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三村参考人 ただいま御
紹介いただきました
三村と申します。どうぞよろしくお願いします。
私は、
消費者
代表として出てまいりましたが、私の
団体は、長い名前の日本
消費生活アドバイザー・
コンサルタント協会と申します。この会は、
消費生活アドバイザーと
消費生活コンサルタントが一緒になりまして、昭和六十三年に通産大臣の許可をいただいて設立した社団法人でございます。
消費生活アドバイザーというのは、御承知のごとく通産大臣の認定資格で、受験をして得られる資格でございます。それから、
消費生活コンサルタントは、昭和三十七年から財団法人の日本
消費者
協会が養成しております
消費生活コンサルタント養成講座を修了した者たちでございます。ちなみに、
消費生活アドバイザーは、ことし三月に十八期生が誕生しました。それから、
消費生活コンサルタントは、昨年十一月に三十六期生が修了いたしております。
そういう中で、
消費生活アドバイザーというのは
企業と
消費者のかけ橋としてつくられたものでして、それから
消費生活コンサルタントは、昭和三十七年という、まだ
消費者という言葉すらも確立していないころに養成がスタートしたということからも考えられますように、やはり
消費者の知恵袋として養成されてきました。一貫して今現在も
消費者の知恵袋として養成されておりますので、
消費生活コンサルタントは
消費者
団体の中で活動している者もおります。
消費生活アドバイザーの多くは
企業の
消費者相談の窓口、
お客様窓口等におりますので、したがって、
消費生活アドバイザーで
大型店の
お客様相談窓口等に勤務している者も、私
どもの
会員の中にはたくさんおります。私
どもの中のもう一つの
消費生活コンサルタントは、
消費者の知恵袋として養成されましたので、
消費生活センターの中で
消費者相談に当たっている者が圧倒的に多いというような状況でございます。
要するに、私
どもは、いかに
消費者を守っていくかということでつくられた
消費者問題の専門家集団でありまして、おしゃもじなんて言うと主婦連さんにしかられてしまいますが、プラカードを持って
消費者運動を展開するとか、駅の前に立ってチラシを配るというような形の運動はやっておりません。ただ、
消費者の知恵袋にもなっておりますので、
消費者の足腰を強くするための支援をやっているというのが現状です。
長くなりました。それではきょうの本論に戻りまして、私は簡単なレジュメをつくってまいりましたが、現在の
現行法で
消費者は守られているのだろうかというところなんですが、私は、埼玉県の中で
意見聴取
会議の
委員もさせていただいているのですが、そういうところに行きまして
消費者
代表の
意見というのを聞いてみますと、
消費者
代表は、確かにはっきりと
消費者
代表ということを認識して来られている方は
意見、異議はほとんどないと言っていいのではないかと思います。
ただ、
消費者
代表をだれが選ぶかというのがあるものですから、
消費者
代表の方が周りの
商店街に気を使う、あるいは商店主の方に気を使うという形になりますと、面積は大き過ぎるのではないかとか時間をどうこうしろとかというような話が出てくるのですが、
消費者としては、今の
現行法の四項目の
調整項目の中からいえば、いろいろな
意味で
消費者利益を得られる部分というのはあるわけですから、
消費者としては
現行法の中でどうこう申し上げることはほとんどないと思うのです。
ただ、もう既に役に立たなくなっているというのを、私が出ております
審議会でもそうですけれ
ども、大幅に大きな面積で要求を出しておかれて、
審議会で削られることを初めから念頭に置いて出してくるというようなのが、いささかそうではないかと見られる嫌いがたくさんあるわけです。
審議会の席でもそういうことをおっしゃった
委員の先生がおられました。そういう形で
調整していくことが何の役に立つのだと
消費者側としては思わざるを得ないわけです。
例えば、一日か二日休日日数を削減するということが、たった一日削減することが、それは周りの
商店街から見れば大変な影響かもわかりませんが、
消費者側から見れば、いつ行ってもそこの店があいているという便利さのようなものがあるわけですから、一日ぐらいいいではないかと思われるのですが、一日削減するために、休業日数を減らすために面積を大幅に減らさせていただきますという形で出てくる、そういうバーターのとり方で今の四項目の
調整はもうできないというふうに私は思っております。
小さい商店の方から見ればそれがどれだけ影響するのかというのがありまして、私が出ております
意見聴取
会議でも、三十平米ぐらいの小売店の店主の方が、余り大き過ぎて想像できないということをおっしゃいまして、どっちみち
競争にならないのだからどうでもいいよというような捨て鉢なことをおっしゃった
意見聴取
会議の
委員の方がおいでになりました。埼玉県でやっている
意見聴取
会議ですから二種なんですが、そういうことをおっしゃった方がおいでになりました。私は、それではいけない、
競争できないというのではなくて、いかにその中で自分が生きていくかという
競争をしなければいけないのではないかと思うのですが、
意見聴取
会議の方からそういうお言葉をいただいてしまうと、
消費者側の人間としてはとても悲しい思いをせざるを得ないということになるわけです。
さて、昔は、行き着いたところにスーパーマーケットがあって、ちょうどお寺の門前町のような形で
商店街が
発展していくというような店がたくさんありました。私も昔、あるスーパーさんの一日
お客様相談というのを窓口で受けたことがありますが、そういうときに集まってこられる
消費者の方に呼びかけてはいろいろなことを聞いてみた経験があるのですけれ
ども、その当時は、野菜はスーパーで買うよりも門前町の方で買った方がいいんだというようなお話がありました。今は一概にそうとは言えないのかもしれませんが、やはりそれをねらって努力をしているお店に行ってみると、それだけ買った野菜のもちがいいというようなこともあるわけです。
実際にそれをやってみないと、男の方はそれをなさる方は余りいらっしゃらないでしょうけれ
ども、幾つかの店を回ってやってみますと、同じホウレンソウでももちが全く違うということもあるわけです。ここのお店は努力しているなと思うとまたそこに行こうということになるわけですが、そういう門前町があって、品ぞろえの豊富なものはスーパーマーケットに行って買って、安い物、それから自分が望むような差別化した商品、特に品質等の差別化したものを選びたいときにはその門前町の中の小売店で買えるというような形の
商店街が
発展していたころは、私はとてもうまくいっていた
時代だったのではないかというふうに思うわけです。
今こんなぜいたくなことを言ってはいられませんが、私自身も欲しい物があっていろいろなところを探して歩いた。結果、小さな町の商店の中にそれが置かれていて、とてもうれしい思いをしたという経験があります。例えば、特にテレビでコマーシャルが流れると、買いたいという
消費者が出てくるわけですね。ところが、マニアックな商品じゃない限りはどこへ行ったって買えるだろうと思って行ってみても、なかなか置いていない。それはその時期というのももちろんあるのでしょうけれ
ども、実際には商店のスペースに置けないということが、
大型店でもあるのだと思います。ですが、現実には小さい商店がどれだけそういうことを、
消費者が何を望んでいるかをつかむという努力をやってくださっていただろうかということを私は訴えたいと思います。
さて、埼玉県のある市が行った市民の
購買行動調査の結果では、広告を読む主婦は、市内の商店だけではなくて、市外の商店までも広告をにらみ合わせて買い物に行くという行動が明らかに出ているのですね。それは当たり前のことだと思います。そういう中で、アフターサービスを望むような物、自分では持ち運べないような物はできる限り近くの店を選んでいるということもあるわけです。ですが、そういう
消費者行動にあぐらをかいている商店があれば、きっとまた同じような商店に食われていくということになるのではないか、今、これまでのように何かの形で小さい中小商店が保護される
時代は終わったのではないかというふうに私は思っております。
さて、最近は
郊外に
出店する
大型店がふえてきているわけですが、そのために裏で泣いている
消費者もいるということ、それも忘れてはいけないと思います。車に乗れない
消費者、あるいは高齢化している
消費者、例えば私が聞いた一つの例で申しますと、いつもはバスに乗って行くけれ
ども、大きな商品を、お布団の打ち直しを頼みたいと思ったけれ
ども、バスには持ち込めないので、自分のシルバーカーを引いて一キロ、二キロ先まで行った。こういう話を聞いてみますと、これは確かに電話一本で商店に来ていただくことが可能な物を自分で行ったというのは、考え方から見ればつまらない努力だったのではないかという気はしますが、毎日の買い物になりますと、高齢者とて自分で買い物に行かなければならないときに近くに商店がないというのは、とても悲しい問題になるわけです。
そういう中で、もし
商店街で配達を受けるというような形の努力をした店が出てくれば、必ずお客はそこについてくるということも言える。それで、私が住んでおりますところでも、スーパーマーケットが、
チェーンストア等のマーケットが、ちゃんと配達をやってくれているところも出てきていますし、コンビニさんもお金を払えばお弁当の配達をしてくれるという、高齢者にとってはありがたい
動きも徐々に出てきているということもあるわけです。
私は、そういうような努力を重ねた結果、いい
方向に向いた商店等に対して、
商店街等に対して、お金を出すのではなくして、これを世の中にPRしていくのが行政の保護ではないか、これからの保護というのはそういうものではないかというふうに思うのですね。お金をつぎ込むことで親方日の丸であぐらをかいているような状況では、今、もうこれからは伸びていけない
時代に来ているのではないかと思います。
さて、その次に、時間がなくなってきましたので先へ行かせていただいて、新しい
法律ができて、この
法律は、私たちにとっては、特に
地域に住んでいる、これからは
消費者というよりも住民といった方がいいのかもわかりませんが、住民にとってはとてもありがたい
大型店が出てくるときに、一番気になっていたことを
規制の対象の中に入れていただけるということになったわけですから、とてもありがたいことだというふうに私は思っております。
私が出ております
意見聴取
会議の中でも、はっきりとごみはどこへ捨てるのですかということをおっしゃった若い主婦の方がいらっしゃいまして、どこに捨てるということはとうとう最後までそこではおっしゃいませんでしたが、絶対に迷惑はかけないというふうに
出店者の方は言われました。そのときに
消費者の方は、町の焼却場は使ってもらっては困る、町の焼却場はもういっぱいなんだから、それはもう絶対に使ってほしくないということをはっきりおっしゃられまして、それがはっきりしないと私はオーケーはしたくないというところまで何度も
発言なさったという例が、一つ顕著な例として挙げられるわけですが、実際は、住民としては、それはとても問題になっております。
そして、特に、どうでしょうか、ダイオキシン問題。こんなに問題になっておりますダイオキシン問題は、住民の声が大きく力になって今この問題の洗い出しがなされているという状況ですね。私が記憶している中でも、二十何年か前に私がこの道に飛び込んだころにダイオキシン問題は既に出ておりました。出ておりましたのに、どうしてこれが問題にならないのだろうかとさんざん思っておりましたところ、ここへ来て、二十年もたってこの問題が出てきたのは、住民の力だったということが言えると思います。この住民の力は、これから
大型店が
出店していく上でも、自分の問題としてとらえていく
時代になるのだというふうに思います。そういう中で、もしも約束したことが守られないとすれば、住民は大きく立ち上がってくるのではないかというふうに思います。
それから、
出店規制の
町づくりが大事だということは、
消費者にとってもとても大切なことですが、先ほど
石原先生も同じことをおっしゃっておいでになられましたが、
出店規制の陰になってしまう形で、
町づくりが表に出て
規制が働くような、
出店しにくいような形にならないことを私は願っております。
それから、
土地利用で
立地規制がされていくという形になるわけですが、一昔前の商調協のような形になって
大型店の
出店が
規制されていくということも、これは
消費者の望むことではないということを申し上げておきたいと思います。
そして最後に、この
大型店は
地方自治体におりるわけですが、実際におりてきたときに、その
自治体が条例等をつくることで自分の町に合った
規制をかけていくという形にしたいという
意見がないわけではありませんが、私は、ここまではどこに
出店しても同じだという一つのレベルは必要だと思います。その一定レベルのところまではスタンダードを国がつくって、そこから先、ここから先は
地域でなければ議論できないというところを条例でかぶせていくべきであって、初めから条例で行っていくというのには、私は反対したいと思います。
それから、
消費者や
生活者が監視しやすくするために、一般住民に公告縦覧を簡単にできるような何らかの手段を講じてほしいと思います。一体何ができるのだということになるのですが、説明会の開催は、できる限り、例えば町内会の回覧板で回して説明会に人を集めるとか、それからPTAを活用するとか、いろいろな方法があると思いますが、身近なところで新しくお店が出てくるときの通知、知らせば出せるような方法をきめ細かくやっていただきたい。
それから、
意見提出はしたけれ
ども、そのした
意見がどういうふうに反映されたのかというのが全くわからないという状況では困るので、それもわかりやすい方法での情報を返していただきたい、こちらの出した
意見に対して回答を返していただきたい。必ず、
出店してからもそれは守っているということがわかるように、こういう形で守っていただくことになりましたというのを返していただければ、
地域の住民はそれをめどにして監視していくということができるということになります。
今私が申し上げてきましたのは
大型店ということで言ってまいりましたが、新しく
出店する店ばかりではなくて、既存の店も
環境問題については全く同じだと思いますので、それも意識していただきたいし、
地域の商店も、自分たちが一緒に足並みをそろえていくという意識を守っていただきたいというふうに思います。
そういう中で、私の
団体は、今現在三千四百名弱おりますが、全国で
会員が一人もいない県はありません。それぞれ
地域に拠点をつくっておりますので、その人たちが
地域のリーダーとして住民を引っ張っていけると私はとてもうれしいと思っておりますので、その努力を私の会としてもしていきたい、
消費者問題の専門家としてリーダー的な
役割が果たせるような形での地盤づくりもしていきたいというふうに思っております。
以上です。(拍手)