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城島委員 大体わかりました。
先ほど申し上げましたように、
人畜共通感染症をちょっと調べてみますと、WHOとFAOの合同専門家
会議の報告書があるのですが、かなり古い報告書によっても約百三十種類という報告があります。さらに、一昨年のWHOの報告によると、新しく
認識された
感染症で、局地的あるいは国際的に
公衆衛生上問題となる
感染症というものをいわゆる
新興感染症というふうに定義をしたわけでありますが、さらに、既に知られている
感染症で、撲滅に近いような程度にまでなった以降再び流行し始めている
感染症、これを
再興感染症というふうに定義しているようでありますが、三十種類以上の
新興感染症が出現をしているというふうに報告しているわけであります。
このように、新しい
病気も
再興している
感染症も、大変問題なのは、
人畜共通感染症、最初に触れましたように、
動物由来の
感染症が極めて多い。また、
一類なんか特にそうでありますが、未知であるということもあって
対応策というのがなかなか難しいというところが
一つ特徴かなというふうに思われます。
こうした
新興あるいは
再興感染症の原因というのを調べてみますと、やはり最近の国際化あるいは交通手段のさまざまな発達ということに伴って、
動物も含めてでありますが、人、
動物の移動の拡大や高速化ということが指摘をされているわけであります。マールブルグウイルス、あるいは最近有名になりましたエボラあたりについてはほとんど猿というふうに思われていますが、猿類を介して原産国からアメリカあるいはヨーロッパに
侵入した。これはどうも航空輸送ということによって感染したようであります。
また同時に、こうしたウイルスが、今まではほとんど静かにしていたわけでありますが、本来であると、熱帯雨林とか森林地帯というところに生息する未知の
動物が保有していたのではないかというふうに思われるものが、御案内のように、発展途上国における地域の開発等によって猿あたりが奥地に入っていくということによって猿あたりへの感染ということが起き、そのことを通じて人に感染をしていく。そういうことによって人での世界的流行が始まっているのではないかというふうに思われているわけであります。
そうした点からすると、こういった原因を考えると、世界的に今後も、ほっておきますとそれこそ新
感染症ということになると思いますが、そういうことが一層ふえていくと同時に、
我が国においても例外ではないということが言えるのではないかというふうに思うわけであります。そういう点で、非常に私自身が問題意識で心配しているのは、実は
動物の輸入の
検疫なんであります。
これも、現実的に、ちょっと調べてみますと、どうも
日本においては、僕なりの整理をしますと、
我が国はペットという概念が非常に広がっているのではないか。一般的に、欧米先進国というふうに限定をしますと、ペットというと、犬、猫、それから一部の鳥、そういう
範囲をペットと称する。ところが、
日本の場合は、特にバブルの時代で言うと、場合によっては、エキゾチックアニマルということで、投機の対象ぐらいにまでなる要素もあって、ありとあらゆる
動物がと言った方がいいと思いますが、いわゆるペットと称して飼われているし、ペットショップは多いですし、ほとんど輸入が原則フリーになっている。これは欧米先進国から見ると極めて異常な
状況にあるのではないかというふうに思うのです。
検疫制度
一つ調べても、特に輸入の野生
動物ということに限定しますが、その
検疫については、例えば、ほとんどの国においてはもちろん、
我が国も大については狂犬病の
予防接種とか健康証明書が必要であります。今度新たに猫に関して狂犬病の対象になるわけでありますけれども、猿に関しても、野生の猿の輸入についても
検疫を行っている国は圧倒的に多いですし、それから、例えばドイツでは
研究用とサーカスの使用以外に猿の輸入を禁止している。あるいは、アメリカでは輸入業者の登録制と
検疫施設の査察を基本的に課している。それから、ペットとしての猿類の輸入は原則禁止をしている。
今ちょっとアメリカ、ドイツのことを申し上げましたけれども、一般的に押しなべて言いますと、諸
外国においては野生
動物の輸入というのは原則禁止をしているということだと思いますが、
日本の場合は、先ほど申し上げましたようなそういうことからするとほとんどフリーである。もちろん、
動物に関しては今まで
狂犬病予防法しかなかったからということもありますが、また同時に、ペットの概念としていつの間にかそういうふうに非常に拡大をした、場合によっては投機の対象にもなっていったということもあるのではないかということです。
それで、まず一点、そういう
状況を含めて御質問したいわけでありますが、膨大な数があると思われますが、今、いわゆるペット業者と言われている業者の数が一体どれぐらいあるのか。さらには、ペットも含めてでありますが、輸入されている
動物の
状況、どういう
観点で分類されているかはちょっとわかりませんが、どういう
状況にあるのか、お尋ねをしたいと思います。