○吉田(公)
委員 今度は、それを
民間指定
確認機関というのに提出するときに、まずこれで引っかかってしまう。幾らすばらしい図面をかいても、接道で引っかかってしまう。
そうすると、今までは各地方自治体で、これは
確認をおろしませんよと言っているのだけれ
ども、
民間企業で最初から、接道を見て、うちで
建築確認を申請しても、これは
民間でやっても通りませんと言って、もうすぐ断らなければいけない。だから、そういう難点が
一つある。そのときに、今までやっているように黙認してしまうのかどうか。
民間企業に
建築確認申請を出すということになると、請け負ったはいいけれ
ども、この接道で最後は
確認がとれないという問題が
一つ出てきてしまう。
地方公共団体で、もう今から一番問題になっているのはこの問題なんですよ。この問題をどう整理するかということで、結局、建築審査会にかけなければしょうがない。建築審査会はある
意味では
建築基準法を超えた判断をする場合があるわけですね。つまり、ここにうちを建てた場合に別に何ら影響はありませんというものを建築審査会で判断をして、建築課へ戻すわけだ。
その建築審査会というのは確かに各公共団体にありますよ。ところが、三年に一遍とか四年に一遍しか建築審査会など開かれないのです。これは、審査会にかけるなどというようなことになると容易なことではない。だから、今度は建築審査会というのが非常に重きをなしてくるんだけれ
ども、それだけの陣容も整っていないし、建築審査会係というのが一人かそこらいるだけ。なかなか受け付けないようにさせているわけだよ、自分たちが負けてしまうから。
同じ建築課に建築審査会係というのがあって、隣でもって
確認をおろしているわけだよ。だから、建築審査会係に持ち込まれるということは、今度はその審査会のメンバーによって判断を下されると、
建築主事はだめだと言ったものが仮にいいとなれば、建築課のメンツというのはなくなるから、できるだけ審査会に上げないようにしているわけだ。そういう問題が出てくるわけですよ。
だから、今から
特定行政庁が
心配していることは、つまり、
民間の指定
確認機関はいいのだけれ
ども、北側斜線が違反しているとか容積とか建ぺい率が違反しているというのではないのだから、最初から道路を見ればわかるのだから、そういうときに
民間委託した場合にはどうするのかということがこれからの大きな課題だと思うのですね。
それで、今度は
建築基準法ではないのだけれ
ども、建築をする場合に関連してくる日影規制というのがあります。
これは、各都道府県で条例でやっていると思うのです。つまり、日影条例を何でつくったかというと、大都市に住む
人間でもやはり太陽の光というのは平等にもらわなければ
いかぬ。そうかといって、大自然の中に住んでいる人たちみたいに全部太陽や自然を享受するわけには
いかない。お互いに受忍義務というのはある。そうすると、用途
地域によっては三〇%、二〇%、時間にしても同じだ、二時間、一時間、三時間となっている。
ところが、
建築確認をするときに、
人間に対して日影というのがあるのだけれ
ども、駅のホームやお地蔵さんにまでその日影の影響がある、そんなことを言っているのもいるのだよ。だから、駅の改札口にまで日影がかかってしまうと、これはもうだめです、階数を減らしなさいという話になってしまう。向こうが変電所であっても、これはもう日影規制でだめです、変電所に日影がかからないようにしなさい。そんなのはおかしいじゃな
いか。あくまで
人間に対して日影というのがあるので、何でそんな変電所やお地蔵様、駅の改札口に日影条例などを適用するんだ、おかしな話だ、こう思っているのだけれ
ども、それをまだやっていてなかなか許可しないのがあるのです。
だから、今度は、
民間確認機関に移管するときはそういう問題も含めてきちっとしておかないと、つまり、それでは
民間指定
確認機関が困ってしまうわけですよ。いろいろな制約があって、せっかく委託したけれ
どもできないということになりますから、そういう問題もぜひきちっと検討しておいていただきたい、そう思うのですね。
それから、もう時間がな
いから全部続けて言ってしまいます。
建築物を建築する際に、もう
一つ規制があるのです。それは、風致地区というのがある。風致地区というのは、できるだけ都市の周りにグリーンベルト状態に緑を残しておこうということで、大都市
周辺にあるんだろうと思うのだけれ
ども、風致地区というのがある。それは条例で決めなさい、こういうことになっている。ところが、都市が発達をしてしまって、バス道路ではんばんバスが通るのに風致地区になっている。高速道路の取り入れ口になっているのに風致地区になっている。もう実態に合っていない。だから、風致地区は、残すところは残す、バス道路みたいなところはもう外さないと。
建築確認をするときに、三つやっているのですよ。
一つは、指導要綱とかなんとかいって指導要綱でチェックを受ける。指導要綱がパスすれば、建築課へ回って
建築主事がオーケーを出す。それで、例えば
建築基準法や東京都の安全条例や県の安全条例ではいい、ところが、風致地区内の
建物については、もう一回今度は緑地事務所というところに
建築確認申請書を持っていって三つ目の判こを押してもらわなければうちは建てられない。
建築基準法では合っているのですよ。ところが、前面から三メーター引っ込めとか、隣地から普通は五十センチ離せばいいものを一メーター以上離せとか、当然そういう規制がかかってくる。
そういう問題も、大都市化してくると、いつまでたっても風致地区みたいなものを残しておいて、バス道路なんか
改正したらいいじゃな
いかと言っているのだけれ
ども、なかなかやらない。条例ですから、これは各都道府県の自主性によるということがあるのですけれ
ども、要するに条例でこれをやれと言っているのだから、やはり
建設省が主導権を握らないとできない話なのです。だから、風致地区条例についても、
建築基準法改正に伴って関連してくるわけですから、ぜひこのこともあわせて検討してもらいたい、そう思います。
それから、今度は指導要綱というのがありますよ。これがまた、各市町村、都道府県にこの指導要綱というのがめったやたらにあるのです。その建築指導要綱というのが、実は経済効果をマイナスにしてみたり、それから効率を悪くしている
一つの原因でもある。確かに、指導要綱をつくることによって乱開発を防ごう、ミニ乱開発を防ごうということはあるのだけれ
ども、しかし、それをやると非常に経済効果が悪い。しかし、指導要綱をつくっているわけだ。指導要綱って何だと言うと、いやこれは規制ではありません、
お願いをする、それから町や市の姿勢をこれであらわしているのです、こう言うのだけれ
ども、しかし、実際は規制になっているわけです。
だから、せっかく
民間の
確認機関を指定しても、指導要綱を温存している以上は、要するに指導要綱に合っていなければ建築は認めないよということになるのです。
それはどういうことかというと、各区、市町村によって違うけれ
ども、つまり、四百平米以上のところを開発する場合には、道路が四メーターあるのだけれ
ども、まだセットバックしろ、こう言ってくるわけだ、一メーターセットバックしろと。それで塀でも何でも直さなければいけない。すばらしい塀があったって、中心からセットバックしろと言うのだから、セットバックしなければ建築課へは回してくれないのです。みすみす塀をぶち壊したり何かしなければいけない。面積によって、セットバックするかしな
いか決まっているのだから。隣の面積は四百平米以上あってセットバックさせて、片っ方は百三十平米しかな
いからセットバックしなくていいというのだから、道路が幅が広がったり狭くなったりする。こういう一貫性のないことをやっているわけですね。
本当は、そんなに大事なら条例にしろと言うのだけれ
ども、条例にはできないのですよ。人の所有権の土地を、要するに条例程度でセットバックしろなんということは、私有権の侵害になるからできないのだ。だから条例にならないのです。では、そんなに大事なものなら法律につくったらいいじゃな
いかと。ところが、それは法律につくれないのだ、憲法違反の疑いがあるから。だから、指導要綱なんというわけのわからないことを言って指導しているわけです。
だから、そんなに大事なら条例や法律にしたらいいじゃな
いかと。だけれ
ども、人の私有地を簡単に、おまえセットバックして一メートル出せなんということはできないですよ。要するに、公共用地の協力をするためには、正式には土地収用
委員会にかけなければできないのだから。それを指導要綱でやっているのだから。まずそこが
一つはおかしなところです。
だから、これはもう指導要綱をきちっとしないと、せっかく
建築基準法を
改正しても、要綱が存在をしている以上はなかなか難しいと実は私は思っているわけですよ。ぜひその点を、要綱について今度の
改正とあわせてどういうふうにお
考えをされているのか、教えていただきたいと思います。