○伊藤(達)
委員 私も、これは前向きな
議論をしていかなければいけないというふうに思っておりますので、何か揚げ足をとるつもりは一切ございません。特に、
長官が今前段で
お話をされたことは、私も全く同意見であります。
ただ、
金融の問題と
経済の問題をやはり切り離すことはできないだろう。特に、一昨日も山崎自民党政調会長から十兆円規模の補正予算という話が、予算を審議している今日、出ているわけでありますから、やはり
政策を大きく転換しなければいけないという問題意識が与党の中でも相当あるのだろうなということを私
たちも
認識をしなければいけないというふうに思っておりますし、そして、私
たち自身も今までの
政策を見ていて、例えば
金融不安について、三十兆円を入れたのだ、これによって
金融システムに対する不安を解消して、
事態はよりよくなっていくのだというふうにおっしゃっておられますが、三十兆円の
お金を入れるという話をされたのは昨年の末であります。しかし、これを表明しても株価は戻らなかったのです。これはもう
長官御
承知のとおり、一万四千円台まで急落をしてきた。そして、株価が戻ってきたのは、一月十二日以降、
政府がマクロ
経済政策を
景気を立て直していく方向に変えていくのだ、そのシグナルが出たことによって株価が上がってきたのではないかというふうに私は思います。
したがって、今日までの非常に神経質な相場を見ていても、この方向性があいまいになっていると株価は落ちていくのですね。だからこそ今、先ほど減税という
お話もございましたが、やはり大型な減税をして、
通産大臣からも
所信の中で、法人税の大胆な改革に取り組んでいかなければいけないという
お話がありました。私は、さらに所得税の減税も必要だと思います。そういう大型の減税をして、民間の力を信じて、その潜在力を引き出していくような、そういう積極的な
政策に勇気を持って転換をしていくことが必要ではないかというふうに思っております。
時間が非常に差し迫ってきたものですから、この
議論を続けたいわけでありますけれ
ども、これで次の
質問に移らさしていただきたいと思います。
次は、
通産大臣の今回の
所信の中の第二の
課題として、
経済構造の改革を強力に推し進めていくのだ、そのためにまずベンチャーの育成というものに積極的に取り組んでいくのだ、こういう
お話があったわけであります。
私も
商工委員会に所属をさしていただいて、この問題については、
尾身長官も御存じのとおり、いろいろな提案をさしていただき、また、これは与野党の枠を超えて、幾つもの
課題について、これを解決する形で
商工委員会で大きな成果を私は出してきたのではないかというふうに思います。
特に、昨年の通常
国会の中でも、私は、これからのベンチャー
企業を育成していくに当たって、さらに六つの
課題があるということを
お話をさしていただきました。
一つは、先ほどの
尾身長官の話にも
関係していくかもしれませんが、店頭市場の改革というものをもっとやっていかなければいけないということであります。
二つ目は、これは実現をしましたけれ
ども、ストックオプション
制度の一般化、この問題であります。
三つ目は、ベンチャー
企業の創出のための税体系というものを新たに確立していく必要があるだろう。そこで、私自身は、
アメリカの百九十万社が利用している、通常の会社であっても法人税を課すのではなくて出資者に対して所得税を課す、Sコーポレーションというものを持ち出して、こういう税体系に取り組む必要があるのじゃないかという
お話をさせていただきました。
さらには、投資家とベンチャー起業家とのマッチングシステムの構築というものをしっかりやっていかなければいけない。そして、産学官の連携を深めていかなければいけない。具体的には、テクノロジー・ライセンス・オフィスといった
制度というものを
導入していく。これは今回の法律にも入っておりますけれ
ども、そういうものを実現していくべきだという
お話もさせていただきました。
そして六番目に、休眠特許の有効活用というものをやっていく。
それぐらいの
政策をパッケージにして早急に実現をしていかなければ、本当の
意味での
経済構造の改革というのは私はできないのではないかというふうに思います。
アメリカは一九八〇年代に、これはベンチャー
企業が頑張って、何と一千九百万人の雇用を創出したのです。大
企業が三百五十万人の人員をリストラしましたけれ
ども、ベンチャーが頑張って一千九百万人の雇用を創出した。新規の雇用創出の何と八割はベンチャーが生み出したわけでありますね。私は、これがやはり
経済構造の改革の
一つのイメージではないかというふうに思うわけであります。
そこで、まず大臣にお伺いをしたいのは、店頭市場の改革に絡む問題であります。昨日、
内閣が証券取引法の
改正について閣議
決定をしたわけでありますが、この
改正については、店頭市場を活性化していくに当たって阻害することになるんじゃないかな、そういう不安を私も感じざるを得ないようなものが含まれているような気がいたします。これについては
通産省の現場でもいろいろ問題意識を持っておられたのじゃないかと思うのですが、一連のいろいろな経緯もあったと思います。その点も踏まえて、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。