○
土肥委員 それは
田中さんとしては無理かもしれませんけれ
ども、
大臣に言うと、また
大臣も無理かもしれませんので。
要するに、復興基金で逃げたのですね。そして、これは市、県が
借金するのですから、だから
借金がどんどんふえていくわけです。元金は残りますから返せるわけですけれ
ども。そういう
意味では、地方交付税にいわば紛れ込ませて復興基金の
支援をしよう、こういう
政府の
考えなわけです。
それで、結論を言いますと、復興基金で十年間で大体三千百億から三千五百億ぐらいの
運用益が出てくるわけですね。結局、三千億では足りないということなのです。
被災市民へのきめ細かな方策をとおっしゃいます。復興基金のメニューを見ますと、今、百五か何かあるのですね。そして、ずっと見ていても、何をするのかよくわからないのです。とにかくすごいメニューがあるわけです。ですから、私としては、このメニューを大幅に見直して、もう少し
被災者が元気の出るような形にお金を使っていく。元気が出るというのは、
一つは心配がないようにしてやるということですね。そして、将来の見通しが立つようなお金の使い方に全部変えるべきだというのが私の提言でございまして、あくまでも個人
給付はしない、だけれ
ども復興基金で
生活支援策をとっていくというならば、これはもう
地元の議会なり、
地元の行政が
考え方を変えていただかなければならないわけであります。
これは
阪神・
淡路だけの話ではございませんで、
委員の皆さんが住んでいらっしゃる町でいつ起こるかわからない、大
災害が起こるわけでありまして、そのときに今みたいなお金の使い方をしていると、結局私は、棄民というのはちょっと言い過ぎかと
思いますけれ
ども、一人一人の問題は捨象されまして、捨てられまして、いわば行政のシステムの中でどうぞ生きていってください、行政の提供するサービスで
生活再建をしなさいと。辛うじてここに二種類の、
生活支援策あるいは自立
支援制度ができたわけでありまして、この
考え方というのは、復興基金というような形で逃げても、実は追いつかないのです。
そもそも、この
地震が起きたときに、十兆円の損害で、
政府は四兆数千億出されたという話でございますし、また、それに見合った地方の負担金もあるわけでございまして、それは相当な
事業ですよ。先ほど
田中次長は、民生というか個人
支援に近いものとして一兆円というふうにおっしゃいましたけれ
ども、
被災者それぞれに一兆円お金が来た、あるいは四兆円でもいいですよ、四兆円が来たという実感はほとんどないのです。これが行政の
措置の難しいところでありまして、個人に届いていないわけですね。それで、辛うじて今二つの
支援策が復興基金を通じてなされようとしている。
本当に一兆円使ったのかなと、私も疑問に思っていろいろ計算をしております。私の計算だと五、六千億ではないかなというように思ったりもしますけれ
ども、十兆円の損害で、せめて十分の一ぐらいはそれぞれの
被災者が立ち上がる資金に回したらどうですかというのが二つの法案の
基本的な
考え方なのです。
つまり、配分の問題でもあるし、同時に
財政の問題でもあるわけです。結局、六次か七次にわたって、補正予算も含めて大変な額、四兆三千億というお金が国費で出ました。大変ありがたいことです。だけれ
ども、一言で言えば、
被災者の
生活に触れるようなお金の
支給はなかったということなのです。それで、今も
被災者の皆さんがいろいろな運動を通じて言っていらっしゃるのは、そういう
震災対策で、
災害対策でいいのですかということなのです。それで本当に国や地方自治体は責任を果たしたのですかと。
お金が欲しいというのではないのですよ。市民立法という方々の総額は一兆一千億か何かですね。そのお金が欲しいというのではなくて、それぐらいのお金を使わないと元気が出ないし、立ち直ることはできませんよと。その他の行政
措置、行政政策は結構です、やってください。だけれ
ども、根本的に一人一人に、おい、元気を出せよというのは、市民の皆さんの
考え方によると、一人五百万円ぐらいではないのと。
実は、私、もう
一つ話の展開として申し上げたいのは、やはりこれだけの十兆円
規模の
大震災が起きたときには、増税しかないのです。
僕はそのころまだ与党におりまして、村山政権の中で復興プロジェクトにおりましたが、一%の消費税アップ、つまり、
阪神・
淡路震災対策特別消費税というようなものをやりますと、一%だと二兆二、三千億か二兆五千億ぐらいになりますね。これが五年続けばもう十兆になってしまうわけです。全
国民の皆さんに、
阪神・
淡路大震災のために三年間、あるいは二年間でいいですよ、市民
生活を立ち上がらせるために消費税を下さいと言ったときに、反対するでしょうか。税制として非常に難しいという論議は確かにございます。それは認めます。だけれ
ども、それぐらいの財源がなければ結局市民
生活は立ち上がらないということなのです。
ですから、この
災害特というのは一体何をする
委員会かなと思うときに、やはり根本的に
災害対策というものを
考え直さなければいけません。
例えば、
地震保険なんて何の役にも立たないですよ。今後五十年、百年に
地震が起きるかもわからない。相当
地震保険の加入率がふえましたよ。今は損害保険に一七%ぐらい入っていると
思いますが、これは年間大体十万円掛けるわけですね。そして返ってくるのは一千万円までです。これは
国民が掛けるはずがないです。
地震があるかもわからないから皆さん
地震保険に入りなさいよなどと言ったら、保険会社がもうかっているだけなのです。相当なもうけが残っていると
思いますよ。何千億、あるいは兆の単位で
地震保険の会社は収益を残しているというふうに私は想像しますけれ
ども。
これはやはり、
地震が起きたときには国家として特別なお金を集めて
助ける以外にないのです。そういうシステムに今なっていないということを私は繰り返し申し上げているわけです。
では今後どうするのと。きょうの
段階では、
政府は一切個人的に
支給はしませんとおっしゃる。そして、復興基金は地方に任せていますから、地方が
借金するのだからそれを待ちましょう。となると、神戸市民は、あるいは
被災者は覚悟しなければいけません。つまり、国は個人的には何もしないということを確認しなければならない。そういう事態になるわけであります。
だから、提案ですけれ
ども、今から、復興基金の運用がまだあと七年あるわけでありますから、私は、復興基金を大幅に見直しまして、細かなメニューをたくさんつくるのはやめて、具体的に個人の
被災者の
生活の
支援というところに視点を置いて重点的にお金を使っていく。十年間で三千百億円ぐらいじゃ間に合いません。やはりあと五千億ぐらいつくらなきゃならないんじゃないかというような
思いもいたしますけれ
ども、こんな
財政状況の中で、こういう景気の中でそんな金が出るのかという話にすぐなるわけです。だけれ
ども、多くの
被災者をそのまま、自分で
生活の設計をし、人生の設計をして、自分で立ち上がりなさい、こう言ったときに、神戸市の暮らしというもの、神戸市の市民というものがどういう
状況になっているかなと思うと、背筋が寒くなる
思いがいたします。そして、政治家は何をしていたんだという批判のそしりを免れない、そのように思うのであります。
ですから、国の方で、地方、地方とおっしゃいますけれ
ども、中央の復興本部と地方本部の定期的な協議会がございますね。その協議会の中身について、全く私は刷り物でしか知っておりませんけれ
ども、どんな話がなされているか御説明いただきたいと
思います。