○
石井(紘)
委員 大体、さっきからの
答弁を聞いていると、
通産省の
答弁を聞いているような感じがする。地方自治体が
地域の
活性化のためにする、そういうものを国が支援するのはいいよ。そうして、いろいろなそういう
民間の
事業の
活性化について
構想をつくる、
施設をつくる、そういうのはいいけれども、何で
道路公団があるいは
建設省が、そんなの余計なおせっかいですよ、その
地域に。
そうすると、そこへ行くための
交通が今度は一定程度ふえてくるでしょう、
海ほたるなら
海ほたるへ行くものが。そうすると、本来の
高速道路、
高速道路といっても字が違っていると言う人もいる。人を拘束するのが
高速道路だと言うのもいるけれども、だんだんとそういうふうになってくるわけですよ。人を拘束する
高速道路。要するに、そういう
商売を
道路公団が始めたので、そこに行くために今度は
道路がふさがってしまう。そうすると今度は、これは
建設省は喜ぶのかもしらぬけれども、また新しい
高速道路をつくらなければならない。どういうふうになって、どんどん余計なことをやるものだから、
自分がやるべきじゃないことをやるものだから、そういうことで一方では
道路の
目的というものが変わってくる。
これは
道路だけじゃないですよ。この新
全総、二十一
世紀の
国土の
グランドデザイン、こういうものに、
国幹審だとかあるいは
道路審議会だとか、そういうようなものがどんどん
道路をつくろうというのをこれまた上塗りして全部、
道路だけじゃなくて、港もやろう、空港もやろう、
ダムもやろう、
スーパー林道もやろう、みんなやろうというので、これは集大成してあるわけですよ、
国土庁が。
これでいくと、どういうふうに書いてあるか。いいですか。例えば、
全国のどこの
地域からもどこからでもアジアに日帰りできるようにしよう、あるいは一日で、とにかく国内どこへでも
全国一日
交通圏というのが四
全総、今度は
地域半日
交通圏、これが新
全総。そのために、高
規格幹線道路網というのは一万四千キロ、さらに
地域高規格道路六千から八千キロ。
幾ら道路があっても足りない。
それで、今、
日本じゅうに
高速道路だけで七千キロぐらいあるわけです。それで、港が幾つあるか。
コンクリートでつくっている港が千。
飛行場が幾つあるか、百。
ダムが幾つあるか、二千六百。そうやって、この
スーパー林道、
スーパー林道の林(りん)という字も、林(はやし)というのは今や林立する林(りん)というような
意味合いになってきている。
こういうふうにやっていったら、では一体
日本列島をどうしていくのか。
日本の
国土は三十七万
平方キロ、この三分の一ぐらいしか
平野がないわけだ。そこへ一億二千万の人間が住まなければならないわけだ。この辺を見渡してどこか土が見えるところがありますか。大体
コンクリートばかりだ。(発言する者あり)まあ、それは
一般道路は大いに便利につくっていただいて私はいいのだろうと思いますよ。
それで、そうやっていくと、
東名だって一本では足りない。それで第二
東名というものをどんどんつくっている。そうすると、第二
東名ができればまたそれだけ車がふえるわけだから、それでまた、いろいろな
商売を途中でまたやり始める。そうすると、また込んでくるから第三
東名をつくると。そうすると、結局
日本じゅうを全部、
道路とか
飛行場とか港にしてしまわなければならないというのがこの
基本方針ですよ。
だから、これは
国土庁にちょっとやはりしっかりしてもらわなくてはいけないと思うのですね。
建設省というのは、どうもつくるのが
商売だというふうに皆さん根っからもうしみついてしまっているみたいだから、
国土庁の方に少ししっかりしてもらいたいのだ。
この
グランドデザインというものには、こういうふうに書いてあるのです。これは学者やなんかが書いた文ですよ。最初の方には、例えばこれからの
時代は、日常の中で自然に親しむ
機会がだとか、あるいは、
生活の
利便性よりも自然との触れ合いを重視するという
自然志向の高まり、あるいは、自由時間を過ごしたり、自然の豊かな
地域を高く評価する
人々がふえている、清浄な水とか空気を求める
人々の欲求が強まるなど
生存基盤としての
環境も強く意識されるようになってきている、こういうなかなかもっともらしいことをちゃんと書いてあるわけです。それで、ミティゲーションなんという、
環境影響の回避だとか、要するに、
環境を壊すのは
最小限、
最小化、その代償について認識をするとか、そういうことを一方では書きながら、それでだんだん真ん中辺になってくると、今度は役所が書いている。中部国際空港をつくる。国際空港というのは幾つありますか、
日本に。あるいは、港をつくる。アジア一日圏、高速性、
利便性の向上、前に書いてあるのと全く逆のこと。全くこれを読んでいると頭がおかしくなってしまうのだけれども、そういうようなことなどが書いてある。それで、後の方になってくると、これは都道府県の知事さん
たちが書いている。もう具体的に、どこからどこまで
高速道路をつくる、どこからどこまで、どことどことどこの開発をする、港をつくる、そういうことが書いてある。
国土庁は、もうちょっと広い視野で、もうちょっと長期的な、人類のと言わないまでも、
日本の未来を考えながら、
日本じゅうを
道路にしてしまうとか、
日本じゅうの港を
コンクリートで固めてしまうとか、あるいは、川という川を全部
コンクリートにして、そしてそこへ
ダムを次々つくっていくとか、国際空港なんてこんな狭い
日本にせいぜい二つぐらいあればいいのではないですか。(発言する者あり)いや、国際ハブ空港はね。ハブ空港という
意味で言っているのです。(発言する者あり)いや、それは欲を言えば切りがないのだ。だれだっておいしいものをたくさん食べたいのだ。
国土庁、どうなんですか。