○武藤
政府委員 いろいろ広範な御
質問がございましたので、できる限り
お答えをしたいと思います。
まず、接待の全容ということで、相手方の金融
機関名でありますとか、さらに接待の
目的でありますとか、趣旨でありますとか、そういういろいろなことについてどうであったのかということでございます。
私
どもは、今回の
調査は、過去五年にさかのぼりまして、さらには約一千五十名の者を対象に行ってまいりました。そういうことでございますので、人によりましては記憶に相当な差がございますし、資料も、残っているものもありますけれ
ども、残っていない者もいる。一般的には、過去にさかのぼるにつれまして、一件一件の事実
関係を正確に調べるということは非常に困難でございます。
そこで、私
どもの今回の
調査の主眼をどこに置くかということでいろいろ検討したわけでございますけれ
ども、私
どもはまず、職員の行為が適切であったのかなかったのかということでございますので、その職員一人一人につきまして、
調査期間中の行為全体を総合的に考えてみて行き過ぎがあったかどうかという判断にその対象を絞ったわけでございます。したがいまして、すべてにわたりまして一件一件詳細に、網羅的に明らかにするということは、任意
調査の限界もございまして、把握できているわけではございません。
それで、その際に、私
どもは
本人の申告というものをもとにいたしましたが、その客観性というものを
確認するために、相手方の金融
機関に対していろいろお願いをいたしました。そういうことでありますから、相手方の任意の御協力を得るということでございますから、
一つ一つの金融
機関名というものを明らかにするわけにはまいらないわけでございますけれ
ども、そういう形で、既に公表しましたような件数につきまして、どのような期間、どういう
業務上の関連のある者とない者に分けまして、詳しいデータを提出させていただいたということでございます。
さらに、その際、接待をした側がどのような理由で行ったのかということでございますけれ
ども、私
どもは
一つ一つの会食の
目的というものを把握するということはいたしておりません。ただ、一般的に、それぞれの金融
機関に背景
事情としてどういう趣旨であったかということをお尋ねはしておるわけでございますけれ
ども、その場合の大体の御返事は、顔合わせでありますとか
意見交換を行うということでございました。いろいろお尋ねはいたしましたけれ
ども、職務に関する依頼があったとか、あるいは何らかの便宜的な取り計らいを要請したとかいったような
事例があったという
確認は得られなかったわけでございます。
そういうことでありますけれ
ども、しかし、節度を超えたというのは一体どのように考えるべきなのかということでございます。
私
どもは、
一つは職務上の
関係者であるか否かということを重要視いたしました。さらには、御承知のとおり、
平成八年十二月に
大蔵省職員の倫理規程という厳しい規定ができておりますので、それ以降につきまして、了承を得ることなく行った会食、ゴルフ等があったかどうかということを、これは相当厳正に
調査したわけでございます。
それから、七年五月の通達も出されたわけでございますので、それ以降におきましてもいろいろ
調査したわけでございますけれ
ども、さかのぼるにつれて資料や記憶の制約がありますものですから、私
どもといたしましては、同一の者との反復継続して行ったということが節度を欠いておるということではないかということで、問題の多いという意味で、その反復継続性というものを重点的に
調査したわけでございます。
それから、
平成七年五月以前におきましては、これはもうさらに前のことでありますのでいろいろ
確認に手間取るわけでございますけれ
ども、基本的には特定の者との間の反復継続といったものを判断の対象といたしました。
それから、職務上の
関係者以外の者とについて節度を超えるというのはどのようなものかということも検討いたしましたけれ
ども、本来、職務上の
関係者以外ということになりますと私的な
関係ということでございますから、職員個人がみずからの良識において判断するべきであるわけでございますけれ
ども、やはりそこは職務上の
関係者と同じようにある
程度注意が必要であるということから、特定の者と反復継続して行われたかどうかということを判断の対象としたわけでございます。
いろいろございますので、要するにそれぞれの、今申し上げました通達との
関係で、接待が行われた時期、それから職務上の
関係の有無、それから特定の者と反復継続したかどうか、さらには管理監督の地位にあったか否かということ等、全体の回数に加えて、今申し上げたようなことを総合勘案いたしまして、行き過ぎたものであるかどうかの判断をした次第でございます。