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鰐淵委員 大臣の経済的な認識につきまして、同感するところもございます。
なぜこの経済の問題認識について聞いたかと申しますと、これは非常に、社会保障
制度、福祉その他と関連するわけであります。それはなぜかといいますと、今減税を行った、しかし、減税を行ったけれども、
国民は、消費に回らずして貯蓄に回っているという現況。なぜ減税しても貯蓄に回っていくのか。手として
国民に減税をして、本当はこれは消費に回ってこそ経済に力がついてくる。これが貯金に行っちゃうと、なぜ貯金に行くのかというと、私、多くのデータあるいはいろいろな参考の
意見を聞きますと、やはり
国民は将来にいろいろな不安を持っております、不安。どんな不安かというと、一体年をとったら、独居老人になったら大丈夫だろうか、あるいはまた、体が悪くなったら大丈夫だろうか、見てもらえるだろうか、あるいはまた、子供たちが大きくなったときの費用は大丈夫だろうかということで、将来に、漠然かもわかりませんが、非常に不安を抱えているので、収入がちょっとあってもこれはなかなか消費に回っていかない。ですから、いわば社会保障
制度というものは、言ってみればそういう
国民に対するいわゆる安心感、安定感、こういったものを対策として講ずるのが私は社会保障
制度だと思うのです。
ですから、社会保障
制度がしっかりしておれば、経済はいろいろ景気、不景気、変動はありますけれども、その社会保障にきちっと裏づけられておれば、経済も、右肩上がりの成長ではないけれども、安定成長か、あるいはまた今のような極端なデフレ傾向あるいは景気後退とも言われるような
状況ではなくなるであろう、私はそのように
考えるわけであります。したがって、この社会保障というものは非常に大切であるという認識から、今伺ったところでございます。
さてそこで、
国民健康保険の一部を
改正する
法律でございますが、この点につきまして、私は、今、
法律の
改正がありますけれども、いろいろ今各
委員からも質問がありましたけれども、何年かたちますとまた同じような現象が起きてきます。といいますのは、
国民健康保険はどういう方が加入しておるかというと、もちろん御案内のとおり自営業者あるいはまた圧倒的に多い無職、いわゆる会社で働いて、退職
医療制度を二年間経過したち全部国保に入ってきます。いわゆる無収入、収入の余りない方々が圧倒的に多い。そういう方々で組織している
国民健康保険でございますので、非常に運営が難しいわけであります。
私は特に北海道というところにおりましたから、御案内のとおり、北海道はもう
国民健康保険は大赤字であります。収納率は八〇%台、悪いときは八〇を切るか切らないかという危険な状態もありましたが、これは相当督励をして、それでも八四、五%あるいは八七%、九〇台に乗るなんということは到底夢物語。こういう
状況の中で国保を運営するということになりますと、やはり
市町村が単独で一般会計から繰り入れをしているというのが実態。そうでなければとても国保の運営は成り立たない。それでもなおかつ相当な赤字であります。
ですから、さきに申し上げましたように、国保の加入者は無職、高齢者が多い。どんどん加速的に高齢者の加入者が多くなってくる。そうなると、せっかく今
制度を一部
改正をしましたけれども、またすぐさま
改正をしなければならないような
状況に立ち至るだろう、このように私は
考えておるわけでございます。
したがって、この
国民健康保険につきまして、
厚生省としては、私自身、
抜本改革といっていろいろ今ありましたけれども、なかなか
抜本改革というのは、
大臣がおっしゃったように妙案というのはないと思いますね。何か
抜本改革をやれば何でもよくなるような、こういうのは幻想だと思います。本当にみんなが高齢者の
医療を支えていく、そういう痛みあるいは適正な
負担、適正な給付、そして
制度が非常にフェアで、だれしも納得いけるような
制度、こういったものを充実してこそ
国民に納得される
医療改革になっていくと私は思うわけでございます。
そこで、
国民健康保険の今の
改正等によって抜本
医療対策までつないでいくということでございますが、
厚生省としては、今のような
制度の
改革で本当に、各
保険者、
組合健保とかその他ありますね、そういったところの
負担、
保険財政も非常に悪くなってきていますから、被用者も二分の一
負担、働いている人も
負担するわけですから、どんどんそういうことで国保の方に移動していくということは、ある
意味では非常に反対といいましょうか、それに対して抵抗を感ずると思うのですが、こういう
制度はずっと後まで続け得るとお
考えになるのでしょうか。その点について、
局長さんに御
答弁をお願いします。