○久保
委員 今、政治家として、戦争というものは絶対にやっちゃならぬと思うというお言葉を発せられました。私も、ぜひそのことを強くお持ち続けいただいてこの戦後処理の
仕事に当たっていただきたい、そのことを
お願いする次第であります。
戦争というのは、もう何度も何度も言う必要ございませんが、さきの大戦では、軍人二百三十万人、一般人が八十万人、合計三百万を超える方々が命をなくされました。その結果、当然のことながら、
遺族が発生し、また、亡くなられないまでも、いわゆる傷疾軍人になられた、また、障害者になられた、そういった多くの方々がおられるわけであります。
ちょっと前の
資料なんですけれ
ども、法律時報の六十一巻に、ある学者さんが、「戦争犠牲者
援護立法の推移」ということで、いろいろな法律、今回のこの二法もここの中に入っておるわけでありますけれ
ども、いろいろな法律が、いつできて、今どういう
状況だということを
調査された一覧表がございます。その中に、それこそここに並んでいる法律だけで十六本あります。
もちろんすべてが
厚生省の所管でない部分もあるわけでありますけれ
ども、この十六本の法律によって、今、いわゆる戦後の処理、後始末といいますかそういったことが行われておるわけでありますけれ
ども、この法律、考えてみますと、今回の
厚生省から出されております法案だけで、前の方の法案で、対象者が約五万四千今後の方の、
父母等については、これは圧倒的に数が、五年単位でがくんがくんと減って、今回は八百十人の方が対象。
しかし、それ以外に、被爆者関係でいいますと、なお二十数万人の方がおいでであるとか、あるいは、戦傷病者の特別
援護法であれば九万五千人近い方が対象になっておられるとか、あるいは、未帰還者の関係でいえば二万五百人近い人
たちが対象になっている。また、恩給の中でも、軍人関係だけで百六十万人近い方々がおいでである。
こういうことを考えますと、もちろん基本的には年々年々、
一つ一つ減っていってはおりますけれ
ども、私は、まあいよいよ今世紀、世紀末、二十一世紀、何としても、ある
意味で明るい
状況でもって、
気持ちでもって新しい世紀を迎える、そんなことを考えたときに、早く終わらせたいと言うたら、もちろん
遺族の方がおられる限りそんなわけにもまいらぬわけでありますけれ
ども、そこらあたりのことを国家としてなお一層手を尽くしてやっていくべきであろう、そんなふうに思うわけであります。
そこで、今、一部で訴訟も行われているそうでありますけれ
ども、
厚生省の今回出しておられる法案に関して、なぜ国籍条項が必要であったのか。先ほど申し上げたさまざまな法律の中でも、国籍条項関係なく適用されておられる法律もあるわけでありますけれ
ども、この法案に関して、過去何度か議論されたかと思いますけれ
ども、何ゆえに国籍条項というものが必要であったのかということについてお尋ねをしたいと思います。