○青木
委員 思いますということで数をちょっと言われなかったのであれですが、しかし、数の裏づけでそういうふうに言われたのだろうと思います。
ということは、若干の傾向、私が承知しておる限りでは、果たして若干と言えるかどうか。
要するに、余り変わっていないのですよ。今いろいろと汚職、収賄事件がたくさん出た。たまたまきょうも、我が愛知県の環境部次長、
大蔵省出身の事件が出た。そういう大きな事件がたび重なって連日のように出るものだから、この
国会でも、これはいかぬ、あるいは
公務員倫理法をひとつつくらなきやいかぬというような話になってきているわけですが、冷静にその
実態を見てみますと、数も率もほとんど変わっていないのですよ、何年の間も。さっきからお話が出ていますように、三十年も前からこれは同じような議論をしたりしている。もっと大ざっぱに言えば、結局神代の昔からやっているのですよ、こういうことは。
結局、
公務員には、我々
政治家もそうですけれ
ども、そこには決裁権、いわゆる左右する決裁権が伴うから、言ってみれば権力があるから、それは一般の権力のない人よりもそういう不正、犯罪につながりやすいということであって、こんなことを言っては身もふたもないかもしれませんが、石川五右衛門じゃありませんけれ
ども、浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ。
人間社会、残念ながらどこまでいってもこういうことは伴う。しかし、必死になって、
システム的にそういうことが起こらないように、あるいは誘惑されないようなそういういろいろな仕掛けをつくっていって、これが野放しに増加をすることを防ぐ。下支えするというか、これはあきらめずに不断にやっていかなければいけないことではあるわけです。だから、まずその辺を認識しなきゃならぬ。そうすると、私が言いたいのは、いわゆる不正、犯罪でこういう審議になり、そして
国民の皆さんも怒られる。けれ
ども、今言ったように神代の昔から大体そんなようなことは尽きないということからすると、それよりも、そもそも
公務員とは何ぞや、そして
公務員はいかにあるべきか、不正ということではなくして、むしろそちらの方が議論する価値がある。どうも先ほどの御
答弁等をお聞きしておりましても、あれあれと私は感ずる御
答弁がございました。我々議員の間でもあるいは現職の
公務員の間でも、
考え方はいろいろでしょうけれ
ども、どうも
公務員とはそもそも何ぞや、あるいはいかにあるべきかということについての認識がかなりばらつきがあるというか、あるいはそれぞれが勝手な思いをしておるような気がしてならないわけなんですね。
そこで、ちょっと私の一方的おしゃべりみたいな話になって恐縮ですが、私はこれを
考えるときに、西部劇を
考えろということを言うわけです。西部の開拓地で開拓をして、人がだんだん集まって町ができる、社会ができる。そうすると、もともと金を持った人、財を持った人あるいはそこで財をなした人、そういう人というのは人を雇うことができる。治安も悪いですから、当然、私警、私の警備団をつくる。いいふうにそれが用いられていればいいけれ
ども、ついつい権力、力を持ちますと、これが悪い方向へ働いてしまう。そうすると、結局、強い者勝ちという社会がそこにできてくる。だから、それでは一般の人が苦しい思いをする、嫌な思いをする。したがって、団結をしてお金を出し合い、力のある人を雇おう。よその町、隣の町、有名なワイアットアープを呼んで、金を出して保安官として頼んで、そしてそういう悪行をなす者を取り締まる。
だから、これはいろいろ議論のあるところかもしれませんけれ
ども、
基本的には、民が主、
国民が主。民主主義国家にあってはあくまで主人公というのは
国民である、
国民が主人公である。だから、
公務員というのは、
国民が税を、お互いにみんなで金を出し合って、そして、もちろん取り締まりばかりじゃない、すべてですけれ
ども、
自分たちができないことあるいはやってほしいことをそういうお金で雇った人によってやってもらう。要するに、雇用主は
国民であり、
公務員というのは
国民に雇われた人だという認識というものが、口で言うとこういうことで簡単なようですけれ
ども、本当に腹の底にそういう気持ちがあるのかなということを、私は細かい日常のいろいろなことで感ずることが往々にしてありますし、
国民の皆さんからもそういう不平不満の声というものが、あるいはここにおられる皆さん方も聞かされているのではなかろうかと思います。
例えば、私が実際に経験した例でも、よく言われる話ですが、窓口業務のところへいろいろ物をお願いしますね、証明書を発行してくれとか、こういうことを受け付けてくれとか。やりますと、全部が全部じゃもちろんありませんけれ
ども、とにかくよく言われるように、まず口のきき方が非常に横柄だ。
国民が、主人様が雇っておる人にお願い、頼みますと言っているのに、雇われている人がえらい横柄な口調で、ああせよ、こうせよ。電話じゃいかぬから出てこいとか、あるいは電話をかけると、うちの担当じゃない、こっちの担当だと、よくあるたらい回し。
これは現に、私自身が
国会議員青木宏之という名を語らず時々やるのです、青木宏之ですがと名前は名乗りますけれ
ども。もっとも、私は有名人じゃありませんから、相手はイコール
国会議員なんて思いません。そうすると、そういう
対応が往々にしてある。これは事実です。それから、窓口業務が不親切だ。たらい回しがある。
だから、数え上げれば切りがないかもしれませんが、事ほどさように、今申し上げたように
公務員とはそもそも何ぞや、何か明治
政府以来の伝統がちょっとあるものですから、まだまだそういうものが流れておるような気がして、よく言われることですけれ
ども、何か、おれ
たちが
行政全部をやっている、
国民というのは
公務員が仕切っている人だ、何か逆になっちゃっている、そういう感じがしないでもない。
お聞きをすれば、そんなことはありませんというお答えが返ってくるとは思いますけれ
ども、現実に
国民が接する窓口業務でそういうことが往々にしてあり、不平不満の声が尽きないということについては、いわゆる犯罪どか不正ということもですけれ
ども、それよりも、これは日常問題ですから、まずその辺の根幹、不平不満が
国民の間から起こらないようにしていくという姿勢、あり方というものが特に求められるのではなかろうか、こんなふうに思います。
ぜひその辺の教育も、やっておる、やっておるということでありますけれ
ども、今私が申し上げた、
国民が主人公だ、
公務員は雇われ人だという
基本、これをあくまで忘れるなという教育を徹底して現職にもこれからの新人にもしていただきたいと思いますが、その辺、教育のあり方、いかがでしょうか。