決めるということになっておりますけれども、その辺で他市との調整、広域的な対応というのはどんなふうにやっていったらよろしいのでしょうか。
  96. 木下博夫

    木下政府委員 この国会に出されております法案関係では、今の御質問関係については、都市計画法の改正だけではなく、大店立地法あるいはきょうの御審議いただいています中心市街地法等がございまして、それぞれが目的の中で協調するといいますか、連携する中で新しい町づくりということができ上がっていると思いますが、御質問のございました地方の中でのいわば公共団体としての市町村とそれから県の立場でございます。  特別用途地区は、御承知だと思いますが、制度的には市町村が決める都市計画でございます。ちょっと前後いたしますが、今大きな流れで地方分権ということで、できるだけ身近なところの公共団体に都市計画の権限をおろせという御指示もいただいておりまして、御案内だと思いますけれども、かなりこれはおろしております。  そういう中で、県との関係でございますが、これは先生おっしゃられましたように、商業関係については私がお答えするのは口幅つたいわけでありますが、かなり都市によって異なるかと思いますけれども、相当広域的な問題は当然念頭に置かなければならないと私は思っております。そういう意味では、都市計画の世界からも県と市町村が常日ごろから情報交換をしていただくように、これは商業だけでございませんけれども町づくりという点でやっていただきたいと思っておりますし、それから手続、制度の上からは、市町村が決めますこの特別用途地区の都市計画決定の際には、都道府県の承認を得るという手続を持っております。
  97. 松崎公昭

    ○松崎委員 なかなか難しい調整だろうと思います。ですから、これはやはり現実に動き出して、市民あるいは行政間の意思によって、これから分権は進みますが、分権された基礎自治体と基礎自治体の調整というのは常にいろいろな面であるわけでありますから、ぜひそれはそういう御指導をお願いをしたいと思っております。  先ほど特別用途地域の問題で、例えば自治体が制限しようということで、これは現実的には難しいのですね、既にある用途地域の範囲を超えるわけにいかないわけでありますけれども、かなり思い切った制限を加えるなんということを、特別用途地区を各自治体でどんどんやっていった、やり過ぎたというふうなことになった場合にどうなるでしょうか。それはそれで自治だからいたし方ないということで済むのでしょうか。
  98. 木下博夫

    木下政府委員 先生の御質問のやり過ぎたという程度が、ちょっと私すぐ念頭に浮かばないのでございますが、重ねてでございますが、用途地域というのは現在全十二用途、繰り返しで恐縮でございますが、ございます。この中には、それぞれ面積の関係もございますけれども、おおむね七割は、そういう店舗の立地について、一応用途地域のレベルで規制がかかっているとお考えいただいております。  したがいまして、それを受けた形で、補完するような形で特別用途地区がございますので、この特別用途は、本来の用途地域の持っている趣旨に合致する中で、よりきめ細かく地域的な広がりあるいは目的を制限していく、あるいは場合によってはそれを緩めるということも、ちょっと緩める話で申し上げますと、例えば川口市などでは、準工業地域の中に、地場産業を育てていこうということで、本来は工業的なそういうものを許しているような地区も特別用途地区としてございます。これは緩める例でございます。  いずれにせよ、横道にそれましたけれども、そういうふうなことで、特別用途地区は用途地域を前提として決まりますから、先生おっしゃられたように、大変大きな問題を起こすかどうかということについては、当然都市計画の大筋の中でそれぞれの特別用途が選択されていくと思いますが、あくまでもお決めになるのは公共団体の世界でございますので、どの程度のものをもって混乱を来すかどうかということでございますが、これから各地区がそれぞれの特別用途を私は有効にお使いいただくために多様化の道をとりたい、こう考えております。
  99. 松崎公昭

    ○松崎委員 結局自治体の長が、去年の十二月ですか、日経新聞で大店舗法廃止というのが出たときに、私どもも衝撃を受けるくらいのニュースだったのですけれども、あのときは、自治体の長に相当その権限というか厳しい判断を強いられるという受けとめ方をしたのですが、立地法でも環境問題がありますから、これもまた首長はなかなか厳しい判断を迫られるのではないかと思いますが、相当悩む首長も随分出てくるのじゃないか。この町をどういう方向に持っていくかということで、消費者商業者がぶつかっていく。あるいは、そこに大型店が入り込んでくる。そういうことでいきますと、自治体の長というのは今後の判断がなかなか厳しいと思います。そういう場合に、何も助言とか指導とか、ただ自治体の自治ですから当然なんだということで、何もその手をかさないかどうか、ちょっと。
  100. 木下博夫

    木下政府委員 都市計画の世界をどこまで考えるかというのは私ども常に悩んでいるところでございまして、今お話にございますのは、基本的に制度のものとして特別用途地区を出させていただいておりますが、先生お話があっておりましたように、その町がどうあるべきか、とりわけ商業としてどう振興していくのか、あるいはそのときに大型なりいわば中小の小売店舗がそれぞれどう協調していくのかということになりますと、いささかこれは都市計画の世界を超えたような形での、町全体でございます。  しかし、立地について、地域として相当インパクトがありますと、そのインパクトによって地域が混乱することも危険性としては懸念されるわけでありますから、今後都市計画制度としてできるだけの仕組みを、これを活用していただくという方向でございますが、全国にいろいろな例がございますので、特別用途地区がこれから使われますと、そういう事例などを相互に交換するという、非常に地道な活動かもしれませんけれども、そういう意味での情報提供を一つの例で申し上げましたが、そういうことで各公共団体にもお示しすることも我々国として果たすべき役割じゃなかろうか、こう考えております。
  101. 松崎公昭

    ○松崎委員 はい、わかりました。よろしくお願いいたします。  さて、大臣がせっかくいらっしゃいますので、ここで、特定商業集積法というのがあるのでございますが、これはそもそもどういう内容で、これは今も生きていると思うのですが、これと新しい活性化法、この関係はどういうことなんでしょうか。大臣、お願いします。
  102. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。  御指摘の特定商業集積法でございますが、平成三年の五月に制定されたものでございまして、中小小売商業者の自助努力や、中小店と大型店との共存共栄による商業集積の整備を通じて快適な消費生活を提供する、こういうことでございまして、こうした法律の目的自身、引き続き重要な意義を有するというふうに考えております。  ただ、御指摘のありましたように、このたび中心市街地活性化法を御提案申し上げておるわけでございますが、それとの関連での調整というのはあり得るのではないかということでございます。  すなわち、近年の地域商業集積の状況を見ますと、郊外において大型店を含む商業集積の整備がかなり進んできておるわけでございまして、そういった観点から、中心市街地活性化法の施行とあわせまして、お尋ねの特定商業集積法の基本指針の改定を行いまして、郊外における大型店を含む商業集積の整備については、支援措置の対象外ということに改めていきたいというふうに考えておるわけでございます。  具体的には、大型店と中小店との共存のタイプ、高度商業集積型という類型のものが法律一つ位置づけられておるわけでございますが、これについて既存市街地のものに限定をするというふうに改めさせていただきたいと考えております。
  103. 松崎公昭

    ○松崎委員 これは、やはりかなり慌てて、外圧というのでしょうか、大店舗法が廃止になるということで、それに対して立地法をつくらざるを得ない。しかし、実はこの集積法はまだ動いておるわけですね。それで、一番新しいのでしょうか、新潟県の新発田市などというのは、九年の七月に承認ですから、今つくっているのじゃないでしょうかね。  つまり、何が言いたいかというと、ここで大臣にお聞きしたいのは、集積法で外へ外へ出していった、十二件ぐらいですね、十五件ですか、郊外へ持っていったのは十二件、これは大きな、各店舗と地元の人も入って、これはこれで今までやってきた。外へどんどん出していった。まだこれからオープンするところもある。今度は立地法でそれはストップになるよ。それで町中へ、また慌てて一兆円もかけて町中を活性化する。大変政策上矛盾というか、これはダッチロールですよね。これは大臣どう思われますか。
  104. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。  特定商業集積法でございますが、先ほど申し上げましたように、平成三年の五月に大店法の前回の改正とあわせて制定されたわけでございますが、当時の状況を考えますと、その時点での小売業を取り巻く環境変化の中で、大型店と中小店が共存共栄をして一つ商業の拠点をつくるということについて前向きに取り組んでいこうということで、用意されたものでございます。  この特定商業集積の法律の中には三つの商業集積の類型がございまして、一つは今御指摘の高度商業集積でございますが、平成三年以来十三件基本構想を承認しておりまして、その十三件中の十一件が郊外型ということでございます。このほかに地域商業活性化型という既存商店街の活性化中心にしたものがございまして、この類型は既に三十八件基本構想を承認いたしておるわけでございます。このほかに、三つ目の類型といたしまして中心市街地活性化型というものがございまして、これは既に一件承認済みということで、それぞれの類型に応じながら商業集積の拠点開発ということを支援してきたということでございます。
  105. 松崎公昭

    ○松崎委員 これだけ時代が変わって、大店舗法も三回も改正したり、いろいろ、本来は余り自民党さんも商業者に対して厳しくやりたいとは思っていなかったのでしょうけれども、外圧とかそういったことでこうなった。ですから、政策上の若干の矛盾が出たということはいたし方ないかな、そうは思います。しかし、やはりこの辺はもう少ししっかりとした見通しを立てて、片方では大きなお金を、補助金をかけて郊外へ持っていき、同時に、そうしながら中心市街地もやる。同時に、この中に三十と十幾つがありますから、両方にらんでやったということはわかりますけれども、現場を見ておりませんが、郊外へ持っていった場合には、当然中心市街地はかなり寂れていったのではないか、そんなふうに思います。今後も整合性のある政策をお願いをしたいと思っております。  さて、次に立地法の問題でありますが、駐車場の問題でありますとか騒音の問題、環境、そういうことがこれから中心になって一つ判断を示していくということであります。これは個別の環境の問題あるいはごみの問題、そういうことは当然地域住民との融合ということで出てきているのですけれども、市の環境条例あるいはアセス条例とか、もっと大ぐくりの、地域全体の環境問題、条例化、そういったものとこれを連動する必要があるのではないか。単発的にどうだ、ごみだ、あるいは入り口が混雑してしょうがない、そういう環境だけじゃなくて、例えば自動車が集中することによってCO2が出過ぎるとか、そういう排ガスの問題とか、大きく環境問題をとらえる必要があるのではないか。  それで、今回の立地法の中に、そういう各市の条例を含めた大ぐくりの環境問題との関連をもっと強く入れる必要があるのではないか、そんなふうに思いますが、いかがでしょうか。
  106. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 今回の大店立地法の提案でございますが、大型店の特徴というものに着目をして、その立地に伴いまして周辺生活環境に対して与える影響というものに着目をする、同時にまた、そういう問題が全国的に顕在化しているというような事態のために御提案を申し上げたわけでございます。  御指摘のように、交通渋滞でございますとか騒音、あるいは廃棄物の問題、悪臭といったような点がしばしば議論をされることではございますが、例えば排ガスあるいは大気汚染というような問題、あるいは場合によりますと景観というような問題が大型店の出店との関係において全く問題にならないかといえば、そういうことでもない可能性があると私どもも思っております。  その意味では、もちろんこの法律は大型店というものの特徴に着目をしたものでございますから、無制限に規制の体系として拡大することは一方における非難を受けることにはなると思いますけれども、御指摘のような、景観でございますとか排ガス関係のようなことにつきましては、内容によりましてこの立地法の対象になり得るというふうに考えておりまして、今後その具体的な内容については指針の中で明らかにしたい、このように考えておるわけでございます。
  107. 松崎公昭

    ○松崎委員 その指針が今考えられている範囲は、この文章にある以上にあるのでしょうか。もしわかれば教えてください。
  108. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 この政策の見直しに当たりまして、政府の内部としては審議会で御議論をいただいたわけでございます。そのプロセスにおきましては、交通渋滞、交通安全の問題、それから廃棄物、騒音というような問題が典型的な例として議論の中心をなしたということは事実でございますが、御指摘のように、その後私ども法案を、今度は政府、事務的な意味合いにおける法案作成過程においていろいろ議論をいたしますと、今ちょうど先生から御指摘がありましたような排ガス問題というものが大型店の出店との関係で特徴的、つまり、交通渋滞の問題としては解消し得たとしても、排ガスの問題として解消し得ないということがないかどうかという点はあり得る問題ではないかというような意味合いで、ただいま申し上げたわけでございます。
  109. 松崎公昭

    ○松崎委員 ありがとうございました。その辺はしっかり指針の中に、できれば各市であります条例も、大型店だけのために改正するということはおかしいかもしれませんけれども、大きく大型店の問題も環境に影響を与えるということはもう承知されているわけでありますから、それぞれ市の環境条例とかアセスだとか、そういった条例にも盛り込まれるような方向で御指導をいただけたらと思っております。  さて、第九条の一項の勧告、これは何度も出たと思うのですけれども、私もよくこれはのみ込めません。勧告がどんな力を持っているのか、これはもう何度も出ていると思いますが、私も大変疑問であります。  もっと強い力を持たなかったら、もっともこれは手続法ですから、確かにおっしゃるとおり、規制法ではありませんので難しいと思いますが、やはりもう少しこの勧告の効力というものを、たったの公表だけだということであれば、お客様はいいもので安く買えた方がいいから、ほとんどそんなものは力にならぬ。ですから、この辺の勧告の持つ意味と力をもう少し強烈にすべきではないかと私は思いますが、いかがでしょう。
  110. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 法律の立案のプロセスにおいて私ども検討して、勧告及び公表ということで御提案を申し上げておるわけでございます。  今先生からは力を持ち得ないという御指摘でありますが、小売業というものがまさに地域産業でございますので、そこにおきます地域の人々の意見及びそれを踏まえた首長さんの御意見に従わないままでの出店というものの影響力、悪い意味の影響力というものが十分にあるのではないかというふうに私ども思っておるわけでございます。  同時に、実はこの大店立地法と申しますのは、既存の規制が、先ほど申しますように、例えば交通渋滞とか騒音とか、もろもろの規制体系が存在をいたしておるわけでありまして、いわばその上に上乗せ的に大型店の出店について規制をかける、こういう性格を既存の法体系との関係では持っておると理解をいたしております。  したがいまして、その地域生活環境の保持のために相当程度幅広い項目について、かつ地域の実情に応じてかなり柔軟な対応が行われることが、つまり、数値をもって一義的には決められない、大型店の出店の規模、態様もありますけれども、同時に、出店をする場所の周辺の環境が具体的にどうなっているのかということは、ある意味で千差万別であり得るということを想定いたしております。その意味では、幅を持ったことについて柔軟な対応ができるということが、この種の法律については必要であるというふうに考えておるわけでございます。  御指摘のように、例えば大店法にもございますわけで、私どもも、大店法に命令があって、この法律に命令の規定を置かないことについてはそれなりに検討をさせていただいたわけでございますけれども、仮に命令というような措置を設けるということは、御案内のことと存じますが、命令という規定を置くということは、同時に罰則の規定を置くことを意味いたします。そういたしますと、全国を通して可能な限り幅の少ない運用が求められるということになると思います。刑事罰が科せられるような事象というものが、例えば北のところと南の方で全然内容が違うということは認められないということになろうかと存じます。  その意味において厳格な構成要件を求めざるを得ないということでございまして、私どももひとつ悩んだところでございますが、命令、罰則というような一連の体系を設けて、厳格な構成要件をかけて議論をすべき対象を絞り込まざるを得ないことにする方がいいか、できる限り幅広い、大型店出店に伴って、その特徴的に発生する生活環境への影響をどうするかということをできるだけ幅広く、かつ地域地域の事情に応じて柔軟に対応をできる仕組み、どちらをとるかということで議論をいたしました結果、勧告、公表というようなことをもっても、小売業という地域密着型の産業であれば相当程度の実効性を持ち得るのではないか、むしろ幅広い事項について議論ができるという仕組みを提示する方がよいのではないかというふうに考えて、今回の御提案に至っておるわけでございます。
  111. 松崎公昭

    ○松崎委員 まさに、地方の主体性、分権、これにすべて荷がかかってくる。これはある意味ではよろしいことだろう、私はそう思っております。  時間がなくなりましたので、立地法それから都市計画法は、これは私の要望でありますけれども、いろいろな御意見はありますが、やはり商業者の仲間というか団体であります。問題は、会議所もいろいろあるかもしれません。若返りが必要であるとか、もう少し柔軟なあれが必要であると。しかし、支えてきた商業者の団体であります商工会議所も、しっかりこれらの意見交換、意見を聞いていただきたい。私はそれを一つ要望いたします。  それから、中心市街地の問題でございますが、今もお話しになった分権の問題、先ほども吉田議員の中でも、三省がどこが中心で、どこが窓口かわからない。そこで一番の主体はやはり地方自治体であります。これからの分権社会、地方分権、今進みつつあります。しかし、地方自治体がどこまで独自に、そして自主的にやれるか。まだまだ自治体は、これからの意識改革だろうと思います。ぜひその辺は、きょうは自治省の方はいらっしゃらないかもしれませんけれども地方自治体の主体性そして自立、これを、分権推進計画が間もなく出てくるわけでありますけれども、私に言わせれば、あれはまだまだ未成熟だろうと思っておりますけれども、しっかりとやっていただきたい。それがないと、中心市街地のこの活性化法も金額だけが先行してしまうというふうに思います。  最後に、やはり私は人材の問題だと思うのです。先ほどアメリカのDIDに関して、整備推進機構、TMO、私もよくわかりません。いろいろ組織が省庁ごとにあってみたり、しかし最終的には人なんですね。リーダーをどうやって育てるか。  ここで、私の友人でありますけれども、足利市の商工会議所の専務さん、立派な方がいらっしゃいます。若いときから頑張っていました。ここは、まさに地域歴史と独自性をうまくまとめ上げて、そして次々に新しい政策をやっております。例えば、二年半ほど前にキャロットスペースという、余り使わないような三角のへんぴな公園のところを若者が集まるような商店街にしてしまった。それは、二年間経営の補助を出すのですね、全国から集める、そこでやる気のある者はやっていく。今は大変なにぎわいになっています。  もっとも足利というのは、きょうは足利の方はいらっしゃるかわかりませんけれども一いらっしゃいますか。足利学校を再興したり、私も何度か行って、非常に商業者として立派な商業展開をしているな、そういうことで取り上げたわけであります。今はまたあそこでは、探偵団というのですか、足利のまちづくり探偵団、やる気のある人は補助を出すから、そういうことで、これは商工会議所が中心にやっているのですね。それで、あいた店へ入りたい人も入るし、そういうことで、二年間ぐらいで、どんな発想でもいいから新しいことを出しなさい、そういうようなことをやっている町ですね。  ですから、中野先生の川越もございますし、リーダーのしっかりした地域はやはり伸びるのですね。これだけ厳しい商業環境の中でも、やる気があって、そういう伸びるリーダーをどうやってつくるか。これは、TMOで幾らやっても、専門家を派遣してもだめなんですね。そこでいい人材をどうやるか。これは極めてソフトですから難しいと思いますが、その辺、ひとつ大臣のお考えを最後に聞かせていただければと思います。
  112. 堀内光雄

    堀内国務大臣 委員の御指摘のとおり、この中心市街地の問題、各市町村中心に自主性を持たせて取り組んでいくだけに、その中におけるTMOの人材というものが非常に重要な存在になってまいります。  そういう意味で、その地域取り組み主体の企画力だとかコンセンサスの形成に向けたリーダーシップが、TMOの人材を得ることによって成果を上げてくることができるのではないかというふうに思います。  そのために、具体的には、ハードの事業、ソフトの事業それからテナントの管理等の一体的な実施に向けて戦略的な指導だとか助言を行うことのできる、そういう人材を育成していかなければいけないというふうに考えておりまして、専門家の育成、研究制度の創設を行ったり、あるいは町づくり等の専門家を中小企業事業団に登録をしていただいてTMOに長期派遣をするとか、そういうような制度をつくりながら、人材の育成、そして活用をしていきたいというふうに考えております。  一朝一夕にはなかなかできないかもしれませんが、こういう人材の育成に向かって全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
  113. 松崎公昭

    ○松崎委員 ちょっとまだ時間がありますので。  どうしても、大臣ですからいたし方ないと思います、そういう制度上の話から来るのですけれども、これは全国の商工会議所の皆さんにも言いたいと思いますけれども、やはり若返っていったり、やはり行政の下請の商業行政をやるところじゃないのですね。いろいろな補助制度でおりてきますから、どうしても下請機関みたいになってしまう。そうじゃなくて、もっと自立的な、自分の町をひとつもうけよう、そういう発想がないとだめなんですね。そこから、自分の町に限らず、足利のように広く人材を求めていく。そうすると、活性力が出てくる。  ですから、ぜひひとつ、お役人さんの方に、役所にそれをお話ししてもなかなか難しいのですけれども、ただそれは、役所はバックに行って、後ろに行って、そういう自治体なり民間が動きやすいような仕組みをぜひつくっていただきたいと思います。  終わります。
  114. 遠藤乙彦

    遠藤委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十一分休憩      ――――◇―――――     午後三時四十一分開議
  115. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。井上義久君。
  116. 井上義久

    ○井上(義)委員 新党平和の井上義久でございます。  本日は、中心市街地における市街地整備改善及び商業等活性化一体的推進に関する法律案につきまして、委員長の御配慮によりまして連合審査を開催をしていただきまして、心から感謝申し上げる次第でございます。  中心市街地空洞化問題につきましては、一つは、建設省中心にして都市開発観点から、それからもう一つは、通産省を中心にして商店活性化の視点から、これまで種々の対策や振興施策がとられてきたわけでありますけれども、この中心市街地空洞化商店街の衰退に歯どめがかかっていない、事態は年を追うごとに深刻になっている、こういう状況だろう、こう思うわけでございます。  そこで、まず通産省にお伺いいたしますけれども、これまで中心市街地商業産業活性化ということで、中小企業事業団による商店街の高度化事業でありますとか、あるいは中小商業活性化基金による中小商業活性化推進事業でありますとか、あるいは特定商業集積整備法による支援でありますとか、一貫してこの空洞化対策、商店街の活性化という観点から取り組んでこられたわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、この空洞化に歯どめがかかっていない。相当な知恵も絞ってお金もかけてやってきたにもかかわらず、なぜ空洞化がとまらないのか、あるいは商店街が衰退していくのか。これまでの施策の総括といいますか、評価なしには、どんな法律をつくってもこれは効果がないのじゃないか、こんなふうに思うわけでございます。  そこで、私なりに、モータリゼーションの進展でありますとか、ライフスタイルの変化でありますとか、郊外への人口の移転でありますとか、あるいは都市機能郊外への分散でありますとか、いろいろ理由はあったと思いますけれども、私自身は、通産省の施策の中に中心市街地町づくりという視点がどうも欠けていたのじゃないか、こんなふうに思うわけでございます。通産省のこれまでの施策の総括といいますか、評価、それからそれを踏まえて、この法律案について何がどう変わるのかということについて、まずお聞きしたいと思います。
  117. 堀内光雄

    堀内国務大臣 委員の御指摘のように、従来も商店街の活性化のための対策というものは引き続き行ってまいったわけでありますが、なかなかそれに歯どめがかかってこなかった。全国で一万九千商店街がございますが、その中で八五%が空き店舗を持っているということでありますし、一〇%以上の空き店舗を持っているところが三分の一というような状態でございます。  そういうものを考えてまいりますと、やはり今までの、総合的に力は注いでまいったのですが、大きな、先ほど委員お話しのように、モータリゼーションの問題とかあるいはライフスタイルの問題とか、いろいろ総合的な計画の中での対策というものが欠けていた面があるのかもしれない。それを総合的にひとつ取り組みながら、ここまで来た状態をしっかりと対策をして取り組んでまいらなければならないという決意のもとに、今度の中心市街地対策というものができ上がったわけでございます。  委員の御指摘のように、中心市街地は長い歴史の中で本当に地域文化だとか伝統というものをはぐくんでまいったわけでありますし、それぞれ各種の機能を培ってまいりました町の顔であるということを考えますと、その空洞化というものは、いわばコミュニティーの危機と言っても差し支えないような状態になってきているというふうに思います。  そこで、中心市街地活性化は、二十一世紀に向けて大事なこの中心市街地を子孫に引き継いでいく、そして豊かな町を創造していくため、市街地整備改善というものを行ってまいらなければならない。同時に、商業などの活性化の一体的な推進によって都市の再構築というものを行っていかなければならない。そして、地域経済振興を図っていこうというところに基本的な姿勢を持ったわけでございます。特に、商業などを中心といたしましたいろいろの機能の集積を図ることによって、効率的な経済活動や今までにない福祉の問題、医療の問題コミュニティーの問題などを含めた新規事業の誕生というものを容易にすることが、経済構造改革推進にも役立つのではないかということを考えているわけであります。  こういうような観点から、従来実施をしてまいりました、個々のお店だとかあるいは商店街というような、点だとかあるいは線というような考え方、とらえ方ではなくて、より広い、中心市街地というような面を対象にこれから取り組んでいこうということでありまして、今般の新法の特徴になっているのがそういう点でございます。具体的には、市町村にタウンマネジメントの機関を置いて中心市街地商業地全体を一体としてとらえて、そして総合的に、また重点的な整備を図ることにしているわけであります。  この新法に基づきまして、特に地方公共団体関係省庁を初めとして、関係者の総力を挙げて今度は取り組みを行った上で、中心市街地活性化が円滑に進められるように私自身もリーダーシップを図りながら、最大限の努力をして成果を上げてまいりたいと考えているところでございます。
  118. 井上義久

    ○井上(義)委員 同じ質問建設大臣にお伺いしますけれども、これまで建設省市街地開発、いわゆる町づくり観点からこの問題に取り組んできたのだと思いますけれども、ここに至ってこの法案を通産省と共管して出すという意味で、市街地開発という面では空洞化を実際招いてしまったという面で大きな問題があったのじゃないか。これまでの施策についての評価、それとこの新しい法律によって何を目指そうとしているのか、この辺について建設大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  119. 瓦力

    瓦国務大臣 委員会を通じまして、井上委員から、都市問題に対しまして大変造詣が深くいらっしゃいますので、教わることが多いわけでございますが、きょうも実は、質疑と答弁というよりは、井上先生の御所見を伺うことができればと思っておるわけでございます。  私は、振り返って、町づくりというのは、商業のみならず、業務、居住、いわゆる都市機能でありますとか、また文化、福祉なども加えまして、公益施設の集積、再配置を図っていかなければならぬ、これを支える道路でありますとか駐車場等の基盤施設を計画的に整備することが重要だと思うのです。  それで、戦後五十年ということを我々は言うのですが、この間にどの都市金太郎あめになりまして、何々銀座というのがずっと戦後の町づくり中心であったわけでありまして、本当に自分の町の歴史文化がどうであったのかということを、時間のたつ中で忘れてきたような感もするわけであります。もう今立ちどまって、これから新しい世紀に挑むわけでございますが、そうしたときに中心市街地を初め町はどうあるべきかということは、三省が中心になると言いながら、十一省庁が、地方の声を、地方の意思をうんと伸ばそうということでありますので、こういう機会はかってなかった機会であると思いまして、今回の法律に期待をいたしておるわけであります。  中央と地方といいますと、地方の自治権も認めてまいらなければなりませんから、地方時代と言われる中で、私は、地方の意思がどういうことに生かされるかということが原点であろう、こういう中で、市街地整備の手法を、市町村基本計画に基づきまして、商業振興等のことを私どもは手伝ってまいるわけでありますが、従来よりも一層集中的かつ総合的に中心市街地対策を講ずることが可能になると考えております。  若干余談になりますが、私も出張で大阪へ参りますと、大阪の八百八橋は大阪の旺盛な市民がつくった町だ一東京の、江戸の八百八町はお上がつくった町である。そういうことになりますと、この大阪、近畿圏の町づくりというのは、果たして町民の力というのは今あるのかなということを思ったりいたしておりまして、これからかつての町づくりに精を出したあのエネルギーというものをもう一度試す時代に今来ておる、こういうことを実感するわけでありますので、今私どもは力を合わせて、地方自治の振興商店街、中心市街地をどうつくるかということにお互いに全力を注いでいく大事なときだ、こういう認識に立っておる次第でございます。
  120. 井上義久

    ○井上(義)委員 簡単に言いますと、これまで通産省、建設省それぞればらばらにやっていた、これを今回できるだけ連携をとってやりましようというか、我々の希望からいいますと、一つになってやりましようということなのだろう、そういう意味で大変期待をしているわけでございます。  今もお話がありましたように、いわゆるこの市街地の面的な整備改善というこれまで建設省がおやりになってきたことと、それから商業等活性化、通産省がやられてきたこと、これを一体化して推進するというところに今回の法律に対する我々の期待があるわけです。  そういう意味からいいますと、各省庁、それ以外の省庁も含めて、かなり予算も伴うような質の高い多様な施策をメニューとして出されているわけであります。それは市町村の要請に応じて効率的に組み合わせる、それを綿密な連携のもとに実行することによって、中心市街地空洞化を阻止し、新しい都市型の社会を構築しよう、こういうことなんだろうと思うわけでありますけれども一つは、今言いましたように、省庁の有機的な連携体制、これがこのことの一番重要なポイントだろうと思うわけでありますし、それから、個々の施策、省庁ごとに出されておるわけですけれども、それが果たして有効であるのかどうかという不断の見直し、こういうことが一番ポイントになろうか、こう思います。  そこで、市町村基本計画を立てて、後ほどまたこれもお話ししますけれども、TMOなりあるいは中心市街地整備機構、こういうところを使ってそれを実行していくということになるのですけれども市町村基本計画をつくる、その中には各省庁のいろいろなメニューが含まれている。そうすると、ほとんどが補助事業ですから、市町村がそれを申請をしなければいけない。そうすると、例えば、メニューによって、申請が許可される、例えばタイムラグが生じたり、あるいは、事前協議という形で余り市町村が望まないようなことが各省庁の考え方によって押し込まれてきたり、あるいは申請手続が非常に面倒であったりというようなことなんかで、なかなか実態としては進まないというようなことが非常に心配されるわけでございます。  そこで、最低限やはり市町村の受け口となるような、これは県もそうですけれども、国も窓口を一本化して、そこにメニューを出せば各省庁が連携をとって、きちっとタイムスケジュールも合わせて補助事業もきちっと実施されてくる、こういうふうに中央の体制が、窓口が一本化されて、市町村が非常にやる気が出てぐる、こういう仕組みが最低限必要ではないか、こう思うのですが、その辺についてどのようにお考えになっているのか。
  121. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、市町村がつくります基本計画の中には、市町村判断にはよりますけれども、複数の省庁関係をする事業が盛り込まれているわけでございます。したがいまして、各省庁関係省庁も連携をして、総合的な支援を行うということがぜひとも必要なわけでございまして、私ども、政府部内に関係省庁連絡協議会を設ける方向で現在検討を進めているところでございますが、特にこの協議会におきましては、通産省、我々のほか、建設省、自治省の三省を幹事省として、各省庁の施策の実施に当たっての総合調整でありますとか、協議、情報交換を行うということを考えております。  とりわけ窓口の問題につきましては、この三省によりまして、一つは、情報の提供あるいは市町村などからの御相談というようなものの段階のものから、さらに基本計画をおつくりになられた後、基本計画が国に対しても写しが送付をされてくるわけでございますけれども、こういったものの窓口になりまして、内容を見て、通産省、建設省、自治省に出して、どこの窓口でも結構なわけでございますけれども、その窓口を通じてきたものについて、関係省庁に対して再送付と申しましょうか、そういうようなことで、できる限り市町村の手続の負担の軽減を図るということをする。その上で一連絡協議会の場で具体的な施策の適用について、もちろん毎年毎年の予算の制約というものはあるわけでございますが、その中で具体的にどのようなことでお互いの各省の施策を組み合わせてやっていけるのかというようなことを協議をする、こんなことを想定をいたしております。  さらに、都道府県レベルにおいても、お説のとおり関係部局が複数にまたがることが想定されるわけでございますので、その意味で、地方のレベルにおいてもそうした関係部局の連携あるいは支援の総合的な適用というような各種の点につきまして連携がとられますよう、私どもとしても自治体に対してお願いをし、働きかけをしていきたい、このように考えておるわけでございます。
  122. 井上義久

    ○井上(義)委員 これは連絡協議会が設置をされるということですけれども、常設の事務局みたいなものはできるのかどうかというのが一つ。それから、今のお話で、窓口はどこでもいいですよ、出してください、連絡協議会でタイムスケジュールも含めて調整しますよいうお話だったのですけれども、メニューごとに市町村の担当者がそれぞれの担当課をともかく毎年回らなければいけない、こういうようなことは最低ない、こういうふうに理解していいですか。
  123. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 そのようなことを可能な限り避けるために、窓口の一元化を図り、調整の仕事をしていきたいと考えておるわけでございます。
  124. 井上義久

    ○井上(義)委員 窓口の一元化というのは、ではどこに出せばいいのですか。
  125. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 詳細につきましてはなおこれから建設省さんあるいは自治省さんと御相談をすべき点が残っておりますけれども、今、私どもの現段階におきましては、いずれの省にお出しをいただきましても、それを国に対する基本計画の写しの送付として受けとめまして、関係省庁が施策の事業の内容を見ればわかりますので、その点について関係省庁に対してもその写しを送付して御連絡をする、情報を共有するというようなことで対応したいと考えておるわけでございます。
  126. 井上義久

    ○井上(義)委員 どこの窓口に出されても一元化してやりますよと。それでは、市町村はどこの窓口に出せばいいのですか。これははっきり決めてもらいたいですね。
  127. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 その点につきましては、既にこれまでこの中心市街地活性化のための施策の検討をしてきました、それぞれの役所におきます取りまとめをしているような部局がございますので、最終的にはもう少し、今まだ確定をしておるという状況ではございませんけれども、自然に考えまして、これまでこの施策を検討してきましたそれぞれの省庁の窓口か、あるいは省の中で総括を担当してきた窓口がございますので、そういうものを明確に一般にお示しをすることによりまして、窓口をはっきりさせたいと考えます。
  128. 井上義久

    ○井上(義)委員 大きな省庁三つあるのだと思うのですけれども、それぞれの省庁のどこでもいいですよと。市町村は困るのですよね、通産省に出していいのか、建設省に出していいのか、自治省に出していいのか。だから、通産省に出しなさい、建設省のここに出しなさい、そうしたら、これはもう協議会ですよ、あるいはこの協議会に常設の事務局をつくる、そこが窓口ですよ、こういうふうにはっきりしてもらわなかったら、これはできないですよ。大臣、ちょっとしっかりと答えてください。
  129. 堀内光雄

    堀内国務大臣 確かに委員のおっしゃるとおりでございますが、これを最終的には窓口を一本化といいますか、取りまとめをするところがしつかり担当しないと、三千からの市町村から出てくるものでありますので、そういう問題を、今のところはそれぞれの主体とするメニューに従ってそのメニューを所管する省庁に出してきて、それを連絡協議会において協議をするということになっておりますから、出てくるところ自体は、やはりそれぞれの特色あるメニューがございますので、駐車場の場合でしたら建設省ということになってくると思いますが、それを取りまとめをして総括的に運営をできるようなものを考えていくようにしないと、御迷惑をかけることになるのではないかというふうな危惧を持っておりますので、その点についてはよく関係省庁大臣とも相談をしてまいりたいと考えております。
  130. 井上義久

    ○井上(義)委員 どうも余りはっきりしないので、非常に危惧を持ちます。我々も、地方自治体、県に対しても、窓口一本化するようにということでお願いをして、県は比較的そういう形で対応してくれていると思いますけれども省庁が、国の方が、今おっしゃったようにそれぞれ特色のあるメニューだと。それで、これはやはりそれぞれメニューごとに回るのですかという話になるのですね。そうすると、さっき言ったように、採択される、タイムラグが出てくる。そうすると、それでは何のために一体化して整備をやろうと言っているのですか、こういう話になるのですね。そこのところをもう少し明快に方向性を示してください。
  131. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先ほども答弁のときに申し上げましたように、私もリーダーシップをもって取り組みますと申し上げているのはその点のことでございまして、まだ取りまとめはいたしておりませんが、私がしっかりやってまいりたいと思っております。
  132. 井上義久

    ○井上(義)委員 建設大臣、このことどうですか。
  133. 瓦力

    瓦国務大臣 委員指摘のことがそれぞれの自治体にとりましては目下のところ一番頭が痛い心配事であろうと思うわけでありまして、三省がこれから十一省庁と連絡協議会をつくるわけでございますが、通産、建設、自治三省を中心として窓口を一元化して相談等を実施してまいる、このスキームはできたわけでございますが、過大な負担を地方自治体にかけてはいけませんので、今委員指摘のことを踏まえまして、三省で鋭意検討して、どの方が親切か、マスタープランを町村がつくるわけですから、おのずから、恐らくこれは建設省だな、これは通産省だな、自治省にこういうことをお願いしなきゃならぬなということは、担当はこれから勉強もしてもらわなきゃなりませんが、でき上がってくると思うわけでございます。それを過重な負担をかけてはいけませんので、今委員指摘のとおり、三省で窓口に親切にまとめ上げられるように、その機構をしかとつくるようなことは指示をしてまいりたいと思います。
  134. 井上義久

    ○井上(義)委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。町は一つですから、中心市街地一つですから、そこに合わせて行政がとり行われるようにしませんと、これは行政に対する信頼がなくなりますから。  本来であれば、そういうことを避けるためには、さまざまなメニューがあります、それを例えば地方交付税のような形で県に一括交付をする、そして県の主体性でそれぞれの市町村のメニューに合った仕事をする。地方分権というのは、本来そういう施策が一番、もし、それができないのだったら、やはりそこにいくべきなんですね。そう思うのですけれども、この辺については大臣どうですか。
  135. 堀内光雄

    堀内国務大臣 委員の御意見をよく前向きにしっかり受けとめまして、御期待にこたえられるように努力をしてまいりますので、時間はかしていただきたいと存じます。
  136. 井上義久

    ○井上(義)委員 それで、今回のスキームは市町村基本計画をつくってイニシアチブをとるということになるわけですけれども、その実行主体、これが市町村であり、それからTMOであり、中心市街地整備機構、この三つが事業主体になって市町村のイニシアチブで事業を実行していく、こういう仕組みなんだろう、こう思うわけです。  これも今のことと関係するのですけれども、どうもTMOはソフト面かな、これは通産省の所管で、それから中心市街地整備機構、これはどちらかというとハード面で、これはどうも建設なのかなと。そうすると、現場の実行主体も、市町村、自治省、それからTMO、通産省、中心市街地整備機構、建設省というような形で分化された形にどうもなってしまっているのじゃないか。  これは、アメリカのダウンタウンマネジメントの推進主体であるDID、これを参考にこのTMOというのは考えられている、こういうふうに聞いているのですけれども、アメリカのDIDの場合は、準政府機関として、商店振興とともに都市基盤整備に大きな権限を有し、市街地活性化に大きな役割を果たしている、この三つが一体になったような形がDIDなんですね。  そういうことを考えると、どうもさっき言ったようなこれまでの三省庁の経緯からこういうスキームができ上がったのじゃないかというふうに予想はするのですけれども、果たしてこれで本当にできるのかな、こういう形で、これがこれまでの空洞化に本当に歯どめをかけて、活力のあるような、そういう中心市街地ができるのかなということを考えると、極めて心配です。とりあえずこれでスタートするわけですから、逆に今度は、法律施行後、施策のメニューも含めて、実行主体も含めてやはり相当なフォローアップをしていかないと、結局また、何十年もやったけれども市街地空洞化がとまらなかったということになりかねない、こう思うのですけれども、これについてどうでしょうか。
  137. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 今回の対策は、町づくり商業活性化というのが一体となって行われるということでございまして、商業関係を商工会あるいは商工会議所、または第三セクターが母体となりますタウンマネジメント機関が実施をする、これは当然、市町村の指揮監督のもとに行うわけでございます。  まず、市町村基本計画というのをつくるわけでございますが、その中で、TMO事業を実施すべき商業の集積の範囲とか基本的な事項を定めるということになっているわけでございます。それを踏まえてTMOが、基本計画で指定された商店街等の活性化のための全体計画として、中小小売商業高度化事業構想、これを策定しまして、市町村の認定を受けて事業を実施するということになるわけでございます。さらに、その具体的な事業については、また国等の認定も受けるという形になっているわけでございます。  いずれにしましても、この三者が一体となって機能をしなければいけないということでございます。これらはいずれも市町村と密接な連携のもとに事業推進するということでございますので、その過程で十分なフォローアップを図られるものと考えているわけでございます。
  138. 井上義久

    ○井上(義)委員 これは本当はもうちょっと詰めたかったのですけれども、時間がありませんので。  大店法廃止との絡みで、建設大臣にはこれまで何回もお伺いしましたので、通産大臣のお考えをお伺いしたいのです。  いわゆる大店郊外立地、これが市街地空洞化一つの大きな要因になっているわけですけれども、今回大店法が廃止になって、立地法都市計画法というスキームで大型店に対応する新しい仕組みが今度できるわけです。それで、このことに関連して、いわゆる農業地域とか白地の地域等への大型店の出店が懸念されているわけでありまして、本法律で用意されている各省庁の多様な中心市街地活性化施策、予算措置も、郊外への商業集積が無差別に行われますと、その効果は台なしになってしまうわけでございます。郊外商業集積も住民のニーズによって成立していることを考えますと、一方的にだめだ、こういうわけにはいかないわけでございまして、バランスを考えながら的確な町づくりをしていく必要があると思うわけです。  これは最終的に都市計画の主体である市町村判断すべきことだと思うのですけれども、これも都市計画法なり立地法でこれからその配置ということを考えていかなければいけない、可能な限りこのスキームでやっていかなければいけない、こう思うのですけれども、今度新しいこの中心市街地活性化という大変な予算を伴う法律をお出しになって、大店郊外立地ということが無差別に進んでいくと、せっかく出したこの法律、かけたお金もむだになってしまう。このことについて、特にこの郊外立地ということについて通産大臣の所見を承って、終わりにしたいと思います。
  139. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 御指摘のとおり、中心市街地活性化対策を進めるというお立場に立たれたときに、郊外出店の問題が論点になるということは十分承知をいたしております。  この点につきまして、私ども今回一連の法律、三本の法律、法的な措置について国会で御審議をお願いいたしておるわけでございますが、一方で、中心市街地活性化対策を講じられるときに、町全体としてのあり方ということの意味合いにおきまして、今回都市計画法の改正についてもお願いをいたしておるわけでございますけれども、そこの改正というような事項も含めた土地利用規制と申しますか、ゾーニングの規制の手法によりまして一そういうものをむしろこれから町の全体のあり方の問題として議論をしていただき、その中における中心市街地のあり方、あるいはそれをどのような町の顔として育てていくかというようなことで、ゾーニング手法と中心市街地の施策のうまい組み合わせというようなことで、もちろん最終的に言えば、これはともに市町村の御判断でございますけれども、そういう市町村それぞれの意思を反映していただくという政策的枠組みを提案させていただいているというふうに心得ておるわけでございます。
  140. 井上義久

    ○井上(義)委員 以上で終わります。
  141. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、太田昭宏君。
  142. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 新党平和の太田昭宏です。  まず、通産に一問だけお聞きします。  立地法で勧告、公表でいいのか。命令までやらないと、反対を押し切って安売りをしてしまう、逆に人気を博するというような情けない現実も私はあろうかと思います。午前中の審議でも今までの審議でもこの点は何度も出ていることなんですが、改めてこの辺についてちょっと詰めたいので、お聞きしたいと思います。
  143. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 御指摘のとおり、今回は大店立地法の中で勧告、公表という仕組みを御提案しているわけでございます。  これに当たりましては私どももいろいろと検討をしたわけでございますが、まずは、小売業が地域密着産業であるという意味合いにおきまして、この勧告にしろ公表にしろ、地元の住民の人たちの意見を踏まえ地元の首長さんから出た意見に対して、これに従わないということが、この小売業という業種と申しましょうか、事業にとってかなり問題を残すことであることは明らかでありますので、その意味において相当程度の実効性を持つものではないかというふうに考えたわけでございます。  同時に、実は大店立地法におきましては、大店立地法そのものが交通渋滞とか騒音とか廃棄物とかというようなもろもろの環境問題というものに対応をするということでございますが、このそれぞれの分野については、もろもろカバレッジは違いますけれども既存の法令があるわけでございます。そういったもろもろの規制にある種上乗せ的に規制をかける、つまり地域の実情に即しながら規制をかけるということになっておるわけでございます。  その意味におきましては、相当程度幅広い事項について、かつ出店の態様もさまざまでございましょうし、その出店をする場所の周辺の事情というのもさまざまであろうということを想定いたしておりまして、そうなりますと、環境問題への対応と申しましても、そのケース、ケースによりまして相当柔軟な対応が可能になっていないと現実的な対応にはならない可能性がある。それを地域で御判断をいただくような仕組みを提示することが必要ではないか、このように考えたわけでございます。  私どもも、現行の大店法がまさに命令という体系を持っていることももちろん十分承知をいたしておるわけでございまして、この提案に当たりまして、しからば大店法のように命令というような形をとることについてどうかということは検討をしたわけでございますが、命令ということになりますれば、当然罰則によって担保をするということが必要になる。命令、罰則という仕組みをとりますと、いずれにしても、刑事罰というようなものに該当するということになりますと、地域によって刑事罰の対象になるものとならないものというふうに幅が余りにも大きくなってはいけないという問題はあるわけでございます。  そうなりますと、地域によって柔軟な幅がとり得ないということになりますと、それなりの命令を発するときの要件というものは厳格なものにする必要がある。そのことは、ひいてはもろもろの議論をする対象事項について、あるいは選ぶべき対応策についてかなり地域における判断の幅の狭いものになりはしないか、このように考えまして、むしろ勧告、公表ということで相当程度の効果が期待できるのであれば、幅広い事項について地域に柔軟な対応ができるような仕組みを御提案する方がいいのではないかということで今日に至っておるわけでございます。     〔斉藤委員長退席、岸田委員長代理着席〕
  144. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 まさに今までの、大型店が出店をする、そこで問題になっているのはかなりあるわけですね。非常にお行儀が悪いというか、姿勢が悪い。幾ら地元が言っても朝まで電気がごうごうとしていて対応がされない、中身もどうも違うようだ、一つ一つのそういう事例があって、そこでこのことが繰り返し繰り返し質問の中で出たりして心配をされている。今のような御答弁で、私はその柔軟という言葉自体が、柔軟な対応の柔軟という言葉は、幅があってということは、ある意味では抜け穴ができるようなこともありますから、この柔軟ということが柳のような、ある意味では非常に柔構造的な、力強いという、強いという意味ならいいですよ。そこで何かの規制というものがされなければ現実に起き得るという可能性が余りにも多いから、多くの人が非常に心配をしている。  私は、ここは今おっしゃったように、現行大店法が経済規制でありながら罰則が用意されている、ここを踏まえながらやる必要があると思うのです。そういう意味では、勧告、そして公表、それはそれでいいかもしれないけれども、私はそれに追加する、あるいは上乗せする、一つの提案ですよ、二段階というようなことがあり得ないのか。勧告、公表ということが一方では基本であってもいいかもしれない。しかし、特にそれを破っていく、あるいは行儀が悪い、そういうところには、これは明確に既存法律では足りないところがありますから、そういう点では、命令、罰則という二段階構えというような法体系は果たしてできないかという工夫をしてください。どうですか。
  145. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 先ほどからも御説明申し上げましたように、そこの点については私ども検討させていただいたわけでございますが、命令、罰則という体系をとりましたときの、やや扱いづらさと申しましょうか、そういう点を考えまして、大店法の場合には、調整項目が比較的数量化をできる項目によって、閉店時刻がどうだ、面積がどうだというようなことになっておる関係で、比較的、客観性と申しましょうか、わかりやすさと申しましょうか、あるわけでございますが、においが耐えられないとか、交通の、車の通りが激しいとかということの、忍耐とでも申しましょうか、その限度というようなものについてはなかなか数量化しにくい部分がございます。  その意味において、大店法でとっていた仕組みをそのままと申しましょうか、今の勧告、公表あるいは命令というような体系の部分のことでございますけれども、そういうものを取り入れるというのは、調整の対象の広さ、あるいは、今柔軟さについてはおしかりを受けたのかもしれませんが、地域の事情に応じた対応と申しますか、そういうことを達成するためにはむしろこの方がよいのではないかということで御提案をしているということでございます。
  146. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 私は、もう一歩工夫をしたらどうですか、例えば二段階ということがあるのではないかということなんですよ。それを、検討しました、ありません、そこでガードしているというのではなくて、一番そこをみんなが心配しているわけですから、少し勉強を、ここで知恵を出す、ゴールデンウイークもあることだし、しっかり知恵を出して、これはいつ採決になるかわからないけれども、それまでにもう一歩、きょうは大勢の方たちが傍聴に来ていますよ。ここが一つの焦点ですよ。ゴールデンウイークによく考えて、もう一遍、一工夫、知恵を出すという工夫をしてください。どうですか。
  147. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 おしかりを受けるかもしれませんが、ゴールデンウイークがございますので、考えさせてはいただきます。知恵が出ますかどうかはわかりませんけれども、よく考えさせていただきたいと思います。
  148. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 建設大臣がせっかく来られていらっしゃるのでお聞きをしますが、結局、国土をどう利用するかという全体系の問題が一つ大事な問題と思うのですね。町づくりをその方向に大きく転じていく。  そうしますと、農水省の管轄というのがある、そして建設省の管轄がある、そこに一つの流通という側面で通産省が行く。これが、農水と建設とそして通産というものがばらばらで、どうもそこにすき間があるというところが、今回の非常に大きな問題であろうというふうに私は思っているわけですね。  そこで、都市計画法の第十八条二による基本方針、マスタープランというのがありますね。このマスタープランをつくっていく。そのマスタープランという以上に、三千三百市町村都市計画地域を持っているのが千九百八十七ですか、全部というわけじゃない。しかも十八条二というのは、これは九二年改正ですか、そのときにやりましょう、こう出た。ところが、聞きますと、このマスタープランが二百八十六しかできていない。  私は、国土をこうしましょう、農水は農水でこういうふうにしますよ、それも同じ町づくりという方向に進みなさい、そして、そういう意味では、この都計法の十八条二という、ここのところのマスタープランをつくるかどうかということが非常に大事なんですが、なぜ、都市計画区域、マスタープランができていないのか、お聞きしたいと思います。
  149. 木下博夫

    木下政府委員 お答えします。  今先生からお話がございましたように、全国の三千三百近い市町村の中で、都市計画区域を引いておりますのが二千二十五ございまして、実際には、ことしの早々でございますが、私の方で調べましたところ、策定済みは、おっしゃるように二百八十六でございますが、ただ、仕込み中、いわば策定中が約八百四十五ございまして、これを合わせますと、半分を超える次第でございます。  ただ、策定中につきましても、いつできるかというめどをはっきり立てるわけでございますが、今までこのマスタープランがいささか策定がおくれておりましたのは、どうも、それぞれのアンケートの結果を見てまいりますと、もっと基本になる例えば県計画との関係とか、あるいは、平成八年でございますか、決めるように言われておりました新しい十二の用途地域の作業等々ございました。  ただ、それは、決して言いわけで申しておるわけではなくて、そういうものも含めながら新しいマスタープランをつくろうという意欲に燃えている市町村がかなり多いということが、この八百を上回る数字になってあらわれていると思いますから、私たちは、さらにここの関係市町村に早急にマスタープランをつくるように支援をさせていただきたいと思っております。  それぞれは相当気合いを持って計画策定に今励んでおるということを、ことし早々のアンケート調査でも出ております。
  150. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 支援をさせていただきたいという、これは間違いなく具体的に支援をするのですね。イエス、ノーで答えてください。
  151. 木下博夫

    木下政府委員 国がいろいろいたずらに手を出すことはよくないと思いますが、先生おっしゃられた趣旨での手をかすというのは私も同じだと思いますが、支援をさせていただきたいと思っております。
  152. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 マスタープランの問題だけではないのですけれども、県かあるいは市町村か。  ところが、町づくりというのは、私は愛知県の東三河というところの、豊橋からさらに入った新城市というところで生まれました。人口が昔も今も約三万です。豊橋市というところは大体三十万ぐらいの新幹線もとまる都市です。今私は東京に住んでいます。東京で町づくりというものは、これまた独特の考え方になる。豊橋市というのは、例えば自分が市長だったらこういう町をつくりたいなというイメージはわきますね。ところが、豊橋市に大勢の人が通っているというような、新城市という三万ぐらいの私の生まれたところで、独自でそこで町づくりを展開しよう、あるいはマスタープランだといっても、私は、むしろここは、豊橋ゾーンというか東三河ゾーンといいますか、そういうある意味での広がりというものの中の町づくり概念というものが非常に必要な気がしてならないわけです。  そういうような、いわゆる地域地域産業というような膨らみのあるマスタープランというようなものが、今の日本の中に果たしてどういう形で展開されようとしているのか。建設省はそのあたりを、マスタープランと国土利用計画と、私の言った商圏といいますかゾーンといいますか、そういうものとの関係性というものについて、どういうように考えるか。  それは、一つ判断として最後の段階で市町村が決める、県が決めるということなんですが、もう一つ私は、そこのゾーンといいますか、そういうくくり方について研究がされているかどうかということをお聞きしたいのですが、いかがですか。
  153. 木下博夫

    木下政府委員 先般策定されました新しい全総計画でもいろいろ国土全体のビジョンは出されておりますが、先生おっしゃられたように、私は大胆に申し上げると二つのタイプがあろうかと思います。  一つは、かねてより言われております、首都圏とか京阪神のように大きな都市圏、これは都市そのものが行政区域的にも連携して一体的な都市圏をつくっているところだと思いますし、先生お話の出た豊橋等々につきましては、確かに市域的にはつながっていると思いますが、人の住まい方等を考えますと、コアになる市町村がございまして、その周辺にある程度の規模は持っておりますが、いささか都市規模としては小さなものが点在するということでありましょうが、後者のケースの場合は、それぞれの核になる都市との関係は密接でございますけれども一つのゾーンという表現をお使いになりましたけれども、密接な関係は持ちつつも、圏域的には多少その間にすき間もある、空間もあるのじゃなかろうかと思います。  ただ、これからの町づくりをしていく意味では、確かにマスタープランを各市町村につくらせようと思いますが、中身においては、今先生の御指摘のあったところ、十分我々も参考にさせていただきたいわけでございますが、都市規模によって、あるいは都市の連携している形態によって、いささかそのマスタープランに記述する中身も異なってこようと思いますから、そのあたりの差異を十分認識した上でマスタープランをつくることが肝要ではなかろうかと思います。
  154. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 あとわずかになってしまったので、急いでしゃべりますので、急いで答えてください。  田んぼに大規模店が出ます、これが非常に心配です、こう言います。この数値を明確に、イメージ化するために教えてください。  都市計画区域内の用途地域に千平米以上の大規模店が現在幾つあるか、市街化調整区域に幾つあるか、白地地域に幾つあるか、都市計画区域外に幾つあるか、これについて端的にお答えください。
  155. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 お答え申し上げます。  手元の資料は先生御趣旨のとは若干ずれるかもしれませんで御容赦いただきたいのでございますが、平成八年一月から十二月までの、現行大店法第三条に基づきます新規出店の届け出というベースで調査を行いましたところ、これは区域間の重複といいますか、またがっているのがございますので若干ダブりがございますが、都市計画区域内における市街化区域が八五%でございます。以下、市街化調整区域が三%、白地地域が一二%、都市計画区域外が七%でございます。  このベースでの調査は、平成元年以降、三年、五年とございますけれども、おおむね今のようなバランスになっております。
  156. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 日本の用途地域の決め方、それから用途地域の中の内容、これが容積率が幾つもあったり、やはり欧米に比べて甘さがあるということはよく指摘されるわけですね。住宅商店、オフィスを相互に排他的に扱っていないので、住居地域の一部のみ商店はだめだが、商業地域には住宅はよい、こういうような決め方になっているとか、用途地域自体の規制の甘さが私はあると思うのです。  ところが、今回の都市計画法の改正というのは、大店法が廃止されるという立場から見ますと、用途地域自体の規制の甘さというものについては手が入っていない。特別用途地区の弾力化ということでまず第一段階に入っている。私は、大臣、これは第一段階だ、町づくりということでいうならば本来もっと都市計画法の改正の中でいっぱいやりたいことがあるはずで、特に用途地域の甘さということについて、私は第二弾、第三弾と一都市計画法というのは、これから我々の立場からいうと二年時間があるわけですから、そういう間でも改正という方向にさまざまいろいろ考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
  157. 木下博夫

    木下政府委員 先生のおっしゃられた、用途についての純化、これは一つのお考えだと私も十分傾聴させていただきますが、日本状態を申し上げますと、かなり先に都市ができていたところにいささかこの都市計画制度の純化の難しさがございます。  現在の考え方は、先般、八用途を十二用途、特に住宅系を中心として用途地域をふやしましたが、それの補完として特別用途をやっておりまして、十分御承知だと思いますが、今回のいわば都市計画改正は、そういう意味では制度そのものの弾力化でありますけれども、そこによる規制というのは、特別用途地区によってよりめり張りがきく、しかもそれが公共団体のいわば町づくりとしての姿勢が十分あらわしやすい手法ではなかろうか、こう思っております。
  158. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 具体的には、昨今の特徴として、工場が移転をします、その跡地に、まさにこれは工業地域、準工業地域なんですけれども、そこの工場が移転した跡地のところに大型店が進出するということは、都市計画法上から考えますと、工業地域商業地域が非常に思想的には混乱するという形で町づくりが展開されると思いますが、いかがですか。これをどう防ぐかという観点お答えください。
  159. 木下博夫

    木下政府委員 確かに都市は大変ダイナミックに動いておりますから、先生おっしゃられたようなことで、用途が経済的な変動の中で直ちに対応する形がいいかどうかということはございます。  ただ、おっしゃられたように、用途地域にしても特別用途にしても、これは固定化しているわけでございませんので、今この状態で、私たちは新しい都市のあり方というものを議論しておりますから、ここでしっかりとした方向づけをしたならば、その方向づけに沿った形で、各公共団体ができるだけきめ細かく、工業地域にしてもそうでございますけれども、実態に即した形でこれからの色塗りというものを、特別用途地区の補完制度も含めてございますが、実施していかなければならないと思います。状況において、御指摘のあったような事例をベースにして直ちに色塗りをというのは、これは公共団体がいろいろ対応策としてお考えになることだと思いますが、手法として、もう少し時間をいただいて検討さしていただきたいと思います。
  160. 太田昭宏

    ○太田(昭)委員 終わります。
  161. 岸田文雄

    ○岸田委員長代理 次に、中野清君。
  162. 中野清

    ○中野(清)委員 平和・改革の中野清でございます。  中心市街地活性化法案と、これに関する二法案について質問します。  第一に、私は過日、本会議におきまして、これら三法案につきまして総理及び通産、建設大臣質問さしていただきましたが、その中で、今日まで、都市政策の理念の欠如によりまして、本来市民生活や交流の拠点であった中心商店街の衰退を招いたことが中心市街地空洞化の大きな原因であり、商店街を地域商業の共有財産と考え、その永続性を図っていく、コミュニティーの復活、商店街の再生こそが今後の中心市街地活性化の有力なかぎであるという認識が、総理初め通産、建設両大臣の共通の認識と理解していいかどうか、まず両大臣に確認したいと思います。簡単で、一言で結構でございますから、お願いします。
  163. 瓦力

    瓦国務大臣 中野委員の御指摘のように、これからの町づくりにつきましては、バランスのとれた中心市街地、そしてそこに人が住み、また交流をする、そういう中で商店街の活性化を実現していく、こういう中でとらえておるわけでございまして、地域の自主的な意見を、考え方を大いに尊重してまいる、この方針でございますので、委員の御指摘方向は同じでございます。
  164. 堀内光雄

    堀内国務大臣 委員の御指摘のとおり、地域商店街というのは、まず第一に地域密着型でありまして、密着性を生かしながら消費者ニーズに対応してきめ細かなサービスを行っていくという役割を果たしております。また二番目としては、地域文化の保存だとか伝承だとか、こういうものを通じて、町の顔の担い手と申しますか、そういう役割をまた果たしております。三番目には、特にこれは高齢化社会に向かいまして、高齢者などの交通弱者、こういう方々にとっては貴重な身近な購買機会を提供する役割というものを果たしていただいているわけでありまして、こういう意味合いで地域社会にとって大変重要な役割を担っていただいているのが商店街であると思っております。  今回の一連の法律では、各地方自治体において検討される地域町づくり計画に基づいた中心市街地商店街の構造改革の努力、こういうものを支援をしていきたいということと、大型店の適正立地周辺生活環境を保持する、こういうもう一つの目的、こういう二つの制度整備を行ってまいりたいということを考えているわけでありまして、こういうものを通じて、中心市街地商店街が一体となって地域のニーズにこたえられる、質の高い購買機会を提供できるようにしたいということを考えているところでございます。
  165. 中野清

    ○中野(清)委員 私は、大店法廃止後のスキームについて特に中小商業者の立場で質問してきましたけれども、いたずらに既存の大型店の立場や中小商業の既得権のみの保護を主張して言うわけじゃありません。効率のよい、活力のある新しい力やシステムを抑圧することを考えているのではありませんから、そういう意味では競争をすべて否定しているわけじゃないわけであります。  しかし、弱肉強食の世界をこのままで認めていいだろうか、そういう点から考えますと、もう一つ方向が出てくるはずであります。不当な競争による投下資本のむだ遣いは国にとっても問題のはずでありまして、その意味で、今までのような力の論理による郊外への無計画な大型店の出店というものは、新たな視点から考え直す必要があると思います。  そう考えますと、かつて三回にわたります大店法の緩和、これは皆さんの主張に反しまして、大型店の中心部からの撤退、郊外進出と中心市街地の衰退を招いた、そういう反省がありますから、第一に、大型店適正立地のあり方、第二は、中心市街地における地域の中小商店商店街の大型店との共生について、もっと前面に出して、強調する必要があると思いますけれども、この点をまずお伺いしておきます。簡単にひとつお願いします。
  166. 堀内光雄

    堀内国務大臣 委員の御指摘のとおり、今までの大規模店の郊外への進出というものが非常に商店街その他の空洞化を招いたということが確かに言える面もあると思います。また、それは一つ生活スタイルの変化だとか、あるいはモータリゼーションの問題だとか、いろいろな環境の変化があったということは確かでありますけれども、そういう形において中心市街地のようなものが衰亡してきたということは、確かに否めない事実だというふうに思います。  そういう意味で、今度の中心市街地商業活性化のためには、消費者の多様なニーズにこたえるという観点から、多様な規模だとか業種だとか業態の店舗、こういうものをひとつ大いに大事にしながら、コミュニティー施設などの計画的な配置をしたり、新しい意味での商店街の整備を図っていくようなことが重要であるというふうに考えております、御指摘のように、専門性の高い中小小売店と大型店というものが共生することができるような集積を形成することが必要であるというふうに思っておりまして、両面の商業集積を全体として魅力を高めていくようにして、集客力の向上を図ることが有意義だというふうに思っております。  そういうために、市町村などが地元におけるコンセンサスを得て作成をする基本計画に基づいて行われる中核店舗の誘致などの、大型店を含むものでありますが、そういう問題と、商店街の面的な整備について補助を行ったり、無利子融資を行ったり、税制の優遇措置を行ったりしながら、積極的な支援策を講じて共生が図れるような対策を取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
  167. 中野清

    ○中野(清)委員 今、大分御答弁いただきましたから、私が今聞こうとすることも大分お答えいただきました。  ですから、もう一回お伺いしますと、第一に、中心市街地活性化として都市整備商業機能活性化中心事業として、国は補助、税制、融資など、そういう意味ではサポーター的な役割をさらに徹してやるべきだと思いますが、伺いたいと思います。  それから、今、多少大臣も触れていただきましたけれども、現状で、この大型店の問題をこのままでいいというだけでは、私は本当の意味での解決がないと思っています。そのためには、中心市街地に大型店が出店して一緒に共生できるような何らかのインセンティブが私は必要ではないだろうか。例えば道路とか区画整理とか駐車場とか人材育成とか税制とか、いろいろ付与する努力を私は国がすべきだと思っております。その結果として、出店することが経済的に合うとわかれば、大型店は必ず自分の利益のためにも出店するわけですから、この点をお伺いしたい。  それから、三点目としましては、今まで市役所までも郊外へ行ってしまった、そういうような状況の中で、町がにぎわい、中心部を魅力的にするには、公共施設文化交流施設、そういうものを積極的に誘導する必要があると考えておりますけれども、国はどう考えていらっしゃるか、この三点について簡単にお願いをいたしたいと思います。
  168. 古田肇

    ○古田(肇)政府委員 御質問のうち、特に大型店と中小店の中心市街地における共生、こういったものを可能にするためのインセンティブがどんなものがあり得るかという点について、まずお答え申し上げたいと思います。  もちろん、この中心市街地活性化法は市町村のイニシアチブを尊重するわけでございますので、市町村基本計画にのっとってさまざまな面的な支援をしていくということであるわけでございますが、この考え方の基本は、個々の商店街、いわば点あるいは線に着目した対策から、中心市街地商業地全体を一体としてとらえる面的なアプローチへの転換でございますので、そういった全体の中で多様な店舗や施設の計画的な配置、整備を促すということが理想とされておるわけでございます。したがって、そういう中に当然大型店と中小店との共生という考え方も十分含み得るわけでございます。  具体的な支援策といたしましては、タウンマネジメント機関計画をつくりまして、それに基づいて行われます、大型店であれ中小店であれ、テナントの誘致にかかわる事業、あるいは共同店舗の設置にかかわる事業等々の施設整備事業につきまして、補助でありますとか、無利子融資でありますとか、税制措置でありますとか、積極的な支援策を講ずることとしておるわけでございます。  また、地域商業振興の核となるような大型店を地元のコンセンサスに基づきまして誘致をするような場合におきましては、その商業基盤施設の整備等に対しまして、例えば地域公団からの出資でありますとか、その他補助、無利子融資、税制措置等による支援を行うことにしておるわけでございます。
  169. 木下博夫

    木下政府委員 今の通産省のお答えに若干補足させていただきますが、恐らく先生がおっしゃられたのは、町々によって大型店舗と中小店舗とが共存するときに、例えば基盤整備、これは道路でありましょうし、公園でありましょうし、それから全体的な、やはり土地が非常に入り乱れておりますので、そういうところの権利関係も整理するような面的整備、具体的には土地区画整理あるいは再開発が有効であろうという御趣旨だと思います。私たちもぜひ今回の中心市街地についてはそれをやりたいと思っておりますし、それらの事業については補助制度も含めて拡充してまいりたい、こう考えております。
  170. 中野清

    ○中野(清)委員 この間、私は、砂町銀座と門前仲町と亀戸を同志の皆さんで見てきました。そうしましたら、後継者難とかいろいろ問題がありました。しかし、その中で、商店街の皆さんが、我々の先人は偉かった、大型店の反対運動のときに実は大型店を誘致して今日があるのだ、しかし価格競争を一生懸命やっていますよ、こう言ったときに、私は非常に感銘を受けました。今私が申し上げたことは、その商業者の心の観点をぜひ国でもってよくつかんでいただきたい。お願いをしたいと思います。  続きまして、これからちょっと大事なお話ですけれども中心市街地活性化について、市町村におけるマスタープランでの中心市街地の急激な不振防止をする措置としての商業集積のあるべき姿、これについてお伺いしたいと思うのです。  まず第一に、大と中の対立という古い観念だけで流通を見るのでなしに、大型店と地域の中小商店の調整について、国の考え方を整理する必要があるということが第一点であります。  全体のバランスといたしまして、産業配置とか商業配置をどう考えるべきか。特に地方自治体がマスタープランとか、もう少し具体的な形で用途規制を推進する中で、我が国商業集積を現在見ますと、我が都市ではこの程度でいい、こうすべきだという地方自治体としてのポリシーを持つことは、私は、グローバルスタンダードとしての、大型店に開発規制を課すところの欧米諸国の姿勢と同じじゃないかと考えますが、この点、どうだろうということをお伺いしたい。  特に、客観性を持たせた計画技術や社会的なコンセンサスを得ながら、都市ごとに厳しいゾーニングによる、商業だけでなく、他の工業、福祉を考慮に入れた土地利用計画制度を根本的に検討すべきじゃないか。お伺いしたいと思うのです。また、市町村都市計画基本計画におきましても、この土地利用計画についてはどのように対応するか、御説明を願いたい。これはすべて、先ほど来の特別用途地域、それからまた大型店の適正立地、いろいろな問題との関係がございますので、よろしくお願いいたします。
  171. 木下博夫

    木下政府委員 先生がおっしゃられました、各市町村それぞれ町づくりのポリシーを持つべきではなかろうか、まさにおっしゃるとおりでございます。  ただ、いささか、各公共団体の現在までの状況なり問題意識を考えますと、先ほども質問の中にありましたが、マスタープランの策定済みというのがまだ数としては決して多くございませんが、私は、こういう現在の状況などを勘案しますと、これから相当急激にそういう策定をされる市町村がふえてくる、またふえてくるように環境づくりをすべきであろうと思っております。  お話のございました点は、正直申し上げて、大変難しいお話だと思います。といいますのは、例えば、人口、産業それぞれにおきましての、将来を見越してでございますけれども、ある程度のボリュームをしっかり見定めるべきではなかろうかという御指摘でございます。  そういうものがなければ、やはり町の、市の将来像というのは出てこない。まさにそうでございます。そういう数量的なものに裏打ちされた計画づくりというのをこれから各公共団体に、目標としてはかなり高い目標であろうと思いますが、我々もいろいろサジェスチョンをしてまいりたいと思っております。計画としてはそういうものをベースにした策定をすることは、おっしゃるとおりではなかろうかと思っております。
  172. 中野清

    ○中野(清)委員 長期的な課題として、中心市街地活性化と大型店との共生というのは、インセンティブだけではなくて、都市計画のもとで強力な土地利用規制をつくって推進すべきだと私は考えているのです。そうしなければできないと思っています。  具体的に商業について言えば、大店法のように直接店舗面積を規制するのではなく、都市における必要な商業床面積のあるべき姿というものを検討して、強力なゾーニングで即地的に配分できないか。結果として、中長期的には総量規制的な考えを導入した強力な土地利用規制手法が必要ではないか。これは今すぐやれといってもなかなかできないと思いますけれども都市計画の上でこれから建設省がこの問題をやるには避けることができない、将来あるべき姿と考えますけれども、お伺いしたいと思います。
  173. 木下博夫

    木下政府委員 先ほどお話しいたしましたように、都市の全体がより的確に見通せる状況であれば、今おっしゃられましたようなことも含めてでありますが、私たちとしても、ぜひ手法論としてそういう先生の御提案を取り入れる方向でいきたいと思っております。  状況から申し上げますと、これは専門的なことで、先生に逆にお教えいただきたいわけでございますが、例えば業種、業態がかなり多様化しておりますし、消費者ニーズも変わってきておりますので、そういうものを単なるボリューム感だけでなかなか把握しにくいところ、分析しにくいところもあろうかと思っております。しかし、私どももやはりいい町をつくるためには、先ほどおっしゃった中小なりあるいは大型店舗、それぞれのよさというものをどうミックスしていくかという中では、今お話のありましたような数量等の把握も今後真摯に検討させていただきたい、こう思っております。
  174. 中野清

    ○中野(清)委員 今のことですけれども、マスタープランを活用するにしても、それからさっきも言いました特別用途地区の弾力化運用にしましても、今の全体的な発想がなければだめだということについては、ぜひ御理解願いたい。  実はアメリカで中心市街地の衰退、ダウンタウンの壊滅的な現状があったわけですけれども、これがよくなった。それについて、現実問題として需給の問題というものもやはりあったと思うのですよ。アメリカが実際にそういうことをやっているのに、日本はなぜ需給の問題の論議をしてはいけないのか。そろそろそういう論議があっていいのではないだろうかということでもってお伺いをしたいと思うのです。  特に、通産省がこの問題については非常に問題があると。例えば、今度の立地法の中でも十三条の中に「地域的な需給状況を勘案することなく、」というのをあえて入れました。だから、今回の法制について言うと、需給問題はタブーなんだということでございましょうが、私は、国際的な整合性といいましょうか、その範囲内においてこの議論はすべきだろう。  それからまた、例えば今まで大型店の場合に、五百平米の中で四百九十九という問題があったのは御承知のとおりです。しかし、そういうふうな話でなしに、もっと総量規制的な考え方も置かなければいけないのだろう。そういう点を考えますけれども、これについては、どうか通産大臣建設大臣の御所見をお伺いしたいと思うのです。
  175. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 お答えを申し上げます。  今回の政策転換につきましては、いろいろな切り口からの転換ということで御説明ができると思いますが、私どもは、一つの転換点は、政策の視点が産業サイドから住民の側に視点を移しているということであると思います。まさに、この中心市街地対策というのは、そこの住民、あるいは買い物という点からいえば消費者にとってどうかということでございます。  実は、今アメリカの例をお引きでございますので、私どもの理解するところを申し上げれば、まさにアメリカにおいて行われているゾーニングの手法と申しますのは、まず町はいかにあるべきやという議論があって、その上で、その町の機能にとって不可欠な、その中での小売業というものが議論をされておるということでございます。そのことの議論の発展は、業者を保護するしないの問題ではなくて、まさに町の中にある小売業の機能というものをどう育成するかという観点にあるわけでございまして、その意味では、いきなり需給問題といいましょうか、そういうことを議論するということではなくて、町のありようというものが議論される。まさに都市計画的と申しますか、ゾーニングの考え方とアプローチによっておる、こういうものではないかと思っておるわけでございます。  今回御提案申し上げております一連の法律改正と申しますか法律の制定、新法を含めてでございますが、私どももそうした考え方に沿った政策の展開をしていきたい、このように考えておるということでございます。
  176. 瓦力

    瓦国務大臣 せっかく委員の御質問の中で、私は、マスタープラン、都市をつくっていくために基本的にしかとした計画を立てておかなければならぬということは全くそのとおりでございまして、加えて申し上げれば、町づくりには私権に対しまして調整を要するような力も働くわけでございますから、地域のコンセンサスを十分に得る、そういった手法も極めて重要だと思っております。  主体的に地方自治体が地方の方々の意思としてマスタープランをしっかりつくり上げる、あるいは専門家の知識も要るでありましょうし、そういう主導的に動くということが今回欠くことのできないことでございまして、この考え方、都市政策のあり方は、これからも進めていく上におきまして極めて重要だと考えて、まさに委員指摘のとおりの考え方を持つものでございます。     〔岸田委員長代理退席、遠藤委員長着席〕
  177. 中野清

    ○中野(清)委員 これを最後にします。  今日の現状は、御承知のとおり大型店の相互の生存競争なんですよ。寡占化の進行の中でそれぞれが相手を倒すための、ある意味では恐竜の世界の論理だと私は言っておるのですけれども、そういうものがあります。  先ほど来、太田委員質問に対しましても、どちらかというと良識を考えた対策だと、通産省の考え方については私は思っておりますけれども、生き残るためには何でもやるという世界もあるのだということを十分御理解いただいて、慎重に、しかもそういうことを現実を踏まえてやっていただきたいことを要望いたして、私の質問を終わります。
  178. 遠藤乙彦

    遠藤委員長 次に、西川太一郎君。
  179. 西川太一郎

    西川(太)委員 私は自由党の西川太一郎でございます。限られた時間でございますので、早速質問に入らせていただきたいと存じます。  このたびこの法律案をセットで用意をされて、従前、大店と小売店というカードだけで処理をしようとしていた、それに新たな町づくりという、またはもっと大きな視点を組み込んで巨視的に物を見ていこうという姿勢は、大いに評価ができるというふうに個人的に思っております。  大げさに言えば、この問題は東西冷戦の終焉という大きな問題にまで波及するというふうに個人的には考えております。東側の二十億人を超える人たちが西側のマーケットに入ってきた。その結果、価格破壊の現象も起こり、またいろいろな問題が起こって、長引く不況の中でいろいろな、町の連檐が壊されたり無秩序な商業競争が行われたりということがほっておけなくなってきた。  昨年の夏、商工委員会で海外の中心市街地のあり方を視察する機会に私も恵まれまして、回ってまいりました。十五日間かけて、アメリカ、ヨーロッパ、非常に強行でございました。  しかし、そういうところを見て感じたことは、例えばアメリカのピッツバーグというペンシルベニア州のかつて一番公害がひどいと言われた鉄鋼の町が、カーネギー・メロン大学を中心にハイテクの町に生まれ変わって、そして中心市街地活性化が非常に進んでいるというのを目の当たりにしてまいりました。一例であります。また欧州では、アルト・ハイデルベルヒでおなじみのハイデルベルクの町が、いわゆる大学の町ではなくてハイテグの町に変わって、中心市街地活性化が精力的に進められているのも見てまいりました。  つまり、何を言いたいかというと、単に大店商店街というカードだけではもう処理できない、もっと大きな、例えば新規産業を起こして、それをその地区の地場産業にして、そして既成市街地郊外をどうバランスをとっていくか。既成市街地を育て、郊外の成長をどう管理していくか、抑制していくか、こういう問題も目の当たりにしてまいりました。そういう中で、この法律案を見てみますと、私は、大変難しい、しかし今やらなければならない、こういうことを感じるわけであります。  そこで、質問はかなり具体的になりますので、だれに伺うかは、私の方の希望は特に申しません。大臣お答えいただけるなら大臣にぜひお願いしたいし、政府の方なら政府の方で結構であります。  まず、第一問目でありますけれども、私は東京の二十三区の選出でありますが、今度の中心市街地活性化法の対象に、二年後からはおかげさまで自治法の一部改正によって基礎的自治体に二十三区はなるわけでありますけれども、それまでの間二十三区はこの対象になるのかどうか。これは今後の二十三区の基礎的自治体になるための産業政策としても大事でございますから、まず伺いたいと思います。
  180. 堀内光雄

    堀内国務大臣 お答え申し上げます。  今般の中心市街地活性化法案は、空洞化危機にあります中心市街地を有する、先生指摘の二十三区を含む市区町村を広く対象といたしているところでございます。  具体的には、小売商業者及び都市機能が集積をしている地域であって、空洞化が生じている、または生ずるおそれがある地域であって、そして、施策を講じることによって、周辺地域も含めて地域全体の発展に寄与する地域であるという条件を満たす中心市街地を示しておりまして、こういう地域を持っております場合には当然二十三区についても対象となりまして、区が中心となって計画を作成をしていただくということになってまいります。
  181. 西川太一郎

    西川(太)委員 そうなりますと、この二十三区内の市街地というのは、建物が連檐していてかなり広い地域になるわけでありますけれども、こういう広大なエリアをどういうふうに区域を設定していくのか、これはちょっと具体的なことですから、商務流通審議官、お願いします。
  182. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 中心市街地の定義についてはただいま大臣から御答弁申し上げたとおりですが、そうした前提のもとで中心市街地の区域の設定という問題になりますると、連檐状況ということだけで決まるものではなくて、小売商業者の集積状況でございますとか、各種の都市機能の集積というところから、それぞれの区の、特別区の中心としての役割を果たしている区域であるかどうかということで判断されることでございまして、その判断基本的にはその区域設定を行う自治体の自主的な判断が尊重される、私どもはこのように考えておるわけでございます。
  183. 西川太一郎

    西川(太)委員 時間の関係で次に移りたいと思います。  最近、私の中心的な出身地、荒川区というところですけれども、荒川区方式というのがつい数日前も民主党の渡辺委員質問の中で出されました。それはそれでいいのですけれども、ずっと見ておりますと、廃業した工場とかそんなに需要のない駐車場とか、そういうところに、大型店舗がすき間にすっと入り込んでくるのですね。  これは私は、整備改善中心市街地が行っていく場合、土地だとか空きビルなどの不動産の流動化を上手に図らないと、ほったらかしにしておくと、無秩序に、そうした大規模店舗がそういうところにさっと入り込んでくる。ここのところが問題ではないかな、こう思っているのでございますけれども建設省の御見解を伺いたいと思います。
  184. 木下博夫

    木下政府委員 けさほどからのいろいろな議論の中でも、都心部における問題の中に、例えば人口の高齢化もございましょうが、今先生おっしゃられました不整形地あるいは低・未利用地が大変発生しているということが一つの大きな課題であるという御指摘をいただいております。  そういう意味では、私ども、今回の施策の中には街なか再生区画整理事業とか再開発事業の補助制度を充実させていただきまして、その中での、いわば今先生おっしゃられた土地の集約化あるいは権利移転の円滑化ということを図っておりまして、各公共団体を通じてでございますが、ぜひこの方策を御理解いただいて取り入れていただければと思っております。
  185. 西川太一郎

    西川(太)委員 非常に大事な点だというふうに思います。  そこで、次に、農水省の方お見えになっていると思いますが、中心市街地商店街がシャッター通り化してしまっている理由には、八百屋さんとか魚屋さん、肉屋さん、お米屋さん、そういう小売店、特に食品のお店が廃業に追い込まれているという事実がありますね。  こういうお店というのは、かつて私どもがマーケティングとかマーチャンダイジングとかという勉強をしたときに、最寄り品とか買い回り品とか専門品とかと分けて、身近な商店街というのは、最寄り品とか、せいぜい買い回り品を買いに行くところだ、こういうふうに何十年か前には勉強したのですよ。しかし、今だんだん変わってきました。  しかし、決定的なことは、こういう最寄り品を売る、特に食品を売るお店が中心市街地商店街から姿を消してしまっているのですね。これは私は、大変にぎわいをそぐという意味では、これに対して力を入れなければいけないと思いますが、農水省はどういう対策を今度の法律で講じようとしているのか、伺いたいと思います。
  186. 本田浩次

    ○本田政府委員 先生指摘のとおり、青果店、鮮魚店など地域に密着した食品小売店は、消費者の最も近くに位置して日々の食生活を支えるという役割を担っているわけでございます。これと同時に、八百屋さん、魚屋さんが活力のある商店街が活気がある。まさに、商店街のにぎわいの重要な要素でもございます。  しかしながら、近年は、後継者難でございますとか大型店との競争の激化などによりまして、食品専門小売店を取り巻く経営情勢は大変厳しさを増してございます。青果店、鮮魚店につきましては、平成九年の商業統計によりますと、平成六年に比べて約一三%その数が減少している、こういう状況にございます。  こうした中にありまして、地域における中小の食品小売業につきましては、地域密着型商業としての、まさに対面販売としての利点を発揮する。それから、青果、鮮魚など食品小売業間の交流、連携によりまして全体で活性化を図っていく。さらに、鮮度、品質、価格、サービスの面で大型店に負けない競争力の強化を図っていく、こういったことが重要であるというふうに考えております。  このために、私どもといたしましては、中小食品小売業の活性化推進するために、後継者の育成でございますとか経営の近代化、それから情報機器を活用いたしました共同受注宅配方式、これは電子御用聞き事業と言っておりますけれども、こういった事業の実験事業を行うなど、ソフト、ハード面での施策を実施しているところでございます。特に今回の中心市街地におきましては、町づくりと一体となりました食品小売店の集積を推進するための中心市街地食品流通円滑化事業を通じまして、地域消費者の利便確保に資しますと同時に、食品小売店の経営改善を図っていきたいと考えておるところでございます。
  187. 西川太一郎

    西川(太)委員 こういう人たち、非常に大事な機能を果たしているわけですから、ぜひ応援をしっかりやってあげていただきたいというふうにお願いをいたしておきたいと思います。  実は、先ほど申しましたとおり、商工委員会で欧米を視察した際に、遠藤建設委員長も御一緒でございましたけれども、どこでも感じたことは、交通の便が、アクセスが非常にいいのですね。  運輸省の方に伺いたいと思うのですけれども中心市街地に、東京でいえば都電のようなもの、それからシャトルバスのようなもの、こういうものがどんどん入り込んできている。もしくは、郊外型の大型店舗が駐車場を売り物にする、それに対抗して中心市街地地下に、ハイデルベルクなんか、よくあんな地下駐車場をつくったと思うけれども、非常にたくさんの収容能力のある駐車場が用意されている。  こういうことを一体どこかでやっていないかと思って、私、調べてみたら、吉祥寺とか武蔵野市でムーバスとか、要するにそういう名前でシャトルバスを用意しているのですね。これはアメリカでもデンバーなんかにもありますし、いろいろなところにあります。こういう仕組みを工夫したらどうなのかな。  私のところは、東京でたった一つ都電が残っているところなんですね。ところが、これは調べてみると、速度がどれくらいで走らなきゃいかぬとか、それから、乗り入れるには人ができるだけ線路に近寄れないような規制があったり、いろいろしているわけですね。これは何かいい方法がないのかな。  こういう面で、運輸省の働き場所というのは今度の法律で極めて大きいと思うのですが、ぜひひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  188. 土井勝二

    ○土井政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生が欧州の例なども挙げられまして、また日本で申しますと吉祥寺の例も挙げられました。  私ども運輸省といたしましても、この中心市街地活性化のために、その市街地を利用される方、商業の施設を利用する、あるいは遊びの施設を利用される方がいわば使いやすいような良質な交通体系の構築というのは、非常に大事なことではないかというふうに思っております。運輸省の関係では、鉄道とかバスなどの公共交通機関の利用者の利便の増進というのは、特に私どもとしては大事なことだというふうに思っております。  バスでございますが、ただいま先生も挙げられましたが、こういったムーバス、あるいはコミュニティーバスというのもこういう市街地で小回りがきいて大変便利なものでございますので、このようなバスにつきまして、私どもとして、この中心市街地活性化のために、この法案の中で道路運送法上の特例措置を設けて、そういうバスが設定しやすいようにするということを考えてございます。また、その他、こういったバスに対する一定の補助であるとか、あるいは開銀融資などの支援措置も考えてまいりたいということでございます。  また、路面電車の例もお挙げになったわけでございますが、いわゆるLRTと申しますか、使いやすい路面電車あるいは近代的な路面電車につきましても、一層利便的なものができるように必要な検討を行っておりまして、これらに必要な予算措置あるいは開銀融資等も活用して、一生懸命市街地の便利さの向上のために施策を講じてまいりたいと思います。
  189. 西川太一郎

    西川(太)委員 ぜひお願いをしたいと思います。  ライトレールトランジットというシステムは、欧米で非常に普及している。これはまねするわけじゃありませんけれども、もっと簡単にそういうものが導入できるような規制の緩和は必要だと思いますし、またシャトルバスも、電気自動車を将来普及できるように、環境面の配慮をする自治体には特別に路線の許可のボーナスを与えるとか、何かそういう工夫も今後進めていただきたい。これは要望でございます。申し上げておきたいと思います。  ところで、さっき大げさなことを言いましたけれども、結局は中心市街地郊外との、具体的にはVS状態になるわけでございます。  そこで通産省に伺うわけでありますけれども、では中心市街地商店街の、郊外のいわゆる大型ショッピングセンターに比べてすぐれている点、劣っている点、これは非常に大事なんですよ、それをどういうふうに通産省は見ておられるか。  今までこういうことは通産省は余り得意じゃなかったのです。通産省は、売れ筋情報を出したり、そういう全体的な支援をした、つまり建設省的な視点は今までの通産省には欠けていた。だから再三みんながそういう点で通産省を責めるわけですけれども、私は責める気はないのです。別にお世辞使うわけじゃないのです。ただ、非常にそういう町づくりの視点というのも大事なんです。そういう視点を育てていくためには、どこが長所でどこが短所かということを既成市街地の中の商店街についてわかっていなければいけないと思うのですよ。どうでしょうか。そう思いませんか。そこのところをちょっとお尋ねしたい。
  190. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 なかなか一概には申し上げられないかもしれませんけれども、私どもとしましては、中心市街地商店街というのは地域住民の身近な購買機会の提供者である、それから地域の伝統、文化の担い手でありまして、地域のコミュニティーの中心としての役割を果たしているという点ですぐれているのではないかと思っております。  ただ、中心市街地商店街は、自然発生的に形成されましたために、業種構成において偏りがあるなどによりまして、欲しいものをまとめて買いたいという消費者の声に必ずしも対応できていなかったり、駐車場の不備などによりましてモータリゼーションに対応できない場合があるというふうに考えております。  そこで、今回の中心市街地対策におきましては、中心市街地に設置されましたタウンマネージメント機関中心としまして、中心市街地商店街における業種構成や店舗配置、あるいは駐車場等の計画的、一体的な整備を図りまして、中心市街地商業地全体を魅力的な商業の集積として形成することとしまして、通産省としてはこうした取り組みに対していろいろ支援をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
  191. 西川太一郎

    西川(太)委員 そうすると、あなたのところはこういう点が欠けていますよ、または、こういう点をもっと育てて伸ばしたらいいんじゃないかというような地域の利用者の声、なかんずく都心部というのは少子・高齢化で高齢者が多いし、それから女性の声というか、そういうものをきちっとフォーマルに、インフォーマルでもいいですが、要するにちゃんと聞いていける、そういう手段を育ててやったらいいのじゃないか、こう思うのですが、それについて、通産省、何かお考えありませんか。
  192. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 先生の御指摘、もっともでございまして、当然そこに住んでおられる方々の意見を十分くみ取って、中心市街地活性化、とりわけ商店街の活性化を図っていくということが必要だと思っております。その場合に、そういうことで当然地元商業者、住民がイニシアチブをとりまして、地域が一体となって町づくりに取り組んでいただくということでございまして、このような観点から、地域の女性とか高齢者を含めた地元商業者や住民が幅広く取り組みに参加することが重要であると考えております。
  193. 西川太一郎

    西川(太)委員 時間がありません。もういよいよまとめの質問に入っていきたいと思います。  今度、この法律案が成立をして基本計画を策定する際に、いわゆる地元市区町村の住民や民間事業者の意見を幅広く徴していかなければいけない、このことがこの法律に魂を入れていく、こういうことになるというふうに思います。  つきましては、この点について、これは建設大臣にお尋ねしてよろしいでしょうか、そこのところをひとつお答えいただきたいと思います。
  194. 瓦力

    瓦国務大臣 委員の高い見識での御質問でございまして、これから中心市街地をつくるのはやはり地域住民の熱意であり、意思である、こう思いますし、それを自治体がどうとらえていくのか、そのことについて十一省庁お手伝いをするということでございます。今委員お話を伺う中で、農水省がおこたえして幾ら政策を出しても、私は、町というのは、ある面では生産者と消費者とか加害者と被害者というかかわりでなくて、やはり地域の方々が本当に地域農村のつくるものを喜んで食卓にのせるという気持ちがなければならぬわけでございますが、今まで安ければいいというようなことでございました。  それから、町づくりというのは、私はそういうコミュニケーションを含めてあることが町づくりになると思いますし、運輸省もいろいろ整備する中で、建設省と相まって、それぞれ中心市街地を形成し、便利よく運ぶことができることによって、今PFIのような形で、あるいは地域づくり民間の意思と力で動き出すかわかりません。  いずれにいたしましても、これほど強力な手だてを講ずる中で、地方自治体がマスタープランを寄り寄りつくり上げて、これから町づくりに励んでいただく一歩になることを私は本当に期待を申し上げているところでありまして、委員質問を伺っておりました。
  195. 西川太一郎

    西川(太)委員 ありがとうございました。  建設大臣にというか建設省にもう一問だけ伺って、さらにもう一問通産大臣に伺って質問を終わりたいと思います。  私も長く、十六年間地方議員を、東京都議をしておりました。都市計画審議会の委員をかなり長くやっておりました。今度都計法が改正されて、特別用途地区によるゾーニングがかなり柔軟になる、こう伺っておりますが、例えば、区でございますと区計審というのがあって、それが都計審に上がっていく。条例制定だとか都計審の手続だとかというのを用意していきますと、かなり手間暇を要するというか、相当な時間がかかるのじゃないかということをちょっと気にかけております。そして、個人的な意見を言わせていただければ、やはり既成市街地はマクロで全部を純化しようとしないで、マクロで混在を許して、ミクロで純化をしていくという手法をもってすれば、効率的に進むのじゃないかという意見を私は持っております。  そこをひとつ建設省に、これは最後のお尋ねをしたいと思います。そして、まだ時間が若干ありますので、もう一度立ちまして、通産大臣に最後のお尋ねをしたいと思っております。とりあえず建設省からお答えをいただきたい。
  196. 木下博夫

    木下政府委員 特別用途地区についてお尋ねでございますが、これにつきましては、先生おっしゃられましたように、用途地域をさらにきめ細かくということで、各公共団体の自主性を我々としては高めたいために、類型化を排除いたしました。  それで、お話のあった手続でございますが、これは都市計画決定でございますから、そこはいささか手順は踏まなければいけませんし、地元のコンセンサスもとっていただかなければなりませんけれども、ある程度これがルール化されてまいりますと、それなりのスピードアップもあろうかと思いますし、今回の件については、都市計画法は法施行が一応公布後六カ月となっておりますので、その間にも既に準備に取りかかっていただければ、それなりの時期には特別用途地区が具体的に施行されるのではなかろうかと思っております。
  197. 西川太一郎

    西川(太)委員 通産大臣、現行大店法が廃止をされる、そして大店立地法改正都市計画法という体系となった場合、一体中小小売業者はどんな悪い影響を受けるのだろうかという、悪い方ばかりをみんな心配をして、先ほどどなたかの質問にありましたが、松崎さんでしたか、流通新聞にそれがいち早く出たときには大変な騒ぎになった。私、それはよくわかるのです。また一方で、大店立地法における商工会議所や商工会、こういう方々の役割、意義づけ、これもきちっとしてあげたい。  つまり、最後のお尋ねは、今度の旧大店法が廃止されることは、いわゆる中小の小売業者にとって、もう見放してしまうのだ、手放してしまうのだ、アメリカ初めそういう外圧に通産省が耐えられなくなって、後は勝手にどうぞおやりくださいということになってしまうのだというようなことじゃないのだ、むしろ新しい手法や道具を手にして、または大きく言えば、列をつくっても欲しくなるような新商品を、新産業を起こして、技術を伸ばして、日本はもう一度健全な経済の国に立ち返るのだ。そこに、建設省初め多くの省庁と共管をして、町づくりの中で既成市街地の中の商店街をしっかりしていくし、消費者のための大店も確保していくし、またカンファタブルな町をつくっていく、こういうことになるのだということだろうと、答弁みたいな御質問をして恐縮でありますが、そういうふうに私は理解をしておりますけれども、もう時間でございます、太田先生の得意なイエス、ノーで答えていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  198. 堀内光雄

    堀内国務大臣 委員の御指摘のように、今までの大店法というものが性格的にも非常に意味の少なくなってきたものになっておりまして、経済的規制よりも環境的規制というものが非常に重要視されてまいりまして、地域からのいろいろの御批判や御要望もございます。そういうものを含めて、環境的な、社会的な規制というものの中で、基本的には、中心市街地法律をさらに加えることによりまして、中小小売業者の方々がこれから非常に伸びていっていただけるような、今まで以上の活力のある仕事が、商業活動が行えるように、そういう面の大きな成果が上がるものだというふうに私は考えております。  同時にそれが、先ほども中野委員お話がございましたけれども、共生という形の中で大店との取り組みというものも可能になってくるようにしていかなければならないというふうに感じておりまして、決して中小企業の方々が、小売業者の方々が苦しめられるようなことではなくて、かえって活性化をさせて取り組めるような体制をつくるものであると私は確信を持って申し上げます。
  199. 西川太一郎

    西川(太)委員 どうもありがとうございました。
  200. 遠藤乙彦

    遠藤委員長 次に、西野陽君。
  201. 西野陽

    ○西野委員 自由党の西野陽でございます。  ただいまは、私どもの同志でもあります、先輩でもあります、地方議員も先輩でございます東京の西川先生の後、三十分をいただきまして、限られた時間でございますので、早速お尋ねをいたしたいと思います。  この商店という問題でありますけれども、これを取り巻く環境というのは、御案内だと思いますが、旧来からすると、車社会の到来というものがまず動きを変えてきた。それだけではありませんで、そういうものに従って当然ライフスタイルも変化を来してまいります。当然、それに従って人の流れというものも変わってくると思います。こういうところから、特に郊外型の大型ショッピングセンター、そういう出現があったわけであります。  こういう大型の店舗が参りますと、物の流れ、人の流れだけではありませんで、物流のシステムもこれまた変化をしてくるわけであります。先ほども西川委員からもお話がありましたとおり、自由化に伴う価格破壊という問題も出てまいりました。  ましてや、国内の問題で見ますと、商店というのは営々と何代か続いている方が圧倒的に多うございますから、比較的これは高齢者の方が多い。したがって、高齢者の方がだめだということではありませんが、新しい流れ、人の流れ、物流の変化というものに対しての対応というものに、やや機敏性に欠けるのではないかな。そこにまた後継者難という問題もあるのではないかというふうに思っています。このようないわば商店を取り巻く環境というものは、変化とともに非常に厳しくなってきたと思います。  それで、例をちょっと数字で拾ってあるのですが、私のおります大阪、大阪市内で、実は商店街というのは四百八十カ所あります。その中の一商店街の例をとりますと、空き店舗は平均いたしますと五・二店舗。一つ商店街、大小がございますけれども、五・二店舗の空き店舗がある。大阪の総店舗数は二万二千店ということであります。ですから、約一割が現実に商店街の中で空き店舗になっておる、こういうことになると思います。  かつて、大阪府の商工会議所が、消費者に対する大阪都市圏の買い物行動調査というのをやりました。それの数値を見ますと、あくまでもこれは飲食料、食べ物に限定をいたしますが、飲食料でまいりますと、昭和五十六年を一つの境にいたしまして、商店街は五十六年以前は四三%、いわば半分に近い方が商店街で飲食料を買っておった。ところが、昭和五十六年を境にしまして一四%になった。要するに商店街ではわずかの一四%です。逆に大型店、スーパー等は、五十六年以前までは四二%であったものが、何と五十六年以降は七三%の方々が飲食料については大型店舗、いわゆるスーパー等々のものを利用するようになった。いわば商店街から、五十六年を境にしてぐっと買い物の動きが変わってきたという数字であろうというふうに思っております。これが一つ商店街離れといいますか、あるいは空き店舗という状況にも出てきておる。当然、そういうことになりましたら、御案内のとおり、町並みも含めまして、商店街に一つの活気というものがなくなってまいります。  こんなときに、中心市街地における市街地整備改善及び商業等活性化一体的推進に関する本法が今提案をされておるところでありますから、一言で申し上げて、商店街の線からいわば面に向けての変化に対応しようという本法の意味合いは、私は一定の評価をいたしたいなというふうに思っております。  そこで、せっかく両大臣お越してございますので、通産大臣建設大臣さんに、本法に対する取り組みの姿勢といいますか、実効ある取り組みのための決意なり熱意なるものを冒頭にひとつお示しいただければありがたいと思います。
  202. 堀内光雄

    堀内国務大臣 中心市街地は、長い歴史の中で地域文化や伝統というものをはぐくんでまいりまして、各種の機能を培ってきた、いわゆる町の顔だということになっております。  そういうことと同時に、現在、高齢化社会に向かって、交通弱者と申しますか、郊外に出ているスーパーのようなものから、身近に近いところで買い物をしないとできないような方々、こういう方々にとって貴重な身近な購買機会を提供しているところだということにもなっております。そういう貴重な中心市街地空洞化というものは、いわばコミュニティーの危機ともいうべき状態になってきているというふうに認識をいたしております。  そういう意味で、中心市街地活性化ということは、二十一世紀に向けて、基本的には、子孫に引き継ぐべき豊かな町を創造していくための市街地整備改善、あるいは商業等活性化、そういう二つのものの一体化をさせた都市の再構築というものを仕上げていく重要な施策であるというふうに考えております。  特に、商業等の数々の機能を集積を図ることによりまして、大変効率的な経済活動やあるいは新規事業の誕生を容易にすることもできるわけでございまして、そういう意味経済構造改革推進を図る上でも重要な課題であるというふうに思っております。  こういう観点から、今後、この法律に基づくところの地方公共団体あるいは関係省庁を初めとする関係の方々の総力を挙げて取り組みを行いまして、中心市街地活性化が円滑に進められるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思いますし、特に十一省庁関係省庁との連携、特に建設省が一番大きなウエートを持ったところでもございます、そういう建設省との連携をしっかり保ちながら成果を上げるように頑張ってまいりますことを申し上げる次第でございます。
  203. 瓦力

    瓦国務大臣 きょうは、さきに西川委員、そしてただいまは西野委員、東京と大阪を選挙区にするお二人から、町が壊れてきた、町の機能が大分後退をしたということを冒頭にお話伺いました。  私は田舎でございますが、田舎の町は相当に壊れておりまして、こうなりますと、私は、今こそ日本全体が新しい町づくりをしなければならない好機だ、大切なときだ、こう思っておるわけであります。  歴史的に振り返ってみましても、都市化社会が進みまして、もう東京も大阪も地方都市型社会に変化をしてきておりまして、私は、歴史的な転換期である、ここに都市の再構築をしなければならないときだと思っております。  三省が力を合わせてやるわけでございますが、十一省が地方分権というこういう流れの中で地方の意思をしかととらえて、地方の個性を生かしながら町づくりをしていただくという、一つの大事な時期に差しかかっておると思うわけでございます。  そういたしますと、それぞれの地域で、都市機能を持ついわゆる施設やそういったものが郊外に押しやられたりしておる。これはやはり町の中心地へ戻すこともあるのだろうな。  また、今商店街のあり方等々がございますが、建設省としては、面的な整備につきましては、道路整備であるとかあるいは地域の環境づくり等、また駐車場整備をするなど基盤的な仕事をこれから地方の声をよく聞きながら計画的に進めて町の活性化というものを図る、そういうお手伝いをする大事な時期だ、こう考えておるわけであります。  いずれにいたしましても、本法は、市町村の発意と主体性を尊重するとともに、関係省庁とも緊密な連携を図りながら、施策の総合的かつ一体的な実施に積極的に取り組んでまいりたい、こう思っておりますので、これから繰り広げられます委員の高い見識の御質問に対しまして熱意を持って答えてまいりたい、こう思っておるところであります。
  204. 西野陽

    ○西野委員 この商店街、商店ですけれども、きょうは午前中からいろいろ指摘があったと思いますが、文字どおり、今必死になって生き残り策というものをそれぞれの商店商店街が模索をしながら実行している。  例えば高松の丸亀商店街は、比較的駅から遠くにあるものですから、当然不便なんですね。ここは、まず車ということで、駐車場の充実に全力を挙げている。しかも、買い物は比較的男性よりも女性の方が多いのだろうと思いますけれども、女性のトイレを、単なるトイレという感じではなくて、文字どおりゆとりのある、ゆとりのあるトイレというのはちょっと言いにくいのですけれども、使いやすい、そのような工夫というものをされているということであります。  また、同じ近畿で、京都の西新道の錦会商店街というのがありますが、ここは、お客さんと店とをファクスで結びまして、そしてファクスがお客さんに対するいわば御用聞きの役目を果たしている、こういう取り組みをされている。  それから、私の地元でありますけれども、東大阪の布施商店街、それから京都の繁栄会というのは、共同統一カードというものをつくりまして、お客様にカードを発行いたしまして、できるだけ我が商店街にということで、大変な、顧客の引き寄せに対する一種の苦労、腐心をされておるということであります。  そういう中で、時間がどんどんたってしまいますので、簡単といいますか要点的に、国が商店街の振興策について現在行っておること、特に今後こういう点に取り組んでいきたいというポイントをひとつお示しください。
  205. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 御指摘のように、中小小売商業者は大変厳しい経営環境にあるわけでございまして、これまで当省におきましては次の三点に力を入れてきたわけでございます。  第一が、魅力ある商店街、商業集積づくりでございまして、二点目が、先ほどお話ございましたように、カードシステムを入れるとか、あるいは製配販の物流システムを構築するとか、このような情報化等による中小小売業の業務の効率化、それから第三に、売れ筋情報等の提供を通じた個店の魅力アップ、こうした点について各般の支援措置を講じてきたところでございますが、平成十年度から、現在御審議いただいています中心市街地活性化法に基づきまして、TMOに基づきまして中心市街地商店街の総合的な整備を講じまして、中心市街地活性化を図りたいと考えているわけでございます。
  206. 西野陽

    ○西野委員 本法は、中心市街地を今後活性化させていこうというねらいでございますね。そうしますと、かつて御指摘があったとおり、郊外に大型店舗がかなり進出していることは、先ほど委員のどなたかの数値でも出ておったとおりでありますけれども、こういう点からすると、郊外に対する、そういう大型店舗の抑制ということに対してはどうなんでしょうか、考えられるのでしょうか。
  207. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 中心市街地に対します活性化策を講じる場合における大型店の郊外立地の問題でございますが、今回、一連の三法によりまして、私ども、このような問題につきましては、都市計画法の改正案を今提出させていただいていますが、これが成立の暁には、こういったものを含めましたゾーニングの手法というもので、町全体のありよう、商業施設を含みましてはかの施設も、もろもろの配置と申しますか、そういう都市の構造というものをゾーニング手法によって設定をしていただく、その中における中心市街地というものの位置づけをしていただくというのは一つの考え方であると思います。それぞれ、地域の方々の御判断によってこれらの手段を活用していただくということがあり得るというふうに考えているわけでございます。
  208. 西野陽

    ○西野委員 本法の趣旨が中心市街地活性化しようということでありますので、そこらの、大規模の店舗の進出ということについては、地元既存商店街、商店あるいは市町村等との意見調整を十分取り込まれて、取り組んでいただきたいというふうに思っております。  そこで、ちょっと具体のお尋ねをしたいと思うのです。  再開発をあちこちでやっているわけでありますが、この窓口について見ますと、現行では、例えば再開発係、それから都市計画係、さらには道路関係係、商工関係の窓口というふうに、非常に多くの窓口があるわけですね。今回のこの法案で見ましても、先ほど瓦さんもおっしゃっていましたけれども建設省、通産省を初めとする、自治省、文部省、厚生省、農水の方もお見えでございますが、運輸省もございます、十一省庁がある。申請する側になりますと、自治体からしたら、この問題は一体どの省庁に、どこに話を持っていったらいいのかわからないと思うのですね。窓口を何か設定するというふうなお話でございますけれども、この申請時相談については、市町村の方から府県を通じて意向が上がってまいりました場合には、窓口は間違いなく一本化をなさるのですか、確認をしたいと思います。
  209. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 窓口の議論につきましては、市町村の負担をできるだけ小さくする、あるいは円滑な事業推進をするという意味におきまして、通産省、建設省、自治省を中心としまして、そうした一元的な情報の提供、相談あるいは具体的な事業計画関係省庁に対する伝達、関係省庁との調整、このようなことを考えておるということでございまして、さらに先ほど建設大臣通産大臣より、文字どおり、窓口一元化によりふさわしいありようというものを検討させるというふうに指示が出ましたので、私ども、窓口一元化という言葉にふさわしいようなありようというものをさらに検討をさせていただきたいと思います。
  210. 西野陽

    ○西野委員 それはぜひそうしていただきたいのです。  さて、受付が成った。そのほかに、私どもが常々言っておりますとおり、現在の二十二、三あります省庁ですね、中央に膨大な許認可権限がある。文字どおり、行政改革というのは、その許認可権限を民間ないしは地方に移譲していくことだということを私どもは申し上げておるわけでありますが、それのミニミニ版みたいなものでありまして、特に先ほど、これは井上委員からでしたか、質問がありましたとおり、今回の施策でいろいろな要請をしました。それを国が認めました。  ところが、個々ばらばらでございますと、一体どれだけのものが認められて、どれだけの金額がどうなるのかということがよくわからないと思うのですね。ですから、そういう意味でも、この中心市街地活性化にかかわる問題については、例えば文字どおり執行も一本で、一括交付でやるというような形態をおとりになることが一番いいのではないかなというふうに思うのですね。  そこで、ちょっとお尋ねをしたいのですけれども、この十一省庁が今回導入します支援施策、例えば貸し付け、税率、いろいろあると思うのですね。建設省では合計でどれぐらいあるのですか。
  211. 木下博夫

    木下政府委員 先ほどの御議論で通産省からお答えいたしましたから、くどいのでありますけれども、両大臣からもお答えいたしましたように、実質的に場所とか人間については早急に一本化を、一元化を図るということで相談させていただきたいのでありますが、今先生おっしゃられたように、それぞれの省庁の得意わざがございますので、そういう意味では、例えば区画整理とか再開発について、通産省に御相談に行くこともないわけじゃないのですが、恐らくそれは建設省に来られるでありましょうが、そういう意味では、建設省の窓口は、これもまた窓口としては一元化したいと思います。  今おっしゃったように、どのぐらいの数があるかということでございますが、これは今回の法律の中には幾つか法律事項がございまして、くどくなりますから余り細かく申し上げませんが、例えば街なか再生区画整理事業に対する新たな補助だとか、あるいは公園の下に占用でつくらせます駐車場の特例許可とか、こういうたぐいのものがございます。  これは五つ六つございますが、従来型でありましても、その適用箇所が、それぞれの市町村がねらっております中心市街地に適用できるだろうという従来型の事業を集中的に、重点的にやるという意味では、かなりの数の施策が私はこの中にあると思いますので、そういう意味では、ちょっと数を正確に申し上げる準備はしておりませんでしたけれども、それぞれの知恵がありましたら、私は各公共団体が従来やってまいりました事業の中でも恐らく中心市街地適用事業になろうかと思っております。
  212. 西野陽

    ○西野委員 今回示されているものでちょっと計算をしますと、大体この施策で、建設省でおおむね二十四件ぐらい、その他の関係省庁で、十省庁で八十件を超えているのですね。施策だけでも百件以上のものがあるのです。だから、Aという市が、これだけある施策の中で、例えば八十五なら八十五はOKだということになりましても、窓口がてんでんばらばらでございましたら、非常に対応しにくい、こういうことも当然出てくると思いますので、これらの予算の執行、交付を含めて、補助体制も含めて、ぜひ検討をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。  要は、これも先ほど来から話が出ていると思うのですが、今回のこの法案が文字どおり実効性のあるものになるためには、やはり商店街やその地域の方々の意向をどう酌み取っておるかという、いわゆるマネジメント、その町づくり全体をどうするのかというコーディネート、この立案と調整能力というものがこの成否、成功か失敗かにかかっていくというふうに思います。そのことがすなわちTMO、このようにおっしゃっておるわけでありますけれども、さて、そのTMOの機構に、適切な人材というものは自信があるのでしょうか、どうでしょうか。ちょっとお示しをいただきたいと思います。
  213. 中村利雄

    ○中村(利)政府委員 TMOがその機能を十分発揮できるかということについてま、もちろん人材にかかわるわけでございます。現在、タウンマネジメントを行い得る人材が必ずしも十分に確保されているとは言えないと思うわけでございますけれども、今後、まず研修を行いましてそういう人材を養成する、加えまして、タウンマネジメントに関する専門的な知見を持った人材の育成への支援を行う、派遣を行っていくということで、適正な人材の確保に努めたいと考えております。
  214. 西野陽

    ○西野委員 これから養成をしていくとか研修をしていくとか、さらにはいろいろなところから、外部からもそういう人材を入手するように派遣をするようになさるのでしょうけれども、これから検討しておったのでは、研修しておったのでは間に合わぬと思うのですけれども、そこらあたり、ぜひひとつ優秀な人材発掘に全力を挙げてほしいというふうに思っております。  時間がありませんので、建設省の方にちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、要は、この中心市街地の中で、例えば再開発という例をとりますと、権利者だけではなかなかこの再開発利用というのは採算が合わないのですね。ですから、しかるべくディベロッパーといいますかテナントといいますか、そういうものも募集をしたりしなければならぬわけであります。今景気は悪うございますし、これからすぐに大型のそういうディベロッパー、商店等が入ってくるということは非常に至難のわざではないかというふうに思うのです。これら強力なテナントの誘致、さらには、当然、車社会ですから駐車場が必要だと思いますが、これらに対する助成策というのは、何か格別今回のこの法律は考えておられるのでしょうか。
  215. 木下博夫

    木下政府委員 確かに、先と言っておられましたように、過去のバブル期におきまして取得した土地をベースにした再開発事業は大変厳しゅうございまして、キーテナントそのものの誘致もなかなか大変であります。これにつきましては、それぞれ地元の御努力の中で、またこれから一層前向きに検討しなければいけないと思いますが、これからの仕掛けの中で今私どもが考えておりますのは、やはり中心部には、商業施設はもちろんでございますが、例えば公益施設だとか、あるいは学習関係中心とするカルチャー教室などというものもありましょうし、それからかなりのいろいろな多世代がお住みになる住宅などの供給も中心市街地対策としては必要な施策ではなかろうかと思います。  こういうものに対しては、今お話がございましたように、それぞれがいわば補助制度として確立されているものもございますが、そういう従来型をさらに一層充実するという方向の中でございまして、とりわけ、例えば他省庁、特に厚生省とか、そういうところの福祉施設担当をしておりますところと今タイアップいたしまして、新しいそういう公益施設の誘致のための補助制度の拡充をしたりしております。  いずれにせよ、床そのものにおきます収支率といいますか採算性は大変これから厳しくなっていくと思いますが、中心部にそれだけ人を呼び込むための施設としては、多少採算性が厳しくてもむしろ積極的に取り組める、そういうようなインセンティブを公共団体に与えるような施策をこれから立てていきたい、こう考えております。
  216. 西野陽

    ○西野委員 ぜひ従来以上の国の支援策というものを強力に、せっかくこういう法律をつくるのですから、展開をしていただきますようにお願いしたいと思います。  最後に、地元のことで恐縮でございますが、実は私の住まいをしております地域に、若江岩田というのですが、駅前で今再開発事業をスタートしております。実は現場は既存の建物の撤去をほぼ終わったのでございます。これはもう事業がスタートして、それだけ御採択いただいて、平成十年度も、私が合計しましたら五億なにがしの国庫補助が出ているのです。今回のこの中心市街地法律が通りましたら、もう既にスタートしているこのような事業は、新たな、今お示しがあったように補助対象の上積みをするとかというようないろいろなものがあると思うのですが、追加的な、例えば街なか再生市街地開発事業というのがあると思うのですけれども、そういうような枠にはめ込んで、追加の補助策というのは期待できるのでしょうか、どうでしょうか。最後にお尋ねします。
  217. 木下博夫

    木下政府委員 今の御質問に対して二つお答えしなければいけないと思っておりますが、 一つは、御質問のありました御地元の若江岩田再開発事業でございますが、これは街なか再生事業そのものが従来から私ども取り組んでまいっております都市開発事業を拡充するような形でございまして、三大都市圏には適用しない事業でございますから、そもそも地域としてはそこは適用しておりません。  ただ、私ども今調べてみますと、その若江岩田駅地区につきましては、いわば公的住宅率の高い事業をおやりいただくという意味で、むしろそちらの方から必要な補助が高目に出るというような仕掛けがここの事業として適用されるようでございますから、それなりの、いわば補助についての上乗せがあり得ると思います。  ただ、もう一つお答えしなければなりませんのは、現在それぞれが、中心市街地のところで事業として仕掛かり品のことがございますので、我々は、できるだけ早く公共団体は中心市街地について目に見える形で実効があらわれるという必要があると思いますので、そういう意味では熟度の高い事業も拾っていくことも一つの肝要なテーマではなかろうかと思います。そういう意味では、既に仕掛かりであっても、今回成立させていただければ、いろいろ法律等で、必要なものは事業としてそれを追いかける形で採択ということもあり得るのではなかろうかと思っております。
  218. 西野陽

    ○西野委員 ぜひ期待いたしまして、終わります。     〔遠藤委員長退席、斉藤委員長着席〕
  219. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、中島武敏君。
  220. 中島武敏

    ○中島(武)委員 まず最初に、通産大臣にお伺いいたしたいと思います。  どこへ行っても駅前の商店街を中心とする中心市街地空洞化しております。先日も、私は静岡県の浜松、静岡両市に大型店問題での調査に参りましたけれども、やはりその感を大変深くいたしました。中心市街地はいわばその町の顔でありますから、これを大いに活性化させて町ににぎわいを取り戻すことは非常に必要なことであって、その意味では中心市街地活性化対策には私は賛成であります。しかし、なぜ空洞化しているのかと事態を冷静に分析をいたしませんと、的確な対策を生み出すことはできないのではないかと思うわけです。  市街地空洞化をもたらした要因というのがいろいろあると思うのですけれども、その中でも、中心市街地から大型店が撤退する、そして郊外に巨大な商圏を持つ大型店が立地をする、そのことが中心部商店街を疲弊させていることは非常にはっきりしているのではないかと思うのです。  通産大臣のこの点についての認識伺いたいと思います。
  221. 堀内光雄

    堀内国務大臣 御指摘のように、中心市街地空洞化の原因というのはいろいろな問題があると思います。  一つは、ライフスタイルが変化をしてきたとかモータリゼーションの影響だとか、今までの中心市街地から大型店が郊外に出店をしたという、その出店をするだけの理由がやはり片方ではあったというふうに思うわけでありまして、それがモータリゼーションでありライフスタイルの変化だというようなことになってくると思います。  と同時に、一方におきましては、中心市街地におきましては駐車場整備というようなものが不十分であって、車社会になってきたにもかかわらず車を受け入れる体制ができていなかった、あるいは道路整備がおくれていることから中心市街地への道路アクセスが悪いというような問題、あるいは中心市街地内の交通の利便性というようなものが、これまた不便であって、そこから人を離していくようなことがある、郊外に比べて相対的に悪化をしている条件が備わってきてしまったというのが一方にあるというふうに思います。  また第二に、先ほども申し上げましたけれども、女性の就業率の高まりというようなものに伴いまして、時間的な利便性というようなもの、この追求が高まってきておりまして、ワンストップショッピングというのでしょうか、こういうものへのニーズが高まってきている。時間的にも、夜いつまでも開いているところが便利だとか、時間消費の場所としての商業施設へのニーズの高まりというようなものもありまして、消費者だとか住民のニーズの変化によって中心市街地からの客離れというものが起きてきたということが言えると思います。  そういう意味で、中心市街地商業や各種のサービス機能がこれらの変化に十分対応できなくなってきてしまったところに、今までの、片方では郊外に大型店が出る、片方では一般の車社会あるいは社会的な変化に対応できなかったものがあったということでこういう結果があらわれてきた。  第三番目に、中心市街地における土地の細分化というようなもの、あるいは複雑な権利関係などによりまして効率的な利用が必ずしもできなくなってしまったということも言えるというふうに思います。  そういうことで、今回の中心市街地活性化法等によりまして、中心市街地対策は、今まで申し上げたような中心市街地空洞化の原因に正面から対処して、それを取り除いていくようにしなければならない。  第一は、具体的に申し上げると、駐車場だとか道路整備などによって市街地整備改善を行っていく、第二番目に、多様な規模だとか業種だとか業態の店舗の実現をすることによって中心市街地商業の魅力的な向上というものを備えていかなければならない、第三番目に、区画整理事業空き店舗がいろいろ出てまいりますが、そういうものを総合的に集めて、ただ、そこをふさぐといって今までも努力をいたしましたが、なかなかそれができなかった、そういうものを総合的に区画整理事業推進を行っていって、都市計画法の改正を含むいわゆるゾーニングの手法を含めて、他の関連する施策も活用しながら、地方公共団体のイニシアチブのもとに、町の顔たる中心市街地活性化取り組みを進めていくことを期待した法律改正というものであるということでございます。
  222. 中島武敏

    ○中島(武)委員 大臣から大変丁寧な、かつ長い御答弁をいただきました。  ただ、お話を伺っておりますと、中心市街地の大変な疲弊、空洞化についていろいろな理由を大臣は挙げられましたけれども、私は何といっても、いろいろな理由はあるのですけれども、その中でも大型店が郊外に撤退をしていく、あるいは進出をしていくというようなことが非常に大きな面を持っているのではないだろうかというふうに思います。  浜松市では、一九九一年に中心部立地していたニチイ浜松店が、それから翌九二年に長崎屋浜松店が、そして翌九三年に丸井浜松店が、そして同じく九三年に遠鉄名店ビルが、そして昨年十二月にはとうとう、二万二千五百八十五平方メートルの売り場面積を持って、中心部で最も規模の大きい西武百貨店が、店を閉じたわけです。これでは中心街空洞化するのは当然ではないかな、私はこういう気持ちを持ちました。  そして、浜松市の郊外中心部から車で二十分ぐらいのところなんですけれども、浜北市なんですけれども、ここに、ジャスコと西武百貨店を核とする、売り場面積七万平方メートルに及ぶところの、全国でも屈指の大型店の出店計画を発表しました。それで、これが許されるということになりますと、郊外の浜北市はもちろんですけれども、浜松市の旧市街地も含めた大きな商圏が生まれることになることは申すまでもありません。中心市街地は、今さっきもちょっと触れましたけれども、これまでも非常に大きな打撃を受けているのですけれども、こういうふうになりますと、根こそぎ打撃を受けるということは非常にはっきりしているのではないかと思うわけです。  それで、これらを放置しておいて中心市街地活性化できるのだろうかという問題を考えます。  今回提出されている大型店立地法、これで中心部からの撤退やその郊外への展開に歯どめをかけることは可能でしょうか。ここを伺いたいと思うのです。
  223. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 今回の大店法の見直しの結果として御提案をいたしておりますのは、一方におきまして、改正都市計画法を初めとしますいわゆるゾーニングの手法、もう一方におきまして、生活環境、周辺社会との、地域社会との調和を図るための大店立地法ということを御提案いたしておりまして、郊外展開と申しますか、郊外立地の問題ということでございますると、その種の問題というのは、いわばゾーニングの手法によって地域の意思というものが示し得る枠組みではないかというふうに考えております。  大店立地法と申しますのは、いわばそうしたゾーニングの手法によって立地の適否が決められ、それによって問題がない場合についても、なお具体的な立地点において周辺生活環境の保持のために必要な調整をするという仕組みでございまして、郊外展開の問題をどうするかは地域判断の問題でございますけれども、それをやる手法としては、いわゆるゾーニングの手法によるべきものと考えております。  それから、撤退についてもあわせて御指摘でございますが、撤退問題と申しますのは、確かにいろいろな意味合いでその地域に悪い影響と申しますか、もたらすことは事実でございますが、同時に経営上の不都合による場合というものがかなり多いわけでございまして、これに対して規制をするというようなことが現実問題としてなかなか難しい、あるいは実効性のあるような措置を期待し得ないというような問題があるというふうに考えておるところでございます。
  224. 中島武敏

    ○中島(武)委員 私がお尋ねしたのは、大型店、立地法でこれを規制することができるかということをお尋ねしたのですが、今のお答えの中にもあったといえばあったのでしょうけれども立地法はいわばこれを規制する法律ではありませんので、郊外へ出ていくというようなことを抑えることはできない、ゾーニングの手法だ、こういうふうに言われました。  それで、ゾーニングで対応するというこの問題なんですけれども、私、調査に行ったときに、浜松市当局にじかに、はっきり、どうですか、これでやれますか、ゾーニングの手法で抑えることができますかということを私は聞いたのです。そうしましたら、これに対する答えというものはこうなんです。非常にはっきりと言っておりましたけれども、調整区域に大型店にぜひ来てほしいという人もいる、まあそうでないという人ももちろんそれはいるわけですけれども、そうなってくると合意形成が非常に難しくて実質規制は難しい、こういう答弁でありました。  それから、新潟県にも調査団を派遣したのですが、ここでは都市計画変更などによって、つまり、現在調整区域、それを市街化区域にするということによって大型店をどしどし調整区域に進出をさせている、こういう状態なんですね。  だから私は、こういう二つの市あるいは県の事例なんですけれども、ゾーニング、ゾーニングといいますけれども、実際問題としてそれは非常に難しいということをこのことははっきり示しているのじゃないかというふうに思うのですね。このことをはっきり申し上げておきます。  さらにちょっと続けたいのですけれども大店法は廃止、大型店と小売店の商業調整はなくなる、これでは私は、大型店の中心市街地からの撤退、それから郊外展開、これの歯どめには決してならないと思います。だからこそ日本専門店会連盟は、中心市街地活性化の実効を上げるためには、公共施設郊外移転はもとより、大型店の出店、配置、規模等についての郊外出店を防ぐことが重要であります、その意味でも大型店の郊外出店の凍結が必要と考えています、こういうふうに指摘していることは皆さん御存じだと思うのです。  それからまた、日本商工会議所も、中間取りまとめに対して、中心市街地空洞化をもたらしている原因を列挙するとともに、その大きなものとして、大型店の郊外部への出店急増及び中心部からの撤退が挙げられることなど、昨年八月の中間取りまとめに追加することを要望したわけですね。これも御存じだと思うのです。  これらの要望はどのように生かされたのだろうか。それからまた、要望が生かされないで、大型店の立地や撤退は原則自由、従来行っていた大型店と小売店の商業調整を行わないというのであれば、ますます中心市街地空洞化が進行するんじゃないでしょうか。どうか明確にお答えをいただきたいと思います。     〔斉藤委員長退席、岸田委員長代理着席〕
  225. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 今具体的にお挙げになりました中小企業団体などから、新しいスキームと申しますか政策転換の内容について、中心市街地ですとかあるいはその周辺活性化対策が重要であるという観点から、また、大型店の郊外展開にも触れつつ、そうした指摘があったということは私どもも承知をしておるところでございます。  ただいまも御説明申し上げましたように、私どもは、今回の新スキームにおきまして、ゾーニングの手法とそれから生活環境との調和を図るための手法という二つの手法を御提案をいたしておるところでございまして、これらを適切に活用する、同時にまた、中心市街地につきましてはいわゆる支援策を講ずるということによって、総合的な取り組みが進められ、地域の総合的な発展と申しますか、そういうものが図られるということを期待しておるということでございます。
  226. 中島武敏

    ○中島(武)委員 こういうふうな実態というのをよく見ていただきたいと思いますね。  それから、建設大臣伺いたいのです。中心市街地では、既に地方公共団体が相当の費用をかけて、国の補助、援助も受けて活性化対策を全国あちこちで行っております。  私が見た浜松市でもそうであります。アクトシティという大規模な再開発で、運営は第三セクターである財団法人アクトシティ浜松運営財団が行っております。AからDまでゾーンが四つあり、その中に市の施設やホールなど公的な施設があります。オフィスビルもありますが、入居率五三%。このほかは未入居のままです。ホテル棟も、現在ホテルオークラが入っておりますが、回転率が悪い。また、アクトプラザには、店舗面積四千七百二十二平方メートル、約三十の専門店が出店しております。第三セクターアクトシティ浜松運営財団はかなりの赤字を抱えていると聞きました。一見豪華で、そして巨費をかけた再開発をやって、確かにそこには近代的なビルが建ち、華やいでいるかに見えますけれども、実態は今述べたとおりであります。  しかし、そこから少し離れて一歩路地に入る。さあ、そうなりますとどうなるか。一向に活性化などということがないばかりか、町が荒れているという感じが私の実感であります。活性化法による対策は、この二の舞を踏むことになるのではありませんか。そうならない保証はどこかにありますか。再開発をやってもキーテナントとして立地する大型店がなく、絵にかいたもちになる、こういう場合もあるのじゃありませんか。建設大臣の見解を伺います。
  227. 木下博夫

    木下政府委員 浜松の例を詳しく御説明いただきました。おっしゃるように、今の状況は、私もなかなか難しい状況であるということは認識を持っております。ただ、これだけの都市ストックはできたわけでございますから、やはり静岡県の西部の拠点としての位置づけは依然として変わっておらないと思っておりますので、この過去の投資をうまく生かすような方策だと思っております。  それから、先生おっしゃられましたように、これからとっていく場合には、先ほど来いろいろ議論ございましたけれども、それぞれ町の個性ということは、同時に、投資規模とかあるいは仕掛けについてもそれぞれの町の身の丈に合ったものをやるべきじゃなかろうかと思っておりますから、過去のような、どちらかといえば過大投資に近いという御意見もあろうかと思いますが、それについての経験はむだにしないような計画をつくっていくことが肝要であろうと思っております。
  228. 中島武敏

    ○中島(武)委員 過去はそうだが、今度はそうでないようにというお話だと思うのですけれども。  実は、私、商店の人たちの意見も随分細かに聞いたのです。そうしましたら、行政は、再開発をして町がきれいになり、大型店が進出すれば活性化すると言っていたが、それはうそだった。それから、売り上げは昭和六十年ごろの大体半分に落ち込んでいる。ある役員の方は、見捨てられた町になっている、こう言って嘆いているのですね。  そして深刻なのは、商店の経営者そのものがそこに住んでいないのです。三十店舗あるうち二軒だけしか住んでいない。二十年前の人口の約五分の一になっている。だから、再開発といっても本腰が入らないのですね。道路拡幅で土地を売った商店の空き地には鉄板が張りめぐらされて、商店街の印象を悪くしている。当局は大きな開発ばかりして、本当に住民が住み続けることのできる再開発にはなっていない、郊外への出口はあけっ放しで中心街空洞化をなくそうといったってそれは不可能だ、今は真綿で首を絞めるような状態だ、生存できる再開発をしてほしい、現在の計画は白紙撤回、一からやり直すべきだ、もう切々と私なんかをつかまえて言うわけですよ。  今建設省の方からも話がありましたけれども、特に、一般的に市街地開発それから土地区画整理事業は、借地借家人それから零細な土地所有者など弱小権利者はその土地から追い出されてしまう。しかし、商売をやっておられる商店の人たちというのは、出ていくということは生業を奪われることになるのですね。  私は最後に聞きたいと思っているのは、法案で行うところの活性化対策、これは市街地開発や土地区画整理事業、そういうふうにならないという仕組みはありますか。追い出しにならないという保証がありますか。このことを私は最後に質問して、終わりたいと思っております。
  229. 瓦力

    瓦国務大臣 建設委員会で中島委員からいろいろ質問を受けるわけでございますが、実は町を活性化していくというようなことは、一つには、商業活動のみならず、町はいろいろな要素を持っておるわけでございまして、業務、居住、都市機能文化、福祉など公益施設の集積と再配置というのをうまく考えてこれから町づくりをしていかなきゃならぬ。  そういう中で、私どもとすれば、道路駐車場等の基盤的施設というものを計画的に整備することが大事だということで、このたびの法案につきましては、三省が世話役となって、十一省庁が、それぞれ町の活性化中心市街地にもう一度元気を出してもらおうというようなことを支援してまいるわけでございまして、それぞれの地域が独自で自分たちの町をどうしようかということを考えていただく、そういう中で御協力を申し上げたいというのがこのたびお願いをしております法律でございます。  また、今事例として委員がお述べになりました土地区画整理事業等につきましても、それぞれの地域が決意をして取り組んでおるわけでございますが、それぞれまた光の部分と影の部分というものが生じておるごとは否定できないと思うわけでございますが、都市というのはそれらを常にこなしながら息づいておるわけでございますので、うまく調整しながら町のポテンシャルを確保していくということが地域に住む方々にとりまして大変重要なことでございます。それぞれの自治体がまたそれらについて責任を持ってこれから取り組んでいただくように、私どもも協力してまいりたいと思っております  多少委員質問とすれ違いになりますが、本体の目指しておることと、いろいろ町の苦悩につきまして御指摘をいただいたことを踏まえて、今後も取り組んでまいりたいと思っております。
  230. 中島武敏

    ○中島(武)委員 終わります。
  231. 岸田文雄

    ○岸田委員長代理 次に、吉井英勝君。
  232. 吉井英勝

    ○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。  私は、中心部空洞化問題について最初伺いたいと思いますが、大型店が郊外に進出して、そして中心部から大型店が撤退する、そういうことで特に中心商店街が空洞化していくことが加速されてきているという問題については、午前中からもずっと議論がありました。  国民金融公庫の調査月報では、主任研究員の村上さんという方が、総務庁と東洋経済のデータをもとに、九〇年代に入ってから立地類型が郊外型にシフトしてきている、そういう計量的なデータも示して述べております。それからまた、巨大規模化している大型店の用地確保の良好な条件となる、まとまった広大な土地で、しかも地権者が、権利関係が余り錯綜しない非常にシンプルということなどから、結局農地と工場跡地、これが最近急増しているのだということも指摘しておりました。私も、実際全国各地の空洞化している商店街を見ておりまして、周辺の状況を見て回ると、大体そのとおりだというふうに実感をしております。  先日実は、今も少し中島議員から紹介がありましたが、新潟県の方へ、大型店の都市部と郊外進出の開発手法を調べようと思って行ってきたのです。少し数字が並ぶとややこしい話になりますが、大店法の規制緩和が行われて大規模小売店舗の無秩序な出店ラッシュがどんと進んだのはもちろん九〇年に入ってからのことですから、一九九三年以来、五千平方メートル以上の大型店の方について、県の御協力をいただいて調べてみました。  そうすると、市街化調整区域で開発許可されたものが二件で三万六千平米、白地地域開発許可されたものが十三件で十三万九千七百平米、市街化調整区域で線引き見直しして市街化区域へ編入して立地可能となったものが十件で十五万三千平米、市街化区域で用途地域の変更を行って立地可能としたものが四件で三万五百平米、もともと市街化区域の立地可能の用途地域であったというものが、このほか二十四件、二十万四千六百平米あるわけです。ですから、これを合わせますと五十三件で、店舗面積の合計が五十六万三千九百平米、こういうことになってまいります。  これでわかることは、大型店の出店というのは、今日、本当に白地地域とそして調整区域ですね。新潟の今の例でいいますと、県でいいますと三丁二%、三割を超えているのです。しかし、よくよく見ると、実はついこの間まで調整区域であったとかそういうところは、この大型店のために市街化区域へ編入するとか、そういったものがありますし、また市街化区域に立地したものについても、よく見てみますと、郊外部の方に属する工場跡地とかもともと農地であった、こういうものがほとんどなんですね。  そこで、中心市街地を本当に活性化させることを考えるならば、今日空洞化してきている最大の原因となっている、郊外に巨大な店舗を進出させているこれらの問題について規制をするということをやらないとだめだということは、私ははっきりしてきておると思うのです。この点について最初通産大臣の方からお考えを伺ってから、建設省の方と議論をしていきたいと思います。     〔岸田委員長代理退席、斉藤委員長着席〕
  233. 堀内光雄

    堀内国務大臣 先生指摘のように、今までの郊外における大型店舗の立地というものが比較的今の御指摘の数字のように出てまいったということ、これはやはり問題点があるのではないかというふうに思います。  そういう意味合いで、今の、それが環境面だとかあるいは社会的規制の面の中で規制されるべき場所でありながら大型店の立地ができる状態になるようなものを防ぐために、一つのゾーニングというものを考えて、そういう中での自由な立地ができるような体制から、やはり社会的な中での秩序のある出店、立地が行われるようにしなければならない、それが今度の大規模小売店舗の立地法一であるというふうに思いますので、その関連はゾーニングをするところの建設省の立場ということになってまいると思いますが、そういう意味合いを含めて建設省もお取り組みをいただいておると思っております。
  234. 吉井英勝

    ○吉井委員 三月三日の岩田審議官の私への答弁もそうでしたが、きょうも随分同じ答弁がありました。大型店の出店規制は、要するにゾーニング的手法と生活環境との調和を図るための手段という二つの手段をセットとして提案しておるのだ、それで、出店の場所に関する立地規制というものは基本的に都市計画法を初めとするゾーニングによって対応する、これが岩田さんがずっときょうも含めて言ってこられたことです。  そこで、私は建設省伺いたいのですが、今回の都市計画改正案により、市町村が特別用途地区を活用してゾーニングすることによって、今問題になっている白地地域、市街化調整区域で大型店の出店規制をできるようになるのかどうか、この点を端的にお答えいただきたいと思います。
  235. 木下博夫

    木下政府委員 先ほどから議論がいろいろございましたが、白地地域につきましては、先生おっしゃられましたように、一つは未線引きの中の用途をまだ決めていない地域をどうするかということでございますから、それなりに政策課題を持った公共団体であれば、未線引きであってもそういう用途地域を新たに指定するという行為に出るであろうと私は思いますので、それは手法的にどうかと言われれば、手法的にはあり得る話だと思います。  ただ、調整区域についてはそういう手法はありませんから、これは他の手段、例えば開発許可その他について、今後手段としてはあり得ると思いますが、特別用途地区に限って申し上げれば、新たな、いわば未線引きの用途地域指定ということを前提とした特別用途地区の活国策があろうかと考えております。
  236. 吉井英勝

    ○吉井委員 先の話に行くと、一つ一つ簡単に議論をしておいた方がわかりやすいと思いますので、おっしゃったことはわかっているのですよ、白地地域のところも用途地域指定をしてからだったらというお話、それはわかった上で聞いているのです。  今度のゾーニングという手法にしても、現状の白地地域、市街化調整区域ではこれはできるのですかということですから、今おっしゃった答えからするとできませんということなんですが、その点だけまず確認しておきたいと思います。
  237. 木下博夫

    木下政府委員 用途地域をまず決めることが前提だということを申し上げたつもりでございますので、それを前提にして、可能だとお答えした方がよろしいかと思います。
  238. 吉井英勝

    ○吉井委員 だから、用途地域指定をやればできるのだけれども、今問題になってきている白地地域の問題などについてはできないわけですよ。用途地域指定をすれば別です。   現在、市街化区域の用途地区のうち、二九、九%の地域では大型店の規制は全くかからない、これは建設省から来ていただいても、青天井ですということを伺っております。  そこで、床面積五百平方メートルを超え千五百平方メートルまでの大型店なら、これは第二種中高層住居専用地域で、また、五百平米を超えて三千平方メートルまでの大型店なら、これは第一種住居地域立地することは可能となりますね。この点だけ確認しておきます。
  239. 木下博夫

    木下政府委員 先生の御質問は用途地域に戻っての御質問だと思いますが、第一種住居地域につきましては、現在、三千平米以内の店舗については許容されております。
  240. 吉井英勝

    ○吉井委員 今第二種の方はちょっと省略されたのだが、第二種だったら五百から千五百平方メートルまで、第二種中高層住居専用地域の場合。ですから、今おっしゃったように、第一種住居地域だったら五百から三千までは可能だ、今お答えになったとおりです。  次に、私は、工業地域に指定されている全域に、市町村判断で例えば工業一小規模小売店舗地区というものを設定する、準工業地域の全域に準工業・小規模小売店舗地区というのを市町村判断で設定することによって、大型店の立地規制はできるのかどうか、この点はどうですか。
  241. 木下博夫

    木下政府委員 お答えの前に、ちょっともう一度補足させていただきますが、先ほどの用途地域についてのお話は、用途地域を決めなければできないじゃないかというのは、これはそもそも特別用途地区は、先生御存じのように、用途地域を前提とした補完制度でございますから、その手順を踏んでからと申し上げて、私はむしろそれはできるというふうにお答えすべきだとはっきり申し上げておりますが、先生はその手順をもし踏まなければできないのだなという御質問であれば、それは確かに手順ではございますが。  それから、今のお話は、これは十二用途については、そもそもの、それぞれの用途の性格がございますから、その性格と大いに異なる特別用途地区を決めるのはいささか問題であろうと思っております。  ただ、午前中の論議で申し上げましたように、例えば、川口市の例だけを申し上げて恐縮でございますが、鋳物工場等で従来からやってきたのもございますので、そのあたりについては、それぞれの用途の中で決められる特別用途地区というのは、私は、各公共団体がフルに知恵を絞れば、相当幅広い選択ができると思っております。
  242. 吉井英勝

    ○吉井委員 ですから、市街化区域の中の工場地域ですと、工場跡地に大規模なものが進出したりして一つ問題になっていますから、商業地域の話じゃなくて、工業地域の全域に市町村判断で例えば工業・小規模小売店舗地区、こういう特別地区を設定する、準工業地域についても準工業・小規模小売店舗地区というのを設定して、それで大型店の立地規制を行うことはできるのですかということを聞いているのです。
  243. 木下博夫

    木下政府委員 中小小売地区という名前は仮定のお話でございますから、どういうような内容にするかは各公共団体が条例の中でお決めになると思いますが、ちなみに今先生がおっしゃいましたような特別用途地区について、本来、大半の工業用途を禁止するような特別用途地区を現在工業になっているところにかぶせるというようなことは、これは矛盾するわけでございますから本来的にできないと思いますが、そこの基本になっております、前提の用途地域がどういう性格かを踏まえながらでありまして、それを補完する制度は、私は先ほどから繰り返し申し上げておるように、やはり特別用途地区というのは幅広く選択はあり得るのだと思っております。
  244. 吉井英勝

    ○吉井委員 あなたも専門家だからよくわかっていらっしゃる。工業専用地域じゃなくて、工業地域とか準工業地域というのは、さっきも、今までから言っていらっしゃるように、大型店については青天井ですね。これは立地可能なんですよ。その立地可能なところに、特別用途地区として、市町村判断で、工業地域であれば工業・小規模小売店舗地区というのを設定する、準工業地域であればそこに準工業・小規模小売店舗地区というのを設定することによって、そうしますと、小規模小売となりますから大型店は無理なんだけれども、これは可能なんですかということを聞いているのです。
  245. 木下博夫

    木下政府委員 先ほどのお答え、若干混乱したかもわかりませんけれども、準工業地域については、先生おっしゃるように、現在その用途地域の決め方としては、すべての店舗について許容されております。おっしゃるとおりでございます。そこに新たに、例えばということで、中小小売商業地区でございますか、仮称でありますけれども、そういうものをやるときにどうするか。  これは、基本的には、今お話のございましたように、準工業地域の用途地域としての性格は尊重されると私は思いますが、新たに市の条例で、これは建築基準法に根拠を置くものでございますけれども、いかなる条例を決めるかという中は、ある程度の幅の中で市町村がお決めになることであろうかと思います。
  246. 吉井英勝

    ○吉井委員 だから、商業地域の場合はいろいろ議論があろうかと思いますが、工業地域の場合は明確に性格が違う。そこで、今、市町村がお決めになることだということです。  次に、五百平米以上の大型店が立地可能な用途地域といいますと、先ほどの分も合わせると、五百平米以上ということでいくと、全体で五八・一%の用途地域の全域で可能になるわけですが、そこで大型店を全面的に禁止するような特別用途地区を設定することはできるのか、あるいは、それは用途の趣旨を損なってはならないという用途地域の本来の性格からして事実上できないということになるのか、この点を伺いたいと思います。
  247. 木下博夫

    木下政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、特別用途地区につきましては、前提となる用途地域の考え方がまず基本にございますから、その点については、おっしゃられるように現在の用途地域の考え方がまず前提に出ようかと思います。  ただ、今回の特別用途地区については、それぞれの地域によって、その地域の考え方をさらに上乗せしていくわけでございますから、そこは先ほど来から申し上げましたように、公共団体における条例の世界での決め方に係ると思っております。
  248. 吉井英勝

    ○吉井委員 ですから、これは要するに、部分的、限定的には市街化区域については大型店の規制が可能になる部分もある、こういうことですよね。  それで、次に私は自治体独自の問題について少しお聞きしておきたいのですが、ドイツの連邦建設法、建設利用令での大型店規制の仕組みというのは、指定した特別地域においてのみ立地を許可する、その他は全国どこででも大型店の立地は禁止されるというものです。日本都市計画法が、原則として開発、建築自由として、限られた地域で規制を受けるというのと、根本的に法律の仕組みが違うわけですね。  そこで、市町村によっては、小売売場面積に占める大型店のシェアが既に七割、八割という市町村も多数に上っています。こうした市町村において、法律を補うものとして、地方自治体が指定したゾーンでのみ大規模小売店舗の立地を認める、そういう条例をつくったとすると、このことは逆に、指定されていない、つまりゾーン外では大規模小売店舗の立地は全面禁止というドイツと同じようなことになってきますが、こういう条例を制定することは認められますか。
  249. 木下博夫

    木下政府委員 条例の自由度というのは、先ほど申し上げましたように、現在の用途地域の考え方がベースになっておりますが、全面禁止というのは、そもそもその用途地域において立地可能であれば、いささかそこには整理を必要とするのではなかろうかと私は思っております。  問題は、むしろその場合には用途地域そのものを、そこの色塗りを変えるべきではなかろうかと思います。その選択はいろいろ地域によって異なると思いますが、あくまでも大型店舗の立地そのものについて現在の色塗りを抜本的に変えるかどうかは、もちろん公共団体の御判断であろうと思っております。
  250. 吉井英勝

    ○吉井委員 いろいろ色塗りはあると思うのですね。あるいは調整区域も含めて、条例で、この地域は、このゾーンは建ててよろしい、禁止するわけではないです。この指定したゾーンは建ててよろしい、しかし、その許可するゾーン以外はだめよ、そういう条例は可能だという見解ですかということを聞いているのです。
  251. 木下博夫

    木下政府委員 現在、我々の方としては、条例につきましては、先ほど申し上げましたように、基準法の世界での根拠におきます条例を指して申し上げているわけでございまして、片や全体的な、余分なことでございますけれども町づくり全体の条例もございますが、今先生の御質問に端的にお答えすれば、そういうものについては問題ないと思っております。
  252. 吉井英勝

    ○吉井委員 それで、今私の言ったような、決めたゾーンでは立地可能とする条例は問題ないというお話ですが、これまでの議論で、地方自治体が今度独自にいろいろ決めて、ゾーン規制でやっていくのだという話をずっと通産省はしておられたのです。  ここで、せっかくの機会だから、建設省の方から、地方自治体が独自に郊外における大型店の出店を規制することを可能とする条例や要綱としてどういうものがあり得るか、これをお聞かせ願いたいと思います。
  253. 木下博夫

    木下政府委員 もう一度先ほどのお答えを確認をさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、条例の制定につきましては、本来、法律の趣旨、目的に反しない範囲内で、言うまでもないことではございますけれども、許容されるという考え方、これは分権委員会などの勧告の中にございます。  したがいまして、私が申し上げましたのは、条例そのものが否定されるわけではございませんけれども、その趣旨その他については、本来の地区の考え方に沿った形の中から出てくるわけでございます。そういう意味での自由度は各公共団体にあろうかと思っております。
  254. 吉井英勝

    ○吉井委員 もう時間が参りましたので締めくくらせていただきますが、実は、昨日も中小企業庁の方からペーパーを送っていただいたのです。「諸外国の街づくりの観点からの規制の例」というので、ドイツでは、中心市街地商業空洞化につながることはないか、二つ目に、住民への日用品の供給に支障を生じることがないか、三つ目に、住宅近辺の中小商店が維持されるか、こういう点で問題があったら開発許可しないということをやっています。アメリカの場合は、郊外の大型店出店が、社会経済的環境の保護の観点から、十年以上にわたって郊外出店を認めなかった事例も存在しますというペーパーを通産省からいただきました。なるほど、何だかんだいったって、社会的規制だけではなくて、経済的規制も含めて各国いろいろ知恵を絞ってやっているんだなということを知りました。  そこで、最後に一言だけ建設大臣に伺っておきたいのは、いろいろなやり方を含めて、郊外型大型店、巨大店、これが空洞化の最大の原因になっているのですから、ここの規制なしに中心市街地活性化事業が本当にうまくいくのかということですね。もしお客さんが返ってこなかったら、再開発その他のいろいろな負担が皆住民にかかるわけですから、それは大丈夫だと保証できるのかどうか、断言してもらえるかどうか、ここのところをひとつ聞いておきたいと思うのです。それで終わりたいと思います。
  255. 木下博夫

    木下政府委員 先ほどからお答え繰り返してございますけれども、これは各都市によって相当ケース・バイ・ケースであろうと思いますが、御質問の趣旨は、せっかく中心市街地整備するのであるから、郊外型についても十分そこはいろいろ配慮した上で全体の町づくりの考え方を示せということであろうと思います。そのあたりは、公共団体が当然、これから中心市街地に力を入れてやっていくとなれば、バランスのある町づくりという意味で、それぞれの商業立地についてお考えになるのではなかろうかと思います。
  256. 吉井英勝

    ○吉井委員 時間が参りましたので、終わります。
  257. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 次に、中西績介君。
  258. 中西績介

    ○中西(績)委員 地方都市におきまして、近年、夜間の人口減少だとか、あるいは交通環境の悪化、モータリゼーションの進展、あるいは消費者の行動パターンの変化等、これに加えて、大店法の規制緩和等を背景に、大規模小売店舗の郊外展開の加速化などによる商業機能空洞化が生じている、各地で中心市街地の衰退と空洞化が進行していることが指摘をされました。  それを受けて、平成九年六月の都市計画中央審議会答申の中に、社会経済の安定成長が基調となる今後におきましては、「市街地整備の重点を、新市街地整備等から既成市街地の再生・再構築に移すことが必要である。」と主張しております。  ここらが、私は、本来ならば今度の法律はもう少し早く総合的に皆さんから提起されるべきであったと思うのです。遅まきながら出てきたのですけれども、再生、再構築に移すことの方が必要性が高い、こういう言い方があるわけでありますが、これの内容について説明できればしていただきたいと思います。
  259. 瓦力

    瓦国務大臣 中西委員お答えいたしますが、昨年六月の都計審中間報告でございますが、都市が外延化する、外へ広がっていく、いわゆる都市化社会から成熟段階を迎える都市型社会に変化する歴史的転換期において、都市の再構築を図ることがこれからの都市政策の最重要課題であるという基本認識に立っておりまして、この都市の再構築を考えます場合に、中心市街地はこれまでさまざまな都市機能が集積し、経済活動市民生活、交流の場として重要な役割を担ってきた地域でございますが、近年、先ほど来議論がありますように、さまざまな要因によりまして空洞化が深刻な問題になってきている。この活性化を図ってまいることは目下喫緊の課題となっておるわけでございまして、この法律案は、市町村の主体性のもとに、関係省庁が連携をいたしまして、市街地整備改善商業等活性化に関する施策を一体的に推進することを目的としたものでございます。  いろいろ地域活性化問題につきまして、今深刻な事態を迎えておりますことは委員認識を一にするものでございますし、この機会に地域活性化を、この法律もお願いを申し上げながら、活性化の方途を地域の方々と一緒になって構築をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  260. 中西績介

    ○中西(績)委員 特に私は指摘をしたいと思うのは、市街地整備の重点を新市街地整備等から既成市街地の再生、再構築に移していくということがこの都計審の中で言われておる。今までは、きょうの論議の中でもありましたように、例えば何々銀座だとか、いろいろそういうことを盛んにもう金太郎あめみたいに全国がやっていった。ところが、そのことの反省の上から、新しいそういうものよりも、既成市街地における再生、再構築をどうしていくか、こういう基本的な論議がここに始まってきたというところに私は大きな意義があると思うのですね。  ですから、これに至る経過と、なぜそういう点が反省されるようになっていったかということを、説明できればしていただきたいと思うのですね。その点どうでしょう。
  261. 木下博夫

    木下政府委員 先ほど大臣からお答えいたしましたように、まさに今は都市の再構築の時代だということで、都市型社会、いわば都市の内部の充実ということであります。これに至るまでは、今お話ございましたように、車社会の進行だとかあるいは高齢化しましてだんだん人口が外へ出ていくというようなこともありましょうし、それから、それぞれの購入の仕方、消費行動についてもあろうかと思います。そういうものが重なる中で都市中心部というものが一部疲弊してきたという状況ではなかろうかと考えております。
  262. 中西績介

    ○中西(績)委員 ですから、今度の法律案がそうしたことに向けて本格的に取り組もうとする姿勢が出てきたということは私はわかるのだけれども、これらの問題について、今まで余りにもそうした基本的な論議というものが欠けておったのじゃないかということを感じるものですから、あえてこの点だけを強く指摘しながら申し上げたつもりです。  そこで、本法律案におきましては、市町村が主体的に中心市街地活性化を目指すことになっている。国が策定した基本方針に沿って市町村基本計画を策定することとなっているけれども、このことは、せっかくの地方分権で、実情に即した柔軟な計画の策定の障害になりはしないかということを私は考えるわけですね。障害にならないことを願っておるのですけれども、特に地方において策定する基本計画というものが国の基本方針とダブつたような格好になっておるものですから、その枠からなかなか出にくい、こういう状況が出てくることを私は一番恐れるのですね。こうした点についてどのようにお考えになっておるのか。  それともう一つは、国及び都道府県は、市町村に対しまして、提出をされると今度は助言が行われるということになっています。このことが、従来からのあれからいたしますと、また枠をその中でかぶせていくのじゃないか、こういう気がするものですから、この助言というのはどういうときに、どのように、どの範囲で行われるかというところあたりをお答えいただきたいと思います。
  263. 岩田満泰

    ○岩田政府委員 中心市街地活性化策につきましては、基本的に重要な考え方として、御指摘のように、市町村のイニシアチブの発揮というものが基本に置かれておるわけでございます。  そういう観点から、本法案におきましては、基本計画の具体的な作成をまず市町村にゆだね、従来しばしばございましたような体系の、それを国あるいは都道府県が承認をするというようなプロセスを一切なくしておりまして、市町村のおつくりになった計画は、そのまま都道府県あるいは国に対してその写しが送付をされるのみという手続によりまして、計画そのものはそれでもう成立をすると申しましょうか、策定が終了するということでございます。  同時に、基本方針にお触れでございますが、これは、計画を策定されるときにどのようなことに配慮をしていただいておいた方がいいかというようなこと、あるいは、計画の中には幾つかの複数の事業が含まれるわけでございますけれども、その事業については、その関連をする事業ごとに支援策というものをメニューとして国側は用意をしておるわけでございまして、その事業についての支援の考え方というようなものを定めるということでございます。市町村計画は策定されるわけでございますけれども、それによって市町村計画の内容そのものが何かの形で変えられるというようなものではない、あくまで市町村計画をみずからの内容のものとしてつくることができるということでございます。  それから、助言についてお触れでございますが、あくまでこれも助言でございまして、例えば広域的な見地などから市町村で対応が困難な問題について助言を与えるというようなことが想定されますが、当該市町村がおつくりになった計画はまさに計画でございまして、これに対して国あるいは都道府県がそれぞれの立場から持ち味によって支援策を講ずる、こういうようなことを考えておるわけでございます。
  264. 中西績介

    ○中西(績)委員 さらに、市町村基本計画について主体的自立性が問われておるわけでありますけれども基本となるべき都市計画があって、この方針と整合のとれた基本計画が策定されるべきであると思います。都市計画に関する基本的方針は、一定規模都市で策定しているものが大変少ないということが先ほどの答弁の中でもあったわけでありますけれども、これはどの程度なんですか。
  265. 木下博夫

    木下政府委員 お話のございましたのは、都市計画法十八条の二に、いわば市町村のマスタープランというのを決めることになっております。これとの調和ということを今回の法律の中にうたっておりますが、確かに市町村のマスタープランは現在は二百八十を超える数字でございまして、全国でこれに該当する市町村が二千余りでございますから、率的にはまだ大変低うございます。そのとおりでございます。  ただ、先ほどもお答えいたしましたように、現在のいわば策定の準備状況を先般アンケート調査等でやりましたら、合わせますと約一千を超える市町村が準備に入っております。そのうちから喫緊にどのあたりが実際の策定が完成するのかということになりますと、まだ見通しをはっきり申し上げられるような状況ではございませんが、多くの市町村が町に対して従来からかなり問題意識を持っておりましたけれども、今回の件を踏まえて、より新しい問題意識を含めてでございますけれども、この策定を終了するような状況になってくると思いますから、そのあたりでは、各市町村の持っておりますマスタープラン、都市計画法上のマスタープランと、今回の中心市街地法におきますいわば基本計画との整合性という論議が俎上にのるのじゃなかろうかと考えております。
  266. 中西績介

    ○中西(績)委員 千を超えるというお答えがございましたが、今までの各市町村におけるこうした取り組みというのがおくれておったと私は考えるべきだと思いますね。ようやく今こういう体制に入ってきた。ということになりますと、これから後のあり方は、地方分権が行われ、そこで主体的な行政というものが進んでいくわけでありますけれども、そのための人材構成というのが果たしてそうなっておるかどうかという問題が一つあろうと思います。  したがって、国が直接指導するなどということはできないわけですから、結果的には、都道府県との関係の中でそうした問題等についての育成だとか、こういうものを早急に手がけていかないと、主体そのものが十分でないわけでありますから、こうした点をこれから中心的に進めていくように、それぞれ各地方公共団体に対する提言をしていただければと思っております。これはもう答弁は要りません。  そこで、時間が参りますので飛ばしますが、もう一つだけあれしたいと思うのですが、本制度に基づく支援事業について、所管官庁が複数の関係省庁にわたっておることがこれから非常に多くなってくるだろう、こう思います。事業が支障なく運用されるように、関係省庁の連携と調整が極めて重要になってくると思います。この調整機能は、これから主務官庁をどこに置き、どういう形態でしていくのか、これが一つ。  同時にまた、市町村が各省庁と行う事前協議だとか申請手続等が円滑にされるように、どのようにこれから措置をしていくのか、ここいらについて具体的にお答えいただきたいと思います。
  267. 堀内光雄

    堀内国務大臣 ただいまの御質問一つの問題は、提出をされてきた計画についてどのように取り扱うかということでありますが、十一省庁関係するわけでありますが、計画自体に対しての意見やその他助言などを行うことは一切考えておりません。ここで行いますのは、その計画自体がいいか悪いかということをもとにしながら選ぶ、セレクションということは出てまいりますが、それ以外のことに立ち入ったことは中央において考えることはないということが一つであります。  と同時に、これは十一省庁ございますので、この十一省庁がどういうぐあいにその窓口になって、どういうぐあいに各市町村からの手間を省くようなことができるかということになってまいります。政府部内におきましては、関係省庁の連絡協議会を設ける方向で準備を進めておりますが、幹事省である通産省、建設省、自治省を中心として一元的な窓口を設置することを検討いたしておりまして、先ほどからもこの問題についてはいろいろと御意見をいただいておりますが、具体的には、この窓口において市町村からの相談に応じて、関係省庁の施策や法律の運用だとか、先進的な事例等についての情報を一元的に提供できるようにしていきたいということを考えております。  また、施策の実施に伴って必要となる市町村から送付された書類や事業に関する聴取内容等につきましては、この一元的な窓口を通じて、関係省庁間でできるだけスムーズにとり行っていきたいというふうに思っておりまして、これから先の問題としましては、この一元化という問題について、さらに検討を加えながら、市町村の手続負担の軽減を図っていくようにしなければならないというふうに思っております。
  268. 中西績介

    ○中西(績)委員 その点は、これからのあり方はより総合的にということになりますと、ほかの面におきましても横断的になってくることがこれからはたくさんあると思いますね。したがって、そうした問題等を新たに、地方からの上申なりあるいは申請なり、これらについても問題のないように、いち早い体制を展開していくことを望みます。  それで、最後になりましたが、もう一点だけ。  私は、北九州とのかかわりがあるのですけれども、百万都市の中で人口減の起こっておるのは北九州なんですよ。そこで十数年くらい前に市電が廃止されました。そのときに私たちが提言をしたのですけれども、実現はしませんでしたが、地下駐車場を、市役所あるいはその周辺の公園の地下に大々的に立体的なものをつくり上げて、そして今度は道路そのものは一般の車の進入をとめて、バスならバスで入る。そして歩道をうんと広げて、先ほども論議の中にありましたけれども、オープンされた喫茶店だとかそういうものが外に出られるような体制だとか、いろいろなものを考えてやるべきじゃないか。そのときの一番中心になるのは駐車場問題だということを指摘してこの提言をしたのですけれども、これはとうとう実現しませんで、わずか市役所の中における狭いスペースの中での駐車場だけしかできませんでした。  ですから、今回の場合、こうしたあれができるようになっておるわけでありますから、例えば、大規模立体駐車場整備についての補助率を高めるとか、既にこれはもう出ておるし、あるいは本法律案において都市公園の地下占用許可の特例等をつくるようにしてありますから、こうした問題とあわせて公共駐車場整備民間駐車場の集約化政策が極めて重要視されてくるだろう、こう考えています。  これらについて何か一言あれば、おっしゃってください。
  269. 木下博夫

    木下政府委員 先ほど来申し上げましたように、中心市街地対策におきまして種々の問題があることは御案内のとおりでございますが、とりわけ今の御指摘のありました駐車場問題は、我々、今回の施策の中でも大変重要であろうと考えております。  しかし、地下駐車場は、多少言いわけ的になりますけれども、コストの問題等もございますが、今回の法律事項の中には、くどいのでありますけれども、例えば公園の下を使うということによって地下駐車場を確保してまいります。もう一つは、先生おっしゃられたように、大変大きなネットワークとして交通体系はどうあるべきかということで、都市によっては都心部に車を入れることも可能であれば、私ども、そういう施策もありますが、場合によっては、先ほども御紹介のありました外国の例などを見ますと、ある程度周辺部に、一たん駐車場に車をとめて都心には入れてこないというやり方もあろうかと思います。  先生がおっしゃられた北九州の例などのお話を聞きますと、それなりの規模が当時できておれば、都市のあり方というのも変わったというような感じも、お話を聞いていてうかがえるわけでございますが、これから各都市がいろいろな施策を打つ中で、私は、駐車場については大変大きな課題であるという認識を持っておりますし、各公共団体のおつくりになる基本計画の中にも、ぜひ駐車場問題というのをしっかり位置づけていただきたいし、それに対する支援策は、現在はいろいろ税制の問題とか融資の問題がございますけれども、大変限られた範囲の中での施策かもしませんが、そういうものに対しての支援はしっかりやってまいらなければいけないと思っております。
  270. 中西績介

    ○中西(績)委員 終わります。
  271. 斉藤斗志二

    斉藤委員長 以上で本連合審査会は終了いたしました。  これにて散会いたします。     午後七時八分散会      ――――◇―――――