○穂積
委員 こうしたことを質問しなければならないのも、いろいろ考え
ますと、
行政監察というものと各
省庁との
関係に関しては、とにかく、自分は気がつかなくとも、なるほど外部から言われるとそうだなということを、適切な忠告として受けとめられるような
監察を今後もやっていただきたい、こういう気持ちでお聞きするわけです。
そのときに、どんな省も庁も、
ます、自分のところでは
国民の期待にこたえた
行政をしっかりとやっているというようなプライドを持ってやってほしいと思うのです。そのために、みずからをきちっと律する。常に私どものセクションは本当に
国民の期待にこたえたような、与えられた
職務を果たしているかということを、
自己規制といい
ますか、そうしたことで内部的に常に反省を怠らずやっていくということと、自分では気がつかないようなことを人にも見てもらおうということ、
制度がかみ合って適切な
行政が今後行われるであろうという気がし
ますので、その点、
行政監察機能の
発揮のために、いささかでもなれ合いと言われないような姿勢で取り組んでいただきたいということを、重ねて申し上げておきたいと思い
ます。
さて、
行政監察の
対象になじむかどうかということの一つは、やはり午前中の質問にもありました、
公務員の
綱紀問題であり
ます。
それこそ、
公務員がまじめに
職務に専念、励行するというようなことは、当然
国民に期待される、そういう職業だと思うのであり
ますが、原田先生もおっしゃったように、昔、侍というのは、侍の職分を踏まえて、武士は食わねど高ようじということわざもあったではないかという話もあるわけであり
ます。それが何でこんなふうに、今回の
大蔵省の
関係の
不祥事のように、
公務員というのは一体何をしているんだというようなことを言われるようになったのは一体どういうことなんだ、
国民の皆さんもそう思っておられるわけであり
ます。
そこで、この辺、先ほどのことわざで言い
ますが、武士は食わねどというと、まあ薄給、処遇が悪い、そういう中で、人並みの遊びもしたいみたいなことなどの、あるいは人並みの生活もしたいということなどの気持ちが出て、食わねど高ようじじゃなしに、多少つまんでみるかみたいなことになるようなことだとすれば、そうした
公務員の処遇の問題等にもかかわる話だと私は思うわけであり
ます。
そうしたことで、これは、人事院をお呼びしなかったのですけれども、人事院は、本当にまじめに公務を執行するような
公務員を我が国が抱えていく、そのための処遇等について、十分これも人事院としての見識を示しながら仕事をし、
勧告していただきたいと思うわけでござい
ます。
そのような全般的な話とあわせまして、同じ官庁の中でも、いわゆるキャリア、ノンキャリアの問題が最近問題とされており
ます。あの人は非常に特急あるいは超特急のように昇格の道をたどる、片方は下積みで苦労しているけれどもなかなか出世はしないというような、そのノンキャリア側がこうした
省庁の中の問題で士気を阻喪するようなことがあるのかないのか、あるとすればそれは是正すべきではないかという問題があると思うわけでござい
ます。
そこで、
大蔵省は、
ます上級職で採用された人が三十前後で税務署に派遣される、これを補佐する副署長、
課長等が五十過ぎのような方で、もう老練の税務
職員が署長を補佐して、大事にして、現場の税務を覚えさせて、本省にお帰りいただく。その人が、そういう現場の経験で、国全体の税務あるいは財政について仕事をしていくようにだんだん育っていくというようなことに、今、現になっているわけでしょう。
ところが、それがうまく幹部要員養成ということで
機能しているならいいけれども、それが、現場のいわゆるたたき上げと言われるような
職員や何やの士気の阻喪といい
ますか、そういうことになって、あるいはそれが影響しているかどうかですが、今回、本省でもノンキャリアの
逮捕者を出したというようなことに
関係するようなことでは甚だ問題ではないか、こんな気がするわけでござい
ます。
同じような話で、警察
関係のキャリア、ノンキャリアの問題でもそうしたマイナスの面が出るようなことがあっては困るじゃないかというような
観点から、
大蔵省及び
警察庁からこの問題についての考え方を明らかにしていただきたいと思い
ます。