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1998-01-28 第142回国会 衆議院 決算行政監視委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十年一月二十八日(水曜日) 午前十時一分
開議
出席委員
委員長
粕谷
茂君
理事
佐藤
静雄君
理事
高市
早苗
君
理事
原田昇左右
君
理事
穂積 良行君
理事
上田 清司君
理事
海江田万里
君
理事
大口 善徳君
理事
石垣 一夫君 石崎 岳君
臼井日出男
君
久野統一郎
君
熊谷
市雄君 桜田 義孝君 田邉 國男君 滝 実君 萩山
教嚴君
堀之内久男
君
望月
義夫
君 森 喜朗君 矢上
雅義
君 山口 泰明君 井上
一成
君 石井
紘基
君 古賀
一成
君 島津 尚純君 前田 武志君 山本
譲司
君 田端 正広君
丸谷
佳織
君 山中 燁子君
若松
謙維君
青木 宏之君
松浪健四郎
君 米津
等史
君
佐々木憲昭
君
中林よし子
君
横光
克彦
君
委員外
の
出席者
総務庁行政監察
局企画調整課長
熊谷
敏君
大蔵省主計局司
計
課長
田頭 基典君
会計検査院長
疋田
周朗
君
会計検査院事務
総局次長
森下
伸昭君
会計検査院事務
総長官房総務審
議官
増田 裕夫君
会計検査院事務
総長官房総務課
長 船渡
享向
君
会計検査院事務
総局
第一
局長
深田 烝治君
会計検査院事務
総局
第二
局長
諸田 敏朗君
会計検査院事務
総局
第三
局長
大和 顕治君
会計検査院事務
総局
第四
局長
牛嶋
博久君
会計検査院事務
総局
第五
局長
小川 光吉君
決算行政監視委
員会専門員
天野 進君 ――
―――――――――――
委員
の異動 一月二十三日
委員金子原二郎
君が退職された。 同月二十八日
辞任
補欠選任
佐藤
勉君
望月
義夫
君
若松
謙維君
丸谷
佳織
君
村山
富市
君
横光
克彦
君 同日
辞任
補欠選任
望月
義夫
君
佐藤
勉君
丸谷
佳織
君
若松
謙維君
横光
克彦
君
村山
富市
君 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
歳入歳出
の
実況
に関する件及び
行政監視
に関す る件(
会計検査
の
現状
と
課題
) ――――◇―――――
粕谷茂
1
○
粕谷委員長
これより
会議
を開きます。
歳入歳出
の
実況
に関する件及び
行政監視
に関する件、特に
会計検査
の
現状
と
課題
について調査を進めます。 本日は、
会計検査
の
現状
と
課題
について、
会計検査院長
より
説明
を聴取した後、
質疑
を行うことといたします。
質疑
は、まず、各党を代表する
委員
が順次
質疑
を行い、その後、各
委員
が自由に
質疑
を行うことといたします。 なお、御発言はすべて着席のままで結構でございます。 それでは、
会計検査院長
より
説明
を聴取いたします。
疋田会計検査院長
。
疋田周朗
2
○
疋田会計検査院長
御
説明
に先立ちまして、今
国会
からの
決算行政監視委員会
の御発足に当たり、一言ごあいさつ申し上げます。 今日、
行財政
に対する
国民
の
関心
が高まる中で、従来の
決算委員会
の
決算等
の
審査
に加えまして
行政監視
に関する
事項
を所管される本
委員会
が設置されましたことは、まことに意義深いものでございます。
粕谷委員長
を初め
委員
の
皆様方
の今後の御活躍を心から祈念いたしております。 また、本日、
会計検査院
の
業務
を御
説明
する
機会
をいただきまして、まことにありがとうございます。
会計検査院
といたしましては、今後、本
委員会
の御
審査等
に積極的に協力してまいる
所存
でございます。御指導、御鞭撻、よろしくお願い申し上げます。 それでは、
会計検査院
の
概要
につきまして御
説明
申し上げます。 お手元に配付させていただきました
資料
は、
会計検査業務
についてまとめた
説明資料
と、これまで本院が
検査
してきました
実績
をまとめました
参考資料
の①、そして先日
国会
に提出されました
平成
八年度
決算検査報告
の
概要
を記した
参考資料②
の三種類でございます。 このうち、
説明資料
により、
会計検査院
の
概要
を御
説明
してまいりたいと存じます。
説明資料
の一ページでございます。
会計検査院
は、
内閣
から独立した
憲法
上の
機関
として、国や
公団
、
事業団
などの
会計
を
検査
し、
会計経理
が適正に行われるよう監督する職責を負っているものであります。 その
組織
は、二ページにお示しいたしました。
会計検査院
の
組織
は、
批判官庁
としての
判断
の公正を
確保
するため、
意思決定機関
である
検査官会議
と
検査
の
実施機関
である
事務総局
とから成っております。
検査官会議
は、
国会
の同意を得て
内閣
によって任命される三人の
検査官
で構成されており、その合議により
会計検査院
としての
意思決定
を行うとともに、
事務総局
の行う
検査業務
を指揮監督しております。
事務総局
には
官房
のほか
五つ
の局を置き、各
省庁
や
公団
、
事業団
などの
検査
を
実施
しておりまして、その定員は現在千二百四十九人、
うち検査
に実際に従事している
職員
は、
調査官
などの約九百人となっております。三ページに、
事務総局
の
職員数
の
推移表
を載せております。
会計検査院
の
権限
でございますが、まず三ページの「
検査
の
目的
」にありますとおり、「
会計検査院
は、常時
会計検査
を行い、
会計経理
を監督し、その適正を期し、且つ、
是正
を図る。」とされておりまして、これは
会計検査院法
第二十条に定められております。 そして、この手段として、不適切な
会計経理
について
主務官庁等
の
関係者
に
是正改善
の
処置
を求めたり、
法令
、制度、
行政
に関して
主務大臣等
に
意見
を表示し、または
改善
の
処置
を
要求
する
権限
が、やはり
法律
に定められております。 次に、
検査権限
を行使する
対象
につきましては、
資料
四ページをごらんいただきます。 第一に、
会計検査院
が必ず
検査
しなければならないもの、
必要的検査対象
がございます。これは、国の各
機関
や、
公団
、
事業団
のように国が
資本金
の二分の一以上を出資しているものなどであります。 第二に、
会計検査院
が必要と認めらときに
検査
することのできるもの、
選択的検査対象
があります。この中には、国が
資本金
を出資したものがさらに出資している、いわゆる
孫出資法人
、例えば
国鉄清算事業団
がその株式を保有しておりますJR東
日本
などがございます。また、国が
補助金
や
貸付金等
の
財政援助
を与えている都道府県や市町村もこれに該当するものであります。 なお、それぞれのところに
括弧書き
で示した数字は、昨年、
平成
九年次の
検査
に当たり本院が実際に
検査
の
対象
とした数であります。 これらの
検査対象
についてどのような
観点
から
検査
をしているかでありますが、
資料
四ページにお示ししましたとおり、大きく四つの
観点
を持って
検査
を
実施
しているところであります。すなわち、
決算
が
予算執行
の
状況
を正確に表示しているものとなっているかという
正確性
の
観点
、
会計経理
が
予算
や
法令
などに従って適正に
処理
されているかという
合規性
の
観点
、また、それぞれの
事務事業
が
経済
的、
効率
的に
実施
されているかという
経済性
、
効率性
の
観点
、さらに、
事業
全体が所期の
目的
を達成しているか、また
効果
を上げているかという
有効性
の
観点
であります。 本院の
会計検査
は、このように広い視野に立った多角的な
観点
から
実施
してきているところでありますが、これをさらに一般に周知すべく、今回の
会計検査院法
の
改正
により、これらの
観点
が
法律
に明記されたところであります。この条文は五ページにお示ししてございます。 次に、
検査
の
実施手順
であります。
会計検査
を
実施
していく
手順
と一年間の
検査サイクル
を、五ページから六ページにかけて
説明
しております。 この中で重要なものは
検査計画
の策定でありまして、限られた人員でよりよい
検査成果
を上げるため、適切な
検査計画
を策定し、
重点項目
を定めて、
検査要員
を適切に配分することとしております。
会計検査
はほぼ一年の
サイクル
をもって
実施
しております。
会計検査
には、在庁して行う
書面検査
と、
検査対象箇所
に
出張
して行う
実地検査
とがありますが、
検査
の主体となっている
実地検査
は主に一月から九月までの期間で
実施
しており、昨年の例で申しますと、
資料
六ページの
下段
のとおり、
全国各地
の
検査対象
三万八千余カ所のうち三千四百余カ所について、延べ四万五千人目を投入して
実施
しております。この間の
調査官
一人当たりの
出張日数
は、おおよそ七、八十日となっております。
検査
結果の
分析検討
についてでありますが、
資料
七ページをごらんいただきたいと思います。
会計検査院
の
所見
は、
検査対象
についての
批判
の
情報
を
国民
に提供し、また
予算執行機関
に示すものであることから、
判断
に誤りがあってはなりません。したがって、
検査
の結果不適切と思われる
会計経理
を発見した場合には、
関係者
に対し文書で質問を発しその回答を徴するなどして、
徹底
した事実の
確認
、
発生原因
の
究明
を行つく
検査報告
に掲記し、また
改善
の
処置要求
などを行うこととしております。
資料
八ページに、本院の
検査報告等
の
審議システム
を載せてございます。
会計検査院
が、
検査
の結果を最終的に
検査報告
に
不当事項
などとして掲記したり、
是正改善
の
処置要求
などを行ったりするに至るまでには、ただいま申し述べました事実
関係
の
確認
に加え、院内の
組織
の各段階で慎重かつ
徹底
した
審議
を行った上、
検査官会議
においてその
最終的判断
を下すこととしております。 次に、その
検査報告
に掲記する
事項
について御
説明
申し上げます。
資料
の九ページでございます。
憲法
第九十条の
規定
により、
会計検査院
は、毎年
検査
の結果を取りまとめて
検査報告
を作成しております。この
検査報告
は、
内閣
から
決算
とともに
国会
の常会に提出されているところでございます。この
検査報告
に掲記する
事項
は、現在、大別して
五つ
の態様になっております。 その一つは、
不当事項
であります。これは、
法律
、政令、
予算
に違反した
事項
や、不
経済
、非
効率
など不当と認めた
事項
であり、毎年
検査
結果の大宗を占めております。
下段
の枠内に
平成
八年度
決算検査報告
の
概要
を記してございますが、
不当事項
は三百十四件、これらに係る
指摘金額
は約百七十億円となっております。 第二は、
意見表示
、
処置要求事項
であります。先ほど申し上げました、
主務大臣
や
関係者
に対して
意見
を表示したり、
是正改善
の
処置
を
要求
したりした場合には、これらの
実績
を
検査報告
に掲記することとなっており、昨年は、少子化に伴い増加している小中学校の
空き教室
を有効に活用するよう
意見表示
したものなど、三件でありました。 第三は、
処置済み事項
であります。
検査
結果を
当局
に
指摘
し本院で
検討
している過程で、
当局
により速やかに
是正改善
の
処置
がとられる場合があり、この場合、これらの
実績
を
処置済み事項
として
検査報告
に掲記することとしており、八年度では三十三件、約四十八億円となっております。 第四の
特記事項
でありますが、これは、
予算執行
の
効果
や
事業成果
の見地から適切とは認められない
事態
ではありますが、その
原因
が主に社会的、
経済的要因
にあるなどのため
当該省庁
のみではなかなか解決できないというような
事態
について、広く
問題提起
をするというものであります。八年度ではこの
特記事項
はございませんでしたが、七年度では、
国鉄清算事業団
の保有している
土地
の
処分状況
が進捗していない
事態
や、
国有林野事業
の
経営改善計画
について目標の実現が困難となるおそれがある
事態
を取り上げております。
最後
の
特定検査状況
は、
国民
の
関心
が極めて高い問題について本院の
検査状況
を明らかにするための記述でございまして、
平成
二年度から掲記しているもので、八年度には、
彩福祉グループ
など
老人福祉施設
の
整備事業
に関する
検査状況
、あるいは旧
国鉄
の
長期債務等
の
処理状況
について調査した結果など、六件を掲記しております。 この八年度の
検査
結果につきましては、
参考資料
の②の方にその特色をお示ししてございますが、その御
説明
はまた別の
機会
にさせていただきたいと存じます。 ここで、お配りしてございます
参考資料
の①を用いまして、これまでの
検査報告
の
掲記事項
の幾つかを御紹介させていただきたいと存じます。
参考資料
の①には、
平成
七年度以前の
検査報告
から、これまで
会計検査院
がどのような問題を取り上げてきたか、主な
指摘事項
の
概要
を記載してございます。 まず、二ページの
公共事業
の
実施
に関するものでございますが、
市営住宅
などの
公営住宅
の
空き家
や
収入超過者
が入居している問題、
ダム事業
が著しく遅延していたり、休止している問題などを
指摘
しております。 三ページから七ページにかけましては、
社会保障
、医療、
年金等
の
指摘事項
を御紹介しておりますが、これらの中には、五ページの一番下でございますが、
国民年金
の
保険料
の
負担能力
が十分あるのに
保険料
を納付していない者が多く、その
未納保険料
が三十八億円に上っている
事態
を
指摘
しております。 七ページから十ページにかけては、
農林水産業関係
の
指摘
であります。
かんがい排水事業
や
農用地開発事業
の
効果
が発現しているかという
観点
からの
指摘
などがございますが、八ページの中ほどに、
木曽岬干拓事業
の
指摘
がございます。これは、
干拓
により造成されました約三百七十ヘクタールの
名古屋近郊
の
土地
が、愛知、三重両県の県境が確定しないことなどから利用されないままとなっていた
事態
であります。 十三ページには、
政府開発援助
、いわゆるODAにつきまして、
昭和
六十三年度に、海外に赴き現地で
事業
の
実施状況
を調査した結果、
援助
の
効果
が十分発現していない
事態
を初めて掲記しておりまして、その後、
平成
二年度以降、毎年度掲記しているところであります。 また、十五ページ以降には、
公団
、
事業団等
の
特殊法人
などに対する
指摘
を載せております。この中には、
住宅
・
都市整備公団
において多数の
空き家
や募集できないままの
住宅
などが
発生
している
事態
を
問題提起
したり、十九ページにありますように、
雇用促進事業団
の建設した
移転就職者用住宅
において
入居条件
を満たす者の
入居率
が低く、
事業効果
が十分発現していない問題などを
指摘
しております。 また、旧
国鉄
につきましても、
昭和
五十五年度から五十七年度にかけまして、当時の貨物、荷物、そして
旅客営業
のそれぞれの収支を分析し、
問題提起
をしております。 以上、過去の
検査事例
の一部を御紹介させていただきましたが、
資料
でごらんいただけますように、
予算執行
の各分野において多角的な
観点
からさまざまな問題を取り上げてきているところでございます。
説明資料
にお戻りいただきまして、十ページをごらんいただきたいと存じます。
検査報告
に掲記した
事態
はどのように
改善
されているかという、いわゆるフォローアップの
状況
でございます。
検査報告
に掲記した
事項
のうち、
ます不当事項
につきましては、例えば租税や
保険料
の
徴収
が不足していたものは
徴収決定
の措置がとられたり、
補助金
の不適正な支出にかかわるものについては
補助金
の返還や
手直し工事
が行われたりするなどしまして、
当局
によってすべて
是正改善
の
処置
がとられております。 なお、この
処置状況
は、
内閣
において毎年度「
決算検査報告
に関し
国会
に対する
説明書
」にまとめられ、
国会
に提出されているところであります。 また、
意見表示
や
処置要求
を行った
事態
につきましては、
是正
または
改善
の
処理
が完了するまでフォローし、その
改善状況
を
検査報告
に掲記することとしております。 次に、
検査
結果の
実効性
の
確保
に関する点でございますが、
会計検査
の
成果
が
予算
の編成や
行政
に反映され、また
同様事態
の
再発
を防止することが最も重要であると考えております。このためには、
国会
に提出されました
検査報告
が
決算審査
などで活用され、
原因
の
究明
や
改善
の
処置
の
徹底
が図られることが、
事態
の速やかな
改善
や
再発防止
に極めて
効果
的であると考えております。 したがいまして、本院といたしましては、これまで、
決算委員会
の御
審査
に当たりましては、
局長等
が常に出席し、
検査報告
の内容や
検査
の
状況
を逐次御
説明
いたしてきたところでございます。 また、
財政当局
である
大蔵省
や
行政監察
を所掌している
総務庁
と毎年定期的に
連絡会
を開催したり、各
省庁
の
会計課長
などに対する
検査報告
の
説明会
を開催するなどして、
検査成果
を
予算
や
行政
に反映させるよう努力をしているところであります。
資料
の十一ページには、
会計検査
に関連する
業務
として、
法律
に定められている
弁償責任
の検定、
各省大臣等
に対する
職員
の
懲戒処分
の
要求
、
審査要求
などについて記述しておりますが、
説明
は省略させていただきます。
資料
の十一ページから十三ページにかけては、
検査活動
とあわせて本院が行っております
広報活動
、
民間有識者
との
意見交換会
、他の
監査機関
の
方々
との
情報交換
や
講習会
及び
国際交流
の
状況
について記載しております。 御
説明
の
最後
に当たり、
会計検査院
の今後の
検査方針
などについて、
資料
十三ページ、十四ページに記述いたしましたが、このうちから、一、二
所見
を述べさせていただきたいと存じます。
会計検査
の基本として
個々
の不適切な問題を取り上げることは今後も肝要でございますが、現在力を入れている
有効性
の
検査
をさらに拡充させ、また、
予算
の
推移
や
社会経済情勢
の変化に応じた
検査
を指向するとともに、
国民
の
関心
事を積極的に取り上げるなどして、新しい
検査領域
の開拓に努めてまいる
所存
であります。 しかしながら、これらの
検査
、特に
有効性
の
検査
に当たりましては、新しい
検査手法
の
開発
や
個々
の
調査官
の資質の向上が必要となるため、その研究や研修の充実に努め、必要に応じて
要員
の
確保
、
組織
の
整備
などを
検討
してまいりたいと考えております。 また、今回の
法改正
により、新たに、
国会
が本院に対し
検査
の
要請
を行うことができるようになったところであります。
会計検査院
といたしましては、本
委員会
の
委員
の
皆様
や
関係
の
方々
との緊密な
連絡協調
を保ちながら、御
要請
が行われた場合には、現行の本院の
権限
や
体制
ででき得ることはこれに積極的にこたえていく
所存
でございますし、将来的に必要となれば、
要員
の
確保
、
組織
の
整備
を図ってまいりたいと存じます。 以上をもちまして、
会計検査院
からの御
説明
とさせていただきます。どうもありがとうございました。
粕谷茂
3
○
粕谷委員長
これにて
説明
の聴取は終了いたしました。 ――
―――――――――――
粕谷茂
4
○
粕谷委員長
これより
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
高市早苗
君。
高市早苗
5
○
高市委員
自由民主党の
高市早苗
でございます。 一昨日の
大蔵省職員逮捕
など、このところ相次ぐ官僚の
不祥事
や、それから
全国各地
で問題化しております
食糧費
や
空出張
の問題、こういった
公務員
としての本分を忘れた
行政
の姿勢や税金の
むだ遣い
への
国民
の怒りは、今や頂点に達していると思います。こんな折から、当
委員会
及び
会計検査院
の役割は非常に大きく、
国民
の政治に対する
不信
、
行政
に対する
不信
を払拭できるかどうかは私たちの今後の働きにかかっていると、私は意気込んでおります。 先ほどの本
委員会
の
理事会
におきましても、
自民党理事
から提案がございまして、早速、次回は、
総務庁
の
行政監察
の実情に加えまして、
大蔵省
、警察庁にも
体制
をただし、
公務員不祥事
の
発生
の
要因
、これを
究明
し、
再発防止
に向けての議論を進めることになったところでございますので、
皆様
とともに頑張ってまいりたいと考えております。 一月二十六日の
大蔵省
の
職員逮捕
では、
検査
する側とされる側、この癒着が恐るべき実態として浮き彫りになりました。
平成
八年十二月の
事務次官会議
の
決定
を受けまして、各
省庁
は
省庁別
に
倫理規程
を強化いたしております。問題の起きました
大蔵省
においても、
関係業者
による接待は例外なく禁止、
対価払い
のケースそれから職務上必要な
会食
はいいけれ
ども
事前届け出
は必要、これをしなかった場合、
義務違反
の場合は免職とか停職といった
公務員法
による
処分
がある、こうなっておったわけでございますけれ
ども
、残念ながら二人の
容疑者
からは
会食
に関しても
事前
の
届け出義務
が果たされていなかった、こういったことなんです。今後、
モラルづくり
のためにさらに
徹底
した
体制づくり
が必要だと思います。 大変失礼なんではございますが、
会計検査院
におかれましても、
検査
をする側としていま一度、
倫理徹底
の方策を御
検討
のことと思いますけれ
ども
、
検査官
及び
職員
の規律の問題、特に地方に出た場合の食事のとり方など、具体的にはどのようなルールを決めて対応しておられるのか、また現在の
体制
が十分だとお思いなのかどうか、お答えいただきたいと思います。
疋田周朗
6
○
疋田会計検査院長
私
ども会計検査院職員
の
服務
に関しましては、ほかの
省庁
と同様に、昨年一月に
職員倫理規程
を定めているところでございますが、そのほかにも
職員
への
通達
を発しておりまして、従来から、
出張
時、
出張
時以外を問わず
受検庁
の
職員
と夕食をともにするなどの
行動
は厳しく禁止してきたところでございます。 これらの
倫理規程
や
通達
の趣旨は
職員
の間に十分浸透しているものと考えておりますけれ
ども
、今後とも
職員
の
行動
については万全を期してまいりたい、このように考えております。
高市早苗
7
○
高市委員
それは
罰則規定
もある、
国家公務員法
による
罰則
もあるということでございますね。
森下伸昭
8
○
森下会計検査院説明員
お答えいたします。 その
服務規定
に直接
罰則規定
を設けるというようなことはもちろんいたしておりませんが、それが
国家公務員法
のいろいろな
義務違反
につながる場合は、それに基づく
懲戒処分
が行われるということにつながっていくものと考えております。
高市早苗
9
○
高市委員
日本
と
アメリカ
なんかでもかなりいろいろ
価値基準
が違ったりするんです。例えば
アメリカ
では、大統領が不倫したかどうかよりもうそをついたかどうかに
関心
が集まっていたり、
あと大和銀行
のスキャンダルでも、
日米
の罰金とか
罰則
の重さの違いというものにみんな驚いたりしたんですけれ
ども
、
会計検査院
におかれましては、
説明資料
によりますと、
国際交流
を積極的に進められているとございましたけれ
ども
、ほかの国との
検査基準
の違いについて特に気づかれた点があるかないか、また、
日本
の
検査基準
というものがベストなものだという自信がおありかどうか、伺いたいと思います。
疋田周朗
10
○
疋田会計検査院長
世界各国
に
日本
の
会計検査院
と同じような
組織
がございますが、それぞれ歴史的な沿革な
ども
ございまして、必ずしも全く同一の
基準
で
会計検査
が行われるということにはなっていないと承知しております。しかしながら、
会計検査そのもの
の基本的な
観点
につきましては共通する部分が非常に多いことから、大筋ではほぼ同様な
基準
を採用しているというように承知いたしております。
高市早苗
11
○
高市委員
それから、
参考資料②
の四ページに「「
時代
の
要請
」に応じた
検査
を
実施
した。」と書いてございますし、また
説明資料
の方で六ページにも「
国会論議
やマスメディアの論調などに留意」しといったくだりがございますけれ
ども
、昨年からことしにかけての世の中の動きの中で、
会計検査院
が新たに
時代
の
要請
だと認識しているテーマはございますでしょうか。
疋田周朗
12
○
疋田会計検査院長
昨今の
社会経済
の
情勢
に照らしてみますと、ます
環境
と
資源
の問題、それから少子・
高齢化
の問題、それから
行財政改革
の問題などに取り組むことが
時代
の
要請
であると私
ども
も認識いたしております。
会計検査院
は、昨年こうした問題に積極的に取り組みまして、その結果、
環境
と
資源
の問題の
指摘
例といたしましては、再生砕石の利用やダムの有効活用を図るように
改善
させたもの、あるいは少子・
高齢化
の問題の
指摘
例といたしましては、公立小中学校の余剰教室を高齢者福祉施設等に転用するなどの
体制
を
整備
しましてその有効利活用を図るよう求めましたり、さらには、いわゆる
彩福祉グループ
などによる特別養護老人ホーム等の施設
整備
に係る
補助金
の過大受給を
指摘
したりしているところでございます。それから、
効率
的な
行財政
執行に関与する問題の
指摘
例といたしましては、航空機による
住宅
騒音の防止対策
事業
につきまして、補助
対象
機器として、より
経済
的な市販の冷暖房機器を導入するよう求めたものなどがございます。 今後とも
時代
の
要請
にこたえる
検査
に努めてまいりたい、このように考えております。
高市早苗
13
○
高市委員
残り二分でございますので
最後
の一問でございます。
説明資料
の十四ページに、「工事の
検査
などのハードの分野の
検査
に加え、
社会保障
などソフトの分野の
検査
にも重点を置いて
検査
している」と書いているんですけれ
ども
、ソフトというのは今後ますます重要な視点だとは思いますが、ソフトの
検査
といっても、非常にこれは難しいと思うんです。工事なんかですと
むだ遣い
とか
経済
効果
というのもわかりやすいんですが、どのような物差しで
検査
されているのか、具体的に教えていただきたいと思います。
疋田周朗
14
○
疋田会計検査院長
ソフトの
検査
といたしましては、典型的な例は
社会保障
関係
で、非常に多数の支払い先に対しまして少額の資金が交付されるというようなものが典型的な例でございます。 このソフトの
検査
の一つの特徴といたしましては、
個々
の
会計経理
は少額ではありますけれ
ども
、大且、定型的な事務である場合が多いわけでございます。したがいまして、私
ども
会計検査院
といたしましては、コンピューターを利用して、データを抽出、分析して
検査
に有効な
検査対象箇所
の選定を行ったり、あるいは共通的、傾向的な問題点を発掘したりすることが、非常にソフトの
検査
には有益でございます。 そういったような形で鋭意
検査
に取り組んでいるところでございますけれ
ども
、
合規性
、
経済性
、
効率性
、
有効性
という基本的な
観点
から見ますと、ソフトの領域もハードの領域も
検査
のやり方としては基本的に特に異なるところはないということで、ソフトの分野の
検査
につきましてもより力を入れて取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
高市早苗
15
○
高市委員
頑張ってください。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
粕谷茂
16
○
粕谷委員長
高市早苗
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、上田清司君。
上田清司
17
○上田(清)
委員
民友連の上田でございます。 きょうは、
委員長
を初め
検査
院の
皆様方
、御苦労さまです。 早速ですが、ます、一言苦情を申し上げたいと思います。 限られた時間にもかかわらず、
組織
や
目的
などの、いわば中学生、高校生に教えるような内容の陳述は今回限りにしていただきたい。むしろ後の方で述べられております、十一ページ以降の、「その他の
業務
」と書いてありますが、まさしくそこが、今日的な
会計検査院
の持っている
課題
であり、解決しなければならないさまざまな分野でありますので、そういう部分についてどう取り組んでいるかという御
説明
の方が望ましかったというふうに、ます苦情を申し上げたいと思います。 どちらかといえば、きょうは、せっかく新しい
組織
に衣がえして、張り切ったメンバーの皆さんがおられますので、これまでの
会計検査院
の
業務
の中で、例えば
法律
上の限界、
予算
上の限界、人員上での限界、あるいは厳正中立に執行する上での限界、あるいは
課題
、そういう問題について陳述をしていただきたかったかなというふうに、しょっぱなから極めて恐縮ですが、苦情を申し入れたいというふうに思います。 まずお尋ねしたいのですが、さまざまな
是正
措置を提起されてこられました、また大蔵の主計局等とも打ち合わせ等々やっておられますが、
会計検査院
が
指摘
することによって
予算
上で大きく、顕著に変わったというような事例がございましたら、典型的な事例がございましたら、ひとつ具体的に御
説明
いただければありがたいと思います。
疋田周朗
18
○
疋田会計検査院長
私
ども
会計検査院
といたしましては、
予算
を担当しておられます
大蔵省
主計局とは毎年二回定例的に
連絡会
を開いているところでございまして、主計局の方からは、
予算
を編成した際に重点的に取り組んだ
事項
についての御
説明
をいただき、また、私
ども
会計検査院
の方からは、その直前に行いました
検査
の結果につきまして、今後の
予算
編成に反映していただくためにいろいろな
情報
を提供しているところでございます。 過去におきまして
検査
結果が大きく
予算
編成に反映された事例の一例といたしまして、
昭和
五十八年度に、営農集団育成
事業
の
実施
ということで農林水産省にかかわる事例でございますけれ
ども
、営農集団育成
事業
の
実施状況
につきまして本院が
検査
をいたしましたところ、この実態が所期の
目的
を達するには非常にほど遠い
状況
になっているというようなことで、
事業
の抜本的な見直しを行うよう
処置要求
をした事例がございます。この
事業
につきましては、その後の六十年度の
予算
で、五十一億円、大幅な
事業
費の削減が行われた、このような事例がございます。
上田清司
19
○上田(清)
委員
ありがとうございます。 それでは、例えば
国会
の
委員会
で調査の依頼をした場合、個人的な事例で恐縮ですが、昨年の
予算
委員会
で二月六日に私が調査の依頼をしまして、院長が快諾していただきました。そして、その中身について中間的にいろいろ御報告をお願いしたいと思っておりましたが、
検査官会議
を経てということでございましたので、二月六日が、結果的には十二月に御
説明
をいただくというような形になっておりまして、その間、事実上待ちぼうけということでありました。 この、
検査官会議
を経てじゃなければ御報告もできないというようなそうした慣行というのは、非常にスピーディーな現代にあって意味がないのではないかというふうに私は思っておりますので、こうした中身についてどのように院長はお考えなのか、お聞きしたいと思います。
疋田周朗
20
○
疋田会計検査院長
昨年、上田
委員
から、中国で行われております養鰻
事業
につきまして、十分な
検査
を行う必要があるのではないかという御
指摘
がございました。 私
ども
といたしましても、その後、鋭意
検査
に取り組みまして、昨年末に
内閣
に提出いたしました
平成
八年度
決算検査報告
に
不当事項
として掲記したことにつきましては、
委員
御承知のとおりでございます。 私
ども
といたしましても、事実
関係
の
究明
など厳密な調査を行う必要があるということで、昨年の
検査報告
時期になるまで正式な御報告ができなかったわけでございますが、その間の事情につきましては、担当
局長
の方からお答えをさせていただきたいと思います。
深田烝治
21
○深田
会計検査院
説明
員 先生御
指摘
の中国の養鰻
事業
の
検査
結果につきましては、たびたび私
ども
にお問い合わせをいただきまして、恐縮している次第でございます。 結果といたしまして、
検査
の
要請
をいただいてから
検査報告
まで時間がかかっております点につきましては、以下に述べますような事情がありますことを御理解いただきたいと思っております。 ます、
会計検査院
の
検査対象
は
援助
実施機関
でありますOECFでございまして、借り受け人でございます中国の合弁企業には
検査権限
は及んでおりません。したがいまして、
検査
は、OECFを通しまして、借り受け人であります中国の合弁企業、それから
日本
側の出資企業、そういうところから事情を聴取する形で
実施
することになりましたけれ
ども
、調査時におきましては、既に両者とも先生御承知のとおり破綻しておりまして、OECFにおいても、代表者と直接に実質的に話をすることができない、そういう状態でございまして、書面による事実の
確認
とか
事態
の解明等に長時間を要しまして、私
ども
最善の努力をいたしましたつもりでございますけれ
ども
、結果的に長時間を要したということでございまして、その間の事情をひとつ御理解を賜りたいと思います。
上田清司
22
○上田(清)
委員
理解できないから質問しているのです。途中の経過報告とかが、できる範囲内でできるような仕組みを
検査
院の慣行としてできないかということを院長にお尋ねしているのであって、くどくどと、なぜできなかったかという理由を聞く時間はありません。できるだけ速やかにその中間でも、中間で報告ができなければ、その分だけ場合によっては不当なお金やあるいは
むだ遣い
がされていくという結果になりかねないので私は申し上げておりますので、また改めてこの辺をしっかりと受けとめていただきたいというふうに思います。 それから、お話が出てまいりましたので申し上げますが、中国の養鰻池のある現地に、
会計検査院
の
検査官
あるいは
職員
の方が現地に調査に行かれたことも承っておりますが、私が知っている限りにおいては、OECFの、海外
経済
協力基金の
職員
の方と同行されただけで、現地の合弁企業、つまり十億五千万受け取っているはずの現地の合弁企業の責任者とお会いになっていない。つまり、現地の企業の方からヒアリングを受けておられなくて、OECFの
職員
とだけお話をされて帰ってくるようでは
目的
を達することはできないのではないかということを、改めて私はこの場で注意をしておきたい。 仮に素人の私が一日行けば、中国に行ったのですが、十億五千万、一円も入っていないということがわかるわけです。しかし、OECFは十二回も調査団を出しながら、そのことがよくわからなかった。玄人の融資家が十二回も行ってもわからなかった、素人の私が一日行けばわかった、そういう実態があるわけですから、この間、十二月までほうっておかれたことに私は大変憤慨をしている部分があります。スピーディーに中間報告ができれば、もっと違う対応もできるのではないかということを申し上げたい。 それからもう一点、質問ですが、これはかねてからマスコミ等でも注目されておりますが、私も
決算委員会
で橋本総理に申し上げたことがございます。
会計検査院
のOBの
方々
に公認
会計
士や税理士の資格を付与するようにして、いわば天下りしなくても済むように、こんなことを申し上げて、それは一考に値するというようなお話も承っております。石油
公団
を初め
検査
する
対象
の
公団
、
特殊法人
に監事として再就職されている、こういうことが厳正中立な執行に関して、
国民
の信頼を得るかということになってくると、ちょっと
不信
を持たざるを得ないのじゃないかという現況がございますが、この点についても御質問させていただきます。
粕谷茂
23
○
粕谷委員長
ちょっと申し上げますが、
質疑
時間がかなりちょっと経過していますので、答弁は、要を得て簡潔にお願いいたします。
疋田周朗
24
○
疋田会計検査院長
まず第一点につきましては、今
国会
から
国会
からの
検査
の御
要請
の制度ができ上がりましたことに関連いたしまして、私
ども
といたしましても、できる限り早い時期に中間報告を申し上げるなり、そういった方法について十分
検討
してまいりたいと考えているところでございます。 それから、二番目の再就職の問題でございますけれ
ども
、確かに、本院の職責から申し上げまして、疑惑を招くような再就職が行われることは厳に慎むべきであると考えております。 先ほど
委員
から御
指摘
ありましたケースにつきましては、従来からの
検査
経験を監事としての職責に生かすということで、相手方からの
要請
に基づきまして、もとの
職員
をそちらの方に紹介しているわけでございまして、そのことによりまして私
ども
の
検査
に手心を加えるというようなことは決してございませんので、その点は御理解を賜りたいと存じます。
上田清司
25
○上田(清)
委員
これで終わりでございますが、ただ、相手の
要請
に基づいてはなかなかますいのではないかなというふうに思います。なお悪いのではないかというふうに思います。 時間がございませんので、いずれにしても頑張っていただきたいというふうに思います。全力で応援させていただきます。 ありがとうございました。
粕谷茂
26
○
粕谷委員長
これにて上田清司君の
質疑
は終わりました。 次に、大口善徳君。
大口善徳
27
○大口
委員
新党平和・改革を代表しまして、御質問させていただきます。 きょうは、院長、簡潔に答えていただきたいと思うのです、時間がもったいないですから。お願いします。 まず、今回、
会計検査院法
の
改正
がございました。その中で、二十条の三項で「
会計検査院
は、
正確性
、
合規性
、
経済性
、
効率性
及び
有効性
の
観点
その他
会計検査
上必要な
観点
から
検査
を行うものとする。」こういうことで明確に、
正確性
、
合規性
のほかに
経済性
、
効率性
、そして
有効性
、この
観点
について法文上明記をされました。 そこで、この
有効性
の評価、これは非常に大事である、こう思うわけでございます。そのことはもちろん
会計検査院
も認識はございます。また、世界の
会計検査院
がこのことを一生懸命やっているわけです。そういうことで、昨年の六月二十三日から七月一日まで九日間、国際
会計検査
フォーラムをされまして、その中で、
有効性
の
検査
の経験、それから
有効性
検査
の客観性、
効果
をいかに
確保
するか、こういうことについて議論をされた、こう思うわけでございます。 そこで、まず一つは、この
有効性
というのは、国の
事業
とか制度、それは
目的
があるわけですね、その
目的
をいかに達成するかどうか、これをチェックすることによって、
目的
が達成されない場合はその政策の変更ということをしなければいけないわけでございます。税金の
むだ遣い
、これをチェックする意味におきましても、絶えずチェックしていくということ、これが
会計検査院
の仕事である、こういうふうに思うわけです。 その中で、各国がいろいろと工夫をしておるわけですね。ますは
事業
について客観的な目標を立てる、数値的な目標、量的な目標を立てる。その数値的目標を達成できなければ、そのことが明確になるようにやっているところが結構ございます。そして、そういう数値目標を明確にする、
目的
を明確にするということ、そういうのが明確でない場合は、明確な
目的
や数値目標を設定すべきである、こういうふうな勧告をしたり、あるいは
検査
を受ける
受検庁
サイドと協議をして、そしてその
有効性
の
基準
の設定をする。これがオーストラリア、イスラエル、ニュージーランド、イギリスであります。あるいは、評価
対象
の分野の専門家の
意見
を聞いて
会計検査院
でもってこの
基準
を設定する。これはスウェーデン。そしてまた、
アメリカ
あるいはドイツにおきましては、議会の議決等を分析して、そしてこの
有効性
の数値目標の
基準
の設定をしているわけであります。 また、数値的な、要するに量的な目標が設定しづらい質的な側面におきましても、これについては、例えば評価の専門家というものを使って質的なものの評価をする、あるいは受益者、受益をする人の満足度を調査をする、こういうことを
受検庁
でやっている、またやるべきであると勧告をする、こういうことになっております。 法文上この
有効性
の
検査
というものが入ったわけでありますから、当然、
有効性
の
基準
は何なのか、そしてまた、
会計検査院
として
基準
を明確にせよということの勧告をすべきであると思うし、またそして、その勧告に従ったかどうかのチェックもすべきである。そこまで
徹底
的にやらなければ、制度の見直しというのはできない、
予算
への反映はできない、私はそういうふうに考えますが、院長、簡潔に答えてください。
疋田周朗
28
○
疋田会計検査院長
大口
委員
がまさにおっしゃったとおりでございまして、私
ども
といたしましても、
有効性
の
検査
の中で、どういう評価
基準
に基づいてその
事業
を評価していくかということが一番重要な
事項
であるということで、
世界各国
、特に先進諸国の
会計検査院
との連携をより深めますとか、あるいは御専門の先生方にいろいろとお知恵を拝借したりしながらそういった
検討
を進めているところでございまして、今後ともに最も力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
大口善徳
29
○大口
委員
建設省なんかもいろいろ
基準
を考えたりしておるようでございますけれ
ども
、とにかく、いつごろまでにその
基準
を明確にして、それを
会計検査院
の方でどんどん推進していくのか、いつを期限にして考えていますか。
疋田周朗
30
○
疋田会計検査院長
私
ども
といたしましては、ます
世界各国
がどのように取り組んでいるかということを現在
検討
中でございます。したがいまして、この場では、まことに申しわけありませんけれ
ども
、いつまでということにつきましてはまだ内部的に十分詰めておりませんので、御返答は保留させていただきたいと思います。
大口善徳
31
○大口
委員
会計検査院
も税金を使っているわけですから、早く
基準
を立てること。後でまたこちらに報告をしていただきたいと思います。 二番目に、今回、
法律
において、
会計検査院
は、議院そしてまた
委員会
また参議院の調査会からの
要請
で、特定の
事項
について
検査
を
実施
して、その
検査
の報告をする、こういうふうになっているわけです。特定
事項
について
国会
が
検査
を
要請
できるようになったわけです。今までは、
決算
に伴って
検査
をして、
内閣
を経由して
国会
へということであったわけです。ですから、今上田議員の方からもございましたけれ
ども
、十二月十日前後、
検査官会議
において結論が出るまでは何も答えられませんと。そのくせ十月、十一月にはマスコミではどんどん報道されている、こういうような実態があるわけであります。そういう点で、今回は
国会
は直接
要請
できるわけでございますから、これについてきちっと対応していただきたいと思うわけです。 ただ、勉強会で
会計検査院
の方が、十月、十一月、十二月というのは報告書をまとめるのに忙しいものですから、できれば年度の初めの方で出してください、こういうような話もありました。しかし、この特定
事項
というのはいつ起こるかわからないわけですから、それこそ十月に
発生
しても、直ちに
要請
をして、すぐ対応していただかなければいけません。そういう点で、
国会
の
要請
に対して、特別班といいますか、それをきちっとつくっていただく、すぐに
要請
に対してこたえられるような
体制
にしていただく、そしてそれが足りない場合は、人的、物的、
予算
的、そういう
体制
をきちっとしていただかなきゃ困るわけです。それでなければ、今回の
会計検査院法
は
改正
にならない、こう思うわけです。この点についての対応をお伺いしたいということ。 あと、今上田
委員
の方からもございましたけれ
ども
、
検査対象
に対する再就職、これは十年間で三十五人の方が
会計検査院
から天下りというか、そういうことでございます。
大蔵省
金融
検査
部も霞桜会というのがあって、
検査官
とそして
検査官
出身でもって会をつくって、そしてその中で交流が行われているということでございます。こちらから
検査官
が行って、やあやあ、お世話になりましたということで
検査
が緩むというようなことがあってはいけませんので、このことにつきましても、上田
委員
が
指摘
したようなことによって、
検査官
の活用というものがもっと別の方法であると思うんです。これについては、今回の問題も契機として
改善
をしていかなきゃいけない。 私は、被
検査
庁からの
要請
があったからやるというのは、まさしく被
検査
庁としては、
会計検査院
から人を受け入れればこれはいろいろと都合のいいことがあるということで
要請
をしているわけでございますので、それに乗ることなく、もっと
会計検査院
として、
憲法
で独立した
機関
でございますので、きちっとそれだけはやっていただきたい。 この二点についてお伺いしたいと思います。
疋田周朗
32
○
疋田会計検査院長
まず第一点でございますが、今画会から、
国会
から
検査
の御
要請
をいただくことになったわけでございますので、御
要請
がありました場合には、私
ども
会計検査院
といたしましては最大限の努力をいたしましておこたえするように頑張ってまいりたい、このように考えております。 それから、先ほどの
職員
の再就職の問題でございますけれ
ども
、私
ども
といたしましては、一般の
国民
の方から疑惑を持たれないようなそういった形で適正に対応してまいりたいと考えておりますので、何とぞ御理解を賜りたいと思います。
大口善徳
33
○大口
委員
第一の質問のことについてでありますけれ
ども
、その場合、
国会
からの
要請
について、中間報告とか、いわゆるまめに、タイミングを失することなく出していただきたいということ、これをお願いをします。 そして二番目の天下りにつきましては、とにかく再
検討
をしていただきたい、こういうふうに思います。 それから、私、
会計検査院
のインターネットのホームページを見させていただきました。これからこの
決算行政監視委員会
が
国民
の声というものをどれだけ受け入れていくか、これはもう
国会
改革の中で非常に目玉だと私は思うのですね。そしてまた、
会計検査院
も、どれだけ
国民
との間に距離を置かないで、
国民
の苦情ですとか、これは税金の
むだ遣い
じゃないかということをどう拾い上げていくかが非常に大事だと思うわけです。 ところが、ホームページを見ますと、どんどんいろんな
情報
を下さいというような姿勢が出ていないんですね、私見ましたけれ
ども
。Eメールだって本当に細かい字で書いてあるわけです。どんどん
情報
を下さいという、そういうようなホームページにしなければならないと私は思うのですね。この点についてお伺いしたいと思いますし、また、ファクスでも、それからまたEメールでもどんどん受け付けますということを広く広報していただきたい。そのことをお尋ねしたいと思います。
疋田周朗
34
○
疋田会計検査院長
本院の活動
状況
を広く
国民
の
皆様
に周知
徹底
するということは非常に重要な事柄でございまして、そういった意味で、ホームページにつきましてもようやく開設にこぎつけたわけでございますが、今後その内容につきましては、今
委員
御
指摘
の点も含めまして、より充実したものに改めるように努めてまいりたい、このように考えております。
大口善徳
35
○大口
委員
ここにホームページはございますけれ
ども
、これはなかなか読み取れないような、本当に小さく書いてあるわけですね。これでは、御
意見
をいただきたいという姿勢が見えていないわけです。私はまた一週間後にこれを見させていただきますが、ホームページがどう
改善
されているのか期待して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
粕谷茂
36
○
粕谷委員長
これにて大口善徳君の
質疑
は終わりました。 次に、石垣一夫君。
石垣一夫
37
○石垣
委員
現在、
大蔵省
を中心とするいわゆる金融・証券業界の疑惑、特に今回は、金融証券
検査官
室長がその中心人物である、こういうふうに報じられておりますね。腐敗まさにきわまれり。こういう中にあって、監視
機関
としての
会計検査院
の果たすべき役割については、ますます
国民
の期待が大きく高まってきたと思うんです。 そういう中にあって、十二月三日の
行政
改革
会議
における最終報告においても、
検査
院の機能の充実強化について特に
指摘
をしております。先ほど院長からも
説明
がありましたように、今回、
国会
の
要請
についても対応しなければならないという中で、この
体制
のいわゆる受け皿づくり、これと機能強化について具体的にどのようにお考えになっておるのか、まず一点。
疋田周朗
38
○
疋田会計検査院長
今回の、
国会
から私
ども
会計検査院
に対しまして
検査
要請
が行われるという制度
改正
が行われたわけでございますが、私
ども
も、当面は現有勢力の中でできるだけ御協力を申し上げまして、その
状況
によりましてまた
体制
の
整備
などについても考えてまいりたい、このように考えておるところでございます。
石垣一夫
39
○石垣
委員
現有勢力は、いわゆる事務職も含めて千二百四十九名と先ほど
説明
がありました。その中で七百人がいわゆる
会計検査
の
実施
者になる
調査官
である、こういう報告をなさっておりますね。これでは、今の現有勢力でもって現在のスケジュールをさばくのに精いっぱいじゃないですか。新しく大きな
業務
が加わってきたときに、今の
体制
ずくでやれるのかということを非常に懸念するわけであります。 先ほ
ども
院長の話にあったように、
要員
の
確保
、
組織
の
整備
についても考えておるとおっしゃっておるんですけれ
ども
、事が出てからじゃ遅いんですよ。万全の
体制
で臨むということが僕は大事なんだと思うのです。備えあれば憂いなし、今この時点で
体制づくり
、
組織
づくりをやらなかったら、これ、突発事には対応できませんよ。これはどうなっているんですか。具体的におっしゃってください。
疋田周朗
40
○
疋田会計検査院長
今後、
国会
からの
検査
の御
要請
が増加いたしまして、その対応に支障が生ずるおそれが出てくるような場合には、当然のことながら、
検査要員
の
確保
あるいは
組織
の
整備
などの措置が必要になると考えておりますけれ
ども
、当面、現在の
組織
、人員を最大限に活用しながら鋭意取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
石垣一夫
41
○石垣
委員
この
検査計画
の策定を十二月から一月にかけてやられるわけでしょう。そこから出発するわけですね。最終的に報告書を十月から十二月につくられる、こういうスケジュールですね。これは既存のいわゆる
業務
なんですよね。それでもう私は精いっぱいだと思うのですよ。それにこうやって新しいものが加わったときに、今院長がおっしゃっているようなそういうのんきな
体制
でいいのですか。 不確定要素があるからわからない、こう言うかもしれませんよ。しかし、現実に
決算委員会
から
決算行政監視委員会
になったわけです。
業務
のふえることははっきりしておるわけです。これでは非常に対応がのんびりしておるのじゃないか、私はこう思うのですが。
疋田周朗
42
○
疋田会計検査院長
委員
御承知のとおり、私
ども
の
検査対象
は、国の各省各庁を初めとしまして、
公団
、
事業団
あるいは地方公共団体、
補助金
の交付先など非常に膨大なものがございますが、その中で、
会計検査院
といたしましては、毎年、より適切な
検査計画
を作成しながら、重点的に
検査
に取り組んできているところでございます。 そういった中で、
国会
からの御
要請
がございました場合には、これまた非常に重要な
検査対象
と受けとめまして、
検査計画
をやりくりするなどいたしまして、鋭意
検査
に取り組んでまいりたい、このように考えておりますが、それでもなおかつ十分な対応ができない場合には、そのための
要員
の
確保
あるいは
組織
の
整備
などについても
検討
する必要があるというように考えているところでございます。
石垣一夫
43
○石垣
委員
まあ、幾らやっても同じですから。
検討
する必要があるんじゃないんです。
検討
しなければならないんです。これは冒頭はっきり言っておきますよ。 そこで、具体的にちょっとお伺いしたいのですけれ
ども
、先ほ
ども
説明
がありました
木曽岬干拓事業
、これは
平成
元年から
平成
七年まで七回ずっと
指摘
されてきてますね。あるいはまた、労働者災害補償保険の診療費の算定、これについても、七年間
改善
命令を出しながら、やっと八年目に結果が出てきた。七年間も
指摘
をしながらその結果が出ないというのは、これはどういう理由があったのですか。
疋田周朗
44
○
疋田会計検査院長
私
ども
が
意見
を表示しあるいは
処置
を
要求
した
事項
の大半は、翌年の
検査報告
取りまとめの時期までには
改善
されているものが多いわけでございますが、今
委員
御
指摘
の
木曽岬干拓事業
と労災保険の診療費の算定の問題につきましては、御
指摘
のとおり、
是正改善
に長期間を要しているところでございます。 まず、
木曽岬干拓事業
につきましては、愛知、三重両県の県境問題の解決に非常に時間を要していたわけでございますけれ
ども
、八年九月に県境問題は解決いたしまして、さらに引き続き、その
土地
の利用を、農用地として利用するか、その他の
土地
として利用するか、こういったことにつきまして、愛知、三重両県が幅広い
関係者
の参加を求めて鋭意
検討
を続けておられる、こういう
状況
でございます。 それから、労災保険の診療費の算定の問題につきましては、地域特掲料金と申しますのは、各労働
基準
局と地元医師会との間に、いろいろな長年の慣行とか協定などによって設定されていたものでございまして、労働省あるいは各労働
基準
局の一方的な
決定
だけでは解消できない問題でございましたために、解決に時間を要した局が一部にあったわけでございますが、現在ではすべての都道府県におきまして解消の
処置
がとられているところでございます。そのような
状況
でございます。
石垣一夫
45
○石垣
委員
これ一つの問題について七年間もかかっているんですね、
指摘
してから。 そこで、やはり私は、
会計検査院
のいわゆる
権限
、これについて、
会計検査院
は
内閣
から独立した
機関
である、こうなっておりますけれ
ども
、
検査
院みずからが法的な拘束力を持つ
機関
にすべきではないか、こう考えるのですけれ
ども
、いかがですか。
疋田周朗
46
○
疋田会計検査院長
会計検査院
は
内閣
から独立した
機関
でございますことから、
会計検査院
の
判断
に従った措置をとることを
会計検査院
から
内閣
の各
省庁
に対して義務づけるというような法的拘束力はないというのが現在の
状況
でございます。
会計検査院
の
指摘
の
実効性
を
確保
する上で最も
効果
的であると考えられますのは、
国会
の
決算審査
などにおきまして
会計検査院
の
検査報告
を活用していただくことができれば、より
効果
があるのではないかというように私
ども
としては考えているところでございます。
石垣一夫
47
○石垣
委員
今のやりとりは、これは
行政
改革特別
委員会
の
平成
八年十二月十三日の
委員会
でやりとりが行われているわけですね。はっきり法的拘束力はないということで、今院長の方から、
決算
の結果でもって何とかそれをカバーしていきたい、こういう話なんですけれ
ども
、七年間もかかった実例が二つもあるんですね。まだあと、二年、三年の例がたくさんあります。そういう中で、私は、あえてもう少し
権限
を強化すべきではないかと思って提言申し上げたんですよ。今後の
課題
としてやはり考えていくべきことじゃないか、私はこのように
指摘
したいと思うのです。 次に、
会計検査院
が毎年
検査
の
対象
とする問題があると思うのですが、その中で、
内閣
官房
予算
、それから報奨費の
検査状況
について、
平成
七年度が十五億千六百三十五万、
平成
八年度では十五億千六百四万、
平成
九年度では十五億一千八百九十五万、こういう支出になっておるんですけれ
ども
、この報奨費の
検査
の中身について、どのようになっておりますか。 我々が今まで聞いておるところでは、これは簡易証明書をもって領収書にかえるというように聞いておりますけれ
ども
、非常にべールに包まれたというような感じを持っておるわけです。この
検査
内容はどうなっていますか。
最後
です。
粕谷茂
48
○
粕谷委員長
委員長
からちょっと申し上げます。 大変
質疑
の時間が制約されていますので、
質疑
者も非常に御苦労があると思うのですが、答弁の方も簡略にひとつお願いをいたします。
深田烝治
49
○深田
会計検査院
説明
員 報償費の
検査
につきましては、
書面検査
とそれから
実地検査
、そういう二通りのやり方で行っております。
書面検査
につきましては、計算証明として提出されます取扱責任者の領収証書とか、あるいは決議吾等を調査いたします。そして、
実地検査
におきましては、取扱責任者の手元に保管されております領収証書の提示を受けまして、支出
目的
等について
関係
書類の提示や
説明
の聴取を受けている、そういうところでございます。 それから、今の簡易証明書というようなお話でございますけれ
ども
、一般に、支払いの中には、例えば祝儀あるいは不祝儀に対するものなど、社会儀礼上などによりまして領収書がとれないものがございます。このような場合は、そのとれない理由とか、支払い先、支払い金額を明らかにしました支払い責任者の証明書が領収証書にかわるということになっておりまして、これは報償費に限らず、交際費も同様でございます。また、これは
内閣
報償費だけじゃなくて、一般のその他の各省の報償費につきましても同じでございます。
粕谷茂
50
○
粕谷委員長
これにて石垣一夫君の
質疑
は終了いたしました。 次に、
中林よし子
君。
中林よし子
51
○中林
委員
日本
共産党の
中林よし子
でございます。
会計検査院
の役割というのは今非常に注目されていると思うのですね。
内閣
から独立し、厳正、中立な
検査
というものが求められているときに、私、
検査
院の方から、この十年間、一九八八年から九七年までの、
検査対象
になっている公益法人だとか
特殊法人
、それらにどのくらいの役職の方が天下っているかということで
資料
をいただきまして、驚きました。実に三十六人の方が、俗に言う天下りをなさっているということなのですね。 新聞報道を見ますと、
検査報告
に掲載するのは勘弁してほしいと頼まれると、再就職で世話になることもあるので断りにくい、こういったOBの方のコメントも載っているのを見たのですね。 だから、本来、厳正、公正中立てなければならない、そういうことがこういう天下りによって甘い
検査
になるのではないかというふうに思いますし、その天下り先も、今非常に問題になっている石油
公団
だとか動燃だとか鉄建
公団
だとか、これまでも随分問題になったところへの天下りになっている。こういう事実を見たときに、
国家公務員法
では利害
関係
のあるところには天下ってはならないという禁止
事項
がありますけれ
ども
、
特殊法人
だとか公益法人だとか、こういうところへの天下りの禁止は
法律
的にはないというふうに思うのですね。だけれ
ども
、今のこの本当に厳正な
検査
が求められているときに、
会計検査院
みずからがこれは厳に慎むべきときではないのかというふうに思うのです。 先ほどの答弁を見ましても、相手側の
要請
にこたえてという御答弁がありましたけれ
ども
、相手側は何のために
要請
するのかということを考えたときに、やはり甘い
検査
をしてほしいということが根っこにありはしないかと、勘ぐりやすいというふうに思うのですね。そういう点で、院長の御決意といいますか、そういう、
国民
から見て
不信
を抱かれないようにする、みずからがそれを正すということをどのようにお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
疋田周朗
52
○
疋田会計検査院長
会計検査院
の
職員
OBの再就職に当たりましては、ただいま
委員
から御
指摘
がございましたように、
検査対象
機関
に再就職している者も一部ございます。これは、先ほ
ども
申し上げましたように、主に内部監査の仕事に携わるケースが非常に多いわけですけれ
ども
、こういった再就職に当たりましては、
国民
の信頼を損なうことのないように今後とも十分に配慮しながら行ってまいりたいと考えておりますし、また、私
ども
会計検査院
といたしましても、退職者が再就職している
機関
であるからということで
検査
の
実施
に当たって手心を加えるというようなことは決して行わないということでございますので、この点、御理解をいただきたいと思います。
中林よし子
53
○中林
委員
手心を加えないようにといっても、再就職していれば、
国民
の側から見た場合、そういう
不信
感を抱かざるを得ないということがありますので、
法律
がないからということではなくして、みずからがそういうところへの再就職は慎むようにしていただきたいというふうに思います。 続いて、実は
検査
はやっているのだけれ
ども
検査報告
に載らない分野があるのではないかというふうに思います。 実はこれは、
日本
共産党の政党
機関
紙であります「しんぶん赤旗」でも一月二十四日に報道しましたけれ
ども
、現職察官から内部告発がされました力 これは具体的に県名も出ていたのですけれ
ども
、この告発した警察官の身分を保障するという意味で県名は伏せて報道しておりますけれ
ども
、「毎月支給される給与明細に記載のない「通信費」、不明りょうな「時間外手当」」など不明朗な支出があるということで、「このような不正をなくすために是非、警察の不明朗
会計
を調べて下さい。」と、「不正が嫌いな一警官より」ということでの内部告発の手紙が寄せられました。 同時に、これまでも、新聞報道でも、愛知県警の問題あるいは長崎県警の不正経理の問題など報道されて、
会計検査院
も
検査
に入ったというふうに報道されているのですけれ
ども
、これまで一度も警察に対する
検査
の報告はないというふうに伺っているのです。その事実はどうなのか。ないということならば、なぜ警察に関してこれだけ多くの疑惑があるにもかかわらず報告に上らないのか、その点についてお伺いしたいと思います。
深田烝治
54
○深田
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 警察庁に対します
検査
は毎年
実施
しておりまして、
平成
九年次におきましては、本庁のほかに二つの管区警察局、それから八つの都道府県警察本部などの
検査
を
実施
しております。
検査
の結果につきましては、
検査報告
に掲記する
事項
はなかったわけでございます。 今
委員
御
指摘
の長崎県警につきましては
平成
八年一月、それから、愛知県警につきましては八年八月に
実地検査
を
実施
しまして、旅費等の支出につきまして、その支出額が多額に上っております課を抽出いたしまして、
関係
書類を精査するなどいたしまして
検査
を
実施
したわけでございますが、不正経理の
事態
は
検査
した範囲では見当たらなかったというものでございます。 ただ、
委員
の御
指摘
もございますし、今後とも警察庁の旅費等の件につきましては従来にも増して力を入れて
検査
を
実施
したい、そのように考えております。
中林よし子
55
○中林
委員
検査対象
に聖域があってはならない。内部告発などありますから
検査
はするけれ
ども
、報告ができないということで一度も警察関連の報告が出ないということは、やはり聖域があるのではないかと思わざるを得ませんので、その点は、本当に不正を許さないという立場、それから税金の正確な執行という立場から、ぜひ聖域のないようにお願いしたいというふうに思います。 もう一点だけお伺いしたいと思うのですけれ
ども
、
予算
の執行の政策の評価に対する
検査
の問題なんですけれ
ども
、
事業
が動いている間はなかなか報告しにくいという話をお伺いしているのですが、具体的に中海
土地
改良
事業
の中で、実は九六年の五月に発覚したことですけれ
ども
、島根県の県の
職員
が自分では農業をしないのに不正に
干拓
地を所有していた問題で
検査
院が入っていらっしゃる、これは事実でございますけれ
ども
、こういうことで今問題になっている。 これ以上の農地は必要でない、また
環境
破壊をするという大問題になって、国営
事業
ですから税金のむだの上にもむだを重ねるのではないかということで、中途であっても、これだけの疑義が出ている問題は、当然、
予算
の費用
効果
の問題ででもぜひ
検査
院としての報告があるべきではないかというふうに私は思うのです。ぜひお答えいただきたいと思います。
牛嶋博久
56
○
牛嶋
会計検査院
説明
員 お答えいたします。
会計検査院
では、従来から
干拓
事業
については
関心
を持って
検査
に当たっております。最近では、国営木曽岬の
干拓
事業
、それから国営羊角湾
土地
改良
事業
について、それぞれ
検査報告
に掲記しているところであります。 農林水産省におきましては、御質問の国営中海
干拓
事業
のうち、
事業
を休止している本庄工区につきましては、
平成
九年度から二カ年間、
事業
計画の技術的、
経済
的な検証、
環境
や
資源
への影響について調査を行い、その結果をもって今後の
事業
の取り扱いについて
判断
することとしております。また、宍道湖・中海の淡水化
事業
につきましては、鳥取、島根両県知事から水質保全等の面で懸念があるとして淡水化施行の延期
要請
を受け、これに基づき
昭和
六十三年度より
事業
を延期しております。したがって、このようなことから、
会計検査院
としましては現在その
事態
の
推移
を
関心
を持って見守っているところでございます。
中林よし子
57
○中林
委員
時間が参りましたので、少し
意見
はあるのですけれ
ども
、終わります。
粕谷茂
58
○
粕谷委員長
以上をもちまして
中林よし子
君の
質疑
は終了いたしました。 次に、
横光
克彦
君。
横光克彦
59
○
横光
委員
社民党の
横光
克彦
でございます。 今、各
委員
からいろいろと御
意見
が出ました。とりわけ、
大蔵省
の
検査官
の不始末が
国民
の
皆様方
の
行政
に対する信頼を著しく失墜させている
現状
でございます。それだけに、私、厳正中立であるべき
会計検査院
の役割というのはこれまで以上に重くなる、そのことをくれぐれも自覚していただきたい、このように、まず冒頭お願い申し上げます。 まず、
検査対象
ですが、一般
会計
の規模一つとってみても、十年間で約一・二倍、また二十年前と比べれば二倍にも拡大しているわけですね。それだけに、
行政
の自己チェック機能を高め、その透明、公正の
確保
を図ることは
行政
改革の最重要
課題
だと私は考えておるわけですが、こうした財政規模一つとっても膨大かつ複雑となっている今日、
会計検査院
においても、
検査
体制
あるいは
検査手法
、
検査権限
など、思い切った見直しが私は必要どなっているのじゃないかという気がするわけです。特に、現行の合議制に基づく三人制の
検査官
制度、このことについてどのようにお考えなのか、これで機能を果たせるのか、増員の必要はないのか、あわせて見解を伺いたいと思います。
疋田周朗
60
○
疋田会計検査院長
検査官会議
につきましては、
会計検査院
の
意思決定機関
として、
事務総局
から分離し、かつ対等の地位を有する
検査官
の合議体とすることによりまして、その
意思決定
の中立性、公正性を
確保
するということが原則となっております。 具体的には、現在、
検査官
三人で
検査官会議
が構成されているわけでございますが、これは、最小の合議体とすることによりまして、実質的な議論と迅速な結論を出すということを容易にしているところでございます。これまで、三人制によりまして
業務
上特段の支障を生じたこともございませんし、
検査官
三人による合議
体制
度が、
判断
の公正性、それから機動性、こういった両面を
確保
するための最適の制度であるというように私
ども
は考えております。 〔
委員長
退席、穂積
委員長
代理着席〕
横光克彦
61
○
横光
委員
一般
会計
の規模が大きくなり、財政規模が増大する根底には、政府の活動領域の拡大ということがありますよね。こうした領域拡大に対応して
検査
院の
体制
を強化することは、私は重要なことだと思うのですね。しかし確かに、それは無制限というわけにはまいりません。 そうしますと、中央政府の自浄装置としての
会計検査院
の
体制
強化と政府活動の領域とに一定の均衡点を見出すことが、またもう一つ重要な
課題
になってくると思うのです。言いかえれば、中央政府の役割を見直して地方分権を図る、これが今後の
会計検査
をより
効率
化する重要な
課題
だと考えております。幸いにして、自治体も外部監査制度を導入することになっているわけですから、
会計検査
にも新たな役割分担が必要と考えておりますが、この点についてはどのようにお考えですか。
疋田周朗
62
○
疋田会計検査院長
地方公共団体の監査につきましては、監査
委員
が設けられておりまして、地方自治法に基づきまして住民のための監査を行っているところでございまして、本院とはその立場、
目的
を異にしているわけでございます。 しかしながら、国の支出を伴う補助
事業
などにおきましては、監査が行き届いて適正な執行が
確保
されるということは非常に望ましいことでございますので、
会計検査院
といたしましても、できる限り、地方公共団体の監査
委員会
事務局あるいは監査部局による監査が充実するように、例えば
講習会
を開きましたり、そういったことで協力をし、努力してきているところでございます。
横光克彦
63
○
横光
委員
先ほど同僚
委員
からも質問がございましたが、
会計検査院
の機能強化として、
正確性
、
合規性
、
経済性
及び
有効性
の
観点
その他
会計検査
上必要な
観点
から
検査
を行うものとするとの新たな
規定
が追加されたわけでございます。これは、本
委員会
と
会計検査院
との協力
関係
の強化という
観点
からすると重要な意味があると私は考えておるわけです。 つまり、ポリシー、プログラム、プロジェクトから成る政策体系に対して、
会計検査
の立場からどのような政策評価を行うか、また立法府は立法府としてどのような政策評価を行うか、ここに
会計検査院
と立法府の今日的
課題
に対する接点があると考えているわけですよ。そうした意味から、今後の
検査
において政策評価の比重を高める必要があると私は考えておりますが、その点はいかがですか。
疋田周朗
64
○
疋田会計検査院長
ただいま
委員
御
指摘
のとおり、私
ども
といたしましても、政策評価にかかわる
検査
につきましてより充実した
体制
に持っていく必要があるということで、現在いろいろな手だてを講じながら努力を重ねているところでございます。
横光克彦
65
○
横光
委員
どうか前向きに取り組んでいただきたいと思います。 また、今回設置されました本
委員会
の所管
事項
に関連して、
会計検査院
は、
国会
から特定
事項
の
検査
の
要請
があったときは当該特定
事項
について
検査
を
実施
してその
検査
結果を報告することができると、法に明記されましたね。これらによって、
会計検査院
と
国会
との
関係
はこれまで以上に相互の協力
関係
が求められることになると私は思うのです。 しかし、本
改正
は義務
規定
となっているわけじゃありません。そこで、先ほど同僚議員からも質問がありましたが、議院あるいは
委員会
から
要請
があった場合、この
法律
上の義務のあるなしにかかわらず十分な
検査
を行うものと積極的に理解してよろしいでしょうか。
疋田周朗
66
○
疋田会計検査院長
ただいま
委員
御
指摘
のとおり、私
ども
会計検査院
といたしましては、従来から、
国会
の御
審議
の
状況
に対応いたしまして的確な
検査
に努めてまいったところでございますし、今回新たに
検査
の御
要請
という制度ができたわけでございますので、
会計検査院
といたしましては、御
要請
があった場合には全力を挙げて真剣にこれに取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
横光克彦
67
○
横光
委員
どうか厳正、中立な立場からこれまで以上の御努力を心からお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
穂積良行
68
○穂積
委員長
代理 以上で各党を代表する
委員
の
質疑
は終了いたしました。 これより自由
質疑
を行います。 この際、
委員
各位に申し上げます。
質疑
のある
委員
は、挙手の上、
委員長
の許可を得て発言されますようお願いいたします。また、発言の際は、所属会派及び氏名をあらかじめお告げいただきたいと存じます。なお、一人一回の発言は三分以内で簡潔にまとめていただくようにお願いいたします。
質疑
のある
委員
は挙手をお願いいたします。
石崎岳
69
○石崎
委員
自由民主党の石崎岳です。 今回の
大蔵省
の
不祥事
を見ても、
検査
セクションのモラルハザードあるいは
検査
そのものが形骸化するということが非常に恐ろしいということが如実にあらわれております。
会計検査院
の大事についてお聞きしたいのですけれ
ども
、一つのセクションにいる期間ですね、人事ローテーションというのはどういうふうになっているのか。同じ
対象
を長期間
検査
することによる問題点というものが
発生
する、あるいはなれとかそういうものが
発生
する危険性があると思いますから、一人の人間が一つのセクションにとどまる期間というものはどの程度なのか、あるいはほかのセクションとの、
会計検査院
以外との人事交流というものがあるのかどうか、お聞かせください。 〔穂積
委員長
代理退席、
委員長
着席〕
森下伸昭
70
○
森下会計検査院説明員
お答えいたします。
会計検査院
には幾つかの
検査
課がございまして、それに対して
検査対象
機関
が所属しているということになりますが、その在職する期間は、余りにも長くなりますと
検査
の
観点
もマンネリ化いたしますので、そういった面からもある程度の期間を念頭に置きながら、三年ないし五年の期間を念頭に置きながらローテーションを組んでいるところでございます。 それから、他の
省庁
との人事交流も、約三十名ばかりでございますけれ
ども
、やはり実際の現場を踏むという経験が必要だという
観点
から、二年間ぐらいの期間を限りまして、人事交流を図っているところでございます。
石崎岳
71
○石崎
委員
ということは、ほかの
省庁
からも
会計検査院
に来ているということですね。
森下伸昭
72
○
森下会計検査院説明員
はい、そういうことです。
石崎岳
73
○石崎
委員
そのときに、つまり、人事交流をして戻った人たちとの私的な
関係
とか、そういった危険性が生じておりませんか。
森下伸昭
74
○
森下会計検査院説明員
現在のところそのような心配はしておりませんけれ
ども
、いろいろな点で留意してまいりたいと思います。
石井紘基
75
○石井(紘)
委員
友達の石井
紘基
でございます。 先ほどの報告の中に
検査対象
の数字が出ておりますが、三万八千七百カ所余ということになっているのです。余というとこれ以上ということなんでしょうけれ
ども
、実際にはこれよりまだ相当あると思うのですね。それは、出資をしたいろいろな団体がさらに出資をする、あるいはまたさらに出資をするという、いわゆる子会社、孫会社、ひ孫会社、やしゃご会社、こういう関連が余りにも多いので
会計検査院
としてもこれは把握し切れないというのが、二、三年前の
予算
委員会
における私の質問に対する答弁でありました。
会計検査院
は
検査対象
の団体が幾つあるか実際にはわからないということだったわけでありますが、
現状
でも恐らく、それ以降
検査
院は非常に精力的にそれを把握することに努めたわけでございますけれ
ども
、しかし、まだそれはわからないだろうと思いますね。 そこで、一つ伺いたいのは、今金融対策の中で、公的資金を投入して預金保険機構に注いでいく、そうすると、この預金保険機構からさらに銀行に資金が行く、優先株等々の形で行く、こういう場合には、この銀行も当然、
必要的検査対象
ではないけれ
ども
、任意的
検査対象
になるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
深田烝治
76
○深田
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 先生のただいまの御
指摘
は、優先株式等を引き受けた先の銀行についても
検査権限
が及ぶのかどうかという御
指摘
ではございます。 これを含めまして金融システムの安定化の諸方策につきましても、私
ども
関心
を持ってその行く末を見守っているところでございますが、現実に具体化といいますか、正式に制度化がなされていないということ、また、具体的な数字等もよく判明いたしませんので、正式に制度として確定しました際に、院法上の
検査対象
となり得るのかどうか、そこら辺を
検討
いたしたいと思います。
石井紘基
77
○石井(紘)
委員
そういう制度になれば資金が行く、そういう制度ですから、その時点で
検討
するとかしないじゃなくて、従来の
検査
院の
権限
としてこれは当然
検査対象
になるんじゃないですか。もう一回御答弁をお願いします。
深田烝治
78
○深田
会計検査院
説明
員
検査対象
の一つといたしまして直接または間接に
財政援助
を与えた先というものが選択的な
検査対象
になるということは、院法上に
規定
されております。 本件の御
指摘
の金融
機関
がこの
財政援助
先に当たるのかどうかということにつきましては、十分もろもろの条件、制度等を
検討
いたしまして、それで確定したい、そういうように考えております。
石井紘基
79
○石井(紘)
委員
済みません、三分間ということなんだけれ
ども
答弁がちょっと納得できないので。 それでは、それはいつ
検討
して明らかにしてくれるのですか。
深田烝治
80
○深田
会計検査院
説明
員 この制度がただいま
国会
で
審議
されているところでございます。正式に
国会
で成立されましたならば確定いたしたい、そのように考えております。
萩山教嚴
81
○萩山
委員
過去の
決算委員会
は、私も
理事
をやっておりましたが、なおざりの
委員会
だったと私は思っている。そしてまた、一年間に一回か二回しか開かれない、監査は二期も三期もおくれていたというのが実情でありました。これからの
委員会
というのは、名前も変わって充実した
委員会
になりましたから、
行政
の監査をしなければならぬということですから、これは大変なお日付役をいただいたなと思っております。 そこでお尋ねいたしますが、今、不景気にあえいでおります。建設業界も大変な、中小企業の中で頑張っている。これが三月、四月と来て、五月、六月、七月となると大事な前倒しの時期になります。そうしますと、その大事なときに
検査官
が来て、一カ月ぐらいあるいは十日間ぐらい
検査
をやるわけですね、建設省なりあるいは県庁なりに入ってきて。大事な工事を発注しなければならぬときに、空白の時期ができるわけです。これを何とか時期をおくらせてやれる方法はないものか。 それともう一点。完成したものを破壊
検査
して
検査
するくらいなら、中間でもう一回
検査
ができないものか。人が足らないというならまたそれは論外であるけれ
ども
、また考えなければならぬ問題ですが、そういうことも知恵を働かせることはできないか。結果で判決を下すよりも中間で注意をした方がもっと
効率
が上がるのではないかなという気が私はするのです、正しい金の使い道として。どうぞ答えてください。
大和顕治
82
○大和
会計検査院
説明
員
公共事業
に関する
検査
の時期でございますけれ
ども
、過去にも景気対策等の関連でございまして、四ないし五月には、発注に考慮いたしまして
検査
をずらすということを現にやっております。東北、北海道地方については、特に現在でもそのようなことを
実施
しているところでございます。 なお、
検査
のために業者の方がいろいろ対応をされるということは、本院の方から特に
要求
しているわけではございませんで、発注者側の方が非常に過剰な反応で
検査
準備をされているというふうなところがありますので、その辺をぜひ御指導していただきたいというふうに過去からもお願いしているところでございます。 それと、今お話のありました途中での
検査
でございますけれ
ども
、本院の
検査
は
会計経理
が終わった後に行うというのが
検査
上の建前となっておりますので、途中では現在のところ
検査
を行えないということになっております。そのように御理解いただきたいと思っております。
萩山教嚴
83
○萩山
委員
途中で
検査
ができないというよりも、それは完成してからではわかりますか、適切な
処置
がされた工事であるかどうかということが。
大和顕治
84
○大和
会計検査院
説明
員 工事の
検査
につきましては、発注した側の方で監督
検査
を行っているわけでございまして、その監督
検査
につきましては、適切な監督
検査
要領等、各種の
資料
等がついているわけでございます。私
ども
はそれを見まして、問題があるものについては、場合によっては破壊
検査
等を行ってそれを
確認
しているということでございまして、実際に
検査報告
でも何点かの
指摘
をしているところでございます。
萩山教嚴
85
○萩山
委員
もうちょっと。 それはそれとして、大手ゼネコンが四〇%、三〇%を削減して、カットして下請に出す。下請がそれをまた一割五分はねる。孫請まで行ったときにはもう既に半分以下になってしまう。これでも工事ができるのですが、そういうことに対しての
検査
の方法というのはないのですか。これが
最後
です。
大和顕治
86
○大和
会計検査院
説明
員 私
ども
の
検査
の
対象
となりますのは、
事業
主体の発注と直接の契約発注元でございまして、孫請、下請に関する直接的な
検査権限
というのはないわけでございます。一括下請の禁止とか、そういうような状態のものについては
検査
をしていることではあるわけでございますけれ
ども
、元請が下請に幾らで発注したかというようなところまでにつきましては、
検査権限
は現在のところ及んでいないというふうに理解しております。
萩山教嚴
87
○萩山
委員
では、表面上適切に
処理
されておれば、それであなた方は引き下がってくるのですか。あなた方が不正を摘発するところに、
会計検査院
という意味があるのじゃないのかな。
大和顕治
88
○大和
会計検査院
説明
員 現在の私
ども
の与えられております
検査権限
の範囲内でできるだけ努力してまいりたいと思っております。
萩山教嚴
89
○萩山
委員
もう終わります、もうちょっとだけ。
法律
改正
。
法律
になかったら、
法律
を
改正
させればいいじゃないですか。 終わり。
疋田周朗
90
○
疋田会計検査院長
ちょっと簡単に私からもお答えさせていただきます。 私
ども
、工事
関係
の
検査
に当たりましては、予定価格の積算内容を詳細に
検討
いたしまして、実態と著しくかけ離れたような積算がなされているものについては従来から
指摘
をしてきております。そういった意味合いで、適正な工事費が
確保
されるように常時留意しながら
検査
に当たってきているところでございますので、その点をちょっと申し添えさせていただきたいと思います。
粕谷茂
91
○
粕谷委員長
委員長
の方で御指名しますのはなるたけ公平にやっていきたいと思いますから、時間もあるようですから、恐れ入りますが、それで御了承いただきたいと思います。
松浪健四郎
92
○松浪
委員
自由党の
松浪健四郎
でございます。 この
委員会
に所属させていただくに当たり、
平成
八年度
決算検査報告
についてという
参考資料
をいただき、そしてそれを読ませていただいたわけであります。 その
参考資料②
を見ますと、三ページなのですが、ODAについて書かれてあります。その「④
政府開発援助
について」ですが、その一番下の行に「四
事業
については
開発
金融借款の監理が十分に行われていなかった。」こう書かれてありました。では、この四
事業
というのは一体どんな
事業
なのか、私たちはそれを知りたくなる。 そこで、経企庁に尋ねましたならば、ファクスをいただいたのです。それは非常にわかりづらいものでしたが、いただいたその
資料
の中で一「特定
検査対象
に関する
検査状況
」これは
平成
八年度の
決算検査報告
なのですが、その四百三十三ページに今私が申し述べました四
事業
について書かれてあるのです。それを見ますと、四
事業
は「A国」「A国」「B国」「C国」というふうに、国名が書かれていないわけなのです。それで、その
事業
についても非常にわかりづらいのです。
経済
企画庁調整局の
経済
協力第一課からいただいて初めて、そのA国というのはフィリピンであり、そしてB国はマレーシアであり、C国は中国であるということがわかりました。 こういう
援助
はどこに問題があるのか、これが非常にわからないので
資料
を取り寄せようと思いましたけれ
ども
、これは
委員長
にお願いなのですが、これらの
資料
をとることは非常に難しいし、出ない。それは、申すまでもなくODAは二十近くの
省庁
にわたって行われていることですから、どの局やあるいはどの省がやっているのか非常に報告ではわかりづらい。つまり、親切さに欠けるということであります。 この四つのことについて、やっと外務省の
経済
協力局から
資料
を取り寄せました。読ませていただきますと、この四
事業
、
検査
院が言っていることと外務省が考えていること、その見解に余りにも開きがあり過ぎて、どうもこの外務省の言い分を聞いておれば、問題になるようなことではないのじゃないか。例えば、相手国から我が国への返済については一切問題は
発生
していない、この四
事業
はすべてそのように一様に書かれてあります。そのようなものを、いかにも
検査
院が調査をして問題があるかのように書かれてあることに、私は、もしかしたら
実績
をつくらんがためにODAを問題視したものになっているのではないのかという疑念を持ちました。 そこで、
参考資料
の①、このODAのページを見ますと、「⑦ODA等」どうも数字がうそっぽいのですね。
実績
づくりのために数字が並んでいる。そして、諸外国は文化も民族も伝統も歴史も社会も異なりますから、現地で実際にやっている人たちと、そして
検査
院が
検査
するのと、どうもずれがある。それらのことの認識を持って書かれてあるのか、私は理解に苦しみました。 そして、
委員長
にお願いしたいことは、我々は、これらの
資料
を取り寄せるときには容易にとれるように各
省庁
にお願いしたいということと、そして、この四
事業
について
検査
院にお聞きしたいのは、とりたてて問題にするほどの
事業
ではなかったのではないか、そのことについてお聞きしたいと思います。
粕谷茂
93
○
粕谷委員長
松浪
委員
にお尋ねしますが、
委員長
、
委員長
と聞こえるのですけれ
ども
、
会計検査院長
ですか、監視
委員長
ですか。――
資料
要求
はどうやら私のようですな。これは
理事会
に諮りまして、後日報告をします。
松浪健四郎
94
○松浪
委員
ぜひお願いします。
粕谷茂
95
○
粕谷委員長
それでは、
会計検査院長
の答弁の分をお願いします。
深田烝治
96
○深田
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 今回、ODAで
指摘
いたしました
開発
金融借款でございますが、これは先生も御承知のとおり、それぞれの相手国の金融
機関
にOECFから貸し付けているものでございます。それぞれの相手国の金融
機関
では、そのOECFから貸し付けられた貸付金を原資にいたしましてそれぞれの国の貸付先に貸し付けている、そういう流れになっているわけでございます。 一番最初の貸し付けに当たりましては、順調にその
事業
がなされているわけでございますが、貸付金でございますので、当然償還というものがございます。その償還資金を再度貸し付けるに当たりまして、その点がうまくいっていない、そして、それに対するOECFのフォローが現
体制
ではうまくいっていないということから、その点の
改善
方を求めたものでございます。
粕谷茂
97
○
粕谷委員長
松浪
委員
に申し上げますが、ちょっと、時間が相当オーバーしておりますので。
松浪健四郎
98
○松浪
委員
わかりました。じゃ、このことについてはまた後日の
委員会
でさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
粕谷茂
99
○
粕谷委員長
お二人、御発言を求めておりますので、順次これを許していきたいと思います。
佐々木憲昭
100
○佐々木(憲)
委員
日本
共産党の
佐々木憲昭
でございます。私は、二点についてお尋ねをします。ます一つは、
会計検査院
の
検査報告
のあり方についてであります。二点目は、
検査
の系統性という問題についてです。 ます第一点ですけれ
ども
、
会計検査院
の
検査報告
への掲載の
基準
について、これは何を
基準
にして掲載する、しないというのを
判断
するのかという点なのです。 具体的な事例でお聞きをしますが、例えば、防衛庁が、艦船装備品の輸送費の
予算
をめぐりまして、税関の公印など、
予算
請求書類を改ざんしていたという事実がありまして、これについて、一昨年十月に
会計検査院
が、これは公文書に対する信用を害するものということで
是正
をさせたということがありました。この件については、
検査報告
書には掲載されておりません。
説明
によりますと、これは、国に損害、つまり実損を与えたものではないというような
説明
があったようであります。しかし、先ほどの
検査
院長の報告では、不適切な
事態
が
法令
、制度または
行政
に起因している場合等いろいろな事例を挙げまして、そういう問題についても、
法令
違反というようなことについても当然これは該当するというふうに思いますけれ
ども
、この点について、なぜこれを掲載しなかったのか、その場合の
判断
の
基準
、それから、今後、こういう
事態
について当然掲載をすべきだと思いますけれ
ども
、その点についての御見解を伺いたい。 二つ目は、防衛庁の四社の水増し請求、過大請求の問題で、これは
是正
をさせたわけでありますが、問題は、この金利の適用について、五%の適用のところと八%の適用のところがあった、こういう報道があります。五%を適用された上場会社、東洋通信機ですけれ
ども
、この場合には一億三千万軽減されていたということがあります。一度
是正
した後こういうことが発覚した場合に、そういうことについて、さらにもう一度内容について点検をする、そういう系統性が必要だと思いますけれ
ども
、こういう点について、今後、こういう
事態
にどのように対応していくのか。 以上、二点についてお伺いしたいと思います。
諸田敏朗
101
○諸田
会計検査院
説明
員 お答え申し上げます。 最初の御質問でございますけれ
ども
、輸入品の調達に当たりまして
関係
書類を改ざんしたという
事態
が、確かに先生御
指摘
のとおり、
平成
七年度にございました。これにつきましては、やはり
会計経理
上問題だということで、防衛庁に対しまして本院から質問を発しております。 それで、先生今御
指摘
のとおり、それでは、
会計
法令
に違反しているのになぜ
検査報告
に掲記しないかということでございますけれ
ども
、この件につきましては、確かに
会計
法令
としては問題がございましたけれ
ども
、手続を
会計
法令
上しっかりやっておけば、これはこれとして一応問題がなかったということでございます。 それと、やはりこの
指摘
というのは
不当事項
ということを念頭に置きましていろいろ
検討
したわけでございますけれ
ども
、
不当事項
ということになりますと、やはり国損が
発生
するということが大前提になるということでございますので、その点がなかったということ、そういったことを考慮いたしまして、この件につきましては
検査報告
に掲記しなかったということでございます。 それから、第二点の四社の問題でございますけれ
ども
、この金利を五%あるいは八%ということでやっていたという報道がございました。 これにつきまして、防衛庁調達
実施
本部に対して
確認
しましたところ、確かにそのような取り扱いをしているということでございます。したがいまして、私
ども
といたしましては、八%がいいのか五%がいいのか、現段階においては結論を出しておりませんけれ
ども
、それにつきましても現在鋭意
検討
している、そういう段階でございます。
粕谷茂
102
○
粕谷委員長
時間が参っておりますので、できれば……。田端
委員
に非常にお待ちをいただいておりますので。
佐々木憲昭
103
○佐々木(憲)
委員
わかりました。では、一応終わります。引き続き、この点について
委員会
で議論をさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
田端正広
104
○田端
委員
平和・改革の田端でございます。
最後
に一点だけ御質問させていただきますが、先ほど松浪
委員
からも御質問ありましたが、ODAの問題ですけれ
ども
、私はかねてから、このODAは例えば年間一兆二、三千億お金が出ているわけですけれ
ども
、このODAのチェックというのは一体どうなっているのだろうということはかねてから非常に疑問も抱き、また
関心
も持っているわけであります。 基本的には、私の今までの知識では、やはり外務省とタイアップするといいますか、外務省に頼っている部分が相当にあるのじゃないか、こう思っております。実際問題、
会計検査院
の方が世界百何カ国に出向くなんということはほとん
ども
う物理的に無理なことですから、何かの問題なり何かの国に絞って、何人かの人が、数名の方が動くのだろうと思いますけれ
ども
、しかし、これはそのままでいいのだろうかという思いがかねてからしているわけです。 そういった意味で、このODAのお金が本当にその国において有効的に、価値的に使われているのか、そしてそれがまた
日本
に評価されるようなことになっているのかどうか、そういうことを含めて、これからこのODAのチェックについてはもう少し本格的な
体制
が必要ではないか、そう思っております。 ちょっと時間があればもっと具体的に事例を取り上げたいわけですが、この毎年の報告でも、年間、例えばダム本体はつくったけれ
ども
、それに関する末端の、現地の、その国の施設が整っていないから稼働していないとかうまくいっていないとか、そういうたぐいのケースがたくさんあります。あるいは、それが二年、三年、五年と経過をして、事後調査をすればどういうふうになっているのか、たなざらしになっているというようなこともたくさんあるようでありますし、そういったことも含めて、これからODAの調査に対してのことを本格的にもう一度
検討
し直して、新しいあり方というものをつくり上げることが必要ではないか。 人員的な問題も含めて、その辺のところ、もし
会計検査院長
の方で将来構想をお持ちならお答えいただいて、我々もまたバックアップしていきたい、こう思います。
疋田周朗
105
○
疋田会計検査院長
ODAに対する
検査
の取り組みにつきましては、
昭和
六十年代に入りましてフィリピンの例のマルコスの疑惑の問題が起こりまして以来、
国民
の
関心
も極めて高まり、また
国会
での御
審議
も数々行われたわけでございますが、私
ども
会計検査院
といたしましても、従来はほかの
検査
課の中で一部細々とODAの
検査
もやっておりましたのを、その際、外務
検査
課というものをつくりまして、ODAの
検査
を主体的に行う
体制
を整えてきたわけでございます。 その後、ODAの
検査
そのものは、国内で
実施機関
に対して行う
検査
は私
ども
も十分な
検査
ができる
体制
にあるわけでございますが、一方、現地につきましては、主権の問題、その他気象条件、言語の問題、いろいろな障害がございまして、そういったものを一つ一つ解決しながらODAの
検査
の定着を図ってきているところでございまして、今後ともさらにいろいろな工夫を凝らしながら、充実した
検査
ができるように
体制
を整えてまいりたい、このように考えているところでございます。
田端正広
106
○田端
委員
その際、外務省との
関係
を、つまり外務省の現地の方で調べていただいたのがそのまま報告として上がってくるのだろうと思いますが、それをどういうふうにチェックするのかということですね。つまり、出先は外務省が持っているわけですから、これからそことのあり方というものをもう少し明確にしていかないと、報告書が上がったままそれを了としていくようではいろいろな問題は解決しないのだろう、こう思うわけで、そこの点をひとつしっかりと考えていただきたい。特に要望しておきます。
深田烝治
107
○深田
会計検査院
説明
員 私
ども
の現地調査でございますけれ
ども
、
検査
院の
職員
が一カ国につきまして三名ないし六名赴きまして、そしてそれぞれのプロジェクトを現地で調査しております。外務省が調査したものを我々が受け取る、そういうものではございません。
粕谷茂
108
○
粕谷委員長
それでは、予定をいたしました時間も参りましたので、本日の
質疑
はこの程度で終了いたしたいと思います。 次回は、来る二月四日水曜日午前九時五十分
理事会
、午前十時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時七分散会